JP3342627B2 - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

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JP3342627B2
JP3342627B2 JP35428995A JP35428995A JP3342627B2 JP 3342627 B2 JP3342627 B2 JP 3342627B2 JP 35428995 A JP35428995 A JP 35428995A JP 35428995 A JP35428995 A JP 35428995A JP 3342627 B2 JP3342627 B2 JP 3342627B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、農業用フィルムに関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】農業上の促成栽培を目的としたハ
ウス栽培、トンネル栽培およびマルチ栽培などでは、一
般に被覆材として各種熱可塑性樹脂からなる農業用フィ
ルムが多量に使用されている。このような農業用フィル
ムとしては、たとえばポリ塩化ビニルフィルム、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンフィル
ムなどがあり、中でも、ポリ塩化ビニルフィルムは、保
温性、透明性、強靱性(機械的強度特性)等に優れてい
るため最も多く使用されている。
【0003】しかしながら、ポリ塩化ビニルフィルム
は、防塵性および展張作業性が若干劣る上、焼却廃棄時
に有毒ガスを発生する等の問題がある。ここに、「保温
性」とは、昼間に太陽熱を吸収して温度の上昇した大地
から、夜間に放出される輻射線を吸収、反射してハウ
ス、トンネル等の内部の温度(気温および地温)を保持
する性能をいう。
【0004】また、「防塵性」とは、ある一定期間使用
後の塵埃付着等によるフィルムの透明性の低下を抑制す
る性能をいう。さらに、「展張作業性」とは、フィルム
のベタツキによる取扱い易さの良否を表わす。
【0005】一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体を主
成分とするフィルムは、ポリ塩化ビニルフィルムに比
べ、廃棄物処理の点では優れるものの、強靱性に劣り、
展張作業性および防塵性が不充分である。
【0006】また、ポリエチレンを農業用フィルムに適
用した場合、このフィルムは、上記エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体を主成分とするフィルムに比べ、展張作業性
と防塵性が改善されているものの、未だ不充分であり、
直鎖状エチレン・α- オレフィン共重合体フィルムより
も強靱性に劣るという問題がある。
【0007】さらに、ポリオレフィン系樹脂フィルムの
保温性を添加剤により改良した農業用フィルムとして
は、低密度ポリエチレンまたはエチレン・酢酸ビニル共
重合体に酸化硅素を添加してなる被覆用フィルムがあ
る。
【0008】しかしながら、このような農業用フィルム
は、ポリエチレン系樹脂フィルムの保温性が改良されて
いるものの、ポリ塩化ビニルフィルムと比べ、強靱性、
透明性が不充分である。
【0009】このようなポリエチレン系樹脂フィルムの
強靱性を改善するため、近年直鎖状低密度ポリエチレン
の強靱性を利用する農業用フィルムが考案されるように
なってきている。たとえば特開昭58−160146号
公報では、直鎖状低密度ポリエチレンを主体とする基材
層と、界面活性剤を含む従来の製造法によるポリエチレ
ン系樹脂等とからなる層とを積層した防曇性の良好な農
業用多層フィルムが提案されている。この農業用多層フ
ィルムは、強靱性が改善されているものの、保温性のよ
り高い樹脂あるいは添加剤の利用が検討されていないた
め、ポリ塩化ビニルフィルムに比べ、保温性がかなり劣
る。
【0010】また、特開平1−182037号公報で
は、農業用多層(積層)フィルムが提案されており、こ
の農業用多層フィルムは、外層が線状エチレン・α- オ
レフィン共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂と
無機化合物とで形成されており、かつ、内層がエチレン
・酢酸ビニル共重合体を主成分とするポリエチレン系樹
脂と無機化合物と防曇剤とで形成されている。特開平1
−182037号公報に記載されている農業用多層フィ
ルムは、良好な保温性、防塵性、展張作業性、透明性、
耐候性を兼ね備え、しかも極めて優れた強靱性を有する
とされている。
【0011】しかしながら、従来の上記のような農業用
多層フィルムには、防曇持続性、防塵性、強靱性等にお
いて改良の余地がある。したがって、上述した従来の農
業用フィルム(単層および多層フィルム)と比べ、防曇
持続性の経時的低下度が少なく、しかも防塵性と強靱性
に優れた農業用フィルムの出現が望まれている。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の農業用フィル
ムと比べ、防曇持続性の経時的低下度が少なく、しかも
防塵性と強靱性に優れた農業用フィルムを提供すること
を目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る農業用フィルムは、[I]
エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとを共
重合して得られ、密度が0.905〜0.935g/c
3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/1
0分であるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)1
00重量部、または該エチレン・α- オレフィン共重合
体(A)と40重量%以下の量の高圧法低密度ポリエチ
レン(B)との混合物100重量部と、[II]下式
(I)で表わされるグリセリンアルキルエステル、下式
(II)で表わされるジグリセリンアルキルエステルおよ
び下式(III) で表わされるジエタノールアルキルアミ
ンからなる防曇剤(C)0.05〜5重量部とを含有す
るエチレン系共重合体組成物(1)で形成される層を有
してなり、該エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)、またはエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物
は、(i)GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/
Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)が
1.5〜3.5の範囲にあり、(ii)23℃におけるn-
デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度(d)と
が、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることを特徴としている。
【0014】
【化4】
【0015】[式(I)中、R1 、R2 およびR3 は、
それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数12〜22
のアシル基である。]
【0016】
【化5】
【0017】[式(II)中、R4 、R5 、R6 およびR
7 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数12
〜22のアシル基である。]
【0018】
【化6】
【0019】[式(III) 中、R8 は、炭素原子数12
〜22のアルキル基である。] 本発明に係る農業用フィルムは、単層構造であってもよ
いし、また2層以上の層からなる多層構造であってもよ
い。
【0020】本発明に係る好ましい単層構造の農業用フ
ィルムは、前記のエチレン・α- オレフィン(A)、防
曇剤(C)および必要に応じて高圧法低密度ポリエチレ
ン(B)を含有するエチレン系共重合体組成物(1)で
形成される層からなる単層フィルムであり、かつ、該フ
ィルムは、(i)エルメンドルフ引裂強度がMD方向で
90kg/cm以上であり、かつ、TD方向で90kg
/cm以上であり、(ii)厚み100μmでのダートイ
ンパクト強度が450g以上であり、(iii) 引張破断
点強度がMD方向で350kg/cm2 以上であり、か
つ、TD方向で350kg/cm2 以上である。
【0021】また、本発明に係る好ましい多層構造の農
業用フィルムは、[I]エチレンと炭素原子数4〜12
のα- オレフィンとを共重合して得られ、密度が0.9
25〜0.940g/cm3 であり、メルトフローレー
トが0.1〜10g/10分であるエチレン・α- オレ
フィン共重合体(D)、または該エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(D)と40重量%以下の量の高圧法低密
度ポリエチレン(B)との混合物を含有するエチレン系
共重合体組成物(2)からなる外層、[II]エチレンと
炭素原子数4〜12のα- オレフィンとを共重合して得
られ、密度が0.880〜0.910g/cm3 であ
り、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であ
るエチレン・α- オレフィン共重合体(E)100重量
部、または該エチレン・α- オレフィン共重合体(E)
と40重量%以下の量の高圧法低密度ポリエチレン
(B)との混合物100重量部と、前式(I)で表わさ
れるグリセリンアルキルエステル、前式(II)で表わさ
れるジグリセリンアルキルエステルおよび前式(III)
で表わされるジエタノールアルキルアミンからなる防曇
剤(C)0.05〜5重量部とを含有するエチレン系共
重合体組成物(3)からなる中間層、および[III] エ
チレンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとを共重
合して得られ、密度が0.905〜0.935g/cm
3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10
分であるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)10
0重量部、または該エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と40重量%以下の量の高圧法低密度ポリエチレ
ン(B)との混合物100重量部と、前式(I)で表わ
されるグリセリンアルキルエステル、前式(II)で表わ
されるジグリセリンアルキルエステルおよび前式(II
I) で表わされるジエタノールアルキルアミンからなる
