JP2951763B2 - メタロセン化合物溶液及びその保存方法 - Google Patents

メタロセン化合物溶液及びその保存方法

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタロセン化合物の溶液
に関し、更に詳しくは、長期間の保存が可能なメタロセ
ン化合物とその保存方法に関する。
【0002】
【従来技術】オレフィンの重合触媒として、共役π電子
を有する基、特にシクロペンタジエンおよびその誘導体
を配位子として有するメタロセン化合物と、トリアルキ
ルアルミニウムと水の反応で得られるアルキルアルミノ
キサンとを組合せたものが知られている。例えば、特開
昭58-19309にはビスシクロペンタジエニルジルコニウム
ジクロリドと、メチルアルミノキサンを触媒とするオレ
フィンの重合方法が開示されている。また特開昭61-130
314,特開昭61-264010、特開平1-301704および特開平2-4
1303にはアイソタクチックポリ−α−オレフィンもしく
はシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方法
及びこれらの立体規則性ポリ−α−オレフィンを製造す
るための重合触媒が開示されているが、開示されている
触媒系はいずれもアルミノキサンを助触媒とするもので
ある。
【0003】一方、従来からアルミノキサンを使用しな
い均一系チーグラーナッタ触媒の研究も行われており、
この触媒は活性は低いものの、オレフィンに対して重合
活性があることがすでに知られている。この触媒の活性
種がカチオン性メタロセン化合物あるいはイオンペアー
形のメタロセン錯体であると考えられている。 最近で
は、シクロペンタジエンまたはその誘導体を配位子とし
て有する単離されたカチオン性メタロセン化合物が、助
触媒としてのメチルアルミノキサンが共存しなくとも、
単独でオレフィンについて重合活性を有することが報告
されている。
【0004】例えば、R.F.JORDAN等はJ.Am.Chem.Soc.,
1986年 108巻7410-7411頁にテトラフェニルボランをア
ニオンとして有し、2つのシクロペンタジエニル基とメ
チル基を配位子として有するジルコニウムカチオン錯体
が、テトラヒドロフランのようなドナーを配位子とする
ことにより単離され、単離された錯体が塩化メチレン中
でエチレンの重合活性を有する事を報告している。
【0005】また、Turner等はJ.Am.Chem.Soc.,1989 年
111 巻2728-2729 頁及び特表平1-501950、特表平1-5020
36にプロトンと反応することができる最低一つの置換基
を含むシクロペンタジエニル基もしくはその誘導体を配
位子として有する金属化合物と、プロトンを与えること
ができるカチオンを有する安定アニオンを供与する化合
物から形成されるイオンペアー型のメタロセン錯体がオ
レフィンの重合活性を有する事を報告している。
【0006】更に、Zambelli等はMaclomolecules, 1989
年22巻2186-2189 頁にシクロペンタジエニル基の誘導体
を配位子として有するジルコニウム化合物と、トリメチ
ルアルミニウムとフルオロジメチルアルミニウムを組合
せた触媒によりプロピレンが重合してアイソタクティッ
クポリプロピレンが得られることを報告しており、この
場合も活性種はイオンペアー形のメタロセン化合物であ
ると考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭58-19309等
によるメタロセン化合物とアルミノキサンを用いる重合
方法や、R.F.JORDANら、TURNERらのカチオン性メタロセ
ン錯体を用いて重合する方法、さらにZambelliらのトリ
メチルアルミニウムと弗化ジメチルアルミニウムとジル
コニウム錯体を用いる重合方法等のようにメタロセン化
合物を触媒として用いるαーオレフィンの重合方法は高
い触媒活性を有し、分子量分布も約2前後と狭く、共重
合では組成分布も狭いものが得られるなどの特徴を有す
る触媒である。
【0008】しかしながら、メタロセン化合物は炭化水
素溶媒に対する溶解度が低く、またメタロセン化合物を
炭化水素溶媒に溶解した溶液中では非常に微量の水分や
空気等の不純物あるいは光によって容易に分解してしま
うので溶液として保存することが困難である。従って上
記の様な触媒として使用する場合にはメタロセン化合物
を一旦炭化水素溶媒に溶解した溶液を保存しておいたも
のは重合の活性がほとんどなくなってしまうため、重合
を行う毎にメタロセン溶液を調製する必要があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して長期間保存しておいても活性の低下の見られな
いメタロセン溶液について鋭意検討し本発明を完成し
た。
【0010】即ち本発明は、a)下記一般式の化または
で表される遷移金属メタロセン化合物と
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】 (式中AおよびBまたはA’およびB’は互いに同じか
あるいは異なるもので、中心原子に配位したシクロペン
タジエン、インデンおよびフルオレンから選ばれた芳香
族化合物またはこれらの芳香族化合物の水素の一部もし
くは全部が1〜10の炭化水素残基で置換したもの(こ
こで炭化水素残基はその末端が再度芳香環に結合した構
造であっても良い)を、Rは側鎖を有してもよい2価の
直鎖状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪素原
子、ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている
残基を、Xは炭素原子数1〜20の炭化水素残基を、M
チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれ
金属原子を示す。) b)有機アルミニウム化合物とを c)炭化水素溶媒に溶解して保存することを特徴とする
タロセン化合物溶液の保存方法である。
【0013】本発明において、上記一般式化または化
で表される遷移金属化合物としては、通常メタロセン
化合物として知られている化合物が例示できる。これら
の化合物は共役π電子を有する基を配位子として有する
遷移金属化合物であり、式中、AおよびBまたはA’お
よびB’は互いに同じか異なるシクロペンタジエン、イ
ンデンおよびフルオレンから選ばれた芳香族化合物また
はこれらの芳香族化合物の水素の一部もしくは全部が1
〜10の炭化水素残基で置換したもの(ここで炭化水素
残基はその末端が再度芳香環に結合した構造であっても
良い)を、Rは側鎖を有してもよい2価の直鎖状炭化水
素残基またはその直鎖の炭素原子の一部または全部が珪
素原子、ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されて
いる残基を、Xは炭素原子数1〜20の炭化水素残基
を、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選
ばれ金属原子を表す。
【0014】A、B、A’またはB’で表される不飽和
炭化水素残基としては炭素原子数5ないし50の単環、
あるいは多環の共役π電子を有する基が例示でき、具体
的にはシクロペタジエニルもしくはその一部または全部
の水素が炭素原子数1ないし10の炭化水素残基で置換し
たもの(ここで炭化水素残基はその末端が再びそのシク
ロペンタジエン環に結合した構造であっても良い。)、
あるいはインデニル、フルオレニルなどの多環芳香族炭
化水素残基もしくはその水素の一部または全部が炭素原
子数1ないし10の炭化水素残基で置換したものなどが例
示される。
【0015】Rで表される2価の基としては下記一般式
で表されるメチレン基またはそのメチレン基の炭素
原子の一部または全部が珪素原子、ゲルマニウム原子、
もしくは錫原子で置換されたシリレン基、ゲルミレン
基、スタニレン基となっているものが例示される。
【0016】
【化5】−(R'2C)n −(R'2Si)m−(R'2Ge)p-(R'2Sn)q- (式中R'は水素原子または炭素原子数1ないし20の炭化
水素残基を表し2つのR’は同じでも異なっていても良
く、n、m、p、qは0ないし4の整数でかつ上記式を
満足させる整数を表す。) 。
【0017】Xとしてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ベンジル
基、シクロペンタジエニル基等のアリール基等が例示で
きる。
【0018】本発明においては、一般式化または化
で表される遷移金属メタロセン化合物を有機アルミニウ
ム化合物と炭化水素溶媒中で接触させて均一の溶液を合
成する。ここで使用する有機アルミニウム化合物として
は、ハロゲン原子、酸素原子、水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基などの残基が配位しており、
配位子が複数個の場合それらの配位子はそれぞれ同一で
も良いし、異なっていても良いが、そのうち少なくとも
1つはアルキル基であるものが例示される。例えば、炭
素数1〜12のアルキル残基が1ないし3個結合したアル
キルアルミニウム化合物、アルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアル
ミニウムアルコキシドなどが利用できる。例えば、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプ
ロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロ
ライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソプロ
ピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニ
ウムイソプロポキシド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルア
ルミニウムジイソプロポキシド、イソブチルアルミニウ
ムエトキシド等が挙げられ、これらのアルミニウム化合
物の中では特にトリアルキルアルミニウム化合物が好ま
しい。
【0019】上記遷移金属メタロセン化合物溶液を製造
する方法は、該遷移金属メタロセン化合物と有機アルミ
ニウム化合物を炭化水素溶媒中で接触させることにより
容易に得られる。接触させる方法は任意であり要するに
これらの3つの化合物を混合すればよい。この場合、遷
移金属メタロセン化合物溶液が炭化水素溶媒中に完全に
溶解していなくても有機アルミニウム化合物をさらに炭
化水素溶媒中に添加することにより均一のメタロセン化
合物溶液が得られる。
【0020】本発明ではメタロセン化合物と有機アルミ
ニウム化合物とが炭化水素溶媒中で反応するため、メタ
ロセン化合物が炭化水素溶媒中に可溶化するものと思わ
れる。しかも、このようにして得られるメタロセン化合
物溶液を長期間保存しておいても、メタロセン化合物が
分解して不溶物が生成したり、またオレフィンの重合触
媒として用いても活性が低下したり、不活性になってし
まうような事が防止できる。これらを接触させるときの
温度は特に限定されないが通常は−20〜100 ℃の温度で
行うことが好ましい。またこれらを保存するときの温度
も特に限定されないが同様に−20〜100 ℃の温度で保存
することが好ましい。
【0021】ここで溶液中の遷移金属メタロセン化合物
に対する有機アルミニウム化合物の混合比は通常、遷移
金属原子に対してアルミニウムが1から1000倍使用すれ
ばよい。もちろん、これ以上の過剰の有機アルミニウム
