JP3799814B2 - 電力増幅回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に高周波電力を供給する電力増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の電力増幅回路の一例を示している。この従来例1は、負荷である無電極放電灯107に近接配置された高周波電力供給用コイル108に対して数MHzから数百MHzの高周波電流を流すことにより高周波電力供給用コイル108に高周波磁界を発生させて高周波電力を無電極放電灯107に供給するものであって、水晶振動子Xを用いた発振部101と、発振部101の出力を増幅する、C級増幅回路により構成されたプリアンプ部102と、FET等のスイッチング素子を具備した所謂D級増幅回路で構成されたメインアンプ部105と、インピーダンスマッチングを取るためのマッチング部104と、高周波電力供給用コイル108に流れる高周波電流を検出するための検出用抵抗Rxとを備え、銅箔から成る配線パターン111が形成されたプリント基板に上記各部を構成する回路部品が実装されて構成される。なお、メインアンプ部105の電源として直流電源Eが、発振部101並びにプリアンプ部102の電源として直流電源Vcが各々配線パターン111に接続される。
【0003】
上記従来例1では、検出用抵抗Rxのグランドパターン111aと、発振部101及びプリアンプ部102のグランドパターン111bとを遠ざけることにより、メインアンプ部105、マッチング部104並びに高周波電力供給用コイル108から検出用抵抗Rxに流れる電流の雑音が減少し、検出用抵抗Rxによる検出精度を向上させている。このように高周波動作する電力増幅回路においては、プリント基板上の配線パターンの設計が重要であり、それによって回路動作の安定性が左右される。
【0004】
図10は他の従来例(以下、「従来例2」という。)を示す回路図である。この従来例2は、直流電源E1に接続された2つの電界効果トランジスタ(以下、「スイッチング素子」と呼ぶ。)Q1,Q2具備して負荷R0に高周波電力を供給する、D級増幅回路から成る増幅部4と、1次巻線と2つの2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスT1と、水晶発振子Xを用いて高周波信号を出力する発振部2、電界効果トランジスタ(以下、「スイッチング素子」と呼ぶ。)Q3を具備して発振部2の高周波信号を増幅して駆動トランスT1の1次巻線に供給するプリアンプ部3を有し、駆動トランスT1の2次巻線に接続された各スイッチング素子Q1,Q2を駆動する駆動部1とを備えている。
【0005】
ところで上記構成を有する従来例2では、図11及び図12に示すように、スリット10aにより略中央で2つの部分に分かれる略コ字状に形成されたプリント基板10の一方の部分に上記各部を構成する回路部品が実装され、他方の部分には商用の交流電源から上記直流電源E1,E2を作成する電源回路5を構成する回路部品(図示せず)が実装され、このプリント基板10が、金属のような導電性材料により略箱形に形成されたケース20に収納されている。
【0006】
また、このケース20には、プリント基板10のスリット10aに嵌合する帯板状の仕切板21が立設されており、この仕切板21も同じく導電性材料で形成され、ケース20と仕切板21とが同電位になるようにしてある。すなわち、プリント基板10をケース20に収納した状態では、上記電源回路5と、高周波動作を行う駆動部1及び増幅部4とが仕切板21により互いにシールドされるのである。ここで、スイッチング素子Q1〜Q3はケース20に接触させて効率良く放熱を行なうため、プリント基板10の端部に配置されており、さらに、増幅部4が具備するスイッチング素子Q1,Q2の近傍に駆動トランスTlが配置してある。なお、負荷R0に対してはケース20に取り付けられるケーブル22によって高周波電力が供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、図13はプリント基板10上で電力増幅回路が実装されている部分のみを表した図である。プリント基板10上の増幅部4及び駆動部1の領域には略全面にグランドパターン11が形成されることでグランドのインピーダンスを低下させて、高周波での回路動作を安定化させている。但し、駆動トランスT1の周囲付近のグランドパターンに間隙13を開けているが、これは、駆動トランスT1とグランドパターン11との距離が近すぎると、C結合により動作が不安定になるためである。
【0008】
而して、駆動トランスT1は高周波で動作するため、その配置及び配線パターンに以下のような制約がある。すなわち、スイッチング素子Q1,Q2が高周波でスイッチング動作するため、これら2つのスイッチング素子Q1,Q2のゲートと駆動部1とを接続するための配線パターンは短くする必要がある。また前述のように、C結合による動作不安定を防ぐためには駆動トランスT1近傍のグランドパターン11に間隙13を開ける必要がある。
【0009】
このような制約に伴い、駆動トランスT1近傍のグランドパターン11が狭くなって電流の流路が片寄ったり、制限されたりする場合がある。例えば、図13に示すように増幅部4のスイッチング素子Q2のソース端子から直流電源E1に、グランドパターン11の両側を通って高周波成分を含む電流il,i2が流れるが、この時、スイッチング素子Q1側のグランドパターン11を流れる電流i2は駆動部1の発振部2近傍を横切るために、増幅部4からの高周波電流に起因する雑音によって、水晶振動子Xを用いて比較的低電流で動作している発振部2の動作が不安定になるという問題があった。
【0010】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止した電力増幅回路を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させる第1の間隙を該グランドパターンに設け、前記駆動トランス近傍のグランドパターンに第2の間隙を設けるとともに当該第2の間隙を前記第1の間隙に接続したことを特徴とし、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができ、また、駆動トランスとグランドパターンとの距離を遠ざけてC結合により動作が不安定になるのを防止できるとともに、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の間隙が、前記グランドパターンを伝って前記スイッチング素子から前記発振部に至る最短経路を、該発振部とスイッチング素子との最短の間隔よりも長くすることを特徴とし、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記増幅部と駆動部との境界近傍に前記第1の間隙を設けたことを特徴とし、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記第2の間隙を前記グランドパターンの端部まで連続して形成したことを特徴とし、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記増幅部が、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成ることを特徴とし、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記増幅部がC級又はE級増幅回路から成ることを特徴とし、スイッチング素子が1個で済むことから構成の簡素化が図れるとともに、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記プリアンプ部がC級又はE級増幅回路から成ることを特徴とし、スイッチング素子が1個で済むことから構成の簡素化が図れるとともに、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができる。
【0020】
請求項8の発明は、上記目的を達成するために、直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させ且つ前記増幅部と駆動部との境界近傍の前記グランドパターンに設けられる第1の間隙と、該第1の間隙に接続され前記駆動トランス近傍の前記グランドパターンから該グランドパターンの端部まで連続して形成される第2の間隙と、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成る前記増幅部と、C級又はE級増幅回路から成る前記プリアンプ部とを備え、ガラスバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯を有する前記負荷に高周波電力を供給することを特徴とし、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができ、また増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができ、さらに駆動トランスとグランドパターンとの距離を遠ざけてC結合により動作が不安定になるのを防止でき、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができるとともに、無電極放電灯を点灯させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の電力増幅回路をプリント基板上に実装した状態を示す平面図である。なお、本実施形態における回路構成並びに回路動作については従来例と共通であるので、共通する部分には同一の符号を付して図示並びに説明を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0022】
本実施形態が図13に示した従来例と異なる点は、図1に示すように略全面にグランドパターン11が形成されたプリント基板10上において、増幅部4を構成する回路部品(例えば、スイッチング素子Q1,Q2など)が実装された領域A1(図1に点線で示す)と、発振部2やプリアンブ部3から成る駆動部1を構成する回路部品(水晶発振子Xやスイッチング素子Q3など)が実装された領域A2(図1に一点破線で示す)との境界線にほぼ沿ってグランドパターン11に間隙(第1の間隙)12を設けた点にあり、この第1の間隙12によって、増幅部4の少なくとも何れか1つのスイッチング素子Q1(Q2)と発振部2との間のグランドパターン11上におけるインピーダンスを増大させている。
【0023】
ここで、駆動トランスT1近傍のグランドパターン11に間隙(第2の間隙)13を設けることによって、駆動トランスT1とグランドパターン11との距離を遠ざけ、両者のC結合により動作が不安定になるのを防止している。また、この第2の間隙13に第1の間隙12の一端が接続してある。すなわち、スイッチング素子Q2と発振部2との間のグランドパターン11に第1の間隙12が設けてあるため、グランドパターン11を伝ってスイッチング素子Q2から発振部2に至る最短経路が発振部2とスイッチング素子Q2との最短の間隔よりも長くなり、その間のインピーダンスが増大する。
【0024】
而して、回路動作時に増幅部4のスイッチング素子Q2のソース端子からグランドパターン11を通って直流電源E1,E2を供給する電源回路5側へ流れる高周波成分を含んだ電流が、従来例では他方のスイッチング素子Q1に近い経路を通る電流i2とスイッチング素子Q1から遠い経路を通る電流i1であったが(図13参照)、本実施形態では第1の間隙12によってスイッチング素子Q2と駆動部1との間のインピーダンスが増大しているため、スイッチング素子Q1から遠い経路を通る電流(駆動部1の発振部2から離れた経路を通る電流)i3のみとなる。その結果、増幅部4からグランドパターン11を通って発振部2の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流が減少し、発振部2の動作が不安定になるのを防止することができる。
【0025】
なお、本実施形態の電力増幅回路の負荷R0を無電極放電灯とし、増幅部4から出力される高周波電力の周波数を数百kHz以上、望ましくは数MHzから数百MHzに設定すれば、無電極放電灯点灯装置が構成できる。
【0026】
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2の電力増幅回路をプリント基板上に実装した状態を示す平面図である。本実施形態が実施形態1と異なる点は、第1の間隙12を断続的に形成した点にあり、それ以外の構成並びに動作については実施形態1と共通であるから図示並びに説明を省略する。
【0027】
而して、回路動作時に増幅部4のスイッチング素子Q2のソース端子からグランドパターン11を通って直流電源E1,E2を供給する電源回路5側へ流れる高周波成分を含んだ電流は、わずかに一部の電流i5がスイッチング素子Q1に近い経路を流れるが、その大部分がスイッチング素子Q1から遠い経路を通る電流(駆動部1の発振部2から離れた経路を通る電流)i4となる。その結果、従来例に比較して、増幅部4からグランドパターン11を通って発振部2の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流が減少し、発振部2の動作が不安定になるのを防止することができる。
【0028】
(実施形態3)
図3は本発明の実施形態3の電力増幅回路をプリント基板上に実装した状態を示す平面図である。本実施形態が実施形態1と異なる点は、スイッチング素子Q1,Q2から遠い側の領域A1,A2の境界線を一部通り、領域A2側のグランドパターン11端部近傍まで延びた第3の間隙14を設けた点にあり、それ以外の構成並びに動作については実施形態1と共通であるから図示並びに説明を省略する。
【0029】
而して、本実施形態によれば、グランドパターン11を伝ってスイッチング素子Q2から発振部2に至る経路の距離が実施形態1の場合よりも大きくなり、そのために両者間のインピーダンスも増大する。その結果、回路動作時に増幅部4のスイッチング素子Q2のソース端子からグランドパターン11を通って直流電源E1,E2を供給する電源回路5側へ流れる高周波成分を含んだ電流は、図3に示すように第3の間隙14よりもスイッチング素子Q1,Q2から遠い側を通る電流i6のみとなり、実施形態1に比較して、増幅部4からグランドパターン11を通って発振部2の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流がさらに減少し、発振部2の動作が不安定になるのをより確実に防止することができる。
【0030】
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4を示す回路図である。本実施形態が実施形態1〜3の回路構成と異なる点は、増幅部4’が1つのスイッチング素子Q4とインダクタL1,L2並びにコンデンサC1,C2で構成される、所謂E級増幅回路から成り、プリアンプ部3の出力が駆動トランスT2を介して上記スイッチング素子Q4のゲートに印加される点にあり、その他の構成並びに動作は共通であるから説明は省略する。
【0031】
また、図5は本実施形態をプリント基板上に実装した状態を示す平面図であり、実施形態1と同様に増幅部4’を構成する回路部品(スイッチング素子Q4など)が実装された領域A1(図5に点線で示す)と、発振部2やプリアンプ部3から成る駆動部1を構成する回路部品が実装された領域A2(図5に一点破線で示す)との境界線にほぼ沿ってグランドパターン11に間隙(第1の間隙)12が設けてある。
【0032】
