JP2024086179A - ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、苦味価が低いにも関わらず、シャープさ及びスッキリ感(シャープでスッキリとした感覚)が向上したビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】苦味価(BU)が25以下であり、苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下である、ビールテイスト飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
ビールテイスト飲料の香味向上の技術手段はこれまでにも種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、味のボリュームを維持しつつ、雑味が低減するとともに後味のスッキリさが増強した発酵ビールテイスト飲料として、カルシウムの含有量が15mg/L以下である発酵ビールテイスト飲料が開示されている。
特開2020-000035号公報
従来のビールテイスト飲料において、ホップの香りを付けるためにはホップを多く投入する必要があり、ホップの投入量が多くなると苦味価(BU)も上がってしまう。一方、苦味価が低いビールテイスト飲料ではホップ香が低くなることに加えて、シャープでスッキリとした感覚が味覚として充分に感じられないという問題があった。
本発明は、苦味価が低いにも関わらず、シャープさ及びスッキリ感(シャープでスッキリとした感覚)が向上したビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、苦味価(BU)が25以下であり、苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、苦味価及び苦味価に対するリナロール含有量の比が特定の範囲内にあるため、シャープさ及びスッキリ感が向上している。
上記ビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、10以下であってもよい。この場合、本発明の効果がより顕著に発揮される。
上記ビールテイスト飲料は、上記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が10以上70以下であってもよい。この場合、シャープさ及びスッキリ感がより向上する。
本発明はまた、苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法にも関する。
上記ビールテイスト飲料の製造方法において、上記苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び/又は上記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程が、ホップの水抽出物を用いることを含んでいてもよい。ホップの水抽出物を用いることによって、苦味価及び苦味価に対するリナロール含有量の比を特定の範囲内に調整することが容易になる。
本発明は、例えば、以下を包含する。
[1]
苦味価(BU)が25以下であり、苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下である、ビールテイスト飲料。
[2]
上記苦味価(BU)が10以下である、[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
上記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が10以上70以下である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程を備える、ビールテイスト飲料の製造方法。
[5]
上記苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び/又は上記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程が、ホップの水抽出物を用いることを含む、[4]に記載の製造方法。
本発明によれば、苦味価が低いにも関わらず、シャープさ及びスッキリ感(シャープでスッキリとした感覚)が向上したビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、苦味価(BU)が25以下であり、苦味価に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下である。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、これに限られるものではないが、例えば、酒税法(令和二年法律第八号)上の「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、上記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(2)」や「リキュール(発泡性)(2)」が挙げられる。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料及び清涼飲料水も挙げることができる。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、上記例示したものに限られない。