JP3356762B2 - リリーフバルブ機構付きテンショナ - Google Patents
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用エンジンの
タイミングベルト、または、タイミングチェーン等に適
正な張力を付与するために用いられるテンショナに関す
る。
タイミングベルト、または、タイミングチェーン等に適
正な張力を付与するために用いられるテンショナに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】エンジンのクランクシャフトとカムシャ
フトとの間で回転を伝達するタイミングベルトやタイミ
ングチェーンには、これらの走行時に生じる振動を抑止
し、かつ、適正な張力を維持するために、テンショナが
広く用いられている。図５は、このようなテンショナが
用いられているエンジンのチェーン伝動装置を示すもの
であって、テンショナ３１０は、エンジンのクランクシ
ャフト３１２で回転される駆動側スプロケット３１４
と、カムシャフト３１６に固定されている被駆動側スプ
ロケット３１８の間に掛け渡されているチェーン３２０
の弛み側でエンジン本体に取り付けられている。テンシ
ョナ３１０は、そのテンショナのハウジング３２２の前
面からプランジャ３２４が出没自在に突出しており、プ
ランジャ３２４が支軸３２６でエンジン本体側に揺動自
在に支持されているテンショナレバー３２８の揺動端近
傍の背面を押圧することにより、テンショナレバー３２
８のシュー面３３０がチェーン３２０の弛み側に摺動接
触して張力を付加している。
フトとの間で回転を伝達するタイミングベルトやタイミ
ングチェーンには、これらの走行時に生じる振動を抑止
し、かつ、適正な張力を維持するために、テンショナが
広く用いられている。図５は、このようなテンショナが
用いられているエンジンのチェーン伝動装置を示すもの
であって、テンショナ３１０は、エンジンのクランクシ
ャフト３１２で回転される駆動側スプロケット３１４
と、カムシャフト３１６に固定されている被駆動側スプ
ロケット３１８の間に掛け渡されているチェーン３２０
の弛み側でエンジン本体に取り付けられている。テンシ
ョナ３１０は、そのテンショナのハウジング３２２の前
面からプランジャ３２４が出没自在に突出しており、プ
ランジャ３２４が支軸３２６でエンジン本体側に揺動自
在に支持されているテンショナレバー３２８の揺動端近
傍の背面を押圧することにより、テンショナレバー３２
８のシュー面３３０がチェーン３２０の弛み側に摺動接
触して張力を付加している。
【０００３】特開２０００−２４０７４４号公報には、
かかるテンショナの一例が示されている。前記公報の図
１を参照すると、テンショナのハウジング内には、プラ
ンジャが摺動自在に設けられ、ハウジングとプランジャ
内部とで高圧油室が形成される。プランジャは、プラン
ジャ用ばねによって突出方向に付勢して取り付けられ、
プランジャの先端にはプラグが設けられる。ハウジング
と高圧油室との間には、高圧油室への油の流入を許し流
出を阻止するチェックボールを設けたチェックバルブ機
構が設けられる。この高圧油室内部は、常時油供給源か
ら給油路及びボールチェックバルブ機構を通過して供給
される油で満たされている。また、高圧油室と油路で連
通する副油室がプランジャ内に形成され、この副油室内
にバルブが設けられ、このバルブはバルブ用ばねによ
り、押し込み方向に付勢され、このバルブ用ばねに抗し
て摺動したとき開く流出口がプランジャに設けられ、こ
れらによりリリーフバルブ機構が形成される。上記従来
のテンショナは、チェーン等が走行し、プランジャが、
チェーン等からプランジャ用ばねの逆付勢方向に荷重等
を受けると、高圧油室内の油圧が上昇する。このとき、
リリーフバルブ機構のバルブが摺動自在に内接している
副油室には油圧が加えられ、バルブ用ばねの付勢力に抗
してバルブが後退する。さらに油圧が上昇すると、バル
ブの後退により外部と通じる流出口が開かれ、副油室内
から油を排出して高圧油室内の過大油圧を解消する。
かかるテンショナの一例が示されている。前記公報の図
１を参照すると、テンショナのハウジング内には、プラ
ンジャが摺動自在に設けられ、ハウジングとプランジャ
内部とで高圧油室が形成される。プランジャは、プラン
ジャ用ばねによって突出方向に付勢して取り付けられ、
プランジャの先端にはプラグが設けられる。ハウジング
と高圧油室との間には、高圧油室への油の流入を許し流
出を阻止するチェックボールを設けたチェックバルブ機
構が設けられる。この高圧油室内部は、常時油供給源か
ら給油路及びボールチェックバルブ機構を通過して供給
される油で満たされている。また、高圧油室と油路で連
通する副油室がプランジャ内に形成され、この副油室内
にバルブが設けられ、このバルブはバルブ用ばねによ
り、押し込み方向に付勢され、このバルブ用ばねに抗し
て摺動したとき開く流出口がプランジャに設けられ、こ
れらによりリリーフバルブ機構が形成される。上記従来
のテンショナは、チェーン等が走行し、プランジャが、
チェーン等からプランジャ用ばねの逆付勢方向に荷重等
を受けると、高圧油室内の油圧が上昇する。このとき、
リリーフバルブ機構のバルブが摺動自在に内接している
副油室には油圧が加えられ、バルブ用ばねの付勢力に抗
してバルブが後退する。さらに油圧が上昇すると、バル
ブの後退により外部と通じる流出口が開かれ、副油室内
から油を排出して高圧油室内の過大油圧を解消する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記テンショナでは、
バルブ用ばねの最大変位は、バルブとプラグが密着する
までの距離に相当する。バルブが流出口を開放した後
は、バルブやバルブ用ばねを変位させる必要はないが、
高圧油室内の油圧が瞬間的に上昇した場合、バルブが流
出口を開放した後も、バルブ用ばねはバルブの慣性によ
って変位する。プランジャ突出方向の変位によって、バ
ルブ用ばねの線材には剪断応力が作用する。Ｓ−Ｎ曲線
と疲れ限度の関係から理解できるように、線材に所定以
上の剪断応力が繰り返し作用すると、バルブ用ばねは疲
労破壊を生じる。その結果、リリーフバルブ機構が機能
しなくなるという問題があった。
バルブ用ばねの最大変位は、バルブとプラグが密着する
までの距離に相当する。バルブが流出口を開放した後
は、バルブやバルブ用ばねを変位させる必要はないが、
高圧油室内の油圧が瞬間的に上昇した場合、バルブが流
出口を開放した後も、バルブ用ばねはバルブの慣性によ
って変位する。プランジャ突出方向の変位によって、バ
ルブ用ばねの線材には剪断応力が作用する。Ｓ−Ｎ曲線
と疲れ限度の関係から理解できるように、線材に所定以
上の剪断応力が繰り返し作用すると、バルブ用ばねは疲
労破壊を生じる。その結果、リリーフバルブ機構が機能
しなくなるという問題があった。
【０００５】本発明の目的は、リリーフバルブ機構のバ
ルブ用ばねの最大変位を必要十分な範囲に制限して、バ
ルブ用ばねの線材に作用する応力を疲れ限度以下に抑え
たリリーフバルブ付きテンショナを提供することであ
る。
ルブ用ばねの最大変位を必要十分な範囲に制限して、バ
ルブ用ばねの線材に作用する応力を疲れ限度以下に抑え
たリリーフバルブ付きテンショナを提供することであ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本請求項１に係る発明は、テンショナのハウジング
内に、一方の端部がばね付勢されて外部に突出するよう
に摺動自在に設けられているとともに前記ハウジングと
の間で内部に高圧油室が形成されるプランジャと、前記
ハウジングの外部から前記高圧油室内への油の流入を許
容して流出を阻止するチェックボールを備えたチェック
バルブ機構と、前記高圧油室に連通する副油室と、該副
油室を拡縮する方向に変位可能なバルブと、前記副油室
が拡大する方向に前記バルブが所定ストローク変位した
とき副油室から油を流出させる流出口と、前記副油室を
縮小する方向に前記バルブを付勢するバルブ用ばねとを
備えたリリーフバルブ機構とを有するテンショナにおい
て、前記バルブが変位して流出口を開放したとき、前記
プランジャのばね受けプラグにバルブが当接するストッ
パ面が形成され、前記バルブがバルブ用ばねの外径より
大きい鍔状の拡径頭部を備えており、該拡径頭部がスト
ッパ面に当接するように形成され、前記流出口の流出側
は、前記バルブが案内されて変位するスリーブの周囲の
油溜室に開口し、前記プランジャとばね受けプラグとの
間には油溜室に連通する油溝が形成され、前記プランジ
ャの先端には前記油溜室からの油を油溝を介して外部へ
排出する排出口が形成されていることにより、前記課題
を解決した。また、本請求項２に係る発明は、本請求項
１に係る発明の構成に加えて、前記バルブがその頭部に
バルブ用ばねに内接する支持突起を有していることによ
り、前記課題をさらに解決した。
に、本請求項１に係る発明は、テンショナのハウジング
内に、一方の端部がばね付勢されて外部に突出するよう
に摺動自在に設けられているとともに前記ハウジングと
の間で内部に高圧油室が形成されるプランジャと、前記
ハウジングの外部から前記高圧油室内への油の流入を許
容して流出を阻止するチェックボールを備えたチェック
バルブ機構と、前記高圧油室に連通する副油室と、該副
油室を拡縮する方向に変位可能なバルブと、前記副油室
が拡大する方向に前記バルブが所定ストローク変位した
とき副油室から油を流出させる流出口と、前記副油室を
縮小する方向に前記バルブを付勢するバルブ用ばねとを
備えたリリーフバルブ機構とを有するテンショナにおい
て、前記バルブが変位して流出口を開放したとき、前記
プランジャのばね受けプラグにバルブが当接するストッ
パ面が形成され、前記バルブがバルブ用ばねの外径より
大きい鍔状の拡径頭部を備えており、該拡径頭部がスト
ッパ面に当接するように形成され、前記流出口の流出側
は、前記バルブが案内されて変位するスリーブの周囲の
油溜室に開口し、前記プランジャとばね受けプラグとの
間には油溜室に連通する油溝が形成され、前記プランジ
ャの先端には前記油溜室からの油を油溝を介して外部へ
排出する排出口が形成されていることにより、前記課題
を解決した。また、本請求項２に係る発明は、本請求項
１に係る発明の構成に加えて、前記バルブがその頭部に
バルブ用ばねに内接する支持突起を有していることによ
り、前記課題をさらに解決した。
【０００７】上述したリリーフバルブ機構付きテンショ
ナは、チェーン等が走行し、プランジャが、チェーン等
からプランジャ用ばねの逆付勢方向に荷重等を受ける
と、チェックバルブ機構が油の流出を阻止しているた
め、高圧油室内の油圧が上昇する。このとき、副油室に
は高圧油室内と同等の油圧が伝達され、副油室の断面積
に応じた油圧がバルブ用ばねの付勢力より大きくなった
とき、バルブが後退方向に変位するとともにバルブ用ば
ねが圧縮方向に変位し始め、プランジャへの衝撃が緩和
される。高圧油室内及び副油室内の油圧が上昇すると、
バルブの後退により外部と通じる流出口が開かれ、油は
副油室内から流出して高圧油室内の過大油圧を解消す
る。特に、本発明では、バルブが後退して流出口が開か
れたとき、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を疲れ限
度以下としているので、バルブ用ばねは繰り返し伸縮し
ても破壊に至ることがなく、リリーフバルブ機構の機能
が維持される。
ナは、チェーン等が走行し、プランジャが、チェーン等
からプランジャ用ばねの逆付勢方向に荷重等を受ける
と、チェックバルブ機構が油の流出を阻止しているた
め、高圧油室内の油圧が上昇する。このとき、副油室に
は高圧油室内と同等の油圧が伝達され、副油室の断面積
に応じた油圧がバルブ用ばねの付勢力より大きくなった
とき、バルブが後退方向に変位するとともにバルブ用ば
ねが圧縮方向に変位し始め、プランジャへの衝撃が緩和
される。高圧油室内及び副油室内の油圧が上昇すると、
バルブの後退により外部と通じる流出口が開かれ、油は
副油室内から流出して高圧油室内の過大油圧を解消す
る。特に、本発明では、バルブが後退して流出口が開か
れたとき、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を疲れ限
度以下としているので、バルブ用ばねは繰り返し伸縮し
ても破壊に至ることがなく、リリーフバルブ機構の機能
が維持される。
【０００８】バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を抑え
るため、テンショナの構造的には、バルブが変位して流
出口を開放したとき、プランジャのばね受けプラグにバ
ルブが当接するストッパ面が形成されている。
るため、テンショナの構造的には、バルブが変位して流
出口を開放したとき、プランジャのばね受けプラグにバ
ルブが当接するストッパ面が形成されている。
【０００９】具体的には、バルブが、バルブ用ばねの外
径より大きい鍔状の拡径頭部を備え、この拡径頭部がス
トッパ面に当接することによって、バルブの最大変位量
及びバルブ用ばねの最大ストロークが物理的に制限さ
れ、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を、例えば、疲
れ限度未満に抑えることができる。
径より大きい鍔状の拡径頭部を備え、この拡径頭部がス
トッパ面に当接することによって、バルブの最大変位量
及びバルブ用ばねの最大ストロークが物理的に制限さ
れ、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を、例えば、疲
れ限度未満に抑えることができる。
【００１０】さらに、前記バルブの頭部にバルブ用ばね
に内接する支持突起を有していることによって、ばねの
最大圧縮量が１つの面を基準にして正確に設定される。
に内接する支持突起を有していることによって、ばねの
最大圧縮量が１つの面を基準にして正確に設定される。
【００１１】
【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明によるリ
リーフバルブ付きテンショナの第１実施形態を示してい
る。テンショナ１１０のハウジング１１２内には、プラ
ンジャ１１４が摺動自在に嵌挿される収容穴１１６が形
成されている。プランジャ１１４は、その内部に設けら
れたプランジャ用ばね１１８により、一方の端部がハウ
ジング１１２の外部へ突出するように常時付勢されてい
る。収容穴１１６の底部には、チェックボール１２０を
備えたチェックバルブ機構１２２が設けられている。チ
ェックバルブ機構１２２は、ハウジング１１２に設けら
れた給油路１２４から、油の流入を許容し、流出を阻止
するものである。そして、プランジャ１１４内部とハウ
ジング１１２との間で給油路１２４から供給される油に
より高圧油室１２６が形成されている。
リーフバルブ付きテンショナの第１実施形態を示してい
る。テンショナ１１０のハウジング１１２内には、プラ
ンジャ１１４が摺動自在に嵌挿される収容穴１１６が形
成されている。プランジャ１１４は、その内部に設けら
れたプランジャ用ばね１１８により、一方の端部がハウ
ジング１１２の外部へ突出するように常時付勢されてい
る。収容穴１１６の底部には、チェックボール１２０を
備えたチェックバルブ機構１２２が設けられている。チ
ェックバルブ機構１２２は、ハウジング１１２に設けら
れた給油路１２４から、油の流入を許容し、流出を阻止
するものである。そして、プランジャ１１４内部とハウ
ジング１１２との間で給油路１２４から供給される油に
より高圧油室１２６が形成されている。
【００１２】プランジャ１１４内部にはリリーフバルブ
機構１２８が設けられている。このリリーフバルブ機構
１２８は、高圧油室２６に連通する副油室１３０と、副
油室１３０を拡縮する方向に変位可能なバルブ１３２
と、副油室１３０が拡大する方向にバルブ１３２が所定
ストローク変位したとき副油室１３０から油を流出させ
る流出口１３４と、バルブ１３２とばね受けプラグ１３
６との間に圧縮介装されて副油室１３０を縮小する方向
にバルブ１３２を付勢するバルブ用ばね１３８とで構成
される。なお、ばね受けプラグ１３６は、プランジャ１
１４と一体に構成されていてもよい。バルブ１３２を摺
動自在に支持するスリーブ１４０が、プランジャ１１４
の開口側から圧入して嵌着固定されており、副油室１３
０はこのスリーブ１４０の内部に形成される。副油室１
３０は、油路１４２を介して高圧油室１２６に連通して
いる。高圧油室１２６内の油が油路１４２を介して副油
室１３０に流入すると、バルブ１３２は副油室１３０を
拡大するように図中右方向に変位する。中空円筒状のば
ね受けプラグ１３６は、スリーブ１４０、バルブ１３２
及びバルブ用ばね１３８が取り付けられる前、プランジ
ャ１１４の開口側から圧入して嵌着固定される。ばね受
けプラグ１３６は、第１中空部分と、この第１中空部分
と段部で区切られた第２中空部分とを有する。第１中空
部分の内径は、バルブ用ばね１３８の外径より僅かに大
きく、バルブ用ばね１３８を収納している。第２中空部
分は、バルブ１３２の鍔状の拡径頭部を摺動自在に支持
している。
機構１２８が設けられている。このリリーフバルブ機構
１２８は、高圧油室２６に連通する副油室１３０と、副
油室１３０を拡縮する方向に変位可能なバルブ１３２
と、副油室１３０が拡大する方向にバルブ１３２が所定
ストローク変位したとき副油室１３０から油を流出させ
る流出口１３４と、バルブ１３２とばね受けプラグ１３
６との間に圧縮介装されて副油室１３０を縮小する方向
にバルブ１３２を付勢するバルブ用ばね１３８とで構成
される。なお、ばね受けプラグ１３６は、プランジャ１
１４と一体に構成されていてもよい。バルブ１３２を摺
動自在に支持するスリーブ１４０が、プランジャ１１４
の開口側から圧入して嵌着固定されており、副油室１３
０はこのスリーブ１４０の内部に形成される。副油室１
３０は、油路１４２を介して高圧油室１２６に連通して
いる。高圧油室１２６内の油が油路１４２を介して副油
室１３０に流入すると、バルブ１３２は副油室１３０を
拡大するように図中右方向に変位する。中空円筒状のば
ね受けプラグ１３６は、スリーブ１４０、バルブ１３２
及びバルブ用ばね１３８が取り付けられる前、プランジ
ャ１１４の開口側から圧入して嵌着固定される。ばね受
けプラグ１３６は、第１中空部分と、この第１中空部分
と段部で区切られた第２中空部分とを有する。第１中空
部分の内径は、バルブ用ばね１３８の外径より僅かに大
きく、バルブ用ばね１３８を収納している。第２中空部
分は、バルブ１３２の鍔状の拡径頭部を摺動自在に支持
している。
【００１３】バルブ用ばね１３８は、バルブ１３２の拡
径頭部の平坦な先端面とばね受けプラグ１３６の第１中
空部分の底面との間に圧縮介装されている。バルブ１３
２の鍔状の拡径頭部は、バルブ用ばね１３８の外径より
大きく、これにより、第１中空部分と第２中空部分との
間の段部に対向する面が提供される。
径頭部の平坦な先端面とばね受けプラグ１３６の第１中
空部分の底面との間に圧縮介装されている。バルブ１３
２の鍔状の拡径頭部は、バルブ用ばね１３８の外径より
大きく、これにより、第１中空部分と第２中空部分との
間の段部に対向する面が提供される。
【００１４】流出口１３４は、スリーブ１４０に形成さ
れている。流出口１３４の流入側は、スリーブ１４０の
バルブ摺動面に開口している。バルブ１３２がスリーブ
１４０及びばね受けプラグ１３６に案内されて変位し、
副油室１３０が拡縮すると、流出口１３４は副油室１３
０に対して開閉する。流出口１３４の流出側は、スリー
ブ１４０の周囲の油溜室１４６に開口している。プラン
ジャ１１４とばね受けプラグ１３６との間には、油溜室
１４６に連通する油溝１４８が形成されている。プラン
ジャ１１４の先端には、油溜室１４６からの油を油溝１
４８を介して外部へ排出する排出口１５２が形成されて
いる。
れている。流出口１３４の流入側は、スリーブ１４０の
バルブ摺動面に開口している。バルブ１３２がスリーブ
１４０及びばね受けプラグ１３６に案内されて変位し、
副油室１３０が拡縮すると、流出口１３４は副油室１３
０に対して開閉する。流出口１３４の流出側は、スリー
ブ１４０の周囲の油溜室１４６に開口している。プラン
ジャ１１４とばね受けプラグ１３６との間には、油溜室
１４６に連通する油溝１４８が形成されている。プラン
ジャ１１４の先端には、油溜室１４６からの油を油溝１
４８を介して外部へ排出する排出口１５２が形成されて
いる。
【００１５】ばね受けプラグ１３６の第１中空部分と第
２中空部分との間の段部には、バルブ１３２の鍔状拡径
頭部の先端面に対向するストッパ面１４４が形成されて
いる。ばね受けプラグ１３６が、プランジャ１１４と一
体に構成されている場合には、スリーブ１４０が嵌着さ
れる内周面とバルブ用ばね１３８との内周面との間に段
部が形成され、その段部にストッパ面が形成される。バ
ルブ１３２の鍔状の拡径頭部において、バルブ用ばね１
３８の外径より大きい部分によって提供された面が、ス
トッパ面１４４に対向する。
２中空部分との間の段部には、バルブ１３２の鍔状拡径
頭部の先端面に対向するストッパ面１４４が形成されて
いる。ばね受けプラグ１３６が、プランジャ１１４と一
体に構成されている場合には、スリーブ１４０が嵌着さ
れる内周面とバルブ用ばね１３８との内周面との間に段
部が形成され、その段部にストッパ面が形成される。バ
ルブ１３２の鍔状の拡径頭部において、バルブ用ばね１
３８の外径より大きい部分によって提供された面が、ス
トッパ面１４４に対向する。
【００１６】バルブ１３２が変位したとき、バルブ１３
２の鍔状の拡径頭部がスリーブ１４０から離れてストッ
パ面１４４に当接する。バルブ１３２の最大変位量及び
バルブ用ばね１３８の最大圧縮量は、バルブ１３２の頭
部先端面とばね受けプラグ１３６のストッパ面１４４と
の間隔に等しい。最大変位量及び最大圧縮量は、バルブ
１３２の鍔状拡径頭部が、スリーブ１４０とばね受けプ
ラグ１３６との間で動作を許される範囲にも等しい。
２の鍔状の拡径頭部がスリーブ１４０から離れてストッ
パ面１４４に当接する。バルブ１３２の最大変位量及び
バルブ用ばね１３８の最大圧縮量は、バルブ１３２の頭
部先端面とばね受けプラグ１３６のストッパ面１４４と
の間隔に等しい。最大変位量及び最大圧縮量は、バルブ
１３２の鍔状拡径頭部が、スリーブ１４０とばね受けプ
ラグ１３６との間で動作を許される範囲にも等しい。
【００１７】本実施形態では、バルブ１３２の最大変位
量及びバルブ用ばね１３８の最大圧縮量は、バルブ１３
２が流出口１３４を開放したときのバルブ１３２の変位
に関連付けられている。すなわち、バルブ１３２が僅か
でも流出口１３４を開放すると、バルブ１３２はそれ以
上の変位ができず、バルブ用ばね１３８はそれ以上に縮
むことができない。もっとも、バルブ１３２が流出口１
３４を完全に開いたとき、バルブ１３２の頭部先端面が
ばね受けプラグ１３６のストッパ面１４４に当接するよ
うにして、バルブ１３２の最大変位量及びバルブ用ばね
１３８の最大圧縮量を設定してもよい。
量及びバルブ用ばね１３８の最大圧縮量は、バルブ１３
２が流出口１３４を開放したときのバルブ１３２の変位
に関連付けられている。すなわち、バルブ１３２が僅か
でも流出口１３４を開放すると、バルブ１３２はそれ以
上の変位ができず、バルブ用ばね１３８はそれ以上に縮
むことができない。もっとも、バルブ１３２が流出口１
３４を完全に開いたとき、バルブ１３２の頭部先端面が
ばね受けプラグ１３６のストッパ面１４４に当接するよ
うにして、バルブ１３２の最大変位量及びバルブ用ばね
１３８の最大圧縮量を設定してもよい。
【００１８】図３及び図４は、本発明によるリリーフバ
ルブ付きテンショナの第２実施形態を示している。本実
施形態は、第１実施形態のテンショナの変形例であるか
ら、基本的構造の説明については省略する。そこで、本
実施形態で最も特徴とするところを詳説すると、バルブ
２３２は、その頭部にバルブ用ばね２３８に内接する支
持突起２３３を有する。ばね受けプラグ２３６はバルブ
２３２に向って開口する中空部分を備えている。バルブ
用ばね２３８は、バルブ２３２の支持突起２３３とばね
受けプラグ２３６の中空部分の底面との間に圧縮介装さ
れている。ばね受けプラグ２３６には、バルブ２３２の
頭部先端面に対向するストッパ面２４４が形成されてい
る。バルブ２３２が変位したとき、バルブ２３２の鍔状
拡径頭部において、バルブ用ばね２３８の外径より大き
い部分がストッパ面２４４に当接し、バルブ２３２の最
大変位量及びバルブ用ばね２３８の最大圧縮量を設定し
ている。
ルブ付きテンショナの第２実施形態を示している。本実
施形態は、第１実施形態のテンショナの変形例であるか
ら、基本的構造の説明については省略する。そこで、本
実施形態で最も特徴とするところを詳説すると、バルブ
２３２は、その頭部にバルブ用ばね２３８に内接する支
持突起２３３を有する。ばね受けプラグ２３６はバルブ
２３２に向って開口する中空部分を備えている。バルブ
用ばね２３８は、バルブ２３２の支持突起２３３とばね
受けプラグ２３６の中空部分の底面との間に圧縮介装さ
れている。ばね受けプラグ２３６には、バルブ２３２の
頭部先端面に対向するストッパ面２４４が形成されてい
る。バルブ２３２が変位したとき、バルブ２３２の鍔状
拡径頭部において、バルブ用ばね２３８の外径より大き
い部分がストッパ面２４４に当接し、バルブ２３２の最
大変位量及びバルブ用ばね２３８の最大圧縮量を設定し
ている。
【００１９】以上の実施形態では、プランジャにリリー
フバルブ機構が設けられたテンショナを例示したが、ハ
ウジングにリリーフバルブ機構が設けられたテンショナ
にも本発明は利用することができる。なお、図面には、
ハウジングに枢着したラチェットの爪がラチェット歯に
噛み合うようにしたプランジャの後退防止機構が設けら
れたものが示されているが、かかる機構は必ずしも設け
なくてもよい。
フバルブ機構が設けられたテンショナを例示したが、ハ
ウジングにリリーフバルブ機構が設けられたテンショナ
にも本発明は利用することができる。なお、図面には、
ハウジングに枢着したラチェットの爪がラチェット歯に
噛み合うようにしたプランジャの後退防止機構が設けら
れたものが示されているが、かかる機構は必ずしも設け
なくてもよい。
【００２０】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、プ
ランジャの先端に形成された排出口に連通する流出口を
バルブが変位することにより開放したとき、ばね受けプ
ラグにバルブが当接するストッパ面が形成されているの
で、バルブ用ばねは所定以上に圧縮されることがない。
ランジャの先端に形成された排出口に連通する流出口を
バルブが変位することにより開放したとき、ばね受けプ
ラグにバルブが当接するストッパ面が形成されているの
で、バルブ用ばねは所定以上に圧縮されることがない。
【００２１】したがって、バルブがストッパ面に当接し
たとき、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を、例え
ば、疲れ限度未満に設定することにより、バルブ用ばね
の疲労破壊を防止することができるので、リリーフバル
ブ機構の機能が維持され、ひいては、テンショナの機能
が維持される。
たとき、バルブ用ばねの線材の最大剪断応力を、例え
ば、疲れ限度未満に設定することにより、バルブ用ばね
の疲労破壊を防止することができるので、リリーフバル
ブ機構の機能が維持され、ひいては、テンショナの機能
が維持される。
【００２２】そして、前記バルブが、バルブ用ばねの外
径より大きい鍔状の拡径頭部を備え、この拡径頭部がば
ねの着座面とストッパ面の機能を合せ持つとともに、前
記バルブの頭部にバルブ用ばねに内接する支持突起を有
していることによって、ばねの最大圧縮量が１つの面を
基準にして正確に設定される。
径より大きい鍔状の拡径頭部を備え、この拡径頭部がば
ねの着座面とストッパ面の機能を合せ持つとともに、前
記バルブの頭部にバルブ用ばねに内接する支持突起を有
していることによって、ばねの最大圧縮量が１つの面を
基準にして正確に設定される。
【図１】 本発明による第１実施形態のリリーフバルブ
機構付きテンショナにおいてバルブ用ばねが最長の状態
を示した断面図。
機構付きテンショナにおいてバルブ用ばねが最長の状態
を示した断面図。
【図２】 図１のリリーフバルブ機構付きテンショナに
おいてバルブ用ばねが最短の状態を示した断面図。
おいてバルブ用ばねが最短の状態を示した断面図。
【図３】 本発明による第２実施形態のリリーフバルブ
機構付きテンショナにおいてバルブ用ばねが最長の状態
を示した断面図。
機構付きテンショナにおいてバルブ用ばねが最長の状態
を示した断面図。
【図４】 図３のリリーフバルブ機構付きテンショナに
おいてバルブ用ばねが最短の状態を示した断面図。
おいてバルブ用ばねが最短の状態を示した断面図。
【図５】 テンショナの利用例を示すエンジン周りの正
面図。
面図。
１１０，２１０ ・・・ テンショナ １１２ ・・・ ハウジング １１４ ・・・ プランジャ １１８ ・・・ プランジャ用ばね １２６ ・・・ 高圧油室 １２８ ・・・ リリーフバルブ機構 １３０ ・・・ 副油室 １３２，２３２ ・・・ バルブ ２３３ ・・・ 支持突起 １３４，２３４ ・・・ 流出口 １３６，２３６ ・・・ ばね受けプラグ １３８，２３８ ・・・ バルブ用ばね １４４，２４４ ・・・ ストッパ面 １４６，２４６ ・・・ 油溜室 １４８，２４８ ・・・ 油溝 １５２，２５２ ・・・ 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−240744（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−303504（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−317855（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−40500（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−64673（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−17543（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16H 7/00 - 7/24 F02B 67/06 F16K 17/00 - 17/168
Claims (2)
- 【請求項１】 テンショナのハウジング内に、 一方の端部がばね付勢されて外部に突出するように摺動
自在に設けられているとともに前記ハウジングとの間で
内部に高圧油室が形成されるプランジャと、 前記ハウジングの外部から前記高圧油室内への油の流入
を許容して流出を阻止するチェックボールを備えたチェ
ックバルブ機構と、 前記高圧油室に連通する副油室と、該副油室を拡縮する
方向に変位可能なバルブと、前記副油室が拡大する方向
に前記バルブが所定ストローク変位したとき副油室から
油を流出させる流出口と、前記副油室を縮小する方向に
前記バルブを付勢するバルブ用ばねとを備えたリリーフ
バルブ機構とを有するテンショナにおいて、 前記バルブが変位して流出口を開放したとき、前記プラ
ンジャのばね受けプラグにバルブが当接するストッパ面
が形成され、 前記バルブがバルブ用ばねの外径より大きい鍔状の拡径
頭部を備えており、該拡径頭部がストッパ面に当接する
ように形成され、 前記流出口の流出側は、前記バルブが案内されて変位す
るスリーブの周囲の油溜室に開口し、 前記プランジャとばね受けプラグとの間には油溜室に連
通する油溝が形成され、 前記プランジャの先端には前記油溜室からの油を油溝を
介して外部へ排出する排出口が形成されていることを特
徴とするリリーフバルブ機構付きテンショナ。 - 【請求項２】 前記バルブが、その頭部にバルブ用ばね
に内接する支持突起を有していることを特徴とする請求
項１記載のリリーフバルブ機構付きテンショナ。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|
| JP2000327864A JP3356762B2 (ja) | 2000-10-26 | 2000-10-26 | リリーフバルブ機構付きテンショナ |
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|---|---|
| JP2002130401A JP2002130401A (ja) | 2002-05-09 |
| JP3356762B2 true JP3356762B2 (ja) | 2002-12-16 |
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ID=18804807
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| JP2000327864A Expired - Fee Related JP3356762B2 (ja) | 2000-10-26 | 2000-10-26 | リリーフバルブ機構付きテンショナ |
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| JP (1) | JP3356762B2 (ja) |
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| JP3415615B1 (ja) * | 2002-08-12 | 2003-06-09 | 株式会社椿本チエイン | チェーン張力付与装置 |
| US6945889B2 (en) * | 2002-10-04 | 2005-09-20 | Borgwarner Inc. | Hydraulic chain tensioner |
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| JP2006017214A (ja) * | 2004-07-01 | 2006-01-19 | Ntn Corp | ２輪車エンジン用チェーンテンショナ |
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| DE102007033600A1 (de) * | 2007-07-17 | 2009-01-22 | Schaeffler Kg | Hydraulisches Spannsystem mit integriertem Überdruckventil |
| WO2009010033A1 (de) * | 2007-07-18 | 2009-01-22 | Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg | Überdruckventil für eine hydraulikanordnung |
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| DE102011005193A1 (de) | 2010-04-23 | 2011-11-24 | Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg | Hydraulischer Spanner |
| US9377087B2 (en) | 2011-09-22 | 2016-06-28 | Borgwarner Inc. | Chain drive tensioner spring force control mechanism |
| WO2014099291A1 (en) | 2012-12-18 | 2014-06-26 | Borgwarner Inc. | Tensioner with spring force control in a second bore |
| DE112014000769T5 (de) * | 2013-03-07 | 2015-10-29 | Borgwarner Inc. | Spannvorrichtung mit Federkraftsteuerung |
| DE102013225984B4 (de) * | 2013-12-16 | 2017-03-23 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Hydraulische Spannvorrichtung für einen Zugmitteltrieb |
| KR102400686B1 (ko) * | 2014-08-09 | 2022-05-23 | 보르그워너 인코퍼레이티드 | 압력 릴리프 밸브 조정 특징 |
| JP6449012B2 (ja) | 2014-12-24 | 2019-01-09 | 株式会社椿本チエイン | チェーンテンショナ |
| JP6294851B2 (ja) | 2015-04-03 | 2018-03-14 | 株式会社椿本チエイン | チェーンテンショナ及びリリーフバルブユニット |
| JP6374840B2 (ja) * | 2015-08-03 | 2018-08-15 | 株式会社椿本チエイン | テンショナ |
| JP6408975B2 (ja) | 2015-11-10 | 2018-10-17 | 株式会社椿本チエイン | チェーンテンショナ |
| JP6378661B2 (ja) * | 2015-11-16 | 2018-08-22 | 株式会社椿本チエイン | チェーンテンショナ |
| JP6813780B2 (ja) * | 2017-03-21 | 2021-01-13 | 株式会社椿本チエイン | テンショナ |
| CN108626331B (zh) * | 2017-03-21 | 2021-03-02 | 株式会社椿本链条 | 张紧装置 |
| JP6817518B2 (ja) | 2017-04-28 | 2021-01-20 | 株式会社椿本チエイン | チェーンテンショナ |
| DE102018114200A1 (de) * | 2017-06-15 | 2018-12-20 | Borgwarner Inc. | Spanner mit Rückschlagventil mit steuerbarer Steifigkeit |
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