JP2017015868A - 静電潜像現像用トナー及び外添剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】外添剤粒子の表面の形状を維持することができ、トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制することができる、静電潜像現像用トナーを提供する。
【解決手段】静電潜像現像用トナーは、トナー粒子を複数含む。トナー粒子は、トナー母粒子と、複数の外添剤粒子とを有する。トナー母粒子は、結着樹脂と、着色剤とを少なくとも含有する。外添剤粒子は、第一粒子と、第一粒子の表面に備えられた複数の第二粒子と、第二粒子が備えられた第一粒子を被覆する被覆層とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及び外添剤に関する。
トナーは複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、例えば外添剤を有する。外添剤の一例として、特許文献1に記載の微粉末が挙げられる。微粉末は、ソープフリー重合法により得られた重合体である。外添剤の別の例として、特許文献2に記載の複合樹脂粒子が挙げられる。複合樹脂粒子は、無機粒子を含む樹脂粒子である。
特開昭60−186854号公報 特開2005−202133号公報
しかし、特許文献1に記載の微粉末の形状は球形になり易いため、微粉末がトナー母粒子から脱離し易い。また特許文献2に記載の複合樹脂粒子は、複合樹脂粒子を含むトナーを用いて用紙に連続して画像を形成する場合に、複合樹脂粒子中の樹脂粒子からの無機粒子の脱離、及び樹脂粒子への無機粒子の埋没が引き起こされ易い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、外添剤粒子の表面の形状を維持することができ、トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制することができる、静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。また、本発明は、外添剤粒子の表面の形状を維持することができる外添剤を提供することを目的とする。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、トナー粒子を複数含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、複数の外添剤粒子とを有する。前記トナー母粒子は、結着樹脂と、着色剤とを少なくとも含有する。前記外添剤粒子は、第一粒子と、前記第一粒子の表面に備えられた複数の第二粒子と、前記第二粒子が備えられた前記第一粒子を被覆する被覆層とを有する。
本発明に係る外添剤は、外添剤粒子を複数含む。前記外添剤粒子は、第一粒子と、前記第一粒子の表面に備えられた複数の第二粒子と、前記第二粒子が備えられた前記第一粒子を被覆する被覆層とを有する。
本発明の静電潜像現像用トナーによれば、外添剤粒子の表面の形状を維持することができ、トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制することができる。また、本発明の外添剤によれば、外添剤粒子の表面の形状を維持することができる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るトナーにおいて、トナー粒子が有する外添剤粒子を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、平均値は、何ら規定していなければ、個数平均値を意味する。また、粉体(例えば後述する、静電潜像現像用トナー、トナー粒子、トナー母粒子、外添剤粒子)に関する評価値(形状又は物性などを示す値)も、何ら規定していなければ、個数平均値を意味する。個数平均値は、相当数の測定対象について測定した値の和を、測定した個数で除算した値である。更に、粉体の粒子径は、何ら規定していなければ、一次粒子の円相当径である。円相当径は、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径である。
本実施形態は、静電潜像現像用トナー(以下、トナーと記載する場合がある)に関する。本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真方式の画像形成装置で画像を形成するために用いられる。
図2を参照して後述するように、本実施形態のトナーに含まれる外添剤粒子12は、第一粒子1と、第一粒子1の表面に備えられた複数の第二粒子2と、第二粒子2が備えられた第一粒子1を被覆する被覆層3とを有する。外添剤粒子12が所定の構造を有することにより、第一粒子1からの第二粒子2の脱離、及び第一粒子1への第二粒子2の埋没が抑制される傾向にある。その結果、外添剤粒子12の表面の形状(凹凸)が維持され易くなる。これにより、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離し難くなる。
本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子10を含む。以下、図1を参照して、トナー粒子10について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子10を示す断面図である。
トナー粒子10は、トナー母粒子11と、複数の外添剤粒子12とを有する。トナー母粒子11の表面には複数の外添剤粒子12が付着している。
なお、トナー母粒子は、カプセル化されていてもよい。カプセル化されたトナー母粒子は、例えば図1に示されるトナー母粒子11と同様の構造及び成分を有するコアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とを有する。
<1.トナー母粒子>
以下、トナー母粒子11について説明する。トナー母粒子11は、結着樹脂と、着色剤とを少なくとも含有する。トナー母粒子11は、必要に応じて、離型剤、電荷制御剤、磁性粉の1種以上を含有してもよい。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を割愛してもよい。
トナー母粒子11の体積中位径D50は5μm以上10μm以下であることが好ましい。
<1−1.結着樹脂>
結着樹脂は、トナーの調製に用いられる結着樹脂である限り、特に限定されない。結着樹脂としては、トナーの定着性を向上させるという観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、スチレンアクリル酸系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル化合物系樹脂、又はスチレンブタジエン樹脂が挙げられる。結着樹脂中での着色剤の分散性、トナーの帯電性、及びトナーの定着性を向上させるためには、結着樹脂がポリエステル樹脂であることがより好ましい。以下、ポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂は、例えばアルコールとカルボン酸とを縮重合又は共縮重合させることにより得られる。
ポリエステル樹脂の調製に用いられるアルコールの好適な例としては、ジオール類、ビスフェノール類、又は3価以上のアルコール類が挙げられる。
ジオール類の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
ポリエステル樹脂を合成する際に用いられるカルボン酸の例としては、2価カルボン酸、又は3価以上のカルボン酸が挙げられる。
2価カルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸、又はアルケニルコハク酸が挙げられる。アルキルコハク酸の例としては、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸が挙げられる。アルケニルコハク酸の例としては、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
アルコール、及びカルボン酸は、各々1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。更に、カルボン酸を、エステル形成性の誘導体に誘導体化して使用してもよい。エステル形成性の誘導体の例としては、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステルが挙げられる。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上140℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂としてポリエステル樹脂が使用される場合、結着樹脂中のポリエステル樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
結着樹脂として熱可塑性樹脂が使用される場合、熱可塑性樹脂の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に、架橋剤又は熱硬化性樹脂を添加してもよい。結着樹脂内に部分的に架橋構造を導入することにより、トナーの定着性を確保しながら、トナーの保存安定性、形態保持性、及び耐久性を向上させ易くなる。