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、4v/v%以上、4.5v/v%以上、5v/v%以上、5.5v/v%以上、6.0v/v%以上、又は6.5v/v%以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6.5v/v%以下、6v/v%以下、5.5v/v%以下、5v/v%以下、4.5v/v%以下、4v/v%以下、3.5v/v%以下、又は3v/v%以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストノンアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されないが、1v/v%未満であればよく、0.9v/v%以下、0.8v/v%以下、0.7v/v%以下、0.6v/v%以下、0.5v/v%以下、0.4v/v%以下、0.3v/v%以下、0.2v/v%以下、0.1v/v%以下、又は0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、0.1v/v%以上、0.2v/v%以上、0.3v/v%以上、0.4v/v%以上、0.5v/v%以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.3.6 ビール、アルコール(アルコライザー法)」や「8.3.7 ヘッドスペースGC-FID法」、国税庁所定分析法「3-4アルコール分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、ビールテイスト飲料を製造する際の任意の段階で、アルコールを添加する、除去する又は低減させる方法、アルコール度数が高くなる、又は低くなるような原料の種類又は使用量、酵母種類、発酵条件(例えば、発酵温度、発酵時間)等を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。アルコールを除去する又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、25以下であればよく、本発明の効果をより顕著に発揮できるという観点から、例えば、20以下、15以下、10以下、5以下であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、0超、0.1以上、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。
苦味価は、例えば、苦味価が上記範囲になるように苦味料を添加する方法、苦味価が高くなる又は低くなるような原料の種類、使用量を適宜設定する方法、原料を添加するタイミングを適宜設定する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。苦味料の添加は、例えば、ホップ由来の苦味物質そのものを添加してもよく、ホップ由来の苦味物質を含む組成物等を添加してもよい。ホップ由来の苦味物質を含む組成物としては、例えば、ホップの水抽出物等が挙げられる。ホップ由来の苦味物質としては、例えば、イソα酸等が挙げられる。
上述のとおり、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、ホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップの抽出物が含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップの抽出物等のホップ加工品も含まれる。ホップの抽出物は、特に限定されないが、ホップの水抽出物であってもよい。ホップの水抽出物を用いることによって、苦味価及び後述の苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比(以下、「リナロール/苦味価比」ともいう。)を特定の範囲内に調整することが容易になる。ホップの水抽出物を用いる場合、ホップの水抽出の条件(例えば、温度、時間、ホップの使用量等)を適宜設定することによっても苦味価を特定の範囲内に調整することができる。ホップの水抽出の条件は、後述する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール含有量は、特に限定されないが、例えば、1750μg/L以下、1500μg/L以下、1000μg/L以下、900μg/L以下、800μg/L以下、700μg/L以下、600μg/L以下、500μg/L以下、400μg/L以下、300μg/L以下であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール含有量は、例えば、0.7μg/L以上、1μg/L以上、5μg/L以上、10μg/L以上、30μg/L以上、50μg/L以上、75μg/L以上、100μg/L以上、125μg/L以上、150μg/L以上、175μg/L以上、200μg/L以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール含有量は、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)により測定することができる。
リナロール含有量は、例えば、含有量が上記範囲内になるようにリナロール含有量が上記範囲になるようにリナロールを添加する方法、リナロールの含有量が高くなる、又は低くなるような原料の種類、使用量等を適宜選択する方法、原料を添加するタイミングを適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。リナロールの添加は、例えば、リナロールそのものを添加してもよく、リナロールを含有する組成物等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比(リナロール/苦味価比)は、7以上70以下であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール/苦味価比は、シャープさ及びスッキリ感が向上するという観点から、例えば、8以上、9以上、10以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール/苦味価比は、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール/苦味価比は、苦味価及び/又はリナロール含有量を適宜調整することにより、上記範囲内に調整することができる。また、例えば、ホップの水抽出物を用いることによっても上記範囲内に調整することができる。ホップの水抽出物を用いる場合、ホップの水抽出の条件(例えば、温度、時間、ホップの使用量等)を適宜設定することによってもリナロール/苦味価比を上述の範囲内に調整することができる。ホップの水抽出の条件は、後述する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が0質量%以上100質量%以下であってよい。麦芽比率は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってよい。また、麦芽比率は、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として、麦以外の原料を含有していてもよく、麦以外の原料を含有していなくてもよい。麦以外の原料は、例えば、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類、ハーブ、スパイス等の植物原料であってもよく、スターチ、グリッツ、液糖等の糖質原料(糖類)であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、スピリッツ、原料用アルコール等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)であってもよく、0.25MPa(2.55kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程を備える方法により、製造することができる。当該製造方法は、苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下に調整する工程の他は常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造してもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造してもよい(醸造による方法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水、苦味料、及びリナロール、並びに必要に応じて、アルコール及び/又はその他原料を原料タンクに配合する配合工程を含む。添加する苦味料は、例えば、ホップ由来の苦味物質そのものであっても、ホップ由来の苦味物質を含む組成物等であってもよい。ホップ由来の苦味物質を含む組成物としては、ホップの水抽出物等が挙げられる。ホップ由来の苦味物質としては例えば、イソα酸等が挙げられる。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、充填工程の前でカーボネーションを行うとよい。
他の実施形態における製造方法(醸造による方法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、原料及び仕込水から糖化液を製造する糖化工程、糖化液を濾過して糖含有液を得る濾過工程、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
糖化工程では、原料及び仕込水を仕込んだ後、50~76℃に温度を調節して、当該温度を保持するステップを含む。当該ステップでは、例えば、1~200分、50~76℃で温度を保持する。これにより、例えば、原料の糖化が進んだり、可溶性成分が溶出したりして、酵母の代謝に必要な成分を含む糖化液が得られる。糖化工程で得られた糖化液は、濾過工程で濾過されて糖含有液となる。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップの抽出物を用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップの抽出物等のホップ加工品であってもよい。ホップの抽出物は、例えば、ホップの水抽出物であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、後述のとおり煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。除去工程で、煮沸後液中に後述するホップを添加してもよい。
一実施形態に係る製造方法では、必要に応じて酵素剤を使用してもよい。酵素剤としては、例えば、多糖分解酵素(例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、プルラナーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ(β-グルカナーゼを含む)、ヘミセルラーゼ)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を用いることができる。酵素剤は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
発酵工程で使用する酵母は、通常のビール酵母であってもよく、アルコール生成能が高い又は低い酵母(例えば、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母)であってもよく、香気成分等の生成能が高い又は低い酵母であってもよい。
本実施形態に係る製造方法は、アルコール度数調整工程を更に含んでいてもよい。アルコール度数調整工程は、アルコール度数を調整する工程である。発酵工程において、発酵期間又は温度を適宜選択する、アルコール生成能が高い又は低い酵母を適宜選択する、酵素剤種類を適宜選択する等してアルコール度数を調整してもよく、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを添加する、除去する又は低減させることによって、アルコール度数を調整してもよい。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。アルコールを除去又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係る製造方法では、発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、苦味価は、例えば、苦味料を原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、苦味価が高くなる、又は低くなるような原料種類(例えば、上述のホップ等)、使用量等を適宜選択する方法、原料を添加するタイミングを適宜設定する方法等によって、苦味価を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加する苦味料は、ホップ由来の苦味物質そのものであってよく、ホップ由来の苦味物質を含む組成物等であってよい。ホップ由来の苦味物質を含む組成物としては例えば、ホップの水抽出物等が挙げられる。ホップ由来の苦味物質としては例えば、イソα酸等が挙げられる。
ホップの水抽出物を用いる場合、ホップの水抽出の条件(例えば、温度、時間、ホップの使用量等)を適宜設定することによっても苦味価を特定の範囲内に調整することができる。
