JP3684907B2 - 電源装置 - Google Patents
電源装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3684907B2 JP3684907B2 JP08499399A JP8499399A JP3684907B2 JP 3684907 B2 JP3684907 B2 JP 3684907B2 JP 08499399 A JP08499399 A JP 08499399A JP 8499399 A JP8499399 A JP 8499399A JP 3684907 B2 JP3684907 B2 JP 3684907B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- circuit
- pattern
- power supply
- ground
- double
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波電力を負荷に供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電源装置では動作周波数が高くなるにつれて負荷回路の特性の変動などの影響を受けやすくなり、回路動作を安定させることが難しくなってくる。また、電源装置からのノイズの発生量が増加するから、回路動作に影響を与え、外部回路にも誤動作などの影響を与えるという問題が生じる。
【0003】
この種の問題を解決する電源装置としては、特開平9−306682号公報に記載されたものがある。この電源装置は、図17および図18に示すように、高周波の発振を行う発振回路21と、発振回路21の発振出力を増幅する前段増幅回路22および中段増幅回路23と、フィルタ回路24とを備える。
【0004】
発振回路21は、水晶振動子XとトランジスタQ3とを用いて高周波の発振を行うものであり、コイルL6およびコンデンサC15により低Qの同調回路を構成しており、無調整の発振器となっている。前段増幅回路22は、発振回路21の発振出力をトランジスタQ4により増幅するものであり、コイルL5およびコンデンサC17により発振回路21の発振周波数に同調するように構成している。また、抵抗R8〜R10は減衰器を構成している。
【0005】
中段増幅回路23は、電力用MOSFET(以下では、トランジスタと呼ぶ)Q5により前段増幅回路22の出力をさらに増幅するものである。コイルL7はトランジスタQ5の入力キャパシタンスを打ち消すために挿入してあり、抵抗R12はトランジスタQ5の入力インピーダンスを前段増幅回路22の出力と整合させるために挿入してある。また、コイルL4とコンデンサC18とにより発振回路21の発振周波数に同調させている。フィルタ回路24は、コイルL3とコンデンサC9とにより構成され、高周波が直流電源26(図18参照)に帰還することを防いでいる。図18における直流電源26はフィルタ回路24を含むものとして示してある。
【0006】
図17に示す回路のうち前段増幅回路22と中段増幅回路23とを実装したプリント基板10を図18に示す。図中において中段増幅回路23の出力端には中段増幅回路23の出力をさらに増幅する終段増幅回路25が接続されている。図18に示すプリント基板10においては、接地パターンGが前段増幅回路22と中段増幅回路23とをそれぞれ全周にわたって囲む形で形成されている。したがって、接地パターンGのシールド効果により、前段増幅回路22と中段増幅回路23とにそれぞれ流れる共振電流が他の回路に影響を及ぼすのを防止することができ、結果的に共振電流の回り込みによる発振などが生じることがなく、回路動作が安定することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来構成のように、不要な高周波の回り込みや輻射を防止するには、対象となる回路の周囲を導体で囲むとともに、その導体を接地する構成が一般的である。しかしながら、回路を接地された導体で全周にわたって囲むと、回路の構成部品の配置に制約が多くなり、部品配置の設計が難しくなるという問題が生じる。とくに、プリント基板に回路部品を実装する際には対象となる回路を接地パターンで囲む構成を採用すると、接地パターンを除く回路パターンの引き回しが複雑になるから、回路パターンの設計が難しくなる。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズを低減させるシールド効果を持たせながらも部品配置の設計が容易な電源装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、スイッチング素子を含む高周波電源回路から共振回路を介して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置であって、上記共振回路はプリント基板に実装され、上記高周波電源回路の出力端から上記共振回路までの部位で接地線を除いた電路である第1の電路として用いられる回路パターンを接地線となる接地パターンに近い位置に配線し、上記共振回路と共振回路から負荷回路に向かう経路とを含む部位で接地線を除いた電路である第2の電路として用いられる回路パターンを接地パターンから遠い位置に配線し、接地パターンは、第2の電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの負荷回路が接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されているものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記共振回路が両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンが上記第1の電路に用いられ、第1の電路として用いる回路パターンは両面プリント基板の他面に形成されている接地パターンと対向する部分を有するものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、上記共振回路が片面プリント基板に実装され、第1の電路に用いる回路パターンの両側に近接して接地パターンが形成されているものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、上記共振回路が、空芯コイルよりなるインダクタを含むものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、上記負荷回路が無電極放電灯を含むものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記負荷回路が、上記無電極放電灯への電力供給経路に挿入された電力供給用コイルを含むものである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、上記負荷回路が、上記共振回路と負荷との間に挿入されたマッチング回路を含むものである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、上記マッチング回路が、上記高周波電源回路とは別のプリント基板に実装されているものである。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明において、上記マッチング回路が両面プリント基板に実装され、マッチング回路において接地線を除く回路パターンが形成されている部位における両面プリント基板の他面には接地パターンが形成されていないものである。
【0018】
請求項10の発明は、スイッチング素子を含む高周波電源回路と、高周波電源回路の出力端に接続された共振回路と、放電ガスが封入されたバルブおよびバルブの内部空間に高周波電磁界を形成する励起コイルよりなる無電極放電灯と、共振回路と励起コイルとの間に挿入されたマッチング回路とを備え、少なくとも高周波電源回路と共振回路とは両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンにより高周波電源回路と共振回路との間が接続され、この回路パターンは両面プリント基板の他面に形成された接地パターンと対向する部分を有し、接地パターンは、上記共振回路から励起コイルに向かう経路を含む部位で接地線を除いた電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの励起コイルが接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されているものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態は、図1および図2に示すように、高周波電源回路1から出力された高周波電力が共振回路2を介して負荷回路3に供給される電源装置において、共振回路2と負荷回路3の一部であるマッチング回路4とを両面プリント基板10aに実装したものである。
【0021】
図1(a)に示すように、共振回路2はインダクタLr1とコンデンサCr1との直列回路からなり、高周波電源回路1の出力端と負荷回路4との間に挿入される。高周波電源回路1と負荷回路4との接地線GRは共通であり、共振回路2は接地線GRではないほうの電路(以下では電力線と呼ぶ)に挿入される。高周波電源回路1はスイッチング素子を用いて高周波電力を生成する回路であって、共振回路2を通すことにより高調波成分が低減される。
【0022】
負荷回路3はマッチング回路4と負荷としての無電極放電灯とを含む。無電極放電灯は、放電ガスが封入されたバルブLPと、バルブLPに近接して配置されている誘起コイルLp1とを備え、マッチング回路4を通して誘起コイルLp1に高周波電流を流すことにより、誘起コイルLp1の周囲に形成される高周波電磁界をバルブLPの内部空間に作用させる。したがって、放電ガスが高周波電磁界により励起・電離されて発光する。
【0023】
マッチング回路4は、電力線に挿入されたコンデンサCm2と、コンデンサCm2の両端において電力線と接地線GRとの間に接続された2個のコンデンサCm1,Cm3とを備える。無電極放電灯はインピーダンスの変化が大きいから、マッチング回路4を用いることにより前段側とのインピーダンスを整合させるのである。
【0024】
以下では、電力線について、高周波電源回路1の出力端から共振回路2までの部位を第1の電路PR1と呼び、共振回路2と負荷回路4とのうち無電極放電灯を除く部位を第2の電路PR2と呼ぶ。
【0025】
本実施形態では、図1(a)の回路のうち共振回路2とマッチング回路4とを両面プリント基板10aに実装しているのであって、図2に示すように、両面プリント基板10aの一面に接地線GRとなる接地パターンGおよび第2の電路PR2として用いられる回路パターンP2が形成され、他面には第1の電路PR1として用いられる回路パターンP1が形成される。上記他面の回路パターンの一部は第2の電路PR2となる部位もあるが、回路パターンP1は第1の電路PR1となる部位のみを意味することとする。以下では第1の電路PR1が形成されている面(図2(a)に示す面)を表面、第2の電路PR2および接地パターンGが形成されている面(図2(b)に示す面)を裏面と呼ぶ。なお、図2では表面と裏面とは図中の辺Aを軸として回転させた状態で示してある。
【0026】
図2(a)のように両面プリント基板10aの表面にはインダクタLr1が表面実装され、また図2(b)のように両面プリント基板10aの裏面にはコンデンサCr1,Cm1〜Cm3が表面実装される。共振回路2を構成するインダクタLr1とコンデンサCr1との間の回路パターンは両面プリント基板10aの表裏に形成されており、スルーホールHを通して互いに接続される。つまり、インダクタLr1とコンデンサCr1とはスルーホールHを介して接続される。
