JP3719734B2 - プラスチック光ファイバーコード及びバンドルファイバー - Google Patents

プラスチック光ファイバーコード及びバンドルファイバー Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は耐熱性、難燃性、及び耐溶剤性に優れた、低伝送損失かつ高伝送帯域を有する光ファイバーコード、及びバンドルファイバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバー素線(以下、特に言及しない限り光ファイバーという)としては広い波長にわたって優れた光伝送性を有する無機ガラス系光ファイバーが知られているが、加工性が悪く、曲げ応力が弱いばかりでなく、高価であることから、プラスチックを基材とする光ファイバーが開発され、実用化されている。このプラスチック光ファイバーは光の透過性の良好なポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの重合体を基材とする芯層とこれより屈折率が小さく、かつ実質的に透明な含フッ素ポリマー等の重合体を基材とする鞘層とを基本構成単位としている。また特開平2ー244007号公報にはコアとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされている。
【0003】
光ファイバーとしてコアとクラッドとからなる屈折率段階型光ファイバーとともに、屈折率分布型(GI型)光ファイバーが知られている。屈折率分布型光ファイバーの屈折率分布は、中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下している(詳細は下記文献参照)のものをいう。屈折率分布型プラスチック光ファイバーとしては、たとえば「化学と工業」第45巻第7号(1992)1261−1264、特開平5−173026号公報、WO94/04949、WO94/15005などが知られている。
【0004】
これらの光ファイバー(光ファイバー素線)の製品形態としては、光ファイバー素線を被覆材で被覆した光ファイバーコード及び光ファイバーコードを束ねたバンドルファイバーやバンドルファイバー等をテンションメンバー等とを組み合わせた光ファイバーケーブルなどが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この様にプラスチック光ファイバーは無機ガラス系光ファイバーにはない特徴を有するが、従来の屈折率段階型プラスチック光ファイバーでは伝送帯域が狭いという点で、また、ポリメチルメタクリレートを主体とする屈折率分布型のプラスチック光ファイバーでは近赤外光における伝送損失が大きいという点で、通信用光ファイバーとしては実用的なものが得られていない。
【0006】
本発明は、ポリメチルメタクリレート系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系等の光伝送体では達し得なかった自動車乃至OA(オフィスオートメーション)、家電機器用途等で要求される機械強度、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光ファイバー製品を提供することを目的とするものであり、またアクリル系、ポリカーボネート系、ノルボルネン樹脂系等の光伝送体では達し得なかった可視光(500〜700nm)と近赤外光(700〜1600nm)を利用可能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い光伝送損失をもち、高い伝送帯域を有する屈折率分布型プラスチック光ファイバー製品を新規に提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を付与し、かつ近赤外光で光吸収が起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなくすためには、C−H結合をC−F結合(すなわち、炭素−フッ素結合)に変換した含フッ素重合体が最適であるとの知見を先に得た。
【0008】
また、屈折率段階型光ファイバーの場合、マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されながら伝搬するためモード分散が起こり伝送帯域が低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。そこで、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体のマトリックスを用いて屈折率分布型の光ファイバー素線とし、該含フッ素屈折率分布型光ファイバー素線の外側を少なくとも1層の前記マトリックス重合体以外の重合体からなる被覆層を設けることにより、前記の問題点を解決できることを見出し本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)である。
【0010】
(1)主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体をマトリックスとし、該マトリックス中に実質的にC−H結合を有しない他の物質が中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布する波長700〜1,600nmで100mの伝送損失が100dB以下である屈折率分布型光ファイバー素線からなる内層と前記マトリックス重合体以外の重合体からなる被覆層とを有するプラスチック光ファイバーコード、
(2)主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が、以下の(I)〜(IV)から選ばれる繰り返し単位を有する前記(1)記載のプラスチック光ファイバーコード、
【0011】
【化3】
Figure 0003719734
【0012】
[上記(I)〜(IV)式において、lは0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜6、R3、R4はFまたはCF3、R5はFまたはCF3、R6はFまたはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはClである。]
(3)被覆層が含フッ素重合体からなる前記(1)又は(2)記載のプラスチック光ファイバーコード、
(4)被覆層の含フッ素重合体が、以下の(VI)〜(X)から選ばれる繰り返し単位を有する前記(3)記載のプラスチック光ファイバーコード、
【0013】
【化4】
Figure 0003719734
【0014】
5)前記(1)〜(4)のいずれか1つのプラスチック光ファイバーコードが複数本束ねられてバンドル化されてなるバンドルファイバー。
【0015】
本発明における光ファイバー素線は、マトリックスが非結晶性樹脂であるため光の散乱がなくしかも可視光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が高いため、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能である。特に通信分野において幹線石英シングルモード光ファイバーに利用されている波長である1300nm、1550nmで低損失である光ファイバーを提供する。
【0016】
また本発明の光ファイバーコードやこのコード複数本が束ねられてバンドル化されたバンドルファイバーは、それら単独であるいはケーブル等のそれらを構成要素として含む製品として使用され、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるものである。
【0017】
本発明における屈折率分布型プラスチック光ファイバーは実質的にC−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体(以下、含フッ素重合体(a)という)マトリックスに屈折率の分布を与える物質(以下、物質(b)という)を分布させて得られる。
【0018】
本発明における含フッ素重合体(aは、C−H結合を有しない主鎖に環構造を有する含フッ素重合体である。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体としては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテル環構造を有するものがさらに好ましい。含フッ素重合体(a)としては、含フッ素ポリイミド環構造を有する含フッ素重合体と含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が好ましく、特に後者が好ましい。
【0019】
含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ましい重合体である。
【0020】
含フッ素重合体(a)の溶融状態における粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜105ポイズが好ましい。溶融粘度が高すぎると溶融紡糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、物質(b)の拡散が起こりにくくなり、屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝送性能が低下する。
【0021】
含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、10,000〜5000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜1000,000である。分子量が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるため好ましくない。
【0022】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0023】
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。このような重合体の繰り返し単位の例を前述の(IV)に示す。
【0024】
また、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)、CF2=CF−CF2−CFCl−CF2−CF=CF2等のモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。このような重合体の繰り返し単位の例を前述の(I)〜(III)に示す。
【0025】
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとを共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0026】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が用いられるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0027】
含フッ素ポリイミドの製造法は特に限定されないが、例えばパーフルオロピロメリット酸無水物などの全ての水素原子がフッ素原子で置換された芳香族テトラカルボン酸無水物とパーフルオロp,p’−ジアミノジフェニルエーテルなどの全ての水素原子がフッ素原子で置換された芳香族ジアミンの反応でポリアミド酸を生成し、これを更に加熱して含フッ素ポリイミドとする方法などによって生成される。
【0028】
含フッ素ポリイミドとしては、具体的には下記の(V)式から選ばれた繰り返し単位を有することを特徴とするものが例示される。なお、これらの含フッ素重合体(a)中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置換されていてもよい。
【0029】
【化5】
Figure 0003719734
【0030】
[上記(V)式において、R1
【0031】
【化6】
Figure 0003719734
【0032】
から選ばれ、R2
【0033】
【化7】
Figure 0003719734
【0034】
から選ばれる。ここで、Rfはフッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロフェノキシ基から選ばれ、これらは各々同一であっても異なっていてもよい。Yは、
【0035】
【化8】
Figure 0003719734
【0036】
から選ばれる。ここで、R’fはパーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選ばれ、これらは各々同一であっても異なっていてもよい。rは1〜10である。又、Yと2つのRfが炭素をはさんで環を形成してもよく、その場合、環は飽和環でも不飽和環でもよい。]
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0037】
物質(b)は、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイバー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質を用いる。
【0038】
この物質(b)としては、ベンゼン環等の芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エーテル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有しない物質である。含フッ素重合体(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好ましい。
【0039】
オリゴマーやポリマーである物質(b)としては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成するモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であるオリゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である重合体を形成するものから選ばれる。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として他の重合体(a)中に分布させることができる。
【0040】
これらの物質(b)は、上記マトリックスとの比較において、溶解性パラメータの差が7(cal/cm31/2以内であることが好ましい。ここで溶解性パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であり、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギーをE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表される。
【0041】
低分子化合物としては、例えば炭素原子に結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素がある、特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重合体(a)との相溶性の面で好ましい。又、これらのハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0042】
このようなハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば式Фr−Zb[Фrは水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Zはフッ素又はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフルオロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、または1価のФr。bは0または1以上の整数。]で表される化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタレン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポリフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ましい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や臭素原子が好ましい。
【0043】
具体的な化合物としては例えば、1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロアセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどがある。
【0044】
ポリマーやオリゴマーである物質(b)としては、前記(I)〜(V)の繰り返し単位を有するものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合わせ、異なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得られた2種の含フッ素重合体の組み合わせなど)が好ましい。
【0045】
また、上記のごとき主鎖に環構造を有する含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーからなるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリゴマーなども物質(b)として使用できる。又、−CF2CF(CF3)O−や−(CF2nO−(nは1〜3の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテルなども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮すると、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
【0046】
特に好ましい物質(b)は、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体(a)との相溶性が良好であること等から、クロロトリフロオロエチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることにより、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体(a)、とクロロトリフルオロエチレンオリゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。ま、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1500である。
【0047】
本発明における屈折率分布型光ファイバー素線において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー素線の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーである。ある場合には物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバー素線も有用である。前者の光ファイバー素線は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファイバー素線は物質(b)を周辺から中心方向に拡散させることによって製造できる。
【0048】
本発明の光ファイバー素線は、波長700〜1,600nmで100mの伝送損失が100d以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、100mの伝送損失が50d以下とすることができる。波長700〜1,600nmという比較的長波長において、このような低レベルの伝送損失であることは極めて有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易であり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比べ、安価な光源で済むという利点がある。
【0049】
本発明の光ファイバー素線において、樹脂の成形と屈折率分布の形成は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に屈折率分布を形成して製造できる。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプリフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー素線を製造できる。
【0050】
本発明における光ファイバー素線の製造方法としては、例えば以下の(1)〜(7)の方法がある。しかしこれらに限られるものではない、特に好ましい方法は(1)の方法である。
【0051】
(1)含フッ素重合体(a)を溶融し、含フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形する方法。
【0052】
この場合、物質(b)を注入するには、中心部に1層のみ物質(b)を注入する場合のみならず、中心部に物質(b)を多層に注入してもよい。成形には光ファイバー素線のプリフォーム等のごときロッド状母材を成形するために適する押出溶融成形、光ファイバー素線を成形するために適する溶融紡糸成形等がある。
(2)溶融紡糸や延伸などによって得られた含フッ素重合体(a)からなる芯材に、物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を繰り返しディップコートする方法。
【0053】
(3)回転ガラス管などを利用して中空状の含フッ素重合体(a)からなる管を形成し、この重合体管の内部に物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を形成するモノマー相を密封し、低速で回転させながら重合させる方法。
【0054】
この界面ゲル共重合の場合、重合過程において、含フッ素重合体(a)からなる管がモノマー相に膨潤し、ゲル相が形成され、モノマー分子が選択的にゲル相内に拡散しながら重合される。
【0055】
(4)含フッ素重合体(a)を形成するモノマーと物質(b)を形成するモノマーであって、それらモノマーの反応性が異なる2種のモノマーを用いて、生成する含フッ素重合体(a)と物質(b)の組成比が周辺部から中心に向かって連続的に変化するように重合反応を進行させる方法。
【0056】
(5)含フッ素重合体(a)と物質(b)を均一に混合した混合物または溶媒中で均一に混合した後、溶媒のみを揮発除去させることにより得られる混合物を、熱延伸または溶融押出によりファイバー化し、次いで(またはファイバー化直後に)加熱状態で不活性ガスと接触させて物質(b)を表面から揮発させることにより屈折率分布を形成する方法。または、上記ファイバー化した後、含フッ素重合体(a)を溶解せずに物質(b)のみを溶解する溶媒中にファイバーを浸漬し、物質(b)をファイバー表面から溶出させることにより屈折率分布を形成する方法。
【0057】
(6)含フッ素重合体(a)からなるロッドまたはファイバーに、含フッ素重合体(a)よりも屈折率が小さい物質(b)のみを被覆するか、または含フッ素重合体(a)と物質(b)との混合物を被覆し、次いで加熱により物質(b)を拡散させて屈折率分布を形成する方法。
【0058】
(7)高屈折率重合体と低屈折率重合体とを加熱溶融または溶媒を含有する溶液状態で混合し、それぞれ混合割合の異なる状態で多層押出させながら(または押出したのちに)両者を互いに拡散させ、最終的に屈折率分布の形成されたファイバーを得る方法。この場合、高屈折率重合体が含フッ素重合体(a)で低屈折率重合体が物質(b)でもよく、高屈折率重合体が物質(b)で低屈折率重合体が物質(b)でもよい。
【0059】
被覆層を構成する重合体は、前記マトリックスの含フッ素重合体(a)以外の重合体からなる。この被覆層を構成する重合体の種類は特に制限はなく、従来の無機又はプラスチック光ファイバー素線の被覆に用いられていたもの、または、下記に挙げる含フッ素重合体等から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。例えば、非フッ素系重合体として、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(水)架橋型ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマーなどのポリオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系重合体、軟質塩化ビニル樹脂等のビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体、ジメチルポリシロキサン重合体、ポリフルオロアルキルメチルポリシロキサン重合体などのシリコーン系重合体、ポリアミド、(発泡)ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリ4−メチルペンテンー1、ポリアミドイミド等が挙げられる。含フッ素重合体としては、含フッ素ゴム、トリフルオロエチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン−(パーフルオロアルキル)エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の前記(VI)〜(X)から選ばれる繰り返し単位を有する含フッ素重合体が挙げられる。
【0060】