防曇剤(C)0.05〜5重量部とを含有するエチレン
系共重合体組成物(1)からなる内層が積層されてなる
多層フィルムであり、該外層を形成するエチレン・α-
オレフィン共重合体(D)またはエチレン・α- オレフ
ィン共重合体(D)と高圧法低密度ポリエチレン(B)
との混合物の密度(dD またはdDB)と該内層を形成す
るエチレン・α- オレフィン共重合体(A)またはエチ
レン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度ポ
リエチレン(B)の密度(dA またはdAB)とが、dD
またはdDB ≧ dA またはdABを満足する関係にある。
【0022】また、外層、中間層および内層を形成する
樹脂は、(i)GPCにおいて測定した分子量分布(M
w/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子
量)が1.5〜3.5の範囲にあり、(ii)23℃にお
けるn-デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度
(d)とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることが好ましい。ここに樹脂とは、エチレン・α
- オレフィン共重合体、またはエチレン・α- オレフィ
ン共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの共重合体を
指す。
【0023】さらに、上記のような多層構造の農業用フ
ィルムは、(i)エルメンドルフ引裂強度がMD方向で
90kg/cm以上であり、かつ、TD方向で90kg
/cm以上であり、(ii)厚み100μmでのダートイ
ンパクト強度が900g以上であり、(iii) 引張破断
点強度がMD方向で350kg/cm2 以上であり、か
つ、TD方向で350kg/cm2 以上であることが好
ましい。
【0024】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る農業用フィル
ムについて具体的に説明する。本発明に係る農業用フィ
ルムは、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)、防
曇剤(C)、および必要に応じて高圧法低密度ポリエチ
レン(B)を含有するエチレン系共重合体組成物(1)
で形成される層を有する。本発明に係る農業用フィルム
は、このような層からなる単層構造のフィルム(単層フ
ィルム)であってもよいし、また、このような層を有す
る2層以上の多層構造を有するフィルム(多層フィル
ム)であってもよい。
【0025】[エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)]本発明で用いられるエチレン系共重合体組成物
(1)を構成するエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレフ
ィンとからなる共重合体である。
【0026】エチレンとの共重合に用いられる炭素原子
数4〜12のα- オレフィンとしては、具体的には、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどが挙げられ
る。これらの中では、炭素原子数4〜10のα- オレフ
ィン、特に炭素原子数4〜6のα- オレフィンが好まし
い。
【0027】本発明においては、上記のようなエチレン
・α- オレフィン共重合体(A)を単独で、または2種
以上組合わせて用いることができる。本発明で用いられ
るエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレ
ンから導かれる構成単位が50重量%以上100重量%
未満、好ましくは55〜99重量%、さらに好ましくは
65〜98重量%、特に好ましくは70〜96重量%の
量で存在し、炭素原子数4〜12のα- オレフィンから
導かれる構成単位が50重量%以下、好ましくは1〜4
5重量%、さらに好ましくは2〜35重量%、特に好ま
しくは4〜30重量%の量で存在することが望ましい。
【0028】エチレン・α- オレフィン共重合体の組成
は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅150
0Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μse
c.の測定条件下で測定して決定される。
【0029】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、密度が0.905〜0.935g/cm3
好ましくは0.908〜0.935g/cm3 、さらに
好ましくは0.910〜0.930g/cm3 、特に好
ましくは0.925〜0.930g/cm3 の範囲にあ
る。
【0030】なお、密度は、190℃における2.16
kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得
られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1時間
かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定する。
【0031】また、このエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM
D 1238−65T,190℃、荷重2.16kg)
は、0.1〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g
/10分、さらに好ましくは0.5〜2g/10分の範
囲にある。
【0032】このエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)のGPCにおいて測定した分子量分布(Mw/M
n:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)は、
1.5〜3.5、好ましくは2.0〜3.0の範囲にあ
る。
【0033】なお、分子量分布(Mw/Mn)は、ミリ
ポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測
定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、
カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、
カラム温度は140℃とし、移動相にはO-ジクロロベン
ゼン[和光純薬工業(株)製]および酸化防止剤として
BHT[武田薬品工業(株)製]0.025重量%を用
い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量
%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検
出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、
分子量がMw<1000およびMw>4×106 につい
ては東ソー(株)製を用い、1000<Mw<4×10
6 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
【0034】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、23℃におけるn-デカン可溶成分量分率(W
(重量%))と密度(d)とが下記に示される関係を満
たしている。
【0035】W<80×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 なお、エチレン・α- オレフィン共重合体のn-デカン可
溶成分量(可溶成分量の少ないもの程組成分布が狭い)
の測定は、エチレン・α- オレフィン共重合体約3gを
n-デカン450mlに加え、145℃で溶解した後23
℃まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液
よりn-デカン可溶部を回収することにより行なわれる。
【0036】さらに、エチレン・α- オレフィン共重合
体は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱
曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度〔d
(g/cm3 )〕とが、 Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 さらに好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0037】なお、示差走査型熱量計(DSC)により
測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)は、
試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃
まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分
で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸
熱曲線より求められる。測定は、パーキンエルマー社製
DSC-7 型装置を用いる。
【0038】このように、n-デカン可溶成分量分率
(W)と密度(d)との関係、そして示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線における最大ピーク
位置の温度(Tm)と密度(d)との関係が上記のよう
な関係を有するようなエチレン・α- オレフィン共重合
体は組成分布が狭いと言える。
【0039】また、本発明で用いられるエチレン・α-
オレフィン共重合体(A)は、GPC−IRによる高分
子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐数の
平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 である。
【0040】ここに、GPC−IRによる高分子量側の
分岐数の平均値(B1 )とは、GPCによって分子量分
別された高分子溶出量の累積重量分率が15〜85%
(すなわち低分子量領域15%、高分子量領域15%を
除く高分子溶出成分)の範囲で各フラクション毎に測定
された分岐数の測定値群を、GPC溶出曲線のピーク位
置の分子量で2分割したもののうち、高分子量側の値の
平均値である。一方、低分子量側の分岐数の平均値(B
2 )とは、2分割したもののうち、低分子量側の平均値
である。
【0041】上記B1 およびB2 の測定条件は、次の通
りである。 測定装置:パーキン・エルマー 1760X カラム:東ソー(株)製TSKゲル GMH-HT(7.5mmI.