【0027】
ところで、図1(b)に示すように、両面プリント基板10aの表面に形成された回路パターンP1は、両面プリント基板10aの裏面に形成された接地パターンGと対向する部分を有している。つまり、回路パターンP1は接地パターンPに近い位置に形成されていることになる。一方、両面プリント基板10aの裏面に形成した回路パターンP2に対応する部位における両面プリント基板10aの表面には接地パターンGは形成されていない。また、回路パターンP2は両面プリント基板10aの裏面における接地パターンGから遠い位置に形成されていることになる。
【0028】
上述したように、本実施形態では、高周波電源回路1から共振回路2までの高調波成分が比較的多い部位では、回路パターンP1を接地パターンGに近接させることにより、高調波成分に対してシールド効果を得ることができる。つまり、高周波電源回路1からの高調波ノイズが負荷回路3に達するのを抑制して外部への輻射を低減することができる。一方、共振回路2と負荷回路3とを含む高調波成分の比較的少ない部位では回路パターンP2を接地パターンGから遠い位置に設けることによって、無電極放電灯に供給する電力の損失を防止することができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、図2(b)のように、接地パターンGにおける負荷回路4寄りの部位(図2(b)の右部)は開放されているから、プリント基板における回路パターンの引き回しが容易であり、部品配置の制約が少なくなる。つまり、部品配置の設計が容易になる。
【0030】
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1と同様に両面プリント基板10aを用いたものであるが、図3および図4に示すように、接地パターンGを両面プリント基板10aの両面に形成しているものである。部品の配置は実施形態1と同様であって、両面プリント基板10aの表面にも裏面と略同形状の接地パターンG1を形成した点が実施形態1とは相違する。
【0031】
接地パターンG1は、図4(a)に示すように、回路パターンP1に対応する部位では分離され、回路パターンP1の両側に近接する形に形成される。また、両面プリント基板10aの表裏の接地パターンG,G1は複数箇所に形成したスルーホールHを介して接続されている。このように両接地パターンG,G1を多箇所で接続していることにより、両接地パターンG,G1に電位差が生じるのを防止している。
【0032】
接地パターンG1は接地パターンGと略同形状であるから回路パターンP2とは対向せず、回路パターンP2と接地パターンGとの結合による大きな損失が生じないようにしてある。また、回路パターンP1は接地パターンGに近接だけではなく、接地パターンG1にも近接しているから、全体として接地パターンG,G1と結合度が大きくなり、ノイズに対するシールド効果が一層高くなる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0033】
(実施形態3)
本実施形態は、図5および図6のように、片面プリント基板10bを用い、共振回路2のインダクタLr1として空芯コイルを用いたものである。片面プリント基板10bを用いるから、回路パターンP1,P2は接地パターンGと同じ面(この面を裏面とする)に形成される。また、片面プリント基板10bの表面にはインダクタLr1のみが配置される。インダクタLr1は表面実装ではなく裏面側において回路パターンP1,P2に接続される。
【0034】
接地パターンGは回路パターンP1の近傍部位では回路パターンP1の両側に近接しており、シールド効果を高めてある。また、回路パターンP2は接地パターンGから遠い位置に形成され、損失の発生を抑制してある。
【0035】
本実施形態では、インダクタLr1として空芯コイルを用いているが、インダクタLr1のみを片面プリント基板10bの表面に実装してあり、しかもインダクタLr1の近傍にはパターンが形成されていないから、インダクタLr1からの漏れ磁束による回路への影響がなく、インダクタLr1に作成の容易な空芯コイルを用いることができる。
【0036】
(実施形態4)
本実施形態は、図7に示すように、高周波電源回路1として直列接続された2個のスイッチング素子Q1,Q2を出力段に備えるものを用い、両スイッチング素子Q1,Q2の接続点を出力端としている。また、図8および図9に示すように、スイッチング素子Q1,Q2と共振回路2とを両面プリント基板10aに実装してある。スイッチング素子Q1,Q2は両面プリント基板10aの周部に配置されており、両面プリント基板10aに隣接して配置した放熱体5と熱的に結合される。本実施形態では、負荷回路3は両面プリント基板10aとは別に設けられる。ここに、プリント基板10aと負荷回路3とはコネクタCN1,CN2を介して接続される。本実施形態では、両面プリント基板10aに負荷回路3を実装していないから、共振回路2および共振回路2からコネクタCN1,CN2までの部位で接地パターンを除く部位を第2の電路PR2としている。
【0037】
両面プリント基板10aの裏面には第2の電路PR2となる回路パターンP2が形成されるとともに、接地パターンGが形成される。また、両面プリント基板10aの表面に形成された回路パターンP1は、接地パターンGに対向する部分を有している。本実施形態では、両面プリント基板10aの表面にも裏面と略同形状の接地パターンG1が形成される。接地パターンG1は、回路パターンP1の両側に近接し、さらにスイッチング素子Q1,Q2の間にも接地パターンG1が形成される。両面プリント基板10aの表裏の接地パターンG,G1は適宜箇所に形成されたスルーホールHを介して接続される。また、実施形態1と同様にインダクタLr1とコンデンサCr1とにそれぞれ接続された回路パターンもスルーホールHを介して接続される。
【0038】
本実施形態の構成では両面プリント基板10aに負荷回路3を実装していないが、他の構成は基本的に実施形態2と同様であって、同様の効果が得られるものである。
【0039】
(実施形態5)
本実施形態は、図10に示すように、実施形態4の構成において、高周波電源回路1の接地端と負荷回路3の接地端との間にインピーダンス素子を挿入したものである。本実施形態では、インピーダンス素子としてコンデンサCg1を用いており、高周波電源回路1の接地端からコンデンサCg1までの接地線GRと、コンデンサCg1およびコンデンサCg1からコネクタCN2までの接地線GR’とに分けている。コンデンサCg1は図11および図12に示すように、コネクタCN2の近傍に配置され、接地パターンG1とコネクタCN2との間に挿入される。
【0040】
図12(b)に示すように、両面プリント基板10aの裏面には、接地線GR’になる接地パターンG’が形成されるとともにコンデンサCg1が実装される。また、本実施形態では、接地線GRにはコネクタCN2が接続されないから、図12(a)に示すように、両面プリント基板10aの表面では、スイッチング素子Q2とコネクタCN2とは接続されない。他の構成は実施形態4と同様である。
【0041】
(実施形態6)
本実施形態は、図13および図14に示すように、図7に示した実施形態4の回路を片面プリント基板10bに実装したものである。
【0042】
図13に示すように、スイッチング素子Q1,Q2は片面プリント基板10bの周部に配置され、片面プリント基板10bに隣接するように配置した放熱体5と熱的に結合する。図14(a)に示すように、片面プリント基板10bの表面には、スイッチング素子Q1,Q2およびインダクタLr1が配置される。また、図14(b)に示すように、片面プリント基板10bの裏面には、回路パターンP1,P2と接地パターンGとが形成され、コンデンサCr1が表面実装される。スイッチング素子Q1,Q2およびインダクタLr1は片面プリント基板10bの裏面に形成した回路パターンP1に接続される。
【0043】
本実施形態における回路パターンP1の両側には接地パターンGが近接するように形成され、回路パターンP2は接地パターンGから遠い位置に形成される。ただし、本実施形態では回路パターンP2は接地パターンGによってほぼ囲まれた形になっている。他の構成は実施形態4と同様である。
【0044】
(実施形態7)
本実施形態は、図15および図16に示すように、図1(a)に示した回路のうちマッチング回路4を共振回路2とは別に設けた両面プリント基板10cに実装し、両面プリント基板10cの両面にそれぞれ接地パターンG2,G3を形成したものである。
【0045】
すなわち、図16(a)のように両面プリント基板10aの表面に接地パターンG2が形成され、図16(b)のように両面プリント基板10aの裏面に回路パターンP2’および接地パターンG3が形成されるとともに、マッチング回路4を構成するコンデンサCm1〜Cm3が実装される。また、両面プリント基板10aにはスルーホールHが形成され、接地パターンG2,G3はスルーホールHを介して接続される。
【0046】
本実施形態においても、両面プリント基板10cの裏面に形成した回路パターンP2’に対応する部位において、両面プリント基板10cの表面には接地パターンG2が形成されないから、回路パターンP2’を接地パターンG2から遠い位置に形成したことになり、回路パターンP2’と接地パターンG2,G3との近接による損失が生じない。
【0047】
なお、上述した本発明の各実施形態では、コンデンサに面実装部品を使用することを想定しているが、コンデンサにアキシャル部品を使用してプリント基板に実装してもよい。また、無電極放電灯の電力供給経路に、安定器となる電力供給用コイルを挿入してもよい(例えば、電力供給用コイルを励起コイルLp1と直列に接続する)。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の発明は、スイッチング素子を含む高周波電源回路から共振回路を介して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置であって、上記共振回路はプリント基板に実装され、上記高周波電源回路の出力端から上記共振回路までの部位で接地線を除いた電路である第1の電路として用いられる回路パターンを接地線となる接地パターンに近い位置に配線し、上記共振回路と共振回路から負荷回路に向かう経路とを含む部位で接地線を除いた電路である第2の電路として用いられる回路パターンを接地パターンから遠い位置に配線し、接地パターンは、第2の電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの負荷回路が接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されているものであり、高周波電源回路の出力のうち共振回路に入力されるまでの比較的高調波成分を多く含む電流が流れる第1の電路を接地線に近接させることにより、第1の電路と接地側との間でノイズのシールド効果を持たせて高周波電源回路から発生する高調波ノイズを低減させることができるという効果がある。また、第2の電路を接地線から遠い位置に設けているから、部品配置スペースを確保することができ、たとえば、プリント基板においては回路パターンの引き回しが容易になり、部品配置の設計が容易になるという利点がある。
【0049】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記共振回路が両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンが上記第1の電路に用いられ、第1の電路として用いる回路パターンは両面プリント基板の他面に形成されている接地パターンと対向する部分を有するものであり、第1の電路として用いる回路パターンを両面プリント基板の反対面側に形成した接地パターンに近接させているので、第1の電路として用いる回路パターンと接地パターンとの間でノイズのシールド効果を持たせて高周波電源回路から発生する高調波ノイズを低減させることができるという効果がある。
【0050】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、上記共振回路が片面プリント基板に実装され、第1の電路に用いる回路パターンの両側に近接して接地パターンが形成されているものであり、第1の電力側パターンを接地パターンの近傍に形成することにより、第1の電路として用いる回路パターンを接地パターンに近接させることができるので、第1の電路として用いる回路パターンと接地パターンとの間でノイズのシールド効果を持たせて高周波電源回路から発生する高調波ノイズを低減させることができるという効果がある。
【0051】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、上記共振回路が、空芯コイルよりなるインダクタを含むものであり、共振回路は接地線から遠い位置に設けられているから、インダクタも接地線から遠い位置に配置することができ、作成の容易な空芯コイルを用いながらもインダクタから外部に漏れる磁束による回路への影響を低減させることができるという効果がある。
【0052】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記負荷回路が、上記無電極放電灯への電力供給経路に挿入された電力供給用コイルを含むものであり、電力供給用コイルにより、無電極放電灯のような特性の大きく変動する負荷に高周波電力を供給する場合においても、高周波電源回路の出力波形を安定させ、無電極放電灯を安定して点灯させることができるという利点がある。
【0053】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、上記負荷回路が、上記共振回路と負荷との間に挿入されたマッチング回路を含むものであり、インピーダンスを整合させることによって、インピーダンスの不整合による高調波ノイズを低減させることができるという効果がある。
【0054】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、上記マッチング回路が、上記高周波電源回路とは別のプリント基板に実装されているものであり、マッチング回路を高周波電源回路と別のプリント基板に実装することにより、高周波電源回路からマッチング回路に高周波ノイズが流れ込むことを防止することができるという効果がある。
【0055】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明において、上記マッチング回路が両面プリント基板に実装され、マッチング回路において接地線を除く回路パターンが形成されている部位における両面プリント基板の他面には接地パターンが形成されていないものであり、両面プリント基板の両面においてマッチング回路の電力側パターンを接地パターンと対向させないことにより、マッチング回路において高電位となる電力側パターンを接地パターンから離すことができるので、電力側パターンと接地パターンとが近接することによって生じる損失を低減させることができるという効果がある。
【0056】
請求項10の発明は、スイッチング素子を含む高周波電源回路と、高周波電源回路の出力端に接続された共振回路と、放電ガスが封入されたバルブおよびバルブの内部空間に高周波電磁界を形成する励起コイルよりなる無電極放電灯と、共振回路と励起コイルとの間に挿入されたマッチング回路とを備え、少なくとも高周波電源回路と共振回路とは両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンにより高周波電源回路と共振回路との間が接続され、この回路パターンは両面プリント基板の他面に形成された接地パターンと対向する部分を有し、接地パターンは、上記共振回路から励起コイルに向かう経路を含む部位で接地線を除いた電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの励起コイルが接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されているものであり、両面プリント基板の両面において第1の電路となる回路パターンを接地パターンと対向させることにより、第1の電路となる回路パターンを接地パターンに近接させるので、第1の電路となる回路パターンと接地パターンとの間でシールド効果を持たせて高周波電源回路から発生する高調波ノイズを低減させることができるという効果がある。また、第2の電路となる回路パターンは接地パターンから遠い位置に形成されているから、両面プリント基板における回路パターンの引き回しが簡単になり、部品配置の設計が容易になるという利点がある。さらにまた、共振回路とマッチング回路とによっても高調波ノイズを低減させることができるので、無電極放電灯のような特性の大きく変動する負荷に高周波電力を供給する場合においても、高周波電源回路の出力波形を安定させ、無電極放電灯を安定して点灯させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態1の回路図であり、(b)は同上のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図2】(a)は同上のプリント基板の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図3】本発明の実施形態2のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図4】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図5】本発明の実施形態3のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図6】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図7】本発明の実施形態4の回路図である。
【図8】同上のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図9】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図10】本発明の実施形態5の回路図である。
【図11】同上のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図12】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図13】本発明の実施形態6のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図14】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図15】本発明の実施形態7のプリント基板を表面側から裏面部品まで示す平面図である。
【図16】(a)は同上の表面図、(b)は同上の裏面図である。
【図17】従来例の回路図である。
【図18】同上のプリント基板を示す平面図である。
【符号の説明】
1 高周波電源回路
2 共振回路
3 負荷回路
4 マッチング回路
10a 両面プリント基板
10b 片面プリント基板
Cr1,Cm1〜Cm3 コンデンサ
G,G1,G’ 接地パターン
GR,GR’ 接地線
LP バルブ
Lp1 励起コイル
Lr1 インダクタ
P1,P2,P2’ 回路パターン
PR1,PR2 電路
Q1,Q2 スイッチング素子
Claims (10)
- スイッチング素子を含む高周波電源回路から共振回路を介して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置であって、上記共振回路はプリント基板に実装され、上記高周波電源回路の出力端から上記共振回路までの部位で接地線を除いた電路である第1の電路として用いられる回路パターンを接地線となる接地パターンに近い位置に配線し、上記共振回路と共振回路から負荷回路に向かう経路とを含む部位で接地線を除いた電路である第2の電路として用いられる回路パターンを接地パターンから遠い位置に配線し、接地パターンは、第2の電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの負荷回路が接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されていることを特徴とする電源装置。
- 上記共振回路は両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンが上記第1の電路に用いられ、第1の電路として用いる回路パターンは両面プリント基板の他面に形成されている接地パターンと対向する部分を有することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 上記共振回路は片面プリント基板に実装され、第1の電路に用いる回路パターンの両側に近接して接地パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
- 上記共振回路は、空芯コイルよりなるインダクタを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電源装置。
- 上記負荷回路は無電極放電灯を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電源装置。
- 上記負荷回路は、上記無電極放電灯への電力供給経路に挿入された電力供給用コイルを含むことを特徴とする請求項5記載の電源装置。
- 上記負荷回路は、上記共振回路と負荷との間に挿入されたマッチング回路を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電源装置。
- 上記マッチング回路は、上記高周波電源回路とは別のプリント基板に実装されていることを特徴とする請求項7記載の電源装置。
- 上記マッチング回路は両面プリント基板に実装され、マッチング回路において接地線を除く回路パターンが形成されている部位における両面プリント基板の他面には接地パターンが形成されていないことを特徴とする請求項7または請求項8記載の電源装置。
- スイッチング素子を含む高周波電源回路と、高周波電源回路の出力端に接続された共振回路と、放電ガスが封入されたバルブおよびバルブの内部空間に高周波電磁界を形成する励起コイルよりなる無電極放電灯と、共振回路と励起コイルとの間に挿入されたマッチング回路とを備え、少なくとも高周波電源回路と共振回路とは両面プリント基板に実装され、両面プリント基板の一面に形成される回路パターンにより高周波電源回路と共振回路との間が接続され、この回路パターンは両面プリント基板の他面に形成された接地パターンと対向する部分を有し、接地パターンは、上記共振回路から励起コイルに向かう経路を含む部位で接地線を除いた電路に用いる回路パターンの両側において上記回路パターンの励起コイルが接続される一端側が開放される形に上記回路パターンに沿って延長されていることを特徴とする電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08499399A JP3684907B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08499399A JP3684907B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000287454A JP2000287454A (ja) | 2000-10-13 |