また、上記重合体のコートとは別に、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などの硬化性樹脂を光ファイバーにコートし、硬化させて被覆層を形成することもできる。紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用いた場合には、比較的低温で被覆が行えるため光ファイバー素線へのダメージが少ないという利点がある。紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、シリコンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、ポリフルオロアルキルアクリレート系等硬化型樹脂があげられる。これら硬化型樹脂を用いる場合には、適度な粘度を有する液状の樹脂を屈折率分布型光ファイバーの表面に塗布した後硬化する方法が適用される。一方、ポリアミドやポリイミド樹脂を用いた場合にはファイバーコードの引っ張り強度が増大し、機械的な耐久性が飛躍的に向上する。
【0061】
被覆材を構成する上記に例示されるような重合体には、所望により可塑剤、顔料、架橋剤、接着剤等を加えることができる。
【0062】
本発明の被覆層を有する光ファイバーコードの製造は特に制約は受けない。例えば、前述の方法で製造した光ファイバー素線の外側に、被覆材を押し出し被覆、あるいはソルベントコーティング法等により形成することにより目的の光ファイバーコードが得られる。又、本発明では各光ファイバーを被覆してコードとしたあと、複数本を束ねてバンドルファイバーとすることができる。バンドルファイバーには、コードを並列に並べて構成される多芯テープ心線が含まれる。光ファイバーを芳香族ポリアミド、ガラスまたは炭素繊維で補強したプラスチックまたは金属で被覆することによりケーブルとすることもできる。ケーブル内部の隙間を糸、紐、紙、プラスチック、各種の緩衝材または溝つきスペーサーなどで埋めてもよい。
【0063】
本発明のプラスチック光ファイバーは、石英シングルモード光ファイバーと直接に接続できるだけでなく、あらゆる光ファイバーに接続された光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などの光ブランチングデバイス、光スイッチ、光減衰器、光アイソレータ、偏光子、光集積回路、光送信モジュール、光受信モジュール、等の光部品とも直接に接続可能であり、それらの低損失性、高帯域性を損ねることなく信号の伝送が可能である。
【0064】
本発明の屈折率分布型含フッ素プラスチック光ファイバーコード及びバンドルファイバーは、加入者系の通信線、工場内LAN、病院内LAN、学校内LAN等の公共施設内でのLAN、フロアーケーブル、電力線監視通信線、自動車用途、電車の運転条件のモニタ画像伝送、外洋航路の大型船舶内の通信用、航空機内のデータ伝送、業務用ゲーム機を始めとするアミューズメント関係などの高速、高帯域を必要とする映像伝送、高画質の動画、立体画像の伝送、コンピューターないし自動交換機等の機器内配線、一般の屋内通信網、各種センサ分野、照明、イルミネーション分野、エネルギー伝送などの様々な分野での利用が可能である。
【0065】
【実施例】
次に、本発明の実施例について更に具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものでないことは勿論である。
【0066】
合成例1
パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)30g、イオン交換水120g、メタノール4.8g及び重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)276mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。得られた重合物を単離後300℃で熱処理し、水洗した。その結果、無色透明な重合体(以下、重合体Aという)を26g得た。この重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で0.34であった。重合体のガラス転移点は108℃であり、屈折率は1.34であった。
【0067】
実施例1
上記合成例1で得られた重合体Aをパーフルオロ(2ーブチルテトラヒドロフラン)溶媒中で溶解し、これに屈折率1.42であるクロロトリフルオロエチレンオリゴマー(商品名 ダイフロイル#20;ダイキン社製)を15重量%量添加し混合溶液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な混合重合体(以下、混合重合体Bという)を得た。重合体Aを溶融し、中心に溶融液の混合重合体Bを注入しながら300℃で2色押出しによる溶融紡糸することにより、中心部の屈折率が1.36であり、周辺部の1.34の屈折率までおおよそ放物線的に徐々に低下する外径500μmの光ファイバー素線(以下、光ファイバー素線Cという)が得られた。次いでその外側に押し出し被覆によりポリエーテルイミドからなる保護層を形成させて外径2.0mmの光ファイバーコード(以下、光ファイバーコードDという)とした。得られた光ファイバーコードDの光伝送損失は、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、近赤外光までの光を良好に伝送できる光ファイバーで有ることを確かめた。更にこの光ファイバーコードDを115℃の恒温槽内に1000時間保持した後の伝送損失の増加は1.0dB/km以下であり、光ファイバーコードDの外観には全く変化がなかった。
【0068】
実施例2
実施例1で作成した外径500μmの屈折率分布型光ファイバー素線Cにクロスヘッドダイケーブル加工方法によりフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン96/4モル%の共重合体を180℃で被覆し、外径2.0mmの光ファイバーコード(以下、光ファイバーコードEという)を得た。こうして得られた光ファイバーコードEの光伝送損失は、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、近赤外光までの光を良好に伝送できる光ファイバーで有ることを確かめた。またこの光ファイバーコードEのベースバンド周波数特性から求めた伝送帯域は、2.0GHzであった。115℃の恒温槽内にこの光ファイバーコードEを1000時間保持した後の伝送損失の増加は1dB/km以下であり、伝送帯域は1.8GHzとなった。光ファイバーの外観には全く変化がなかった。またジクロロペンタフルオロエタンに300時間浸漬した後の伝送損失の増加は0.5dB/km以下であり、伝送帯域には変化が見られなかった。光ファイバーコードEの外観には全く変化がなかった。またバーナーで1000℃の炎を10秒間当てても燃焼しなかった。
【0069】
実施例3
実施例1で作成した外径500μmの屈折率分布型光ファイバー素線Cにクロスヘッドダイケーブル加工方法により水架橋ポリエチレン(リンクロンMF−700A:三菱油化製)を被覆し外径2.0mmの光ファイバーコードを作成し、続いて熱水処理を行うことにより被覆層を架橋した。このようにして得られた光ファイバーコードFの光伝送損失を測定したところ、素線の伝送損失とほぼ同じ結果が得られた。
【0070】
実施例4
実施例1で作成した外径500μmの屈折率分布型光ファイバー素線Cをシリコンアクリレート型紫外線硬化型樹脂の原液を満たした塗布ダイスに通過させ、続いて紫外線照射装置に導き、得られた光ファイバーコードGを巻き取り機で巻き取った。光ファイバーコードGの光伝送損失を測定したところ、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、近赤外光までの光を良好に伝送できる光ファイバーで有ることを確かめた。またこの光ファイバーコードGのベースバンド周波数特性から求めた伝送帯域は、2.0GHzであった。115℃の恒温槽内にこの光ファイバーコードGを1000時間保持した後の伝送損失の増加は1dB/km以下であり、伝送帯域は1.9GHzとなった。光ファイバーの外観には全く変化がなかった。
【0071】
実施例5
実施例1で用いた重合体A、混合重合体B及び軟質ポリ塩化ビニル樹脂を同時に三層溶融押出して、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の被覆された屈折率分布型光ファイバーコードH(ファイバー径500μm、コード外径2mm)が得られた。このときの押出温度は、重合体Aが250℃、混合重合体Bが230℃および軟質ポリ塩化ビニルが170℃であった。
【0072】
実施例6
最外層にフッ素樹脂FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)を溶融し、その内側に重合体Aを溶融し、中心に溶融液の混合重合体Bを注入しながら約300℃近辺で多色押出しによる溶融紡糸することにより、中心部の屈折率が1.36であり、周辺部の1.34の屈折率までおおよそ放物線的に徐々に低下するファイバー内層径500μm、FEP被覆外径2000μmの光ファイバーコードIが得られた。得られた光ファイバーIの光伝送損失は、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、近赤外光までの光を良好に伝送できる光ファイバーで有ることを確かめた。更にこの光ファイバーコードIを115℃の恒温槽内に1000時間保持した後の伝送損失の増加は1.0dB/km以下であり、光ファイバーの外観には全く変化がなかった。コードIの直火による不燃性のテストを行ったが不燃であることを確かめた。またコードIを希硫酸に1週間浸して後、伝送損失を測定したがほとんど変化がなかった。
【0073】
比較例
実施例1で作成した外径500μmの屈折率分布型光ファイバー素線Cをそのまま被覆することなく以下の実験に用いた。光伝送損失は、実施例1、実施例2の光ファイバーコードD、及びEと同様に、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、近赤外光までの光を良好に伝送できる光ファイバー素線で有ることを確かめた。更にこの光ファイバー素線Cを115℃の恒温槽内に1000時間保持した後の伝送損失の増加は50dB/kmとなり、伝送帯域は150MHzに低下した。光ファイバー素線Cには曲がりが発生した。またジクロロペンタフルオロエタンに300時間浸漬した後の光ファイバー素線Cの外径は5mmに膨潤し、外観を保っていなかった。またバーナーで1000℃の炎を10秒間当てたところ、溶融が起こり、溶けて切れた。
【0074】
【発明の効果】
本発明により、屈折率分布型含フッ素光ファイバー素線の外側に被覆層を設けることにより、耐熱性、耐溶剤性、難燃性を保持したまま紫外光から近赤外までの光を極めて低損失に伝送することが可能になった。特にこの屈折率分布型プラスチック光ファイバーコードはファイバー径が大きいにも関わらずフレキシブルで分岐・接続が容易であるため、自動車、OA機器等の配線に利用できる耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるプラスチック光ファイバーコードである。

Claims (5)

  1. 主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体をマトリックスとし、該マトリックス中に実質的にC−H結合を有しない他の物質が中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布する波長700〜1,600nmで100mの伝送損失が100dB以下である屈折率分布型光ファイバー素線からなる内層と前記マトリックス重合体以外の重合体からなる被覆層とを有するプラスチック光ファイバーコード。
  2. 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が、以下の(I)〜(IV)から選ばれる繰り返し単位を有する請求項1記載のプラスチック光ファイバーコード。
    Figure 0003719734
    [上記(I)〜(IV)式において、lは0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜6、R3、R4はFまたはCF3、R5はFまたはCF3、R6はFまたはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはClである。]
  3. 被覆層が含フッ素重合体からなる請求項1又は2記載のプラスチック光ファイバーコード。
  4. 被覆層の含フッ素重合体が、以下の(VI)〜(X)から選ばれる繰り返し単位を有する請求項3記載のプラスチック光ファイバーコード。
    Figure 0003719734
  5. 請求項1〜4のいずれか1つのプラスチック光ファイバーコードが複数本束ねられてバンドル化されてなるバンドルファイバー。
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