JP3546154B2 - 金属成形品の射出成形方法および射出成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属成形品の射出成形方法および射出成形装置に関し、具体的には融点が700゜C以下の金属原料を溶解炉、スクリュ等を使用することなく、射出シリンダ内で溶解し、そして同射出シリンダ内で計量し、次いで金型に射出して金属成形品を得る、金属成形品の射出成形方法および、射出成形方法の実施に使用される射出成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属製品の成形方法には、周知のように機械的に加圧する加圧鋳造方法、格別に加圧しない重力鋳造方法等が知られている。加圧鋳造方法としてはダイカスト法がよく知られており、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の金属製品の製造にはこの方法が適用されている。また、鉛合金は比重が大きいので、鉛合金の製品は一般に重力を利用した重力鋳造方法により製造されている。
一方、最近になって、チキソモールド法が例えば特公平1ー33541号、同2ー15620号公報により提案されている。この方法は、合金原料を固液共存状態で撹拌すると、樹枝状結晶すなわちデンドライドの形成が抑制され、破壊された微細な粒状の固体と液体とが共存した状態であるスラリー状物質が得られるが、このような固液共存状態であるスラリー状物質を短時間に凝固させ、固体がほぼ均一に分布した合金組織の成形品を得る方法である。この成形品は、凝固による収縮率が小さく、またミクロシュリンケージすなわち収縮孔およびガスの巻き込みによる空隙孔が少ないため、寸法精度、機械的性質共に良好な性質を示す。このようなスラリー状物質の性質を利用した合金成形品の製法には、射出成形機あるいは押出機が使用される。射出成形機は、温度制御可能なスクリュシリンダと、このスクリュシリンダ内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとから構成されている。したがって、スクリュを回転駆動すると、合金原料はスクリュによりシリンダ先端部に順次移動させられる。このとき合金原料は、固相線温度以上、液相線温度以下となり溶融する。それ以後は、スクリュシリンダの温度が制御され固液共存温度に保持される。固液共存状態の合金原料は、スクリュ・シリンダの先端から金型のキャビテイへ射出され、合金成形品が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
加圧鋳造法の1つであるダイカスト法によると、鋳物から巣をある程度除去することができ、品質はある程度向上する。また加圧するので色々な形状の金属成形品を比較的精度良く得ることもきる。さらには加圧鋳造法による成形品も、回収すれば溶解炉で再溶融することができるので、再利用も比較的簡単にできる。しかしながら、射出装置以外に溶解炉、保持炉、給湯装置等を必要とし、設備費が高騰すると共に、溶解炉の放熱量が大きく、多量のエネルギを必要とする欠点もある。また、金属原料は溶解炉で溶解しなければならないので、高温作業となり作業環境が悪い欠点がある。さらには、溶解炉から飛散する溶湯で火傷する危険もある。また、溶解炉があるため装置が大型あるいは工場が大規模にもなる。一方、金属成形品の品質から見ると、ダイカスト法は溶湯の流路に空間が多く、鋳造時にこの空気が金型の成形品部に入り、鋳物に気泡が残ることが多く、充分な機械強度の成形品が得られないことがある。また、適正な湯量の制御例えばプラスマイナス5%以内に制御することは困難で、成形品に適した注湯量を金型に注入できないので、寸法および重量精度も充分ではなく、精密成形ができない現状にある。以上のような理由により、ダイカスト法により、精密成形品の自動車部品、OA機器用部品、FA機器用部品、事務機器用部品、電動工具用部品、通信機要部品等を得るには、限界がある。
【0004】
一方、チキソモールド法によると、射出成形機を使用して固体の合金原料をシリンダ内で固液共存状態に保つことができ、溶解炉を必要としない点は認められる。また、射出成形機により金型へ射出して成形品を得るので、比較的品質の高い金属成形品を得ることはできる。しかしながら、問題点もある。例えば、金属原料は、プラスチックに比較すると熱伝導が高く、金型内でも急速に冷却固化するので、射出速度もプラスチックを射出成形するときに比較して早い速度すなわち50cm/s以上の速度で射出することが望ましいが、スクリュは比較的重量があるので、高速で駆動すると、その慣性力も大きくなる。その結果、スクリュの位置の制御が困難になり、金属成形品の重量精度が落ちることがある。また、チップ状の金属原料を溶融し、そしてチキソトロピィ流動性を維持するためにはスクリュシリンダおよびスクリュが軸方向に長くなり、射出成形機が大型化する欠点もある。
【0005】