結着樹脂として熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、又はシアネート系樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、30℃以上60℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点がこのような範囲内であると、トナーの高い定着性を維持しながら、トナーの保存安定性、形態保持性、及び耐久性を向上させ易い。
結着樹脂のガラス転移点の測定方法の例としては、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて結着樹脂の吸熱曲線を測定し、得られた吸熱曲線における比熱の変化点から結着樹脂のガラス転移点を求める方法が挙げられる。具体的には、測定試料(結着樹脂)10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分の条件で結着樹脂の吸熱曲線を求める。そして、得られた吸熱曲線に基づいて結着樹脂のガラス転移点を求める。
<1−2.着色剤>
着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料が用いられる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
トナー母粒子11は、黒色着色剤を含有してもよい。黒色着色剤は、例えば黒色顔料、又は黒色染料が挙げられる。黒色顔料の具体例としては、カーボンブラックが挙げられる。後述するイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された黒色着色剤を使用してもよい。
(カラー着色剤)
トナー母粒子11は、カラー着色剤を含有してもよい。カラー着色剤の例としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤の例としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、又はアリールアミド化合物が挙げられる。イエロー着色剤の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤の例としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、又はペリレン化合物が挙げられる。マゼンタ着色剤の具体例としては、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)が挙げられる。
シアン着色剤の例としては、銅フタロシアニン、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、又は塩基染料レーキ化合物が挙げられる。シアン着色剤の具体例としては、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーが挙げられる。
<1−3.離型剤>
離型剤は、例えばトナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
離型剤の例としては、脂肪族炭化水素ワックス、脂肪族炭化水素ワックスの酸化物、植物由来のワックス、動物由来のワックス、鉱物由来のワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス、又は脂肪酸エステルの一部もしくは全部が脱酸化されたワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素ワックスの例としては、エステルワックス、ポリエチレワックス(例えば、低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(例えば、低分子量ポリプロピレン)、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスが挙げられる。脂肪族炭化水素ワックスの酸化物の例としては、酸化ポリエチレンワックス、又は酸化ポリエチレンのブロック共重合体が挙げられる。植物由来のワックスの例としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスが挙げられる。動物由来のワックスの例としては、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうが挙げられる。鉱物由来のワックスの例としては、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムが挙げられる。脂肪酸エステルを主成分とするワックスの例としては、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスが挙げられる。脂肪酸エステルの一部もしくは全部が脱酸化されたワックスの例としては、脱酸カルナバワックスが挙げられる。
離型剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<1−4.電荷制御剤>
電荷制御剤は、例えば、帯電レベル、及び帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。また、耐久性及び安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに帯電可能か否かの指標である。
正帯電させたトナーを用いて現像する場合には、正帯電性の電荷制御剤を使用することが好ましい。一方、負帯電させたトナーを用いて現像する場合には、負帯電性の電荷制御剤を使用することが好ましい。ただし、トナーにおいて十分な帯電量が確保される場合には、電荷制御剤を使用しなくてもよい。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、アジン化合物、アジン化合物からなる直接染料、ニグロシン化合物、ニグロシン化合物からなる酸性染料、ナフテン酸の金属塩類、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン、又はアルキルアミドが挙げられる。
アジン化合物の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、又はキノキサリンが挙げられる。
アジン化合物からなる直接染料の例としては、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、又はアジンディープブラック3RLが挙げられる。
ニグロシン化合物の例としては、ニグロシン、ニグロシン塩、又はニグロシン誘導体が挙げられる。ニグロシン化合物からなる酸性染料の例としては、ニグロシンBK、ニグロシンNB、又はニグロシンZが挙げられる。4級アンモニウム塩の例としては、ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、又はデシルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も、正帯電性の電荷制御剤として使用できる。迅速な立ち上がり性を得るためには、ニグロシン化合物が特に好ましい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の例としては、アルミニウムアセチルアセトナート又は鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体;又は3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体が挙げられる。有機金属塩の例としては、サリチル酸系金属塩が挙げられる。なかでも、サリチル酸系金属錯体、及びサリチル酸系金属塩がより好ましい。
電荷制御剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1質量部以上15質量部以下であることが好ましい。1種の電荷制御剤を単独で使用してもよいし、複数種の電荷制御剤を併用してもよい。
<1−5.磁性粉>
磁性粉の例としては、鉄、強磁性金属、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、鉄及び/又は強磁性金属を含む化合物、強磁性化処理を施された強磁性合金、あるいは二酸化クロムが挙げられる。鉄の例としては、フェライト、又はマグネタイトが挙げられる。強磁性金属の例としては、コバルト、又はニッケルが挙げられる。強磁性化処理の例としては、熱処理が挙げられる。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。このような範囲の粒子径を有する磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させ易い。
<1−6.トナー母粒子の製造方法>
トナー母粒子11の製造方法の例としては、凝集法、又は粉砕法が挙げられる。凝集法は、粉砕法よりも、円形度の高いトナー母粒子11を製造し易い。また、凝集法は、均一な形状及び粒子径を有するトナー母粒子11を製造し易い。一方、粉砕法は、凝集法よりも簡便にトナー母粒子11を製造できる。
(粉砕法)
以下、粉砕法の一例を説明する。まず、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて含有される成分(例えば、電荷制御剤、離型剤、及び磁性粉)を混合する。続けて、得られた混合物を溶融し混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し分級する。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子11を得る。
(凝集法)
次に、凝集法の一例を説明する。まず、結着樹脂の微粒子、着色剤の微粒子、及び必要に応じて含有される各成分(例えば、電荷制御剤、離型剤、及び磁性粉)の微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を得る。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、トナー母粒子11が得られる。
<2.外添剤>
外添剤に含まれる外添剤粒子12をトナー母粒子11に付着させることにより、トナー粒子10が得られる。外添剤は、外添剤粒子12を複数含む。以下、図2を参照して、外添剤粒子12について説明する。図2は、本実施形態に係るトナーにおいて、トナー粒子10が有する外添剤粒子12を示す断面図である。
<2−1.外添剤粒子>
外添剤粒子12は、例えば、スペーサー粒子として使用される。スペーサー粒子は、例えば、トナー粒子10同士が直接接触することにより生じるストレス(摩擦)を低減させる目的で使用される。スペーサー粒子は、例えば、トナーの流動性、凝集性及び耐久性を向上させる目的でも使用される。外添剤粒子12は、第一粒子1と、複数の第二粒子2と、被覆層3とを有する。第二粒子2は、第一粒子1の表面に備えられる。被覆層3は、第二粒子2が備えられた第一粒子1を更に被覆する。
第二粒子2の一部が第一粒子1の表面から露出するように、第二粒子2は第一粒子1の表面に備えられることが好ましい。つまり、第二粒子2が第一粒子1の表面に完全に埋没しないように、第二粒子2が第一粒子1の表面に埋め込まれることが好ましい。これにより、外添剤粒子12の表面に凹凸が形成され易くなり、トナー母粒子11からの外添剤粒子12の脱離を抑制し易くなる。また、第二粒子2の全体が露出しないように、第二粒子2が第一粒子1の表面に埋め込まれることが好ましい。これにより、被覆層3の形成時に第二粒子2が第一粒子1から脱離し難くなる。
第二粒子2の一部が第一粒子1の表面から露出しているか否かは、例えば、外添剤粒子12の表面を、SEM(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、倍率50000倍で観察することにより確認される。
外添剤粒子12がスペーサー粒子として好適に機能するためには、外添剤粒子12の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
外添剤粒子12がスペーサー粒子として好適に機能するためには、外添剤粒子12の体積中位径D50は、50nm以上200nm以下であることが好ましい。
<2−1−1.第一粒子>
第一粒子1は、例えば、樹脂粒子である。樹脂粒子の例としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ビニル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、アクリルニトリル樹脂粒子、又はアクリルアミド樹脂粒子が挙げられる。
スチレン樹脂粒子は、例えば、スチレン系モノマーの1種以上を重合又は共重合させることにより得られる。スチレン系モノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、又はp−tert−ブチルスチレンが挙げられる。
スチレンアクリル樹脂粒子は、例えば、スチレン系モノマーの1種以上と、アクリル酸系モノマーの1種以上とを、共重合させることにより得られる。スチレン系モノマーの例としては、スチレン樹脂粒子を形成するためのスチレン系モノマーと同様のものが挙げられる。アクリル酸系モノマーの例としては、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸、アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、又はメタクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。アクリル酸アルキルエステルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、又はアクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
ビニル樹脂粒子は、例えば、ビニル化合物の1種以上を重合又は共重合させることにより得られる。ビニル化合物の例としては、オレフィン、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、N−ビニル化合物、ビニルナフタレン、又はビニルピリジンが挙げられる。オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、又はイソブチレンが挙げられる。ハロゲン化ビニルの例としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、又はフッ化ビニリデンが挙げられる。ビニルエステルの例としては、プロピオン酸ビニル、又は酢酸ビニルが挙げられる。ビニルエーテルの例としては、ビニルメチルエーテル、又はビニルエチルエーテルが挙げられる。ビニルケトンの例としては、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、又はビニルヘキシルケトンが挙げられる。N−ビニル化合物の例としては、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、又はN−ビニルピロリドンが挙げられる。
ポリエステル樹脂粒子は、例えばアルコールの1種以上とカルボン酸の1種以上とを縮重合又は共縮重合させることにより得られる。アルコールの例としては、結着樹脂のポリエステル樹脂を合成する際に用いられるアルコールと同様のものが挙げられる。カルボン酸の例としては、結着樹脂のポリエステル樹脂を合成する際に用いられるカルボン酸と同様のものが挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、例えば、ジイソシアネートとジオール化合物とを縮合させることにより得られる。
アクリルニトリル樹脂粒子は、例えば、アクリルニトリル及びメタクリルニトリルのうちの1種以上を重合又は共重合させることにより得られる。
アクリルアミド樹脂粒子は、例えば、アクリルアミド系モノマーの1種以上を重合又は共重合させることにより得られる。アクリルアミド系モノマーの例としては、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、又はN−オクタデシルアクリルアミドが挙げられる。
第一粒子1の体積中位径D50は、50nm以上190nm以下であることが好ましく、70nm以上140nm以下であることがより好ましい。第一粒子1の体積中位径D50がこのような範囲内であると、第一粒子1に第二粒子2を付着させ易くなる。
<2−1−2.第二粒子>
第二粒子2が第一粒子1の表面に備えられることにより、外添剤粒子12の表面に凹凸が形成される傾向にある。外添剤粒子12の表面に凹凸が形成されると、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離し難くなる。
第二粒子2は、例えば、無機粒子である。無機粒子の例としては、無機酸化物の粒子が挙げられる。無機酸化物の粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、又は窒化ホウ素が挙げられる。
第二粒子2の表面は疎水化処理剤により疎水化処理されてもよい。なお、外添剤粒子12の被覆層3が疎水性を有する場合には、第二粒子2の表面の疎水化処理は割愛されてもよい。疎水化処理剤の例としては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、脂肪酸もしくはその金属塩、又はシリコーンオイルが挙げられる。
第二粒子2の体積中位径D50は、第一粒子1の体積中位径D50よりも小さいことが好ましい。また、第二粒子2の体積中位径D50は、10nm以上50nm未満であることが好ましく、10nm以上28nm以下であることがより好ましい。第二粒子2の体積中位径D50がこのような範囲内であると、外添剤粒子12の表面の形状(凹凸)が、トナー母粒子11から脱離し難い形状となる傾向にある。
外添剤粒子12中の第二粒子2の含有量は、100質量部の第一粒子1に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
<2−1−3.被覆層>
外添剤粒子12が被覆層3を有することにより、第一粒子1からの第二粒子2の脱離、及び第一粒子1への第二粒子2の埋没が抑制され易くなる。その結果、外添剤粒子12の表面の形状(凹凸)が維持され易くなる。その結果、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離し難くなる。また、被覆層3が疎水性を有する場合には、被覆層3を形成することにより、外添剤粒子12の疎水化処理を同時に行うこともできる。
既に述べたように、例えば、第一粒子1は樹脂粒子であり、第二粒子2は無機粒子であってもよい。無機粒子は、樹脂粒子よりも硬い傾向にある。そのため、樹脂粒子と、樹脂粒子の表面に備えられる無機粒子とを有する外添剤粒子は、通常、トナーを用いて用紙に連続して画像を形成している間に、樹脂粒子からの無機粒子の脱離、及び樹脂粒子への無機粒子の埋没が引き起こされ易い。しかし、外添剤粒子12が被覆層3を有することにより、第一粒子1からの第二粒子2の脱離、及び第一粒子1への第二粒子2の埋没が抑制され易くなる。その結果、第一粒子1が樹脂粒子であり、第二粒子2が無機粒子である場合であっても、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離し難くなる。
また、第一粒子1がトナー粒子10の帯電量に影響を与え易い粒子(例えば無機粒子、より具体的にはシリカ粒子)である場合、第一粒子1を含む外添剤粒子12が、トナー粒子10のトナー母粒子11から脱離すると、外添剤粒子12が脱離したトナー粒子10の帯電量と、外添剤粒子12が脱離していないトナー粒子10の帯電量との間に差が生じ易い。しかし、外添剤粒子12が被覆層3を有することにより、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離し難くなる。その結果、トナー粒子10の帯電量に差が生じ難くなり、トナー粒子10を含むトナーが安定した帯電量を有し易くなる。また、トナーが安定した帯電量を有することにより、トナーを用いて形成された画像において、画像濃度を向上させ易くなり、かぶりの発生を抑制し易くなる。
被覆層3は、熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。熱硬化性樹脂は高い耐熱性を有する傾向にある。そのため、被覆層3が熱硬化性樹脂を含有することにより、外添剤粒子12がトナー母粒子11から脱離した場合であっても、外添剤粒子12が像担持体の表面に溶融し難くなる。また、被覆層3が熱硬化性樹脂を含有することにより、外添剤粒子12の表面の硬度が高くなり、外添剤粒子12を有するトナー粒子10によって像担持体の表面を研磨し易くなる。これにより、形成される画像に、ダッシュマークが発生し難くなる。その結果、像担持体の表面におけるトナーのクリーニング性が向上すると考えられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂(例えば、レゾール樹脂)、又は後述する窒素含有熱硬化性樹脂が挙げられる。フェノール樹脂の例としては、フェノールとホルムアルデヒドとの重縮合物が挙げられる。フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドとを、例えば、アルカリ触媒下で重縮合させることにより形成される。
被覆層3中の熱硬化性樹脂の含有率は、被覆層3の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
被覆層3は、熱硬化性樹脂のなかでも、窒素含有熱硬化性樹脂を含有することがより好ましい。窒素含有熱硬化性樹脂は、その化学構造中に窒素原子を含む熱硬化性樹脂である。
窒素含有熱硬化性樹脂は、窒素原子を含有するために正帯電し易い。そのため、トナーが正帯電性のトナーである場合に、被覆層3が窒素含有熱硬化性樹脂を含有することにより、トナーは安定した正の帯電量を有し易くなる。また、外添剤粒子12が負帯電し易い第二粒子2(例えば無機粒子、より具体的にはシリカ粒子)を有する場合であっても、第二粒子2が被覆層3によって被覆されることにより、外添剤粒子12を有するトナー粒子10を含むトナーを所望の正の帯電量に帯電させ易くなる。更に、窒素含有熱硬化性樹脂は高い疎水性を有する傾向にある。そのため、被覆層3が窒素含有熱硬化性樹脂を含有することにより、高湿(例えば80%RH)環境下であっても、トナーが安定した正の帯電量を有し易くなる。
被覆層3中の窒素含有熱硬化性樹脂の含有率は、被覆層3の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
被覆層3に含まれる窒素含有熱硬化性樹脂の例としては、アミノ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。なかでも、外添剤粒子12の表面の形状(凹凸)を好適に維持するためには、メラミン樹脂及び尿素樹脂が好ましい。
メラミン樹脂は、複雑な三次元の網目構造を有するため、高い硬度及び高い耐久性を有する傾向にある。また、メラミン樹脂の重合は脱水縮合によって行われるため、メラミン樹脂は、シリカと結合し易い。そのため、被覆層3にメラミン樹脂を含有し、第二粒子2がシリカ粒子である場合には、第二粒子2と被覆層3とが強く結合し易い。
メラミン樹脂の例としては、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物が挙げられる。メラミン樹脂は、例えば次のような方法で形成される。
まず、メラミンとホルムアルデヒドとを付加反応させる。これにより、メラミン樹脂の前駆体(メチロールメラミン)が得られる。続けて、メチロールメラミン同士を縮合反応(架橋反応)させる。これにより、一のメチロールメラミンのアミノ基が、メチレン基を介して、他のメチロールメラミンのアミノ基と結合する。その結果、メラミン樹脂が得られる。
メチロールメラミンの官能基の種類又は数を変更することで、メチロールメラミンの水への溶解性を変えることができる。このため、水性媒体中でメチロールメラミンを重合させることは比較的容易である。
尿素樹脂の例としては、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物が挙げられる。尿素樹脂は、例えば、メラミンに代えて尿素を用いること以外はメラミン樹脂の形成方法と同様の方法で形成される。
熱硬化性樹脂は、所定の溶媒(例えば、有機溶媒又は水性溶媒)に溶解することが好ましい。熱硬化性樹脂が所定の溶媒に溶解することにより、後述する被覆層形成工程において、被覆層3を形成し易くなる。
第一粒子1からの第二粒子2の脱離、及び第一粒子1への第二粒子2への埋没を抑制し易いことから、外添剤粒子12中の被覆層3の含有量は、第一粒子1と第二粒子2との合計質量の30質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
第一粒子1からの第二粒子2の脱離、及び第一粒子1への第二粒子2への埋没を抑制し易いことから、被覆層3の厚さは、1nm以上10nm以下であることが好ましい。
<2−2.外添剤の製造方法>
以下、外添剤粒子12の製造方法の一例を説明する。なお、効率的に外添剤粒子12を形成するためには、多量の外添剤粒子12を同時に形成することが好ましい。
(混合工程)
混合工程では、例えば、混合機(例えば、FMミキサー又はナウターミキサー(登録商標))を用いて、第一粒子1と第二粒子2とを混合する。これにより、第二粒子2が表面に備えられた第一粒子1が得られる。第一粒子1と第二粒子2との混合は、第二粒子2が第一粒子1の表面に埋没しないような条件で行われることが好ましい。このような条件としては、例えば、混合機の回転数3500rpm、及び混合時間3分間が挙げられる。これにより、第二粒子2の一部を第一粒子1の表面から露出させることができる。
(被覆層形成工程)
被覆層形成工程では、第二粒子2が表面に備えられた第一粒子1を、被覆層3で被覆する。被覆層3を形成する方法としては、反応法と溶液塗布法が挙げられる。反応法では、第二粒子2を表面に備える第一粒子1を分散させた溶媒中で、被覆層3の材料を反応(重合)させて、第二粒子2を表面に備える第一粒子1に被覆層3を形成する。溶液塗布法では、被覆層3の材料を溶解させた溶液を、第二粒子2を表面に備える第一粒子1に塗布した後、溶媒を除去することで、第二粒子2を表面に備える第一粒子1に被覆層3を形成する。
以下、外添剤粒子12の作製方法の一例(反応法)について説明する。まず、被覆層3の材料(例えば、熱硬化性樹脂を形成するためのモノマー)を水性媒体中に溶解させる。次に、被覆層3の材料の溶液に、第二粒子2を表面に備える第一粒子1を分散させて、第二粒子2を表面に備える第一粒子1の分散液を得る。続けて、分散液を加熱して、分散液中の被覆層3の材料を、第二粒子2を表面に備える第一粒子1と反応させる。その後、分散液を常温まで冷却する。これにより、外添剤粒子12の分散液が得られる。外添剤粒子12は、第一粒子1と、第一粒子1の表面に備えられる第二粒子2と、第二粒子2が備えられた第一粒子1を被覆する被覆層3とを有する。
被覆層3の材料を、第二粒子2を表面に備える第一粒子1と反応させる際には、例えば、攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスミックス」)を用いて分散液を攪拌してもよい。