D.×600mm)×1 溶離剤(eluent):MP−Jを0.05%含有のo-ジク
ロロベンゼン(ODCB)[和光純薬工業(株)製、ex
tra pure grade] カラム温度:140℃ サンプル濃度:0.1%(weight/volume) 射出容量(inj.volume):100マイクロリットル 検出器:MCT 分解能:8cm-1 このB1 とB2 が上記のような関係にあるエチレン・α
- オレフィン共重合体(A)は、組成分布が狭く、しか
もローポリマーが少ないので、ベトツキが少ない。した
がって、上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合
体(A)を用いると、防塵性に優れた農業用フィルムを
得ることができる。
【0042】また、このエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)からなるフィルムは、光線透過率の経時的低
下が非常に小さいため、このようなフィルムを農業用フ
ィルムとして使用すると、長期に亘って展張することが
可能である。
【0043】上記のようなエチレン・α- オレフィン共
重合体(A)は、特開平6−9724号公報、特開平6
−136195号公報、特開平6−136196号公
報、特開平6−207057号公報等に記載されている
メタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレ
フィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4
〜12のα- オレフィンとを、得られる共重合体の密度
が0.880〜0.910g/cm3 となるように共重
合させることによって製造することができる。
【0044】このようなメタロセン系触媒は、通常、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1
個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなるメ
タロセン触媒成分(a)、有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分(b)、微粒子状担体(c)、および必要に
応じて有機アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン
化イオン性化合物触媒成分(e)から形成される。
【0045】本発明で好ましく用いられるメタロセン触
媒成分(a)としては、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の
遷移金属化合物がある。このような遷移金属化合物とし
ては、たとえば下記の一般式[I]で示される遷移金属
化合物が挙げられる。
【0046】ML1 x ・・・ [I] 式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周
期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体
的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。中
でも、ジルコニウムが好ましい。
【0047】L1 は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち、少なくとも1個の配位子L1
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。
上記のような遷移金属原子Mに配位するシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子L1 としては、具体的には、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシク
ロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジ
エニル基等のアルキル置換シクロペンタジエニル基、あ
るいはインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル
基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、
ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されて
いてもよい。
【0048】上記一般式[I]で表わされる化合物がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、
イソプロピリデンジフェニルメチレン等の置換アルキレ
ン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリ
レン基などを介して結合されていてもよい。
【0049】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子L1 は、炭素原子数1〜12の炭化水素
基;メトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のア
リーロキシ基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基等のトリアルキルシリル基;SO3R (Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の
炭化水素基)、ハロゲン原子または水素原子である。
【0050】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、メチル基等のアルキル基、シクロペンチル基等のシ
クロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル
基等のアラルキル基などが挙げられる。
【0051】SO3R で表わされる配位子としては、具
体的には、P-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基などが挙げられ
る。有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)とし
ては、アルミノオキサンが好ましく用いられる。具体的
には、式 −Al(R)O− [ただし、Rはアルキル基である] で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程度のメチル
アルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエ
チルアルミノオキサン等が用いられる。
【0052】このようなアルミノオキサンは、従来公知
の製法で調製することができる。オレフィン重合用触媒
の調製で用いられる微粒子状担体(c)は、無機あるい
は有機の化合物であって、粒径が通常10〜300μm
程度であり、好ましくは20〜200μmの顆粒状ない
し微粒子状の固体である。
【0053】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的には、SiO2、Al23、MgO、Zr
2、TiO2 、B23、CaO、ZnO、BaO、S
nO2等またはこれらの混合物を例示することができ
る。なお、上記無機酸化物には、少量のNa2CO3等の
炭酸塩、Al2(SO43 等の硫酸塩、KNO3 等の硝
酸塩、Li2O等の酸化物を含有していても差し支えな
い。
【0054】このような担体は、その種類および製法に
より性状は異なるが、本発明で好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g 、好ましくは1
00〜700m2/g であり、細孔容積が0.3〜2.
5cm3/g であることが望ましい。
【0055】この担体は、必要に応じて100〜100
0℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられ
る。また、微粒子状担体として用いられる有機化合物と
しては、エチレン、4-メチル-1- ペンテン等の炭素原子
数2〜14のα- オレフィンを主成分として生成される
(共)重合体、あるいはビニルシクロヘキサン、スチレ
ンを主成分として生成される(共)重合体を例示するこ
とができる。
【0056】オレフィン重合用触媒の調製において必要
に応じて用いられる有機アルミニウム化合物触媒成分
(d)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム、イソプレニルアルミニ
ウム等のアルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド等の
アルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド
などを例示することができる。
【0057】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、たとえばUSP−5,321,106号公報に
記載されたトリフェニルボロン、MgCl2、Al
23、SiO2−Al23 等のルイス酸;トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート等のイオン性化合物;ドデカボラン、ビスn-ブチ
ルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート等のカルボ
ラン化合物が挙げられる。
【0058】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)は、上記のようなメタロセン触媒成
分(a)、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)、微粒子状担体(c)、および必要に応じて有機
アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン化イオン性
化合物触媒成分(e)を含むオレフィン重合用触媒の存
在下に、気相、またはスラリー状あるいは溶液状の液相
で種々の条件で、エチレンと炭素原子数4〜12のα-
オレフィンとを共重合させることにより得ることができ
る。
【0059】スラリー重合法または溶液重合法において
は、不活性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン
自体を溶媒とすることもできる。重合を実施する際に
は、上記のようなメタロセン系オレフィン重合用触媒
は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度で、通常10-8
〜10-3グラム原子/リットル、好ましくは10-7〜1
-4グラム原子/リットルの量で用いられることが望ま
しい。
【0060】また、重合に際して、担体に担持されてい
る有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に加えて、さら
に担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物触媒
成分(b)および/または有機アルミニウム化合物触媒
成分(c)を用いてもよい。この場合、担持されていな
い有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
/または有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に由来