本発明は、上記したような従来の金属成形品の成形方法の問題点あるいは欠点を解消した金属成形品の射出成形方法および射出成形装置を提供しようとするもので、具体的には射出装置がコンパクトで安価であり、寸法および重量精度に優れ、さらには、金属成形品を良好な作業環境のもとで、安全に、且つ低コストで成形できる金属成形品の射出成形方法および射出成形装置を提供することも目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、射出シリンダ内で金属原料を溶解し、そして同じ射出シリンダ内で計量し、次いで同じ射出シリンダから射出するように構成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、先方端に射出ノズルが設けられている射出シリンダ内に金属原料を供給し、前記射出シリンダ内で、供給された金属原料を前記射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加える熱により溶解して溶解金属原料を得て、そして前記射出シリンダ内で溶解された溶解金属原料を所定量計量し、次いで計量された溶解金属原料を前記射出シリンダ内に設けられているプランジャで前記射出ノズルから金型のキャビテイに射出して金属成形品を得るように構成される。請求項2に記載の発明は、先方端に射出ノズルが設けられている射出シリンダ内に金属原料を供給し、前記射出シリンダ内で、供給された金属原料を前記射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加える熱により溶解して溶解金属原料を得て、そして前記射出シリンダ内で溶解された溶解金属原料を所定量攪拌・計量し、次いで計量された溶解金属原料を前記射出シリンダ内に設けられているプランジャで前記射出ノズルから金型のキャビテイに射出して金属成形品を得るように構成され、そして請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の射出成形方法において、溶解金属原料の固相率が0〜70%であるように構成される。
請求項4に記載の発明は、その先端部に射出ノズルが設けられ、その内部が見掛け上溶解室と計量室とに選定されている射出シリンダと、前記射出シリンダ内の、溶解室と計量室との間に位置し、射出時に前記射出ノズルの方へ駆動されるようになっている射出プランジャと、前記射出プランジャと協働して弁機構を構成している溶湯供給弁と、前記射出シリンダの溶解室の容積を減少させる方へ駆動されるようになっている圧縮プランジャとからなり、前記射出シリンダの外周部には、個々に発熱温度が制御される加熱装置が設けられていると共に、前記射出プランジャと前記溶湯供給弁とで構成される弁機構は、計量時には前記溶解室中の溶解金属原料の前記計量室の方への流れを許容し、射出時には前記計量室中の溶解金属原料の前記溶解室の方への流れを阻止するように構成され、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の射出成形装置において、弁機構は、射出プランジャにその軸方向に形成されている複数個の湯路と、溶湯供給弁に同様にその軸方向に形成されている複数個の湯通路とから構成され、前記複数個の湯路と前記複数個の湯通路とが軸方向に整合すると、射出シリンダの溶解室と計量室は連通状態になり、整合位置からずれると、遮断状態になるように、そして請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の射出成形装置において、射出プランジャに形成されている複数個の湯路は、先方に向かって縮径されたテーパ孔に構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における金属原料とは、融点が700゜C以下の金属元素単体もしくはこれらの金属を基にした合金を称する。実際的な例としては例えばアルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリウム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチウム、インジウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウム、セシウム、フランシウム、ガリウム等を挙げることできるが、特にアルミニウム、マグネシウム、鉛、亜鉛、ビスマス、錫の単体およびこれらの金属を基にした合金が望ましい。これらの金属原料は、いずれも射出シリンダ内で外部から加える熱で溶融し、そして金型へ射出して成形できる金属元素あるいは合金である。銅の融点は1085゜Cで700゜Cよりもはるかに高いが、銅合金は例えばろう付け用の銅合金の融点は、700゜C以下であり、本発明は銅合金も金属原料の対象としている。
【0008】
これらの金属原料は、色々な方法で得ることができる。例えばインゴットをチッピングマシンでチップ化して得ることもできる。あるいは、切削マシンで切削して得られる切削粉を利用することもできる。また、水などの冷却媒に溶融金属を滴下して作ることもできる。これらの方法により得られる金属原料は、適度に形状が小さく、粉体とは異なり取扱いが容易で、射出シリンダ内で容易に溶融する。本発明に適用される原料金属の粒径あるいは大きさは、射出シリンダに供給することができる粒径であれあば、格別限定されない。しかしながら、射出シリンダ内での溶融する容易さ、金属原料を得るコスト等を考慮すれば、いずれにしても金属原料の大きさは、好ましくは5mm以下が望ましい。
【0009】
次に、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態の形態に係わる射出成形装置は、図1の(イ)に示されているように、射出シリンダ1を備えている。そして、この射出シリンダ1内に、詳しくは後述するように、先端部から後端部に向かって、射出プランジャ10、溶湯供給弁20、圧縮プランジャ30がこの順序で設けられている。
【0010】
射出シリンダ1は、全体として筒状をしている。そして、その先端部に開閉弁2を備えた射出ノズル3が設けられ、射出ノズル3と反対側の後端部に駆動装置が設けられている。この駆動装置により、後述するように射出プランジャ10と圧縮プランジャ30は、軸方向に駆動され、溶湯供給弁20は回転方向と軸方向とに駆動されるようになっている。射出シリンダ1には、中間部より駆動装置に寄った位置に金属原料を供給するための開口部4が明けられている。金属原料は、化学的に活性であるので、開口部4の筒部5にはガス供給孔6が開けられ、ガスタンク7から電磁開閉弁8を介して窒素ガス等の不活性ガスがガス供給孔6から射出シリンダ1内へ供給されるようになっている。なお、開口部4の筒部5には、必要に応じて蓋体9が設けられている。このように構成されている射出シリンダ1の外周部には、後端部から先端部にかけて電気ヒータ等からなる複数個の加熱装置、本実施の形態では、第1〜3の加熱装置K1、K2、K3が設けられ、そして射出ノズル3の外周部には第4のノズル加熱装置K4が設けられている。これらの加熱装置K1〜K4には、図には示されていないが、加熱装置K1〜K4に対応して温度センサが取り付けられ、制御装置によりきめ細かに、個々に発熱温度が制御されるようになっている。
【0011】
射出シリンダ1の内部は、見かけ上射出ノズル3側の先端部が貯蓄室すなわち計量室K、後端部寄りが溶解室Yとなっている。そして、射出シリンダ1の内部には計量室Kの方から溶解室Yの方へ、この順序で射出プランジャ10と溶湯供給弁20と圧縮プランジャ30とが設けられている。射出プランジャ10は、先端面11と後端面12とを有し、全体として柱状を呈している。そして、図1の(ロ)にも示されているように、軸方向に貫通した複数個の湯路13、13、…が設けられている。これらの湯路13、13、…は、後端面12において最大径となり、先端面11に向かって縮径されたテーパ孔となっている。したがって、溶湯がこれらの湯路13、13、…を通って計量室Kへ圧送されるとき、固液混合状態の溶湯は、均一に混合されることになる。このような射出プランジャ10には、一端部が駆動装置に機械的に接続されているロッド14が固定されている。このロッド14により射出プランジャ10は、射出方向に駆動され、また計量位置へ正確に位置決めされる。なお、射出プランジャ10の外周部には、軸方向に所定の間隔をおいて、射出シリンダ1の内周壁に密接する複数個のピストンリング15、15、…が設けられている。
【0012】
溶湯供給弁20は、射出プランジャ10の湯路13、13、…と協働して、一種の逆止弁を構成するもので、先端面21を有し、全体としては円柱状をしている。そして、軸方向に貫通した複数個の湯通路23、23、…が設けられている。これらの湯通路23、23、…の径は、射出プランジャ10の、後端面12における湯路13、13、…の最大径と同じ径で、溶湯供給弁20が第1の位置にあるときは、湯路13、13、…とそれぞれ整合して連通し、軸を中心として所定角度回転した第2の位置では、不連通状態となるように構成されている。したがって、溶湯供給弁20が第2の位置にあり、そして射出プランジャ10の後端面12に、その先端面21が密接すると、湯路13、13、…は閉鎖されることになる。このような溶湯供給弁20には、管状の操作管24が固定されている。この操作管24は、射出プランジャ10のロッド14を内部に同心的に包むようにして後方へ延び、駆動装置に接続されている。これにより、溶湯供給弁20は第1の位置と第2の位置とに回転駆動され、また軸方向にも駆動される。なお、溶湯供給弁20の外周部にも、射出シリンダ1の内周壁に密接するピストンリング25が同様に設けられている。
【0013】
圧縮プランジャ30も全体として円柱状を呈し、その後端面32に管状の駆動管34が固定され、この駆動管34も駆動装置に接続されている。したがって、圧縮プランジャ30も軸方向に駆動される。なお、圧縮プランジャ30の外周部にもピストンリングを設けることもできるが、圧縮プランジャ30には高い圧力は作用しないので、省略することもでき、図には示されていない。
【0014】
次に、上記射出成形機を使用して金属成形品を成形する例を説明する。なお、本実施の形態に係わる射出成形機も制御装置を備え、加熱装置K1〜K4の加熱温度、射出プランジャ10、溶湯供給弁20等の駆動、位置決めなどは、自動的に制御されるが、以下説明を簡単にするために、主として手動的に操作する例について説明する。加熱装置K1〜K4の個々の発熱温度を制御装置により、金属原料の融点を越える温度に設定する。例えば金属原料が汎用マグネシュム合金であるAZ91Dのときは、加熱装置K1、K2、K3およびK4を、それぞれ450〜500°C、500〜580°C、 580〜600°C、480〜580°Cに設定する。また、射出プランジャ10を、射出シリンダ1の計量室Kの容積が、後述する金型のキャビテイの容量に相当する位置へ移動させる。このとき、溶湯供給弁20は第2の位置へ回転させると共に、その先端面21が射出プランジャ10の後端面12に密接するように先方へ駆動する。
【0015】
そうして、材料供給工程に入る。すなわち、金属原料KGを、筒部5から溶解室Yへ供給する。供給している状態は、図2の(イ)に示されている。所定量供給したら、筒部5の開放端を蓋体9で閉鎖すると共に、ガスタンク7から不活性ガスを溶解室Yへ供給する。そうして、圧縮プランジャ30を駆動して、溶解室Yの容積を減少させる。金属原料KGは、圧縮され、見掛け上の密度が高くなり、熱伝導も大きくなる。加熱装置K1〜K3から加えられる熱により金属原料KGは溶解する。この時の固相率は0〜70%になるように制御される。金属原料KGが溶解して溶解金属原料KYとなった状態は、図2の(ロ)に示されている。これにより、溶解工程を終わる。なお、溶解が進むにつれて金属原料KGの容積は減少するので、圧縮プランジャ30を一定の圧力で常時駆動するように実施することもできる。
【0016】
次いで、計量工程に入る。溶湯供給弁20を第1の位置へ回転させる。これにより溶湯供給弁20の湯通路23、23、…は、射出プランジャ10の湯路13、13、…と連通状態になる。また、射出ノズル3の開閉弁2を閉じる。そうして、圧縮プランジャ30を先方へ駆動する。そうすると、溶解室Y中の溶解金属原料KYは、溶湯供給弁20の湯通路23、23、…と、射出プランジャ10の湯路13、13、…とを通って、計量室Kへ圧送される。このとき、射出プランジャ10の湯路13、13、…は、先方に向かってテーパ状に縮径されているので、溶解金属原料KYの、液相中の固体は均一に混合される。計量している状態は、図3の(イ)に示されている。
【0017】
溶湯供給弁20を第2の位置へ回転させると共に、射出ノズル3の開閉弁2を開く、そうして射出工程にはいる。射出プランジャ10を射出方向に駆動する。このとき、溶湯供給弁20の先端面21が、射出プランジャ10の後端面12に密着するように、溶湯供給弁20も射出方向に駆動する。これにより、計量された溶解金属原料KYが溶解室Yの方へ逆流することなく、金型40、41のキャビテイ42へ、スプル43およびゲート44を通って射出される。射出されている状態が、図3の(ロ)に示されている。射出された溶解金属原料KYの冷却固化を待って、金型41を開いて金属成形品例えば自動車部品、OA機器用部品、FA機器用部品、事務機器用部品、家電製品用部品、電動工具用部品、通信機用部品等を得るを得る。以下、同様にして成形する。
【0018】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、いろいろな形で実施できることは明らかである。例えば、射出プランジャ10の湯路13、13、…は、テーパ状になっているので、前述したように溶解金属原料KYの攪拌効果が得られるが、湯路13、13、…がテーパ孔に限定されないことは明らかである。また、溶湯供給弁20は、射出プランジャ10と協働して、一種の逆止弁を構成しているが、射出プランジャ10内に逆止弁を組み込み、必要に応じて、逆止弁を外部から操作して逆止弁の逆止作用を解除するように実施することもできる。また、金属原料KGは、射出シリンダ1内へ供給する前に予熱するように実施することもできる。これにより、溶解室Yにおける溶解時間を短縮できる。なお、図2の(ロ)にも示されているように、圧縮プランジャ30が溶解工程中および射出工程中に射出シリンダ1の開口部4を閉鎖するように構成すると、蓋体9は不要となる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、先方端に射出ノズルが設けられている射出シリンダ内に金属原料を供給し、前記射出シリンダ内で、供給された金属原料を前記射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加える熱により溶解して溶解金属原料を得て、そして前記射出シリンダ内で溶解された溶解金属原料を所定量計量し、次いで計量された溶解金属原料を前記射出シリンダ内に設けられているプランジャで前記射出ノズルから金型のキャビテイに射出して金属成形品を得るように構成されているので、すなわち射出シリンダ内で溶解し、そして同じ射出シリンダ内で計量し、次いで同じ射出シリンダから射出するので、ダイカストマシーンのように溶解炉のような付属機器を必要としない。また、射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加えられる熱で溶解するので、従来の射出成形機のようにスクリュも必要としない。したがって、本発明によると、コンパクトな射出成形機を提供できるという、本発明に特有な効果が得られる。また、本発明によると、スクリュに比較して一般に軽量なプランジャで射出するので、プランジャの慣性力は小さく、したがって高速で射出してもプランジャの位置の制御は容易で、重量精度に優れた金属成形品を得ることができる。また、本発明によると、溶解金属原料はプランジャで射出されるので、ダイカストのように空間の多い湯路がなく、したがって成形品に気泡が残ることがなく、充分な機械強度の成形品が得られる。さらには、射出シリンダ内で溶解するので、溶解炉から飛散する溶湯で火傷する危険もなく、良好な作業環境で高い品質の金属成形品を得ることもできる。また、他の発明によると、溶解金属原料を計量するときに攪拌もされるので、均一な半溶解状態の金属原料を得ることができ、したがって高品質の金属成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる射出成形機を示す図で、その(イ)は全体を示す断面図、その(ロ)は 射出プランジャと溶湯供給弁と示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる射出成形機を使用した成形工程を示す図で、その(イ)は金属原料供給工程を示す断面図、その(ロ)は溶解工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる射出成形機を使用した他の成形工程を示す図で、その(イ)は計量工程を示す断面図、その(ロ)は射出工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 射出シリンダ 3 射出ノズル
10 射出プランジャ 13 湯路
20 溶湯供給弁 23 湯通路
30 圧縮プランジャ
K 計量室 Y 溶解室
K1〜K4 加熱装置
Claims (6)
- 先方端に射出ノズルが設けられている射出シリンダ内に金属原料を供給し、前記射出シリンダ内で、供給された金属原料を前記射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加える熱により溶解して溶解金属原料を得て、そして前記射出シリンダ内で溶解された溶解金属原料を所定量計量し、次いで計量された溶解金属原料を前記射出シリンダ内に設けられているプランジャで前記射出ノズルから金型のキャビテイに射出して金属成形品を得る、ことを特徴とする金属成形品の射出成形方法。
- 先方端に射出ノズルが設けられている射出シリンダ内に金属原料を供給し、前記射出シリンダ内で、供給された金属原料を前記射出シリンダの外周部に設けられている加熱装置から加える熱により溶解して溶解金属原料を得て、そして前記射出シリンダ内で溶解された溶解金属原料を所定量攪拌・計量し、次いで計量された溶解金属原料を前記射出シリンダ内に設けられているプランジャで前記射出ノズルから金型のキャビテイに射出して金属成形品を得る、ことを特徴とする金属成形品の射出成形方法。
- 請求項1または2に記載の射出成形方法において、溶解金属原料の固相率が0〜70%である金属成形品の射出成形方法。
- その先端部に射出ノズルが設けられ、その内部が見掛け上溶解室と計量室とに選定されている射出シリンダと、前記射出シリンダ内の、溶解室と計量室との間に位置し、射出時に前記射出ノズルの方へ駆動されるようになっている射出プランジャと、前記射出プランジャと協働して弁機構を構成している溶湯供給弁と、前記射出シリンダの溶解室の容積を減少させる方へ駆動されるようになっている圧縮プランジャとからなり、
前記射出シリンダの外周部には、個々に発熱温度が制御される加熱装置が設けられていると共に、前記射出プランジャと前記溶湯供給弁とで構成される弁機構は、計量時には前記溶解室中の溶解金属原料の前記計量室の方への流れを許容し、射出時には前記計量室中の溶解金属原料の前記溶解室の方への流れを阻止するように構成されていることを特徴とする金属成形品の射出成形装置。 - 請求項4に記載の射出成形装置において、弁機構は、射出プランジャにその軸方向に形成されている複数個の湯路と、溶湯供給弁に同様にその軸方向に形成されている複数個の湯通路とから構成され、前記複数個の湯路と前記複数個の湯通路とが軸方向に整合すると、射出シリンダの溶解室と計量室は連通状態になり、整合位置からずれると、遮断状態になる金属成形品の射出成形装置。
- 請求項5に記載の射出成形装置において、射出プランジャに形成されている複数個の湯路は、先方に向かって縮径されたテーパ孔になっている金属成形品の射出成形装置。
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