ホップの水抽出の温度条件は、特に限定されないが、例えば、4℃以上、5℃以上、10℃以上、30℃以上、50℃以上、70℃以上、90℃以上であってもよい。また、ホップの水抽出の温度条件は、特に限定されないが、例えば、100℃以下、80℃以下、60℃以下、40℃以下、20℃以下、10℃以下であってもよい。
ホップの水抽出の時間条件は、特に限定されないが、例えば、1分以上、10分以上、30分以上、1時間以上、3時間以上、6時間以上、12時間以上、24時間以上であってもよい。また、ホップの水抽出の時間条件は、36時間以下、24時間以下、12時間以下、6時間以下、3時間以下、1時間以下、30分以下、10分以下、5分以下であってもよい。
ホップの使用量は、特に限定されないが、例えば、水1KLに対して0.5kg以上、1kg以上、1.5kg以上、2kg以上、3kg以上、4kg以上、5kg以上、10kg以上であってもよい。また、ホップの使用量は、例えば、水1KLに対して50kg以下、40kg以下、30kg以下、20kg以下、10kg以下、5kg以下であってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、リナロール含有量は、例えば、リナロールを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、リナロールの含有量が高くなる、又は低くなるような原料の種類、使用量等を適宜選択する方法、原料を添加するタイミングを適宜選択する方法によって、リナロールを上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加するリナロールは、リナロールそのものであってもよく、リナロールを含有する組成物等を添加してもよい。
本実施形態に係る製造方法では、リナロール/苦味価比は、苦味価及び/又はリナロール含有量を適宜調整することにより、上述の範囲内に調整することができる。また、例えば、ホップの水抽出物を用いることによっても上述の範囲内に調整することができる。ホップの水抽出物を用いる場合、ホップの水抽出の条件(例えば、温度、時間、ホップの使用量等)を適宜設定することによっても、リナロール/苦味価比を上述の範囲内に調整することができる。ホップの水抽出の条件は、上述のとおりである。
〔ビールテイスト飲料のシャープさ及びスッキリ感を向上させる方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、シャープさ及びスッキリ感が向上するという効果を奏する。したがって、本発明は、苦味価(BU)を25以下に調整すること、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料のシャープさ及びスッキリ感を向上させる方法とも捉えることができる。当該方法における具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
市販のビールテイスト飲料(比較例1)に、表1に示した含有量になるようにリナロールを添加して、比較例2~3、及び実施例1~3のビールテイスト飲料を製造した。
<官能評価>
比較例1~3及び実施例1~3のビールテイスト飲料に対して、「不快な苦み」、「穀物臭」、「人工感」、「シャープでスッキリ」、「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5点の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。
「不快な苦み」は、おいしさを損なうようなとげとげしい苦みを感じる感覚であり、評点が高いほど当該好ましくない感覚を強く感じることを示す。「穀物臭」は、ビールにはそぐわない麦芽にする前の大麦の臭いを感じる感覚であり、評点が高いほど当該好ましくない感覚を強く感じることを示す。「人工感」は、発酵産物の自然な感じがなく、人工的に調整したような不自然さを感じる感覚であり、評点が高いほど当該好ましくない感覚を強く感じることを示す。「シャープでスッキリ」は、味のふくらみを備えた上で、後に残らずキレを感じる感覚(味覚)であり、評点が高いほど当該好ましい感覚を好ましく感じることを示す。「総合評価」は、不快な苦味、穀物臭、人工感、及びシャープでスッキリの項目を総合的に判断して、ビールテイスト飲料としての香味を評価したものであり、評点が高いほど、上記評価項目を総合的に判断したビールテイスト飲料としての香味が優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2024086179000001
表1に示すとおり、比較例1~3のビールテイスト飲料と比較して、実施例1~3のビールテイスト飲料(苦味価が25以下であり、リナロール/苦味価比が7以上70以下であるビールテイスト飲料)は、シャープでスッキリの評点が高く、シャープさ及びスッキリ感が向上した。また、比較例1~3のビールテイスト飲料と比較して、実施例1~3のビールテイスト飲料は総合評価の評点も高く、不快な苦味、穀物臭、人工感、及びシャープでスッキリを総合的に判断したビールテイスト飲料としての香味が優れていた。
(試験例2:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
麦芽(麦芽比率100質量%)、水、及びホップを原料として使用し、常法に従って発酵前液を得た。得られた発酵前液にホップの水抽出物を添加し、さらにビール酵母を接種して一定期間発酵させ、発酵後液を得た。得られた発酵後液を濾過し、表2に示したリナロール含有量になるようにリナロールを添加して実施例4のビールテイスト飲料を製造した。なお、実施例4のビールテイスト飲料における苦味価(BU)は7.4であった。また、実施例4のビールテイスト飲料に表2に示した苦味価になるように、イソα酸を添加して実施例5及び比較例4のビールテイスト飲料を製造した。ホップの水抽出物は5℃の水に2.0kg/KLの分量でホップを添加し、24時間抽出することで製造した。
<官能評価>
比較例4及び実施例4~5に対して、「不快な苦み」、「穀物臭」、「人工感」、「シャープでスッキリ」、「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5点の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。結果を表2に示す。
