JP2969372B2 - 合成皮革の製造方法 - Google Patents

合成皮革の製造方法

Info

Publication number
JP2969372B2
JP2969372B2 JP28795390A JP28795390A JP2969372B2 JP 2969372 B2 JP2969372 B2 JP 2969372B2 JP 28795390 A JP28795390 A JP 28795390A JP 28795390 A JP28795390 A JP 28795390A JP 2969372 B2 JP2969372 B2 JP 2969372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitin
polyurethane
synthetic leather
layer
dispersed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28795390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04163377A (ja
Inventor
夏一郎 上林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYO KUROSU KK
Original Assignee
TOYO KUROSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYO KUROSU KK filed Critical TOYO KUROSU KK
Priority to JP28795390A priority Critical patent/JP2969372B2/ja
Publication of JPH04163377A publication Critical patent/JPH04163377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2969372B2 publication Critical patent/JP2969372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成皮革の製造方法、さらに詳しくはβ−
キチンを分散させたポリウレタン表層を有する合成皮革
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、高透湿、抗菌作用を付与するため、ポリウレタ
ンの微多孔質膜の上にキチンを分散させたポリウレタン
の複合層をコーティングしたウェア素材が知られてい
る。
しかし従来使用されているキチンは、甲殻類および昆
虫類の外骨格、特にカニ甲から分離したα−キチンであ
る。このα−キチンは、撹拌または凍結解凍処理を行っ
てもフィブリル化しにくく、ゲル状物が得られない。こ
のα−キチンの懸濁液を得るには、予め乾式で粉砕する
必要があり、時間がかかるとともに工程も複雑となる。
また得られるα−キチン成形体は、強度、伸び率等低い
という欠点がある。
これに対してイカ甲または軟甲から分離したβ−キチ
ンは、水との親和性が高く膨潤し易いためにフィブリル
化が容易であり、最終的にはゲルを形成する。また得ら
れるβ−キチン成形体は、強度、伸び率、耐折度等のす
ぐれた物性を有している(特開平1−198601号公報およ
び特開平2−124903号公報参照)。さらにβ−キチンは
有機溶剤、例えばジメチルホルムアミド中でも分散して
均一な懸濁液を得ることができ、この懸濁液はそのまま
合成皮革製造用に供することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者は、従来のα−キチンの代わりに分散し易く
物性のすぐれたβ−キチンを使用することにより、高濃
度かつより均一なキチン懸濁液が容易に得られるととも
に、合成皮革の製造が容易となり、さらに透湿、吸湿性
およびドレープ性にすぐれ、ゴムライクのない合成皮革
が得られることを見出して、本発明に至ったものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、合成皮革の製造方法において、基材または
基材層表面にβ−キチンを分散させたポリウレタン表層
を積層一体化するものである。
本発明における基材としては、ナイロン、ポリエステ
ル、綿、レーヨン等の繊維単独またはこれらの混紡繊維
よりなる繊布、編布、不繊布等が用いられ、必要により
起毛処理を施してもよい。また基材層としては上記基材
表面に、ポリウレタンの湿式微多孔層を積層したもので
あり、このポリウレタンの湿式微多孔層は、基材上にポ
リウレタンの親水性有機溶剤溶液(例えばジメチルホル
ムアミド、以下DMFという)を塗布した後、水中に浸漬
して溶剤を除去しポリウレタンを凝固させることにより
形成される。
β−キチンを分散させたポリウレタン層は、予め有機
溶剤(例えばDMF等)に分散させたβ−キチン懸濁液を
混合したポリウレタン溶液を用いて、転写法または直接
グラビアコート法等により前記基材または基材層表面に
積層一体化される。表層を構成するポリウレタンとして
