JP3795837B2 - 金属射出成形法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金などの金属を溶融もしくは半溶融状態にして金型内キャビティに射出して成形する金属射出成形法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶解させたマグネシウム合金やアルミニウム合金の一般的な成形方法としてとしてはダイカスト法があり、ダイカスト法は、金属を溶融保持させる坩堝と図9に示されるような溶湯を射出するための射出装置によって構成される。該装置は、固定側金型1、可動側金型2、固定側金型1と可動側金型2との間に形成されるキャビティ3、キャビティ3に連通し、溶融金属7を射出するためのスリーブ4、スリーブに給湯された溶融金属7を射出するための射出プランジャ5、図示してない坩堝で溶解した溶融金属7を汲んでロボットアームもしくは人力でスリーブ4に給湯するための柄杓6、プランジャを駆動し高速射出を行う図示してない駆動装置などにより構成されている。
【0003】
次に、ダイカスト法の動作について説明すると、坩堝は成形されるマグネシウム合金、アルミニウム合金などの成形材料の溶融温度以上の温度にガスバーナや電気ヒータなどによって加熱保持されており、射出装置に溶融された溶融金属7が汲み取られて減っていくと、新たに成形材料のインゴットを坩堝内に投入して溶融する。なお、マグネシウム合金の場合にはそのまま溶融すると燃焼してしまうので、溶湯表面に六フッ化硫黄と二酸化炭素と空気とを所定の比率で混合させたシールガスを流し、燃焼を防止する。坩堝で溶解した溶融金属7はロボットもしくは人力によって柄杓6で汲み取られ、スリーブ4内に給湯される。スリーブ4内に入れられた溶融金属7が凝固してしまわないうちに、駆動装置により射出プランジャ5が駆動され、高速射出が行なわれる。これにより、キャビティ3に溶融金属7が注入され、金型1及び2によって冷却されて凝固する。凝固した成形品は金型1及び2が開いて取り出され、キャビティ3表面に次のショットのために離型剤が噴霧されているとともに、駆動装置により射出プランジャ5が後退して元の位置に戻り金型1及び2が閉じて次のショットへと移る。
【0004】
また、半溶融金属の成形方法として、図10及び図11に示されるものがある。該装置は、固定側金型1、可動側金型2、固定側金型1と可動側金型2との間に形成されるキャビティ3、キャビティ3に連通し、半溶融金属スラリーを射出するためのスリーブ4、スリーブに供給された半溶融金属スラリーを射出するための射出プランジャ5、射出プランジャ5に高速射出を行わせる図示してない油圧装置、押出し法などによって作成された丸棒を所定の長さに切断し、半溶融温度域まで加熱される円柱状のビレット8、ビレット8が半溶融温度域まで加熱された時点で押出してスリーブ4に落下せしめる押出しピストン9、図示してない誘導加熱制御装置によって低周波加熱によるビレット8の直接加熱を行い、ビレット8を半溶融温度域まで急速加熱するための誘導加熱コイル10により構成されている。
【0005】
半溶融成形は、次のような特徴を有している。すなわち、金型に射出される温度が低く、スラリー状のためバリが発生しにくい。スラリー状で射出されるのでガスの巻き込みが少なく、熱処理による成形品品質の向上が期待できる。凝固速度が速いので微細な結晶組織の成形品が得られて成形品の機械的性質が良い。
【0006】
次に、該装置による動作について説明すると、急冷凝固させて微細な組織を持つ半溶融成形用ビレット8を誘導加熱コイル10により固相線以上、半溶融温度以下のスラリー状になった半溶融温度状態まで加熱する。半溶融状態になったビレット8は、押出しピストン9により押し出され、スリーブ4内に装填される。スリーブ4に半溶融状態のビレット8が装填されると、直ちに油圧装置により射出プランジャ5が駆動し、ビレット8がキャビティ3に射出され、金型1及び2によって冷却されて凝固する。凝固した成形品は金型1及び2が開いて取り出され、キャビティ3表面に次のショットのために離型剤が噴霧されるとともに、駆動装置により射出プランジャ5が後退して元の位置に戻り金型1及び2が閉じて次のショットへと移る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のダイカスト法では、マグネシウム合金を成形する場合、マグネシウムは溶解すると燃焼してしまうので、坩堝表面にシールガスを流さなければならないが、このシールガスは、六フッ化硫黄と二酸化炭素と空気とを一定比率で混合させたガスであり、六フッ化硫黄ガスは地球温暖化係数が非常に高いガスであるため、環境に悪影響を及ぼすという問題がある。また、アルミニウム合金にしろマグネシウム合金にしろ、坩堝から毎ショット一定量の溶融金属7をスリーブ4内に給湯することは難しく、スリーブ4内に給湯された溶融金属7の量が変わると、射出プランジャ5の射出完了位置が変わることになり、ショット毎の重量のばらつきやそれに伴う製品品質のばらつきが発生することがある。
【0008】
また、従来の半溶融成形のものでは、開放状態でビレット8を加熱するため、マグネシウム合金のように高温になれば燃焼し始めることがあり、通常の方法では昇温することができないものがある。このため、コップ形状の容器にビレット8を入れて加熱することも考えられるが、コップからスリーブ4内に移す際に燃焼する恐れがあり、マグネシウム合金の場合には溶融坩堝の場合と同様に大気に接しないようにシールガスを開放口に面した部分に流しておく必要がある。また、マグネシウム合金の場合でもアルミニウム合金の場合でも容器に入れずに昇温した場合、加熱時間が長くなって表面が酸化し、成形品に酸化物が巻き込まれて製品欠陥の原因となる恐れがある。また、ビレット8は完全に溶解しているわけではないので、ビレット8をスリーブ4内に落下させたときの形状が、例えば粘土を床に落としたときのように毎ショット形が変わることになり、ショットばらつきが発生する恐れもある。
本発明は、このような課題を解決するためのものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、密閉状態でマグネシウム合金やアルミニウム合金などの金属材料を加熱し、半溶融もしくは溶融させて成形し、さらに1ショット分ずつの材料を加熱することでショット毎のばらつきを無くすことのできる金属射出成形法及びその装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明のうちで請求項1記載の発明は、閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)内に1ショット分の成形材料を投入し、前記容器(14)内の2つの開放口を閉鎖して密閉状態として、前記容器(14)を加熱装置(21)に装着して容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融状態にし、前記加熱装置(21)内に設けられた冷却装置(19)により、前記容器(14)の一方の開放口(27)側に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成することにより開放口(27)を閉鎖可能とし、その後、容器(14)を加熱装置(21)から外して、射出装置に装着するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記容器(14)の他方の開放口を溶湯もしくは半溶融スラリー(17)を押出し成形する際に用いる射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックで閉鎖することを特徴とするものである。
【0013】
本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記容器(14)内の溶湯もしくは半溶融スラリー(17)は密閉した容器(14)ごと射出装置に装着されて射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックにより金型(1,2)内に射出されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のうちで請求項4記載の発明は、閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)と、前記容器(14)を装着して、前記容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融スラリー状態とする加熱装置(21)と、前記加熱装置(21)内に設けられ、前記容器(14)の一方の開放口(27)に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成する冷却装置(19)と、該容器(14)を装着して、該容器(14)内の溶湯もしくは半溶融スラリー(17)を射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックにより金型(1,2)内に射出を行なうようにした射出装置と、が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記射出装置には、前記容器(14)の一方の開放口であるノズル(27)の先端が挿入される金型側に、ノズル(27)の先端を加熱するための加熱手段(13)が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記容器(14)の一方の開放口(27)は他の部分よりも小径のノズル(27)であることを特徴とするものである。
なお、上記かっこ内の符号は、後述する実施の形態の対応する部材を示す。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態の加熱装置の断面図を、図2に射出コンテナが金型に装着された状態を示す断面図を、図3に射出コンテナが装着された射出装置の断面図をそれぞれ示す。
本実施の形態の金属射出成形装置は、加熱装置21と射出装置とにより構成される。加熱装置21は、閉鎖可能な2つの開放口を有するとともに、内部で成形材料を加熱し、溶融もしくは半溶融状態で保持する射出コンテナ(容器)14を着脱可能としたものである。射出コンテナ14の一方の射出側の開放口は他の部分よりも小径のノズル27であり、他方の開放口は、射出プランジャ15もしくは射出プランジャ15の先端のブロックなどによって密閉されて外部と遮断可能である。加熱装置21には、射出コンテナ14内の成形材料を加熱する電気ヒータや誘導加熱コイルなどのヒータ16が設けられている。また、加熱装置21には、内部に流された冷却水によって200℃以下に冷却されている冷却ブロック19が設けられており、冷却ブロック19には、射出コンテナ14のノズル27先端が挿入される穴が設けられている。冷却ブロック19に挿入されたノズル27先端は、成形材料昇温時に冷却され、凝固プラグ18を形成する。
【0020】
なお、冷却ブロック19によりノズル27先端が必要以上に冷却されて凝固プラグ18が過剰に大きくなると射出時に凝固プラグが抜けなかったり、凝固プラグ18を加熱軟化させるのに時間がかかることがある。それを防止するために冷却ブロック19のノズル27が挿入される穴の周囲に予めカートリッジヒータを挿入し、ノズル27先端が冷えすぎないように部分的に冷却ブロック19を加熱可能とすることもできる。
【0021】
また、複数の射出コンテナ14を加熱装置21で同時に加熱することにより、1ショット分の材料を加熱する時間が成形サイクルに対して長くかかったとしても、数ショット分を1ショット分の時間で、一度に加熱することができるため、成形行程においては問題とならない。
【0022】
さらには、射出コンテナ14と射出プランジャ15とを組とすることにより、射出コンテナ14と射出プランジャ15との組み合わせが異ることによって擦り合わせができなくなり、射出コンテナ14と射出プランジャ15との間に隙間ができて溶湯17が漏出することを防止することができる。
【0023】
次に、射出装置について説明する。
固定側金型1及び可動側金型2は型盤29にそれぞれ固定されており、固定側金型1と可動側金型2とによってキャビティ3が形成される。可動側金型2には凹部状のプラグキャッチャ11が形成されており、射出時に凝固プラグ18を収容する。このため、成形品内に凝固プラグ18が入り込んだり、ランナに凝固プラグが引掛かって溶湯17がキャビティ3内に入っていかないという不具合を防止している。射出コンテナ14を射出装置に装着する際に固定ガイドするための固定筒12が設けられており、固定筒12の外周部には、射出時に金属溶湯17を所定の固相率(温度)に調整するための加熱用コイル13が設けられている。また、固定側金型1には、ノズル加熱用誘導加熱コイル13が設けられており、ノズル加熱用誘導加熱コイル13は、射出時に凝固プラグ18を加熱して凝固プラグ18を排出可能な温度まで昇温する。射出プランジャ15は、ジョイント22により高速射出可能な油圧の射出シリンダ23と連結されており、射出シリンダ23は、油圧シリンダ28により型盤29に固定された金型1及び2に押付けられている。油圧シリンダ23と射出コンテナ14との間には固定棒24が設けられており、固定棒24は、油圧シリンダ28によって射出シリンダ23が金型1及び2に押付けられる力を射出コンテナ14に伝えて射出コンテナ14を固定筒12に固定する。
【0024】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
まず、図1に示されるように、加熱装置21に射出コンテナ14を装着し、ヒータ16により射出コンテナ14内に挿入された成形材料の円柱状ビレットを加熱し、完全溶融もしくは半溶融状態のスラリー17にする。このとき、射出コンテナ14のノズル27の先端だけは冷却ブロック19により冷却されているため、ノズル27部分の半溶融スラリー17が凝固して凝固プラグ18を形成し、射出コンテナ14の一方の開放口27を閉鎖している。一方、射出コンテナ14の他方の開放口は射出プランジャ15により閉鎖されているため、射出コンテナ14内の半溶融スラリー17は外部と遮断され、半溶融スラリー17が酸化することが無い。
【0025】
なお、ヒータ16による加熱時には射出プランジャ15に荷重をかけて内部の円柱状ビレットが射出コンテナ14側に押付けられて熱の伝達が良くなるようにすることもできる。
【0026】
また、成形材料を加熱する際に、射出コンテナ14に電気ヒータを使用しても良いが、誘導加熱を使って射出コンテナ14自体もしくは成形材料自体を誘導して加熱する方が加熱効率に優れている。
【0027】
射出直前に、加熱装置21から射出コンテナ14を取外すが、この際、射出コンテナ14の両開放口は凝固プラグ18と射出プランジャ15とにより閉鎖されているため、内部の半溶融スラリー17が酸化することは無い。
【0028】
この後、図2及び図3に示されるように、射出コンテナ14を射出装置に移送して固定筒12に挿入し、射出プランジャ15と射出シリンダ23とをジョイント22によって連結する。射出シリンダ23自体は、油圧シリンダ28によって型盤29に固定された金型1及び2に押付けられ、固定棒24を介して射出コンテナ14も金型1及び2に押付けられるため、この結果、金型1及び2と射出コンテナ14と射出シリンダ23の3つが固定されることになる。
【0029】
射出コンテナ14を射出装置に移送する手段としては、人力で行うこともできるが、図示しない多関節ロボットを使用して射出コンテナ14を挟んで固定筒12に挿入することができる。
【0030】
固定筒12に挿入された射出コンテナ14は、ノズル27がノズル加熱用誘導加熱コイル13で急速加熱され、凝固プラグ18が軟化される。このとき、射出時のノズル27温度は、高ければ高いほど凝固プラグ18の排出が容易となるが、完全に凝固プラグ18が溶けてしまうと射出前に半溶融スラリー17が出てしまうので、表面が半溶融状態になる温度が良く、例えば、マグネシウム合金AZ91Dの場合には、470〜595℃にまで昇温される。また、射出コンテナ14の移送中に半溶融スラリー17が冷却されて設定したい温度よりも下がってしまう場合には射出直前に加熱用コイル13で加熱する。ノズル27の加熱と同様に射出コンテナ14の加熱も誘導加熱を使って射出コンテナ14自体もしくは成形材料自体を発熱させた方が加熱速度が速く、固定筒12と射出コンテナ14との間にできるミクロ的な熱伝導ギャップによる伝熱損失を無くすことができる。
【0031】
ノズル27温度が、ノズル27近傍に付けられた図示してない熱電対によって測定され、所定の温度になると、図4に示される射出動作に移行する。射出シリンダ23によって射出プランジャ15が高速で押し出され、半溶融スラリー17によって軟化した凝固プラグ18が押し出される。凝固プラグ18はプラグキャッチャ11に収容され、続いて押し出される半溶融スラリー17は、図4に示されるように、キャビティ3内へと流れ込み充填される。
【0032】
射出と同時にノズル27及び射出コンテナ14の加熱が停止され、図5に示されるように金型1及び2内の半溶融スラリー17が凝固するとともに、ノズル27内の半溶融スラリー17も凝固して凝固プラグ18となる。射出コンテナ14内の半溶融スラリー17は、凝固することもあるが、射出コンテナ14の径が大きい場合には半溶融状態のままとなる。
【0033】
図6に示されるように、凝固した成形品30は金型1及び2が開いて取り出される。この時、成形品30とノズル27内の凝固プラグ18とが分離される。その後、キャビティ3表面に次のショットのために離型剤が噴霧されるとともに、図7に示されるように射出コンテナ14が射出プランジャ15とともに射出装置から取り出される。
【0034】
図7に示される射出コンテナ14内の半溶融スラリー17が十分に冷却されていない場合は、十分な冷却時間をおいた後に、図8に示されるように射出プランジャ15が外され、次のショットのための成形材料である円柱状ビレット25が射出コンテナ14内に装填される。円柱状ビレット25が装填された射出コンテナ14は、再度射出プランジャ15で蓋をされ、加熱装置21に装着されて、冷却ブロック19によりノズル27先端に凝固プラグ18を形成したまま円柱状ビレット25が加熱される。なお、上記の動作については、射出コンテナ14内の成形材料を半溶融状態のスラリーに加熱して成形する場合を説明したが、成形材料を完全に溶融した溶湯に加熱して成形する場合にも同様な動作が行われる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)内に1ショット分の成形材料を投入し、前記容器(14)内の2つの開放口を閉鎖して密閉状態として、前記容器(14)を加熱装置(21)に装着して、容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融状態にし、前記加熱装置(21)内に設けられた冷却装置(19)により、前記容器(14)の一方の開放口(27)側に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成することにより開放口(27)を閉鎖可能とし、その後、容器(14)を加熱装置(21)から外して、射出装置に装着するようにしたので、溶融もしくは半溶融状態の成形材料が外部に漏れることなく、また、酸化・燃焼もすることがないので、加熱装置全体を真空チャンバで覆ったりするような特殊で大掛かりな装置を必要としないうえに、環境に悪影響を及ぼすシールガスも不要である。
また、加熱装置に、容器の一方の開放口に成形材料を凝固させた凝固プラグを形成するための冷却装置を設けたことにより、容器内の成形材料が加熱されている間も凝固プラグにより一方の開放口を閉鎖しておくことができるので、機械的な密閉手段を必要とせず密閉度も完璧となる。
【0038】
また、本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、容器の他方の開放口を溶湯もしくは半溶融スラリーを押出し成形する際に用いる射出プランジャまたは射出プランジャの先端のブロックで閉鎖するため、容器と射出プランジャとが組となり、これらの擦り合わせができて、隙間ができにくくなるため、溶湯の漏出を防止することができる。
【0039】
また、本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、密閉した容器ごと射出装置に装着して射出プランジャまたは射出プランジャの先端のブロックにより容器内の溶湯もしくは半溶融スラリーを金型内に射出するため、容器と加熱装置とを一緒に移動させる必要がないので、加熱装置に必要とされる電気配線も固定配線で簡単且つ安全なものとすることができる。
【0040】
また、本発明のうちで請求項4記載の発明は、閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)と、
前記容器(14)を装着して、前記容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融スラリー状態とする加熱装置(21)と、
前記加熱装置(21)内に設けられ、前記容器(14)の一方の開放口(27)に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成する冷却装置(19)と、
該容器(14)を装着して、該容器(14)内の溶湯もしくは半溶融スラリー(17)を射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックにより金型(1,2)内に射出を行なうようにした射出装置と、が設けられているため、容器と加熱装置とを一緒に移動させる必要がないので、加熱装置に必要とされる電気配線も固定配線で簡単且つ安全なものとすることができる。
また、溶湯もしくは半溶融スラリーが外気に触れることが無い。これにより、溶湯もしくは半溶融スラリーが酸化・燃焼することが無く、また、加熱装置全体を真空チャンバで覆ったりするような特殊で大掛かりな装置を必要とせず、環境に悪影響を及ぼすシールガスも不要となる。
また、加熱装置に、容器の一方の開放口に成形材料を凝固させた凝固プラグを形成するための冷却装置を設けたことにより、容器内の成形材料が加熱されている間も凝固プラグにより一方の開放口を閉鎖しておくことができる。
【0041】
また、本発明のうちで請求項記載の発明は請求項記載の発明において、前記射出装置には、前記容器(14)の一方の開放口であるノズル(27)の先端が挿入される金型側に、ノズル(27)の先端を加熱するための加熱手段(13)が設けられているため、射出時に加熱手段によってノズル先端を加熱して凝固プラグを軟化させることができるので、射出プランジャによって凝固プラグが押出し易くなる。
【0044】
また、本発明のうちで請求項記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、容器の一方の開放口は他の部分よりも小径のノズルとしたことにより、冷却・加熱といった制御が容易となり、凝固プラグの形成や射出時の凝固プラグの加熱による軟化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の加熱装置の断面図である。
【図2】射出コンテナが金型に装着された状態を示す断面図である。
【図3】射出コンテナが装着された射出装置の断面図である。
【図4】金型内に半溶融スラリーを射出する状態を示す断面図である。
【図5】射出完了の状態を示す断面図である。
【図6】金型が開いた状態を示す断面図である。
【図7】射出後に取出された射出コンテナの状態を示す図である。
【図8】射出コンテナに円柱状ビレットを装填する工程を示す図である。
【図9】従来のコールドチャンバ式ダイカスト法を示す図である。
【図10】従来の半溶融ダイカスト法を示す図である。
【図11】半溶融ビレットをスリーブに装填した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 固定側金型
2 可動側金型
14 射出コンテナ(容器)
15 射出プランジャ
17 半溶融スラリー
18 凝固プラグ
19 冷却ブロック
21 加熱装置
27 ノズル(開放口)

Claims (6)

  1. 閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)内に1ショット分の成形材料を投入し、前記容器(14)内の2つの開放口を閉鎖して密閉状態として、前記容器(14)を加熱装置(21)に装着して容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融状態にし、前記加熱装置(21)内に設けられた冷却装置(19)により、前記容器(14)の一方の開放口(27)側に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成することにより開放口(27)を閉鎖可能とし、その後、容器(14)を加熱装置(21)から外して、射出装置に装着するようにしたことを特徴とする金属射出成形法。
  2. 前記容器(14)の他方の開放口を溶湯もしくは半溶融スラリー(17)を押出し成形する際に用いる射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックで閉鎖することを特徴とする請求項1記載の金属射出成形法。
  3. 前記容器(14)内の溶湯もしくは半溶融スラリー(17)は密閉した容器(14)ごと射出装置に装着されて射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックにより金型(1,2)内に射出されることを特徴とする請求項1又は2記載の金属射出成形法。
  4. 閉鎖可能な2つの開放口を有し、且つ射出装置に着脱可能な容器(14)と、
    前記容器(14)を装着して、前記容器(14)内の成形材料を加熱して溶融もしくは半溶融スラリー状態とする加熱装置(21)と、
    前記加熱装置(21)内に設けられ、前記容器(14)の一方の開放口(27)に、成形材料を凝固させた凝固プラグ(18)を形成する冷却装置(19)と、
    該容器(14)を装着して、該容器(14)内の溶湯もしくは半溶融スラリー(17)を射出プランジャ(15)または射出プランジャ(15)の先端のブロックにより金型(1,2)内に射出を行なうようにした射出装置と、が設けられていることを特徴とする金属射出成形装置。
  5. 前記射出装置には、前記容器(14)の一方の開放口であるノズル(27)の先端が挿入される金型側に、ノズル(27)の先端を加熱するための加熱手段(13)が設けられていることを特徴とする請求項4記載の金属射出成形装置。
  6. 前記容器(14)の一方の開放口(27)は他の部分よりも小径のノズル(27)であることを特徴とする請求項4又は5記載の金属射出成形装置。
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