JP3499776B2 - 金属成形品の射出成形方法および成形用金型 - Google Patents

金属成形品の射出成形方法および成形用金型

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属成形品の射出
成形方法および射出成形装置に関し、具体的には融点が
700゜C以下の金属原料を加熱シリンダ内で溶融計量
し、次いで射出ノズルから金型の製品洞に射出充填して
金属成形品を得る、射出成形方法およびこの射出成形方
法の実施に使用される成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金、マグネシウム合金、
亜鉛合金等の低融点金属材料から金属製品を得る成形方
法の1つにチキソモールド法が例えば特公平1ー335
41号、同2ー15620号公報により提案されてい
る。この方法は、合金原料を固液共存状態で撹拌する
と、樹枝状結晶すなわちデンドライドの形成が抑制さ
れ、破壊された微細な粒状の固体と液体とが共存した状
態であるスラリー状物質が得られるが、このような固液
共存状態であるスラリー状物質を短時間に凝固させ、固
体がほぼ均一に分布した合金組織の成形品を得る方法で
ある。この成形品は、凝固による収縮率が小さく、また
ミクロシュリンケージすなわち収縮孔およびガスの巻き
込みによる空隙孔が少ないため、寸法精度、機械的性質
共に良好な性質を示す。このようなスラリー状物質の性
質を利用した合金成形品の製法には、射出成形機が使用
される。射出成形機は、概略的には加熱シリンダと、こ
の加熱シリンダ内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設
けられているスクリュとから構成されている。加熱シリ
ンダの前方には射出ノズルが設けられ、加熱シリンダと
射出ノズルの外周部には、個々に発熱温度が制御される
複数個の加熱ヒータが設けられている。
【0003】上記のような射出ノズルには、開閉弁が設
けられているタイプのものと、開閉弁のないオープンタ
イプのものとが知られている。開閉弁が設けられている
ときは、開閉弁を閉鎖して、スクリュを回転駆動する
と、金属原料はスクリュによりシリンダの先端部に順次
移送させられる。このとき金属原料は、加熱シリンダの
外周部に設けられている加熱ヒータから加えられる熱
と、スクリュを回転駆動するときに生じる剪断作用、摩
擦作用等により発生する熱とにより溶融し、加熱シリン
ダの先端部の計量室に貯えられる。そこで、開閉弁を開
いて、スクリュを軸方向に駆動すると、計量室に貯えら
れている溶融金属材料は、金型のスプル孔、ランナ溝、
ゲート孔等を介してキャビテイすなわち製品洞に射出充
填される。冷却固化を待って金型を開くと、金属成形品
が得られる。このとき、スプル、ランナ等も金型から排
出される。以下同様にして、金属成形品が得られる。上
記の開閉弁を有するタイプは、樹脂材料の射出成形に多
く採用されているが、金属材料の場合は金属溶湯の粘度
が低く、かつ高温のためシールが難しい。そのため、開
閉弁の適用が困難であり、適用しても耐久性が低く、か
つ高コストになるので、実用性に乏しい。一方、オープ
ンタイプの射出ノズルを備えた射出成形機の場合は、計
量するときは、計量中の溶融金属材料が射出ノズルの先
端部から漏れるのを防ぐために「栓」をする必要があ
る。この栓には、溶融金属材料がある程度冷却固化した
コールドプラフが利用される。すなわち、射出終了後、
金型にタッチしている射出ノズルからは急速に熱が金型
の方へ奪われる。その結果、射出ノズルの先端部に滞留
している溶融金属材料は固化し、コールドプラグが形成
される。このコールドプラグは、計量中の溶融金属材料
の圧力には耐え、射出圧力では抜ける程度の固さに形成
されている。したがって、上記したようにして、金属原
料を加熱シリンダの前方に計量することができる。そし
て、スクリュを軸方向に駆動すると、射出圧力によりコ
ールドプラグは抜け、計量室に貯えられている溶融金属