は、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリ
ウレタン、ポリカプロラクトン系ポリウレタン、ポリカ
ーボネート系ポリウレタン等の中から適宜選択される。
β−キチンの添加量はポリウレタンの量に対して1〜10
0重量%、好ましくは5〜50重量%である。β−キチン
の添加量が多過ぎると透湿、、吸湿性およびドレープ性
は良好となるが、膜強度が低下し、また少な過ぎると透
湿、吸湿性およびドレープ性の向上が望めなく、ゴムラ
イクを与えることになる。
転写法により積層一体化する場合には、離型紙にβ−
キチンを分散させたポリウレタン溶液をドクターナイフ
等によって均一厚さに塗布した後、乾燥させてポリウレ
タン表層を形成し、ついで前記基材または基材表面と接
着材を用いて接着するか、または加熱ラミネート法等に
より積層一体化し、最後に離型紙を剥離することにより
製造される。得られた表層表面には、必要によりさらに
表面処理層を設けてもよい。
上記接着剤としては、ポリエステル系ポリウレタン、
ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカプロラクトン系ポ
リウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン等の2液
型ポリウレタン等を用いることができる。
なお加熱ラミネート法においてβ−キチンを分散させ
たポリウレタン塗膜の上に、熱軟化温度の低いポリウレ
タン塗膜を形成させた後、前記基材または基材層表面と
積層一体化してもよい。また表層を着色するために、表
層中または接着剤層中などに着色剤を添加することがで
きる。必要により表層中に安定剤、充填剤その他の添加
剤を添加してもよい。
本発明において、基材または基材層の表裏両面にβ−
キチンを分散させたポリウレタン表層を設けることもで
き、また離型紙剥離後の積層体を液流染色機等を用いて
揉み処理を行ってもよい。
本発明の方法により製造される合成皮革は、透湿、吸
湿性にすぐれ、ゴムライクがなく、さらに風合がソフト
でドレープ性があり、かつ揉み皺が長期間にわたって保
持されるため、柔軟性にすぐれた衣料用素材として好適
である。
〔作用〕
従来のα−キチンの代りに分散し易く物性のすぐれた
β−キチンを使用することにより、高濃度かつより均一
なキチン懸濁液が容易に得られる。さらに有機溶剤、例
えばDMF中でも分散して均一な懸濁液が得られるため、
そのまま合成皮革製造用に供することができる。
このため合成皮革の製造が容易となるとともに、ポリ
ウレタン表層中に、β−キチンを高濃度かつより均一に
分散することができるため、得られる合成皮革の性能を
より一層向上することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 裏面に伸び止め布を貼合せたナイロン6の50デニー
ル、48フィラメントのマルチフィラメント糸を使用した
トリコットの表面に、ポリエステル系ポリウレタン(レ
ザミンCuS300、大日精化社製)10重量部とDMF90重量部
からなる組成物を900g/m2の付量で塗布し、湿式凝固法
で成膜し乾燥して湿式微多孔層を有する基材層を得た。
一方イカ甲から分離したβ−キチン(日本水産社製)
3重量部とDMF97重量部とを混合し、ボールミルで24時
間分散してβ−キチン懸濁液を得た。ついでポリエステ
ル系ポリウレタン(レザミンME3432LP、大日精化社製)
のDMF溶液(濃度30重量%)100重量部に、上記β−キチ
ン懸濁液100重量部を混合し、離型紙上に50g/m2の付量
となるようにナイフコートで塗布し、80℃で乾燥させて
厚さ10μのポリウレタン層を形成した。
この上にポリエステル系ポリウレタン(レザミンME34
32LP、大日精化社製)15重量%と着色顔料10重量%を含
むDMFとメチルエチルケトン混合溶液を80g/m2の付量で
塗布し、90℃で乾燥させて厚さ20μの塗膜を形成した。
この塗膜上に、上記基材層の微多孔層面を加熱しなが
ら140℃で熱圧着して貼合せた後、離型紙を剥離し、つ
いで伸び止め布を剥離して、基材層表面にβ−キチンを
分散させたポリウレタン表層を有する積層体を得た。こ
の積層体を液流染色機により揉み処理を施し、ついでタ
ンブラー乾燥機により乾燥して、透湿、吸湿性およびド
レープ性にすぐれ、ゴムライクのない合成皮革を得た。
測定結果を測定法とともに、第1表に示す。
比較例1 実施例1のβ−キチンの代わりに、カニ甲から分離し
たα−キチン(共和油脂社製)を使用する以外は、実施
例1と同様にして合成皮革を得た。測定結果を第1表に
示す。
第1表の結果より、β−キチンを使用した実施例1の
方がα−キチンを使用した比較例1よりも、透湿、吸湿
性にすぐれ、また防皺性では皮での測定値の65〜70%に
近い値が得られ、より皮に近い風合を有していた。
実施例2 実施例1と同様に、離型紙上にβ−キチン10重量%を
含むポリウレタン層を形成した。その上にポリエーテル
系ポリウレタン(クリスボンC4010、大日本インキ化学
工業社製)35重量部、イソシアネート架橋剤(クリスボ
ンNX、大日本インキ化学工業社製)5重量部、DMF30重
量部およびトルエン30重量部からなる組成物を100g/m2
の付量で塗布し、80℃で50秒間乾燥した。
この塗膜上に、ポリエステル繊維およびレーヨン繊維
が65/35で混紡された紡績糸からなる織物を起毛して得
られた起毛面を積層し、60℃、48時間熟成して接着剤層
を反応固化させた後、離型紙を剥離し、揉み処理を施し
て合成皮革を得た。
得られた合成皮革は、実施例1と同様に透湿、吸湿性
およびドレープ性にすぐれ、ゴムライクのないものであ
った。
〔発明の効果〕
従来のα−キチンの代わりに分散し易く物性のすぐれ
たβ−キチンを使用することにより、高濃度かつより均
一なキチン懸濁液が容易に得られるとともに、合成皮革
の製造が容易となり、さらにポリウレタン表層中にβ−
キチンを高濃度かつより均一に分散することができるた
め、得られる合成皮革の性能をより一層向上することが
できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材または基材層表面に、β−キチンを分
    散させたポリウレタン表層を積層一体化することを特徴
    とする合成皮革の製造方法。
JP28795390A 1990-10-25 1990-10-25 合成皮革の製造方法 Expired - Fee Related JP2969372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28795390A JP2969372B2 (ja) 1990-10-25 1990-10-25 合成皮革の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28795390A JP2969372B2 (ja) 1990-10-25 1990-10-25 合成皮革の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04163377A JPH04163377A (ja) 1992-06-08
JP2969372B2 true JP2969372B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=17723879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28795390A Expired - Fee Related JP2969372B2 (ja) 1990-10-25 1990-10-25 合成皮革の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2969372B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109501399B (zh) * 2018-11-13 2021-02-09 广州番禺职业技术学院 一种立体丝绸仿毛皮面料
CN112127170B (zh) * 2020-08-31 2022-08-09 浙江圣大新材料有限公司 一种超细纤维合成革的染色工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04163377A (ja) 1992-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2969372B2 (ja) 合成皮革の製造方法
JPS6226661B2 (ja)
JPH03287880A (ja) 皮革様シート状物
JP3009346B2 (ja) 皮革様シート状物およびその製造方法
JP2941821B2 (ja) 合成皮革の製造方法
JPS6312765A (ja) 機能性布帛とその製造方法
JP2845517B2 (ja) 透湿性防水布帛
JPS61160480A (ja) コ−テイング布帛の製造方法
JPH0291279A (ja) 合成皮革及びその製造方法
JPH06192966A (ja) 銀付人工皮革
KR960005662B1 (ko) 전사지 및 전사방법
JP2003138488A (ja) 皮革様シート
KR920009261B1 (ko) 고투습성 방수포지 및 그 제조방법
KR100292578B1 (ko) 흡한속건형코팅원단및그의제조방법.
JPH0726339B2 (ja) 皮革様シート材料
JPH05222681A (ja) 合成皮革
KR920010718B1 (ko) 염색견뢰도가 향상된 투습방수포의 제조방법
JPH0465579A (ja) コーティング加工布
TWI284160B (en) Method for treating and manufacturing textile capable of improving bonding forces of water-repellant fabrics
JPH0268366A (ja) ドライタッチなコーティング布帛
JP2813446B2 (ja) ヌバック調立毛シート及びその製造方法
JP3375381B2 (ja) 多層ラミネート加工布およびその製造方法
JP2809803B2 (ja) 皮革様シート
JP2006132033A (ja) 透湿防水性布帛の製造方法
JPH057277Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees