JP3544058B2 - 酒類、食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酒類、食品の製造方法に関し、更に詳しくは、品質が改善され、原料利用率の向上を可能とした酒類、食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、酒類や食品のうち、例えば清酒、焼酎、みりん及び甘酒等の酒類、食品の原料処理は、米を例にとれば、玄米の精白、洗米、浸漬及び蒸煮からなる。この従来の原料処理法により醸造された清酒、焼酎、みりん及び甘酒等は、通常の市販製品として親しまれている。しかし、近年製品の多様化が進み、これら清酒、焼酎、みりん及び甘酒等に関して、掛原料を焙炒処理し、酒類、甘味食品の原料として使用することが知られている(特公平5−28591号)。また、清酒麹用原料の焙炒処理についても既に知られている(特開平1−257464号)。これらの技術により、香味の改善された品質の製品を生み出すことが可能となっている。この焙炒処理は、好ましくは原料を熱風で処理して、対流と伝導で加熱するものである。
【0003】
一方、加熱の方法として、熱媒体を必要としない放射加熱があり、その一つにマイクロ波処理がある。電磁波であるマイクロ波は、被処理物の有機物の分子を振動させ、被処理物の物性へ影響を及ぼし、その摩擦の結果として加熱することにもなる。
マイクロ波、高周波処理は、醸造用α化米の製造方法(特開平3−123458号、同4−152878号、同5−23161号)や上級清酒用乾燥米の製造方法への利用が知られている(特開平5−317022号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多様化する嗜好を背景にして、従来の通常の原料処理や焙炒処理した原料の製品とも異なった品質の酒類や食品の多様化が望まれている。
原料を熱風で処理する焙炒処理は、熱の対流による伝導で表面から加熱されるので、原料の内部は表面に比べて加熱されにくい。原料の内部と表面の両方を加熱することにより、原料中のデンプンの均一なα化や原料中のタンパク質の加熱変性の促進が一層望まれていた。
本発明の目的は、多様化する嗜好に対応した特徴ある香味を有し、原料利用率が向上した高品質の酒類、食品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明は、原料を糖化及び/又は醸造することにより得られる酒類又は食品を製造する方法において、原料をマイクロ波処理する工程、及び焙炒処理する工程を含むことを特徴とする酒類、食品の製造方法に関する。
【0006】
本発明における酒類としては、清酒、焼酎、みりん等を挙げることができる。更に、本発明における食品としては、甘酒、醤油、味噌、酢、パン等を挙げることができる。
清酒の製造は原料処理、仕込、糖化・発酵、上槽及び精製工程よりなる。焼酎は原料処理、仕込、糖化、発酵(糖化・発酵)、蒸留及び精製工程よりなる。みりんは原料処理、仕込、糖化・熟成、上槽及び精製工程よりなる。更に、甘酒は原料処理、仕込及び糖化工程よりなる。また、醤油、味噌、酢、パン等は本明細書でいう醸造の工程を含む。醸造の原料の一般的処理は、精白、洗浄、浸漬、水切り、蒸煮、放冷の工程があるが、前記した原料処理は、掛原料及び/又は麹原料の処理、製麹工程も含んでいる。
【0007】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、清酒、焼酎、みりん、甘酒、醤油、味噌、酢、パン等の原料を糖化及び/又は醸造することにより得られる酒類又は食品の製造において、原料をマイクロ波処理、及び焙炒処理することにより、課題を解決した高品質な製品を得ることが可能であることを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明おける原料としては、粳米、糯米、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、ヒエ
、アワ、コウリャン、ソバ、トウモロコシ、モロコシ、マイロ等の穀類、サツマイモ、ジャガイモ、サイトモ、タロイモ、キャッサバ等の芋類及びデーツ、クリ、ゴマ、大豆等の果実、種子、豆類等があり、これらの精白及び/又は未精白の原料が使用される。未精白の原料の場合には、マイクロ波処理又は焙炒処理の後に精白してもよいし、そのまま用いてもよい。
粒状物以外に破砕物や粉体、更に粉体の粒状成形品若しくはペレット状の成形加工品も原料として利用できる。前記原料は単独又は混合して使用され、これらの原料を精白した場合は外層の糠部も併用できる。更に、前記粉体にデンプン、デンプン部分加水分解物、ブドウ糖等が混合されていてもよい。
【0009】
本発明において原料は、吸水させても、吸水させなくてもよい。吸水の方法は、特に限定されないが、例えば散水、浸漬、加湿空気の通気等がある。含水率は好ましくは15〜50%(w/w)、特に好ましくは20〜40%(w/w)の範囲で適宜選択されるが、用いる原料やマイクロ波処理、焙炒処理の条件により変更することができる。更に含水率を高めるには、温水浸漬等の方法を用いるのが望ましい。また、吸水に使用する水にアミノ酸類、塩類、糖類、香気成分及びその前駆体、更にはこれらを組合せたものを含ませて使用することもできる。必要に応じては、この吸水に用いる水を、アルカリ及び/又はアルカリ性の塩を用いアルカリ性にしてもよいし、酸及び/又は酸性の塩で酸性にしてもよい。
【0010】
掛原料及び/又は麹原料の処理は、マイクロ波処理と焙炒処理を同時に行ってもよく、マイクロ波処理次いで焙炒処理、若しくは焙炒処理次いでマイクロ波処理と行ってもよい。マイクロ波処理単独の場合、かなりの電気的エネルギーを要することになり経済的でないので、実用的にはマイクロ波処理と焙炒処理の条件を適宜定めて併用することになる。
掛原料及び/又は麹原料へマイクロ波処理する条件は、被処理物の種類及び形態や含水率により適宜選択され、周波数は好ましくは300MHz〜300GHz、特に好ましくは1GHz〜30GHzを用い、処理時間は好ましくは数秒〜数時間、特に好ましくは数十秒〜数十分の範囲から選択すればよい。処理温度は好ましくは70〜400℃、特に好ましくは100〜300℃である。掛原料及び/又は麹原料へ焙炒処理する条件は、被処理物の種類及び形態や含水率により適宜選択され、処理温度は好ましくは70〜400℃、特に好ましくは100〜300℃、処理時間は好ましくは数秒〜数時間、特に好ましくは数十秒から数十分の範囲から選択すればよい。
マイクロ波処理、及び焙炒処理(以下、マイクロ波・焙炒処理と略述する)することにより、デンプンのα化率とタンパク質の酵素非消化率の向上したマイクロ波・焙炒処理物が得られる。
【0011】
マイクロ波・焙炒処理物は、原料として、例えば掛原料及び/又は麹原料として、▲1▼そのまま、▲2▼吸水させて、▲3▼浸漬、水切りして、▲4▼浸漬、水切り、蒸煮して、用いることができる。
掛原料としては、α化率に関連したデンプン溶解率の向上とタンパク質の酵素消化性の低下の効果が得られる。
麹原料としては、菌糸が原料内部まで増殖しやすく、単位原料当り菌体量の増加した良質な香りである栗香の強い麹が得られる。また、麹菌の酵素生成も良好になる。
【0012】
得られたマイクロ波・焙炒処理物を用いての酒類、食品の製造は常法に従って行うが、麹を使用して原料を糖化及び/又は醸造する場合は、動物、植物、微生物由来の酵素剤を併用してもよい。原料処理する場合にも、動物、植物、微生物由来の酵素剤を用いることができる。なお、本発明の糖化は液化を含む。原料処理の糖化工程に使用する装置としては回分式でもよく、連続式も使用できる。
酒類、食品の製造に使用する酵素剤として、液化酵素剤及び/又は糖化酵素剤がある。液化酵素剤としては、中温性のスピターゼCP−3〔ナガセ生化学工業(株)製〕、コクゲン〔大和化成(株)製〕、クライスターゼ〔大和化成(株)製〕、α−アミラーゼ−800〔上田化学工業(株)製〕や、高温性のスピターゼHS〔ナガセ生化学工業(株)製〕、ターマミル〔ノボ(株)製〕、クライスターゼTS〔大和化成(株)製〕、コクゲンT20M〔大和化成(株)製〕等が使用できる。糖化酵素剤としては、サンスーパー〔ノボ(株)製〕、スミチームL〔新日本化学工業(株)製〕、ユニアーゼK〔(株)ヤクルト本社製〕、ダビアーゼK−27〔ナガセ生化学工業(株)製〕、タカラチームPLS〔ナガセ生化学工業(株)製〕等が使用できる。その他の酵素剤としてプロテアーゼ剤、リパーゼ剤、セルラーゼ剤、ヘミセルラーゼ剤を併用してもよい。
【0013】
以下に、焙炒処理又はマイクロ波処理の各単独の場合と比較したマイクロ波・焙炒処理条件と分析方法を示す。
1.材料は粳米(含水率14%、w/w)を用い精米歩合80%の粳白米とし、吸水させて20%、30%、35%、40%及び45%(w/w)に含水率を調整し、マイクロ波・焙炒処理実験に供した。
2.マイクロ波処理には、電子レンジ〔松下電器産業(株)製、型式NE−M325、発振周波数2450MHz:定格消費電力930W、定格高周波出力500W〕を用いた。
3.米中デンプン及びタンパク質の溶解度は、常法で調製した米麹抽出液〔米麹:脱イオン水=1:5(w/w)、25℃で3時間、時々かくはん〕5重量部に対し処理米1重量部を混合し、55℃で24時間反応させた後、十分に脱イオン水で洗浄した残渣中のデンプン及びタンパク質の量を求め、原料中のデンプン及びタンパク質を基にそれぞれの溶解度を求めた。麹中のデンプン及びタンパク質の溶解度は、米麹:脱イオン水=1:5(w/w)の比率で混合し、55℃で24時間反応させ、米の場合と同様にして求めた。
【0014】
(検討1)
含水率と米中デンプンの溶解度との関係を検討した結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
マイクロ波・焙炒処理:マイクロ波処理1分間の後、250℃、1分間の焙炒処理
マイクロ波処理:5分間
焙炒処理:250℃、1分間
【0017】
表1より、米中の含水率が高い程、デンプンの溶解度が向上したが、マイクロ波・焙炒処理区分は、マイクロ波処理区分、焙炒処理区分に比べて溶解度が高くなる傾向にあった。含水率は、15%(w/w)以上であればよいが、45%(w/w)では粘性が高くなり、操作上20〜40%(w/w)が好ましい。
【0018】
(検討2)
含水率30%(w/w)の粳白米を用いて、マイクロ波処理時間が米中デンプンの溶解度に及ぼす影響について検討した結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
焙炒処理:150℃又は250℃、1分間
【0021】
表2より、マイクロ波の処理時間を検討すると、デンプンの溶解度85%以上とするには、焙炒処理温度250℃では1分以下、150℃では3分超であればよいが、マイクロ波処理時間は操作上数十秒〜数十分が好ましい。
【0022】
(検討3)
次に、マイクロ波・焙炒処理米を麹原料として用いた場合の麹の評価を行った。含水率30%(w/w)の粳白米について、マイクロ波処理2分間の後、250℃、1分間の焙炒処理を行い、更に吸水させて含水率35%(w/w)とし、黄麹菌の胞子を処理米重量当り0.1%(w/w)接種して、24時間までは、温度30℃、相対湿度94%、24時間から41時間までは、温度36℃、相対湿度85%で製麹した。対照として、マイクロ波処理米、焙炒処理米、通常の条件で処理した蒸米を用いた(以下、同じ)。マイクロ波処理米はマイクロ波処理を5分間行った。焙炒処理米は290℃、1分間の焙炒処理を行った。麹は評価した結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
酵素活性は第4回改正国税庁所定分析法注解の記載の方法によった。
α−アミラーゼ活性:40℃で30分間に分解される1%可溶性デンプン量(ml)で表示し、1mlが1単位となる。
グルコアミラーゼ活性:可溶性デンプンから40℃で60分間に1mgのブドウ糖を生成する活性を1単位とする。
酸性プロテアーゼ活性(pH3.0):40℃で60分間に1μgのチロシン相当量の呈色を示す活性を1単位とする。
酸性カルボキシペプチダーゼ活性(pH3.0):カルボベンゾキシ−グルタミル−チロシンから30℃で60分間に1μgのチロシンを生成する活性を1単位とする。
【0025】
表3から、マイクロ波・焙炒処理の米から調製した麹は、対照に比べて、はぜ込みが良好で、良質な麹に見られる製麹時の栗香の生成が強く、乾重当りの菌体量が多かった。酵素活性では、酸性カルボキシペプチダーゼ活性が特に強く、グルコアミラーゼ活性を除いて測定したすべての酵素活性が強かった。酸性カルボキペプチダーゼ活性が強いことは、発酵において酵母の栄養と香気成分の前駆体としてのアミノ酸供給に有利であり、旨味成分の生成にも都合がよい。このように、マイクロ波・焙炒処理した米を用いることによって特徴ある麹を得ることができる。
【0026】
(検討4)
掛米及び麹は、醪中で麹酵素により溶解されるのでマイクロ波・焙炒処理した掛米及び麹の麹酵素による米中デンプン及びタンパク質の溶解性は重要で、それぞれの溶解特性を検討1の方法を用いて検討した。結果を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】
表4より、マイクロ波・焙炒処理の掛米及び麹のデンプンの溶解度は、対照に比べて向上し、逆にタンパク質の溶解度は低下している。これは、デンプンからのアルコール生成に適し、雑味のもとになるタンパク質の溶解が減少することとなるので、嗜好品としての酒類に適している。また、一般に米麹のデンプンは、製麹時に老化し溶解度が低下するが、マイクロ波・焙炒処理した米麹は、デンプンの溶解度が高く、原料利用の上からも有利である。
【0029】
本発明の酒類、食品の製造方法を用いることにより、品質が改善され、原料利用率が向上する。
以上、本発明により得られる酒類、食品は原料利用率において優れ、品質の多様化に対応しうる十分高品質の製品となる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0031】
実施例1
精米歩合80%の粳白米を用い、吸水させて含水率30%(w/w)とし、マイクロ波処理2分間の後、250℃、5分間の焙炒処理したものを掛米とし、これらを浸漬、水切りしたものを用い、表5に示す仕込配合により三段仕込で清酒を試醸した。比較のための対照に、250℃、5分間の焙炒したもの、100℃、50分蒸煮した蒸米を用いた。麹は、通常処理、すなわち精米歩合80%の粳白米を、100℃、50分蒸煮し、常法により製麹したものを用いた。なお、マイクロ波・焙炒処理米、焙炒処理米の汲水は、通常の蒸米の場合と同等になるように補正した。試醸は15℃で20日間行った。
【0032】
【表5】
【0033】
この試醸で得られた清酒について成分分析値及び官能検結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
【0036】
表6より、マイクロ波・焙炒処理の掛米を用いた場合には、通常蒸米と比べて、アルコール濃度が高く、窒素成分が少なく、官能評価から吟醸香が豊かで淡麗な酒質となった。
【0037】
実施例2
精米歩合80%の粳白米を、実施例1と同様にマイクロ波・焙炒処理したものを掛米として用い、表7に示す仕込配合により、一次 5日間、二次 13日間計18日間30℃で発酵して焼酎の試醸を行った。麹菌は焼酎麹菌を使用し、酵母は焼酎酵母を使用した。なお、マイクロ波・焙炒処理米、焙炒処理米の汲水は、通常の蒸米と同等になるように補正した。結果を表8に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【0041】
表8に示すように、マイクロ波・焙炒処理米は、対照に比べて、アルコール濃度が高く、アルコール生成率が大きく、アミノ態窒素濃度は低かった。次にこれら発酵醪を減圧ポットスチルで蒸留し中留区分を分取し、25%(v/v)アルコール濃度として官能検査を行った。
その結果、マイクロ波・焙炒処理の場合、対照に比べて、淡麗で味に切れがあり、吟醸香も多いという評価を得、新たな香味をもつ焼酎となった。
【0042】
実施例3
精米歩合85%の粳白米を用い、実施例1と同様にマイクロ波・焙炒処理したマイクロ波・焙炒処理米から、比較に290℃、1分間の焙炒処理米から麹米の調製を行った。それぞれを吸水させ含水率35%(w/w)として、種もやしを接種し、常法により製麹した。掛米として、精米歩合85%の糯白米を、浸漬、水切り、蒸煮(124℃、20分)して糯蒸米を調製した。対照には、前記のように処理した麹を用い、表9に示す仕込配合で醪を調製し、30℃で30日間糖化・熟成してみりんを試醸した。
【0043】
【表9】
【0044】
糖化・熟成後の醪を固液分離してみりんと粕に分離した。この試醸で得られたみりんについて成分分析値及び官能検査結果を表10に示す。
【0045】
【表10】
【0046】
【0047】
表10より、マイクロ波・焙炒処理した米から調製した麹を用いると、焙炒処理や通常処理した場合の麹に比べ、みりんの旨味成分となる全窒素やアミノ態窒素含量が増加し、旨味が強化される。更に、幾分全糖濃度が高くなるので、品質上濃厚で調理効果の高いみりんが得られる。
【0048】
実施例4
精米歩合85%の粳白米を用い、掛米は実施例1、麹米は実施例3と同様にして調製した。一方、通常処理による掛米と麹を用いたものを対照とした。配合は、米麹800g、処理掛米(含水率35%、w/w)又は蒸米1.2kg、脱イオン水1リットルを混合して甘酒を試醸した。糖化は55℃で24時間行った。その結果、マイクロ波・焙炒処理の場合には、甘みと旨味が強く、香りのよい品質のものが得られた。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に従って原料を処理することにより、原料としてのデンプンのα化率向上、タンパク質の酵素消化性の低下が見られ、淡麗で香りのよい酒類が得られ、原料利用率も向上し、アルコールの生成歩合も増加する。麹原料を処理することにより、栗香が強くはぜ込みの良い、菌体量の多く、酵素活性の強い麹が得られる。この麹を用いて、旨味の多い品質のものが得られるので、本発明は、製品品質の多様化に有用な酒類、食品の製造方法である。
Claims (3)
- 原料を糖化及び/又は醸造することにより得られる酒類又は食品を製造する方法において、原料をマイクロ波処理する工程、及び焙炒処理する工程を含むことを特徴とする酒類、食品の製造方法。
- 原料が、掛原料及び/又は麹原料であることを特徴とする請求項1に記載の酒類、食品の製造方法。
- マイクロ波処理時間が、数秒〜数時間であることを特徴とする請求項1に記載の酒類、食品の製造方法。
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