JP2003201062A - ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2003201062A
JP2003201062A JP2002000378A JP2002000378A JP2003201062A JP 2003201062 A JP2003201062 A JP 2003201062A JP 2002000378 A JP2002000378 A JP 2002000378A JP 2002000378 A JP2002000378 A JP 2002000378A JP 2003201062 A JP2003201062 A JP 2003201062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
package
multifilament
polyester
rotating roller
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002000378A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Kikuchi
勝志 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2002000378A priority Critical patent/JP2003201062A/ja
Publication of JP2003201062A publication Critical patent/JP2003201062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filamentary Materials, Packages, And Safety Devices Therefor (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保管経時後延伸仮撚を行っても断糸、毛羽の
発生が少なく、優れた品質の延伸仮撚加工糸を得ること
ができるポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラ
メントパッケージを提供すること。 【解決手段】 複屈折率が0.040〜0.060、温
水収縮率が3〜30%のポリトリメチレンテレフタレー
トマルチフィラメントからなり、チーズ状パッケージの
耳高率が3%以下、耳高変化率が20%以下であるポリ
エステルマルチフィラメントパッケージ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリトリメチレン
テレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメン
トがチーズ状に捲かれたパッケージに関する。さらに詳
しくは、経時による形質変動が少なく、延伸仮撚加工に
おける工程通過性に優れたポリトリメチレンテレフタレ
ートからなるマルチフィラメントパッケージおよびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリトリメチレンテレフタレート繊維は
伸長弾性回復率が優れ、ヤング率が低く、易染性であり
ながら、化学的にも安定していることから、衣料用途で
ストレッチ素材等に広く使用されつつある。
【0003】このようなポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維の製造方法は、溶融紡糸後一旦捲き取った未延伸
糸を延伸する、あるいは、高速で捲き取った高配向糸
(以下POYと称する)を延伸同時仮撚(以下延伸仮撚
と称する)する方法が一般的である。
【0004】しかしながら、ポリトリメチレンテレフタ
レートは30〜50℃という低いガラス転移温度ゆえに
比較的配向が高いPOYであっても、製造工程内等の低
温度雰囲気でも分子運動が盛んなため、いわゆる経時変
化が進行しやすい。すなわち、紡糸捲き取りされたポリ
トリメチレンテレフタレートマルチフィラメントパッケ
ージは、経時とともに延伸仮撚加工における工程通過性
が低下し、また得られたポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維は品質斑の多いものとなる。
【0005】さらに、ポリトリメチレンテレフタレート
は弾性回復率が高いために、紡糸捲き取り時の応力が緩
和されずに残りやすく、そのパッケージは経時に伴い捲
き締めを受けて歪むという問題がある。従来、このよう
な紡糸捲き取りされたポリトリメチレンテレフタレート
マルチフィラメントパッケージの経時変化を改善するい
くつかの試みがなされている。例えば、特開昭58−1
04216号公報には、ポリトリメチレンテレフタレー
トを紡糸速度2000m/min以上で溶融紡糸し、複
屈折率が0.035以上の未延伸糸として、未延伸ポリ
トリメチレンテレフタレートマルチフィラメントの経時
安定性を向上させる方法が開示されている。しかしなが
ら、このような速度で単に紡糸したのみの未延伸ポリト
リメチレンテレフタレートマルチフィラメントでは、数
時間の間に捲き締めによるパッケージの歪みおよびマル
チフィラメント自体の構造変化が発生し、延伸仮撚加工
の工程通過性が経時と共に悪くなり、また得られた延伸
仮撚加工糸は毛羽、染斑などが多い不良品となる。
【0006】また特開平11−302919号公報に
は、溶融紡糸後急冷したポリトリメチレンテレフタレー
トマルチフィラメントを40〜70℃に加熱した第一ロ
ーラーと120〜160℃に加熱した第2ローラーの間
で延伸するか、または、溶融紡糸後急冷したポリトリメ
チレンテレフタレートマルチフィラメントを延伸するこ
となく捲き取るに際し、捲き取る前にマルチフィラメン
トを(ポリマーのガラス転移温度+20℃)以下に急冷
することによりマルチフィラメントの経時変化を軽減
し、バルジ率が10%未満のポリトリメチレンテレフタ
レートチーズ状パッケージを得る方法が開示されてい
る。しかしながら、このようにして得られたポリトリメ
チレンテレフタレートマルチフィラメントは、前者では
POYの範疇を超えた延伸糸であるため、延伸仮撚加工
に供しても十分な延伸倍率がとれず、好ましい捲縮性能
を有する延伸仮撚加工糸を得ることができない。一方後
者では、POYの範疇には入るものの、その経時変化抑
制効果は未だ不十分である。
【0007】さらに、特開2001−64824号公報
には、紡糸速度2500〜4500m/minで引き取
りつつ熱処理を施して捲き取ることにより、経時変化が
改善された高配向未延伸ポリトリメチレンテレフタレー
トマルチフィラメントを得る方法が開示されている。た
しかに紡糸引き取りつつ熱処理することによって、該ポ
リトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント自体
の構造は経時変化が起こりにくいものに改善されるもの
の、パッケージは端面の盛り上がり(以下耳高と称す
る)が経時と共に変化して品質斑が発生するという問題
がある。
【0008】また特開2001−20136号公報に
は、溶融紡糸後急冷したポリトリメチレンテレフタレー
トマルチフィラメントを50〜170℃で熱処理を行っ
た後、0.02〜0.20g/dの捲き取り張力にて2
000〜4000m/minの速度で捲き取る方法が開
示されている。確かにこの方法によれば、得られるパッ
ケージは耳高が少なく、パッケージを構成するポリトリ
メチレンテレフタレートマルチフィラメントも、短時日
で観察する限りにおいては経時変化が少なくなってい
る。しかしながら、経時条件によっては、捲き取り後1
週間程度の期間でもパッケージの耳高が進行し、延伸仮
撚加工における工程通過性が悪くなったり、得られた延
伸仮撚加工糸に毛羽、染斑などが多発するという現象が
しばしば認められるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、捲き取り後パ
ッケージ耳部の経時変化が少なく、延伸仮撚加工におけ
る工程通過性に優れ、良好な品質の延伸仮撚加工糸を安
定して得ることができる、ポリトリメチレンテレフタレ
ートからなるポリエステルマルチフィラメントパッケー
ジおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究によれ
ば、上記課題は、全繰返し単位の90モル%以上がトリ
メチレンテレフタレート単位であるポリエステルからな
る、複屈折率が0.040〜0.060、温水収縮率が
3〜30%のマルチフィラメントが捲き付けられたチー
ズ状パッケージであって、下記(1)〜(2)を同時に
満足することを特徴とするポリエステルマルチフィラメ
ントパッケージ、 (1)パッケージの耳高率が3%以下 (2)パッケージの耳高変化率が20%以下 および、全繰返し単位の90モル%以上がトリメチレン
テレフタレート単位であるポリエステルを溶融紡糸する
に際し、溶融紡出されたポリエステルを冷却固化し、回
転ローラー1を介して2000〜3200m/minの
速度で引き取り、引き続き延伸することなく70〜12
0℃に加熱された回転ローラー2で熱処理を施し、次い
で非加熱の回転ローラー3で冷却した後チーズ状に捲き
取ることを特徴とするポリエステルマルチフィラメント
パッケージの製造方法、により達成できることが見出さ
れた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について詳
細に説明する。本発明のポリエステルマルチフィラメン
トパッケージは、そのマルチフィラメントを構成するポ
リマー成分が、全繰返し単位の90モル%以上がトリメ
チレンテレフタレート単位で構成されているポリエステ
ルからなっているものを対象とする。
【0012】かかるポリエステルには、全酸成分を基準
として10モル%以下、好ましくは5モル%以下の割合
で他の成分が共重合されていてもかまわない。好ましく
用いられる共重合成分としては、酸成分としてフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸な
どを例示することができ、また、グリコール成分として
エチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ビスフェノールA、2,2−ビス{4−
(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンなどを
例示することができる。
【0013】なお、かかるポリエステルには、各種の添
加剤、例えば、酸化チタンなどの艶消し剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤などが必要に応じて含まれていてもよい。
またかかるポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェ
ノールを溶媒として35℃で測定)は0.4〜1.5の
範囲、特に0.7〜1.2の範囲が好ましい。
【0014】上記ポリエステルからなる本発明のポリエ
ステルマルチフィラメントは、複屈折率が0.040〜
0.060、温水収縮率(65℃温水中に30分間浸漬
処理)が3〜30%である必要がある。該複屈折率が
0.040未満の場合には、室温状態でも容易に分子運
動が起こるため、マルチフィラメントの経時変化が極め
て速く進行し、延伸仮撚加工工程で毛羽や断糸が極めて
多く発生するようになるだけでなく、延伸仮撚加工糸の
染斑も多くなるので好ましくない。一方、複屈折率が
0.060を越える場合には、延伸仮撚加工時に十分な
延伸倍率をとることができず、延伸仮撚加工糸とは異な
る加工糸しか得ることができなくなる。なお、より好ま
しい複屈折率の範囲は0.45〜0.55である。
【0015】また、温水収縮率が30%を超える場合で
も、室温状態で容易に分子運動が起こるため、該マルチ
フィラメントの経時変化が極めて速く進行し、延伸仮撚
加工工程で毛羽や断糸が極めて多く発生するようになる
だけでなく、延伸仮撚加工糸の染斑も多くなるので好ま
しくない、温水収縮率はできるだけ低くすることが好ま
しく、20%以下がより好ましい。しかしながら、あま
りに低くしすぎると延伸仮撚加工時に施される熱処理に
より断糸が発生しやすくなるので、3%未満とすること
は避けねばならない。
【0016】本発明のポリエステルマルチフィラメント
パッケージは、上記のマルチフィラメントが、下記
(1)〜(2)を同時に満足するようチーズ状に捲き付
けられていることが肝要である。 (1)パッケージの耳高率が3%以下 (2)パッケージの耳高変化率が20%以下 ここで耳高とは、図1においてパッケージ端部の最大捲
径(Dmax)とパッケージの最小捲径(Dmin)の
差(Dmax−Dmin)をいい、耳高率(%)とは
[(Dmax−Dmin)/Dmin]×100をい
う。また耳高変化率とは、捲き取り直後のパッケージの
耳高(Hb0)と該パッケージを室温(約27℃)で1
週間保持した後の耳高(Hb7)とから、下記式で計算
したものをいう。 耳高変化率(%)=[(Hb7−Hb0)/Hb0]×
100
【0017】該パッケージの耳高率が3%を超える場合
は、延伸仮撚加工工程でパッケージからマルチフィラメ
ントが解舒されるとき、パッケージ端部の耳部に引っか
かり易く、延伸仮撚張力の変動を誘発し、しばしば断糸
となる。また、捲き取り直後でも、パッケージ端部と中
央部とのマルチフィラメントにかかる応力が異なるた
め、端部と中央部とのマルチフィラメントが潜在的に不
均質となっている。なお、耳高率が2%以下のパッケー
ジはより好ましいものとなる。
【0018】捲き取り直後のパッケージの耳高率が3%
以下であっても、耳高変化率が20%を超える場合に
は、パッケージ端部と中央部とのマルチフィラメントの
構造差が経時と共に大きくなるため、延伸仮撚張力の変
動による断糸が多発しやすくなり、また得られた延伸仮
撚加工糸も毛羽、染斑の多い品質不良品となるので好ま
しくない。なお、耳高変化率が10%以下のパッケージ
はより好ましいものとなる。
【0019】なお、本発明にかかるマルチフィラメント
の単糸断面形状は特に限定されるものではなく、円形、
三角形、扁平、3〜8の多葉形、中空など用途目的に合
わせて適宣選択することができる。
【0020】以上に説明した本発明のポリエステルマル
チフィラメントパッケージは、例えば以下の方法により
製造することができる。すなわち、全繰返し単位の90
モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなる
ポリエステルペレットを常法で乾燥し、スクリュー押出
機などを備えた溶融紡糸装置で溶融後、公知の紡糸口金
を介して吐出し、溶融ポリマー流に冷却風を吹き付けて
冷却固化し、必要に応じて所望の油剤エマルジョンを付
与した後、回転ローラー1、例えばゴデットローラーを
介して2000〜3200m/min、好ましくは24
00〜2800m/minの速度で引き取る。
【0021】ここで、引取速度が2000m/min未
満の場合には、得られるポリエステルマルチフィラメン
トの複屈折率が0.040未満となり、一方、引取速度
が3200m/minを越える場合には、0.060を
超えるので好ましくない。なお、回転ローラー1は温度
があまりに高くなりすぎると断糸しやすくなるので、実
質的に非加熱のローラーが望ましい。
【0022】引取られたマルチフィラメントは、引き続
いて延伸することなく、70〜120℃、好ましくは8
0〜110℃に加熱された回転ローラー2で熱処理を施
す必要がある。該ローラー温度が70℃未満の場合は、
得られるポリエステルマルチフィラメントの温水収縮率
が30%を超えるだけでなく、パッケージの耳高変化率
も20%を超えるようになるので好ましくない。逆に1
20℃を超える場合には、温水収縮率が3%未満となる
だけでなく、回転ローラー2と後述する回転ローラー3
との間での糸条張力の変動が激しくなって正常な形状の
パッケージを得ることが困難となると共に、回転ローラ
ー2上の糸条揺れによる断糸も発生しやすくなって紡糸
安定性が低下するので好ましくない。
【0023】なお、回転ローラー2での熱処理に際して
は、マルチフィラメントの繊度、走行速度、回転ローラ
ー2の径、温度などに応じて、マルチフィラメントをセ
パレータを介して回転ローラー2に5〜8回ターンさせ
るのが好ましい。また、熱処理時には、本発明の目的を
阻害しない範囲内でマルチフィラメント弛緩または伸長
してもよいが、実質的に定長で熱処理するのが好まし
い。
【0024】本発明においては、上記のように熱処理さ
れたマルチフィラメントを、一旦非加熱の回転ローラー
3で冷却した後にチーズ状に捲き取ることが大切であ
る。ここで非加熱の回転ローラー3を介さずに加熱され
た回転ローラー2から直接走行糸条をワインダーへ供給
すると、糸条張力が変動したり、糸たるみが発生したり
して、安定してパッケージを形成することが困難とな
る。
【0025】なお、GR1とGR2の間に空気交絡装置
を設置し、糸条に0.5〜20個/m程度の交絡を付与
すると、延伸仮撚加工に供する際の工程通過性がより良
くなるので好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で
測定した。
【0027】(1)紡糸断糸率(%) 人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、紡糸
機運転中に発生した紡糸断糸回数を記録し下記式で紡糸
断糸率(%)を計算した。 紡糸断糸率(%)=[断糸回数/(稼動ワインダー数×
ドッフ数)]×100 ここで、ドッフ数とはパッケージを規定量まで捲き取っ
た回数をいい、ワインダーは4錘取りワインダーとす
る。
【0028】(2)耳高率(%) 10kg捲パッケージについて、端部付近の最大捲径
(Dmax(mm))と中央部付近の最小捲径(Dmi
n(mm))とを測定し、その差を耳高(Hb(mm)
=Dmax−Dmin)と定義し、下記式で計算した。 耳高率(%)=Hb/Dmin×100 (3)耳高変化率 10kg捲パッケージについて、捲き取り直後のパッケ
ージの耳高(Hb0)と該パッケージを室温(約27
℃)で1週間保持した後の耳高(Hb7)測定値から下
記式で計算した。 耳高変化率(%)=[(Hb7−Hb0)/Hb0]×
100
【0029】(4)複屈折率 光学顕微鏡とコンペンセーターを用いて、繊維の表面に
観察される偏光のリターデーションから求めた。
【0030】(5)温水収縮率(%) 枠周1.125mの検尺機を用い、0.27cN/dt
exの初荷重をかけ120回/minの速度で捲き返
し、捲き数40回の小カセをつくり、初荷重の20倍の
荷重をかけてカセ長L0(mm)を測る。次に荷重をは
ずし、試料を65℃の温水中に30分間浸漬した後取り
出し、自然乾燥し再び初荷重の20倍の荷重をかけてカ
セ長L1(mm)を測り次の式により温水収縮率を算出
した。 温水収縮率(%)=(L0−L1)/L0×100
【0031】(6)交絡数(個/m) 帝人エンジニアリング株式会社製YT−2型インターレ
ース測定器を使用し、ポリトリメチレンテレフタレート
マルチフィラメント試料10mを測定モード3で交絡数
を測定した。
【0032】(7)延伸仮撚断糸率 人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、延伸
仮撚機運転中に発生した断糸回数を記録し下記式で延伸
仮撚断糸率(%)を計算した。 延伸仮撚断糸率(%)=[断糸回数/(稼動錘数×ドッ
フ数)]×100 ここで、ドッフ数とは仮撚加工糸パッケージを規定量ま
で捲き取った回数をいう。
【0033】(8)毛羽個数(個/104m) 東レ(株)製DT−104型毛羽カウンター装置を用い
て、延伸仮撚加工糸を500m/minの速度で20分
間連続測定して発生毛羽数をカウントした。
【0034】(9)染斑 延伸仮撚加工糸約40mを筒編として、水洗いを5分施
し、サンプルの2%の割合でテラトップブルー(チバ・
スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)を用い、染色
浴槽液の0.2%の割合でポリエスカDS(辰洋化学工
業(株)製)を助剤として40℃、10分で放置した
後、30分かけて100℃まで昇温、100℃、30分
で染色した。10分間乾燥後、この染色筒編の染斑を検
査員が目視判定し下記基準で格付けした。 レベル1: 筋状、斑点状の斑が無く全体的に均一な染
め上がり。 レベル2: 筋状、斑点状の斑が少し認められるが良品
として許容範囲。 レベル3: 強い筋状あるいは大きな斑点状の染め斑が
多く認められる。
【0035】[実施例1〜3]ο−クロロフェノールに
て35℃で測定した固有粘度1.05のポリトリメチレ
ンテレフタレートペレットを140℃で5時間乾燥した
後、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸設備にて溶
融し、255℃のスピンブロックに導入し、孔径0.3
5mmの吐出孔が同心円状に48個配列してある紡糸口
金(図2の5)から、各例ごとに表1に示す流量で吐出
した。吐出された溶融ポリマー流を、クロスフロー式の
送風筒(図2の6)から噴出される空気流で冷却・固化
し、紡糸口金から80cm下方に設置されたノズル式給
油装置(図2の7)で、給油しつつ集束し、エアーノズ
ル(図2の9)で交絡処理を施した後に各例ごとに表1
に示す表面速度で回転している回転ローラー1(GR
1:図2の8)で引き取り、各々実施例毎に表1に示す
温度に加熱された回転ローラー2(GR2:図2の1
0)に、セパレーター(図2の11)を介して、7ター
ンさせ乾熱処理を施し、次いで積極的に加熱していない
非加熱回転ローラー3(GR3:図2の12)上を走行
させ、各例ごとに表1に示す捲取速度でワインダー(図
2の13)によって10kgのポリトリメチレンテレフ
タレートマルチフィラメントパッケージ(図2の14)
として捲き取った。この時の紡糸断糸率、ポリトリメチ
レンテレフタレートマルチフィラメントの物性、パッケ
ージの耳高率および耳高変化率を、まとめて表2に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】また、1週間保管したパッケージを、直径
45mmのウレタンディスクを仮撚具として装備したス
クラッグ社製SDS−8型延伸仮撚加工機にて表3に示
す延伸仮撚条件で、10kg捲パッケージから2.5k
g捲仮撚加工糸パッケージを4個作成する方法で運転
し、各々表4に示す特性の延伸仮撚加工糸を得た。ま
た、延伸仮撚断糸率、毛羽個数および染斑は各々表4に
示す結果であった。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】[比較例1]GR2が加熱されていない以
外は実施例1と同じ条件で10kgのポリトリメチレン
テレフタレートマルチフィラメントパッケージ捲き取っ
た。この時の紡糸断糸率、ポリトリメチレンテレフタレ
ートマルチフィラメントの物性およびパッケージの耳高
率まとめて表2に示す。さらにこのパッケージを実施例
1と同じ条件で保管し、実施例1と同じ仮撚具および延
伸仮撚加工機を用い表3に示す条件にて延伸仮撚を行っ
た。パッケージの耳高変化率、延伸仮撚加工糸特性、延
伸仮撚断糸率、毛羽個数および染斑結果をまとめて表3
に示す。
【0042】[比較例2]GR3を使用せずにGR2通
過後の糸条を直接ワインダー捲き取る以外は実施例と同
じ条件、方法で10kgのポリトリメチレンテレフタレ
ートマルチフィラメントパッケージの捲き取りを試み
た。しかしながらこの方法では捲き取り糸条張力が大き
く変動し、糸たるみが発生し、安定して10kgパッケ
ージを得ることができなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリトリメチレンテレフタレー
トマルチフィラメントパッケージは、経時による品質変
動が抑制されているため、延伸仮撚加工前の経時が変動
しても延伸仮撚加工時における工程通過性が低下しがた
く、また、得られる延伸仮撚加工糸も毛羽の発生が少な
くなり、かつ染斑の少ない優れた品質の延伸仮撚加工糸
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッケージの耳高を説明するための模式図。
【図2】本発明で用いられる溶融紡糸装置の1実施態様
を示した工程模式図。
【符号の説明】
1、14:パッケージ 2 :紙管 3 :パッケージの最小捲径(Dmin) 4 :パッケージ端部の最大捲径(Dmax) 5 :紡糸口金 6 :送風筒 7 :給油装置 8 :回転ローラー1 9 :エアーノズル 10 :回転ローラー2 11 :セパレーター 12 :回転ローラー3 13 :ワインダー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全繰返し単位の90モル%以上がトリメ
    チレンテレフタレート単位であるポリエステルからな
    る、複屈折率が0.040〜0.060、温水収縮率が
    3〜30%のマルチフィラメントが捲き付けられたチー
    ズ状パッケージであって、下記(1)〜(2)を同時に
    満足することを特徴とするポリエステルマルチフィラメ
    ントパッケージ。 (1)パッケージの耳高率が3%以下 (2)パッケージの耳高変化率が20%以下
  2. 【請求項2】 全繰返し単位の90モル%以上がトリメ
    チレンテレフタレート単位であるポリエステルを溶融紡
    糸するに際し、溶融紡出されたポリエステルを冷却固化
    し、回転ローラー1を介して2000〜3200m/m
    inの速度で引き取り、引き続き延伸することなく70
    〜120℃に加熱された回転ローラー2で熱処理を施
    し、次いで非加熱の回転ローラー3で冷却した後チーズ
    状に捲き取ることを特徴とするポリエステルマルチフィ
    ラメントパッケージの製造方法。
  3. 【請求項3】 非加熱の回転ローラー1と加熱された回
    転ローラー2との間で交絡度1個/m以上の交絡処理を
    施す請求項2記載のポリエステルマルチフィラメントパ
    ッケージの製造方法。
JP2002000378A 2002-01-07 2002-01-07 ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法 Pending JP2003201062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000378A JP2003201062A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000378A JP2003201062A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003201062A true JP2003201062A (ja) 2003-07-15

Family

ID=27640788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002000378A Pending JP2003201062A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003201062A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007524764A (ja) * 2003-02-05 2007-08-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 紡糸アニールしたポリ(トリメチレンテレフタレート)糸

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007524764A (ja) * 2003-02-05 2007-08-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 紡糸アニールしたポリ(トリメチレンテレフタレート)糸

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5810199B2 (ja) 部分配向ポリ(トリメチレンテレフタラート)糸
JP3827672B2 (ja) ポリエステル系複合繊維パーン
JP3484515B2 (ja) ポリプロピレンテレフタレート仮撚糸およびその製造方法
WO2003091485A1 (fr) Procede pour produire un fil multifilament extra-fin en polyester et un fil texture par fausse torsion extra-fin en polyester, fil multifilament extra-fin en polyester et fil texture par fausse torsion extra-fin en polyester
JP3241359B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート繊維
JPH11189925A (ja) 芯鞘複合繊維の製造方法
JPS584089B2 (ja) ポリエステルセンイノ セイゾウホウホウ
JP2007009341A (ja) 染色安定性及び分繊性に優れた分繊用ポリエステルマルチフィラメントの製造方法
JP3599707B2 (ja) 延伸糸パーン
JP2004124338A (ja) 細デニールポリエステル中空予備延伸糸の製造方法及びその方法から製造された細デニールポリエステル中空予備延伸糸
JP3753658B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレートマルチフィラメント糸
JP2003201062A (ja) ポリエステルマルチフィラメントパッケージおよびその製造方法
JPS584091B2 (ja) ポリエステル繊維の製造法
JP3837227B2 (ja) ポリエステル極細マルチフィラメントの直接紡糸延伸方法
JP4036617B2 (ja) 高速仮撚用延伸糸及びその製造方法
JPS5818445B2 (ja) ポリエステル繊維の製造法
JP3910038B2 (ja) 前配向糸パッケージとその製造方法
JP4059681B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の製造方法
JPH09228138A (ja) 熱可塑性繊維の製造方法およびその製造装置
JPS60128166A (ja) ポリアミド繊維の製造方法
JPH09316725A (ja) ポリエステル繊維の紡糸直接延伸装置
JP2004092007A (ja) 漁網用ポリエステル繊維およびその製造方法
JPS6143449B2 (ja)
JP2005290644A (ja) 分繊用ポリエステルマルチフィラメント、およびその製造方法
JPH0380887B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040521

A621 Written request for application examination

Effective date: 20041129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050714

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050726

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02