するアルミニウム原子(Al)と、メタロセン触媒成分
(a)に由来する遷移金属原子(M)との原子比[Al
/M]は、5〜300、好ましくは10〜200、さら
に好ましくは15〜150の範囲である。
【0061】スラリー重合法における重合温度は、通常
−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の範囲であ
り、溶液重合法における重合温度は、通常−50〜50
0℃、好ましくは0〜400℃の範囲である。また、気
相重合法における重合温度は、通常0〜120℃、好ま
しくは20〜100℃の範囲である。
【0062】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2 、好ましくは2〜50kg/cm2 の加圧条件下
であり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの
方式においても行なうことができる。
【0063】本発明においては、上記エチレン・α- オ
レフィン共重合体(A)の調製に際し、必要に応じて
(1) 多段重合、(2) 液相と気相の多段重合、または(3)
液相での予備重合を行なった後に気相での重合を行なう
等の手段を採用することができる。本発明においては、
上記(1)の多段重合が好ましい。
【0064】多段重合法としては、たとえば、次のよう
な多段重合法が挙げられる。 [1]上記一般式[I]で表わされるシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移
金属化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物からな
るメタロセン触媒成分と、有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分とを含むメタロセン系触媒の存在下に、エチ
レンと炭素原子数4〜12のα-オレフィンとを共重合
させ、エチレン・α- オレフィン共重合体(A−1)を
製造する工程と、[2]上記共重合反応が行なわれる重
合器とは異なる重合器において、上述した一般式[I]
で表わされるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IVB族の遷移金属化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物からなるメタロセン触媒成分
と、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分とを含むメ
タロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4〜
12のα-オレフィンとを共重合させ、エチレン・α-
オレフィン共重合体(A−2)を製造する工程とを含む
オレフィンの多段重合法が挙げられる。ただし、工程
[1]における製造条件と工程[2]における製造条件
とは異なる。このような製造条件としては、たとえばメ
タロセン触媒成分の種類および量、有機アルミニウムオ
キシ化合物触媒成分の種類および量、あるいはエチレン
とα- オレフィンとのモル比などが挙げられる。
【0065】上記共重合工程[1]および/または
[2]において用いられるメタロセン系触媒が、メタロ
セン触媒成分(a)および有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分(b)に加え、有機アルミニウム化合物触媒
成分(d)を含む触媒であってもよく、また、微粒子状
担体(c)にメタロセン触媒成分(a)および有機アル
ミニウム触媒成分(b)が担持された固体触媒であって
もよい。また、これらのメタロセン系触媒は、微粒子状
担体(c)にメタロセン触媒成分(a)および有機アル
ミニウム触媒成分(b)が担持された固体触媒成分にオ
レフィンが予備重合されてなる予備重合触媒であっても
よい。さらに、これらのメタロセン系触媒は、上記固体
触媒(固体触媒成分)と有機アルミニウム化合物触媒成
分(d)とからなる触媒、あるいは上記予備重合触媒
(予備重合触媒成分)と有機アルミニウム化合物触媒成
分(d)とからなる触媒であってもよい。
【0066】この多段重合法では、直列に結合した複数
の重合器を用いて、先ず上記のエチレン・α- オレフィ
ン共重合体(A−1)を製造し、次いで、エチレン・α
- オレフィン共重合体(A−1)の製造に用いた重合器
とは異なる重合器にエチレン・α- オレフィン共重合体
(A−1)を導入し、エチレン・α- オレフィン共重合
体(A−1)の存在下にエチレン・α- オレフィン共重
合体(A−2)を製造することができる。
【0067】また、複数の重合器を並列に結合し、各重
合器において、それぞれエチレン・α- オレフィン共重
合体(A−1)、(A−2)を製造し、次いで、両共重
合体をブレンドすることもできる。
【0068】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)は、エチレン・α- オレフィン共重
合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合
計量100重量部に対して、60〜100重量部、好ま
しくは65〜99重量部、さらに好ましくは70〜95
重量部の割合で用いられる。
【0069】[高圧法低密度ポリエチレン(B)]本発
明で用いられるエチレン系共重合体組成物(1)を構成
する高圧法低密度ポリエチレン(B)は、メルトフロー
レート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷
重2.16kg)が0.1〜100g/10分、密度が
0.915〜0.935g/cm3 、スウェル比が60
%以下であることが好ましい。
【0070】なお、高圧法低密度ポリエチレン(B)の
密度は、上述したエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)の密度の測定方法と同じ方法で求められる。ま
た、スウェル比は、以下のようにして求める。
【0071】メルトフローレート測定時に得られるスト
ランドの先端から5mmの位置の直径をサンプルの径
(mm)としてマイクロメーターで測定する。そして、下
式によりスウェル比を算出する。
【0072】 スウェル比(%)=[(L1/L0)−1]×100 L1 :サンプルの径(mm) L0 :オリフィスの径(=2.0955mm) 上記のような高圧法低密度ポリエチレン(B)は、従来
公知の高圧法で製造することができる。
【0073】本発明においては、高圧法低密度ポリエチ
レン(B)は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量
100重量部に対して、0〜40重量部、好ましくは1
〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合
で用いられる。
【0074】[防曇剤(C)]本発明で用いられるエチ
レン系共重合体組成物(1)を構成する防曇剤(C)
は、下式(I)で表わされるグリセリンアルキルエステ
ル、下式(II)で表わされるジグリセリンアルキルエス
テル、および下式(III) で表わされるジエタノールア
ルキルアミンからなる。
【0075】
【化7】
【0076】R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立
に、水素原子、または炭素原子数12〜22のアシル基
である。R1 、R2 およびR3 のアシル基としては、具
体的には、C1123CO−、C1327CO−、C1531
CO−、C1735CO−、C1939CO−などが挙げら
れる。中でも、C1531CO−、C1735CO−が好ま
しい。
【0077】本発明で好ましく用いられるグリセリンア
ルキルエステルとしては、具体的には、グリセリンパル
ミテート(モノ、ジおよびトリエステルを含む)、グリ
セリンステアレート(モノ、ジおよびトリエステルを含
む)などが挙げられる。
【0078】
【化8】
【0079】式(II)中、R4 、R5 、R6 およびR7
は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数12〜
22のアシル基である。R4 、R5 、R6 およびR7
アシル基としては、具体的には、C1123CO−、C13
27CO−、C1531CO−、C1735CO−、C19
39CO−などが挙げられる。中でも、C1531CO−、
1735CO−が好ましい。
【0080】本発明で好ましく用いられるジグリセリン
アルキルエステルとしては、具体的には、ジグリセリン
パルミテート(モノ、ジ、トリおよびテトラエステルを
含む)、ジグリセリンステアレート(モノ、ジ、トリお
よびテトラエステルを含む)などが挙げられる。
【0081】
【化9】
【0082】R8 は、炭素原子数12〜22のアルキル
基であり、具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシ
ル基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。中
でも、オクタデシル基、ラウリル基、ステアリル基が好
ましい。
【0083】本発明で好ましく用いられるジエタノール
アルキルアミンとしては、具体的には、ジエタノールス
テアリルアミン、ジエタノールラウリルアミンなどが挙
げられる。
【0084】この防曇剤(C)においては、グリセリン
アルキルエステル、ジグリセリンアルキルエステルおよ
びジエタノールアルキルアミンの合計量100重量部に
対して、グリセリンアルキルエステルは10〜40重量
部、好ましくは20〜30重量部の割合で含まれ、ジグ
リセリンアルキルエステルは20〜80重量部、好まし
くは30〜70重量部の割合で含まれ、ジエタノールア
ルキルアミンは1〜20重量部、好ましくは1〜10重
量部の割合で含まれている。
【0085】本発明で好ましく用いられる防曇剤(C)
は、たとえば次の通りである。 (1)グリセリンステアレートと、ジグリセリンステア
レートと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防
曇剤。 (2)グリセリンパルミテートと、ジグリセリンパルミ
テートと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防
曇剤。 (3)グリセリンラウレートと、ジグリセリンラウレー
トと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防曇
剤。 (4)グリセリンベヘネートと、ジグリセリンベヘネー
トと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防曇
剤。 (5)上記(1)から(4)の任意の混合物。
【0086】防曇剤(C)は、エチレン・α- オレフィ
ン共重合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0.05〜5重
量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは
0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0087】[その他の成分]上記のエチレン系共重合
体組成物(1)中に、必要に応じて、従来公知の耐候安
定剤、酸化防止剤、防霧剤、無機化合物、帯電防止剤、
熱安定剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範
囲で配合することができる。
【0088】耐候安定剤は、紫外線吸収剤と光安定剤と
に大別されるが、光安定剤の方が薄い農業用フィルムに
は有効であり、耐候安定性の改良効果が大きい。光安定
剤としては、従来公知の光安定剤を用いることができ、
中でもヒンダードアミン系光安定剤(HALS;Hinder
ed Amine Light Stabilizers)が好ましく用いられる。
【0089】ヒンダードアミン系安定剤としては、具体
的には、以下のような化合物が用いられる。 (1)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セ
バケート、(2)コハク酸ジメチル-1- (2-ヒドロキシ
エチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリ
ジン重縮合物、(3)テトラキス(2,2,6,6-テトラメチ
ル-4- ピペリジル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシ
レート、(4)2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジニル
ベンゾエート、(5)ビス- (1,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジニル)-2- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シベンジル)-2-n- ブチルマロネート、(6)ビス(N-
メチル-2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジニル)セバ
ケート、(7)1,1'-(1,2- エタンジイル)ビス(3,3,
5,5-テトラメチルピペラジノン)、(8)(ミックスト
2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-
1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(9)(ミ
ックスト1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/トリ
デシル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、
(10)ミックスト{2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジ
ル/β,β,β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,
3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(11)ミックス
ト{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/β,β,
β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テトラオキサス
ピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4- ブタン
テトラカルボキシレート、(12)N,N'- ビス(3-アミノ
プロピル)エチレンジアミン-2-4- ビス[N-ブチル-N-
(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)アミノ]-6
- クロロ-1,3,5- トリアジン縮合物、(13)N,N'- ビス
(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)ヘキサメチレ
ンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの縮合物、(14)
[N-(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル)-2-メチ
ル-2- (2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)イミ
ノ]プロピオンアミドなど。
【0090】これらのヒンダードアミン系光安定剤は、
単独で、または2種以上組合わせて用いることができ
る。上記光安定剤は、エチレン・α- オレフィン共重合
体(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計
量100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ま
しくは0.005〜2重量部、さらに好ましくは0.0
1〜1重量部の割合で用いられる。
【0091】紫外線吸収剤としては、具体的には、フェ
ニルサリシレート、p-tert- ブチルフェニルサリシレー
ト、p-オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系
紫外線吸収剤;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒ
ドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4
- オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- ドデシ
ルオキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メト
キシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4,4'-ジメト
キシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-5- ス
ルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤;2-(2'- ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-5'-tert- ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'
-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2'- ヒドロキシ-3'-tert- ブチル-5'-メチルフェニ
ル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキ
シ-3',5'- ジ-tert-ブチルフェニル)-5- クロロベンゾ
トリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-tert-ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾ
ール系吸収剤;2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3'-ジフ
ェニルアクリレート、エチル-2- シアノ-3,3'-ジフェニ
ルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤
などが挙げられる。
【0092】上記紫外線吸収剤は、エチレン・α- オレ
フィン共重合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0.005〜5
重量部、好ましくは0.005〜2重量部、さらに好ま
しくは0.01〜1重量部の割合で用いられる。
【0093】無機化合物は、保温剤として有効なMg、
Ca、AlおよびSiの少なくとも1つの原子を含有す
る無機酸化物、無機水酸化物、ハイドロタルサイト類な
どである。
【0094】具体的には、SiO2 、Al23、Mg
O、CaO等の無機酸化物;Al(OH)3 、Mg(O
H)2 、Ca(OH)2 等の無機水酸化物; 式 M2+ 1-xAlx(OH)2(An-x/n・mH2O [式中、M2+は、Mg、CaまたはZnの二価金属イオ
ンであり、An-はCl- 、Br- 、I- 、NO3 2- 、C
lO4-、SO4 2- 、CO2 2- 、SiO3 2- 、HPO
4 2- 、HBO3 2- 、PO4 2- 等のアニオンであり、x
は、0<x<0.5 の条件を満足する数値であり、m
は、0≦m≦2 の条件を満足する数値である]で表わ
される無機複合化合物、その焼成物等のハイドロタルサ
イト類などが挙げられる。これらの中でも、ハイドロタ
ルサイト類が好ましく、特に上記式で表わされる無機複
合化合物の焼成物が好ましい。
【0095】上記のような無機化合物は、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。無機化合
物の平均粒径は、10μm以下、好ましくは5μm以
下、さらに好ましくは3μm以下であることが望まし
い。
【0096】無機化合物の平均粒径が上記範囲以内であ
れば、透明性が良好なフィルムを得ることができる。上
記無機化合物は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)100重
量部に対して、1〜20重量部、好ましくは1〜18重
量部、さらに好ましくは2〜15重量部の割合で用いら
れる。
【0097】無機化合物を上記のような割合で用いる
と、保温性に優れたフィルムを得ることができる。本発
明に係る農業用フィルムは、上記のようなエチレン系共
重合体組成物(1)からなる層を有する。
【0098】本発明に係る農業用フィルムが上記のエチ
レン系共重合体組成物(1)で形成される層からなる単
層フィルムである場合、この農業用フィルムは、厚みが
通常30〜200μm、好ましくは40〜180μm、
さらに好ましくは50〜150μmの範囲にある。
【0099】このような単層フィルムである、本発明に
係る農業用フィルムは、次のような物性、特性を有して
いる。 (i)エルメンドルフ引裂強度は、MD方向で90kg
/cm以上、好ましくは100kg/cm以上であり、
かつ、TD方向で90kg/cm以上、好ましくは10
0kg/cm以上である。 (ii)厚み100μmでのダートインパクト強度は、4
50g以上、好ましくは500g以上である。 (iii) 引張破断点強度は、MD方向で350kg/c
2 以上、好ましくは400kg/cm2 以上であり、
かつ、TD方向で350kg/cm2 以上、好ましくは
400kg/cm2 以上である。
【0100】上記のような本発明に係る単層構造の農業
用フィルムは、上述したエチレン系共重合体組成物
(1)から、たとえばインフレーション法、Tダイ法に
よるフィルム成形によって調製することができる。
【0101】このインフレーション法によるフィルム成
形は、エチレン系共重合体組成物(1)をスリットダイ
を介して押出し、所定の空気流によって膨張させること
により行なわれる。エチレン系共重合体組成物(1)を
押出しする際の樹脂温度は、190〜250℃とするこ
とが好適である。
【0102】本発明に係る農業用フィルムは、上述した
ように、上記のようなエチレン系共重合体組成物(1)
で形成される層を有する多層構造であってもよい。本発
明に係る多層構造の農業用フィルムとしては、たとえば
次のような外層と中間層と内層とからなる3層積層フィ
ルムが特に好ましい。
【0103】外 層 上記3層積層フィルムを構成する外層は、エチレン・α
- オレフィン共重合体(D)および高圧法低密度ポリエ
チレン(B)を含有するエチレン系共重合体組成物
(2)から形成されている。
【0104】[エチレン・α- オレフィン共重合体
(D)]上記3層積層フィルムの外層を形成するエチレ
ン・α- オレフィン共重合体(D)は、エチレンと炭素
原子数4〜12のα- オレフィンとからなる共重合体で
あり、密度が0.925〜0.940g/cm3 、好ま
しくは0.925〜0.935g/cm3 であること以
外は、上述した農業用単層フィルムの形成に際して用い
られるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)と同じ
である。
【0105】このようなエチレン・α- オレフィン共重
合体(D)は、上述したエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)の製造方法と同様の方法で、メタロセン系オ
レフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数
4〜12のα- オレフィンとを、得られる共重合体の密
度が0.925〜0.940g/cm3 となるように共
重合させることによって製造することができる。
【0106】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(D)は、エチレン・α- オレフィン共重
合体(D)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合
計量100重量部に対して、60〜100重量部、好ま
しくは65〜99重量部、さらに好ましくは70〜95
重量部の割合で用いられる。
【0107】[高圧法低密度ポリエチレン(B)]上記
3層積層フィルムの外層を形成する高圧法低密度ポリエ
チレン(B)は、上述した単層構造の農業用フィルム形
成に際して用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)
と同じである。
【0108】本発明においては、高圧法低密度ポリエチ
レン(B)は、必要に応じて、エチレン・α- オレフィ
ン共重合体(D)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0〜40重量
部、好ましくは1〜35重量部、さらに好ましくは5〜
30重量部の割合で用いられる。
【0109】[その他の成分]上記外層形成用のエチレ
ン系共重合体組成物(2)中に、必要に応じて、上述し
た防曇剤(C)および従来公知の耐候安定剤、酸化防止
剤、防霧剤、無機化合物、帯電防止剤、熱安定剤などの
添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合するこ
とができる。
【0110】外層形成に際して用いられる耐候安定剤
は、上述した単層構造の農業用フィルム形成に際し必要
に応じて用いられる耐候安定剤(紫外線吸収剤、光安定
剤)と同じである。光安定剤は、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(D)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0.005〜5
重量部、好ましくは0.005〜2重量部、さらに好ま
しくは0.01〜1重量部の割合で用いられる。また、
紫外線吸収剤は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(D)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量
100重量部に対して、0.005〜5重量部、好まし
くは0.005〜2重量部、さらに好ましくは0.01
〜1重量部の割合で用いられる。
【0111】ここで用いられる防曇剤(C)は、上述し
た単層構造の農業用フィルム形成に際して用いられる防
曇剤(C)と同じである。防曇剤(C)は、エチレン・
α-オレフィン共重合体(D)および高圧法低密度ポリ
エチレン(B)の合計量100重量部に対して、0.0
5〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好
ましくは0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0112】また、ここで用いられる無機化合物は、上
述した単層構造の農業用フィルム形成に際し必要に応じ
て用いられる無機化合物と同じである。無機化合物は、
エチレン・α- オレフィン共重合体(D)および高圧法
低密度ポリエチレン(B)100重量部に対して、1〜
20重量部、好ましくは1〜18重量部、さらに好まし
くは2〜15重量部の割合で用いられる。外層を形成す
るに際して無機化合物を上記のような割合で用いると、
保温性に優れた3層積層フィルムを得ることができる。
【0113】中間層 上記3層積層フィルムを構成する中間層は、エチレン・
α- オレフィン共重合体(E)、防曇剤(C)および必
要に応じて高圧法低密度ポリエチレン(B)を含有する
エチレン系共重合体組成物(3)から形成されている。
【0114】[エチレン・α- オレフィン共重合体
(E)]上記3層積層フィルムの中間層を形成するエチ
レン・α- オレフィン共重合体(E)は、エチレンと炭
素原子数4〜12のα- オレフィンとからなる共重合体
であり、密度が0.880〜0.910g/cm3 、好
ましくは0.890〜0.905g/cm3 であること
以外は、上述したエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と同じである。
【0115】このようなエチレン・α- オレフィン共重
合体(E)は、上述したエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)の製造方法と同様の方法で、メタロセン系オ
レフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数
4〜12のα- オレフィンとを、得られる共重合体の密
度が0.880〜0.910g/cm3 となるように共
重合させることによって製造することができる。
【0116】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(E)は、エチレン・α- オレフィン共重
合体(E)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合
計量100重量部に対して、60〜100重量部、好ま
しくは65〜99重量部、さらに好ましくは70〜95
重量部の割合で用いられる。
【0117】[高圧法低密度ポリエチレン(B)]上記
3層積層フィルムの中間層を形成する高圧法低密度ポリ
エチレン(B)は、上述した単層構造の農業用フィルム
形成に際して用いられる高圧法低密度ポリエチレン
(B)と同じである。
【0118】本発明においては、高圧法低密度ポリエチ
レン(B)は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(E)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量
100重量部に対して、0〜40重量部、好ましくは1
〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合
で用いられる。
【0119】[防曇剤(C)]上記中間層形成用のエチ
レン・α- オレフィン共重合体(E)および高圧法低密
度ポリエチレン(B)に添加される防曇剤(C)は、上
述した単層構造の農業用フィルム形成に際して用いられ
る防曇剤(C)と同じである。
【0120】防曇剤(C)は、エチレン・α- オレフィ
ン共重合体(E)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0.05〜5重
量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは
0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0121】[その他の成分]中間層形成用のエチレン
系共重合体組成物(3)中に、必要に応じて、従来公知
の耐候安定剤、酸化防止剤、無機化合物、防霧剤、帯電
防止剤、熱安定剤などの添加剤を、本発明の目的を損な
わない範囲で配合することができる。
【0122】中間層の形成に際して用いられる耐候安定
剤は、上述した単層構造の農業用フィルム形成に際し必
要に応じて用いられる耐候安定剤(紫外線吸収剤、光安
定剤)と同じである。光安定剤は、エチレン・α- オレ
フィン共重合体(E)および高圧法低密度ポリエチレン
(B)の合計量100重量部に対して、0.005〜5
重量部、好ましくは0.005〜2重量部、さらに好ま
しくは0.01〜1重量部の割合で用いられる。紫外線
吸収剤は、エチレン・α- オレフィン共重合体(E)お
よび高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量100重
量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは0.
005〜2重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量
部の割合で用いられる。
【0123】また、中間層の形成に際して用いられる無
機化合物は、上述した単層構造の農業用フィルム形成に
際し必要に応じて用いられる無機化合物と同じである。
無機化合物は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(E)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量
100重量部に対して、1〜7.0重量部の割合で用い
られる。中間層形成に際して無機化合物を上記のような
割合で用いると、保温性に優れた3層積層フィルムを得
ることができる。
【0124】内層 上記3層積層フィルムを構成する内層は、上述したエチ
レン・α- オレフィン共重合体(A)、防曇剤(C)お
よび必要に応じて高圧法低密度ポリエチレン(B)を含
有するエチレン系共重合体組成物(1)から形成されて
いる。この組成物(1)については、上述した通りであ
る。
【0125】本発明おいては、上記外層を形成する樹脂
の密度(dD またはdDB)と、内層を形成する樹脂の密
度(dA またはdAB)とは、 dD またはdDB ≧ dA またはdAB を満足する関係にある。ここに樹脂とは、エチレン・α
- オレフィン共重合体、またはエチレン・α- オレフィ
ン共重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの共重合体を
指す。
【0126】したがって、上記中間層に含まれている防
曇剤(C)は、密度の低い樹脂からなる内層に徐々に移
行するため、内層の防曇性を持続することができる。内
層形成用のエチレン・α- オレフィン共重合体(A)の
密度が0.905g/cm3 よりも小さくなり過ぎる
と、フィルムの内面のベトツキが大きく、パイプハウス
との滑りが悪く、展張作業性が損なわれる傾向がある。
【0127】上記のような3層積層フィルムである、本
発明に係る農業用フィルムは、外層の厚みが通常3〜1
00μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましく
は20〜70μmの範囲にあり、中間層の厚みが10〜