材料は、同様にして金型のスプル孔、ランナ溝、ゲート
孔等を介して製品洞に射出充填される。冷却固化を待っ
て金型を開くと、同様にして金属成形品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 上記のように、オ
ープンタイプの射出ノズルには、開閉弁がないので、ノ
ズル構造が簡単、したがって安価、保守点検が容易等の
利点があるが、1成形サイクルが長くなる欠点がある。
さらに詳しく説明すると、図7は従来の成形サイクルを
示す表であるが、同表にも示されているように、金属成
形品を得るためには、金型に所定の型締力が発生した後
に、前記したようにして、溶融金属材料をスプル孔、ラ
ンナ溝、ゲート孔等を介して高速で射出充填される。そ
して、ゲートが冷却固化してシールされるまで、スクリ
ュを軸方向に駆動して圧力をかける、いわゆる保圧工程
に入る。その後、金型を閉じた状態を保持すると、射出
ノズルは金型に当接されているので、熱が金型の方へ奪
われ、射出ノズル先端部は冷却され、コールドプラグが
形成される。そこで、スクリュを回転駆動すると、前述
したようにして、金属原料は加熱シリンダの先端部の計
量室に貯えられる。これで冷却工程を終わる。今、射出
ノズルの先端部にはコールドプラグが形成されているの
で、金型を開いても計量室に貯えられている溶融金属材
料が射出ノズルから漏れ出るようなことはない。金型を
開く。そうすると、エジェクタピンが突き出て金属成形
品が取り出される。金属成形品を取り出した後に、金型
の製品洞の表面に離型剤を噴霧して1成形サイクルを終
わる。
【0005】上記のように、射出充填された溶融金属材
料が固化した後も、計量が終了しなければ、金型を開い
て金属成形品を取り出し、離型剤を噴霧する工程等に入
ることができないので、1成形サイクルが長くなって生
産性が落ちる欠点がある。もっとも、射出成形機の動作
条件を変更することにより、計量中でも射出充填された
溶融金属材料が固化したら、金型を開いて金属成形品を
取り出すことはできる。しかしながら、コールドプラグ
が完全に形成されているかどうかを確認する手段がない
ので、コールドプラグが不完全な状態で金型を開くこと
もあり得る。そうすると、射出ノズルから溶融金属材料
が漏れることになる。また、コールドプラグは、ある圧
力以上の力が作用すると、抜けるようになっているの
で、金型を開いて計量すると、コールドプラグを押さえ
る抵抗手段がなくなり、コールドプラグが抜けて溶融金
属材料が漏れることもある。漏れると、加熱シリンダの
前方の計量室に計量された溶融金属材料の量が設定量よ
りも減り、したがって充填量が不足しショートショット
等の成形不良の原因にもなる。また、漏れると、その都
度射出成形機を停止し、漏れて固化した金属材料を除去
・清掃する必要があり、生産性は著しく低下する。さら
には、高温の化学的に活性な溶融金属材料が漏れると、
危険でもある。以上のような理由により、計量中に金型
を開くことは不可能で、そのために金型を開いて金属成
形品を取り出す動作は、コールドプラグの形成と計量終
了後になっている。すなわち、一般的に冷却速度の速い
金属成形品が冷却しても、比較的体積が大きく冷却に時
間のかかるスプル、ランナ等が固化し、加熱されている
射出ノズルから金型の方へ熱が逃げ、射出ノズルにコー
ルドプラグが形成されるまでの間は、金型を開いて金属
成形品を取り出すことは不可能であり、たとえコールド
プラグができていても、シリンダ内に計量動作による過
大圧力発生が起きれば、コールドプラグが抜けてしまう
恐れがあった。
【0006】本発明は、上記したような従来の金属成形
品の成形方法の問題点あるいは欠点を解消した金属成形
品の射出成形方法を提供しようとするもので、具体的に
は1成形サイクル時間が短く、しかも射出ノズルから溶
融金属材料が漏れることもなく、したがって設定量の溶
融金属材料が射出充填され、重量精度にも優れた金属成
形品を得ることができる、金属成形品の射出成形方法を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、金
属成形品を取り出す金型の型開動作等と、スプル、ラン
ナ等を取り出す金型の型開動作等とを異なるように構成
することにより、あるいは金属成形品を取り出す金型の
型開動作等と計量動作等を平行して実施することにより
達成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
目的を達成するために、加熱シリンダで溶融された溶融
金属材料を、オープン型の射出ノズルから、第1〜第3
の金型からなる成形用金型に形成されているスプル孔、
ランナ溝等の湯道を介して製品洞に充填し、充填した溶
融金属材料が冷却固化した後、第1の金型を開いて金属
成形品を、そして第2の金型を開いて湯道の金属を取り
出す、金属成形品の射出成形方法であって、充填した製
品洞中の溶融金属材料の設定された冷却時間が過ぎる
と、第1の金型を開いて金属成形品の取り出し作業を開
始し、その後コールドプラグの形成温度以下になって
2の金型を開いて湯道の金属を取り出すように構成され
る。請求項2に記載の発明は、加熱シリンダで溶融され
た溶融金属材料を、オープン型の射出ノズルから、第1
〜第3の金型からなる成形用金型に形成されているスプ
ル孔、ランナ溝等の湯道を介して製品洞に充填し、充填
した溶融金属材料が冷却固化した後、第1の金型を開い
て金属成形品を、そして第2の金型を開いて湯道の金属
を取り出す、金属成形品の射出成形方法であって、充填
した製品洞中の溶融金属材料の設定された冷却時間が過
ぎると、第1の金型を開いて金属成形品の取り出し作業
を開始し、加熱シリンダにおける計量動作の終了後、
ールドプラグの形成温度以下になって第2の金型を開い
て湯道の金属を取り出すように構成され、請求項3に記
載の発明は、加熱シリンダで溶融された溶融金属材料
を、オープン型の射出ノズルから、第1〜第3の金型か
らなる成形用金型に形成されているスプル孔、ランナ溝
等の湯道を介して製品洞に充填し、充填した溶融金属材
料が冷却固化した後、第1の金型を開いて金属成形品
を、そして第2の金型を開いて湯道の金属を取り出す、
金属成形品の射出成形方法であって、湯道近傍の溶融金
属材料の温度が凝固温度以下になると、第1の金型を開
いて金属成形品の取り出し作業を開始し、射出ノズル先
端部における溶融金属材料の温度がコールドプラグ形成
温度以下に低下したら、第2の金型を開いて湯道の金属
を取り出すように構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における金属原料とは、融
点が700゜C以下の金属元素単体もしくはこれらの金
属を基にした合金を称する。実際的な例としては例えば
アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマ
ス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリウム、アス
タチン、ポロニウム、セレン、リチウム、インジウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジュウム、セシウム、フラ
ンシウム、ガリウム等を挙げることできるが、特にアル
ミニウム、マグネシウム、鉛、亜鉛、ビスマス、錫の単
体およびこれらの金属を基にした合金が望ましい。これ
らの金属原料は、いずれも加熱シリンダ内で外部から加
える熱で溶融し、そして金型の製品洞へ射出して成形で
きる金属元素あるいは合金である。銅の融点は1085
゜Cで700゜Cよりもはるかに高いが、銅合金は例え
ばろう付け用の銅合金の融点は、700゜C以下であ
り、本発明は銅合金も金属原料の対象としている。
【0009】これらの金属原料は、色々な方法で得るこ
とができる。例えばインゴットをチッピングマシンでチ
ップ化して得ることもできる。あるいは、切削マシンで
切削して得られる切削粉を利用することもできる。さら
には、水などの冷却媒に溶融金属を滴下して作ることも
できる。これらの方法により得られる金属原料は、適度
に形状が小さく、粉体とは異なり取扱いが容易で、加熱
シリンダ内で容易に溶融する。
【0010】本発明に係わる成形用金型1に適用される
射出機は、従来周知のように、加熱シリンダを備えてい
る。そして、加熱シリンダの内部にスクリュが回転方向
と軸方向とに駆動可能に設けられている。加熱シリンダ
は、全体として筒状をしている。そして、加熱シリンダ
の内部は、見かけ上先端部が貯蓄室すなわち計量室とな
って、その先端部に、図1の(イ)に、その一部が示さ
れているように、オープンタイプの射出ノズル2が設け
られ、この射出ノズル2と反対側の後端部にスクリュ駆
動装置が設けられている。加熱シリンダには、中間部よ
り駆動装置に寄った位置に金属原料を供給するための開
口部が明けられている。このように構成されている加熱
シリンダの外周部には、個々に発熱温度が制御される電
気ヒータ等からなる複数個の加熱装置がが設けられてい
る。また、射出ノズル2の外周部にも、加熱ヒータ3が
設けられている。なお、射出ノズル2には、後述するコ
ールドプラグの形成温度を測定する第1の温度センサS
1が取り付けられている。
【0011】図1の(イ)は、本発明の第1の実施の形
態に係わる成形用金型1を閉じた状態で示す断面図であ
るが、同図に示されているように本実施の形態に係わる
成形用金型1は、概略的には、固定金型10、中間金型
20,可動金型30等から構成されている。固定金型1
0は、固定側金型取付板11に固定的に取り付けられて
いる。固定金型10の、図1の(イ)において下方端部
には、スプルブッシュ12が、固定金型10を横切る形
で取り付けられている。このスプルブッシュ12には、
従来周知のようにテーパ状のスプル孔13が形成されて
いる。スプル孔13内の溶融金属材料の温度を計測する
ために、スプル孔13内に一部が臨むような形で第2の
温度センサS2が取り付けられている。固定金型10
の、図1の(イ)において左側の面は、ランナパーティ
ング面P1となり、このランナパーティング面P1に開
口した、凹部すなわちランナロックピン穴14が形成さ
れている。
【0012】固定金型10と略同じ大きさの中間金型2
0は、固定金型10と可動金型30との間に位置し、図
1の(イ)において右側の面は、ランナパーティング面
P1となり、左側の面は製品洞パーティング面P2とな
っている。そして、中間金型20の、ランナパーティン
グ面P1側には、一端がスプル孔13に、他端がランナ
ロックピン穴14に連通したランナ凹部が形成されてい
る。このランナ凹部は、固定金型10のランナパーティ
ング面P1と協働してランナ溝21を構成している。ま
た、中間金型20には、ランナ凹部すなわちランナ溝2
1に連通したスプル孔22が形成され、このスプル孔2
2は、ゲート孔23を介して製品洞パーティング面P2
に開口している。また、中間金型20には、スプルブッ
シュ12のスプル孔13に対向してコールドプラグキャ
ッチャー24が形成されている。なお、スプル孔22あ
るいはゲート孔23の近傍には、冷却水あるいは冷却空
気等の冷却媒体が流通する流路25,25が形成されて
いる。これにより、ゲート孔23中の溶融金属材料を早
期に固化させることができる。
【0013】中間金型20には、製品洞パーティング面
P2に開口した凹部が形成され、この凹部と可動金型3
0の製品洞パーティング面P2より突出したコア部40
およびランナパーティング面P1とにより金属成形品を
得るための、キャビテイすなわち製品洞31が構成され
ている。そして、この製品洞31に前述したゲート孔2
3が開口している。また、製品洞31の底部には、製品
ロックピン穴32が設けられている。この製品ロックピ
ン穴32により、金属成形品が可動金型30から妄りに
落下することが防止される。このように構成されている
可動金型30は、従来周知のように、スペーサブロック
33を介して可動側金型取付板34に取り付けられてい
る。なお、金属成形品を突き出すエジェクタプレート、
エジェクタピン等からなるエジェクタ装置は、図1には
