JP2947988B2 - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関し、詳しくは、高活性に生産性良くポリオレフィ
ンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】オレフィンの重合触媒として、共役π電子
を有する基、特にシクロペンタジエンおよびその誘導体
を配位子として有するメタロセン化合物と、トリアルキ
ルアルミニウムと水の反応で得られるアルキルアルミノ
キサンとを組合せたものが知られている。例えば、特開
昭58-19309にはビスシクロペンタジエニルジルコニウム
ジクロリドとメチルアルミノキサンを触媒とするオレフ
ィンの重合方法が開示されている。また特開昭61-13031
4 、特開昭61-264010 、特開平1-301704および特開平2-
41303 にはアイソタクチックポリ−α−オレフィンもし
くはシンジオタクチックポリ−α−オレフィンの製造方
法及びこれらの立体規則性ポリ−α−オレフィンを製造
するための重合触媒が開示されているが、開示されてい
る触媒系はいずれもアルミノキサンを助触媒とするもの
である。
【0003】一方、従来からアルミノキサンを使用しな
い均一系チーグラーナッタ触媒の研究も行われており、
この触媒は活性は低いものの、オレフィンに対して重合
活性があることがすでに知られている。この触媒の活性
種がカチオン性メタロセン化合物あるいはイオンペアー
形のメタロセン錯体であると考えられている。
【0004】最近では、シクロペンタジエンまたはその
誘導体を配位子として有する単離されたカチオン性メタ
ロセン化合物が、助触媒としてのメチルアルミノキサン
が共存しなくとも、単独でオレフィンについて重合活性
を有することが報告されている。
【0005】例えば、R.F.JORDAN等はJ.Am.Chem.Soc.,
1986年 108巻7410-7411 頁にテトラフェニルボランをア
ニオンとして有し、2つのシクロペンタジエニル基とメ
チル基を配位子として有するジルコニウムカチオン錯体
が、テトラヒドロフランのようなドナーを配位子とする
ことにより単離され、単離された錯体が塩化メチレン中
でエチレンの重合活性を有する事を報告している。
【0006】また、Turner等はJ.Am.Chem.Soc.,1989 年
111 巻2728-2729 頁及び特表平1-501950、特表平1-5020
36にプロトンと反応することができる最低一つの置換基
を含むシクロペンタジエニル基もしくはその誘導体を配
位子として有する金属化合物と、プロトンを与えること
ができるカチオンを有する安定アニオンを供与する化合
物から形成されるイオンペアー型のメタロセン錯体がオ
レフィンの重合活性を有する事を報告している。
【0007】更に、Zambelli等はMaclomolecules, 1989
年22巻2186-2189 頁にシクロペンタジエニル基の誘導体
を配位子として有するジルコニウム化合物と、トリメチ
ルアルミニウムとフルオロジメチルアルミニウムを組合
せた触媒によりプロピレンが重合してアイソタクティッ
クポリプロピレンが得られることを報告しており、この
場合も活性種はイオンペアー形のメタロセン化合物であ
ると考えられている。さらにMarks らはLangmuir,1988
年4巻5号1212-1214 頁に、シクロペンタジエニル誘導
体を配位子として有するジメチルジルコニウム錯体を、
1000℃前後で熱処理して完全に脱水したアルミナ上に担
持した触媒がエチレンの重合活性を示す事を報告してい
る。この触媒系もカチオン性メタロセン化合物となって
いるものと考えられている。しかし、この方法では、エ
チレンに関する記述は見られるが、αーオレフィンに関
する記述はなされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58-19309等に開
示されているメタロセン化合物とアルキルアルミノキサ
ンとの組合せ触媒によるオレフィンの重合方法は遷移金
属当たりの重合活性が高いという特徴がある。しかしこ
れらの方法でメタロセン化合物単位当りの重合活性が高
いのは高価なアルミノキサンを助触媒として大量に使用
するからであり、そのため重合体の生産コストが高くな
るという問題があり、さらに重合後の生成重合体からア
ルミノキサンを除去することがたいへん困難で、ポリマ
ー中に触媒残が多量に残るという問題があった。
【0009】一方、R.F.JORDAN等、TURNER等の方法では
アルキルアルミノキサンを使用せず、カチオン性のジル
コニウム錯体を触媒としているので上記したアルキルア
ルミノキサンに関する問題はなくなるが、これらの触媒
系はアルキルアルミノキサンを使用する触媒系に較べる
とオレフィンについての重合活性が非常に小さく、しか
もα−オレフィンを重合させる事ができないものも多
い。
【0010】チーグラー系の触媒を用いてオレフィンを
重合させる場合、有機金属化合物、特にアルキルアルミ
ニウム化合物でモノマーおよび/または溶媒を処理する
ことによりこれらに含まれている不純物を除去すること
が可能である。この方法をこれらイオンペアー系触媒を
用いる場合に応用することは可能であり、アルキルアル
ミニウムで処理されたモノマーおよび/または溶媒を用
いると、オレフィンについての重合活性がこれらの触媒
でもある程度向上するが、それでもアルキルアルミノキ
サンを助触媒として用いる組合せ触媒系と比較すると活
性が劣る。
【0011】またZambelli等の方法は前述のとおりトリ
メチルアルミニウムと弗化ジメチルアルミニウムとジル
コニウム錯体よりなる触媒系でプロピレンを重合触媒さ
せてアイソタクチックポリプロピレンを得る方法で、高
価なアルミノキサンを用いてはいない。しかしながら、
弗素含有有機金属化合物を用いており、また重合活性が
きわめて小さい。塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素
を反応溶媒として用いることによりその重合活性はやや
向上するがそれでもまだ低く、かつハロゲン化炭化水素
は毒性があるので好ましい溶媒とは言えない。
【0012】本発明者らは上記問題を解決して高活性に
ポリオレフィンを製造する方法として、シクロペンタジ
エニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物と、有機金
属化合物と、遷移金属化合物と反応してイオン性化合物
を形成する化合物によりなる触媒を見いだし、既に提案
している。しかしながらこの触媒は初期活性が大きく、
重合時間と共に活性が急激に低下するという性質を有し
ている事が分かった。このような性質は工業的なスケー
ルでの製造では重合のコントロールを非常に困難なもの
とする。触媒組成物を活性が低下する都度、分割して供
給する方法が考えられるが、このような方法では生成ポ
リマー中の残存灰分の量が多くなるという問題があっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して高活性にポリオレフィンを生産性良く製造する
方法について鋭意検討し本発明を完成した。
【0014】即ち本発明は、a)下記一般式の化3または
化4で表される遷移金属化合物と
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】 (式中AおよびBまたはA’およびB’は互いに同じか
あるいは異なるもので、中心原子に配位したシクロペン
タジエン、インデンおよびフルオレンから選ばれた芳香
族化合物またはこれらの芳香族化合物の水素の一部もし
くは全部が1〜10のアルキル基で置換したもの(ここ
でアルキル基はその末端が再度芳香環に結合した構造で
あっても良い)を、Rは側鎖を有してもよい2価の直鎖
状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪素原子、
ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている残基
を、Xは炭素原子数1〜12の炭化水素残基を、Mはチ
タン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表
す)b)有機金属化合物とc)遷移金属化合物a)と反応して
イオン性化合物を形成する化合物とからなる触媒を用い
るポリオレフィンの製造において、上記遷移金属化合物
a)と反応してイオン性化合物を形成する化合物c)を少な
くとも2回以上に分割して添加することを特徴とするポ
リオレフィンの製造方法である。
【0017】本発明において、上記一般式の化3または
化4で表される共役π電子を有する基を配位子として有
する遷移金属化合物としては、上記文献に記載された化
合物が例示できるが、異なる構造であっても共役π電子
を有する基を配位子として有する遷移金属化合物であれ
ば好ましく利用できる。
【0018】上記一般式の化3または化4において、
A、Bとしては炭素数5〜30の単環、あるいは多環の芳
香族化合物が例示でき、具体的にはシクロペタジエン或
いはその一部または全部の水素が炭素数1〜10のアルキ
ル基で置換したもの(ここでアルキル基はその末端が再
度シクロペンタジエン環に結合した構造であっても良
い。)、インデン、フルオレンなどの多環芳香族化合物
あるいはその水素の一部または全部が炭素数1〜10のア
ルキル基で置換したものなどが例示される。
【0019】Rとしては、ジアルキルメチレン基、ジア
ルキルシリレン基が好ましく、例えばR'2C、R'2Si
(式中R' は水素または炭素数1〜20のアルキル残基で
同じでも異なっても良い。) で表される化合物が好まし
く利用できるが、さらに−R'−CR' −で表されるエ
チレン基も例示できる(式中R' は上記に同じ。)。
【0020】Xとしては炭素原子数1〜12の炭化水素
残基であり、メチル基、エチル基、ブチル基等のアルキ
ル炭化水素残基、フェニル基、ベンジル基、シクロペン
タジエニル基等のアリール炭化水素残基が例示できる。
【0021】本発明において、上記遷移金属化合物と反
応してイオン性化合物を形成する化合物としては、カチ
オンとアニオンのイオン対から形成されるイオン性化合
物や親電子性の化合物が挙げられる。これらの化合物は
通常、ルイス酸化合物として知られている化合物で、適
当なルイス酸性を有しており、触媒として用いられる中
性のメタロセン化合物と反応してイオン性化合物に変え
る性質を有することが必要で、上記一般式の化3または
化4で表される遷移金属化合物と反応して、該式中Xで
示される基が電子対としてルイス酸化合物に移り、遷移
金属カチオン化合物を生成ならしめるものであり、ルイ
ス酸自体あるいはイオン対となったアニオンが生成した
遷移金属カチオン化合物に対して再結合したり、強く配
位して重合活性を不活性化しないものである。
【0022】イオン性化合物のカチオンの例としては、
カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、オキソ
ニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。
【0023】イオン性化合物のアニオンの例としては、
有機硼素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニ
オン、有機リン化合物アニオン、有機砒素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオン等であり、また、親
電子性化合物としてはハロゲン化金属や固体酸として知
られている金属酸化物等が挙げられる。
【0024】上記遷移金属化合物に対する該遷移金属化
合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物の使用
割合としては0.1 〜100 モル倍、通常0.5 〜50モル倍で
ある。
【0025】本発明で重要なのは遷移金属化合物と有機
金属化合物を接触させた後に遷移金属化合物と反応して
イオン性化合物を形成する化合物を接触させることであ
る。この順序が異なると重合しないか、重合しても活性
が非常に低くなる。
【0026】さらに本発明の特徴はこれらの遷移金属化
合物と反応してイオン性化合物を形成する化合物を触媒
調製時に全量を一括して加えるのではなく、触媒調製か
ら重合中において少なくとも2回以上に分割して添加す
ることである。しかもこの場合、遷移金属化合物や有機
金属化合物成分を新たに追加する必要がないので、生成
ポリマー中に残存する灰分の量を少なくすることができ
る。すなわち必要量のイオン性化合物を形成する化合物
の一部を触媒調製時に一括して添加し、重合を始めた後
に適当な間隔をおいて更に追加していくか、あるいは連
続的に添加していくことである。このようにすることに
より重合を長時間安定に行うことが可能となる。初期に
一括して添加する量は、少なすぎると活性が小さく、逆
に多すぎると活性が大きくなり過ぎて重合のコントロー
ルが困難となり、分割して添加する効果がなくなってし
まう。通常は全使用量の1割から9割の量を初期に添加
して、残りを分割して加えていくことが好ましい。もち
ろん重合の目的によってはこれ以上、あるいはこれ以下
の使用量であっても構わない。
【0027】本発明における触媒成分を用いて重合ある
いは処理に際し利用する溶剤としては、例えば、プロパ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽
和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素化合物も利用できる。
【0028】本発明で使用される有機金属化合物として
はアルミニウム、亜鉛またはマグネシウムから選ばれる
金属の化合物が用いられる。これらの有機金属化合物は
ハロゲン原子、酸素原子、水素原子、アルキル基、アル
コキシ基、アリール基などの残基を配位子として有し、
これらの配位子はそれぞれ同一でも良いし、異なってい
ても良いが、少なくとも1つはアルキル基を有す。例え
ば、炭素原子数1〜12のアルキル残基が1個または2個
以上結合したアルキル金属化合物、アルキル金属ハライ
ド、アルキル金属アルコキシドなどが利用できる。中で
もアルキルアルミニウム化合物が好適に用いられ、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジメチルアルミ
ニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、
ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチル
アルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムエトキ
シド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジイソプ
ロピルアルミニウムイソプロポキシド、エチルアルミニ
ウムジクロライド、エチルアルミニウムジイソプロポキ
シド等が挙げられる。
【0029】上記遷移金属化合物に対する有機金属化合
物の使用割合としては1〜1000モル倍、通常10〜500 モ
ル倍である。
【0030】本発明においてオレフィンとしてはプロピ
レン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテン-
1、オクテン-1、ノネン-1、デセン-1、ウンデセン-1、
ドデセン-1、トリデセン-1、テトラデセン-1、ペンタデ
セン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン-1などの直鎖α
−オレフィンの他に3-メチルブテン-1、4-メチルペンテ
ン-1、4,4-ジメチルペンテン-1等の分岐α−オレフィン
が例示され、これらのα−オレフィンの単独のみならず
相互の混合物、或いは少量のエチレンとの混合物をも示
す。
【0031】本発明における重合条件については特に制
限はなく不活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的
に不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利
用でき、重合温度としては−100 〜200 ℃、また、重合
圧力としては常圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的であ
る。好ましくは−10〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 であ
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0033】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応することでイソプロピル(シクロペンタジエ
ニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジクロリドを得
た。
【0034】上記生成物をメチルリチウムでメチル化し
て得られるイソプロピル(シクロペンタジエニル−1−
フルオレニル)ジルコニウムジメチル 1.5mgをトルエン
10mlに溶解し、トリエチルアルミニウム0.078gを加え攪
拌した。次いで、容積2リットルのオートクレーブにト
ルエン1リットル装入し、上記触媒成分を挿入した。プ
ロピレンを加えて20℃で3kg/cm2 としたのち、別に用
意したトリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼素 6.4mgをトルエン10mlに溶解した溶液をプロ
ピレンガスで圧入し20℃で3kg/cm2 に保ちながら重合
を行った。60分間重合した後にトリフェニルメタンテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼素6.4mg をトルエン10
mlに溶解した溶液をプロピレンガスで圧入し、さらに60
分間重合した。この重合において、急激な反応は見られ
ず、温度コントロールも容易に行えた。ついで濾過、乾
燥してポリマー70gを得た(これは200 kgポリプロピレ
ン/ジルコニウム1gに相当する)。また13C-NMR によ
ればシンジオタクチックペンタッド分率は0.88であり、
135 ℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(以下、ηと
記す)は1.21、1,2,4-トリクロロベンゼンで測定した重
量平均分子量と数平均分子量との比(以下、MW/MN と記
す)は2.2 であった。
【0035】比較例1 実施例1において初期にトリフェニルメタンテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼素12.8mgを全量一括して加
え、途中で追加しなかった他は実施例1と同様にプロピ
レンの重合を行ったところ、トリフェニルメタンテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素を添加した直後に急激
な重合反応が起こったが、60分間重合した後にはプロピ
レンの吸収がほとんど見られなくなった。さらに60分間
重合を続け、ついで濾過、乾燥してポリマーを55gを得
た(これは157 kgポリプロピレン/ジルコニウム1gに
相当する)。ポリマーのηは1.16、シンジオタクチック
ペンタッド分率は0.84であり、MW/MN は2.1 であった。
【0036】実施例2 イソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フルオレニ
ル) ジルコニウムジメチル 2.5mgを用いて、トリフェニ
ルメタンテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素10.7mg
を40mlのトルエンに溶解して初期に4分の1の量を用い
て重合を開始した後、30分毎に4分の1の量を加えて行
った他は実施例1と同様にして重合を行った。急激な重
合反応も起こらず、プロピレンの吸収も一定していた。
2時間重合したのち、濾過、乾燥して80g のポリマーを
得た(これは229 kgポリプロピレン/ジルコニウム1g
に相当する)。ポリマーのηは1.10、シンジオタクチッ
クペンタッド分率は0.90であり、MW/MN は2.3 であっ
た。
【0037】実施例3 トリフェニルメタンテトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼素の代わりにトリス(ペンタフルオロフェニル) 硼素
を初期に10mgと、60分後に15mgを用いた他は実施例1と
同様にして10g のポリマーを得た(これは29kgポリプロ
ピレン/ジルコニウム1gに相当する)。ポリマーのη
は1.15、シンジオタクチックペンタッド分率は0.87であ
り、MW/MN は2.2 であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより安価
な触媒を用い、触媒当たり高活性でポリオレフィンを安
定に生産性良く得ることができ工業的に極めて価値があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフロー図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特表 平5−505838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)下記一般式の化1または化2で表され
    る遷移金属化合物と 【化1】 【化2】 (式中AおよびBまたはA’およびB’は互いに同じか
    あるいは異なるもので、中心原子に配位したシクロペン
    タジエン、インデンおよびフルオレンから選ばれた芳香
    族化合物またはこれらの芳香族化合物の水素の一部もし
    くは全部が1〜10のアルキル基で置換したもの(ここ
    でアルキル基はその末端が再度芳香環に結合した構造で
    あっても良い)を、Rは側鎖を有してもよい2価の直鎖
    状炭化水素残基またはその直鎖の炭素原子が珪素原子、
    ゲルマニウム原子もしくは錫原子で置換されている残基
    を、Xは炭素原子数1〜12の炭化水素残基を、Mはチ
    タン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表
    す)b)有機金属化合物とc)遷移金属化合物a)と反応して
    イオン性化合物を形成する化合物とからなる触媒を用い
    るポリオレフィンの製造において、上記遷移金属化合物
    a)と反応してイオン性化合物を形成する化合物c)を少な
    くとも2回以上に分割して添加することを特徴とするポ
    リオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】遷移金属化合物a)と有機金属化合物b)を接
    触させた後、遷移金属化合物a)と反応してイオン性化合
    物を形成する化合物c)を接触させることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
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