JP3794017B2 - 金属成形品の射出成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、亜鉛、マグネシウム又はそれら合金等の低融点の金属材料を溶解して金属成形品に射出成形する方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
低融点の非鉄金属の鋳造にはダイカストが採用されるが、ダイカストでは金属材料を完全溶解する溶解炉を必要とし、この溶解炉から湯を汲み出したり、あるいはプランジャにより押し出して鋳造を行っている。そこで溶解を溶解炉によらず、プラスチック材料の場合と同様に、加熱筒の後部から供給された粒状の金属材料を、スクリュ回転により加熱筒の前方へと移送しつつ溶解して、加熱筒前室に蓄積して計量したのち、スクリュ前進により加熱筒先端のノズルから金型に射出充填することが行われつつある。
【0003】
このような射出成形を金属材料に採用した場合における課題は、スクリュ回転による金属材料の溶解及び移送の困難さと計量の不安定さにある。
プラスチック材料における溶融は、その殆どがせん断発熱によることから、スクリュは先端部になるにしたがって大径に形成され、材料の流通間隙となるスクリュ溝は相対的に浅く形成される。しかし溶融プラスチックでは加熱筒内壁の境界面における摩擦係数に差があることから、流通間隙が狭く形成されてもスクリュ回転による前方への移送はスムーズに行われる。
【0004】
それに対し、液相状態にまで完全に溶解した金属材料では、プラスチック材料とは比較にならぬほど粘度が小さいため、上記2つの境界面における摩擦係数差が殆どないに等しく、これにより溶融プラスチックの場合のようなスクリュ回転による移送力が生じ難い。また低粘度の液相状態では、スクリュを後方へ押し戻す程の圧力上昇は生じないので、材料圧によるスクリュ後退が起こり難く、スクリュ回転のみでは前室への蓄え量も異なって、射出充填量の定量化に技術的な困難さを伴う。
【0005】
そこで、金属材料を完全溶融せずに、溶解温度を固相線温度以上で液相線温度以下の温度に制限して半溶融状態で射出成形することが行われている。上記温度範囲の溶融金属では、その組織が半溶融状(チクソトロピー性状)にあるとされており、この状態であれば溶融金属に流動抵抗が生じて、スクリュ回転による移送及び後退による計量が可能となる。したがって、これまでの射出成形による金属成形品の成形は、そのような方法の採用によるものであった。
【0006】
しかしながら、その成形方法はプラスチック材料の射出成形手段を、そのまま応用したに過ぎず、また金属はプラスチックとは異なって熱伝導率が良いので冷め易いことなどから、加熱筒内の溶融金属の温度維持に難点がある。金属材料の成形においても、加熱筒は外周囲のバンドヒータにより加熱されて設定温度を保ってはいる。しかしスクリュ側には加熱手段がなく、しかも後端部から放熱し易い状態にもある。このためスクリュ溝内の溶融金属に温度むらが発生し易く、これを攪拌により防止するために、スクリュを回転しておくことは、スクリュ自体が溶融金属材料の移送部材を兼ねていることから、材料の過剰供給を来すので不可能とされている。
【0007】
この発明は、金属材料を半溶融状態で射出成形する場合の上記課題を解決するために考えられたものであって、その目的は、これまでに不可欠とされていた溶融及び移送と射出の3機能を有するスクリュを採用せずに、別個に作動する攪拌手段と射出手段との複合化により溶解容器内での溶融金属の攪拌を可能となし、これにより金属材料の溶融温度を設定温度範囲に維持した状態で、組織がチクソトロピー性状の金属成形品の成形を行い得る新たな射出成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的によるこの発明は、先端部にノズル口と連通する所要長さの計量室を有し、内部に攪拌手段を回転自在に備え、その攪拌手段の中心部に先端部を射出プランジャに形成した射出手段を進退自在に挿通して、該射出プランジャを計量室に摺動自在に嵌装した円筒状の溶解筒を、溶解筒先端のノズル部材を下側にして傾斜設置し、その溶解筒内に供給口から粒状の金属材料を連続又は断続的に供給し、その金属材料を外部熱により液相線温度以上の温度に加熱溶融するとともに、上記攪拌手段により均一化して溶解筒内に蓄積し、その溶融金属材料の一部を上記射出プランジャの後退により生ずる負圧により計量室へ送込んで計量し、その計量室への送込みから金型に射出充填するまでの過程で、計量した溶融金属材料を固相線温度以上で液相線温度以下の温度に冷却して金型に射出充填し、組織がチクソトロピー性状の金属成形品に成形する、というものである。
【0009】
またこの発明は、先端部にノズル口と連通する所要長さの計量室を有し、内部に攪拌手段を回転自在に備え、その攪拌手段の中心部に先端部を射出プランジャに形成した射出手段を進退自在に挿通して、該射出プランジャを計量室に摺動自在に嵌装した円筒状の溶解筒を、溶解筒先端のノズル部材を下側にして傾斜設置し、その溶解筒内に供給口から粒状の金属材料を連続又は断続的に供給し、その金属材料を外部熱により固相線温度以上で液相線温度以下の温度に加熱溶融するとともに、上記攪拌手段により溶融金属材料を半溶融状(チクソトロピー状)に攪拌維持しつつ溶解筒内に蓄積し、その半溶融状金属材料の一部を上記射出プランジャの後退により生ずる負圧により計量室へ送込んで計量し、計量後も半溶融状態を維持しつつ射出プランジャの前進により金型に射出充填して、組織がチクソトロピー性状の金属成形品に成形すると、いうものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図は、この発明に係る金属成形品の射出成形方法の実施を可能とする成形機の1実施形態を示すものである。
【0011】
図中1は射出機構、2は型締機構で共に機台3の上面に設置されている、4は型締機構2に対し進退自在に設置した台座4で、上面が傾斜した架台5を後部上に旋回自在に備え、その架台5に上記射出機構1が型締機構2に対してノズル側を下向きに傾斜位置するように設置してある。
【0012】
上記射出機構1は、金属材料の溶解容器となる円筒状の溶解筒11と、その内部の後記する攪拌及び射出手段と、溶解筒11の後端部に間隔を置いて設けた射出シリンダ12と、溶解筒11の後端下側の支脚13に取付けた攪拌用の電動モータ14と、粒状の金属材料を溶解筒内に供給する送出装置15とからなる。この送出装置15は水平シリンダ15aと、シリンダ端部に設けた電動モータ15bにより回転する内部のスクリュ軸15cとからなる。また図では省略したが、必要に応じてシリンダ周囲に材料予熱用のヒータを取付け得る構造からなる。
【0013】
上記溶解筒11は、先端にノズル部材10を備え、外周囲にバンドヒータ16を備える。上記ノズル部材10のノズル孔と連通する溶解筒11の先端部内は、溶解筒11の内径よりも小径に縮径した所要長さの円筒形の計量室17に形成してある。図示の例では、先端部材18により溶解筒先端に取付けたノズル部材10の後部内を、溶解筒内径よりも小さく縮径し、その後部内を溶解筒内と連通した計量室17としているが、場合によっては、先端部材18の内径を縮径して計量室17となし、その先端部材18にノズルチップを取付けた構造であってもよい。
【0014】
このような計量室17を先端に備えた溶解筒11の中程の上側には、供給口19が開設してあり、その供給口19に上記送出装置15が管路20を接続して配設してある。また溶解筒11の後端は開口状態にあって、そこから内部に上記攪拌及び射出手段を構成する攪拌部材21と射出部材22とが内設してある。
【0015】
上記攪拌部材21は、中央に貫通孔を有する定位置の中空軸部23の先端部外周に、複数条の攪拌翼24,24を断続的に形成した回転軸からなる。これらの攪拌翼24,24は溶解筒11の内径とほぼ等しい外径からなる。また中空軸部23の攪拌翼24よりも後方の軸部周囲には、溶解筒11の内周面に接したガイド兼用の仕切用フランジ25が一体形成してある。
【0016】
また溶解筒11の開口端から突出した上記中空軸部23の端部には、プーリー26が止着してあり、このプーリー26と上記電動モータ14の駆動軸端のプーリー27とにわたりタイミングベルト28が掛け設けられて、該電動モータ14により攪拌部材21が溶解筒内にて一方向に回転又は又往復回転して、上記攪拌翼24,24により溶融金属を攪拌することができるようにしてある。
【0017】
上記射出部材22は、上記中空軸部23の貫通孔に挿入して、攪拌部材21の中央に摺動自在に設けた射出ロッド29と、その先端に取付けて攪拌部材21の前面から突出し、上記計量室17に嵌装した射出プランジャ30とからなる。この射出プランジャ30は射出ロッド29により計量室内を抜け出すことなく進退移動する。また上記仕切用フランジ25より上方の射出ロッド29の外周囲には、ロッドガイドとクリアランスに滲入した溶融金属のバックフロー防止とを兼ねるリング29aが多段に形成してある。
【0018】
上記射出プランジャ30は、計量室17に摺動用のクリアランスをもって挿入可能な外径からなり、その外周囲にシールリング31を備えている。このシールリング31は特殊鋼などによる耐熱性のピストンリングをそのまま採用したものからなる。またシールリング31は詳細を図では省略したが、プランジャ後退による計量室側の負圧時には縮径して、上記クリアランスを拡げて溶融金属材料の計量室内への吸引移送を円滑になし、反対に射出時には計量室側の材料圧により拡張して上記クリアランスからの溶融金属の逆流を防止するように、プランジャ外周囲の環状溝に所要の隙間を溝底と溝壁との間に空けて嵌め込んである。
【0019】
上記射出シリンダ12は、シリンダ前端の下側に支脚32を一体に有し、この射出シリンダ12は両側に配設したタイバー33により上記溶解筒11と間隔を置いて一体に連結され、またピストン34は上記中空軸部23の後端から突出した上記射出ロッド29の後端に連結されて、射出ロッド29を先端の射出プランジャ30と一緒に進退移動する。
【0020】
このような射出シリンダ12と上記溶解筒11は、それぞれの下側両側に突設した上記支脚13,32の端部を、上記架台5の傾斜上面の両側に並設した支持軸40,40に挿通して、ノズル部材10を下側に下向きに取付けられ、これにより上記型締機構2に対し傾斜設置された上記射出機構1を構成している。
【0021】
また射出機構1の両側には、油圧シリンダ42と長軸のロッド43とによるノズルタッチ装置44が、台座4の先端中央に立設したノズルタッチブロック45の両側の軸受部材46に、ロッド43の先端を回動自在に軸着する一方、油圧シリンダ42を溶解筒後端と射出シリンダ前端とに掛け渡し、シリンダ後端を射出シリンダに回動自在に止着して設けてある。このノズルタッチ装置44は射出機構1の修理やメンテナンスに際する後退装置としても機能する。
【0022】
上記架台5は、上面が45°前後の角度の内向きの傾斜面に形成され、その上面に上記支持軸40が両端を部材41,41をもって取付けてある。この架台5は上記台座4の後端部上に設置した門型の受座6に、図では省略したが旋回自在に載置固定され、その受座6の内部中央から上記ノズルタッチブロック45にわたり、該ノズルタッチブロック45の前面に部材52をもつて水平に設けたノズル部材47のノズルタッチ装置48が配設してある。
【0023】
このノズルタッチ装置48の油圧シリンダ49は、機台3に据え付けた台座4内中央の受部材50に固設され、また内部のピストンロッド(図は省略)に連結したロッド部材51は、その先端を上記ノズルタッチブロック45に連結されて、そのロッド部材51の進退移動により台座4が架台5の上面の射出機構1と共に進退移動して、上記ノズル部材47の金型7に対するノズルタッチが行えるようにしてある。
【0024】
上記ノズルタッチブロック45の内側上部は、上記射出機構1のノズル部材10の軸線に対し直角に位置する傾斜後面に形成され、その傾斜後面にノズルタッチ用のゲートが開設してある。またノズルタッチブロック45の内部には、上記ノズル部材47と射出機構1のノズル部材10とを連通するホットランナ53が屈曲形成してあり、これにより射出機構1が型締機構2に対し傾斜設置されていても、ノズルタッチが隙間なく行われて、射出充填時の溶融金属の漏洩を防止している。
【0025】
上記構成の成形装置を使用して、この発明の第1の射出成形方法により金属成形品、たとえば、マグネシウム(AZ91D)による成形品を成形するには、先ず溶解筒11を外周のバンドヒーター16により液相線温度以上(620°〜680℃)の設定温度に加熱して、内部を溶融温度以上の高温となす。またノズルタッチブロック45及びノズル部材47も、溶融金属材料がランナーを通過して金型7に射出充填される間に固相線温度(470℃)以上で液相線温度(595℃)以下の温度になるように、図では省略しているが、外部ヒータにより加熱しておく。この際、溶解筒内の空間部位を不活性ガス雰囲気となす。この不活性ガスの供給は、図では省略したが、たとえば上記管路20に不活性ガスボンベの供給管を接続し行うことができる。
【0026】
次に上記電動モータ14により中空軸部23を設定速度により回転して攪拌状態となす。そこで粒状のマグネシウムを金属材料として、上記送出装置15により供給口19から溶解筒11内に供給する。金属材料は溶解筒11が下向きに傾斜していることから、直ちに中空軸部23と共に回転している攪拌翼24,24の部位で溶解して湯となる。さらに継続して供給された金属材料は、そこに蓄えられた湯の中に落ち込んで、湯の熱により溶解されるとともに、攪拌翼24,24により湯の中に混ぜ込まれる。これにより極めて短時間で溶解すると同時に溶融金属材料の均一化が行われる。
【0027】
また溶融金属材料は射出プランジャ30が前進位置にあるときには、そのまま溶解筒11の前部内に蓄えられる。その蓄え量は10ショット程度でよく、成形ごとに1ショット分の材料供給を行えば連続成形が支障なく行える。
所定量の溶融金属材料が蓄えられたところで、上記射出プランジャ30の後退移動を行う。この後退移動はシールリング31が計量室17に留まる範囲に制限され、この後退移動により蓄えられた溶融金属材料の一部が計量室17に流れ込むようになる。
【0028】
この溶融金属材料の計量室17への流れ込みは、射出プランジャ30の計量室内の後退移動により生ずる負圧による。これは前回射出の溶融金属材料がノズル部材47のノズル口に冷却固化してコールドプラグとして残り、計量室17のノズル側が塞がれて、ノズル口からの流入が阻止されていることによる。このような状態で前進限にある射出プランジャ30に後退力を加えてゆくと、後退移動に伴い拡張され行く計量室17は負圧となる。
【0029】
この負圧により射出プランジャ30のシールリング31が縮径するとともに、負圧による吸引作用で溶融金属材料がシールリング周囲のクリアランスから、拡張されて行く計量室17に流入して室内に満ちてゆくになる。これにより計量室17には射出プランジャ30の強制後退を困難となすほどの大きな負圧が発生せず、射出プランジャ30のスムーズな後退移動により材料計量が行われる。
したがって、射出プランジャ30の射出時の前進移動による逆流量を見込んで計量完了位置を設定し、その後に工程を射出充填に切換えて前進限まで、射出プランジャ30を前進移動すれば、常に設定量の溶融金属材料の金型7への射出充填が可能となる。
【0030】
このような材料計量から射出充填中においても、溶解筒内では上記攪拌部材21と射出部材22とが別体であることから、上記攪拌翼24,24の回転による溶融金属材料の攪拌が継続して行われ、これにより溶解筒11に新たな金属材料を連続又は断続的に供給するものであつても、溶解筒内における溶融金属材料の均一化を図ることができる。
【0031】
また射出部材22は金属材料の溶融を目的として回転するようなことはないので、回転トルクを考慮して射出ロッドをこれまでのスクリュのように大径に製作する必要がなく、攪拌部材21もまたせん断発熱により溶融を行うものではないので、溶解筒内壁面と中空軸部外面との間の隙間を大きく形成することができ、これによりスクリュを採用した場合には困難とされていた数ショット分の溶融金属材料の蓄えが容易となり、溶融金属材料の温度維持効果も一段と向上するようになる。
【0032】
計量後の溶融金属材料は、射出プランジャ30の前進移動により加圧されて、ノズル部材47のノズル口を閉塞しているコールドプラグを押し退け、上記ノズルタッチブロック45からノズル部材47内に至るホットランナー53を通過して金型7のキャビティに射出充填される。
【0033】
この計量から射出の過程において、液相線温度以上の温度の溶融金属材料は、ノズルタッチブロック45及びノズル部材47が、固相線温度以上で液相線温度以下の温度に加熱維持されていることから、ホットランナー53を通過して金型7に射出充填される間に冷却されて半溶融状態となり、また流動抵抗による流れの乱れにより或る程度の攪拌も生じるので、射出成形されたマグネシウム成形品は、組成がチクソトロピー性状の製品となる。
【0034】
