JP3484515B2 - ポリプロピレンテレフタレート仮撚糸およびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンテレフタレート仮撚糸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレンテ
レフタレートのソフト性・ストレッチ性を生かしながら
織編物等の布帛としたとき効果的に嵩高性とハリ感を付
与することのできるポリプロピレンテレフタレート仮撚
糸とその工業的に優れた製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル仮撚糸としてポリエチレン
テレフタレートからなる仮撚糸は、捲縮特性、耐侯性等
に優れ、現在広く用いられている。しかし、着用快適性
のさらなる向上を求めるニーズがあり、ストレッチ性の
高い繊維が求められている。それに対して特開平9−7
8373号公報や特開平11−93026号公報に提案
されているように、ポリプロピレンテレフタレートを用
いた仮撚糸が提案されている。これらの仮撚糸は50%
伸長時の弾性回復率が80%以上であり、伸縮伸長率が
200〜300%、伸縮弾性率が80%であるストレッ
チ性と嵩高性に優れた仮撚糸である。しかし、これら仮
撚糸は延伸糸をいわゆるスピンドル仮撚したものであ
り、加工速度がせいぜい100m/minと遅く、製造
コストが高いばかりか、錘間・錘内バラツキが大きく、
品質上問題が存在していた。さらにヤング率が30g/
d以下と低いことからややハリにかけるという問題が存
在した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スト
レッチ性と嵩高性に優れたポリプロピレンテレフタレー
トからなる仮撚糸を、高品質かつ低コストで製造する方
法と、風合いとしてもハリ感に優れたポリプロピレンテ
レフタレート仮撚糸を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、[1]
仮撚ヒーターを有する摩擦仮撚装置を用いて延伸と同時
に仮撚を行うに際し、ポリプロピレンテレフタレート未
延伸糸を1.05〜1.70倍の延伸倍率にすると同時
に、未延伸糸の伸度EL(%)と延伸同時仮撚の延伸倍
率DR(倍)が以下の式(1)を満たすように設定する
とともに、延伸仮撚後、巻き取るまでの間に室温状態で
弛緩率5〜25%の弛緩ゾーンを設けることを特徴とす
るポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。 式(1) 0.585×(1+EL/100)≦DR≦0.75×(1+EL/100)
【0005】[3]仮撚加撚張力T1 が0.17〜0.
55cN/dtexであることを特徴とする前記[1]
または[2]に記載のポリプロピレンテレフタレート仮
撚糸の製造方法。
【0006】[4]仮撚加撚張力T1仮撚ヒーター前
張力THの比T1/THが1.02〜1.30であること
を特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のポ
リプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
【0007】[5]仮撚ヒーター内の仮撚数Tが274
00/D1/2〜30600/D1/2であることを特徴とす
る前記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリプロピレ
ンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
【0008】[6]仮撚ヒーターとして非接触式ヒータ
ーを用いることを特徴とする前記[1]〜[5]のいず
れかに記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製
造方法。
【0009】[7]下記(1)〜(4)式を満足するポ
リプロピレンテレフタレート未延伸糸を用いることを特
徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリプ
ロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
【0010】 (1)強度ST(cN/dtex):1.8≦ST (2)複屈折Δn(×10-3):30≦Δn≦70 (3)伸度EL(%):60≦EL≦180 (4)沸水収縮率SW(%):3≦SW≦15 [8]糸の太さ斑U%(ノーマルモード)が1%以下で
ある未延伸糸を用いることを特徴とする前記[7]に記
載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
【0011】[9]サドルが4mm未満でかつバルジ率
が10%未満である未延伸糸パッケージを用いることを
特徴とする前記[7]または[8]に記載のポリプロピ
レンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
【0012】
【0013】[10]延伸仮撚加工速度が300m/m
in以上であることを特徴とする前記[1]〜[]の
いずれかに記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸
の製造方法。
【0014】[11]前記[1]〜[10]のいずれか
に記載の方法により製造されたことを特徴とするポリプ
ロピレンテレフタレート仮撚糸。
【0015】[12]断面変形度が1.3〜1.8であ
ることを特徴とする前記[11]に記載のポリプロピレ
ンテレフタレート仮撚糸。
【0016】[13]平滑剤成分として水不溶性の脂肪
酸エステル類および/または芳香族エステル類が付着し
ていることを特徴とする前記[11]または[12]に
記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレンテレフタ
レート仮撚糸の製造方法は、摩擦仮撚装置を用いて延伸
と同時に仮撚を行うに際し、ポリプロピレンテレフタレ
ート未延伸糸の延伸倍率を1.05〜1.70倍の範囲
にすると同時に、未延伸糸の伸度EL(%)と延伸同時
仮撚の延伸倍率DR(倍)が以下の式(1)を満たすよ
うに設定するとともに、延伸仮撚後、巻き取るまでの間
室温状態で弛緩率5〜25%の弛緩ゾーンを設けるも
のである。 式(1) 0.585×(1+EL/100)≦DR≦0.75×
(1+EL/100)ここで、本発明のポリプロピレン
テレフタレート(以下、PPTと略記する)とは、テレ
フタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオール
を主たるグリコール成分として得られるポリエステルで
ある。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モ
ル%以下の割合で、他のエステル結合の形成可能な共重
合成分を含むものであっても良い。
【0018】共重合可能な化合物として、例えばイソフ
タル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジ
ピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、
一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙
げることができるが、これらに限られるものではない。
【0019】また、艶消剤として二酸化チタン、滑剤と
してのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒン
ダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて
添加することができる。
【0020】また、PPTからなる未延伸糸は、60%
以上180%以下の破断伸度を有する繊維であることが
好ましい。このような未延伸糸は例えば通常の紡糸機を
用い、PPTを定法により溶融して紡糸パックに導入
し、口金より紡出して、紡糸速度2500〜4500m
/minで紡糸することによって得られる。ここで、紡
糸速度2500m/min未満の未延伸糸は強度が低い
ために延伸仮撚によって糸切れが多発する。さらに紡糸
速度1000m/min以上2500m/min未満で
巻き取った未延伸糸は経時変化が顕著であるため未延伸
糸パッケージの端面と中央部、内層と外層との間に繊維
構造差が生じてしまい、延伸仮撚糸に糸長手方向の染め
ムラが生じやすい等の問題も有している。
【0021】また、延伸倍率1.05倍〜1.70倍で
延伸と同時に仮撚するには、糸道順に1stフィードロ
ーラー(1stFR)、仮撚ヒーター、冷却板、摩擦仮
撚装置、2ndフィードローラー(2ndFR)からな
る仮撚機を用い、1stFRと2ndFR間で1.05
倍〜1.70倍の延伸を行い、摩擦仮撚装置にて上流を
加撚し、仮撚ヒーターにより熱セット、冷却板により形
態固定するようにしたものであることが好ましい。ま
た、繊維軸方向に太さムラを有する太細仮撚糸を得るた
めに未延伸糸の自然延伸比を超えない範囲で予め延伸し
た後、一旦巻き取ることなく引き続き上記のように1s
tFRと2ndFRの間で延伸しながら摩擦仮撚装置を
用いて摩擦仮撚装置の上流を加撚し、仮撚ヒーターによ
り熱セット、冷却板により形態固定するものでも問題な
いが、1stFR前での延伸倍率DR0 と1stFRと
2ndFRの間の延伸倍率DR1 を乗じた値DR=DR
0 ×DR1 が1.05倍〜1.70倍とするものであ
る。なお、延伸倍率の好ましい範囲は1.10〜1.6
0倍であり、より好ましい範囲は1.14〜1.50倍
である。
【0022】また、本発明では未延伸糸の伸度EL
(%)と延伸同時仮撚の延伸倍率DR(倍)が以下の式
(1)を満たすように設定するものである。 式(1) 0.585×(1+EL/100)≦DR≦0.75×
(1+EL/100) 延伸倍率DRが0.585×(1+EL/100)未満
の時には延伸仮撚加工中にバルーニングが生じ、加工が
不安定になり糸切れが多発する。また、仮撚糸の伸度も
60%を超える値となり、布帛にしたとき肘抜け等の品
質的な問題を有することとなる。一方、延伸倍率DRが
0.75×(1+EL/100)を越える時には加工張
力が高くなり過ぎてしまい、単糸毛羽が発生し、さらに
糸切れが多発する。具体的な延伸倍率はポリプロピレン
テレフタレート未延伸糸や仮撚糸の物性に応じて設定す
ればよいが、残留伸度が20〜60%とすることが好ま
しく、25〜55%とすることがさらに好ましく、30
〜50%に設定することが特に好ましい。
【0023】布帛のストレッチ性および嵩高性を向上さ
せるためには仮撚糸の捲縮特性を向上させることが必要
であり、これを実現させるためには延伸仮撚工程におい
ての仮撚ヒーター出口における糸条温度を30〜175
℃とすることが好ましい。さらに仮撚糸にハリを持たせ
るために断面変形を生じさせるためには、延伸仮撚工程
においての仮撚ヒーター出口における糸条温度を100
〜175℃とすることがより好ましい。さらに好ましく
は110〜160℃である。
【0024】PPTを加熱しながら伸長−応力曲線を測
定すると、図1に示すように加熱により伸度、強度とも
大きく低下することが新たに見出された。ポリエチレン
テレフタレートなどでは見られない現象であり、加熱し
ながら延伸をおこなう延伸仮撚においては重大な問題で
あることがわかった。そこで数々の検討の結果、安定し
て仮撚加工できる仮撚加撚張力T1 は0.17〜0.5
5cN/dtexであることを見出した。仮撚加撚張力
T1が0.17〜0.55cN/dtexであるとき、
バルーニングが起こりにくく、毛羽の発生や糸切れが発
生しにくくなり、加工速度の高速化が可能となる。さら
に同様な理由で仮撚加撚張力T1 が0.25〜0.40
cN/dtexとすることがより好ましい。ここで、仮
撚加撚張力T1 とは摩擦仮撚装置直前の張力である。
【0025】PPTはヤング率が低いためにポリエチレ
ンテレフタレートに比べて上流への撚伝播が低下しやす
い。特に最上流に位置する仮撚ヒーター上で糸条に仮撚
されていなければ、仮撚ヒーター中の張力低下が大きく
なり、捲縮特性が低下するばかりか単糸毛羽や糸切れが
多発することになる。したがって、仮撚加撚張力T1
仮撚ヒーター前張力THの比T1/THが1.02〜1.
30であることが好ましい。仮撚加撚張力T1仮撚
ーター前張力THの比T1/THが1.02〜1.30の
とき、仮撚ヒーター中での張力低下が小さく、すなわち
摩擦仮撚装置の撚は仮撚ヒーター上に十分に登ってお
り、仮撚ヒーター上での毛羽の発生や糸切れが起こりに
くくなるので好ましい。より好ましいT1/THは1.0
2〜1.25である。ここで仮撚ヒーター前張力とは
ヒーター入口直前の張力である。
【0026】仮撚ヒーター内の仮撚数としてはできるだ
け高い方が好ましいが、摩擦仮撚装置の施撚能力の問題
があり、具体的には仮撚ヒーター内の仮撚数Tが274
00/D1/2〜30600/D1/2であることが好まし
く、仮撚ヒーター内での毛羽発生や糸切れ多発を防ぐこ
とが可能となる。同様な理由により仮撚ヒーター内の仮
撚数としては27900/D1/2〜30100/D1/2
あることがより好ましい。また、Dとは延伸仮撚加工し
た仮撚糸の繊度(デシテックス)を示している。
【0027】次に、本発明のPPT仮撚糸の製造方法に
ついて図面に示す実施例に基づいて説明する。図2に本
発明に係る仮撚装置の一例を示した。
【0028】供給原糸1としてPPT未延伸糸を用い、
1stFR2と2ndFR6との間で延伸しながら摩擦
仮撚装置5を用いて仮撚を与えた状態で仮撚ヒーター3
により撚形態を熱セットし、冷却板4により形態固定す
るものである。
【0029】先にも述べたようにPPTのヤング率が低
いために仮撚の上流への伝播が低下しやすくなり、その
ために、加撚域では必要以上の糸の屈曲や接触抵抗を避
けることが肝要である。したがって、仮撚機に用いる各
パーツにおいても接触抵抗を低減する視点で選定するこ
とが好ましい。仮撚ヒーター3としては、熱媒を加熱、
循環させたり、電熱ヒーターにより加熱した金属板上
や、高温雰囲気下を走行させる方法がある。加熱した金
属板の上を走行させる場合には糸条繊度、加工速度、目
標とする仮撚温度を考慮して必要以上に長くしたり、屈
曲させないことが好ましい。また高温雰囲気下を走行さ
せる場合には走行安定性を高めるためにガイド等で糸道
を固定したいわゆる非接触式高温ヒーターを用いること
が好ましい。仮撚糸の毛羽、糸切れ率を低下させたり、
加工速度の高速化のためには接触抵抗のより低い非接触
式高温ヒーターを用いることがより好ましい。
【0030】冷却板4としても必要以上に長くない方が
好ましく、冷却水を循環させて冷却板を冷却したりして
冷却板を短くしたり、空気を吸引することで排煙を吸引
し、同時に糸条を冷却することは好ましく行われる。さ
らに金属板によりスリットを作り、後方から吸引してク
ロスフローによって糸条を冷却する冷却板は摩擦抵抗が
低く、冷却能力も高く、加撚域を短くして加工を安定さ
せることが可能となるので好ましく用いられる。
【0031】摩擦仮撚装置5としては施撚作用と共に送
り作用を有するものであれば、内接型、外接型摩擦仮撚
装置のいずれにおいても問題ないが、外接型3軸ツイス
ター、ベルトニップツイスターが好ましく用いられる。
【0032】供給原糸として用いるPPT未延伸糸は溶
融紡糸して巻き取った後、遅延収縮が生じやすい。特に
紡糸速度1000〜2000m/minで巻き取った未
延伸糸の経時変化による物性変化は顕著であり、パッケ
ージの端面と中央部、内層と外層との間に収縮差が生じ
てしまい、延伸仮撚糸に糸長手方向の染めムラが生じて
しまう。しかし、紡糸速度3000m/min付近でも
依然遅延収縮は生じ、糸長手方向の染めムラを生じさせ
る原因となる。また、遅延収縮を低下させるために紡糸
速度を速くすると、紡糸線上で分子配向が高度に進み、
巻締まりが生じて紙管がスピンドルから抜けなくなる現
象が生じる。そのため、上記問題を解決するために下記
(1)〜(4)式を満足するPPT未延伸糸を供給原糸
として用いることが好ましい。
【0033】 (1)強度ST(cN/dtex):1.8≦ST (2)複屈折Δn(×10-3):30≦Δn≦70 (3)伸度EL(%):60≦EL≦180 (4)沸水収縮率SW(%):3≦SW≦15 すなわち、上記物性を示す未延伸糸は、遅延収縮による
未延伸糸パッケージの巻き締まりがほとんどなく、良好
な仮撚加工性を示すとともに、染色斑等の欠点が少な
く、高品質な仮撚加工糸を与える。
【0034】強度STは延伸や仮撚、整経や製織を行う
際の工程通過性や、布帛の機械的特性に大きく影響す
る。前記生産性や製品の品質を満足するため好ましくは
1.8cN/dtex以上、より好ましくは2.2cN
/dtex以上である。
【0035】また、伸度ELは延伸や仮撚工程での加工
性を良好にするために60%以上であることが好まし
く、延伸や仮撚で得られる糸の太さ斑を小さくし、より
均質な糸とするために180%以下であることが好まし
い。伸度のより好ましい範囲は70〜150%である。
【0036】また、複屈折Δnは未延伸糸の機械的特性
と密接な関係があり、特に仮撚加工工程における毛羽や
断糸を防止し、良好な工程通過性を得るために複屈折は
0.03以上であることが好ましい。また、複屈折が
0.07を越えると巻締まりや高温における遅延収縮を
十分に抑えることが困難になる。複屈折のより好ましい
範囲は0.04〜0.065である。
【0037】また、PPT繊維は未延伸糸パッケージか
ら解舒され、応力から解放されると除々に収縮する、い
わゆる遅延収縮と呼ばれる現象が生じる。この現象はパ
ケージ内においてもゆっくりと進行しており、パッケー
ジ形状が崩れて解舒性不良を起こしたり、パッケージ端
面周期に同期した糸の太さ斑が発生する等、さまざまな
問題を起こす。また、この遅延収縮は未延伸糸の環境温
度に左右されやすく、特に夏場のトラック輸送において
は環境温度が50℃にも達するため遅延収縮量も大きく
なる。そのため、未延伸糸は製糸段階で繊維構造を熱安
定化させることが重要である。繊維構造の熱に対する安
定性は、沸騰水に試料を投入して収縮率を測定する沸水
収縮率SWによって知ることができる。沸水収縮率SW
が15%以下であれば遅延収縮による経時変化が少な
く、良好な熱安定性を有するといえる。また、沸水収縮
率は仮撚加工での捲縮セット性と密接な関係があり、収
縮率が3%以上で良好な捲縮セット性を示す。沸水収縮
率はより好ましくは5〜12%である。
【0038】また、未延伸糸の糸長手方向の太さ斑の指
標であるウースター斑を小さくすることで、仮撚加工に
おける加工張力の変動を抑制し、工程安定性を高めるこ
とができるばかりか、得られる糸からなる布帛の染め斑
等の欠点が少なくなり、品位の高い製品を得ることがで
きる。したがって、用いる未延伸糸のウースター斑U%
(ノーマルモード)は好ましくは1%以下であり、より
好ましくは0.8%以下である。
【0039】用いる未延伸糸はチーズ状パッケージに巻
かれていることが好ましい。パッケージフォームは仮撚
加工における糸の解舒性に影響を与えるため、良好なパ
ッケージフォームが要求される。通常、パッケージフォ
ームで問題となるのは、サドル(耳立ち)とバルジ(ふ
くらみ)であり、いずれも小さい方が高速解舒性に優れ
る。本発明者らの提案した方法に従えば、パッケージに
巻き取る前に繊維内部構造が安定化するため、パケージ
フォームが良好なチーズとすることが可能である。仮撚
で要求される解舒速度は200〜800m/分にも達す
るが、その速度で解舒張力の変動が小さく、安定して糸
加工を行うためにはサドルが4mm未満、バルジ率が1
0%未満であることが好ましい。より好ましくはサドル
が3mm未満、バルジ率が7%未満である。なお、サド
ルおよびバルジ率は4kg巻きパッケージで測定を行っ
た。
【0040】次に、本発明に好ましく用いられる未延伸
糸の製造方法の一例を示す。
【0041】未延伸糸の主原料となるPPTの製造方法
として、公知の方法をそのまま用いることができる。用
いるPTTの極限粘度[η]は、紡糸時の曳糸性を高
め、実用的な強度の糸を得るために0.75以上である
ことが好ましく、0.85以上であることがより好まし
い。なお、PPT原料中に含まれる環状2量体を主成分
とするオリゴマーは、紡糸時に口金汚れおよび口金下ハ
ウジングでの針状結晶の析出を促し、製糸性に悪影響を
及ぼすので、オリゴマー含有量は少ないほどよく、好ま
しくは2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、
さらに好ましくは1重量%以下にするとよい。オリゴマ
ー量を少なくするための方法としては固相重合が有効な
手段となる。液相重合によりPTTの極限粘度[η]を
0.4〜0.7とした後、固相重合温度180〜215
℃、暴露時間2〜20時間で、窒素、アルゴン等の不活
性ガス下もしくは真空度10torr以下、より好まし
くは1torr以下の減圧下で行うことができる。ま
た、重合時に生成するビス(3−ヒドロキシプロピル)
エーテルは軟化点の低下や、強度等の機械的特性を低下
させる傾向があるため少ないほどよく、好ましくは2重
量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好まし
くは0.5重量%以下である。
【0042】また、PPT未延伸糸は重合を行った後、
そのまま紡糸する直連重紡で行ってもよいし、一旦チッ
プ化した後、乾燥もしくは固相重合し、紡糸してもよい
が、前記したようにオリゴマー量を少なくするために一
旦チップ化した後、固相重合することが好ましい。
【0043】ここで、本発明の仮撚加工に好ましく用い
られる未延伸糸の製造方法を図面に示す実施例に基づい
て説明する。
【0044】溶融紡糸を行うに際しての紡糸温度は、口
金での吐出を安定させるためにPPTの融点よりも15
〜60℃高い温度で行うことが好ましく、25〜50℃
高い温度で行うことがより好ましい。また、紡糸でのオ
リゴマー析出を抑制し、紡糸性を向上させるために、必
要に応じて口金下に2〜20cmの加熱筒やMO(モノ
マー、オリゴマー)吸引装置、ポリマ酸化劣化あるいは
口金孔汚れ防止用の空気、スチーム、N2などの不活性
ガス発生装置を設置してもよい。
【0045】紡糸速度は、前記したように未延伸糸の強
度が1.8cN/dtex以上、残留伸度が60〜18
0%になるように設定すればよく、そのためには紡糸速
度2500〜4500m/minの範囲が好ましい。ま
た、紡糸後、巻き取るまでの間に特定条件で熱処理する
ことで、繊維構造を安定化させることができる紡糸速度
が2500m/minを下回ると複屈折が0.030未
満と低いために強度が低くなり、仮撚時に毛羽、単糸巻
付が発生しやすく、4500m/minを越えるといわ
ゆる延伸糸の構造をとるため変形しにくくなり、仮撚加
工後の捲縮特性が低くなるとともに、毛羽、単糸巻付が
発生しやすくなる傾向がある。
【0046】また、紡糸後、巻き取るまでの間に特定条
件下で熱処理を行うことが重要であり、巻き取り前に熱
処理を連続して行うことにより繊維の構造安定化が達成
され、さらには巻取後の経時変化が抑制され、端面周期
ムラや内外層差を回避することができる。例えば、図4
に示す紡糸装置において、PPTを溶融し、口金18か
ら吐出し、第1ゴデーロール22を用いて引き取りつ
つ、加熱した第1ゴデーロール22もしくは第2ゴデー
ロール23にて熱処理を行い、巻取機24を用いて巻き
取るものである。なお、熱処理時間は熱処理温度にもよ
るが、0.01〜0.1秒が必要であることから、セパ
レートロール25を用いて加熱されたゴデーロール23
に複数回巻き返すことが好ましい。より好ましい熱処理
時間は0.02〜0.08秒である。また、熱処理は前
記の加熱ゴデーロールに限定されるものではなく、図5
に示すような加熱空気やスチーム等を熱媒とした非接触
ヒーター28を紡糸線上(口金26〜第1ゴデーロール
31間)、もしくは第1ゴデーロール31と第2ゴデー
ロール33の間に設けてもよい。
【0047】熱処理温度はゴデーロールのような接触式
ヒーターの場合、温度70〜130℃、非接触ヒーター
の場合は温度120〜220℃であることが好ましく、
より好ましくは接触式ヒーターで100〜125℃、非
接触式ヒーターで140〜200℃である。また、図4
に示す、第1ゴデーロール22で引き取った後、第2ゴ
デーロール23や巻取機24との間で弛緩処理すること
で巻締まりや遅延収縮率を抑制する効果を高めることが
でき、好ましい。
【0048】上記方法にて製造し、巻き取った仮撚糸も
遅延収縮により巻き締まりが生じてくることがある。こ
のような場合、仮撚糸の解舒性が低下するばかりか、経
時変化によって仮撚糸糸長手方向に染めムラが生じてし
まう。これを防止するためには仮撚加工後に一旦リラッ
クス工程を入れることが好ましく、延伸仮撚後、巻き取
るまでに室温状態で弛緩率5〜25%の弛緩ゾーンを設
けるものである。なお、前記の室温状態とは、延伸仮撚
後の糸条に何ら加熱や冷却等の強制処理を加えることな
く、仮撚装置が置かれている室の温度の状態をいう。
【0049】具体的には例えば図2においては2ndF
R6の表面速度に対してと3rdFR7の表面速度を遅
くすることによって容易に達成可能である。弛緩ゾーン
において、加熱装置により熱処理する必要は必ずしもな
く、室温で巻き締まりを防止することが可能である。
【0050】PPT延伸糸をスピンドル仮撚装置を用い
て加工した仮撚加工糸は、錘間バラツキが大きく、編検
合格率はせいぜい93%以下となってしまい、検査工程
に多大な経費を費やすこととなる。一方、本発明の製造
方法により製造した仮撚糸は、編検合格率を95%以上
にすることが可能となり、検査工程の簡素化が可能とな
り、好ましい。また、十分に装置を整備すれば編検合格
率を98%以上にすることが可能であり、検査工程の省
略化が可能となり、さらに好ましい。
【0051】さらに残留伸度が60%未満の延伸糸を用
いて行うスピンドル仮撚加工では加工速度はせいぜい1
00m/min程度しかできないのに対して、本発明の
製造方法では300m/min以上の加工速度が可能で
あり、より好ましくは600m/min以上、さらに好
ましくは800m/minにて仮撚加工することが可能
となり、工業的に有益である。
【0052】仮撚糸の高次通過性を向上させために集束
性向上を狙って、交絡を付与することは好ましく行われ
る。図2においては3rdFR7と4thFR8との間
でリラックスさせながら交絡ノズル8を用いて交絡して
いる。集束性を向上させる方法としては撚糸、追油等の
方法があり、必要に応じて用いればよい。
【0053】PPT繊維のヤング率は、ポリエチレンテ
レフタレート繊維に比べて低いために捲縮がやわらかく
なる。しかし、布帛にしたとき、ハリ感を与えるために
は適度な硬さが必要であり、断面変形した仮撚糸は好ま
しい。特にPPT未延伸糸の断面形状が丸断面の時、効
果は大きく、断面形状効果によって適度な曲げ固さを付
与することが可能となる。しかし、極端に断面変形を生
じさせるとグリッターやジャリつき感となって現れるた
め、断面変形度が1.3〜1.8であることが好まし
い。これを達成するためには、仮撚ヒーター出口におけ
る糸条温度を1O0〜175℃とすることが好ましい。
【0054】さらに断面変形度が1.3〜1.7のとき
ハリ感を生み出しながら表面反射が少ないためにより好
ましい。
【0055】先にも述べたようにPPT繊維はヤング率
が低く、加撚域上流へ撚が伝播しにくい。これを改善す
るためにポリプロピレンテレフタレート未延伸糸に油剤
等を付着させて仮撚ヒーター、冷却板、ガイド等との接
触抵抗を低減させることは好ましい。そのため未延伸糸
に種々の油剤成分を付着させて延伸仮撚を行ったとこ
ろ、水不溶性の脂肪酸エステル類および/または芳香族
エステル類からなる平滑剤成分が有効であることを見出
した。特に未延伸糸重量に対して0.05〜1.0重量
%付着しているとき、仮撚ヒーター、冷却板やガイドと
の摩擦抵抗が低減されて加撚部上流に効果的に撚を伝播
させることが可能であり、毛羽の発生が少なく、錘間お
よび錘内の染め差が少ないことがわかった。したがっ
て、延伸仮撚加工後の仮撚糸に平滑剤成分として水不溶
性の脂肪酸エステル類および/または芳香族エステル類
が付着していることが好ましい。油剤は仮撚加工後にも
高次通過性向上のために付与される場合があり、これに
含まれる場合も含める。
【0056】ここで水不溶性の脂肪酸エステルおよび/
または芳香族エステルとしては、従来公知の平滑剤で好
適な例として、メチルオレート、i−プロピルミリステ
ート、オクチルパルミテート、オレイルラウレート、オ
レイルオレート等の一価アルコールと一塩基性樹脂族カ
ルボン酸のエステル、ジオクチルセバケート、ジオレイ
ルアジペート等の一価アルコールと多価塩基性樹脂族カ
ルボン酸のエステル、ジオクチルフタレート、トリオレ
イルトリメリテート等の一価アルコールと芳香族カルボ
ン酸のエステル、エチレングリコールジオレート、トリ
メチロールプロパントリカプリレート、グリセリントリ
オレート等の多価アルコールと一塩基性樹脂族カルボン
酸のエステル、またはこれらのエステルの誘導体として
ラウリル(EO)nオクタノエート等のアルキレンオキ
サイド付加エステル(ただし、アルキレンオキサイド付
加モル数として化合物自体が水に可溶または自己分散す
るほど大きいと平滑性が損なわれるので、5モル以下の
付加が好ましい)などの単独、あるいは混合使用を挙げ
ることができるが、特にこれらに限定されるものではな
い。また、流動パラフィン、スピンドル油等の鉱物油に
ついても単独使用の場合には耐熱性が損なわれるので、
平滑剤成分中の40重量%以下の混合使用については好
適な例として挙げることができる。さらにポリエーテル
もタール化を防止するため混合使用する好適な例として
挙げることができる。また、平滑剤成分の配合量は限定
されないが、油剤成分に対して50〜70重量%とする
ことが好ましい。
【0057】また、未延伸糸に付着させる油剤成分とし
ては平滑剤の他に乳化剤やその他の添加剤が配合されて
いることが好ましい。
【0058】乳化剤成分としては従来公知のものが使用
できるが、好適な例として、活性水素を1以上有する化
合物のアルキレンオキサイド付加物、すなわちラウリル
アルコール、i−ステアリルアルコール、オレイルアル
コール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等の一
価ヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物、グ
リセリンのモノオレイン酸エステル、ソルビタンのモノ
ラウリン酸エステル、トリメチロールプロパンのジステ
アリン酸エステル等の多価アルコール部分エステルおよ
びこれらのアルキレンオキサイド付加物、ヒマシ油のア
ルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミン、ステアリ
ルアミン等のアルキルアミン類のアルキレンオキサイド
付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の
高級脂肪族酸のアルキレンオキサイド付加物、およびこ
れらの脂肪酸から誘導されるアミドのアルキレンオキサ
イド付加物などの非イオン界面活性剤が挙げられるがこ
こで付加するアルキレンオキサイドとしてはエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等が単独あるいは混合
使用される。このほかにポリエチレングリコールポリプ
ロピレングリコールのブロック共重合体や、さらに上記
高級脂肪酸およびそのトリエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン等の塩、およびロート油等のアニオン界面活
性剤も乳化剤成分として使用できる。乳化剤成分の配合
量は限定されないが、油剤成分に対して20〜50重量
%とすることが好ましい。
【0059】また、紡糸、延伸仮撚用として必要な特性
に応じて添加剤、すなわちアルキルスルホネートのアル
カリ金属塩、アルキルホスフェートのアルカリ金属塩、
ポリアルキレングリコールアルキルホスフェートのアル
カリ金属塩、脂肪酸石鹸、アルキルイミダゾリン類等の
帯電防止剤のほか、従来公知の集束剤、防錆剤、防腐
剤、抗酸化剤、などを同時に使用できる。これら添加剤
の配合量は限定されないが平滑性や耐熱性が損なわれる
ことがあるので5〜15重量%とすることが好ましい。
【0060】また、仮撚加工糸に水不溶性の脂肪酸エス
テルおよび/または芳香族エステルが付着しているかを
特定する方法としては、油剤成分をメタノール抽出法に
て抽出し、抽出成分のIRスペクトルのピーク位置から
特定可能することができる。
【0061】PPT仮撚糸の繊度、単糸繊度、断面形状
等に制限はないが、通常マルチフィラメントとして33
〜560dtex、単糸繊度として0.11〜11dt
exが好ましく用いられ、断面形状として丸断面、扁
平、三角形等の多角形、3葉以上の多葉形、中空などで
も問題なく、使用目的により適宜選択すればよい。さら
にマルチフィラメントが単糸繊度や断面形状の異なる単
糸によって構成されることも好ましく行われる。
【0062】PPT延伸糸をスピンドル仮撚により製造
した公知の仮撚糸は、ストレッチ性、嵩高性には富んで
いるが、錘間または錘内の染め差が多発することが問題
であった。これはPPT延伸糸のヤング率が低いために
撚が伝播しにくく、さらに加撚張力が0.17cN/d
tex未満と低いためにヒーター内での撚分布が錘間、
錘内で変化することが主因である。それに対し、本発明
の方法により得られるPPT仮撚糸は、錘間または錘内
の染め差や毛羽が少なく、高品質の仮撚糸となる。
【0063】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。 A.極限粘度 オルソクロロフェノール(以下OCPと略記する)中に
試料ポリマを溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を
用いて相対粘度を求め、それを無限希釈に外挿して求め
た。 B.強伸度 未延伸糸をオリエンテック(株)社製 TENSILO
N UCT−100でJIS L 1013(化学繊維
フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測
定した。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力
を示した点の伸びから求めた。 C.複屈折 未延伸糸をOLYMPUS社製BH−2偏光顕微鏡を用
いレターデーションΓと光路長dを測定し、複屈折Δn
=Γ/dを求めた。なお、dは繊維中心でのΓと繊維径
より求めた。 D.沸水収縮率 JIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方
法)に準じて測定した。未延伸糸パッケージから検尺機
でカセを採取し、90×10-3cN/dtexの実長測
定荷重を架けてカセ長L1 を測定し、引き続いて実長測
定荷重をはずし、沸騰水中に15分間投入した後取り出
し、風乾し、再び実長測定荷重を架けてカセ長L2 を測
定し、次式により沸騰水収縮率を算出した。
【0064】沸騰水収縮率(%)=[(L1 −L2 )/
1 ]×100 E.ウースター斑 糸長手方向の太さ斑(ノーマルテスト)は、ツェルベガ
ーウースター(株)社製USTER TESTER M
ONITOR Cで測定した。条件は、糸速度50m/
分で1分間供給し、ノーマルモードで平均偏差率(U
%)を測定した。 F.サドル及びバルジ率 図6に示す未延伸糸パッケージの中央部の巻厚L1と、
端面部の巻厚L2を測定し、L2からL1を引いた値を
サドルの大きさとした。また、図2に示す未延伸糸パッ
ケージの最内層の巻き巾L3及び、最大巻き巾を示すL
4を測定し、次式によってバルジ率を算出した。
【0065】 バルジ率(%)=[(L4−L3)/L3]×100 G.仮撚ヒーター出口の糸条温度測定 TOKYO SEIKO CO.LTD.製 形式 電
源部:TS−3A、検出端:EC−2を用いて仮撚ヒー
ター出口直後において糸条温度を測定した。 H.糸条張力 インテック社製 デジタルテンションメーターIT−2
00を用いて測定した。 I.仮撚ヒーター内の仮撚数 仮撚加工中に仮撚ヒーター部の入口部および出口部の糸
条を同時に把持して、仮撚ヒーター中の糸条を採取し、
電動検撚器を用いて90×10-3cN/dtexの荷重
下で仮撚数T(T/m)を測定した。 J.断面変形度 糸条を糸長手方向に対して垂直に切断して切片をサンプ
リングし、光学顕微鏡により撮影した断面写真を撮影す
る。断面写真から単繊維の外接円の直径と内接円の直径
との比を、仮撚加工する供給糸の外接円の直径と内接円
の直径との比で除した値をすべての繊維について求め、
平均値を計算する。 K.伸縮復元率:RS(Recovery perce
ntage of Shrinkage:%) 仮撚加工糸をパッケージのまま1週間放置したサンプル
について、JIS規格L1090−1992 5.8伸
縮復元率に従い小カセを作り、24時間放縮後、粗布で
包んだまま98℃の熱水中で30分間浸せきした後試料
を取り出し、濾紙上で24時間自然乾燥させた試料を
5.8伸縮復元率に従い測定する。 L.編み検定 仮撚加工糸のチーズ最表面を取り除き、適当なゲージ数
の筒編み機を用い、密度を調整した後、比較する水準が
隣り合うように順番に丸編みを行う。編物重量に対し
て、スミカロン Navy Blue S−2GL 2
00(住友化学社製)を0.3%(owf)、テトロシ
ン PEC(山川薬品社製)を5.0%(owf)、ニ
ッカサンソルト #1200(日華化学社製)を1.0
%(owf)を編物重量に対して50倍の水に均一に分
散させ、50℃に調整した後に編物を投入し、適宜攪拌
しながら1〜2℃/minの速度で98℃まで昇温して
いき、引き続き20分間加熱を行い、その後、ゆっくり
冷却を行い、サンプルを染める。編み検定の検定として
は、筒編み地を測色計を用いてL値を測定し、全サンプ
ルの平均値の±0.4以内であるとき、合格とし、その
範囲外のサンプルを不合格とした。
【0066】[実施例1] 極限粘度[η]が0.89のPPTを用い、図3に示す
紡糸機により紡糸温度260℃で、形状が丸形で36孔
の口金を用いて、吐出し、3000m/minの紡糸速
度で高配向未延伸糸を2時間巻き取った。巻き取り時に
給油ガイドを用いて平滑剤、乳化剤、添加剤が分散した
油剤を未延伸糸に給油し、未延伸糸重量に対してオレイ
ルラウレートを0.2重量%付着させた。表1に未延伸
糸の物性を示す。ただし、物性測定は巻き取り後直ちに
行った。巻き取り後、直ちに該高配向未延伸糸を図2の
仮撚機を用いて表2の条件にて延伸仮撚加工を行った。
ただし、仮撚ヒーター3として2.5mの乾熱ヒーター
を、摩擦仮撚装置5として上流側よりセラミックディス
ク1枚、ウレタンディスク6枚、セラミックディスク1
枚により構成された3軸ツイスターを用いた。また、2
ndFR6に比べて3rdFR7の速度を18%遅くし
ており(弛緩率18%で弛緩)、交絡ノズル8は用いて
いない。仮撚加工は安定に行うことができ、嵩高い仮撚
糸を得ることができた。仮撚糸物性を表3に示す。仮撚
加工糸を27Gの筒編み機を用いて丸編みし、編み検定
したところ未延伸糸パッケージの内外層に染め差は認め
られなかった。
【0067】[比較例1]極限粘度[η]が0.89の
PPTを用い、図3に示す紡糸機により紡糸温度260
℃で、形状が丸形で36孔の口金を用いて、吐出し、1
500m/minの紡糸速度で未延伸糸を巻き取った。
【0068】5時間巻き取った後、25℃相対湿度80
%の部屋に1週間静置した。ポリプロピレンテレフタレ
ート未延伸糸のパッケージは巻き締まりし、端面に比べ
て中央部が大きく、凹んだ形状となった。1週間静置後
の未延伸糸の物性を表1に示す。実施例1と同じ装置を
用い、表2の条件で延伸仮撚加工を行った。仮撚加工は
やや不安定で、糸切れも多かった。仮撚糸物性を表3に
示す。仮撚加工糸を27Gの筒編み機を用いて丸編み
し、編み検定したところ未延伸糸パッケージの内外層に
顕著な染め差および端面周期ムラが認められ、品質上問
題があった。
【0069】[比較例2]極限粘度[η]が0.89の
PPTを用い、紡糸温度260℃、形状が丸形で36孔
の口金を用いて、1200m/minの紡糸速度で未延
伸糸を巻き取り、次いで1stホットロール温度60
℃、延伸倍率3倍、2ndホットロール温度140℃、
延伸速度600m/minで延伸した後、スピンドル巻
き取り装置を用いて巻き取り、56dtex−36fの
延伸糸を得た。該延伸糸を用い、1mの乾熱ヒーター、
スピンドル仮撚装置を用いて、表2の条件で仮撚加工を
行った。スピンドル回転数は4100rpmに設定し
た。連続して100kgの仮撚加工を実施し、1kg巻
×100個の仮撚加工糸を製造しようとしたところ、加
工速度が100m/minと低いにも関わらず、糸切れ
率は5%にも達し、しかも仮撚加工糸の編み検定合格率
は92%にとどまった。
【0070】[実施例2〜4]極限粘度[η]が0.8
9のPPTを用い、図4に示す紡糸機により紡糸温度2
60℃で形状が丸形で36孔の口金を用いて、吐出し、
3000m/minの紡糸速度で引き取りつつ110℃
に加熱された2ゴデーロールで乾熱処理を行い未延伸糸
を巻き取った。巻き取り時に給油ガイドを用いて平滑
剤、乳化剤、添加剤が分散した油剤を未延伸糸に給油
し、未延伸糸重量に対してオレイルラウレートを0.2
重量%付着させた。比較例1と同じ条件で1週間静置し
たが、該未延伸糸のパッケージには巻き締まりは生じな
かった。1週間静置後の未延伸糸の物性を表1に示す。
該未延伸糸を用いて、表2に示すようにヒーター温度以
外は実施例1と同じの装置および加工条件にて延伸仮撚
加工を行った。仮撚加工は安定して行うことができ、嵩
高い仮撚糸を得ることができた。仮撚加工糸を27Gの
筒編み機を用いて丸編みし、編み検定したところ未延伸
糸パッケージの内外層に染め差は認められなかった。ま
た、仮撚加工温度が高くなるについて捲縮が強くなり、
嵩高になると共に断面変形度が大きくなるため、単糸の
曲げ固さが大きくなり、適度なハリ感を有するようにな
った。
【0071】[比較例3、4]実施例2〜4と同じ未延
伸糸を用い、表2に示す加工条件にて延伸仮撚加工を行
った。仮撚装置は実施例1と同じであり、延伸倍率以外
は実施例3と同じ条件で延伸仮撚加工を行った。しか
し、比較例3では加撚域でバルーニングが生じ、解撚張
力が変動しており、加工が不安定であった。一方、比較
例4では、糸掛け中に糸切れし、仮撚糸を得ることはで
きなかった。比較例3の仮撚糸物性を表3に示す。仮撚
加工糸を27Gの筒編み機を用いて丸編みし、編み検定
したところ糸条長手方向に染めムラが認められ、品質上
問題があった。
【0072】[実施例5] 実施例2〜4と同じ未延伸糸を用い、表2に示す条件で
延伸仮撚加工を行った。仮撚装置としては、東レエンジ
ニアリング社製TFT−15を用いた(仮撚ヒーターと
して1mの非接触式高温ヒーターを使用)。また、2n
dFR6に比べて3rdFR7の速度を15%遅くして
おり(弛緩率15%で弛緩)、交絡は付与していない。
500kgの未延伸糸を連続して延伸仮撚加工を行い、
5kg巻×100個の仮撚加工糸を製造しようとしたこ
とろ、糸切れ率1%、編み検定合格率98%である高品
質な仮撚加工糸を製造することができた。
【0073】[実施例6〜7]極限粘度[η]が0.8
9のPPTを用い、図5に示す紡糸機により紡糸温度2
60℃で形状が丸形で36孔の紡糸口金26を用いて吐
出し、チムニー27にて糸条をTg以下に冷却後、口金
下1.6mに設置した非接触ヒーター28(加熱長:
1.5m、熱媒:180℃加熱空気)で熱処理を行い紡
糸速度3500m/minで未延伸糸を巻き取った。巻
き取り時に給油装置29を用いて平滑剤、乳化剤、添加
剤が分散した油剤を未延伸糸に給油し、未延伸糸重量に
対してオレイルラウレートを0.2重量%付着させた。
比較例1と同じ条件で1週間静置したが、該未延伸糸の
パッケージには巻き締まりは生じなかった。1週間静置
後の未延伸糸の物性を表1に示す。該未延伸糸を用い
て、表2に示す加工条件によって実施例1と同じの装置
を用いて延伸仮撚加工を行った。仮撚加工は安定して行
うことができ、嵩高い仮撚糸を得ることができた。仮撚
加工糸を27Gの筒編み機を用いて丸編みし、編み検定
したところ未延伸糸パッケージの内外層や端面周期に対
応する染め差は認められなかった。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、染めムラ、毛羽が少な
く、品質的に優れたポリプロピレンテレフタレート仮撚
糸を低コストで製造することが可能となり、上記仮撚糸
はストレッチ性、嵩高性に優れているだけではなく、適
度なハリ感を有する布帛となる。 [図面の簡単な説明]
【図1】雰囲気温度を室温(25℃)〜170℃まで変
えながらポリプロピレンテレフタレート延伸糸を伸長し
たときの応力−伸度曲線を示す。
【図2】本発明に係る仮撚装置の一例を説明するため概
略図である。
【図3】高配向未延伸糸を得るための紡糸装置の1例を
示す工程図である。
【図4】第2ゴデーロールにホットロールが組み込まれ
た紡糸装置の1例を示す工程図である。
【図5】紡糸線上に非接触ヒーターが組み込まれた紡糸
装置の1例を示す工程図である。
【図6】本発明に好ましく用いられる未延伸糸パッケー
ジのサドルおよびバルジ率を説明するためのモデル図で
ある。
【符号の説明】
1:未延伸糸パッケージ 2:1stFR 3:仮撚ヒーター 4:冷却板 5:摩擦仮撚装置 6:2ndFR 7:3rdFR 8:交絡ノズル 9:4thFR 10:ワインダー 11、18:紡糸ブロック 12、19:給油装置 13、20:未延伸糸 14、21:交絡ノズル 15、22:第1ゴデーロール 16、23:第2ゴデーロール 17、24:巻取機 25:セパレートロール 26:紡糸口金 27:チムニー 28、32:非接触ヒーター 29:給油装置 30:交絡ノズル 31:第1ゴデーロール 33:第2ゴデーロール 34:巻取機
【図面の簡単な説明】
【図1】雰囲気温度を室温(25℃)〜170℃まで変
えながらポリプロピレンテレフタレート延伸糸を伸長し
たときの応力−伸度曲線を示す。
【図2】本発明に係る仮撚装置の一例を説明するため概
略図である。
【図3】高配向未延伸糸を得るための紡糸装置の1例を
示す工程図である。
【図4】第2ゴデーロールにホットロールが組み込まれ
た紡糸装置の1例を示す工程図である。
【図5】紡糸線上に非接触ヒーターが組み込まれた紡糸
装置の1例を示す工程図である。
【図6】本発明に好ましく用いられる未延伸糸パッケー
ジのサドルおよびバルジ率を説明するためのモデル図で
ある。
【符号の説明】
1:未延伸糸パッケージ 2:1stFR 3:ヒーター 4:冷却板 5:摩擦仮撚装置 6:2ndFR 7:3rdFR 8:交絡ノズル 9:4thFR 10:ワインダー 11、18:紡糸ブロック 12、19:給油装置 13、20:未延伸糸 14、21:交絡ノズル 15、22:第1ゴデーロール 16、23:第2ゴデーロール 17、24:巻取機 25:セパレートロール 26:紡糸口金 27:チムニー 28、32:非接触ヒーター 29:給油装置 30:交絡ノズル 31:第1ゴデーロール 33:第2ゴデーロール 34:巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02G 3/02 D02G 3/02 D02J 1/22 D02J 1/22 J R (56)参考文献 特開2001−20136(JP,A) 特開 昭59−144634(JP,A) 特開 昭61−225337(JP,A) 特開 平11−229276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00 D01F 6/62

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮撚ヒーターを有する摩擦仮撚装置を用
    いて延伸と同時に仮撚を行うに際し、ポリプロピレンテ
    レフタレート未延伸糸を1.05〜1.70倍の延伸倍
    率にすると同時に、未延伸糸の伸度EL(%)と延伸同
    時仮撚の延伸倍率DR(倍)が以下の式(1)を満たす
    ように設定するとともに、延伸仮撚後、巻き取るまでの
    間に室温状態で弛緩率5〜25%の弛緩ゾーンを設ける
    ことを特徴とするポリプロピレンテレフタレート仮撚糸
    の製造方法。 式(1) 0.585×(1+EL/100)≦DR≦0.75×(1+EL/100)
  2. 【請求項2】 仮撚ヒーター出口における糸条温度が3
    0〜175℃であることを特徴とする請求項1に記載の
    ポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 仮撚加撚張力T1が0.17〜0.55
    cN/dtexであることを特徴とする請求項1または
    2に記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 仮撚加撚張力T1と仮撚ヒーター前張力
    Hの比T1/THが1.02〜1.30であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレ
    ンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 仮撚ヒーター内の仮撚数Tが27400
    /D1/2〜30600/D1/2であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンテレフタ
    レート仮撚糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 仮撚ヒーターとして非接触式ヒーターを
    用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方法。
  7. 【請求項7】 下記(1)〜(4)式を満足するポリプ
    ロピレンテレフタレート未延伸糸を用いることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレンテ
    レフタレート仮撚糸の製造方法。 (1)強度ST(cN/dtex):1.8≦ST (2)複屈折Δn(×10-3):30≦Δn≦70 (3)伸度EL(%):60≦EL≦180 (4)沸水収縮率SW(%):3≦SW≦15
  8. 【請求項8】 糸の太さ斑U%(ノーマルモード)が1
    %以下である未延伸糸を用いることを特徴とする請求項
    7に記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 サドルが4mm未満でかつバルジ率が1
    0%未満である未延伸糸パッケージを用いることを特徴
    とする請求項7または8に記載のポリプロピレンテレフ
    タレート仮撚糸の製造方法。
  10. 【請求項10】 延伸仮撚加工速度が300m/min
    以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の方
    法により製造されたことを特徴とするポリプロピレンテ
    レフタレート仮撚糸。
  12. 【請求項12】 断面変形度が1.3〜1.8であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載のポリプロピレンテレ
    フタレート仮撚糸。
  13. 【請求項13】 平滑剤成分として水不溶性の脂肪酸エ
    ステル類および/または芳香族エステル類が付着してい
    ることを特徴とする請求項11または12のいずれかに
    記載のポリプロピレンテレフタレート仮撚糸。
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