JP2509991B2 - 新規味覚修飾物質を含む飲料 - Google Patents

新規味覚修飾物質を含む飲料

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JP2509991B2 JP63277721A JP27772188A JP2509991B2 JP 2509991 B2 JP2509991 B2 JP 2509991B2 JP 63277721 A JP63277721 A JP 63277721A JP 27772188 A JP27772188 A JP 27772188A JP 2509991 B2 JP2509991 B2 JP 2509991B2
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良枝 栗原
博繁 河野
雅章 加藤
憲司 池田
雅子 三宅
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規味覚修飾物質を含む飲料、さらに詳し
くは、クルクリゴ・ラチフォリアの果実若しくはその乾
燥物、またはそれらから得られるクルクリンを含む成分
を含有する飲料に関するものである。
〔従来の技術〕
舌の受容膜に作用して、食品の味覚を変える物質(味
覚修飾物質)としては、従来、口中に含んだ後、甘味物
質を食した時、または甘味物質とともに食した時、甘味
を感じさせなくさせるものとしてギムネマ シルベスタ
(Gymnema sylvestre)の葉に含まれるギムネマ酸、及
びなつめ(Ziziphus jujuba)の葉に含まれるジジフィ
ンが知られており、また上記と同様にして酸味物質を食
した時、甘味を感じさせるものとして、ミラクルフルー
ツ(Synsepulm dulcificum)の実に含まれるミラクリン
が知られている。
味覚修飾物質を含む飲料の例としては、ギムネマ シ
ルベスタの葉を用いた茶(特開昭63−208532号公報参
照)及びギムネマ シルベスタの葉の抽出エキスを含有
する飲料(特開昭63−105661号公報参照)が知られてい
る。
また、クルクリゴ・ラチフォリア(Curculgo latifol
ia)は、西マレーシアやタイ南部等に自生するきんばい
ざさ科の植物であり、その果実は食用に適し、食欲増進
効果があることは知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のミラクリンは、安定性上の問題があり、味覚修
飾物質としていまだ実用化されておらず、甘味を感じさ
せる効果をもつ味覚修飾物質を含む飲料は、従来ない。
また、クルクリゴ・ラチフォリアの果実は、上述以外
の性質については知られていない。
従って、本発明の目的は、新規な味覚修飾効果を有し
且つ味覚修飾機能の安定な飲料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、クルクリゴ・ラチフォリア(Curculig
o latifolia)の果実を食した後、酸味物質または水を
食すると、甘味が感じられることを見い出し、その誘因
物質が何であるか鋭意研究した結果、クルクリゴ・ラチ
フォリアの果実に含まれる安定な新規味覚修飾物質クル
クリンを見出している(特願昭63−153143号)。
本発明者らは、クルクリンの味覚修飾効果について更
に鋭意研究した結果、他の食物と同時に食した場合にも
かなり味覚修飾効果があること、及び酸味物質だけでな
く、苦味物質、渋味物質、エグ味物質に対しても甘味を
感じさせる効果があることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、クルク
リゴ・ラチフォリアの果実若しくはその乾燥物、または
それらから得られるクルクリンを含む成分を含有するこ
とを特徴とする飲料を提供することにより前記目的を達
成したものである。
以下、本発明の飲料について詳述する。
