JP2024008051A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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智洋 小泉
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徹郎 折山
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Abstract

【課題】ぶどう様の香味が付与されたビールテイスト飲料を提供すること。【解決手段】グルコン酸、及び酢酸エチルを含有する、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
近年、消費者の嗜好や価値観が多様化したことから、様々な香味及び色味の飲料の開発が進められている。例えば、特許文献1には、グルコン酸及びフィチン酸を含有させることによって、発酵工程を経ずに製造されているにもかかわらず、酸味の突出が抑えられており、ビールらしい酸味を有する非発酵ビールテイスト飲料が開示されている。
国際公開第2016/140065号公報
しかしながら、ビールテイスト飲料において、香味に優れる技術手段の検討は充分に行われておらず、このような技術手段の開発が望まれていた。また、グルコン酸と酢酸エチルを組み合わせることによるビールテイスト飲料の香味の影響は知られていない。
本発明者らの検討によれば、グルコン酸及び酢酸エチルを含有させることで、ぶどう様の香味(ぶどう及び巨峰様の香味)が付与されたビールテイスト飲料が得られることを見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものであり、ぶどう様の香味が付与されたビールテイスト飲料の提供を目的とする。
本発明は、グルコン酸、及び酢酸エチルを含有する、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、グルコン酸及び酢酸エチルを含有しているため、ぶどう様の香味(ぶどう及び巨峰様の香味)に優れる。
上記ビールテイスト飲料は、グルコン酸含有量が50質量ppm以上であってよい。グルコン酸含有量をこの範囲に調整することで、ぶどう様の香味により優れたものとなる。
上記ビールテイスト飲料は、酢酸エチル含有量が10質量ppm以上であってよい。酢酸エチル含有量をこの範囲に調整することで、ぶどう様の香味により優れたものとなる。
上記ビールテイスト飲料は、発酵飲料であってよい。上記ビールテイスト飲料は、アルコール度数が0.00v/v%超であってよい。
本発明はまた、グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整する工程、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法にも関する。
本発明は更に、グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整すること、酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料にぶどう様の香味を付与する方法にも関する。
本発明は、例えば、以下に示す発明を包含する。
[1]
グルコン酸、及び酢酸エチルを含有する、ビールテイスト飲料。
[2]
グルコン酸含有量が50質量ppm以上である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
酢酸エチル含有量が10質量ppm以上である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
発酵飲料である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
アルコール度数が0.00v/v%超である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整する工程、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
[7]
グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整すること、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料にぶどう様の香味を付与する方法。
本発明によれば、ぶどう様の香味(ぶどう及び巨峰様の香味)が付与されたビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、グルコン酸、及び酢酸エチルを含有する。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコールを含有しないビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が0.00v/v%超であるアルコールを含有するビールテイスト飲料であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料が、アルコールを含有するビールテイスト飲料である場合、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコールビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が0.00v/v%超1v/v%未満であるローアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。本明細書においてアルコール度数は、エタノールの含有量(v/v%)を意味する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のグルコン酸含有量は、特に制限されないが、ぶどう様の香味により優れるという観点から、50質量ppm以上、100質量ppm以上、200質量ppm以上、300質量ppm以上、400質量ppm以上、500質量ppm以上、600質量ppm以上、700質量ppm以上、800質量ppm以上、900質量ppm以上、1000質量ppm以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のグルコン酸含有量は、1500質量ppm以下、1200質量ppm以下、1000質量ppm以下、900質量ppm以下、800質量ppm以下、750質量ppm以下、700質量ppm以下、600質量ppm以下、500質量ppm以下であってもよい。なお、1質量ppmは、10-4質量%である。
ビールテイスト飲料中のグルコン酸の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定することができる。グルコン酸含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲になるようにグルコン酸を添加する方法、グルコン酸の含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物、又は酵素剤種類を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。グルコン酸を添加する方法において、グルコン酸の添加は、例えば、グルコン酸そのものを添加してもよく、グルコン酸のラクトンであるグルコノデルタラクトンの結晶体を添加してもよく、グルコン酸水溶液を添加してもよく、グルコン酸を含有する酸味料組成物又は食品添加物等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の酢酸エチル含有量は、特に制限されないが、ぶどう様の香味により優れるという観点から、10質量ppm以上、15質量ppm以上、25質量ppm以上、30質量ppm以上、35質量ppm以上、40質量ppm以上、45質量ppm以上、50質量ppm以上、55質量ppm以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の酢酸エチル含有量は、150質量ppm以下、125質量ppm以下、100質量ppm以下、95質量ppm以下、75質量ppm以下であってもよい。
ビールテイスト飲料の酢酸エチル含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の酢酸エチル含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲になるように酢酸エチルを添加する方法、酢酸エチルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類又は酵母種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度及び発酵期間等)により酢酸エチルの生成量を制御する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。酢酸エチルを添加する方法において、酢酸エチルの添加は、例えば、酢酸エチルそのものを添加してもよく、酢酸エチルを含有する香料組成物等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料において、酢酸エチル含有量に対するグルコン酸含有量の質量比は、特に制限されないが、よりぶどう様の香味に優れるという観点から、0.3以上、0.5以上、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上であってもよい。また、150以下、120以下、100以下、80以下、60以下、40以下、20以下、10以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコールビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるローアルコールビールテイスト飲料であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に制限されないが、1v/v%以上であるアルコールビールテイスト飲料である場合、例えば、1v/v%以上、1.5v/v%以上、2v/v%以上、2.5v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、4v/v%以上、4.5v/v%以上、又は5v/v%以上であってよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、5v/v%以下、4v/v%以下、3.5v/v%以下、3v/v%以下、2.5v/v%以下、2v/v%以下、又は1.5v/v%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に制限されないが、ローアルコールビールテイスト飲料である場合、例えば、0.00v/v%超1v/v%未満であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、0.005v/v%以上、0.01v/v%以上、0.05v/v%以上、0.1v/v%以上、0.2v/v%以上、0.3v/v%以上、0.4v/v%以上、又は0.5v/v%以上であってよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、0.95v/v%以下、0.9v/v%以下、0.85v/v%以下、又は0.8v/v%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.3.6 ビール、アルコール(アルコライザー法)」や「8.3.7 ヘッドスペースGC-FID法」に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、アルコールの添加により上記範囲内に調整してもよく、醸造により得られた発酵液からアルコールを除去して上記範囲内に調整してもよく、醸造に際してアルコール生成を抑える条件(例えば、糖化条件によってβ-アミラーゼの活性を制御する方法、α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を適宜使用する方法により仕込むことにより糖化(マルトース、マルトトリオース生成)を制御して発酵前液を得ることや、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母を使用すること等)で発酵して発酵液を得ることで上記範囲内に調整してもよく、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御してもよく、別途調製したアルコール含量の低い発酵後液、又はアルコールを含まない水若しくは炭酸水と混合することによって調整してもよく、またこれらを併用して上記範囲内に調整してもよい。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。醸造により得られた発酵液からアルコールを除去する方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として、麦以外の原料を含有していてもよく、麦以外の原料を含有していなくてもよい。麦以外の原料は、例えば、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類等の植物原料であってよく、スターチ、グリッツ、液糖等の糖質原料(糖類)であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が0質量%以上100質量%以下であってよい。麦芽比率は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってよい。また、麦芽比率は、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料(グルコン酸以外)、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、0.0以上100.0以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、例えば、50.0以下、40.0以下、30.0以下、20.0以下、又は15.0以下であってよく、1.0以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、又は10.0以上であってよい。ビールテイスト飲料の苦味価は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整する工程、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整する工程を含む方法により製造することができる。当該製造方法は、グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整する工程、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整する工程の他は、常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造してもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造してもよい(醸造による方法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水、グルコノデルタラクトン及び/又はグルコン酸水溶液、及び酢酸エチル、並びに必要に応じて、アルコール及び/又はその他原料を原料タンクに配合する配合工程を含む。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、充填工程の前でカーボネーションを行うとよい。
他の実施形態における製造方法(醸造による方法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、原料及び仕込水からもろみを製造する糖化工程、もろみを濾過して糖含有液を得る濾過工程、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
糖化工程では、原料及び仕込水を仕込んだ後、50~76℃に温度を調節して、当該温度を保持するステップを含む。当該ステップでは、例えば、1~200分、50~76℃で温度を保持する。これにより、例えば、原料の糖化が進んだり、可溶性成分が溶出したりして、酵母の代謝に必要な成分を含むもろみが得られる。糖化工程で得られたもろみは、濾過工程で濾過されて糖含有液となる。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。除去工程で、煮沸後液中に上述したホップを添加してもよい。
一実施形態に係る製造方法では、必要に応じて酵素剤を使用してもよい。α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を選択し、使用量や添加タイミングを適宜調整することによって資化性糖の割合が調整することができるため、発酵工程でのアルコール生成の制御やアルコール濃度の調整が容易になる。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
発酵工程で使用する酵母は、通常のビール酵母であってもよく、アルコール生成能が低い酵母(例えば、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母)であってもよい。アルコール生成能が低い酵母を使用することにより、発酵工程でのアルコール生成を抑えることができ、アルコール度数の調整が容易になる。