Figure 2024086179000002
表2に示すとおり、リナロール含有量を固定し、苦味価のみを変化させた場合であっても、比較例4のビールテイスト飲料と比較して、実施例4~5のビールテイスト飲料(苦味価が25以下であり、リナロール/苦味価比が7以上70以下であるビールテイスト飲料)は、シャープでスッキリの評点が高く、シャープさ及びスッキリ感が向上した。また、比較例4のビールテイスト飲料と比較して、実施例4~5のビールテイスト飲料は不快な苦み、穀物臭、及び人工感の評点が低く、不快な苦み、穀物臭、及び人工感が低減していた。さらに、比較例4のビールテイスト飲料と比較して、実施例4~5のビールテイスト飲料は総合評価の評点も高く、不快な苦味、穀物臭、人工感、及びシャープでスッキリを総合的に判断したビールテイスト飲料としての香味が優れていた。
(試験例3:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
麦芽(麦芽比率100質量%)、水、及びホップを原料として使用し、常法に従って発酵前液を得た。得られた発酵前液にホップの水抽出物を添加し、さらにビール酵母を接種して、一定期間発酵させ、発酵後液を得た。得られた発酵後液を濾過して実施例6のビールテイスト飲料を製造した。なお、実施例6のビールテイスト飲料における苦味価(BU)は7.4であった。また、実施例6のビールテイスト飲料に、表2に示した苦味価及びリナロール含有量になるように、イソα酸及びリナロールを添加して実施例7及び比較例5のビールテイスト飲料を製造した。ホップの水抽出物は5℃の水に2.0kg/KLの分量でホップを添加し、24時間抽出することで製造した。
<官能評価>
比較例5及び実施例6~7に対して、「不快な苦み」、「穀物臭」、「人工感」、「シャープでスッキリ」、「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5点の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。結果を表3に示す。
Figure 2024086179000003
表3に示すとおり、リナロール/苦味価比が同程度のビールテイスト飲料の中でも、苦味価が25以下である実施例6~7のビールテイスト飲料は、シャープでスッキリの評点が高く、シャープさ及びスッキリ感が向上した。また、比較例5のビールテイスト飲料と比較して、実施例6~7のビールテイスト飲料は不快な苦み、穀物臭、及び人工感の評点が低く、不快な苦み、穀物臭、及び人工感が低減していた。さらに、比較例5のビールテイスト飲料と比較して、実施例6~7のビールテイスト飲料は総合評価の評点も高く、不快な苦味、穀物臭、人工感、及びシャープでスッキリを総合的に判断したビールテイスト飲料としての香味が優れていた。
(試験例4:ビールテイスト飲料の製造)
麦芽(麦芽比率100質量%)、及び水を仕込み槽に投入し、常法に従って糖化液を得た。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。麦汁を煮沸させ、煮沸終了間際で麦汁にホップを、麦汁1Lに対してホップが0.14gとなるような分量で添加し、沈殿物を分離、除去した後、冷却して発酵前液を得た。得られた発酵前液に、ホップの水抽出物を発酵前液の10体積%分添加し、さらにビール酵母を接種して、一定期間発酵させ、発酵後液を得た。得られた発酵後液を濾過して実施例6、8~10のビールテイスト飲料を製造した。なお、比較例6のビールテイスト飲料は、麦汁1Lに対してホップが1gとなるような分量で添加したこと、発酵前液にホップの水抽出物は添加していないこと以外は実施例6、8~10のビールテイスト飲料と同様にして製造した。ホップの水抽出物の製造方法について、抽出温度、抽出時間、抽出に用いたホップの使用量、及び得られたビールテイスト飲料の各成分の値を表4に示す。
Figure 2024086179000004
表4に示すとおり、ホップの香りを付けるためにホップの投入量が多くなると、ビールテイスト飲料中のリナロール含有量だけでなく、苦味価も上がってしまい、リナロール/苦味価比は低くなってしまう(比較例6のビールテイスト飲料参照)。一方、ホップの水抽出物を用いることで、リナロール/苦味価比は向上した(実施例6、8~10のビールテイスト飲料参照)。このことから、ホップの水抽出物を用いることで、苦味価及びリナロール/苦味価比を特定の範囲内に調整することが容易になることが示された。また、ホップの水抽出物を用いると、ビールテイスト飲料中のホップ由来の苦味物質の含有量の増加を抑えたまま、ホップの香気成分(リナロール)の含有量を増加させることができ、ビールテイスト飲料のシャープさ及びスッキリ感が向上すると考えられる。
さらに、低温長時間で抽出したホップの水抽出物を利用したビールテイスト飲料(実施例6及び10のビールテイスト飲料)は、高温短時間で抽出したホップの水抽出物を利用したビールテイスト飲料(実施例8~9のビールテイスト飲料)と比較してリナロール/苦味価比が高くなる傾向がみられた。低温長時間で抽出したホップの水抽出物を利用した方が、ホップ由来の苦味物質の抽出を抑えたまま、ホップの香気成分(リナロール)をより抽出しやすくなる。

Claims (5)

  1. 苦味価(BU)が25以下であり、苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が7以上70以下である、ビールテイスト飲料。
  2. 前記苦味価(BU)が10以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比が10以上70以下である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
  4. 苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程を備える、ビールテイスト飲料の製造方法。
  5. 前記苦味価(BU)を25以下に調整する工程、及び/又は前記苦味価(BU)に対するリナロール含有量(μg/L)の比を7以上70以下に調整する工程が、ホップの水抽出物を用いることを含む、請求項4に記載の製造方法。
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