JP3684907B2 true JP3684907B2 (ja) | 2005-08-17 |
Family
ID=13846168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08499399A Expired - Fee Related JP3684907B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3684907B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006234803A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-09-07 | Ricoh Co Ltd | プリント基板のノイズ注入装置 |
JP5240439B2 (ja) * | 2007-11-28 | 2013-07-17 | 東芝ライテック株式会社 | 負荷制御装置および電気機器 |
EP2323245B1 (en) | 2008-09-09 | 2019-07-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Voltage conversion apparatus and electrical load drive apparatus |
CN102257712B (zh) | 2008-12-18 | 2014-07-16 | 丰田自动车株式会社 | 电压转换装置和电气负载驱动装置 |
JP4963505B2 (ja) | 2009-08-03 | 2012-06-27 | トヨタ自動車株式会社 | 電圧変換装置及び電気負荷駆動装置 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP08499399A patent/JP3684907B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000287454A (ja) | 2000-10-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH07504556A (ja) | 一体化されたemi/rfiフィルタ磁気装置 | |
JP3684907B2 (ja) | 電源装置 | |
JP2831252B2 (ja) | E級プッシュプル電力増幅回路 | |
JP3887976B2 (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JP2003008153A (ja) | 電子回路装置及びローパスフィルタ | |
JPH065375A (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JP3460276B2 (ja) | E級プッシュプル電力増幅回路 | |
JPH11299262A (ja) | 電源装置 | |
JP3799814B2 (ja) | 電力増幅回路 | |
JP3829550B2 (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JP2006222675A (ja) | 不要輻射低減回路及び不要輻射低減方法並びに電子機器 | |
JPH09306682A (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
WO2011021339A1 (ja) | 給電線構造及びそれを用いた回路基板、emiノイズ低減方法 | |
JP3797076B2 (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JPH07212145A (ja) | E級プッシュプル電力増幅回路 | |
US7120398B2 (en) | Mobile communication devices having high frequency noise reduction and methods of making such devices | |
JP3355734B2 (ja) | E級プッシュプル電力増幅回路 | |
WO2019208675A1 (ja) | 発振装置、及び発振周波数の調整方法 | |
JPH10134979A (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JPH11111479A (ja) | 放電灯点灯装置 | |
JP3508426B2 (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JPH06310291A (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JP2005160077A (ja) | 発振器 | |
JP2000340381A (ja) | 無電極放電灯点灯装置 | |
JP2005158463A (ja) | 無電極放電灯装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050328 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050523 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610 Year of fee payment: 4 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |