JP2002235818A

JP2002235818A - リリーフバルブ付油圧式テンショナ

Info

Publication number: JP2002235818A
Application number: JP2001032498A
Authority: JP
Inventors: Kazuyuki Iwata; 和之岩田; Keiko Yoshida; 恵子吉田; Tomoki Okita; 智樹沖田; Shoichi Nakatani; 庄一中谷; Nobuyuki Fujimoto; 信之藤本; Katsuya Nakakubo; 克也中久保
Original assignee: Honda Motor Co Ltd; Tsubakimoto Chain Co
Current assignee: Honda Motor Co Ltd; Tsubakimoto Chain Co
Priority date: 2001-02-08
Filing date: 2001-02-08
Publication date: 2002-08-23

Abstract

(57)【要約】【課題】テンショナの小型化が可能で、且つ油圧によ
る緩衝機能の応答性がよいリリーフバルブ付油圧式テン
ショナを提供する。【解決手段】リリーフバルブ２７は概略円筒状のリリ
ーフバルブシート２８と概略円筒状のリリーフバルブシ
ート２８内に摺動自在に嵌挿された弁体２９と弁体２９
を付勢するばね３０とから構成され、概略円筒状のリリ
ーフバルブシート２８は、大径部２８ａと小径部２８ｂ
とを有し、大径部２８ａには油室２５に連通する軸方向
の連通孔２８ｃが形成されており、小径部２８ｂには連
通孔２８ｃに連通し弁体２９が摺動自在に嵌挿される弁
体摺動孔２８ｄと弁体摺動孔２８ｄに連通する半径方向
のリリーフ孔２８ｅが形成されており、大径部２８ａは
油室２５内に突出した状態でリリーフバルブ装着孔２３
ｂ内に圧入されて取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用エンジンの
タイミングチェーンに適正な張力を付与するために用い
られるリリーフバルブ付油圧式テンショナに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】車両用エンジンのタイミングチェーンに
適正な張力を付与するために用いられる油圧式テンショ
ナには、タイミングチェーンに過大な緊張力が発生した
ときに、この過大な緊張力を解消するためのリリーフバ
ルブを有するリリーフバルブ付油圧式テンショナがあ
る。

【０００３】従来、リリーフバルブ付油圧式テンショナ
には、実公平３−１２９９５号公報（登録第１８９０４
５４号）に開示されたようなものがある。図２は実公昭
３−１２９９５号公報に開示されたリリーフバルブ付油
圧式テンショナ１を示している。

【０００４】図２に示すリリーフバルブ付油圧式テンシ
ョナ１は、内部に油室２を設けたプランジャ３をハウジ
ング４に摺動自在に、且つスプリング５によって突出方
向に付勢するように取付け、前記ハウジング４と油室２
との間に前記油室２への油の流入を許し流出を阻止する
チェックボール機構６を設けた油圧式テンショナにおい
て、前記油室２と連通して前記プランジャ３内に設けら
れた副油室７と該副油室７内に摺動自在に設けられたス
リーブ８と該スリーブ８を押込方向に付勢するスプリン
グ９と前記スリーブ８が前記スプリング９に抗して摺動
したとき開く流出口１０とからなるリリーフバルブ１１
を有するものである。また、プランジャ３の先端には、
油溜室１２と連通する排出口１３を備えたプラグ１４が
圧入されている。なお、１５はハウジング４に形成され
た給油路で、オイルポンプ（不図示）からの油がこの給
油路１５を通じてチェックボール機構６へ供給される。

【０００５】図２に示すリリーフバルブ付油圧式テンシ
ョナ１は次のように作動する。プランジャ３が、タイミ
ングチェーンからスプリング５の逆付勢方向に荷重を受
けると、チェックボール機構６が油の流出を阻止してい
るため、油室２内の油圧が上昇する。スリーブ８が摺動
自在に内接している副油室７には、前記油室２内と同等
の油圧が伝達され、スリーブ８の断面積に応じた油圧が
スプリング９の付勢力より大きくなった時、このスリー
ブ８は徐々に後退する。更に油圧が上昇すると、スリー
ブ８は外部と通じる流出口１０を開き、副油室７内から
油を流出させて油室２内の過大油圧を解消する。なお、
エアー及び油溜室１２に溜まった油は、排出口１３を通
じて外部へ排出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図２に
示すリリーフバルブ付油圧式テンショナ１は、リリーフ
バルブ１１がプランジャ３の先端側内部に設けられてい
るから、プランジャ３がかなり長くなり、テンショナの
小型化に問題があった。また、油室２内のスプリング５
の内側に不要なスペースがあり、そこに油が充填される
までに時間がかかり、その間は油圧による緩衝機能が機
能しないという問題点があった。

【０００７】そこで、本発明は、上記従来のリリーフバ
ルブ付油圧式テンショナの上述したような問題点を解決
し、テンショナの小型化が可能で、且つ油圧による緩衝
機能の応答性がよいリリーフバルブ付油圧式テンショナ
を提供することを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のリリーフバルブ
付油圧式テンショナは、ハウジングと、該ハウジングに
形成されたプランジャ収容孔に摺動自在に嵌挿されたプ
ランジャと、該プランジャの突出端と反対側に形成され
たスプリング収容孔と前記プランジャ収容孔の底部間に
装着され前記プランジャを突出方向に付勢するスプリン
グと、前記プランジャ収容孔と前記スプリング収容孔と
で形成される油室と、前記プランジャ収容孔の底部に形
成されたチェックバルブ装着孔に取り付けられたチェッ
クバルブと、前記スプリング収容孔の底部に形成された
リリーフバルブ装着孔に取り付けられたリリーフバルブ
とを有するリリーフバルブ付油圧式テンショナにおい
て、前記チェックバルブは前記チェックバルブ装着孔に
圧入されるチェックバルブシートとボールとばねとリテ
ーナとから構成され、前記リリーフバルブは概略円筒状
のリリーフバルブシートと該概略円筒状のリリーフバル
ブシート内に摺動自在に嵌挿された弁体と該弁体を付勢
するばねとから構成され、前記概略円筒状のリリーフバ
ルブシートは、大径部と小径部とを有し、前記大径部に
は前記油室に連通する軸方向の連通孔が形成されてお
り、前記小径部には前記連通孔に連通し前記弁体が摺動
自在に嵌挿される弁体摺動孔と該弁体摺動孔に連通する
半径方向のリリーフ孔が形成されており、前記大径部は
前記油室内に突出した状態で前記リリーフバルブ装着孔
内に圧入されて取り付けられているものである。

【０００９】

【作用】エンジンの運転中にタイミングチェーンの張力
は種々の要因により変化する。タイミングチェーンに緩
みが発生した場合には、スプリングの付勢力によってプ
ランジャが突出し、同時にチェックバルブが開弁し、オ
イルポンプ（不図示）からの油が油室内に供給され、タ
イミングチェーンの緊張力を維持する。

【００１０】また、長期の使用による摩耗でタイミング
チェーンが次第に伸長すると、タイミングチェーンに緩
みが発生する。その場合にも、スプリングの付勢力と油
圧力によってプランジャが突出し、タイミングチェーン
の緊張力を回復させる。

【００１１】エンジンの熱に起因してタイミングチェー
ンに過大な緊張力が発生した場合には、プランジャがテ
ンショナレバーから後退方向すなわちスプリングの逆付
勢方向に押圧荷重を受ける。このとき、チェックバルブ
は油室内の油の流出を阻止するように作用し、油室内の
油圧が上昇し、油圧による緩衝機能が働く。また、油室
内の油圧は軸方向の連通孔を通じて弁体にかかり、ばね
の付勢力に抗して弁体が移動し、過大な緊張力を吸収す
る。プランジャへの押圧荷重が増大し弁体がさらに後退
すると、連通孔とリリーフ孔が連通して開弁し、油は小
径部の外周部を通じて油溜室に溜り、油排出口から外部
に排出され、タイミングチェーンの過大緊張力を解消す
る。この油の排出に伴い油圧が低下すれば、弁体がばね
の付勢力を受けてリリーフ孔を塞いで、油室内の油圧を
所定圧に維持し、過剰に油室内の油圧が低下すれば、チ
ェックバルブが作用し、油室内に油が流入して油圧を正
常に戻す。

【００１２】さらに、概略円筒状のリリーフバルブシー
トの大径部が油室内に突出した状態でプランジャのリリ
ーフバルブ装着孔内に圧入されて取り付けられているこ
とにより、プランジャの長手方向寸法を短くでき、油室
内の容積が小さくなるので、その結果テンショナの小型
化が可能であり、同時にエンジン始動時の油圧による緩
衝機能の応答性がよい。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて以下に説明する。図１は、本発明の実施の形態に係
るリリーフバルブ付油圧式テンショナの断面図である。
図１に示すように、リリーフバルブ付油圧式テンショナ
２１は、ハウジング２２と、ハウジング２２に形成され
たプランジャ収容孔２２ａに摺動自在に嵌挿されたプラ
ンジャ２３と、プランジャ２３の突出端と反対側に形成
されたスプリング収容孔２３ａとプランジャ収容孔２２
ａの底部間に装着されプランジャ２３を突出方向に付勢
するスプリング２４と、プランジャ収容孔２２ａとスプ
リング収容孔２３ａとで形成される油室２５と、プラン
ジャ収容孔２２ａの底部に形成されたチェックバルブ装
着孔２２ｂに取り付けられたチェックバルブ２６と、ス
プリング収容孔２３ａの底部に形成されたリリーフバル
ブ装着孔２３ｂに取り付けられたリリーフバルブ２７と
を有している。

【００１４】ハウジング２２には、プランジャ２３の軸
線方向と垂直な方向に貫通する取付け孔２２ｃが上下に
各１個づつ形成されており、この取付け孔２２ｃに取付
けボルト（不図示）を挿入してエンジンブロック（不図
示）の端面にテンショナ２１が取り付けられる。

【００１５】プランジャ２３には、リリーフバルブ装着
孔２３ｂに連通して小径の油溜室２３ｃが形成され、さ
らにこの油溜室２３ｃに連通して突出端側に油排出口２
３ｄが形成されている。

【００１６】チェックバルブ２６は、チェックバルブ装
着孔２２ｂに圧入されるチェックバルブシート２６ａと
ボール２６ｂとばね２６ｃとリテーナ２６ｄとから構成
され、チェックバルブシート２６ａにはオイルポンプ
（不図示）からの油が供給される給油路２６ｅが形成さ
れている。

【００１７】リリーフバルブ２７は、概略円筒状のリリ
ーフバルブシート２８とリリーフバルブシート２８内に
摺動自在に嵌挿される弁体２９と弁体２９を付勢するば
ね３０とから構成されている。

【００１８】概略円筒状のリリーフバルブシート２８
は、大径部２８ａと小径部２８ｂとを有し、大径部２８
ａには油室２５に連通する軸方向の連通孔２８ｃが形成
されており、小径部２８ｂには連通孔２８ｃに連通し弁
体２９が摺動自在に嵌挿される弁体摺動孔２８ｄと弁体
摺動孔２８ｄに連通する半径方向のリリーフ孔２８ｅが
形成されている。また、連通孔２８ｃと弁体摺動孔２８
ｄとの間にはテーパ部２８ｆが形成されており、このテ
ーパ部２８ｆが弁座を構成している。

【００１９】そして、弁体２９は弁体摺動孔２８ｄ内に
摺動自在に嵌挿され、弁体２９の背部には弁体２９を付
勢するばね３０が配置されている。したがって、リリー
フバルブ２７が作動しない通常時には、弁体２９はばね
３０によって付勢されて弁体２９の一端がテーパ部２８
ｆすなわち弁座に当接しリリーフ孔２８ｅを閉鎖してい
る。

【００２０】さらに、概略円筒状のリリーフバルブシー
ト２８の大径部２８ａは、油室２５内に突出する状態で
プランジャ２３のリリーフバルブ装着孔２３ｂ内に圧入
されて取り付けられている。すなわち、リリーフバルブ
シート２８の大径部２８ａが油室２５内に突出した状態
でプランジャ２３のリリーフバルブ装着孔２３ｂ内に圧
入されて取り付けられていることにより、プランジャ２
３の長手方向寸法を短くし、油室２５内の容積を小さく
している。

【００２１】次に、リリーフバルブ付油圧式テンショナ
２１の動作について説明する。リリーフバルブ付油圧式
テンショナ２１をタイミングチェーン（不図示）の緩み
側に配置する。そして、プランジャ２３の突出端をテン
ショナレバー（不図示）に当接し、テンショナレバーを
介してタイミングチェーンに張力を付与するようにハウ
ジング２２に設けた上下２個の取付け孔２２ｃにボルト
（不図示）を通してリリーフバルブ付油圧式テンショナ
２１をエンジンのシリンダブロック（不図示）に取り付
ける。

【００２２】エンジンの運転中にタイミングチェーンの
張力は種々の要因により変化する。タイミングチェーン
に緩みが発生した場合には、スプリング２４の付勢力に
よってプランジャ２３が突出し、同時にチェックバルブ
２６が開弁し、オイルポンプ（不図示）からの油が油室
２５内に供給され、タイミングチェーンの緊張力を維持
する。

【００２３】また、長期の使用による摩耗でタイミング
チェーンが次第に伸長すると、タイミングチェーンに緩
みが発生する。その場合にも、スプリング２４の付勢力
によってプランジャ２３が突出し、タイミングチェーン
の緊張力を回復させる。

【００２４】エンジンの熱に起因してタイミングチェー
ンに過大な緊張力が発生した場合には、プランジャ２３
がテンショナレバーから後退方向すなわちスプリング２
４の逆付勢方向に押圧荷重を受ける。このとき、チェッ
クバルブ２６は油室２５内の油の流出を阻止するように
作用し、油室２５内の油圧が上昇し、油圧による緩衝機
能が働く。また、油室２５内の油圧は軸方向の連通孔２
８ｃを通じて弁体２９にかかり、ばね３０の付勢力に抗
して弁体２９が移動し、過大な緊張力を吸収する。プラ
ンジャ２３への押圧荷重が増大し弁体２９がさらに後退
すると、連通孔２８ｃとリリーフ孔２８ｅが連通して開
弁し、油は小径部２８ｂの外周部を通じて油溜室２３ｃ
に溜り、油排出口２３ｄから外部に排出され、タイミン
グチェーンの過大緊張力を解消する。この油の排出に伴
い油圧が低下すれば、弁体２９がばね３０の付勢力を受
けてリリーフ孔２８ｅを塞いで、油室２５内の油圧を所
定圧に維持し、過剰に油室２５内の油圧が低下すれば、
チェックバルブ２６が作用し、油室２５内に油が流入し
て油圧を正常に戻す。

【００２５】以上のように、本発明の実施の形態に係る
リリーフバルブ付油圧式テンショナ２１によれば、概略
円筒状のリリーフバルブシート２８の大径部２８ａが油
室２５内に突出した状態でプランジャ２３のリリーフバ
ルブ装着孔２３ｂ内に圧入されて取り付けられているこ
とにより、プランジャ２３の長手方向寸法を短くでき、
油室２５内の容積が小さくなるので、その結果テンショ
ナ２１の小型化が可能であり、同時にエンジン始動時の
油圧による緩衝機能の応答性がよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明のリリーフバルブ付油圧式テンシ
ョナによれば、概略円筒状のリリーフバルブシートの大
径部が油室内に突出した状態でプランジャのリリーフバ
ルブ装着孔内に圧入されて取り付けられているので、プ
ランジャの長手方向寸法を短くでき、その結果テンショ
ナの小型化が可能であり、同時に油室内の容積が小さく
なるから、エンジン始動時の油圧による緩衝機能の応答
性がよい、という効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係るリリーフバルブ付油
圧式テンショナの断面図である。

【図２】従来のリリーフバルブ付油圧式テンショナの断
面図である。

【符号の説明】

２１・・・・リリーフバルブ付油圧式テンショナ２２・・・・ハウジング２２ａ・・・プランジャ収容孔２２ｂ・・・チェックバルブ装着孔２２ｃ・・・取付け孔２３・・・・プランジャ２３ａ・・・スプリング収容孔２３ｂ・・・リリーフバルブ装着孔２３ｃ・・・油溜室２３ｄ・・・油排出口２４・・・・スプリング２５・・・・油室２６・・・・チェックバルブ２６ａ・・・チェックバルブシート２６ｂ・・・ボール２６ｃ・・・ばね２６ｄ・・・リテーナ２６ｅ・・・給油路２７・・・・リリーフバルブ２８・・・・リリーフバルブシート２８ａ・・・大径部２８ｂ・・・小径部２８ｃ・・・連通孔２８ｄ・・・弁体摺動孔２８ｅ・・・リリーフ孔２８ｆ・・・テーパ部２９・・・・弁体３０・・・・ばね

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者吉田恵子埼玉県和光市中央１丁目４番１号株式会社本田技術研究所内 (72)発明者沖田智樹埼玉県和光市中央１丁目４番１号株式会社本田技術研究所内 (72)発明者中谷庄一埼玉県和光市中央１丁目４番１号株式会社本田技術研究所内 (72)発明者藤本信之大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内 (72)発明者中久保克也大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内Ｆターム(参考） 3H059 AA03 AA12 BB02 BB22 CA05 CB04 CC06 CD05 FF03 FF11 FF16 3J049 AA03 BB13 BB17 BB26 CA02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ハウジングと、該ハウジングに形成され
たプランジャ収容孔に摺動自在に嵌挿されたプランジャ
と、該プランジャの突出端と反対側に形成されたスプリ
ング収容孔と前記プランジャ収容孔の底部間に装着され
前記プランジャを突出方向に付勢するスプリングと、前
記プランジャ収容孔と前記スプリング収容孔とで形成さ
れる油室と、前記プランジャ収容孔の底部に形成された
チェックバルブ装着孔に取り付けられたチェックバルブ
と、前記スプリング収容孔の底部に形成されたリリーフ
バルブ装着孔に取り付けられたリリーフバルブとを有す
るリリーフバルブ付油圧式テンショナにおいて、前記チェックバルブは前記チェックバルブ装着孔に圧入
されるチェックバルブシートとボールとばねとリテーナ
とから構成され、前記リリーフバルブは概略円筒状のリ
リーフバルブシートと該概略円筒状のリリーフバルブシ
ート内に摺動自在に嵌挿された弁体と該弁体を付勢する
ばねとから構成され、前記概略円筒状のリリーフバルブ
シートは、大径部と小径部とを有し、前記大径部には前
記油室に連通する軸方向の連通孔が形成されており、前
記小径部には前記連通孔に連通し前記弁体が摺動自在に
嵌挿される弁体摺動孔と該弁体摺動孔に連通する半径方
向のリリーフ孔が形成されており、前記大径部は前記油
室内に突出した状態で前記リリーフバルブ装着孔内に圧
入されて取り付けられていることを特徴とするリリーフ
バルブ付油圧式テンショナ。