示されていない。
【0014】本実施の形態によると、中間金型20は固
定金型10に対して、そして可動金型30は中間金型2
0に対して開かれるが、その開き量を規制する第1,2
のストッパ装置26,36が設けられている。第1のス
トッパ装置26は、一端が固定金型10に取り付けられ
ているストップピン27と、中間金型20に固定されて
いるストッパ28とからなり、ストップピン27はスト
ッパ28の間に挿通されている。そして、ストップピン
27の他端部には当接部材29が取り付けられている。
したがって、中間金型20は、当接部材29がストッパ
28に当たるまで開くことができる。また、第2のスト
ッパ装置36も、略同様に構成され一端が中間金型20
に取り付けられているストップピン37と、可動金型3
0に固定されているストッパ38とからなり、ストップ
ピン37はストッパ38の間に挿通されている。そし
て、ストップピン37の他端部には当接部材39が取り
付けられている。したがって、可動金型30も当接部材
39がストッパ38に当たるまで開くことができる。な
お、中間金型20と可動金型30を開く金型駆動装置
は、図1には示されていない。図1の(イ)中の他の符
号PRは、パーティングロック装置を示している。
【0015】次に、上記第1の実施の形態に係わる成形
用金型1を使用した成形例について説明する。なお、第
1の実施の形態に係わる成形用金型1は、制御装置を備
え、自動的に成形することもできる。図1の(イ)には
型締装置は示されていないが、可動金型30を固定金型
10に対して型締めする。また、射出機により金属原料
を計量する。上記のように型締めされ、第1,2のスト
ッパ装置26,36は、初期の位置にあり、そして射出
ノズル2の先端部にコールドプラグCPが形成され、加
熱シリンダの計量室には溶融金属材料YKが所定量計量
されている状態は、図1の(イ)に示されている。
【0016】射出ノズル2を成形用金型のスプルブッシ
ュ12にタッチさせ、射出機のスクリュを軸方向に駆動
して計量された溶融金属材料YKを射出する。コールド
プラグCPは、コールドプラグキャッチャ24で受けら
れ、溶融金属材料YKはランナ溝21、スプル孔22お
よびゲート孔23を通って製品洞31に充填される。充
填が終わった状態は、図1の(ロ)に示されている。従
来のように保圧工程を実施する。
【0017】薄肉製品の製品洞31の体積は、スプル孔
13およびランナ溝21等の体積よりも一般に小さいの
で、製品洞31に充填された溶融金属材料YKの方が早
く固化する。また、ゲート孔23の近傍には流路25,
25が設けられ、充填が終われば冷却媒体が供給される
ので、ゲート孔23は早期に固化する。このような点を
考慮して、あるいはテストにより、製品洞31に充填さ
れた溶融金属材料YKの冷却固化時間を設定しておく。
そして、この設定時間が過ぎると、あるいは第2の温度
センサS2が溶融金属材料YKが凝固する温度以下にな
ったことを検出すると、可動金型30のみを開く。可動
金型30が開かれて、第2のストッパ装置36の当接部
材39がストッパ38に当接するしている状態は、図2
の(イ)に示されている。次いで、図示しないエジェク
タピンが可動金型30から突き出て、図2の(ロ)に示
されているように、金属成形品KSが突き出される。金
属成形品KSはコンベア等により所定の位置へ搬送され
る。金属成形品KSを取り出した後の製品洞31に、離
型剤噴霧装置から圧縮エアが吹き付けられ、バリ等が除
去され、液体の離型剤が噴霧される。再度圧縮エアを吹
き付け、余分の離型剤を除去する。これにより、型締め
して次の成形サイクルに移行する準備が完了する。
【0018】上記のように、金属成形品KSを取り出
し、離型剤噴霧装置により離型剤を噴霧している間に、
射出ノズル2の先端部からは、熱がスプルブッシュ12
の方へ逃げる。第1の温度センサS1が、コールドプラ
グCPの形成温度以下になったことを検出すると、ある
いはゲートgが固化すると、スクリュを回転駆動して計
量を開始する。すなわち、金属成形品KSの取り出し作
業等と、計量とを同時に実施する。コールドプラグCP
が形成されると、計量中でも中間金型20を開くことが
できる。コールドプラグCPの形成温度以下になった
ら、あるいは計量が終わったら、または第2の温度セン
サS2がスプル13が冷却されたことを検出すると、中
間金型20を第1のストッパ装置26の当接部材29が
ストッパ28に当接するまで開く。中間金型20を開く
ことにより、スプル13s、ランナ21r、スプル22
sおよびゲート23gが取り出されている状態は、図3
に示されている。以上で1成形サイクルを終わる。以
下、図1の(イ)に示されているように、型締めし、そ
して射出充填して成形する。本実施の形態によると、図
6にも示されているように、製品洞31の溶融金属材料
YKの冷却と、スプル13s等の冷却と、計量とが略同
時に開始されるので、1成形サイクルが短縮できる。
【0019】上記第1の実施の形態では、中間金型20
を開くときは、可動金型30も型開き方向に移動するの
で、中間金型20を開くときは、離型剤噴霧等の作業が
できないことがある。これに対して、中間金型20の型
開き動作等と、離型剤噴霧等の作業とが互いに干渉され
ない本発明の第2の実施の形態が、図4〜図5に示され
ている。前述した第1の実施の形態と同じ構成要素ある
いは同様な構成要素には、同じ参照数字あるいは同じ残
照数字にダッシュ「’」を付け重複説明は避けるが、本
実施の形態によると、固定金型10’の凹部およびラン
ナパーティング面P1’が可動金型30の凹部およびコ
ア部40’と協働して製品洞31’が形成されている。
また、可動金型30のスプルブッシュ12に対応した部
分は、段状に切り落とされ、この切り落とされた部分
に、第1の実施の形態の中間金型20に相当するスプル
金型20’が設けられている。
【0020】次に、上記成形用金型1’を使用した成形
例を説明する。図4の(イ)に示されているように型締
めする。そうして、前述したようにして、射出ノズル2
を成形用金型のスプルブッシュ12にタッチさせ、射出
機のスクリュを軸方向に駆動して計量された溶融金属材
料YKを射出する。コールドプラグCPは、コールドプ
ラグキャッチャ24’で受けられ、溶融金属材料YKは
ランナ溝21’およびゲート孔23’を通って製品洞3
1’に充填される。充填が終わった状態は、図4の
(ロ)に示されている。従来のように保圧工程も実施す
る。
【0021】薄肉成形品の製品洞31’の体積は、スプ
ル孔13およびランナ溝21’の体積よりも一般に小さ
いので、製品洞31’に充填された溶融金属材料YKの
方が早く固化する。また、ゲート孔23’の近傍には、
図には示されていないが、第1実施の形態と同様に流路
が設けられ、充填が終われば冷却媒体が供給されるの
で、ゲート孔23’は早期に固化する。第2の温度セン
サS2が溶融金属材料YKが凝固する温度以下になった
ことを検出すると、あるいは製品洞31’に充填された
溶融金属材料YKが固化する設定時間が経過すると、可
動金型30’を開く。第2のストッパ装置36の当接部
材29がストッパ28に当接するまで、可動金型30’
が開かれた状態は、図4の(ロ)に示されている。次い
で、図示しないエジェクタピンが突き出て、可動金型3
0’から金属成形品KSが突き出される。金属成形品K
Sはコンベア等により所定の位置へ搬送される。金属成
形品KSを取り出した後の製品洞31’に、離型剤噴霧
装置から圧縮エアが吹き付けられ、バリ等が除去され、
液体の離型剤が噴霧される。再度圧縮エアを吹き付け、
余分の離型剤を除去する。これにより、型締めして次の
成形サイクルに移行する準備が完了する。
【0022】上記のように、金属成形品KSを取り出
し、離型剤噴霧装置により離型剤を噴霧している間に、
射出ノズル2の先端部からは、熱がスプルブッシュ12
の方へ逃げる。第1の温度センサS1が、コールドプラ
グCPの形成温度以下になったことを検出すると、スク
リュを回転駆動して計量を開始する。すなわち、金属成
形品KSの取り出し動作等と、計量動作等を同時に実施
する。コールドプラグCPが形成されると、計量中でも
スプル金型20’を開くことができる。スプル金型2
0’を開き、スプル13s、ランナ21r、スプル22
sおよびゲート23gが取り出されている状態は、図5
に示されている。以上で1成形サイクルを終わる。以
下、図4の(イ)に示されているように、型締めし、そ
して射出して成形する。本実施の形態によると、スプル
金型20’が可動金型30’の側部に設けられているの
で、可動金型30’に関係なくスプル金型20’のみを
開くことができる。したがって、金属成形品KSを取り
出し操作、離型剤噴霧装置による離型剤の噴霧操作等の
作業は、スプル金型20’の開き動作に関係なく実施で
きる。また、ゲート23’が製品洞31’の側部に設け
られているので、可動金型30’を開くとき、ゲート2
3’gがカットされる効果もある。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、加熱シ
リンダで溶融された溶融金属材料を、オープン型の射出
ノズルから、第1〜第3の金型からなる成形用金型に形
成されているスプル孔、ランナ溝等の湯道を介して製品
洞に充填し、充填した溶融金属材料が冷却固化した後、
第1の金型を開いて金属成形品を、そして第2の金型を
開いて湯道の金属を取り出す、金属成形品の射出成形方
法であって、充填した製品洞中の溶融金属材料の設定さ
れた冷却時間が過ぎると、第1の金型を開いて金属成形
品の取り出し作業を開始し、その後コールドプラグの形
成温度以下になって第2の金型を開いて湯道の金属を取
り出すので、すなわち金属成形品の取り出し作業等と、
湯道の固化待ちあるいは計量動作等が並列的に行われる
ので、成形サイクル時間を大幅に短縮できる、という本
発明に特有の効果が得られる。また、本発明によると、
第1の金型を開いて金属成形品の取り出し作業を開始
し、その後コールドプラグの形成温度以下になって第2
の金型を開いて湯道の金属を取り出すので、すなわち湯
道の冷却固化時間を充分にとることができ、溶融金属材
料が射出ノズルから漏れるようなことがない。したがっ
て、計量された設定量が射出充填され、重量精度に優れ
た金属成形品を得ることができる。また、漏れることが
ないので、安全でもある。また、他の発明によると、加
熱シリンダにおける計量動作の終了後、コールドプラグ
の形成温度以下になって第2の金型を開いて湯道の金属
を取り出すので、すなわち第2の金型を閉じた状態で計
量するので、コールドプラグが柔らかくても、湯道中の
固化しつつある溶融金属材料が抵抗になり、コールドプ
ラグが確実に射出ノズルに保持される効果がさらに得ら
れる。さらに他の発明によると、湯道近傍の溶融金属材
料の温度が凝固温度以下になると、第1の金型を開いて
金属成形品の取り出し作業を開始し、射出ノズル先端部
における溶融金属材料の温度がコールドプラグ形成温度
以下に低下したら、第2の金型を開いて湯道の金属を取
り出すので、上記効果に加えて、溶融金属材料の、湯道
からの漏れも射出ノズルからの漏れもより確実に防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係わる金属成形
品の成形用金型を示す図で、その(イ)は射出前の型締
状態を、その(ロ)は射出後の状態をそれぞれ示す断面
図である。
【図2】 本発明の第1実施の形態に係わる成形用金型
を使用した成形工程を示す図で、その(イ)は可動金型
を開いた状態を、その(ロ)は可動金型を開いて金属成
形品を取り出している状態をそれぞれ示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係わる成形用金
型を使用した成形工程を示す図で、金型を開いて湯道の
金属を取り出している状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の第2実施の形態に係わる成形用金型
を、成形工程と共に示す図で、その(イ)は型締め状態
で射出が終わった状態を、その(ロ)は可動金型を開い
た状態をそれぞれ示す断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係わる成形用金
型を使用した成形工程を示す図で、金型を開いて湯道の
金属を取り出している状態を示す断面図である。
【図6】 本発明に係わる成形用金型を使用した1成形
サイクル工程を示すタイムチャートである。
【図7】 従来の成形用金型を使用した1成形サイクル
工程を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 成形用金型 2
射出ノズル 10、10’ 固定金型 13 スプル孔 20
中間金型 20’ スプル金型 21、21’
ランナ溝 30、30’ 可動金型 31、31’ 製品洞 S1 第1の温度センサ S2 第2の温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−334553(JP,A) 特開 平10−323744(JP,A) 特開 平7−16719(JP,A) 実開 昭61−201819(JP,U) 実開 昭60−106712(JP,U) 実開 平1−64411(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/22 B29C 45/16,45/28 B29C 45/33,45/73

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱シリンダで溶融された溶融金属材料
    を、オープン型の射出ノズルから、第1〜第3の金型か
    らなる成形用金型に形成されているスプル孔、ランナ溝
    等の湯道を介して製品洞に充填し、充填した溶融金属材
    料が冷却固化した後、第1の金型を開いて金属成形品
    を、そして第2の金型を開いて湯道の金属を取り出す、
    金属成形品の射出成形方法であって、 充填した製品洞中の溶融金属材料の設定された冷却時間
    が過ぎると、第1の金型を開いて金属成形品の取り出し
    作業を開始し、その後コールドプラグの形成温度以下に
    なって第2の金型を開いて湯道の金属を取り出すことを
    特徴とする、金属成形品の射出成形方法。
  2. 【請求項2】加熱シリンダで溶融された溶融金属材料
    を、オープン型の射出ノズルから、第1〜第3の金型か
    らなる成形用金型に形成されているスプル孔、ランナ溝
    等の湯道を介して製品洞に充填し、充填した溶融金属材
    料が冷却固化した後、第1の金型を開いて金属成形品
    を、そして第2の金型を開いて湯道の金属を取り出す、
    金属成形品の射出成形方法であって、 充填した製品洞中の溶融金属材料の設定された冷却時間
    が過ぎると、第1の金型を開いて金属成形品の取り出し
    作業を開始し、加熱シリンダにおける計量動作の終了
    後、コールドプラグの形成温度以下になって第2の金型
    を開いて湯道の金属を取り出すことを特徴とする、金属
    成形品の射出成形方法。
  3. 【請求項3】加熱シリンダで溶融された溶融金属材料
    を、オープン型の射出ノズルから、第1〜第3の金型か
    らなる成形用金型に形成されているスプル孔、ランナ溝
    等の湯道を介して製品洞に充填し、充填した溶融金属材
    料が冷却固化した後、第1の金型を開いて金属成形品
    を、そして第2の金型を開いて湯道の金属を取り出す、
    金属成形品の射出成形方法であって、 湯道近傍の溶融金属材料の温度が凝固温度以下になる
    と、第1の金型を開いて金属成形品の取り出し作業を開
    始し、射出ノズル先端部における溶融金属材料の温度が
    コールドプラグ形成温度以下に低下したら、第2の金型
    を開いて湯道の金属を取り出すことを特徴とする、金属
    成形品の射出成形方法。
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