本発明の飲料に含有される、クルクリゴ・ラチフォリ
アの果実若しくはその乾燥物、またはそれらから得られ
るクルクリンを含む成分は、水溶液中で安定性が高く、
前記のような多彩な味覚修飾効果を有するため、飲料に
配合することができ、これらを配合した飲料は、飲んだ
時に飲料が本来有する味とは異なった味覚を感じさせる
ことができる。
本発明の飲料は、前記のような多彩な味覚修飾効果を
持つ物質を含むため、糖を含有していなくても飲食時に
甘く感じさせることができる上、酸味物質、苦味物質、
渋味物質あるいはエグ味物質を含む場合にはより甘く感
じさせることができるので、無糖の、果汁飲料、炭酸飲
料、コーヒー飲料、紅茶飲料、抹茶飲料あるいは生薬等
の苦味物質含有飲料、その他の飲料とすることができ、
砂糖の摂取を制限されている人向けの飲料あるいは体に
とって有用であるが味覚的に摂取しづらい物質を含む飲
料として好適に使用できる。
上記のクルクリゴ・ラチフォリアの果実の乾燥物とし
ては、その乾燥手段に特に制限されるものではなく、天
日乾燥物、熱風乾燥物、及び凍結乾燥パルプ等の凍結乾
燥物等が挙げられる。
また、クルクリゴ・ラチフォリアの果実及びその乾燥
物は、その使用形態に特に制限されないが、通常、適宜
破砕、粉砕、ペースト化等して用いられる。
また、上記のクルクリゴ・ラチフォリアの果実または
その乾燥物から得られるクルクリンを含む成分として
は、上記果実またはその乾燥物から抽出したクルクリ
ン、あるいは上記果実またはその乾燥物を適宜処理し、
クルクリンを含まない成分を分離除去して得られる残査
等が挙げられる。果実またはその乾燥物から抽出した上
記クルクリンは、精製純度には何等制限されず、高純度
のものの他に、クルクリン以外の成分を多量に含むもの
であっても良く、または抽出物に他の成分が混合された
ものでも良い。
上記クルクリンの抽出法は、必ずしも制限されない
が、クルクリゴ・ラチフォリアの果実またはその乾燥物
から0.01M以上の濃度の塩の水溶液で抽出する方法によ
るのが好ましく、上記の塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアンモニウム
の塩酸塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム若しく
はアンモニウムのリン酸塩、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム若しくはアンモニウムの炭酸塩、ナトリウ
ム、マグネシウム、カルシウム若しくはアンモニウムの
硫酸塩又は亜硫酸塩、ナトリウム若しくはカリウムの硝
酸塩又は亜硝酸塩、ナトリウム若しくはカルシウムの乳
酸塩、ミョウバン、焼ミョウバン、酢酸ナトリウム、ナ
トリウム若しくはカリウムのピロリン酸塩、ナトリウム
若しくはカルシウムのプロピオン酸塩、安息香酸ナトリ
ウム、フマル酸−ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウ
ム等が用いられる。
そして、上記塩の水溶液によるクルクリンの抽出方法
の代表的な一例を挙げると次の通りである。
クルクリゴ・ラチフォリアの果実またはその乾燥物に
食塩等の塩の水溶液を加えてホモジナイズした後、濾
過、遠心分離等を行って抽出できるが、クルクリンはク
ルクリゴ・ラチフォリアの果実の果肉中に水不溶部分に
含まれるため、上記果実またはその乾燥物に水を加えて
ホモジナイズし、充分水洗いして水可溶部を除去した
後、その残査から上記の塩の水溶液で抽出する方がクル
クリンを高純度で得られるので好ましい。
抽出に用いられる塩の水溶液が0.01M未満の濃度のも
のではクルクリンを充分に抽出することができないの
で、0.01M以上の濃度の塩の水溶液が必要である。一
方、あまり高濃度では、抽出後の脱塩に手間がかかるの
で、抽出効率と抽出以後の精製の手間のかね合いから0.
