JP3918702B2 - シャープペンシル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルに関する。
【0002】
【従来の技術】
1例として、「本体の先端部に摺動自在或いは摺動不可に装着された芯挿通管と芯保持部よりなる細芯用シャープペンシルの芯保護装置に於いて、芯挿通管の内面にゴム等よりなる弾性薄膜が一体に積層されて芯保持部が形成されていることを特徴とする細芯用シャープペンシルの芯保護装置。」がる(特許文献1参照)。つまり、芯挿通管の内面に弾性薄膜を一体に形成することによって、短くなった芯をも有効に使用することができるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
実公昭58−32959号公報(実用新案登録請求の範囲1、第4欄第25行目〜同欄第30行目)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、芯は、JIS規格により芯の最大・最小直径、即ち、芯径のバラツキ範囲が規定されている。例えば、呼び直径が0.5mmの芯に対しては、0.58mm(最大直径)〜0.55mm(最小直径)と規定されている。そのため、前記芯保持部材の内径は、規定されている最小直径の芯をも保持することができるように、使用する芯の最小直径に合わせて形成されている。即ち、芯は、繰り出される際、常に芯保持部材を外側方向に拡開させながら繰り出され、前進するのである。
ところで、上記の特許文献1にあっては、芯保持部が芯挿通管に密着した状態で一体に形成されている。そのため、芯の直径のバラツキ範囲は、ある程度は許容できるものの、万が一、最大直径の芯を使用してしまった場合には、繰り出されなくなってしまう場合があった。芯保持部材である弾性薄膜の弾性変形の許容範囲を超えてしまっているのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材の外形を、その芯保持部材が設けられる前記軸筒の内形よりも若干小形に形成すると共に、芯保持部材を軸筒に対して前後動可能に配置し、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを第1の要旨とし、軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材を前後動可能なものとし、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを第2の要旨とする。
【0006】
【作用】
芯の直径のバラツキが、芯保持部材の径方向並びに長手方向における弾性変形、及び、芯保持部材と軸筒との隙間、さらには、芯と芯保持部材との間に形成される空間部によって吸収される。
【0007】
【実施例】
本発明の好適な実施例について図1〜図4を参照して説明する。前軸1の内部には、複数の芯を収納する芯タンク2が摺動自在に配置されており、その芯タンク2の前端には芯の把持解放を行うチャック体3が固定されている。そして、そのチャック体3の前方部には、チャック体3の開閉を行うチャックリング4が囲繞している。符号5は、前記芯タンク2やチャック体3を後方に付勢するコイルスプリングなどの弾撥部材である。また、符号6は、前軸1の前方外周に着脱自在に取り付けられたゴム状弾性体からなるグリップ部材であるが、前軸1の表面にローレット加工などを施し、そのローレットによって把持した際の滑り止め効果を持たせても良い。
さらに、前記前軸1の前端には、先部材7が螺合などの手段によって着脱自在に取り付けれているが、前軸1に一体成形しても良い。その先部材7の内部には、芯を前方に向け案内するゴム状弾性体からなるガイド部材8が配置されているが、必ずしも必要な部材ではない。また、先部材7の先端には、筆記の際の視認性を良くするためにステンレスなどの金属材質からなる芯保護管9が圧入・固定されているが、先部材7と一体成形するなどしても良い。
【0008】
そして、その芯保護管9の内側には、本発明である芯保持部材10が配置されている。その芯保持部材10は、芯保護管9の両端近傍に圧入された固定リング11、12によって芯保護管9からの脱落が防止されているが、芯保持部材10は、芯保護管9の軸線方向に対して前後動し得るような長さとなっている。つまり、前記固定リング11、12間で移動できるようになっている。勿論、それらの固定リング11、12の内径は、芯の外径よりも大きく形成されているが、前方に位置する固定リング12においては、芯の外径よりほんの僅かに大きく形成されている。筆記の際の芯の振れをこの固定リング12によって極力防止しているのである。尚、後部に位置する固定リング11を削減し、前記ガイド部材8で芯保持部材10の脱落を防止するようにしても良い。
【0009】
また、芯保持部材10の外径は、芯保護管9の内径よりも若干小径に形成され、それらの構成によって隙間13が形成される。この隙間13は、図3に示す通り両側に形成される(隙間13a、隙間13b)が、芯保持部材10の位置如何によっては、何れかに偏ってしまうこともある。そして、その両側に形成される隙間13の総和(隙間13a+隙間13b)は、使用する芯の直径の6.7%以上を有している。詳述すると、JIS規格による芯の呼び直径の6.7%以上を有しており、例えば、芯の呼び直径が0.3mmの場合には0.0201(=0.3×0.067)mm以上の隙間13となっている。前記したようにこの隙間13とは、両側に形成される隙間13aと隙間13bの和である。さらに本実施例を用いて具体的に説明すると、隙間13が0.0201mmの本実施例に呼び直径が0.3mmの芯を使用すると、その芯のバラツキの最大直径(直径が0.39mm)においては、芯保持部材10の外面が芯保護管9の内面に軽く接触することになる。実質的には、リブ14が位置する芯保持部材10の外面部分が芯保護管9の内面に接触する(図4参照)。
【0010】
ここで、例えば、芯の呼び直径に対し20%の隙間13を形成すると、芯は芯保持部材10に保持されているものの、芯保持部材10と芯保護管9との間には隙間13が未だ形成されているため、筆記の際に芯が振れてしまい筆記しにくくなるように思われるが、前記固定リング11、12によって芯の振れが防止され、違和感なく筆記することができる。一方、隙間13が芯の呼び直径の6.7%以下であると、従来技術で述べたように、大径(バラツキの最大直径:例えば、呼び直径が0.3mmの芯の最大直径は0.39mm)の芯が使用された場合に、芯が繰り出されなくなってしまう危険性がある。芯保持部材10の外面が芯保護管9の内面に圧接し、芯保持部材10の弾性拡開が不可能な状態となってしまうのである。
【0011】
また、本実施例の芯保持部材10の内面には、6個の縦リブ14が等間隔に形成されているが、この個数に捕らわれるものではなく、例えば、4個等間隔に形成しても良いし、8個或いは、10個等間隔に形成しても良い。これらの縦リブ14の内接円形は、JIS(日本工業規格、以下同じ)の芯の呼び直径による最小値と同等か、或いは僅かに小径なものとなっている。即ち、芯Xが前記の縦リブ14によって軽く保持される程度のものとなっている。詳述すると、最小直径の芯を使用した場合には、縦リブ14の頂部に芯の外径が線接触し、また、最大直径の芯を使用した場合には、芯保持部材10自体が弾性拡開するのに加え、縦リブ14も弾性変形させて面接触する。この様に、本実施例では、縦リブ14を形成することによって、JIS規格のバラツキの上限に位置する芯をも確実に繰り出すことができ、また、JIS規格から若干外れた芯をも確実に保持し繰り出すこともできる。
さらに、前記芯保持部材10の縦リブ14の前端と後端には、面取り加工(面取り部14a、14b)が施されている。その後端面取り部14aは芯の繰り出し時における挿通性を良好なものとし、前端面取り部14bは芯の後退・収納性を良好なものとしている。
【0012】
芯保持部材の変形例を図5に示し説明する。芯保持部材15の内面に、前記例と同様に縦リブ14を形成すると共に、芯保持部材15の外面に縦溝16等間隔に形成した例である。詳述すると、この縦溝16は、内面に形成されている縦リブ14の対向外側の位置に形成されている。即ち、本例においては、縦リブ14が弾性変形することは勿論であるが、縦リブ14が縦溝16を利用して外径方向に拡開可能なものとなっている。
ちなみに、本例においては、芯保護管9に芯保持部材15を挿着する際、その芯保持部材15を指などで縮径させることができ、もって、組み立て性の向上も図れた構造となっている。また、縮径させなくても、芯保護管内面との接触面積が少ないため、挿着しやすくなっている。
【0013】
以下、前記芯保護管9と、芯保持部材10、15の材質について種々挙げるが、これらに限定されるものではなく、種々選択が可能である。芯保護管9の材質としては、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金などの金属材料、ABS、AS、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アルミナ、ジルコニア、陶土などのセラミック材料などの天然材料など、パイプ形状が形成できるものであれば、特に限定されない。
【0014】
また、芯保持部材10、15に用いる弾性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルメラミン樹脂、アクリル−シリコン樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化−酢酸ビニル共重合体、ビニルブチラール樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等が挙げられる。さらに紫外線硬化型樹脂を用いることもでき、その具体例としては、官能基として末端にアクリロイル基を有するアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの単官能性モノマーや、多官能性モノマー、光重合性プレポリマーとして、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート、アルキッドアクリレートが用いられる。モノマーは、単体では用いられず、光重合性プレポリマーと併用して用いられ、光重合性プレポリマーは1種または2種以上混合して用いられる。また、これら樹脂には、発泡剤や粉体などを含ませてもよい。
【0015】
発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤、熱膨張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の具体例は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネート化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、重炭酸ナトリウムと酸の混合物、過酸化水素とイースト菌との混合物、亜鉛粉末と酸の混合物などの無機系反応型発泡剤などが挙げられる。物理発泡剤の具体例は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロルメタン、フロン、空気、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられる。熱膨張性マイクロカプセルの具体例は、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の低沸点炭化水素を芯物質とし、塩化ビニルデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体からなる熱可塑性樹脂をシェルとしたマイクロカプセル等が挙げられる。
【0016】
粉体の具体例としては、スチレン、ナイロン、ポリオレフィン、シリコン、エポキシ、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機粉体などが挙げられる。また、それらの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダイザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたもの等も挙げられる。また、粉体の形状は特に限定するものではなく、球状、板状、針状などを用いることができる。これら粉体は1種または2種以上添加してもよい。また、前記芯保持部材を予め柱状物から形成すると共に、前記樹脂の融点より高い融点の粉体を添加し、次いで、レーザービームなどで芯保持部材の樹脂の一部を除去しても良く、当該操作によって粉体による凹凸が形成され、芯径のバラツキをより吸収できる。
【0017】
尚、本実施例においては、前軸1の後部に棒状体繰り出し機構17が着脱自在に取り付けられており、棒状体として消しゴム18が出没可能に配置されている。簡単に説明すると、後軸19の内面には螺旋溝20が形成されており、その螺旋溝20には、前記消しゴム18を上下動させる受け部材21が螺合している。また、前記螺旋溝20と受け部材21との間には、スリット22が形成された棒状体案内部材23が介在されており、その棒状体案内部材23は、前記芯タンク2の後部に着脱自在に圧入されている。尚、棒状体案内部材23の前方外面と前記前軸1の後部内面には多角形部が形成されており、互いが回転不能に係合している。即ち、後軸19を前軸1に対して相対的に回転させることによって、前記消しゴム18が、後軸19の後端から出没するのである。符号24は、後軸19に固定されたクリップであるが、後軸19に一体成形しても良い。
【0018】
次に、前記芯保持部材10(15)の芯保護管9からの脱落防止手段の変形例を種々挙げ説明する。先ず、第1の変形例を図6に示し説明する。芯保護管25の両端部をカシメ加工によって縮径させ、その縮径部26,27によって芯保持部材10の脱落を防止した例である。勿論、その縮径部26,27は、芯保持部材10が前後動可能な位置に形成されている。前記例に比し、固定リングを使用していないため、部品の削減ができ、部品コストの削減や生産性の向上が図れる。また、本例においては、芯保護管25の先端が縮径されているため、筆記の際の視認性の向上も図れる。
【0019】
第2の変形例を図7に示し説明する。前記第1例のガイド部材と芯保持部材を一体成形した例である。部品コストの削減や生産性の向上が図れると共に、ガイド部28と芯保持部29とが連結されているため、芯がスムーズにガイド部28から芯保持部29へと導かれる。
第3の変形例を図8に示し説明する。芯保持部材30を芯保護管9にインサート成形或いは、2色成形と称される成形方法で一体成形した例である。挿着作業を削減することができ、前記の種々例に比し、生産性の向上が大きく図れる。
尚、本例においては、固定リング12を介在させ、筆記の際の芯の振れを防止しているが、前記第3例のようにカシメ加工によって縮径部を形成しても良い。また、本例においては、芯保持部材30の内面に縦リブ31を形成していることは勿論であるが、芯保持部材30の後端を芯保護管9の後端から突出させている。この突出部32によっても、芯径のバラツキを吸収しているのである。
【0020】
次に、前記チャック体3やチャックリング4、並びに、芯を繰り出す際の操作移動量、即ち、チャック体3の移動範囲やチャックリング4の移動範囲等について説明する。チャック体3の前方内面には、実際に芯を把持する芯把持部3aが形成されている。その芯把持部3aの長手方向(軸線方向)の距離をAとする。また、その芯把持部3aの後方には、その芯把持部3aよりも大径な芯挿通孔3bが形成されている。勿論、その芯挿通孔3bの内形は、使用する芯の直径よりも大きなものとなっているが、2本は入らない程度の内径となっている。ここで、前記チャックリング4が移動できる距離、即ち、先部材7に形成されている内面段部7aに当接するまでの距離をBとする。また、芯を繰り出す際の最大操作量、本例においては、後述する後軸19の内面段部19aが前記前軸1の後端部1aに当接するまでの距離をCとする。そして、これらの関係がA+B>Cとなっている。即ち、芯把持部の距離(A)にチャックリングの移動距離(B)を加算した距離は、芯を繰り出す為の操作移動量(C)よりも大きく設定されている。尚、前記操作移動量を規制する手段としては、弾撥部材が密着するものや、チャック体の先端が先部材の内面段部に当接するもの、軸筒の後端に操作部材が潜り込んでしまうものなどがある。
【0021】
次に動作について説明する。図1(図2)に示す状態から芯の繰り出し操作、即ち、後軸19を押圧し、芯タンク2を前進させると後続芯Yを把持したチャック体3がチャックリング4と共に前進する。この後続芯Yの前進に伴い、残芯Xも押圧・前進させられる。やがて、チャックリング4は先部材7の内面段部7aに当接しその前進移動が阻止され(図9参照)、この時、チャック体3が把持していた後続芯Yを開放すると共に、芯タンク2の軸線に対して若干傾斜するが、後続芯Yの前端は、芯挿通孔3bの内径に接しているのではなく、その芯挿通孔3bの内径よりも小さい芯把持部3aの内径に接しているので、前記後続芯Yの傾斜角度は極めて小さなものとなっている(図10参照)。ここで、更にチャック体3が前進するが、後続芯Yはチャック体3から開放されていることに加え、残芯Xが芯保持部材10に保持されているため、その前進移動が阻止されている。この時、後続芯Yの先端部は、チャック体3の芯把持部3aの後部近傍に位置している。つまり、十分な長さの把持部3aにしているため、後続芯Yの前端は、把持部3aの範囲内に位置し得るのである(図11参照)
【0022】
ここで、芯の繰り出し操作を解除すると、前記芯タンク2が弾撥部材5の付勢力によって後退すると共に、チャック体3も後退し、開放されたチャック体3がチャックリング4に接触する。この時、後続芯Yと残芯Xとの間に一瞬隙間が形成され、また、後退するチャック体3が閉じようとするが、後続芯Yは芯把持部3aの後部近傍に位置しているため、前記チャック体3の閉鎖動作に連動して前記後続芯Yの傾斜角度が徐々に小さくなり、やがて、後続芯Yは芯把持部3aの面に沿って自重で落下し、再び、残芯Xと接触する(図12参照)
【0023】
この実施例の変形例を図13に示し説明する。前記芯タンク2の内側に芯の直径よりも若干大径の貫通孔33aが形成された案内部材33を挿着した例である。勿論、その貫通孔33aは芯が2本入らない直径となっている。チャック体3の芯挿通孔3bを後方に延設した状態になっているため、後続芯Yの傾斜が極力防止される構造となっている。その為、芯の繰り出し操作を行う際、筆記面とシャープペンシルとのなす角度を小さくしてしまった場合でも、スムーズに芯を繰り出すことができる。
尚、本実施例におけるチャック体3は、金属材質から形成しているが、樹脂成形品であっても良い。しかし、後続芯の後退量を少なくし、筆記の際の違和感を少なくするものとしては金属材質とするのが好ましい。
また、本実施例においては芯把持部3aの距離を長く形成しているが、通常のチャック体の芯把持部の後方部を延設形成しているのではなく、前方部を延設形成することによって芯把持部の距離を長くしている。チャック体がチャックリングに接触した後における後続芯のチャック体への接触による後退を極力少なくすることによって、残芯との間に発生する隙間を極力防止しているのである。更に、チャックリングの移動距離も本実施例においては多く採っているが、あまり多くすると芯の繰り出し量も多くなり、違和感が発生してしまうので適宜の設定が必要である。
【0024】
次に、前記保持部材の内面形状と、その内面形状に芯が接触する良好な構成について説明する。芯保持部材の内面の断面形状は、本発明において重要であり、前述した以外に楕円形や多角形、スリット形状などが挙げられ、円形以外の異形形状であれば特に限定されない。
しかし、芯の直径のバラツキを吸収するためには、JIS S 6005で定められているシャープペンシルの芯の直径の最小値(呼び直径が0.5では、0.55mm)を貫通させたときに、少なくとも弾性樹脂体の内面の一部に2点以上接触し、空間(部)を有している必要がある。この空間を有することにより、芯の直径の最大値(呼び直径0.5では、0.58mm)を貫通させたときでも、接触部が変形し、芯保持力のバラツキを吸収することができる。
また、芯の最小直径(呼び直径が0.5では、0.55mm)の断面積をXとし、空間の断面積(芯の直径の最小値を貫通させたときにできる空間の断面積)をYとしたときの関係式を0.09≦Y/X≦1.12とすることにより、JIS S 6005で定められているシャープペンシル用芯の全て(呼び直径0.3、呼び直径0.5、呼び直径0.7、呼び直径0.9、呼び直径2.0)およびシャープペンシル用色芯において対応が可能である。また、JIS S 6005に定められたシャープペンシル用芯および色芯以外のものにおいても、その芯の直径が0.275mm〜2.07mmの範囲であれば対応が可能である。
【0025】
次に、呼び直径0.5の1例を挙げ詳細に説明する。JIS S 6005で定められている、呼び直径0.5の直径の最小値は、0.55mmであり、断面積は0.238mm2である。一方、直径の最大値は、0.58mmであり、断面積は0.264mm2となる。0.55mmの芯を貫通したときに、少なくとも弾性樹脂体の内面の一部に2点以上接触し、空間を有している必要がある。また前記空間は、0.58mmの芯を貫通させたときにも有している必要があることから、前記空間の断面積は、0.58mmの芯の断面積と0.55mmの芯の断面積の差以上必要となる。すなわち、最小の空間の断面積は、0.264(mm2)−0.238(mm2)=0.026(mm2)となる。前記最小の空間の断面積に対する最小の芯の断面積の割合は、0.026(mm2)/0.238(mm2)=0.11となる。
また、シャープペンシル用芯が2本以上(後続芯や折れた芯など)入る空間を有した場合、ノックしても芯が出なくなる問題が発生する場合がある。そこで、最大の空間の断面積は、最大の芯の断面積(0.264mm2)となる。すなわち、最大の空間の断面積に対する最小の芯の断面積の割合は、0.264(mm2)/0.238(mm2)=1.12となる。
以上のことより、Y/Xの関係式を、0.11≦Y/X≦1.12とすることにより、芯の直径の最大値(0.58mm)を貫通させたときにも空間を有し、芯が2本以上入り芯が出なくなる問題が発生しない。
【0026】
また、芯を繰り出す際に生じる摩擦力によって芯が削れ、芯保持部材内に芯カスがたまり、その芯カスが弾性薄膜表面に付着、積層し、弾性薄膜が増膜した状態となると芯を保持する圧力が上昇する可能性があることから、芯カスが積層しにくい異形形状が望ましい。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材の外形を、その芯保持部材が設けられる前記軸筒の内形よりも若干小形に形成すると共に、芯保持部材を軸筒に対して前後動可能に配置し、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを第1の要旨とし、軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材を前後動可能なものとし、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを第2の要旨としたので、芯を確実に保持することができると共に、良好な芯の繰り出し操作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例を示す縦半断面図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 図2の要部拡大横断面図。
【図4】 作動例を示す断面図。
【図5】 図3の変形例を示す横断面図。
【図6】 芯保護管の変形例を示す縦断面図。
【図7】 芯保護管、並びに、芯保持部材の変形例を示す縦断面図。
【図8】 芯保持部材の変形例を示す縦断面図。
【図9】 芯繰り出しの作動例を示す要部縦断面図。
【図10】 芯繰り出しの作動例を示す要部縦断面図。
【図11】 芯繰り出しの作動例を示す要部縦断面図。
【図12】 芯繰り出しの作動例を示す要部縦断面図。
【図13】 変形例を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1 前軸
1a 後端部
2 芯タンク
3 チャック体
3a 芯把持部
3b 芯挿通孔
4 チャックリング
5 弾撥部材
6 グリップ部材
7 先部材
7a 内面段部
8 ガイド部材
9 芯保護管
10 芯保持部材
11 固定リング
12 固定リング
13 隙間
13a 隙間
13b 隙間
14 縦リブ
14a 面取り部
14b 面取り部
15 芯保持部材
16 縦溝
17 棒状体繰り出し機構
18 消しゴム
19 後軸
19a 内面段部
20 螺旋溝
21 受け部材
22 スリット
23 棒状体案内部材
24 クリップ
25 芯保護管
26 縮径部
27 縮径部
28 ガイド部
29 芯保持部
30 芯保持部材
31 縦リブ
32 突出部
33 案内部材
33a 貫通孔
A 芯把持部の距離
B チャックリングの移動距離
C 芯を繰り出す為の操作移動量
X 残芯
Y 後続芯

Claims (4)

  1. 軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材の外形を、その芯保持部材が設けられる前記軸筒の内形よりも若干小形に形成すると共に、芯保持部材を軸筒に対して前後動可能に配置し、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを特徴とするシャープペンシル。
  2. 軸筒の先端近傍に芯保持部材が設けられたシャープペンシルであって、前記芯保持部材の内面に縦リブを形成すると共に、その芯保持部材を前後動可能なものとし、また、軸筒における芯保持部材の前方の位置に、その芯保持部材の軸筒からの脱落を防止する内面段部を設け、その内面段部の内径を、芯保持部材内面の縦リブの底部内径より小さく、前記芯保持部材内面の縦リブの頂部の内接径よりも大きくしたことを特徴とするシャープペンシル。
  3. 前記芯保持部材の外形を、芯が挿通されていない状態では軸筒の内形よりも小さいが、芯が挿通された状態においては弾性拡開し軸筒内面に接触することを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載のシャープペンシル。
  4. 前記芯保持部材の外形と軸筒の内形を円形となすと共、それら芯保持部材の外径と軸筒の内径との差を、使用する芯の直径の6.7%以上としたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のシャープペンシル。
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