JP2023172217A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Fumiko Ebina
知沙 谷川
Chisa Tanigawa
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Abstract

【課題】アルコール度数が1v/v%未満でありながら、飲みごたえ及びマイルドさが向上したビールテイスト飲料を提供すること【解決手段】アルコール度数が1v/v%未満であり、メチオナールを含有する、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
コク及び味のまろやかさ等の香味が増強された飲料はこれまでに種々報告されている。このような飲料として、例えば、特許文献1には、γ-アミノ酪酸(GABA)を含有する非発酵アルコールテイスト飲料が開示されている。
特開2016-78337号公報
本発明者らの検討によれば、アルコール度数が1v/v%未満のビールテイスト飲料は、飲みごたえ及びマイルドさに依然として改善の余地がある。本発明者らは、アルコール度数が1v/v%未満のビールテイスト飲料において、メチオナールを含有させることで飲みごたえ及びマイルドさが向上することを見出した。
本発明は、この知見に基づくものであり、アルコール度数が1v/v%未満でありながら、飲みごたえ及びマイルドさが向上したビールテイスト飲料の提供を目的とする。
本発明は、アルコール度数が1v/v%未満であり、メチオナールを含有する、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%未満であるビールテイスト飲料でありながら、メチオナールを含有するため、飲みごたえ及びマイルドさが向上したものとなる。
上記ビールテイスト飲料は、酪酸及び/又はイソ酪酸を更に含有してもよい。酪酸及び/又はイソ酪酸を更に含有することで、飲みごたえ及びマイルドさがより向上することに加えて、オフフレーバー及び後味の雑味が低減する。
上記ビールテイスト飲料は、メチオナール含有量が1ppb以上であってもよい。メチオナールをこの範囲内に調整することで、飲みごたえ及びマイルドさがさらに向上する。
上記ビールテイスト飲料は、酪酸を含む場合、酪酸含有量が0.2ppm以上4ppm以下であってもよい。酪酸をこの範囲にすることで、飲みごたえ及びマイルドさがさらに向上することに加えて、オフフレーバー及び後味の雑味がより低減する。
上記ビールテイスト飲料は、イソ酪酸を含む場合、イソ酪酸含有量が0.2ppm以上4ppm以下であってもよい。イソ酪酸をこの範囲にすることで、飲みごたえ及びマイルドさがさらに向上することに加えて、オフフレーバー及び後味の雑味がより低減する。
上記ビールテイスト飲料は、発酵ビールテイスト飲料であってもよい。発酵ビールテイスト飲料にすることで、飲みごたえ及びマイルドさがより一層向上することに加えて、オフフレーバー及び後味の雑味がさらに低減する。
本発明はまた、アルコール度数が1v/v%未満となるように調整する工程、及びメチオナール含有量を調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法にも関する。
本発明は更に、アルコール度数が1v/v%未満となるように調整すること、及びメチオナール含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料の飲みごたえ及び/又はマイルドさを向上させる方法にも関する。
本発明によれば、アルコール度数が1v/v%未満でありながら、飲みごたえ及びマイルドさが向上したビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%未満であり、メチオナールを含有する。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%未満であるビールテイスト飲料である。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が0.00v/v%であるノンアルコールビールテイスト飲料であってよく、アルコール度数が0.00v/v%超1v/v%未満であるローアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書において、アルコールは、特に言及のない限り、エタノールを意味する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、1v/v%未満であれば特に制限されず、例えば、0.00v/v%以上1v/v%未満であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、0.005v/v%以上、0.01v/v%以上、0.05v/v%以上、0.1v/v%以上、0.2v/v%以上、0.3v/v%以上、0.4v/v%以上、又は0.5v/v%以上であってよい。同様に、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、0.95v/v%以下、0.9v/v%以下、0.85v/v%以下、又は0.8v/v%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.3.6 ビール、アルコール(アルコライザー法)」や「8.3.7 ヘッドスペースGC-FID法」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、アルコールの添加により上記範囲内に調整してもよく、醸造により得られた発酵液からアルコールを除去して上記範囲内に調整してもよく、醸造に際してアルコール生成を抑える条件(例えば、糖化条件によってβ-アミラーゼの活性を制御する方法、α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を適宜使用する方法により仕込むことにより糖化(マルトース、マルトトリオース生成)を制御して発酵前液を得ることや、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母を使用すること等)で発酵して発酵液を得ることで上記範囲内に調整してもよく、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御してもよく、別途調製したアルコール含量の低い発酵後液、又はアルコールを含まない水若しくは炭酸水と混合することによって調整してもよく、またこれらを併用して上記範囲内に調整してもよい。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。醸造により得られた発酵液からアルコールを除去する方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析等の常法に従って実施することができる。
メチオナールは、3-(メチルスルファニル)プロパナールとも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料中のメチオナール含有量は、特に制限されないが、0.5ppb以上であってもよい。飲みごたえ及びマイルドさがより向上する観点から、1ppb以上、1.5ppb以上、2ppb以上、4ppb以上、8ppb以上、12ppb以上、又は20ppb以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料中のメチオナール含有量は、50ppb以下、40ppb以下、20ppb以下、12ppb以下、8ppb以下、4ppb以下であってもよい。
ビールテイスト飲料中のメチオナール含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)により測定することができる。メチオナール含有量は、例えば、ビールテイスト飲料の製造工程の任意の段階で、メチオナールそのもの又はメチオナールを含む香料を添加して調整してもよい。また、原料(例えば麦芽やホップ、モルトエキス、米、コーン、スターチ、液糖等)の種類、使用量、添加タイミング等を調整することや、醸造条件(酵母の種類、仕込条件、発酵や貯酒の期間等)を調整すること等によって調整してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、酪酸及び/又はイソ酪酸を更に含有してもよい。酪酸は、ブタン酸とも称される化合物であり、イソ酪酸は、2-メチルプロパン酸とも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料が酪酸及び/又はイソ酪酸を含有する場合、本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酪酸又はイソ酪酸含有量は、特に制限されないが、例えば、ビールテイスト飲料全量を基準として、0.1ppm以上10ppm以下であってよい。飲みごたえ及びマイルドさがより向上するとともにオフフレーバー及び後味の雑味が低減する観点から、0.2ppm以上4ppm以下であってもよく、0.3ppm以上3ppm以下であってもよく、0.4ppm以上2ppm以下であってもよく、0.45ppm以上1.5ppm以下であってもよく、0.5ppm以上1ppm以下であってもよい。
ビールテイスト飲料中の酪酸及び/又はイソ酪酸含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)により測定することができる。酪酸及び/又はイソ酪酸含有量は、例えば、ビールテイスト飲料の製造工程の任意の段階で、酪酸及び/又はイソ酪酸そのものを添加して調整してもよく、酪酸及び/又はイソ酪酸を含む香料を添加して調整してもよい。また、原料(例えば麦芽やホップ、モルトエキス、米、コーン、スターチ、液糖等)の種類、使用量、添加タイミング等を調整することや、醸造条件(酵母の種類、仕込条件、発酵や貯酒の期間等)を調整すること等によって調整してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として、麦以外の原料を含有していてもよく、麦以外の原料を含有していなくてもよい。麦以外の原料は、例えば、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類等の植物原料であってよく、スターチ、グリッツ、液糖等の糖質原料(糖類)であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が0質量%以上100質量%以下であってよい。麦芽比率は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってよい。また、麦芽比率は、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、0.0以上50.0以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、例えば、40.0以下、30.0以下、20.0以下、又は15.0以下であってよく、1.0以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、又は10.0以上であってよい。ビールテイスト飲料の苦味価は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%未満となるように調整する工程、及びメチオナール含有量を調整する工程を含む方法により製造することができる。当該製造方法は、アルコール度数が1v/v%未満となるように調整する工程、メチオナール含有量を調整する工程、の他は、常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造してもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造してもよい(醸造による方法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水、及びメチオナール、並びに必要に応じて、酪酸、イソ酪酸、アルコール、及び/又はその他原料を原料タンクに配合する配合工程を含む。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
他の実施形態における製造方法(醸造による方法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、原料及び仕込水からもろみを製造する糖化工程、もろみを濾過して糖含有液を得る濾過工程、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
糖化工程では、原料及び仕込水を仕込んだ後、50~76℃に温度を調節して、当該温度を保持するステップを含む。当該ステップでは、例えば、1~200分、50~76℃で温度を保持する。これにより、例えば、原料の糖化が進んだり、可溶性成分が溶出したりして、酵母の代謝に必要な成分を含むもろみが得られる。糖化工程で得られたもろみは、濾過工程で濾過されて糖含有液となる。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。除去工程で、煮沸後液中に上述したホップを添加してもよい。
一実施形態に係る製造方法では、必要に応じて酵素剤を使用してもよい。α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を選択し、使用量や添加タイミングを適宜調整することによって資化性糖の割合が調整することができるため、発酵工程でのアルコール生成の制御やアルコール濃度の調整が容易になる。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
発酵工程で使用する酵母は、通常のビール酵母であってもよく、アルコール生成能が低い酵母(例えば、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母)であってもよい。アルコール生成能が低い酵母を使用することにより、発酵工程でのアルコール生成を抑えることができ、アルコール度数の調整が容易になる。
本実施形態に係る製造方法は、アルコール度数調整工程を更に含んでいてもよい。アルコール度数調整工程は、アルコール度数を上記範囲内に調整する工程である。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が低いため、例えば、糖化条件によってβ-アミラーゼの活性を制御する方法、α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を適宜使用する方法により発酵前液を得ることや、発酵工程において、発酵期間を短くする、アルコール生成能が低い酵母を使用する等してアルコールの生成を抑えることによって、アルコール度数を調整してもよく、発酵工程において、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御したり、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを除去又は低減させることによって、アルコール度数を調整してもよい。アルコールを除去又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、メチオナール、酪酸、及び/又はイソ酪酸含有量は、例えば、仕込工程で使用する原料(例えば、麦芽やホップ、モルトエキス、米、コーン、スターチ、液糖等)の種類、使用量、添加タイミング等を調整すること、醸造条件(酵母の種類、仕込条件、発酵や貯酒の期間等)を調整すること、発酵後液にメチオナール、酪酸、及び/又はイソ酪酸そのものを添加すること、発酵後液にメチオナール、酪酸、及び/又はイソ酪酸を含む香料を添加すること等により上述した範囲に調整することができる。メチオナール、酪酸、及び/又はイソ酪酸含有量は、メチオナール、酪酸、及び/又はイソ酪酸そのものを原料として使用し、上述した範囲に調整してもよい。
〔ビールテイスト飲料の飲みごたえ及び/又はマイルドさを向上させる方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、飲みごたえ及びマイルドさに優れるという効果を奏する。したがって、本発明は、アルコール度数が1v/v%未満となるように調整すること、及びメチオナール含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料の飲みごたえ及び/又はマイルドさを向上させる方法と捉えることもできる。更に酪酸及び/又はイソ酪酸含有量を調整することを含む上記方法は、ビールテイスト飲料の飲みごたえ及び/若しくはマイルドさ、並びに/又はオフフレーバー及び/若しくは後味の雑味を低減する方法ということもできる。当該方法における具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する、ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:炭酸水ベースの飲料の製造及び評価〕
炭酸水にメチオナール、酪酸、及びイソ酪酸を表1及び表2に示した含有量となるように添加して試験例1-2~1-6及び試験例2-1~2-9の炭酸水ベースの飲料を製造した。また、比較のため、メチオナールを含有しない参考例1-1の炭酸水ベースの飲料を製造した。
(官能評価)
参考例1-1及び試験例1-2~1-6の炭酸水ベースの飲料に対して、「飲みごたえ」、「オフフレーバー」、「後味の雑味」、及び「マイルドさ」の評価項目について官能評価を実施した。同様に、試験例2-1~2-9の炭酸水ベースの飲料に対して、「飲みごたえ」、「オフフレーバー」、「後味の雑味」、及び「マイルドさ」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。なお、いずれの評価項目も参考例1-1の炭酸水ベースの飲料の評点を1点とし、これを基準にその他の炭酸水ベースの飲料を評価した。
「飲みごたえ」は、評点が高いほど好ましい飲みごたえを強く感じることを示す。「オフフレーバー」は、評点が高いほど好ましくないオフフレーバーを強く感じることを示す。「後味の雑味」は、評点が高いほど好ましくない後味の雑味を強く感じることを示す。「マイルドさ」は、評点が高いほど好ましいマイルドさが強く感じることを示す。結果を表1~2に示す。
Figure 2023172217000001
Figure 2023172217000002
表1に示すとおり、メチオナールを含有する炭酸水ベースの飲料(試験例1-2~1-6)は、メチオナールを含有しない炭酸水ベースの飲料(参考例1-1)と比較して飲みごたえ及びマイルドさの評価が向上しており、飲みごたえ及びマイルドさに優れていた。
表2に示すとおり、メチオナールに加えて酪酸を更に含有する炭酸水ベースの飲料(試験例2-2~2-5)は、酪酸を含有しない炭酸水ベースの飲料(試験例2-1)と比較して飲みごたえ及びマイルドさの評価がより向上しており、飲みごたえ及びマイルドさがより優れていた。また、オフフレーバー及び後味の雑味の評価が低下しており、オフフレーバー及び後味の雑味が低減していた。メチオナールに加えてイソ酪酸を更に含有する炭酸水ベースの飲料(試験例2-6~2-8)も、同様の結果が得られた。さらに、メチオナールに加えて酪酸及びイソ酪酸を更に含有する炭酸水ベースの飲料(試験例2-9)は、飲みごたえ及びマイルドさの評価がさらに向上しており、飲みごたえ及びマイルドさがさらに優れていた。また、オフフレーバー及び後味の雑味の評価がより低下しており、オフフレーバー及び後味の雑味がより低減していた。
〔試験例2:ビールテイスト飲料の製造及び評価〕
果糖ブドウ糖液糖、乳酸、イソα酸、カラメル色素、及び炭酸水を混合して得たノンアルコールビールベース液に、アルコール度数65.5v/v%のスピリッツ、メチオナール、酪酸、及びイソ酪酸を表3に示した含有量となるように添加して試験例3-2~3-3のビールテイスト飲料を製造した。また、麦芽(麦芽比率51%)、ホップ、米、コーン、及びスターチを原料として使用し、常法に従って麦汁を得たのち、得られた麦汁にマルトース資化性の低い酵母を添加して発酵を行い、試験例3-4のビールテイスト飲料を製造した。さらに、麦芽(麦芽比率100%)、及びホップを原料として使用したこと以外は試験例3-4と同様にして試験例3-5のビールテイスト飲料を製造した。なお、試験例3-4及び試験例3-5のビールテイスト飲料は、表3に示すアルコール度数となるように調整して製造し、メチオナール、酪酸、イソ酪酸をSPME-GC-MS法で測定したところ、表3に示す含有量であった。また、比較のため、アルコール、メチオナール、酪酸、及びイソ酪酸を含有しない参考例3-1のビールテイスト飲料を製造した。
(官能評価)
参考例3-1及び試験例3-2~3-5のビールテイスト飲料に対して、「飲みごたえ」「オフフレーバー」、「後味の雑味」、及び「マイルドさ」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、いずれの評価項目も参考例1-1の炭酸水ベースの飲料の評点を1点とし、これを基準に参考例3-1及び試験例3-2~3-5のビールテイスト飲料を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2023172217000003
表3に示すとおり、ビールテイスト飲料においても、メチオナール、酪酸、及びイソ酪酸を含有するビールテイスト飲料は飲みごたえ及びマイルドさの評価が高く、飲みごたえ及びマイルドさが優れていた。また、アルコール度数が0.5v/v%又は0.7v/v%であるビールテイスト飲料(試験例3-3~3-5)は、アルコールを含有してないビールテイスト飲料(試験例3-2)よりも飲みごたえ及びマイルドさの評価がより高く、飲みごたえ及びマイルドさにより優れていた。さらに、オフフレーバー及び後味の雑味の評価もアルコールを含有してないビールテイスト飲料よりも低下しており、オフフレーバー及び後味の雑味が低減していた。醸造による方法にて製造したビールテイスト飲料(試験例3-4及び試験例3-5)は、調合による方法にて製造したビールテイスト飲料(試験例3-3)と比較して飲みごたえ及びマイルドさの評価がさらに高く、飲みごたえ及びマイルドさがさらに優れていた。また、オフフレーバー及び後味の雑味の評価がより低下しており、オフフレーバー及び後味の雑味がより低減していた。

Claims (8)

  1. アルコール度数が1v/v%未満であり、メチオナールを含有する、ビールテイスト飲料。
  2. 酪酸及び/又はイソ酪酸を更に含有する、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. メチオナール含有量が1ppb以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  4. 酪酸を含む場合、酪酸含有量が0.2ppm以上4ppm以下である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
  5. イソ酪酸を含む場合、イソ酪酸含有量が0.2ppm以上4ppm以下である、請求項2に記載のビールテイスト飲料。
  6. ビールテイスト発酵飲料である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  7. アルコール度数が1v/v%未満となるように調整する工程、及びメチオナール含有量を調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  8. アルコール度数が1v/v%未満となるように調整すること、及びメチオナール含有量を調整することを含む、ビールテイスト飲料の飲みごたえ及び/又はマイルドさを向上させる方法。
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