而して、本実施形態においても、第1の間隙12によって増幅部4’のスイッチング素子Q4と発振部2との間のグランドパターン11上におけるインピーダンスを増大させているので、回路動作時に増幅部4’のスイッチング素子Q4のソース端子からグランドパターン11を通って直流電源E1,E2を供給する電源回路5側へ流れる高周波成分を含んだ電流が、駆動部1の発振部2から離れた経路を通る電流i7のみとなる。その結果、増幅部4’からグランドパターン11を通って発振部2の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流が減少し、発振部2の動作が不安定になるのを防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態の回路構成においても、図6に示すような実施形態2と同様の断続的な第1の間隙12を設けたり、図7に示すような実施形態3と同様の第3の間隙14を設けるようにしてもよい。
【0034】
(実施形態5)
図8は本発明の実施形態5を示す回路図である。本実施形態は、増幅部4”が1つのスイッチング素子Q4とインダクタL1並びにコンデンサC1〜C3で構成される、所謂C級増幅回路から成り、プリアンプ部3の出力が駆動トランスT2を介して上記スイッチング素子Q4のゲートに印加される点に特徴があり、その他の構成、動作並びにプリント基板上への実装状態は実施形態4と共通であるから説明は省略する。
【0035】
而して、本実施形態においても、第1の間隙12によって増幅部4”のスイッチング素子Q4と発振部2との間のグランドパターン11上におけるインピーダンスを増大させ、回路動作時に増幅部4”のスイッチング素子Q4のソース端子からグランドパターン11を通って直流電源E1,E2を供給する電源回路5側へ流れる高周波成分を含んだ電流が、駆動部1の発振部2から離れた経路を通る電流のみとなる。その結果、増幅部4”からグランドパターン11を通って発振部2の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流が減少し、発振部2の動作が不安定になるのを防止することができる。
【0036】
なお、本実施形態の回路構成においても、図6に示すような実施形態2と同様の断続的な第1の間隙12を設けたり、図7に示すような実施形態3と同様の第3の間隙14を設けるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させる第1の間隙を該グランドパターンに設け、前記駆動トランス近傍のグランドパターンに第2の間隙を設けるとともに当該第2の間隙を前記第1の間隙に接続したので、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができ、また、駆動トランスとグランドパターンとの距離を遠ざけてC結合により動作が不安定になるのを防止できるとともに、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができるという効果がある。
【0038】
請求項2の発明は、前記第1の間隙が、前記グランドパターンを伝って前記スイッチング素子から前記発振部に至る最短経路を、該発振部とスイッチング素子との最短の間隔よりも長くするので、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができるという効果がある。
【0039】
請求項3の発明は、前記増幅部と駆動部との境界近傍に前記第1の間隙を設けたので、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができるという効果がある。
【0042】
請求項4の発明は、前記第2の間隙を前記グランドパターンの端部まで連続して形成したので、増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができるという効果がある。
【0043】
請求項5の発明は、前記増幅部が、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成るので、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができるという効果がある。
【0044】
請求項6の発明は、前記増幅部がC級又はE級増幅回路から成るので、スイッチング素子が1個で済むことから構成の簡素化が図れるとともに、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができるという効果がある。
【0045】
請求項7の発明は、前記プリアンプ部がC級又はE級増幅回路から成るので、スイッチング素子が1個で済むことから構成の簡素化が図れるとともに、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができるという効果がある。
【0046】
請求項8の発明は、直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させ且つ前記増幅部と駆動部との境界近傍の前記グランドパターンに設けられる第1の間隙と、該第1の間隙に接続され前記駆動トランス近傍の前記グランドパターンから該グランドパターンの端部まで連続して形成される第2の間隙と、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成る前記増幅部と、C級又はE級増幅回路から成る前記プリアンプ部とを備え、ガラスバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯を有する前記負荷に高周波電力を供給するので、増幅部からグランドパターンを通って発振部の近傍を流れる高周波成分を含んだ電流を減少させて発振部の動作が不安定になるのを防止することができ、また増幅部から駆動部に流れる、高周波成分を含んだ電流を減少させることができ、さらに駆動トランスとグランドパターンとの距離を遠ざけてC結合により動作が不安定になるのを防止でき、動作周波数が高周波であってもスイッチング素子のスイッチング損失を抑えることができるとともに、無電極放電灯を点灯させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【図2】実施形態2のプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【図3】実施形態3のプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【図4】実施形態4を示す回路図である。
【図5】同上のプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【図6】同上のプリント基板上の他の実装状態を示す平面図である。
【図7】同上のプリント基板上のさらに他の実装状態を示す平面図である。
【図8】実施形態5を示す回路図である。
【図9】従来例1におけるプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【図10】従来例2を示す回路図である。
【図11】同上の一部省略した分解斜視図である。
【図12】同上の平面図である。
【図13】同上のプリント基板上の実装状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 駆動部
2 発振部
3 プリアンプ部
4 増幅部
10 プリント基板
11 グランドパターン
12 第1の間隙
Q1,Q2 スイッチング素子
T1 駆動トランス
Claims (8)
- 直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させる第1の間隙を該グランドパターンに設け、前記駆動トランス近傍のグランドパターンに第2の間隙を設けるとともに当該第2の間隙を前記第1の間隙に接続したことを特徴とする電力増幅回路。
- 前記第1の間隙は、前記グランドパターンを伝って前記スイッチング素子から前記発振部に至る最短経路を、該発振部とスイッチング素子との最短の間隔よりも長くすることを特徴とする請求項1記載の電力増幅回路。
- 前記増幅部と駆動部との境界近傍に前記第1の間隙を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電力増幅回路。
- 前記第2の間隙を前記グランドパターンの端部まで連続して形成した前記駆動トランス近傍のグランドパターンに第2の間隙を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の電力増幅回路。
- 前記増幅部は、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電力増幅回路。
- 前記増幅部がC級又はE級増幅回路から成ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電力増幅回路。
- 前記プリアンプ部がC級又はE級増幅回路から成ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電力増幅回路。
- 直流電源に接続された1乃至複数のスイッチング素子を具備し負荷に高周波電力を供給する増幅部と、1次巻線と1乃至複数の2次巻線がコアに巻回されて成る駆動トランスと、水晶発振子を用いて高周波信号を出力する発振部、該発振部の高周波信号を増幅して前記駆動トランスの1次巻線に供給するプリアンプ部を有し前記駆動トランスの2次巻線に接続された各スイッチング素子を駆動する駆動部と、前記増幅部、駆動トランス並びに駆動部を構成する各回路部品が実装されたプリント基板と、前記各部を含む範囲で該プリント基板上の略全面に形成されるグランドパターンとを備えた電力増幅回路において、前記増幅部の少なくとも何れか1つのスイッチング素子と前記発振部との間の前記グランドパターン上におけるインピーダンスを増大させ且つ前記増幅部と駆動部との境界近傍の前記グランドパターンに設けられる第1の間隙と、該第1の間隙に接続され前記駆動トランス近傍の前記グランドパターンから該グランドパターンの端部まで連続して形成される第2の間隙と、2つのスイッチング素子を具備したD級増幅回路から成る前記増幅部と、C級又はE級増幅回路から成る前記プリアンプ部とを備え、ガラスバルブ内に放電ガスを封入した無電極放電灯を有する前記負荷に高周波電力を供給することを特徴とする電力増幅回路。
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