本実施形態に係る製造方法は、アルコール度数調整工程を更に含んでいてもよい。アルコール度数調整工程は、アルコール度数を上記範囲内に調整する工程である。アルコール度数調整工程を含むことによって、アルコール度数が低い(例えば、アルコール度数が1v/v%未満である)ビールテイスト飲料が得られやすくなる。例えば、糖化条件によってβ-アミラーゼの活性を制御する方法、α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を適宜使用する方法により発酵前液を得ることや、発酵工程において、発酵期間を短くする、アルコール生成能が低い酵母を使用する等してアルコールの生成を抑えることによって、アルコール度数を調整してもよく、発酵工程において、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御したり、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを除去又は低減させることによって、アルコール度数を調整してもよい。アルコールを除去又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、グルコン酸含有量は、例えば、グルコン酸を原料液に添加することにより上述した範囲内に調整してもよい。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、グルコン酸の含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、微生物又は酵素剤種類を適宜選択する方法によって、グルコン酸の含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加するグルコン酸は、グルコン酸そのものであってもよく、グルコノデルタラクトン及び/又はグルコン酸水溶液であってもよく、グルコン酸を含む酸味料組成物、食品添加物であってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、酢酸エチル含有量は、例えば、酢酸エチルを原料液に添加することにより上述した範囲内に調整してもよい。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、酢酸エチルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類又は酵母種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度及び発酵期間等)により酢酸エチルの生成量を制御する方法によって、酢酸エチルの含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加する酢酸エチルは、酢酸エチルそのものであってもよく、酢酸エチルを含む香料組成物、食品添加物であってもよい。
〔ビールテイスト飲料にぶどう様の香味を付与する方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、ぶどう様の香味に優れるという効果を奏する。したがって、本発明は、グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整すること、酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料にぶどう様の香味を付与する方法と捉えることもできる。当該方法における具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する、ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
市販のビールテイスト発酵飲料(アルコール度数5v/v%)を参考例1-1のビールテイスト飲料とした。同じ市販のビールテイスト発酵飲料に、表1に示した含有量になるように10%グルコン酸水溶液及び酢酸エチルを添加して試験例1-1~1-5のビールテイスト飲料を製造した。
(官能評価)
参考例1-1及び試験例1-1~1-5のビールテイスト飲料に対して、「ぶどう・巨峰感」、「イガイガした香味」、「溶媒感」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル5名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。なお、総合評価を除くいずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。総合評価はビールテイスト飲料としての香味バランスを評価した。
「ぶどう・巨峰感」は、評点が高いほど好ましいぶどう様の香味(ぶどう及び巨峰様の香味)を強く感じることを示す。「イガイガした香味」は、評点が高いほど好ましくない酸に由来するイガイガとした香味を強く感じることを示す。「溶媒感」は、評点が高いほど好ましくない溶媒様の不快な感覚を強く感じることを示す。「総合評価」は、ビールテイスト飲料としての香味バランスに基づき評価を行い、評点が高い程、ビールテイスト飲料としての香味バランスが優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2024008051000001
表1に示すとおり、基準としたビールテイスト飲料(参考例1-1)と比較して、グルコン酸及び酢酸エチルを含有するビールテイスト飲料(試験例1-1~1-5)は、ぶどう・巨峰感の評価が向上しており、ぶどう・巨峰感に優れていた。また、酢酸エチル含有量を増加させたビールテイスト飲料であっても、同様の効果を確認することができた。それに加えて、グルコン酸を含有させたことによりイガイガした香味が感じられるようになったところ(例えば、参考例1-1及び試験例1-1参照)、酢酸エチル含有量を増加させることでイガイガした香味の評点が低減しており、イガイガした香味を抑えられていた(試験例1-1~1-5参照)。
(試験例2:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
試験例1と同様にして、市販のビールテイスト発酵飲料(アルコール度数5%)に表2に示した含有量になるように10%グルコン酸水溶液及び酢酸エチルを添加して試験例2-1~2-5のビールテイスト飲料を製造した。
(官能評価)
参考例1-1及び試験例2-1~2-5のビールテイスト飲料に対して、「ぶどう・巨峰感」、「イガイガした香味」、「溶媒感」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル5名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、総合評価を除くいずれの評価項目も参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。総合評価はビールテイスト飲料としての香味バランスを評価した。結果を表2に示す。
Figure 2024008051000002
表2に示すとおり、基準としたビールテイスト飲料(参考例1-1)と比較して、グルコン酸及び酢酸エチルを含有するビールテイスト飲料(試験例2-1~2-5)は、ぶどう・巨峰感の評価が向上しており、ぶどう・巨峰感に優れていた。また、グルコン酸含有量を増加させたビールテイスト飲料であっても、同様の効果を確認できた。

Claims (7)

  1. グルコン酸、及び酢酸エチルを含有する、ビールテイスト飲料。
  2. グルコン酸含有量が50質量ppm以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 酢酸エチル含有量が10質量ppm以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  4. 発酵飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  5. アルコール度数が0.00v/v%超である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  6. グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整する工程、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. グルコン酸が含有されるようにグルコン酸含有量を調整すること、及び酢酸エチルが含有されるように酢酸エチル含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料にぶどう様の香味を付与する方法。
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