150μm、好ましくは20〜120μm、さらに好ま
しくは30〜100μmの範囲にあり、内層の厚みが3
〜100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ま
しくは20〜70μmの範囲にあり、かつ、これらの層
全体の厚みが30〜200μm、好ましくは50〜18
0μm、さらに好ましくは70〜150μmの範囲にあ
る。
【0128】このような3層積層フィルムにおいては、
外層[I]、中間層[II]および内層[III] の各層の
厚みの比(外層[I]/中間層[II]/内層[III] )
は、0.2〜4/1〜10/1、好ましくは0.5〜2
/2〜6/1であることが望ましい。
【0129】上記のような3層積層フィルムである、本
発明に係る農業用フィルムは、次のような物性、特性を
有している。 (i)エルメンドルフ引裂強度は、MD方向で90kg
/cm以上、好ましくは100kg/cm以上であり、
かつ、TD方向で90kg/cm以上、好ましくは10
0kg/cm以上である。 (ii)厚み100μmでのダートインパクト強度は、9
00g以上、好ましくは1,000g以上である。 (iii) 引張破断点強度は、MD方向で350kg/c
2 以上、好ましくは370kg/cm2 以上であり、
かつ、TD方向で350kg/cm2 以上、好ましくは
370kg/cm2 以上である。
【0130】上記のような3層構造を有する、本発明に
係る農業用フィルムは、各層で使用するポリエチレン系
樹脂および上述した添加剤等の成分をそれぞれ混合し、
バンバリーミキサーまたはロールミル、押出機等で溶融
混合し、次いで、共押出インフレーション法または共押
出Tダイ法により、外層、中間層および内層を積層する
ことによって調製することができる。
【0131】なお、2層または4層以上の層からなる、
本発明に係る農業用フィルムは、これらの調製法に準じ
て、調製することができる。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、上述した従来の農業用
フィルム(単層および多層フィルム)と比べ、防曇持続
性に優れ、しかも防塵性と強靱性に優れた農業用フィル
ムを提供することができる。また、本発明に係る農業用
フィルムは、軽量で、かつ、使用しているポリマー中の
低分子量成分が少ないため、ベトツキが少なく、展張作
業性に優れるとともに、高温時のフィルム同士の融着が
少ないという利点を有する。特に、上述した3層積層フ
ィルムからなる農業用フィルムは、外層を形成している
樹脂が内層を形成している樹脂よりも高密度であるの
で、防曇持続性が優れている。
【0133】本発明に係る農業用フィルムは、上記のよ
うな効果を有するので、ハウス、トンネル等の農園芸施
設に展張し、有用作物の栽培に長期に亘って利用するこ
とができる。
【0134】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における農業用フィルムの評価
は、下記のようにして行なった。 (1)防曇性 5℃に設定した恒温室内において、図1に示した寸法
(mm)の木枠1(側面は板で、上面・下面は開放され
ている)の傾斜角15゜になっている上面にヒートシー
ルで繋いだフィルムサンプルを張り、フィルム下の木枠
1内に30℃の恒温水槽上に設置して所定時間後にフィ
ルム内面に付着している水滴の状態を観察し、フィルム
の防曇性として評価した。
【0135】<5段階評価> ○ : 流滴状態で、水滴が認められない。 ○〜△: 流滴状態で、流れ筋が残っている。
【0136】 △ : 流れ筋と水滴が混在している。 △〜×: 流れ筋と水滴が混在し、水滴が多い。 × : 細かい水滴がフィルムのほぼ全面に付着して
いる。 (2)エルメンドルフ引裂強度:JIS Z-1702に
準拠した方法で縦方向および横方向の強度を測定した。 (3)ダートインパクト強度 ダートインパクト強度は、JIS Z 1707に準拠し
て(ダート先端径38mm)、衝撃試験を行なって求め
た。 (4)引張破断点強度 引張破断点強度は、JIS K 6781に準拠し、下記
の条件で、多層フィルムのMD方向およびTD方向につ
いて、クロスヘッド移動速度一定型引張試験機(インス
トロン社製)を用いて引張試験を行なって求めた値であ
る。
【0137】[試験条件] 試 料 :JIS K 6781 雰囲気温度:23℃ 引張速度 :500mm/分
【0138】
【参考例1】エチレン・1-ヘキセン共重合体の調製 [オレフィン重合用触媒の調製]250℃で10時間乾
燥したシリカ5.0kgを80リットルのトルエンで懸
濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアル
ミノオキサンのトルエン溶液(Al;1.33モル/リ
ットル)28.7リットルを1時間で滴下した。この
際、系内の温度を0℃に保った。引続き0℃で60分間
反応させ、次いで、1.5時間かけて95℃まで昇温
し、その温度で20時間反応させた。その後60℃まで
降温し上澄液をデカンテーション法により除去した。
【0139】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁化
した。この系内へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;34.0ミリモル/リットル)7.4リットル
およびビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;28.1ミ
リモル/リットル)1.0リットルを80℃で30分間
かけて滴下し、更に80℃で2時間反応させた。その
後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することによ
り、1g当り3.6mgのジルコニウムを含有する固体
触媒を得た。 [予備重合触媒の調製]1.7モルのトリイソブチルア
ルミニウムを含有する85リットルのヘキサンに、上記
で得られた固体触媒0.85kgおよび1-ヘキセン25
5gを加え、35℃で12時間エチレンの予備重合を行
なうことにより、固体触媒1g当り10gのポリエチレ
ンが予備重合された予備重合触媒を得た。このエチレン
重合体の極限粘度[η]は1.74dl/gであった。 [重合]直列に結合した2器の連続式流動床気相重合装
置を用い、上記予備重合触媒の存在下に、エチレンと1-
ヘキセンとの共重合を行なってエチレン・1-ヘキセン共
重合体を得た。
【0140】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が7.5重量%であ
り、密度が0.928g/cm3 であり、メルトフロー
レート(MFR;ASTM D 1238−65T,19
0℃、荷重2.16kg)が1.63g/10分であ
り、GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn)
が3.5であった。
【0141】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が120℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.25重量%であった。
【0142】この共重合体についてGPC−IR分析で
測定した上述のB1 は12.2/1000C(炭素原子
1000個当たり12.2)であり、B2 は9.9/1
000Cであった。
【0143】
【参考例2】直列に結合した2器の連続式流動床気相重
合装置を用い、上記参考例1に記載の予備重合触媒の存
在下に、エチレンと1-ヘキセンとの共重合を行なってエ
チレン・1-ヘキセン共重合体を得た。
【0144】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が11重量%であ
り、密度が0.915g/cm3 であり、メルトフロー
レート(MFR;ASTM D 1238−65T,19
0℃、荷重2.16kg)が2.19g/10分であ
り、GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn)
が3.5であった。
【0145】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が108℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.42重量%であった。
【0146】この共重合体についてGPC−IR分析で
測定した上述のB1 は18.6/1000Cであり、B
2 は14.7/1000Cであった。
【0147】
【参考例3および4】参考例1と同様の方法で第1表に
示すようなエチレン・1-ヘキセン共重合体を得た。
【0148】
【表1】
【0149】
【実施例1、2および比較例1、2】第1表に示す樹脂
を用いて、第2表に示す条件で、厚み100μmの三層
フィルムを下記の条件でインフレーション成形した。 [インフレーション成形条件] 成形機 : アルピネ社製3層機 ダイ口径 : 400mm 成形温度 : 200℃ 折幅 : 1500mm 厚さ : 全層100μm(外層/中間層/内層=20μ
m/60μm/20μm) 上記のようにして得られたフィルムの物性を第3表に示
す。
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る実施例および比較例にお
ける多層フィルムの防曇性試験で用いた木枠の概略斜視
図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・ 木枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES // C08K 3/00 C08K 3/00 5/103 5/103 5/17 5/17 C08L 23/06 C08L 23/06 23/18 23/18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A01G 9/14 A01G 13/02 C08J 5/18

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]エチレンと炭素原子数4〜12のα
    - オレフィンとを共重合して得られ、密度が0.905
    〜0.935g/cm3 であり、メルトフローレートが
    0.1〜10g/10分であるエチレン・α- オレフィ
    ン共重合体(A)100重量部、または該エチレン・α
    - オレフィン共重合体(A)と40重量%以下の量の高
    圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物100重量部
    と、[II]下式(I)で表わされるグリセリンアルキル
    エステル、下式(II)で表わされるジグリセリンアルキ
    ルエステルおよび下式(III) で表わされるジエタノー
    ルアルキルアミンからなる防曇剤(C)0.05〜5重
    量部とを含有するエチレン系共重合体組成物(1)で形
    成される層を有してなり、 該エチレン・α- オレフィン共重合体(A)、またはエ
    チレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度
    ポリエチレン(B)との混合物は、(i)GPCにおい
    て測定した分子量分布(Mw/Mn:Mw=重量平均分
    子量、Mn=数平均分子量)が1.5〜3.5の範囲に
    あり、(ii)23℃におけるn-デカン可溶成分量分率
    (W(重量%))と密度(d)とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
    1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
    高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
    数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることを特徴とする農業用フィルム; 【化1】 [式(I)中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立
    に、水素原子または炭素原子数12〜22のアシル基で
    ある]、 【化2】 [式(II)中、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞ
    れ独立に、水素原子または炭素原子数12〜22のアシ
    ル基である]、 【化3】 [式(III) 中、R8 は、炭素原子数12〜22のアル
    キル基である]。
  2. 【請求項2】前記のエチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)、防曇剤(C)および必要に応じて高圧法低密度
    ポリエチレン(B)を含有するエチレン系共重合体組成
    物(1)で形成される層からなる単層フィルムであり、
    かつ、 該フィルムは、(i)エルメンドルフ引裂強度がMD方
    向で90kg/cm以上であり、かつ、 TD方向で90kg/cm以上であり、(ii)厚み10
    0μmでのダートインパクト強度が450g以上であ
    り、(iii) 引張破断点強度がMD方向で350kg/
    cm2 以上であり、かつ、TD方向で350kg/cm
    2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の農業用
    フィルム。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)が、メタロセン系触媒を用いて調製されたエチレ
    ンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとの共重合体
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の農業
    用フィルム。
  4. 【請求項4】前記防曇剤(C)が、前記グリセリンアル
    キルエステル10〜40重量部と、ジグリセリンアルキ
    ルエステル20〜80重量部と、ジエタノールアルキル
    アミン1〜20重量部[これらの成分の合計量は100
    重量部とする]とからなることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の農業用フィルム。
  5. 【請求項5】前記エチレン系共重合体組成物(1)中
    に、Mg、Ca、AlおよびSiの少なくとも1つの原
    子を含有する無機化合物が、エチレン・α- オレフィン
    共重合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)
    の合計量100重量部に対して1〜20重量部含まれて
    いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    農業用フィルム。
  6. 【請求項6】厚みが30〜200μmであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の農業用フィル
    ム。
  7. 【請求項7】[I]エチレンと炭素原子数4〜12のα
    - オレフィンとを共重合して得られ、密度が0.925
    〜0.940g/cm3 であり、メルトフローレートが
    0.1〜10g/10分であるエチレン・α- オレフィ
    ン共重合体(D)、または該エチレン・α- オレフィン
    共重合体(D)と40重量%以下の量の高圧法低密度ポ
    リエチレン(B)との混合物を含有するエチレン系共重
    合体組成物(2)からなる外層、[II]エチレンと炭素
    原子数4〜12のα- オレフィンとを共重合して得ら
    れ、密度が0.880〜0.910g/cm3 であり、
    メルトフローレートが0.1〜10g/10分であるエ
    チレン・α- オレフィン共重合体(E)100重量部、
    または該エチレン・α- オレフィン共重合体(E)と4
    0重量%以下の量の高圧法低密度ポリエチレン(B)と
    の混合物100重量部と、 前式(I)で表わされるグリセリンアルキルエステル、
    前式(II)で表わされるジグリセリンアルキルエステル
    および前式(III) で表わされるジエタノールアルキル
    アミンからなる防曇剤(C)0.05〜5重量部とを含
    有するエチレン系共重合体組成物(3)からなる中間
    層、および[III] エチレンと炭素原子数4〜12のα
    - オレフィンとを共重合して得られ、密度が0.905
    〜0.935g/cm3 であり、メルトフローレートが
    0.1〜10g/10分であるエチレン・α- オレフィ
    ン共重合体(A)100重量部、または該エチレン・α
    - オレフィン共重合体(A)と40重量%以下の量の高
    圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物100重量部
    と、 前式(I)で表わされるグリセリンアルキルエステル、
    前式(II)で表わされるジグリセリンアルキルエステル
    および前式(III) で表わされるジエタノールアルキル
    アミンからなる防曇剤(C)0.05〜5重量部とを含
    有するエチレン系共重合体組成物(1)からなる内層が
    積層されてなる多層フィルムであり、 該外層を形成するエチレン・α- オレフィン共重合体
    (D)またはエチレン・α- オレフィン共重合体(D)
    と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物の密度
    (dD またはdDB)と該内層を形成するエチレン・α-
    オレフィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフ
    ィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)
    の密度(dA またはdAB)とが、dD またはdDB ≧ d
    A またはdABを満足する関係にあることを特徴とする請
    求項1に記載の農業用フィルム。
  8. 【請求項8】前記の外層を形成するエチレン・α- オレ
    フィン共重合体(D)またはエチレン・α- オレフィン
    共重合体(D)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との
    混合物、および中間層を形成するエチレン・α- オレフ
    ィン共重合体(E)またはエチレン・α- オレフィン共
    重合体(E)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混
    合物は、(i)GPCにおいて測定した分子量分布(M
    w/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子
    量)が1.5〜3.5の範囲にあり、(ii)23℃にお
    けるn-デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度
    (d)とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
    1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
    高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
    数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることを特徴とする請求項7に記載の農業用フィル
    ム。
  9. 【請求項9】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (D)および(E)が、メタロセン系触媒を用いて調製
    されたエチレンと炭素原子数4〜12のα- オレフィン
    との共重合体であることを特徴とする請求項7または8
    に記載の農業用フィルム。
  10. 【請求項10】前記エチレン系共重合体組成物(2)中
    に、前記防曇剤(C)がエチレン・α- オレフィン共重
    合体(D)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合
    計量100重量部に対して、0.05〜5重量部含まれ
    ていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載
    の農業用フィルム。
  11. 【請求項11】前記エチレン系共重合体組成物(2)中
    に、Mg、Ca、AlおよびSiの少なくとも1つの原
    子を含有する無機化合物が、エチレン・α- オレフィン
    共重合体(D)および高圧法低密度ポリエチレン(B)
    の合計量100重量部に対して、1〜20重量部含まれ
    ていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記
    載の農業用フィルム。
  12. 【請求項12】前記エチレン系共重合体組成物(3)中
    に、Mg、Ca、AlおよびSiの少なくとも1つの原
    子を含有する無機化合物が、エチレン・α- オレフィン
    共重合体(E)および高圧法低密度ポリエチレン(B)
    の合計量100重量部に対して、1〜7.0重量部含ま
    れていることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに
    記載の農業用フィルム。
  13. 【請求項13】前記外層[I]、中間層[II]および内
    層[III] の各層の厚みの比(外層[I]/中間層[I
    I]/内層[III] )が0.2〜4/1〜10/1であ
    り、かつ、これらの層全体の厚みが30〜200μmで
    あることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載
    の農業用フィルム。
  14. 【請求項14】(i)エルメンドルフ引裂強度がMD方
    向で90kg/cm以上であり、かつ、 TD方向で90kg/cm以上であり、(ii)厚み10
    0μmでのダートインパクト強度が900g以上であ
    り、(iii) 引張破断点強度がMD方向で350kg/
    cm2 以上であり、かつ、 TD方向で350kg/cm2 以上であることを特徴と
    する請求項7〜13のいずれかに記載の農業用フィル
    ム。
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