JP3599707B2 - 延伸糸パーン - Google Patents
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Description
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称する。)繊維の延伸糸パーン及びその製造方法に関する。
背景技術
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する。)繊維は、衣料用途に最も適した合成繊維として世界中で大量に生産されており、一大産業となっている。
一方、PTT繊維も、(A)J.Polymer Science:Polymer Physics Edition Vol.14 p263−274(1976)、及び、(B)Chemical Fibers International Vol.45,April(1995) p110−111、(C)特開昭52−5320号公報、(D)特開昭52−8123号公報、(E)特開昭52−8124号公報、(F)WO99/27168号公報等の先行文献により知られている。
上記の先行文献(A)及び(B)には、PTT繊維の応力−伸長特性についての基本特性が記載されており、PTT繊維は初期モジュラスが小さく且つ弾性回復性に優れており、衣料用途やカーペット用途などに適していることが示唆されている。先行文献(C)、(D)及び(E)には、PTT繊維の上記のような特徴を更に改良すべく、熱に対する寸法安定性を良好にして弾性回復性をいっそう向上させる方法が提案されている。また、先行文献(F)には、連続紡糸−延伸法で得られるPTT繊維であって、適切な破断伸度、熱応力、沸水収縮率を備え、編織物に使用した際に低モジュラスでソフトな風合いを発現することが可能なPTT繊維が提案されている。このようなPTT繊維は、インナー、アウター、スポーツ、レッグ、裏地、水着等の衣料用に好適であることが開示されている。
発明の開示
従来より、ポリアミドやポリエステル等の合成繊維の製造では、ポリマーを溶融紡糸して一旦未延伸糸を巻取った後、得られた未延伸糸を延伸してチーズやパーン形状に巻き取る方法が知られている。このような2段階方式で巻き取られた延伸糸パーンは、そのまま編織物に供するか、布帛に嵩高性や伸縮性を付与する目的で仮撚加工を施した後、編織物に供される。
延伸糸パーンを用いた仮撚加工は、パーンからの延伸糸の解舒性や仮撚時の糸切れが障害となり、加工速度が高々100m/分のピン仮撚加工法が採用されていた。
しかし近年は、加工コストの低減を目的として、ピン仮撚加工法にあっても150m/分以上の加工法や、デイスクやベルトを使用した200〜500m/分の高速仮撚加工法の採用が要求されるようになった。
本発明者らの検討によれば、これまでのPET繊維の仮撚加工とは異なり、PTT繊維の延伸糸(以下、PTT延伸糸とも表記する。)パーンからの高速仮撚加工においては、(a)解舒切れ(解舒時の糸切れ)が発生する、(b)仮撚ヒーター切れ(仮撚ヒーターでの糸切れ)が発生する、という問題があることが明らかになった。
(a)解舒切れ
PTT繊維は、延伸時に受けた延伸応力が、延伸糸パーンに巻かれた後に収縮力となって残存し、延伸糸パーンが巻き締まる。
巻き締まりを生じた延伸糸パーンは、巻き硬度が高くなり、このような延伸糸パーンから延伸糸を解舒しようとすると解舒張力が糸長方向に大きく変動し、しばしば異常に高い張力が発生して解舒切れを生じる。
(b)仮撚ヒーター切れ
PTT繊維は、仮撚加工温度の適性値がPET繊維に比べて極めて狭く、ヒーター温度150〜180℃で加工しなければならない。ヒーター温度が150℃未満では、得られる加工糸の捲縮が編織工程や染色工程でフローするなど、加工糸の捲縮性能が劣り実用に耐える加工糸が得られない。一方、ヒーター温度が180℃を越えるとヒーター上で糸切れが生じる。
従って、PTT繊維において良好な仮撚加工性を得るためには、特に、仮撚加工に供するパーンに巻かれた延伸糸の熱収縮特性を厳密に選択しなければならない。
PTT繊維の仮撚加工における上記のような課題は、PET繊維では予想し得なかったことであり、本発明者らの研究の結果明らかになったものである。したがって、前記の先行文献(A)〜(F)には、かかる仮撚加工の実用上の課題については全く記載も示唆もされていない。
本発明の課題は、解舒性が良好で、仮撚加工速度を高速化した際の仮撚切れや加工糸の毛羽発生の少ない、PTT延伸糸パーンを提供することである。
更には、2段階法によって得られるPTT延伸糸パーンであって、且つ、高速仮撚加工性に優れた延伸糸パーンを提供することである。
より具体的には、高速仮撚加工においても解舒性が良好であり、且つ、ヒーター温度が高温であっても加工時の糸切れや毛羽の発生がなく、その結果、品位の良好な加工糸を提供し得るPTT延伸糸パーン及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、延伸糸の熱収縮特性と巻硬度、更には巻き形状を所定の範囲とすることにより、解舒切れや仮撚切れを解消し、高速の仮撚加工性に優れた延伸糸パーンが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、このような延伸糸パーンは、特定の延伸条件とその延伸糸のエージング条件により好適に得られることをも見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1)95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gであり、且つ下記(1)〜(3)を満足するPTT延伸糸が、巻硬度80〜90で巻かれていることを特徴とする延伸糸パーン。
(1)熱収縮応力の応力発現開始温度が55℃以上
(2)熱収縮応力の極値温度が150〜190℃
(3)破断伸度が36〜60%
2)延伸糸の破断伸度が43〜60%である上記1記載の延伸糸パーン。
3)延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が60〜80℃で、且つ極値温度が155〜170℃であることを特徴とする上記2記載の延伸糸パーン。
4)延伸糸の熱収縮応力の極値応力が0.13〜0.21cN/dtexであり、かつ、延伸糸が巻角度15〜21度で巻かれていることを特徴とする上記1記載の延伸糸パーン。
5)延伸糸の破断伸度が43〜60%である上記4記載の延伸糸パーン。
6)延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が60〜80℃で、且つ極値温度が155〜170℃であることを特徴とする上記5記載の延伸糸パーン。
7)95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのPTTからなる未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸して延伸糸パーンを製造するにあたり、下記(1)〜(3)の要件を満足することを特徴とする延伸糸パーンの製造方法。
(1)延伸張力が0.20〜0.30cN/dtexであること
(2)パーンに巻取る際のバルーニング張力が0.03〜0.20cN/dtexであること
(3)延伸糸を25〜45℃の雰囲気中で、10日間以上エージングすること
8)パーンに巻取る際のリラックス率が、2〜5%であることを特徴とする上記7記載の延伸糸パーンの製造方法。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の延伸糸パーンの製造方法に用いる、未延伸糸を製造する紡糸機の一例を示す概略図である。
図2は、本発明の延伸糸パーンの製造方法に用いる、延伸機の一例を示す概略図である。
図3は、本発明の延伸糸パーンの製造方法に用いる、延伸ピンを採用した延伸機の一例を示す概略図である。
図4は、本発明の延伸糸パーンの一例を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の延伸糸パーンにおいては、PTT延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が55℃以上である。PTT延伸糸の熱収縮応力は、後述する熱応力測定器により測定される。
測定を室温から開始すると、従来のPTT延伸糸では通常40〜50℃より熱収縮応力が発現し始める。これに対して、本発明では、この応力発現開始温度が55℃以上である。応力発現開始温度が55℃未満では、仮撚ヒーター温度が150℃を越えると糸切れや毛羽が多発する。応力発現開始温度が55℃以上であれば、仮撚ヒーター温度が150〜180℃であっても、安定した仮撚加工が実施可能である。応力発現開始温度は高い程好ましいが、エージング時の巻形状安定性の点から、好ましくは60〜80℃、更に好ましくは65〜80℃、最も好ましくは70〜80℃である。
本発明の延伸糸パーンは、後述の方法により測定されるPTT延伸糸の熱収縮応力の極値温度が150〜190℃である。熱収縮応力の極値温度が150℃未満では、仮撚加工時にヒーター温度を150℃以上で加工すると、ヒーター上で延伸糸がタルミを生じ安定した加工が困難となる。安定した加工を実現するには、熱収縮応力の極値温度が155℃以上であることが好ましく、更に好ましくは160℃以上である。また、延伸時の熱処理による糸切れや毛羽を抑制する点から、熱収縮応力の極値温度は190℃以下であり、好ましくは155〜170℃である。
本発明の延伸糸パーンは、高速仮撚時の糸切れを解消する点から、後述の方法により測定されるPTT延伸糸の熱収縮応力の極値応力が0.13〜0.21cN/dtexであることが好ましい。
本発明の延伸糸パーンは、PTT延伸糸の破断伸度が36〜60%である。破断伸度が36%未満では、仮撚加工時のヒーター温度を150℃以上の高温にすると仮撚切れが生じる。
破断伸度が仮撚加工時の加工適性温度に大きな影響を及ぼすということは、PET繊維ではほとんど見られなかった事実であり、PTT繊維特有の現象である。従って、PET繊維の仮撚加工性に関する知見からは、PTT延伸糸の破断伸度に関して上記のような適性値があるということは、全く予想出来なかったことである。
破断伸度は大きい程、仮撚時のヒーター温度を高温で加工することができるので好ましい。しかし、破断伸度が60%を越えると、PTT延伸糸に繊度斑が生じ、仮撚加工した後もこの繊度斑が染め斑となって残存するために加工糸の品位が損なわれる。好ましい破断伸度は43〜60%、更に好ましくは45〜55%である。
本発明の延伸糸パーンは、PTT延伸糸が巻硬度80〜90でパーン形状に巻かれている。巻き硬度は、後述するビッカース硬度計で測定される値であり、数値が小さい程巻き密度が低いことを意味する。通常のパーンでは、90を越える巻き硬度で巻かれているのに対して、本発明では低い密度でパーンに巻かれている。このように低い密度でパーンに巻かれていることにより、延伸時に受けた延伸応力を緩和することが可能となり、長期間の静置によっても巻き締まりによる延伸糸の解舒性が阻害されることなく、更には、優れた熱応力特性を有する延伸糸を得ることができるものと考えられる。巻き硬度が80未満になると、輸送などの取扱時に形状が崩れるなどの障害が発生する。好ましい巻き硬度は82〜88である。
本発明の延伸糸パーンの一例を図4に示す。図4において、aはパーンのテーパー部、bはパーンの円筒部、cはパーン支持体、θはパーン支持体に対するパーンテーパー部の角度を表す。
本発明の延伸糸パーンは、高速で解舒する際に良好な解舒性を実現するために、PTT延伸糸が巻角度15〜21度で巻かれていることが好ましい。ここで、巻角度とは、図4に示す延伸糸パーンの概略図において、パーン支持体cに対するパーンのテーパー部aの角度θをいう。従来公知のPET延伸糸パーンの巻角度が23〜25度で巻かれていることと比較すると、15〜21度は極めて低い巻角度である。巻角度が15度未満では、パーンの巻質量が約1kg以下となり、経済的に不利である。巻角度が21度を越えると、パーンの巻取中またはその後の取り扱い中に巻き崩れが発生して、パーンの形状を安定に維持することが困難となる場合がある。より好ましい巻角度は18〜20度である。PTT延伸糸パーンでは、PTT延伸糸の平滑性や伸長回復性などの特性から、巻角度が解舒性に大きな影響を与えるものと推定される。
本発明において、PTT延伸糸の繊度や単糸繊度は特に限定されないが、繊度は20〜300dtexが好ましく、単糸繊度は0.5〜20dtexが好ましく使用される。
また、PTT延伸糸には、平滑性、収束性、制電性などを付与する目的で、通常使用される仕上げ剤を0.2〜2wt%付与しても良い。
更に、解舒性や仮撚加工時の集束性を向上させる目的で、50ヶ/m以下の単糸交絡を付与しても良い。
本発明において、PTT延伸糸を構成するPTTポリマーは、95モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、5モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなる。即ち、PTTポリマーとしては、PTTホモポリマー及び5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含むPTTコポリマーを包含する。
共重合成分の代表例としては、下記のようなものが挙げられる。
酸成分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等々である。グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。また、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。これらの複数が共重合されていても良い。
また、PTT延伸糸には、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有又は共重合成分として含んでいてもよい。
本発明におけるPTT延伸糸の極限粘度は、延伸糸の強度発現と紡糸及び延伸時の糸切れ、毛羽抑制などの点から、0.7〜1.3dl/gの範囲であり、特に好ましくは0.8〜1.1dl/gである。
本発明におけるPTTポリマーの製造方法は、公知の方法を適用することができ、その代表例は、一定の極限粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の極限粘度に相当する重合度まで上げる2段階法である。
本発明のPTT延伸糸パーンは、95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのPTTからなる未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸して延伸糸パーンを製造するにあたり、下記(1)〜(3)の要件を満足することにより好適に得られる。
(1)延伸張力が0.20〜0.30cN/dtexであること
(2)パーンに巻取る際のバルーニング張力が0.03〜0.20cN/dtexであること
(3)延伸糸を20℃以上、好ましくは25〜45℃の雰囲気中で、10日間以上エージングすること
以下、本発明のPTT延伸糸パーンの製造方法の例を、図1〜図3を参照して詳述する。なお、図1、図2、図3において、1はポリマーペレット乾燥機、2は押出機、3はベンド、4はスピンヘッド、5はスピンパック、6は紡糸口金、7はマルチフィラメント、8は冷却風、9は仕上げ剤付与装置、10はゴデットロール、11はゴデットロール、12は未延伸糸パッケージ、13は供給ロール、14はホットプレート、15は延伸ロール、16は延伸糸パーン、17はトラベラーガイド、18は延伸ピンを表す。
図1に示すように、まず、乾燥機1により30ppm以下の水分率までに乾燥されたPTTペレットを、255〜265℃の温度に設定された押出機2に供給して溶融する。溶融されたPTTは、その後、ベンド3を経て250〜265℃に設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計量される。次いで、スピンパック5に装着された複数の孔を有する紡糸口金6を経て、マルチフィラメント7として紡糸チャンバー内に押し出される。押出機2及びスピンヘッド4の温度は、PTTペレットの極限粘度や形状によって上記範囲から最適なものを選ぶ。
紡糸チャンバー内に押し出されたPTTのマルチフィラメント7は、冷却風8によって室温まで冷却されつつ所定の速度で回転する引取ゴデットロール10、11によって細化されて、固化し、所定の繊度の未延伸糸パッケージ12として巻き取られる。なお、未延伸糸は、引取ゴデットロール10に接する前に、仕上げ剤付与装置9によって仕上げ剤が付与され、引取ゴデットロール11を出た後、巻取機によって、未延伸糸パッケージ12として巻き取られる。
本発明の製造方法において、未延伸糸に付与する仕上げ剤は、水系エマルジョンタイプが好ましく使用される。仕上げ剤の水系エマルジョンの濃度は15wt%以上が好ましく、さらに好ましくは20〜35wt%が採用される。
未延伸糸の製造においては、巻取速度を3000m/分以下で巻き取ることが好ましい。より好ましい巻取速度は1000〜2000m/分であり、更に好ましくは1200〜1800m/分である。
次に、未延伸糸は延伸工程に供給され、図2または図3のような延伸機で延伸される。延伸工程に供給するまでの間、未延伸糸の保存環境は、雰囲気温度を10〜25℃、相対湿度75〜100%に保っておくことが好ましい。また、延伸機上の未延伸糸は、延伸中を通してこの温度、湿度に保持することが好ましい。
図2に示すように、延伸機では、まず未延伸糸パッケージ12は45〜65℃に設定された供給ロール13上で加熱され、供給ロール13と延伸ロール15との周速度比を利用して所定の繊度まで延伸される。繊維は延伸後あるいは延伸中に、100〜150℃に設定されたホットプレート14に接触しながら走行し、緊張熱処理を受ける。延伸ロール15を出た繊維はスピンドルによって撚りをかけられながら、延伸糸パーン16として巻取られる。ここで、供給ロール13の温度は50〜60℃が好ましく、更に好ましくは52〜58℃である。
供給ロール13と延伸ロール15との速度比(即ち、延伸比)及びホットプレート温度は、延伸張力が0.2〜0.30cN/dtexとなるように設定する。延伸張力が0.2cN/dtex未満では、延伸糸の破断伸度が60%を越え、本発明の目的が達成できない。延伸張力が0.30cN/dtexを越えると、延伸糸の破断伸度が36%未満となり、本発明の目的が達成できない。
なお、延伸工程では、必要に応じて図3に示すような延伸機を用いて延伸を行うことも出来る。図3に示す延伸機は、供給ロール13とホットプレート14の間に延伸ピン18が設けられている。この場合、供給ロール13の温度は、好ましくは50〜60℃、より好ましくは52〜58℃になるように、出来るだけ厳密に管理することが望ましい。
延伸ロール15を出た延伸糸は、トラベラーガイド17によりバルーンを形成しつつ延伸糸パーン16に巻き取られる。この際のバルーニング張力は、スピンドルの回転により糸に生じる遠心力であり、延伸糸の質量、トラベラーガイドの質量、延伸糸を保持するスピンドルの回転数により決定される。
本発明の製造方法においては、バルーニング張力を0.03〜0.20cN/dtexとする。バルーニング張力が0.20cN/dtexを越えると、延伸糸パーンの巻き密度が高くなり、その結果、パーン中での延伸糸の緩和が不十分となるので、延伸糸の熱収縮応力測定における応力発現開始温度や極値温度を本発明の範囲内とすることが困難となる。
バルーニング張力は低い程好ましいが、0.03cN/dtex未満ではパーンの形状の乱れなどがしばしば生じる。バルーニング張力の好まし範囲は0.05〜0.17cN/dtexである。
このように低いバルーニング張力を安定して得るためには、延伸ロール15からパーンに巻取るまでのリラックス率を、2〜5%とすることが好ましい。リラックス率がこの範囲であると、バルーニング張力が0.03〜0.20cN/dtexとなり、巻硬度が80〜90となる。なお、従来のPET繊維の場合、リラックス率は1%以下である。
巻角度は、パーンの巻量と延伸機のトラバースの巻幅を調整することにより設定される。具体的には、延伸機のトラバースの巻幅調整は、延伸機のリングレール計数制御装置に組み込まれた「デジスイッチ」のカウント入力で調整する。
本発明の製造方法においては、上記のような特定の条件で製造された延伸糸を、25〜45℃の雰囲気中で10日間以上エージングする。かかる特定の条件でエージングすることにより、延伸糸パーンの巻き形状が崩れることなく、また、低い巻き密度でパーンに巻かれた延伸糸は緩和されて、本発明で規定する熱収縮特性の糸となり、優れた仮撚加工性を有する延伸糸となる。エージングの雰囲気温度と期間は、30〜40℃で2日間以上であることが好ましい。
延伸糸の仮撚加工としては、一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー仮撚タイプ等の加工方法が採用される。仮撚ヒーターは、1ヒーター仮撚、2ヒーター仮撚のいずれであっても良いが、高いストレッチ性を得るためには1ヒーター仮撚の方が好ましい。
仮撚ヒーター温度は、第1ヒーターの出口直後の糸温度が、好ましくは130〜200℃、より好ましくは150〜180℃、特に好ましくは160〜180℃になるように仮撚ヒーター温度を設定することが好ましい。
1ヒーター仮撚によって得られる仮撚加工糸の伸縮伸長率は100〜300%が好ましく、伸縮弾性率は80%以上であることが好ましい。
また、必要に応じて第2ヒーターで熱セットして、2ヒーター仮撚加工糸としても良い。第2ヒーターの温度は100〜210℃が好ましく、さらに、第1ヒーター出口直後の糸温度に対して−30℃〜+50℃の範囲とするのが好ましい。
第2ヒーター内のオーバーフィード率(第2オーバーフィード率)は+3%〜+30%とするのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例により限定されるものではない。
なお、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
式中、ηrは、純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解したPTTポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはポリマー濃度(g/100ml)である。
(2)破断伸度
JIS−L−1013に基づいて測定した。
(3)熱収縮応力の応力発現開始温度、極値温度、極値応力
熱応力測定装置(例えば、カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2)を用いて測定する。延伸糸を20cmの長さに切り取り、これの両端を結んで輪を作り測定器に装填する。初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で測定し、熱収縮応力の温度変化をチャートに記録する。
記録されたチャートより、熱収縮応力が発現開始する温度を応力発現開始温度とする。熱収縮応力は高温域で山型の曲線を描くが、この熱収縮応力のピーク値を示す温度を極値温度、またこの応力のピーク値を極値応力とする。
(4)仮撚加工糸の伸縮伸長率、伸縮弾性率
JIS−L−1090 伸縮性試験方法(A法)に準じて測定した。
(5)延伸張力
延伸張力の測定は、張力計として、ROTHSCHILD Mini Tens R-046(Zellweger Uster 社製、Mini Tens:型式R-46)を用い、延伸工程の熱処理装置の近傍(例えば、図2では供給ロール13とホットプレート14の間、図3では延伸ピン18とホットプレート14の間で測定する。)を走行する糸に掛かる張力T1(cN)を測定し、延伸後の糸の繊度D(dtex)で除して求めた。
延伸張力(cN/dtex)=T1/D
(6)バルーニング張力
延伸張力の測定と同様にして、延伸工程での延伸ロールとパーンの間、例えば、図3では延伸ロール15とトラベラーガイド17により形成されるバルーンの張力T2(cN)を測定し、延伸後の糸の繊度D(dtex)で除して求めた。
バルーニング張力(cN/dtex)=T2/D
(7)硬度
延伸糸パーンの硬度の測定は、硬度計(テクロック社(株)製、GCタイプ−A)を用い、延伸糸パーンの円筒部の表面を上下方向に4等分、円周方向に90度ごとに4等分、合計16箇所の硬度を測定し、その平均値を硬度とした。
(8)解舒性、仮撚加工性
下記条件で仮撚加工を行い、144錘/台で仮撚加工を連続して実施した際の1日当たりの糸切れ回数を測定し、解舒性、仮撚加工性を評価した。
仮撚加工機:村田機械製作所(株)製、33H仮撚機(ベルトタイプ)
仮撚条件:糸速度;500m/分
仮撚数;3230T/m
第1フィード率;−1%
第1ヒーター温度;170℃
1)解舒性
延伸糸パーンからフィードローラー入り口までの間において糸切れした回数を測定し、以下の基準に基づき測定した。
◎:解舒切れ回数が10回/日・台未満で非常に良好
○:解舒切れ回数が10〜30回/日・台で良好
×:解舒切れ回数が30回/日・台を越え、工業的生産が困難
2)仮撚加工性
フィードローラー以降、仮撚ヒーター中で糸切れした回数を測定し、以下の基準に基づき判定した。
◎:糸切れ回数が10回/日・台未満で非常に良好
○:糸切れ回数が10〜30回/日・台で良好
×:糸切れ回数が30回/日・台を越え、工業的生産が困難
(9)加工糸の染品位
加工糸の染品位を、熟練者により判定した。
◎:非常に良好
○:良好
×:染め筋があり不良
(10)総合評価
仮撚時の解舒性、加工性、及び加工糸の染品位の全てについて、以下の基準に基づき判定した。
◎:解舒性、加工性及び染品位ともに全てが非常に良好
○:解舒性、加工性及び染品位のいずれかが非常に良好または良好であり、不良はない。
×:解舒性、加工性及び染品位のいずれかが不良
〔実施例1〜4、比較例1及び2〕
本実施例及び比較例では、バルーニング張力と、延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が、加工性に及ぼす効果について説明する。
酸化チタンを0.4wt%含む極限粘度0.91dl/gのPTTペレットを、図1及び図3に示すような紡糸機及び延伸機を用いて、84dtex/36フィラメントのPTT延伸糸を製造した。
本実施例及び比較例における紡糸条件及び延伸条件は、以下の通りである。
(紡糸条件)
ペレット乾燥温度及び到達水分率:110℃、25ppm
押出機温度 :260℃
スピンヘッド温度:265℃
紡糸口金孔径 :0.40mm
ポリマー吐出量 :28.0g/分
冷却風条件 :温度;22℃、相対湿度;90%
速度;0.5m/秒
引取速度 :1500m/分
(未延伸糸)
繊度 :131.1dtex
複屈折率:0.024
巻量 :6.2kg/1ボビン
(延伸条件)
供給ロール温度 :55℃
延伸ピン :有り
ホットプレート温度:130℃
延伸ロール温度 :非加熱(室温)
延伸比 :2.3倍
延伸張力 :0.25cN/dtex
リラックス率 :2.6%
巻取速度 :800m/分
巻量 :2.5kg/1パーン
(延伸糸)
繊度 :83.2dtex
破断強度 :3.5cN/dtex
破断伸度 :45%
沸水収縮率 :13.1%
パーン巻角度:19度
パーン巻硬度:表1に示すとおり
延伸糸の巻取に当たり、トラベラーガイドとスピンドル回転数を変化させてバルーニング張力を表1に示すように異ならせた。
得られた、延伸糸パーンを、温度30℃、相対湿度65%の恒温室で30日間エージングした。
エージング後の延伸糸および延伸糸パーンの物性、仮撚加工時の解舒性及び仮撚加工性を表1に示す。
(仮撚加工糸物性)
繊度 :84.5dtex
破断強度 :3.3cN/dtex
破断伸度 :42%
伸縮伸長率:192%
伸縮弾性率:88%
表1から明らかなように、バルーニング張力が本発明の範囲内であれば、良好な解舒性と仮撚加工性が達成される。また、得られた加工糸の染品位は、斑がなく良好であった。また、加工糸の捲縮特性も良好であった。
バルーニング張力が本発明の範囲外で、張力が低い場合には、巻取中にパーンに巻崩れが生じて延伸を中断せざるを得なかった。一方、バルーニング張力が0.30cN/dtexと高い場合には、巻き硬度が高く、解舒切れや仮撚切れが多発した。
〔実施例5〜8、比較例3及び4〕
本実施例及び比較例では、延伸張力と破断伸度が仮撚加工性に及ぼす効果について説明する。
実施例1と同様にして紡糸及び延伸を行った。但し、本実施例及び比較実施例における紡糸条件及び延伸条件は、以下の通りである。
(紡糸条件)
ペレット乾燥温度及び到達水分率:110℃、25ppm
押出機温度 :260℃
スピンヘッド温度:265℃
紡糸口金孔径 :0.40mm
ポリマー吐出量 :延伸糸の繊度が84dtexとなるように調整
冷却風条件 :温度;22℃、相対湿度;90%
速度;0.5m/秒
引取速度 :1500m/分
(延伸条件)
供給ロール温度 :55℃
延伸ピン :有り
ホットプレート温度:130℃
延伸ロール温度 :非加熱(室温)
延伸比 :延伸張力が表2の値になるように調整
バルーニング張力 :0.08cN/dtex
巻取速度 :800m/分
巻量 :2.5kg/1パーン
(延伸パーン)
パーン巻角度:19度
パーン巻硬度:表2に示すとおり
延伸にあたっては、延伸張力が表2に示す値となるように延伸倍率を異ならせた。
得られた、延伸糸パーンを、温度30℃、相対湿度65%の恒温室で30日間エージングした後、仮撚加工を行った。
エージング後の延伸糸および延伸糸パーンの物性、仮撚加工時の解舒性及び仮撚加工性を表2に示す。
表2から明らかなように、延伸張力が本発明の範囲内であれば、良好な解舒性、仮撚加工性及び染品位が得られた。
延伸張力が本発明の範囲外で高い場合には、解舒性、仮撚加工性が不良であった。一方、延伸張力が本発明の範囲外で低い場合には、延伸糸の破断伸度が大きく、仮撚加工性は良いものの、加工糸の染品位が不良であった。
〔実施例9〜12、比較例5〜7〕
本実施例及び比較例では、延伸糸パーンのエージング条件が仮撚加工性に及ぼす効果について説明する。
実施例6で得られた延伸糸を、延伸終了直後から表3に示す条件でエージングしたこと以外は、実施例6と同様にして行った。
エージング後の延伸糸および延伸糸パーンの物性、仮撚加工時の解舒性及び仮撚加工性を表3に示す。
表3から明らかなように、エージング条件が本発明の範囲内であれば、仮撚加工において良好な解舒性、仮撚加工性を得ることができた。
〔実施例13及び14〕
本実施例では、延伸糸パーンの巻角度が仮撚加工性に及ぼす効果について説明する。
実施例6において、延伸機のリングレール計数制御装置のデジスイッチを変更することにより、延伸糸パーンの巻角度を表4に示すように異ならせたこと以外は、実施例6と同様にして行った。
エージング後の延伸糸および延伸糸パーンの物性、仮撚加工時の解舒性及び仮撚加工性を表4に示す。
表4から明らかなように、延伸糸パーンの巻角度が本発明の範囲内であれば、良好な仮撚加工性が達成された。
産業上の利用の可能性
本発明の延伸糸パーンは、仮撚加工速度の高速化に対応可能である。また、そのPTT延伸糸は高速度での仮撚加工性に優れており、得られる加工糸は良好な捲縮特性と染品位を有し、衣料用に好適である。
本発明の延伸糸パーンの製造方法は、PTT繊維の2段階製造法、即ち、紡糸−未延伸糸巻取、それに続く延伸からなる製造方法において、延伸時の延伸張力及び巻取時のバルーニング張力、更には延伸糸を特定の条件でエージングすることを特徴とする方法であり、このような方法により仮撚加工性に優れた延伸糸を得ることができる。
Claims (8)
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gであり、且つ下記(1)〜(3)を満足するポリトリメチレンテレフタレート延伸糸が、巻硬度80〜90で巻かれていることを特徴とする延伸糸パーン。
(1)熱収縮応力の応力発現開始温度が55℃以上
(2)熱収縮応力の極値温度が150〜190℃
(3)破断伸度が36〜60% - 延伸糸の破断伸度が43〜60%である請求項1記載の延伸糸パーン。
- 延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が60〜80℃で、且つ極値温度が155〜170℃であることを特徴とする請求項2記載の延伸糸パーン。
- 延伸糸の熱収縮応力の極値応力が0.13〜0.21cN/dtexであり、かつ、延伸糸が巻角度15〜21度で巻かれていることを特徴とする請求項1記載の延伸糸パーン。
- 延伸糸の破断伸度が43〜60%である請求項4記載の延伸糸パーン。
- 延伸糸の熱収縮応力の応力発現開始温度が60〜80℃で、且つ極値温度が155〜170℃であることを特徴とする請求項5記載の延伸糸パーン。
- 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3dl/gのポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸して延伸糸パーンを製造するにあたり、下記(1)〜(3)の要件を満足することを特徴とする延伸糸パーンの製造方法。
(1)延伸張力が0.20〜0.30cN/dtexであること
(2)パーンに巻取る際のバルーニング張力が0.03〜0.20cN/dtexであること
(3)延伸糸を25〜45℃の雰囲気中で、10日間以上エージングすること - パーンに巻取る際のリラックス率が、2〜5%であることを特徴とする請求項7記載の延伸糸パーンの製造方法。
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