化合物を用いても何等問題はないが、余り多量に用いて
も、より以上に活性が向上することなく不経済になるだ
けである。
【0022】本発明で使用される炭化水素溶媒としては
例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカン、シク
ロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合
物の他にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素化合物やジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル化合物あるいはエステル
化合物も利用できる。用いる有機アルミニウム化合物と
反応しないものであれば塩化メチレンなどのハロゲン化
炭化水素化合物も使用できる。
【0023】また、本発明のメタロセン化合物溶液にお
けるメタロセン化合物の濃度は特に限定はしないが、通
常メタロセン化合物濃度として、10-8〜1モル/リット
ル、好ましくは10-7〜0.1 モル/リットルである。
【0024】本発明のメタロセン化合物溶液はすでに述
べたように従来公知のオレフィン重合用有機金属化合物
と組み合わせて、あるいはメタロセン化合物と反応して
イオン性化合物を形成せしめる化合物と組み合わせてオ
レフィンの重合に用いられる。このオレフィン重合用有
機金属化合物としては、下記一般式化または化
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】 (式中、R は炭素数1〜6のアルキル基、n は1以上の
整数である。)で表されるアルミノキサン化合物であ
り、これらはトリアルキルアルミニウムを原料として1
〜3モル倍の水を反応させることによる等、種々の方法
で製造される。トリアルキルアルミニウムとしてはトリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプ
ロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムま
たはこれらの混合物などが挙げられる。
【0027】また、メタロセン化合物と反応してイオン
性化合物を形成する化合物としては、カチオンとアニオ
ンのイオン対から形成されるイオン性化合物や親電子性
の化合物が挙げられる。これらの化合物は通常、ルイス
酸化合物として知られている化合物で、適当なルイス酸
性を有しており、触媒として用いられる中性のメタロセ
ン化合物と反応してイオン性化合物に変える性質を有す
ることが必要で、上述の一般式化または化で表され
る遷移金属化合物と反応して、該式中Xで示される基が
電子対としてルイス酸化合物に移り、遷移金属カチオン
化合物を生成ならしめるものであり、ルイス酸自体ある
いはイオン対となったアニオンが生成した遷移金属カチ
オン化合物に対して再結合したり、強く配位して重合活
性を不活性化しないものである。
【0028】イオン性化合物のカチオンの例としては、
カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、オキソ
ニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。
【0029】イオン性化合物のアニオンの例としては、
有機硼素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニ
オン、有機リン化合物アニオン、有機砒素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオン等であり、また、親
電子性化合物としてはハロゲン化金属や固体酸として知
られている金属酸化物等が挙げられる。
【0030】また重合に用いられるオレフィンとしては
エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセ
ン-1、ヘプテン-1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、
ウンデセン-1、ドデセン-1、トリデセン-1、テトラデセ
ン-1、ペンタデセン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン
-1などの直鎖α−オレフィンの他に3-メチルブテン-1、
4-メチルペンテン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等の分岐
α−オレフィンが例示され、これらのオレフィンの単独
のみならず相互の混合物、或いは少量のジエン等のポリ
エンとの混合物をも共重合することができる。
【0031】この様なオレフィンの重合触媒を用いた重
合条件については特に制限はなく不活性媒体を用いる溶
媒重合法、或いは実質的に不活性媒体の存在しない塊状
重合法、気相重合法も利用でき、重合温度としては−10
0〜200 ℃、また重合圧力としては常圧〜100 kg/cm2
で行うのが一般的である。好ましくは−10〜100 ℃、常
圧〜50kg/cm2 である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0033】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応することでイソプロピル(シクロペンタジエ
ニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジクロリドを得
た。
【0034】上記生成物をさらにメチルリチウムでメチ
ル化して得られるイソプロピル(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)ジルコニウムジメチル2mgをトル
エン10mlに溶解し、トリエチルアルミニウム43mgを加え
て混合し、トルエン1リットルを入れた2リットルのオ
ートクレーブに装入した。次いでプロピレンを加えて3
kg/cm2 -Gとして、さらにトリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素12.8mgをトルエン10ml
に溶解した溶液をオートクレーブ中に加えて重合を開始
した。3kg/cm2 -Gに保ちながら20℃で2時間重合し、
ついで濾過、乾燥してポリマーを69g 得た(これは164k
g ポリプロピレン/ジルコニウム1gに相当する。)。
また13C-NMR によればシンジオタクチックペンタッド分
率は0.88であり、135 ℃テトラリン溶液で測定した極限
粘度(以下、ηと記す)は1.13、1,2,4-トリクロロベン
ゼンで測定した重量平均分子量と数平均分子量との比
(以下、MW/MN と記す)は2.2であった。
【0035】ついで上記イソプロピル(シクロペンタジ
エニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジメチルとトリ
エチルアルミニウムのトルエン溶液を室温で1ケ月間保
存した後、同様にしてプロピレンの重合を行ってポリマ
ーを60g 得た(これは143kgポリプロピレン/ジルコニ
ウム1gに相当する。)。また13C-NMR によるシンジオ
タクチックペンタッド分率は0.88、ηは1.20、MW/MN は
2.2 であり、保存後も重合性能は変わらなかった。
【0036】比較例1 トリエチルアルミニウムを加えなかった他は実施例1と
同様に重合した。溶液調製直後の重合活性は実施例1の
結果と同様であったが、室温で1ケ月間保存した後、同
様にしてプロピレンの重合を行ったところ重合活性は殆
ど見られなかった。
【0037】実施例2 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチルの代わりにエチレンビステト
ラヒドロインデニルジルコニウムジメチル10mgとトリエ
チルアルミニウム0.39g をトルエン10mlに溶解した。ト
リフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼
素の代わりにメチルアルミノキサンを用いて実施例1と
同様にしてプロピレンの重合を行ったところ40gのポリ
マーを得た(これは18.7kgポリプロピレン/ジルコニウ
ム1gに相当する)。ポリマーのηは0.74、アイソタク
チックペンタッド分率は0.92であり、MW/MN は2.2 であ
った。このメタロセン化合物溶液を室温で1ケ月間保存
した後、同様にしてプロピレンの重合を行ってポリマー
を45g 得た(これは21.0kgポリプロピレン/ジルコニウ
ム1gに相当する)。ポリマーのηは0.72、アイソタク
チックペンタッド分率は0.91であり、MW/MN は2.2 であ
り、保存後も重合性能は変わらなかった。
【0038】実施例3 トリエチルアルミニウムに変えトリイソブチルアルミニ
ウムを0.52g 用いた他は実施例1と同様にして重合を行
ったところ、70gのポリマーを得た。ポリマーのηは0.
71、シンジオタクチックペンタッド分率は0.88であり、
MW/MN は2.3 であった。このメタロセン化合物溶液を室
温で1ケ月間保存した後、同様にしてプロピレンの重合
を行っても重合性能は殆ど変わらなかった。
【0039】実施例4 トルエンの代わりにシクロヘキサンを用いた他は実施例
1と同様にして重合を行ったところ、31g のポリマーを
得た。ポリマーのηは1.41、シンジオタクチックペンタ
ッド分率は0.87であり、MW/MN は2.2 であった。このメ
タロセン化合物溶液を室温で1ケ月間保存した後、同様
にしてプロピレンの重合を行っても重合性能は殆ど変わ
らなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法を実施することによりメタ
ロセン化合物溶液は長期間の保存が可能となり、また重
合の際にはメタロセン化合物を単独で用いる場合よりも
安定に重合が行え、また触媒当たり高活性でポリオレフ
ィンを得ることが期待でき工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−115004(JP,A) 特開 平4−211404(JP,A) 特表 平2−501227(JP,A) 特表 平5−505838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)下記一般式の化または化で表される
    遷移金属メタロセン化合物と 【化1】 【化2】 (式中AおよびBまたはA’およびB’は互いに同じか
    あるいは異なるもので、中心原子に配位したシクロペン
    タジエン、インデンおよびフルオレンから選ばれた芳香
    族化合物またはこれらの芳香族化合物の水素の一部もし
    くは全部が1〜10の炭化水素残基で置換したもの(こ
    こで炭化水素残基はその末端が再度芳香環に結合した構
    造であっても良い)を、Rは側鎖を有してもよい2価の
    直鎖状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪素原
    子、ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている
    残基を、Xは炭素原子数1〜20の炭化水素残基を、M
    チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれ
    金属原子を示す。) b)有機アルミニウム化合物とを c)炭化水素溶媒に溶解して保存することを特徴とするメ
    タロセン化合物溶液の保存方法。
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