JP3848936B2 - 低融点金属合金の半溶融成形方法及び成形機 - Google Patents

低融点金属合金の半溶融成形方法及び成形機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、予め凝固組織を固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有するマグネシウム合金、アルミニウム合金等の低融点金属合金を成形材料とし、それを半溶融状態で金型に射出充填して、金属製品となす成形方法と成形機とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半溶融成形としては、アルミニウム合金又はマグネシウム合金の冷却固化したビレットを、固相線を超える温度領域まで昇温して初晶が粒状化するまで保持し、その後に液相線以下の成形温度までさらに昇温して半溶融状態となし、それを成形用金型に供給して加圧成形している(例えば、特許文献1参照)。
また溶融マグネシウム合金を冷却して固相を含んだ金属スラリーを生成し、この金属スラリーを冷却固化して円柱棒状の金属素材に成形し、これをインジェクション装置により半溶融状態に加熱溶解して金属製品を射出成形するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
金属成形機として、ノズル部材を先端に有する筒体の外周囲に加熱手段を備え、内部に射出プランジャを進退自在に備えた溶解筒を傾斜設置し、その溶解筒によりホッパから供給された粒状の低融点金属材料を完全溶解して、金型に射出するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
低融点金属製品の製造装置として、低融点金属の棒状材料を溶解炉により溶解し、その溶湯を固相線温度以上、液相線温度以下に保持されたシリンダ内にて、スクリューにより攪拌せん断してチクソ状となしたのち、プランジャ前部に貯留し、そのプランジャにより金型に射出充填するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3216684号公報(第1−3頁、図1)。
【特許文献2】
特開2001−252759号公報(第4−5頁、図1)。
【特許文献3】
特開2001−191162号公報(第3−5頁、図1、図6)。
【特許文献4】
特開平7−51824号公報(第5−8頁、図1−2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の半溶融成形方法は、冷却固化したビレットを固相線を超える温度領域まで昇温して初晶が粒状化するまで、5分〜60分間保持する必要があることから、成形に時間が掛かる大型の金属製品をダイキャストにより鋳造する場合には適用可能であっても、射出成形による製品重量が小さい金属製品の成形には、その保持時間によって成形効率が低下するために採用し難い課題を有する。
【0007】
上記特許文献2に記載の成形方法では、固相を含んだ金属スラリーを冷却固化して、チクソトロピーを潜在的に保持した円柱棒状の金属素材とし、それをインジエクション装置の加熱チャンバーにより半溶融状態に溶融貯留し、その半溶融金属スラリーを金型に供給して成形を行っていることから、引用文献1の課題とされる初晶が粒状化するまでの保持時間が不要となる。しかし、金属素材の溶融と貯留の両方を加熱チャンバーにて行っており、また吐出口が予備溶解バレルよりも上方にあるため、半溶融金属スラリーの金型への供給が溶融順に行われず、加熱チャンバーに長く留まって固相が粗大化し、組織的にチクソトロピー性状が失われた金属スラリーとなるものもあり、これが稼働時間の経過にともない増加して、金型に供給される金属スラリーに混在し、金属製品に悪影響を与えるという新たな課題を有する。
【0008】
上記特許文献3の金属成形機でも、粒状の成形材料の溶解と貯留の両方を溶解筒にて行っているが、溶解筒が傾斜設置されてその下部内に溶湯が貯留され、最下位の溶湯から金型に射出充填されることと、溶湯の上に粒状材料が落下して溶解されることから、金型への射出充填は溶解順に行われ、長く留まるものはないが、そこに記載の構造からは、成形材料の溶解と貯留を別個に行うことができない。
【0009】
上記引用文献4では、材料インゴットを溶解炉により溶解し、その溶湯を固相線温度以上、液相線温度以下に保持したシリンダに供給しているが、それはシリンダ内のスクリューによる攪拌せん断をもって、溶湯をチクソトロピー性状とするためである。予めチクソトロピー性状を有する成形材料を半溶融し、これをスクリューにより攪拌せん断すると、固相の成長が促進されてチクソトロピー性状が失われるので、低融点金属合金の半溶融成形には採用し難い。
【0010】
この発明の目的は、固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金(例えば、マグネシウム合金、アルミニウム合金等)の固体を成形材料とする半溶融成形法において、成形材料の溶融と貯留とを別個に行うことにより、射出成形の容易性と好ましいチクソトロピー性状の凝固組織の金属製品とを得ることができる新たな成形方法と、上記特許文献3に記載された金属成形機の改良による新たな半溶融成形機とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的によるこの発明の半溶融成形方法は、固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の固体を成形材料として用い、その固体材料を先端にノズルを有し内部に射出プランジャを備えた溶融保持筒と連通した溶融筒内にて、固液共存状態でチクソトロピー性状を有する半溶融状態の金属スラリーに溶融し、その金属スラリーを溶融順に固液共存温度に維持された溶融保持筒に流下させて保温貯留し、その溶融保持筒によりチクソトロピー性状が維持されている時間内に射出プランジャの前進移動により製品金型に射出充填してなるというものである。
【0012】
また上記固体の成形材料は、チップ形状の粒状物又は棒状、インゴット等の固形物からなり、その成形材料の溶融及び半溶融金属スラリーの保温貯留は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にて行う、というものである。
【0013】
この発明の半溶融成形機は、先端にノズル部材を有し、内部に射出プランジャを進退自在に備えた溶融保持筒と、上記射出プランジャを進退移動する溶融保持筒後部の射出シリンダと、溶融保持筒内のチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の金属スラリーを、固液共存状態に保持する筒体外周囲の加熱手段と、筒体の閉塞端に筒体内径よりも小径の流出路を有し、その流出路を下側に上記溶融保持筒の上部に立設して内部を互いに連通した溶融筒と、溶融筒内の固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の粒状材料を、固液共存状態の上記金属スラリーに溶融する筒体外周囲の加熱手段と、溶融筒の頂端に連設したフィードスクリュ内装のホッパーとからなる、というものである。
【0014】
また半溶融成形機は、先端にノズル部材を有し、内部に射出プランジャを進退自在に備え、筒体外周囲の加熱手段を設けた溶融保持筒と、上記射出プランジャを進退移動する溶融保持筒後部の射出シリンダと、溶融保持筒内のチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の金属スラリーを、固液共存状態に保持する筒体外周囲の加熱手段と、筒体の閉塞端に筒体内径よりも小径の流出路を有し、その流出路を下側に上記溶融保持筒の上部に立設して内部を互いに連通した溶融筒と、溶融筒内の固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の棒状材料を、固液共存状態の上記金属スラリーに溶融する筒体外周囲の加熱手段と、溶融筒の上部開口に連設した供給筒とからなる、というものである。
【0015】
さらに上記半溶融成形機のいずれも、上記溶融筒の下部から上記溶融保持筒の半溶融液面内までと、上部の空間部とにアルゴンガス等の不活性ガスの注入管を有する、というものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図中1は、固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の固体を成形材料として用いる半溶融成形機の射出機構で、筒体21の先端にノズル部材22を有する半溶融状態の金属スラリーの溶融保持筒2と、溶融保持筒2に立設した成形材料の溶融供給装置3と、溶融保持筒後部の射出シリンダ4とからなる。5は金型6の型締機構で、射出機構1と共に機台7の上面に設置されている。
【0017】
固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する固体の成形材料は、低融点金属合金の溶体を、固液共存温度領域の固相が微細に粒状化されてチクソトロピー性状を呈する半溶融体に冷却し、その半溶融体を冷却固化して製造したものからなる。
【0018】
8は射出機構1の受台で、先端部上にホットランナを内部に有するノズルタッチブロック9を有し、後部に上縁が内向きに45°前後の角度で傾斜した左右一対の板体10aによる架台10を旋回自在に備え、その架台10に溶融保持筒2の支持部23と射出シリンダ4の支持部41とを支軸12に挿通して、型締機構5に対し射出機構1を下向きに傾斜設置し、先端のノズル部材22をノズルタッチブロック9の上隅部にノズルタッチしている。
【0019】
13は溶融保持筒2のノズルタッチ装置で、溶融保持筒2の筒体支持部23と射出シリンダ4の支持部41にわたり設けた側部の油圧シリンダ13aと、ノズルタッチブロック9の側部の軸受に先端を回動自在に軸着したロッド13bとからなる。
【0020】
14は上記ノズルタッチブロック9の前面に水平に取付けた射出筒15のノズルタッチ装置で、機台上面に据え付けた受部材16に固設した油圧シリンダ14aと、先端をノズルタッチブロック9の後部に連結したロッド14bとからなり、そのロッド14bの進退移動により、受台8がその上部の溶融保持筒2と共に進退移動して、射出筒15の金型6へのノズルタッチ及びリリースが行えるようにしてある。
【0021】
上記溶融保持筒2は、筒体21の中程上側に設けた材料供給口に上記溶融供給装置3を備え、筒体外周囲に溶融保持筒2内のチクソトロピー性状を有する半溶融状態の金属スラリーM1の温度を、固液共存温度領域の温度に維持するバンドヒータなどの加熱手段24を備える。また図2に示すように、上記ノズル部材22のノズル口と連通する先端部内は、筒体内径よりも8〜15%ほど小径に縮径した所要長さの計量室25に形成してあり、その計量室25に射出プランジャ26の射出ヘッド26aが進退自在に嵌挿してある。
【0022】
また材料供給口の上縁から上部の溶融保持筒2内は、内端面を供給口上縁に接近して内設した閉塞部材27により塞がれて無空間となっている。この閉塞部材27は供給口上縁の近傍から筒体後端まで達する長さの軸材を、筒体後端に外端をボルト止めして気密に固設したものからなり、その閉塞部材27の中央に穿設した貫通孔に、上記射出プランジャ26のロッド26bが後端を上記射出シリンダ4のピストンロッド42に連結し、周囲を複数のリング28により気密にして進退自在に挿通してある。
【0023】
この射出プランジャ26のロッド26bの太さは、溶融保持筒2の筒体内径によって異なるが、筒体内径とロッド径の比は2.5以上とし、筒体内径とロッド外径の片側間隙を35mm以上として設定するのが好ましい。因に上記比率から寸法としては、筒体内径115mmの場合,ロッド径は32〜40mmの範囲となる。
【0024】
また射出プランジャ26の射出ヘッド26aは、外周面にシールリングを埋設した逆止弁26cを外周囲に進退自在に備え、その逆止弁26cと射出ヘッド26aとの間に形成した流通隙間(図は省略)を、逆止弁26cの後端面と射出プランジャ後部のシートリングとの接離により開閉できるようにして、上記計量室25に進退自在に嵌挿してある。
【0025】
このような半溶融成形機では、射出プランジャ26の後退移動により、計量室25の射出ヘッド26aを、図2に示す後退限位置まで摺動移動して、溶融保持筒2に貯留した金属スラリーM1を計量室25に吸引して計量を行うことができ、計量後の射出プランジャ26の前進移動により、計量室25の金属スラリーM2を、ノズル部材22からノズルタッチブロック9及び射出筒15を経て、型締された金型6に射出充填することができる。
【0026】
上記溶融供給装置3は、細長い筒体(例えば、直径が40mm、長さが500mm程)の一端部を閉塞して、閉塞端の中央に金属スラリーM1が流通する筒体内径よりも小径(例えば、7mm程度)の流出路31aを穿設し、その流出路31aを下側にして、該流出路31aを上記溶融保持筒2の筒体21に設けた材料供給口に差込み、溶融保持筒2の上部に立設して内部を互いに連通した溶融筒31と、その溶融筒31の頂端に連設したホッパー35とからなる。
【0027】
上記溶融筒31の筒体外周囲には、ホッパー35から供給された粒状材料Mを、チクソトロピー性状を有する半溶融状態の金属スラリーM1に溶融するバンドヒータや誘導加熱器等による加熱手段32が、それぞれ温度制御可能に複数ゾーンに分割して設けてある。
【0028】
上記ホッパー35は、溶融筒31の上部開口となる他端に中間部材33を介して連結してあり、その内部中央にフィードスクリュ34を備える。このフィードスクリュ34はホッパー蓋板36に据え付けた電動モータ37の駆動軸に連結して、溶融筒31の延長部となる中間部材33の内部まで設けられている。
なお、38は材料搬送管、39は溶融供給装置3を溶融保持筒2の支持部23に固設するアーム部材である。
【0029】
このような溶融供給装置3では、粒状材料Mをホッパー35に蓄え、その所定量をフィードスクリュ34の回転により、溶融筒31に送り込むことができる。溶融筒31とホッパー35及び溶融保持筒2の内部は、溶融筒31の上部と下部から溶融保持筒2の溶湯面Lの内部までとに設けた注入管40a、40bからのアルゴンガスにより不活性ガス雰囲気に維持され、これにより酸化物の発生を防止している。
【0030】
溶融筒31の加熱温度は、そこに採用される粒状材料Mがマグネシウム合金(AZ91D)で、チクソトロピー性状を潜在的に有する固体材料を、切削機械により長さが9.0mm未満に切削されたチップ形状の場合、粒状材料Mを短時間で半溶融状態に溶融する目的から液相線温度以上(600°〜620℃)に設定されるが、上記溶融保持筒2の温度は、筒体外周囲の加熱手段24により固液共存温度領域の温度(570°〜595℃)に維持される。
【0031】
上記粒状材料Mは、ホッパー35からフィードスクリュ34の回転により溶融筒21に送り込まれる。この溶融筒31への材料供給は、溶融能力に合わせてフィードスクリュ34の回転速度を制御し、溶融筒31内の材料嵩を常に一定に調整するのが好ましい。溶融筒31内の粒状材料Mは、小径の流出路31aの周囲の内底面31bにより、溶融保持筒2内にまで落下することなく溶融筒31内に留まって、周囲からの加熱により溶融する。
【0032】
この材料溶融は、粒状材料Mの温度が固液共存温度領域(550℃以上)に達したときから生じ、粒状材料Mが潜在的に有する微細に粒状化された固相が、均一に分散したチクソトロピー性状の半溶融状態の金属スラリーM1となって、直ちに自重により流出路31aから溶融保持筒2の内に流下して貯留される。
【0033】
この直径が小さく制限された溶融筒31での粒状材料Mの溶融では、粒状材料Mが密の状態で加熱を受けるので、溶融筒31からの熱が各粒状材料Mに伝わり易く溶融効率が向上する。また液相線温度よりも低い固液共存温度領域の温度で溶融が進行するので省エネルギー効果がある。また粒状材料Mが密の状態で同時に周囲から加熱を受けて急速に溶融するため、金属スラリーM1の上面に高く積もる間もなく溶融するので蒸し焼き状態がなくなり、これが原因とされるスラッジの発生が抑制されることから、溶融保持筒2内におけるスラッジの沈積も著しく減少するようになる。
【0034】
溶融保持筒2内に貯留された金属スラリーM1は、溶融保持筒2が外周の加熱手段24により、固液共存温度領域の温度に加熱されているので、完全に溶融することなく固相が微細に粒状化されたチクソトロピー性状を維持する。しかし、固相は固液共存温度領域の温度でも、時間の経過に伴い成長を続けて固相同士が結合し、固相が粗大化及び樹枝化してチクソトロピー性状が失われ、射出成形が困難となるので、半溶融金属スラリーの貯留時間、即ち最大貯留量を制限するの好ましい。
【0035】
この溶融保持筒2における金属スラリーM1の最大貯留量は、成形サイクル時間と、製品重量とから求められる単位時間当たりの射出充填量を基準に決められるが、総量は貯留時間30分を超えない時間内に射出充填できる貯留量に制限するのが好ましい。これにより金属スラリーM1の射出充填の全てを、溶融保持筒2によりチクソトロピー性状が維持されている時間内に行うことができる。例えば、成形サイクル25秒、1ショット重量50gの場合には、30分で72ショットとなるので、その貯留量は3,600gとなる。また1ショット重量100gの場合には、貯留量は7,200gとなる。
なお、保持温度を550℃という通常より低い温度で設定した場合、例えばAZ91Dの場合には、貯留時間は60分まで許容される。
【0036】
溶融保持筒2に貯留された金属スラリーM1は、射出プランジャ26の後退移動により、計量室25を後退限位置まで摺動移動する射出ヘッド26aによって計量される。この計量はノズル筒15の先端が前回の成形で冷却残存した成形材料により閉鎖されているので、射出ヘッド26aの強制後退により計量室25が負圧となり、それにより上記逆止弁26cが開弁して、射出ヘッド26aとの流通隙間から金属スラリーM1が計量室25に吸引され、射出ヘッド26aが後退限位置で停止するまで計量室25に溜められて計量が行われるようになる。
【0037】
計量室25の金属スラリーM2は計量後の射出プランジャ26の前進移動により、チキソトロピー性状の金属スラリーとして、ノズル部材22からノズルタッチブロック9及び射出筒15を経て、型締された製品金型6に射出充填され、固相が微細な粒状に結晶化した凝固組織の金属製品となる。
【0038】
図3は、丸棒に成形された棒状材料M′を成形材料とする場合の溶融供給装置3の1例を示すもので、因に丸棒は上記マグネシウム合金で、直径40〜60mm,長さ300mmからなる。
この溶融供給装置3は上記加熱手段32を筒体外周囲に備える溶融筒31と、その上部に中間部材33を介して連結した側部に投入口43を有する縦長の供給管44と、材料押し込み用のプランジャ45を下向きに挿入して、供給管44の頂端に取付けたエア又は油圧作動の押圧シリンダ46とからなり、上記溶融筒31の流出路31a側を下部として溶融保持筒2に立設され、その下部から溶融保持筒2の溶湯面Lの内部までと、溶融筒31の上部の空間内とにアルゴンガス等の不活性ガスの注入管40a,40bが設けてある。
【0039】
このような溶融供給装置3では、プランジャ45を縮小して投入口43から供給管内に入れた棒状材料M′を、プランジャ45の伸長により溶融筒31の内部に押し込み、外周囲の加熱手段32により温度に傾斜をつけて固液共存温度領域の温度に加熱することで、棒状材料M′が半溶融の金属スラリーに溶融してゆく。
【0040】
この溶融筒31内に生じた半溶融の金属スラリーM1は、棒状材料M′が有する微細に粒状化された固相が、均一に分散したチクソトロピー性状の金属スラリーM1となって、そのまま自重により小径(例えば、10mm)の流出路31aから溶融保持筒2の内に流下して貯留される。この棒状材料M′では上記粒状材料Mより単位質量当たりの表面積が小さくできるため、材料表面に付着した酸化物等が溶融筒31や溶融保持筒2内に持ち込まれ難くなって、酸化によるスラッジの発生がさらに抑制されることから、粒状材料Mの場合よりも成形機の稼働率が向上するようになる。
【0041】
なお、上記実施形態ではプランジャ45により棒状材料M′の押込みを行っているが、棒状材料M′は自重により落下挿入してもよく、この場合には押圧シリンダ46及びプランジャ45を除いて供給筒44の上部を開放し、その上部開口から棒状材料M′を挿入するだけで材料供給が行える。
【0042】
また上記半溶融成形機では、射出機構2を型締機構1に対して傾斜設置しているが、射出機構2は水平に設置されていても傾斜設置の場合と同様に機能するので、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る低融点金属合金の半溶融成形機の側面図である。
【図2】 同上の主たる部分の縦断側面図である。
【図3】 この発明の他の実施形態の主たる部分の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 射出機構
2 溶融保持筒
3 溶融供給装置
4 射出シリンダ
5 型締装置
6 金型
9 ノズルタッチブロック
15 射出筒
22 ノズル部材
23 支持部
24 加熱手段
25 計量室
26 射出プランジャ
31 溶融筒
32 加熱手段
33 中間部材
34 フィードスクリュ
35 ホッパー
37 電動モータ
40a,40b 不活性ガスの注入管
43 投入口
44 供給管
45 プランジャ
46 押圧シリンダ

Claims (6)

  1. 固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の固体を成形材料として用い、
    その固体材料を、先端にノズルを有し内部に射出プランジャを備えた溶融保持筒と連通した溶融筒内にて、固液共存状態でチクソトロピー性状を有する半溶融状態の金属スラリーに溶融し、
    その金属スラリーを溶融順に固液共存温度に維持された溶融保持筒に流下させて保温貯留し、
    その溶融保持筒によりチクソトロピー性状が維持されている時間内に、上記射出プランジャの前進移動により製品金型に射出充填してなることを特徴とする低融点金属合金の半溶融成形方法。
  2. 上記固体の成形材料は、チップ形状の粒状物又は棒状、インゴット等の固形物からなることを特徴とする請求項1記載の低融点金属合金の半溶融成形方法。
  3. 上記固体の成形材料の溶融及び金属スラリーの保温貯留は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にて行うことを特徴とする請求項1記載の低融点金属合金の半溶融成形方法。
  4. 先端にノズル部材を有し、内部に射出プランジャを進退自在に備えた溶融保持筒と、
    上記射出プランジャを進退移動する溶融保持筒後部の射出シリンダと、
    溶融保持筒内のチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の金属スラリー
    を、固液共存状態に保持する筒体外周囲の加熱手段と、
    筒体の閉塞端に筒体内径よりも小径の流出路を有し、その流出路を下側に上記溶融保持筒の上部に立設して内部を互いに連通した溶融筒と、
    溶融筒内の固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の粒状材料を、固液共存状態の上記金属スラリーに溶融する筒体外周囲の加熱手段と、
    溶融筒の頂端に連設したフィードスクリュ内装のホッパーとからなることを特徴とする低融点金属合金の半溶融成形機。
  5. 先端にノズル部材を有し、内部に射出プランジャを進退自在に備え、筒体外周囲の加熱手段を設けた溶融保持筒と、
    上記射出プランジャを進退移動する溶融保持筒後部の射出シリンダと、
    溶融保持筒内のチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の金属スラリー
    を、固液共存状態に保持する筒体外周囲の加熱手段と、
    筒体の閉塞端に筒体内径よりも小径の流出路を有し、その流出路を下側に上記溶融保持筒の上部に立設して内部を互いに連通した溶融筒と、
    溶融筒内の固相が微細な粒状に結晶化したチクソトロピー性状を有する低融点金属合金の棒状材料を、固液共存状態の上記金属スラリーに溶融する筒体外周囲の加熱手段と、
    溶融筒の上部開口に連設した供給筒とからなることを特徴とする低融点金属合金の半溶融成形機。
  6. 上記半溶融成形機は、上記溶融筒の下部から上記溶融保持筒の半溶融液面内までと、上部の空間部とにアルゴンガス等の不活性ガスの注入管を有することを特徴とする請求項4又は5記載の低融点金属合金の半溶融成形機。
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