この発明の第2の射出成形方法は、上記溶解筒11及びノズルタッチブロック45、ノズル部材47の全ての温度を、溶融金属材料の温度が固相線温度以上で液相線温度以下となるように設定し、その温度範囲にて金属材料を半溶融状態に加熱溶解するとともに、上記攪拌部材21により攪拌してチクソトロピー状態となし、その状態を維持しつつ射出プランジャ30の移動による計量及び上記金型7への射出充填を行うものである。これにより成形されたマグネシウム成形品もまた、組織がチクソトロピー性状の製品となる。
【0035】
上記第1及び第2の射出成形方法の何れにおいても、溶解筒11の内部では上記攪拌部材21と射出部材22とが別体であることから、計量及び射出工程を問わず、上記攪拌翼24,24の回転による溶融金属材料の攪拌が継続して行われ、これにより溶解筒11に新たな金属材料を連続又は断続的に供給するものであっても、溶解筒内における溶融金属材料の均一化を図ることができる。
【0036】
また射出部材22は金属材料の溶融を目的として回転するようなことはないので、回転トルクを考慮して射出ロッドをこれまでのスクリュのように大径に製作する必要がなく、攪拌部材21もまたせん断発熱により溶融を行うものではないので、溶解筒内壁面と中空軸部外面との間の隙間を大きく形成することができ、これによりスクリュを採用した場合には困難とされていた数ショット分の溶融金属材料の蓄えが容易となり、半溶融状金属材料の温度むらも解消されて、これまでの成形方法よりも成形精度に優れたチクソトロピー性状の金属成形品の射出成形を容易になし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る金属成形品の射出成形方法の実施を可能とする成形機略示縦断側面図である。
【図2】 同じく一部を縦断して示す側面図である。
【図3】 射出プランジャを後退した際の溶解筒先端部の縦断側面図である。
【図4】 射出プランジャを前進した際の溶解筒先端部の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 射出機構
2 型締機構
10 ノズル部材
11 溶解筒
12 射出シリンダ
15 金属材料の送出装置
17 計量室
21 攪拌部材
22 射出部材
23 中空軸部
24 攪拌翼
29 射出ロッド
30 射出プランジャ
31 シールリング
45 ノズルタッチブロック
47 ノズル部材

Claims (2)

  1. 先端部にノズル口と連通する所要長さの計量室を有し、内部に攪拌手段を回転自在に備え、その攪拌手段の中心部に先端部を射出プランジャに形成した射出手段を進退自在に挿通して、該射出プランジャを計量室に摺動自在に嵌装した円筒状の溶解筒を、溶解筒先端のノズル部材を下側にして傾斜設置し、その溶解筒内に供給口から粒状の金属材料を連続又は断続的に供給し、その金属材料を外部熱により液相線温度以上の温度に加熱溶融するとともに、上記攪拌手段により均一化して溶解筒内に蓄積し、その溶融金属材料の一部を上記射出プランジャの後退により生ずる負圧により計量室へ送込んで計量し、その計量室への送込みから金型に射出充填するまでの過程で、計量した溶融金属材料を固相線温度以上で液相線温度以下の温度に冷却して金型に射出充填し、組織がチクソトロピー性状の金属成形品に成形することを特徴とする金属成形品の射出成形方法。
  2. 先端部にノズル口と連通する所要長さの計量室を有し、内部に攪拌手段を回転自在に備え、その攪拌手段の中心部に先端部を射出プランジャに形成した射出手段を進退自在に挿通して、該射出プランジャを計量室に摺動自在に嵌装した円筒状の溶解筒を、溶解筒先端のノズル部材を下側にして傾斜設置し、その溶解筒内に供給口から粒状の金属材料を連続又は断続的に供給し、その金属材料を外部熱により固相線温度以上で液相線温度以下の温度に加熱溶融するとともに、上記攪拌手段により溶融金属材料を半溶融状(チクソトロピー状)に攪拌維持しつつ溶解筒内に蓄積し、その半溶融状金属材料の一部を上記射出プランジャの後退により生ずる負圧により計量室へ送込んで計量し、計量後も半溶融状態を維持しつつ射出プランジャの前進により金型に射出充填して、組織がチクソトロピー性状の金属成形品に成形することを特徴とする金属成形品の射出成形方法。
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