被覆層3が熱硬化性樹脂を含む場合、被覆層3を形成する前に、第二粒子2を表面に備える第一粒子1の分散液のpHを2以上6以下に調整することが好ましい。分散液のpHを中性(pH7)よりも酸性側に調整することで、被覆層3の形成を促進し易くなる。
また、被覆層3が熱硬化性樹脂を含む場合、被覆層3を形成する際の温度は60℃以上100℃以下であることが好ましい。被覆層3の材料を60℃以上100℃以下の温度下で反応させることで、被覆層3の形成を促進し易くなる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、外添剤粒子12を洗浄する。外添剤粒子12の洗浄には、例えば水が用いられる。外添剤粒子12の洗浄方法の好適な例としては、次の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、外添剤粒子12の分散液をろ過して、ウェットケーキ状の外添剤粒子12を回収し、得られたウェットケーキ状の外添剤粒子12を水を用いて洗浄する方法である。第二の方法は、外添剤粒子12の分散液において外添剤粒子12を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後に液中の外添剤粒子12を水に再分散させる方法である。
第一の方法で外添剤粒子12の分散液をろ過する際に、ろ液の導電率は、10μS/cm以下であることが好ましい。導電率の測定には、例えば、株式会社堀場製作所製の電気伝導率計「Horiba COND METER ES−51」が用いられる。
(乾燥工程)
洗浄工程の後、外添剤粒子12を乾燥する。外添剤粒子12の乾燥方法の好適な例としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。
<2−3.その他の外添剤>
トナー粒子10は、必要に応じて、外添剤粒子12を含む外添剤とは異なる外添剤(その他の外添剤)を含んでもよい。その他の外添剤は、例えば、トナーの流動性を向上させる目的、又は像担持体をトナーにより研磨し易くする目的で使用される。
その他の外添剤の例としては、シリカ、又は金属酸化物(例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム)が挙げられる。
その他の外添剤の数平均粒子径は、1nm以上1μm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であることがより好ましい。その他の外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
<2−4.外添方法>
トナー母粒子11の表面に外添剤粒子12を付着させる(外添する)ことで、トナー粒子10が製造される。外添方法の好適な例としては、トナー母粒子11に外添剤粒子12が埋め込まれないような条件で、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー、又はホソカワミクロン株式会社製のナウターミキサー(登録商標))を用いて、トナー母粒子11と外添剤粒子12とを混合する方法が挙げられる。
<2−5.二成分現像剤>
本実施形態のトナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。二成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いることが好ましい。
キャリアとして、樹脂により被覆されたキャリアコアを使用してもよい。また、キャリアとして、樹脂中にキャリアコアを分散させた樹脂キャリアを用いてもよい。
キャリアコアの例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、又はコバルトの粒子;これらの材料と金属(例えば、マンガン、マグネシウム、亜鉛、及び/又はアルミニウム)との合金の粒子;鉄−ニッケル合金の粒子;鉄−コバルト合金の粒子;セラミックスの粒子;あるいは高誘電率物質の粒子が挙げられる。セラミックスの例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、又はニオブ酸リチウムが挙げられる。高誘電率物質の例としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、又はロッシェル塩が挙げられる。これらのキャリアコアは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キャリアコアを被覆する樹脂の例としては、アクリル酸系重合体、スチレン系重合体、スチレンアクリル酸系共重合体、オレフィン重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、又はアミノ樹脂が挙げられる。オレフィン重合体の例としては、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、又はポリプロピレンが挙げられる。フッ素樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、又はポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キャリアの粒子径は、20μm以上120μm以下であることが好ましく、25μm以上80μm以下であることがより好ましい。キャリアの粒子径は、例えば、電子顕微鏡により測定される。
トナーを二成分現像剤において用いる場合、トナーの含有量は、二成分現像剤の質量に対して、3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
2成分現像剤の作製方法の例としては、ボールミルのような混合装置を用いてトナーとキャリアとを混合する方法が挙げられる。
以上、図1及び図2を参照して、本実施形態のトナーを説明した。本実施形態のトナーによれば、外添剤粒子12の表面の形状を維持することができ、トナー母粒子11からの外添剤粒子12の脱離を抑制することができる。
本発明の実施例について説明する。しかし、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。まず、実施例で使用される物性値の測定方法を説明する。
(体積中位径及び数平均一次粒子径)
第一粒子、第二粒子、外添剤粒子、及びトナー母粒子の体積中位径D50、及び数平均一次粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて測定した。なお、体積中位径D50は、コールターカウンター法により測定された体積基準のメディアン径である。
(ガラス転移点)
スチレンアクリル樹脂粒子(試料)のガラス転移点は以下のように測定した。示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて試料の吸熱曲線を測定した。試料10mgをアルミパン中に入れた。リファレンスとして空のアルミパンを使用した。測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分という条件で、試料の吸熱曲線を測定した。得られた吸熱曲線(詳しくは、試料の比熱の変化点)から試料のガラス転移点を求めた。
(軟化点)
スチレンアクリル樹脂粒子(試料)の軟化点を以下のように測定した。試料を高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)にセットした。ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、及び昇温速度6℃/分という条件で、1cm3の試料を溶融し流出させた。これにより、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブを得た。得られたS字カーブから、試料の軟化点を読み取った。具体的には、得られたS字カーブに関して、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とした。ストロークの値が(S1+S2)/2となる温度を、試料の軟化点とした。これにより、試料の軟化点を求めた。
(被覆層の厚さ)
外添剤粒子の被覆層の厚さは、以下のように測定した。外添剤粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて観察し、TEM撮影像を得た。得られたTEM撮影像を市販の画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析した。詳しくは、外添剤粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、これら2本の直線上の、被覆層と交差する4箇所の長さを測定した。このようにして測定される4箇所の長さの平均値を、1個の外添剤粒子が備える被覆層の厚さとした。このような被覆層の厚さの測定を、10個の外添剤粒子に対して行った。これにより10個の外添剤粒子がそれぞれ備える被覆層の厚さの平均値を求めた。10個の外添剤粒子がそれぞれ備える被覆層の厚さの平均値の和を、10で除算した。算出された値を、外添剤粒子が備える被覆層の厚さとした。
被覆層が薄く、TEM撮影像上で被覆層と、第一粒子及び第二粒子との界面が不明瞭である場合には、TEM撮影と電子エネルギー損失分光法(EELS)とを組み合わせて、TEM撮影像中に、被覆層に特徴的な元素(例えば、窒素)のマッピングを行った。これにより、被覆層と第一粒子及び第二粒子との界面を明確化して、被覆層の厚さを計測した。
(導電率)
ろ液の導電率は、電気伝導率計(株式会社堀場製作所製「Horiba COND METER ES−51」)を用いて測定した。
<外添剤粒子の調製>
以下のようにして、外添剤粒子A〜Fを調製した。
(外添剤粒子A)
第一粒子として、スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアFS−102」、体積中位径(D50)0.1μm)を使用した。第二粒子として、乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、BET比表面積90m2/g、体積中位径(D50)20nm)を使用した。第一粒子100gと、第二粒子1gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転数3500rpmで3分間混合した。これにより、第一粒子の表面に第二粒子を付着させた。
続いて、第二粒子を付着させた第一粒子を被覆層で被覆した。詳しくは、容量1Lの3つ口フラスコを、水温30℃に設定したウォーターバス中にセットした。フラスコに、500mLのイオン交換水を入れた。フラスコ内のイオン交換水に塩酸を加えて、水溶液のpHを4に調整した。フラスコの内容物に、ヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)5mLを添加し溶解させた。フラスコの内容物に、第二粒子を付着させた第一粒子30gを添加し、内容物を攪拌した後、内容物に500mLのイオン交換水を加えた。内容物を攪拌しながら、1℃/分の速度で内容物の温度を70℃まで上昇させた。内容物の温度を70℃に保持しながら、内容物を2時間攪拌した。続いて、内容物のpHを7に中和した。フラスコの内容物をろ過し、固体を得た。なお、フラスコの内容物をろ過した際に得られたろ液の導電率は、4μS/cmであった。得られた固体を洗浄し、乾燥させた。これにより、外添剤粒子Aを得た。
得られた外添剤粒子Aでは、第二粒子(シリカ粒子)を付着させた第一粒子(スチレンアクリル樹脂粒子)が、被覆層(メラミン樹脂)で被覆されていた。外添剤粒子Aの体積中位径D50は130nmであり、被覆層の厚さは3nmであった。
外添剤粒子Aの表面を、SEM(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、倍率50000倍で観察し、観察画像を得た。得られた観察画像から、外添剤粒子Aでは、第二粒子の一部が第一粒子の表面から露出するように、第二粒子が第一粒子の表面に備えられていることが確認された。つまり、第二粒子が第一粒子の表面に完全に埋没しないように、第二粒子の一部が第一粒子の表面に埋め込まれていた。
(外添剤粒子B)
第一粒子として、スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアFS−102」、体積中位径(D50)0.1μm)を使用した。第二粒子として、乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、BET比表面積90m2/g、体積中位径(D50)20nm)を使用した。第一粒子100gと、第二粒子1gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転数3500rpmで3分間混合した。これにより、第一粒子の表面に第二粒子を付着させた。
続いて、第二粒子を付着させた第一粒子を被覆層で被覆した。詳しくは、容量1Lの3つ口フラスコを、水温30℃に設定したウォーターバス中にセットした。フラスコに、500mLのイオン交換水を入れた。フラスコ内のイオン交換水に塩酸を加えて、水溶液のpHを4に調整した。フラスコの内容物に、メチロール化尿素の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSU−100」、固形分濃度80質量%)5mLを添加し溶解させた。フラスコの内容物に、第二粒子を付着させた第一粒子30gを添加し、内容物を攪拌した後、内容物に500mLのイオン交換水を加えた。内容物を攪拌しながら、1℃/分の速度で内容物の温度を70℃まで上昇させた。内容物の温度を70℃に保持しながら、内容物を2時間攪拌した。続いて、内容物のpHを7に中和した。フラスコの内容物をろ過し、固体を得た。なお、フラスコの内容物をろ過した際に得られたろ液の導電率は、4μS/cmであった。得られた固体を洗浄し、乾燥させた。これにより、外添剤粒子Bを得た。
得られた外添剤粒子Bでは、第二粒子(シリカ粒子)を付着させた第一粒子(スチレンアクリル樹脂粒子)が、被覆層(尿素樹脂)で被覆されていた。外添剤粒子Bの体積中位径D50は130nmであり、被覆層の厚さは3nmであった。
外添剤粒子Bの表面を、SEM(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、倍率50000倍で観察し、観察画像を得た。得られた観察画像から、外添剤粒子Bでは、第二粒子の一部が第一粒子の表面から露出するように、第二粒子が第一粒子の表面に備えられていることが確認された。つまり、第二粒子が第一粒子の表面に完全に埋没しないように、第二粒子の一部が第一粒子の表面に埋め込まれていた。
(外添剤粒子C)
第一粒子として、スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアFS−102」、体積中位径(D50)0.1μm)を使用した。第二粒子として、乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、BET比表面積90m2/g、体積中位径(D50)20nm)を使用した。第一粒子100gと、第二粒子1gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転数3500rpmで3分間混合した。これにより、第一粒子の表面に第二粒子を付着させた。
続いて、第二粒子を付着させた第一粒子を被覆層で被覆した。まず、被覆層を形成するための原料として、40質量%のアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液を調製した。詳しくは、4つ口反応フラスコ内に、フェノール960gと、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液600g(フェノール性水酸基1当量に対して0.6当量)とを投入した。続いて、フラスコ内容物を攪拌しながら、45質量%のホルマリン1305gをフラスコ内に連続的に滴下した。滴下した後、フラスコの内温を70℃に昇温させ、70℃で3時間、フラスコ内容物を反応させた。反応終了後、フラスコ内に水664gを添加した。その結果、40質量%のアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液が得られた。
続いて、容量1Lの3つ口フラスコを、水温30℃に設定したウォーターバス中にセットした。フラスコに、500mLのイオン交換水を入れた。フラスコ内のイオン交換水に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、水溶液のpHを9に調整した。上述のようにして調製した40質量%のアルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液10mLを、フラスコ内に添加し溶解させた。続いて、フラスコの内容物に、第二粒子を付着させた第一粒子30gを添加し、内容物を攪拌した後、内容物に500mLのイオン交換水を加えた。内容物を攪拌しながら、1℃/分の速度で内容物の温度を70℃まで上昇させた。内容物の温度を70℃に保持しながら、内容物を2時間攪拌した。続いて、内容物のpHを7に中和した。フラスコの内容物をろ過し、固体を得た。なお、フラスコの内容物をろ過した際に得られたろ液の導電率は、4μS/cmであった。得られた固体を洗浄し、乾燥させた。これにより、外添剤粒子Cを得た。
得られた外添剤粒子Cでは、第二粒子(シリカ粒子)を付着させた第一粒子(スチレンアクリル樹脂粒子)が、被覆層(フェノール樹脂、より具体的にはレゾール樹脂)で被覆されていた。外添剤粒子Cの体積中位径D50は130nmであり、被覆層の厚さは3nmであった。
外添剤粒子Cの表面を、SEM(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、倍率50000倍で観察し、観察画像を得た。得られた観察画像から、外添剤粒子Cでは、第二粒子の一部が第一粒子の表面から露出するように、第二粒子が第一粒子の表面に備えられていることが確認された。つまり、第二粒子が第一粒子の表面に完全に埋没しないように、第二粒子の一部が第一粒子の表面に埋め込まれていた。
(外添剤粒子D)
以下のようにして、樹脂粒子である外添剤粒子Dを調製した。攪拌装置、冷却管、及び温度センサーを備えた容積1000mLの反応器に、蒸留水450mL、及びドデシルアンモニウムクロライド0.52gを投入した。反応器の内容物を、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温させた。反応器の内容物に、1質量%過硫酸カリウム水溶液120gを添加した。次に、アクリル酸ブチル15g、メタクリル酸メチル165g、及びn−オクチルメルカプタン3.6gの混合液を、1.5時間かけて反応器の内容物に添加した。反応器の内容物を、更に2時間保持した。これにより、重合反応を完結させた。重合反応終了後、反応器の内容物を室温まで冷却して、重合体の分散液を得た。重合体の分散液を乾燥して、重合体(樹脂粒子である外添剤粒子D)を得た。得られた外添剤粒子Dの体積中位径D50は、120nmであった。
(外添剤粒子E)
以下のようにして、シリカ粒子である外添剤粒子Eを調製した。容器内に、微粉砕された珪石シリカと、還元剤としての炭素粉末と、水とを投入した。容器の内容物を混合し、混合原料を得た。得られた混合原料を、焼却炉を用いて約1800℃で熱処理した。これにより、混合原料から二酸化ケイ素(SiO2)ガスを発生させた。発生した二酸化ケイ素ガスを、冷却空気(流量:80m3/時間)を用いて強制冷却することにより、シリカ微粒子を析出させた。析出したシリカ微粒子を、バグフィルターを用いて捕集し、シリカ微粒子を得た。得られたシリカ微粒子に対し、アミノプロピルエトキシシラン及びシリコーンオイルを加えた。混合物を加熱することにより、固形物を得た。得られた固形物を、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて解砕した。これによりシリカ粒子である外添剤粒子Eを得た。外添剤粒子Eの数平均一次粒子径は、100nmであった。
(外添剤粒子F)
以下のようにして、第一粒子と第二粒子とを備える(被覆層を備えない)外添剤粒子Fを調製した。第一粒子として、スチレンアクリル樹脂粒子(日本ペイント株式会社製「ファインスフェアFS−102」、体積中位径(D50)0.1μm)を使用した。第二粒子として、乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、BET比表面積90m2/g、体積中位径(D50)20nm)を使用した。第一粒子100gと、第二粒子1gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転数3500rpmで3分間混合した。これにより、第一粒子の表面に第二粒子を付着させた。これにより、外添剤粒子Fを得た。得られた外添剤粒子Fの体積中位径D50は、122nmであった。
<トナーの調製>
調製した外添剤粒子A〜Fの何れかと、トナー母粒子と、その他の外添剤とを用いて、トナーを調製した。
(トナー母粒子の調製)
トナー母粒子の原料として、以下の結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を使用した。
結着樹脂 :ポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「ポリエスター(登録商標)HP−313」)
着色剤 :カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA−100」)
電荷制御剤:BONTRON(登録商標)N−71(オリエント化学工業株式会社製)
離型剤 :カルナバワックス(東亜化成株式会社製)
結着樹脂87.0質量部、着色剤8.0質量部、電荷制御剤2.0質量部、及び離型剤3.0質量部を、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて攪拌し、混合物を得た。混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて溶融しながら混練した。得られた溶融混錬物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕した。得られた粗粉砕物の粒子径は2mm程度であった。粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル RS型」)で粉砕した。得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。これにより、トナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子の体積中位径D50は、7.0μmであった。
(外添処理)
トナー母粒子100.0質量部、乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」、正帯電性のシリカ微粒子)1.0質量部、酸化チタン粒子(テイカ株式会社製「MT−500B」、親水処理されていない酸化チタン微粒子)1.0質量部、及び外添剤粒子A〜Fの何れか1.0質量部を、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転数3500rpmで5分間混合した。これにより、トナーを得た。
<現像剤の調製>
得られたトナーと、キャリアとを用いて、現像剤を調製した。
(キャリアの調製)
キャリアは、以下のように調製した。キャリアコアとして、フェライト粒子(パウダーテック株式会社製「F51−50」、粒子径50μm)を使用した。エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)1004」)2kgを、アセトン20Lに溶解させた。得られた溶液に、ジエチレントリアミン100gと無水フタル酸150gとを添加し混合した。得られた混合液を、流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)を用いて、80℃の熱風を送り込みながら、キャリアコア10kgにスプレーした。その結果、キャリアコアが、未硬化の有機層(流動層)で被覆された。未硬化の有機層(流動層)で被覆されたキャリアコアを、乾燥機を用いて、180℃で1時間加熱した。これにより、流動層を硬化させた。その結果、キャリアコアと、キャリアコアを覆う樹脂層(コート層)とを有するキャリアが得られた。
(現像剤の調製)
トナー9質量部と、キャリア100質量部とを、ボールミルを用いて均一に混合した。これにより、現像剤が得られた。
<評価>
得られた現像剤を用いて、現像剤中のトナーの耐ダッシュマーク性を評価した。また、現像剤中のトナーのBET比表面積維持率、トナーの帯電量分布、形成される画像の画像濃度(ID)、及び形成される画像のかぶり濃度(FD)を測定した。
まず、現像剤と評価機とを用いて、用紙に画像を連続して形成した。詳しくは、評価機として、カラープリンターFS−C5016(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製、像担持体として正帯電有機感光体を備えるプリンター)を用いた。用紙として、カラー/モノクロ兼用紙(富士ゼロックス株式会社製「C2」)を使用した。現像剤150gをブラック用の現像器に投入した。また、補充用のトナーをブラック用のトナーコンテナに投入した。続いて、現像剤と評価機とを用いて、10000枚の用紙に画像I(印字率1%)を連続して形成した。なお、画像Iの形成、後述する画像IIの形成、並びに以下の観察及び測定は、全て、温度23.5℃、湿度50%RHの環境下で行った。
<耐ダッシュマーク性>
10000枚目に形成された画像Iを肉眼で観察し、ダッシュマークの発生の有無を確認した。ダッシュマークの発生の有無から、下記基準に従って、トナーの耐ダッシュマーク性を評価した。なお、外添剤粒子がトナー母粒子から脱離し易く、脱離した外添剤粒子の材料が像担持体の表面に付着し易い材料であるほど、形成される画像にダッシュマークが発生し易くなる。
(耐ダッシュマーク性の評価基準)
○(良好):ダッシュマークが発生していなかった。
×(不良):ダッシュマークが発生していた。
<BET比表面積維持率>
画像Iの形成に使用していないトナーについて、トナーに含まれるトナー粒子のBET比表面積(A0)を測定した。次に、10000枚の用紙に画像Iを形成した後、評価機の現像器から現像剤を取り出した。取り出された現像剤に含まれるトナー粒子のBET比表面積(A1)を測定した。トナー粒子のBET比表面積A0とA1とは、BET比表面積測定装置(株式会社マウンテック製「全自動比表面積測定装置 Macsorb(登録商標)HM MODEL−1208」)を用いて測定した。測定されたBET比表面積A0とA1とから、式「BET比表面積維持率[%]=100×A1/A0」に従って、BET比表面積維持率を算出した。算出されたBET比表面積維持率を、下記評価基準に従って評価した。なお、トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離、外添剤粒子における第一粒子からの第二粒子の脱離、及び外添剤粒子における第一粒子への第二粒子の埋没が引き起こされ易い程、BET比表面積維持率は低くなる傾向にある。
(BET比表面積維持率の評価基準)
○(良好):BET比表面積維持率が85%以上である。
×(不良):BET比表面積維持率が85%未満である。
<帯電量分布幅>
10000枚の用紙に画像Iを形成した後、評価機の現像ローラーに付着したトナーの帯電量分布を測定した。詳しくは、0.05MPaの窒素ガスを、評価機の現像ローラーに噴き付けた。これにより、評価機の現像ローラーに付着したトナーを、帯電量・粒子径分布測定機(ホソカワミクロン株式会社製「イースパートアナライザEST−3」)の測定部に流した。測定部では、+0.05kVの電圧を印加した。測定部を通過するトナーに含まれる3000個のトナー粒子について、各トナー粒子の帯電量Qと粒子径dとを、レーザードップラー法を用いて測定した。測定された各トナー粒子の帯電量Qと粒子径dとから、各々のトナー粒子について、粒子径あたりの帯電量(Q/d)を算出した。横軸に粒子径あたりの帯電量(Q/d)を、縦軸に対応する帯電量(Q/d)を有するトナー粒子の個数をプロットした。これにより、帯電量分布曲線を得た。得られた帯電量分布曲線から、トナーの帯電量分布の最頻値の1/4の頻度の幅を求めた。得られたトナーの帯電量分布の最頻値の1/4の頻度の幅を、下記評価基準に従って評価した。なお、トナーの帯電量分布の最頻値の1/4の頻度の幅が小さいほど、トナーの帯電量分布がシャープであることを示す。
(帯電量分布幅の評価基準)
○(良好):帯電量分布の最頻値の1/4の頻度の幅が0.80femtC/μm未満である。
×(不良):帯電量分布の最頻値の1/4の頻度の幅が0.80femtC/μm以上である。
<画像濃度及びかぶり濃度>
10000枚の用紙に画像Iを形成した後、現像剤と評価機とを用いて、5000枚の用紙に画像IIを連続して形成した。画像IIは、印字率8%の画像部と、3個のソリッド画像部と、白紙部とを含んでいた。5000枚目に画像IIが形成された用紙の3個のソリッド画像部の画像濃度を各々、反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社販売「RD914」)を用いて測定した。測定された3個の画像濃度の和を、3で除することにより、画像濃度の平均値を求めた。得られた平均値を、画像濃度の評価値とした。得られた画像濃度の評価値を、下記評価基準に基づいて評価した。
(画像濃度の評価基準)
○(良好):画像濃度が1.20以上である。
×(不良):画像濃度が1.20未満である。
続いて、5000枚目に画像IIが形成された用紙の白紙部の画像濃度を、反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社販売「RD914」)を用いて測定した。得られた白紙部の画像濃度からベースペーパーの画像濃度を引いた値を、かぶり濃度とした。得られたかぶり濃度を、下記評価基準に基づいて評価した。
(かぶり濃度の評価基準)
○(良好):かぶり濃度が0.007以下である。
×(不良):かぶり濃度が0.007超である。
現像剤中のトナーのBET比表面積維持率、トナーの帯電量の最頻値の1/4の頻度の幅を、表1に示す。また、トナーにより形成される画像について、ダッシュマークの発生の有無の評価、画像濃度(ID)の評価値、及びかぶり濃度(FD)の評価値を、表1に示す。表1中、「Q/d分布幅」はトナーの帯電量の最頻値の1/4の頻度の幅を示す。
表1中、実施例1では、外添剤粒子Aを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。実施例2では、外添剤粒子Bを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。実施例3では、外添剤粒子Cを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。比較例1では、外添剤粒子Dを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。比較例2では、外添剤粒子Eを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。比較例3では、外添剤粒子Fを有するトナーを含む現像剤を使用して評価した。
Figure 2017015868
外添剤粒子A〜Cは、第一粒子と、第一粒子の表面に備えられた第二粒子と、第二粒子が備えられた第一粒子を被覆する被覆層とを有していた。そのため、表1に示すように、外添剤粒子A〜Cを有するトナー粒子を含むトナーは、BET比表面積維持率が高かった。これは、外添剤粒子における第一粒子からの第二粒子の脱離、及び外添剤粒子における第一粒子への第二粒子の埋没が抑制されることにより、外添剤粒子の表面形状(凹凸)が維持されたためと考えられる。また、外添剤粒子の表面形状が維持されることにより、トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離が抑制されたためと考えられる。
外添剤粒子A〜Cを有するトナー粒子を含むトナーは、帯電量の最頻値の1/4の頻度の幅が小さかった。このことから、これらのトナーは安定した帯電量を有することが示された。また、これらのトナーは安定した帯電量を有するため、これらのトナーにより形成された画像では、画像濃度が高く、かぶりの発生が抑制されていたと考えられる。
更に、外添剤粒子A〜Cを有するトナー粒子を含むトナーは、耐ダッシュマーク性に優れていた。このことから、これらのトナーは、画像形成装置が備える像担持体の表面におけるトナーのクリーニング性に優れると考えられる。
外添剤粒子Dを有するトナー粒子を含むトナーは、BET比表面積維持率が低かった。外添剤粒子Dは樹脂粒子であるため、外添剤粒子Dの表面は凹凸が少ない傾向にある。そのため、外添剤粒子Dがトナー母粒子から脱離しやすかったと考えられる。また、外添剤粒子Dを有するトナー粒子を含むトナーは、耐ダッシュマーク性に劣っていた。外添剤粒子Dは樹脂粒子であるため、トナー母粒子から脱離した外添剤粒子Dが、像担持体の表面に融着し易かったと考えられる。
外添剤粒子Eを有するトナー粒子を含むトナーは、BET比表面積維持率が低かった。外添剤粒子Eはシリカ粒子であるため、外添剤粒子Eがトナー母粒子から脱離しやすかったと考えられる。また、外添剤粒子Eを有するトナー粒子を含むトナーは、帯電量の最頻値の1/4の頻度の幅が大きかった。シリカ粒子はトナー粒子の帯電量に影響を与え易い。そのため、外添剤粒子E(シリカ粒子)がトナー母粒子から脱離したことにより、外添剤粒子Eが脱離したトナー粒子の帯電量と、外添剤粒子Eが脱離していないトナー粒子の帯電量との間に差が生じたためと考えられる。また、トナー粒子間の帯電量の差により、形成された画像において画像濃度の低下が引き起こされ、かぶりも発生したと考えられる。
外添剤粒子Fを有するトナー粒子を含むトナーは、BET比表面積維持率が低かった。外添剤粒子Fは第一粒子と第二粒子とを備え、被覆層を備えていなかった。そのため、トナーにより用紙に連続して画像を形成している間に、第一粒子からの第二粒子の脱離、及び第一粒子への第二粒子の埋没が引き起こされ易かった。その結果、外添剤粒子Fの表面の凹凸が減少し、外添剤粒子Fがトナー母粒子から脱離しやすかったと考えられる。また、外添剤粒子Fを有するトナー粒子を含むトナーは、帯電量の最頻値の1/4の頻度の幅が大きかった。シリカ粒子はトナー粒子の帯電量に影響を与え易い。そのため、第二粒子(シリカ粒子)を含む外添剤粒子Fがトナー母粒子から脱離したことにより、外添剤粒子Fが脱離したトナー粒子の帯電量と、外添剤粒子Fが脱離していないトナー粒子の帯電量との間に差が生じたためと考えられる。また、トナー粒子間の帯電量の差により、形成された画像において、かぶりが発生したと考えられる。
本発明に係るトナーは、画像形成装置により画像を形成するために用いることができる。本発明に係る外添剤は、トナーを製造するために用いることができる。
1 第一粒子
2 第二粒子
3 被覆層
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
12 外添剤粒子

Claims (6)

  1. トナー粒子を複数含む、静電潜像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子は、トナー母粒子と、複数の外添剤粒子とを有し、
    前記トナー母粒子は、結着樹脂と、着色剤とを少なくとも含有し、
    前記外添剤粒子は、
    第一粒子と、
    前記第一粒子の表面に備えられた複数の第二粒子と、
    前記第二粒子が備えられた前記第一粒子を被覆する被覆層と
    を有する、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記第一粒子は、樹脂粒子であり、
    前記第二粒子は、無機粒子である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記第二粒子は、前記第二粒子の一部が前記第一粒子の表面から露出するように、前記第一粒子の表面に備えられる、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記被覆層は、熱硬化性樹脂を含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記被覆層は、窒素含有熱硬化性樹脂を含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 外添剤粒子を複数含む、外添剤であって、
    前記外添剤粒子は、
    第一粒子と、
    前記第一粒子の表面に備えられた複数の第二粒子と、
    前記第二粒子が備えられた前記第一粒子を被覆する被覆層と
    を有する、外添剤。
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