1〜1.0Mの濃度の塩の水溶液が好ましい。
上記塩の水溶液による抽出液を脱塩、乾燥することに
より、充分実用に供するクルクリン含有物質が得られる
が、抽出液をさらにCM−セファローズによるイオン交
換、ゲルカラム使用のHPLCにかけて精製することによ
り、純度を上げることができ、その後、脱塩、乾燥して
純クルクリンが得られる。もちろん、上記の精製法の
他、抽出液を塩析、溶剤沈殿その他の公知の蛋白精製法
により分画することによっても、クルクリン純度を上げ
ることができる。
このようにして得られる本発明のクルクリンの具体例
としては、分子量約12500ダルトン(dalton)、等電点
7.1の蛋白質が挙げられ、この蛋白質は分子量約26000ダ
ルトン(dalton)のダイマー(dimer)として存在す
る。また、上記蛋白質のアミノ酸組成は下記の第1表の
通りであり、上記蛋白質は比較的多量のアスパラギン
酸、ロイシン及びグリシンを含むものである。
クルクリゴ・ラチフォリアの果実若しくはその乾燥
物、またはそれらから得られるクルクリンを含む成分の
配合量は、飲料全体に対し、クルクリンとして0.001%
以上、特に0.01%以上とすることが好ましい。
本発明に用いるクルクリゴ・ラチフォリアの果実若し
くはその乾燥物、またはそれらから得られるクルクリン
を含む成分は、水溶液中で安定であるが、飲料自体の腐
敗を防止するためには、殺菌した方が好ましい。その場
合、90℃以上で長時間加熱すると、果実または果実の有
効成分の味覚修飾活性が低下するので、110〜150℃で2
秒〜2分間超高温瞬間殺菌するのが好ましい。殺菌後、
無菌充填しておけば、長期間安定である。
尚、本発明の飲料には、飲料の種類等に応じ適宜な成
分を添加することができる。
〔実施例〕
次に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1 クルクリゴ・ラチフォリアの果実を剥皮し、種を除去
し果肉だけを取り出した。この果肉をすりつぶし、ペー
スト状サンプルを得た。
このペースト状サンプルをグレープフルーツジュース
に2%混合した後、アルファラバル社製VTIS殺菌装置に
かけ、130℃で3秒間殺菌し容器に無菌充填して、本発
明の無等グレープフルーツジュースを製造した。
この無糖グレープフルーツジュースを飲んだところ、
特有の苦味は感じられず、酸味と甘味がよくマッチした
マイルドな味を感じた。
実施例2 クルクリゴ・ラチフォリアの果肉20kgに100lの水を加
え、ホモジナイズした後、10000r.p.m.で30分間遠心分
離した。上澄を除去後、残査に水100lを加え、再び上記
のホモジナイズ、遠心分離及び上澄除去を行い、残査を
得た。次いで、この残査に0.5M NaCl水溶液30lを加え、
ミキサーで2分間ホモジナイズした後、吸引濾過した。
濾液分取後、残査にさらに0.5M NaCl水溶液30lを加え、
ホモジナイズ及び吸引濾過を行い、濾液を分取した。
次に、濾液を合わせた後、30000r.p.m.で1時間遠心
分離し、上澄(クルクリン粗抽出液)を得た。
この粗抽出液を、限外濾過により脱塩し、凍結乾燥し
てクルクリンを含む成分を得た。
このクルクリンを含む成分を用い、下記の配合により
コーヒー飲料を得、このコーヒー飲料をアルファラバル
社製VTIS殺菌装置にかけ、140℃で3秒間殺菌した後、
容器に無菌充填して、本発明の無糖コーヒー飲料を製造
した。
(配合) コーヒーエキス …2 % コーヒー抽出液 …8 % カラメル …0.1% カラメルビターベース …0.5% クルクリンを含む成分 …0.5% 水 …88.9% この無糖コーヒー飲料を飲んだところ、苦味は感じら
れず、酸味と甘味がバランスよくとれた味を感じた。
実施例3 実施例2で得られたクルクリンを含む成分を用い、下
記の配合で栄養ドリンクを製造した。
(配合) 高麗人参エキス …2 % ビタミンC …0.5% クルクリンを含む成分 …0.5% 水 …97 % この栄養ドリンクを飲んだところ、苦味はなく、ほと
んど砂糖溶液と同じような味であった。
〔発明の効果〕 本発明の飲料は、安定化度の高い多彩な味覚修飾効果
を有する物質を含むため、飲食時に飲料本来のもつ味と
は異なった味覚を感じさせることができ、健康上、砂糖
の摂取を制限されている人向けの飲料、あるいは体にと
って有用であり、味覚的に摂取しづらい物質を含む飲料
として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 憲司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (72)発明者 三宅 雅子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭 電化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−277717(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クルクリゴ・ラチフォリアの果実若しくは
    その乾燥物、またはそれらから得られるクルクリンを含
    む成分を含有することを特徴とする飲料。
  2. 【請求項2】糖を実質的に含有しないことを特徴とする
    請求項(1)記載の飲料。
  3. 【請求項3】酸味、苦味、渋味あるいはエグ味を有する
    物質を含有することを特徴とする請求項(1)または
    (2)記載の飲料。
  4. 【請求項4】110〜150℃で2秒〜2分間超高温瞬間殺菌
    することを特徴とする請求項(1)〜(3)何れかに記
    載の飲料。
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