JP6252385B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
静電潜像現像用トナー Download PDFInfo
- Publication number
- JP6252385B2 JP6252385B2 JP2014136728A JP2014136728A JP6252385B2 JP 6252385 B2 JP6252385 B2 JP 6252385B2 JP 2014136728 A JP2014136728 A JP 2014136728A JP 2014136728 A JP2014136728 A JP 2014136728A JP 6252385 B2 JP6252385 B2 JP 6252385B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- shell layer
- core
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/0825—Developers with toner particles characterised by their structure; characterised by non-homogenuous distribution of components
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/093—Encapsulated toner particles
- G03G9/09307—Encapsulated toner particles specified by the shell material
- G03G9/09314—Macromolecular compounds
- G03G9/09328—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/093—Encapsulated toner particles
- G03G9/0935—Encapsulated toner particles specified by the core material
- G03G9/09357—Macromolecular compounds
- G03G9/09371—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/093—Encapsulated toner particles
- G03G9/09392—Preparation thereof
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G9/00—Developers
- G03G9/08—Developers with toner particles
- G03G9/10—Developers with toner particles characterised by carrier particles
- G03G9/113—Developers with toner particles characterised by carrier particles having coatings applied thereto
- G03G9/1132—Macromolecular components of coatings
- G03G9/1137—Macromolecular components of coatings being crosslinked
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
アニオン系界面活性剤を含むpH10の塩基性水溶液(例えば、花王株式会社製「マイペット」)50mLにトナー10gを分散して分散液を得る工程と、得られた分散液を50℃で10時間静置する工程と、静置された分散液から分離した固形分を乾燥する工程とを経ることにより、試料(測定対象のトナー)の一部をアルカリ処理する。シェル層中の、厚さが薄い箇所と、トナーコアとの結合が弱い箇所とは、それぞれアルカリで侵されやすい。アルカリがトナーコアに達すると、トナーコアが加水分解によって分解し、トナー粒子の表面に凹部が形成されると考えられる。
本実施形態のトナーでは、トナーコアの表面で熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂のモノマー(又は、初期重合体)と反応することにより、トナーコアの表面にシェル層が形成される。トナーコアにシェル層を強固に結合させるためには、結着樹脂が、メチロールメラミンのような熱硬化性樹脂のモノマー又はプレポリマーと反応して化学的に結合する反応性官能基を有することが好ましい。例えば、結着樹脂としては、分子中に水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基のような官能基を有する樹脂が好ましく、分子中に水酸基、カルボキシル基、及び/又はエステル基のような極性基を有する樹脂がより好ましい。トナーコアの有する官能基とシェル層の材料との縮合反応は、シェル層の材料(詳しくは、シェル層を構成する樹脂のモノマー又はプレポリマー)のin−situ重合と同時に進行すると考えられる。
示差走査熱量計(DSC)(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC−6200」)を用いて結着樹脂の吸熱曲線を測定することで、得られた吸熱曲線(詳しくは、結着樹脂の比熱の変化点)から結着樹脂のガラス転移点(Tgr)を求めることができる。例えば、結着樹脂(測定試料)10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分という条件で、結着樹脂の吸熱曲線を測定することができる。得られた結着樹脂の吸熱曲線に基づいて、結着樹脂のガラス転移点(Tgr)を求めることができる。
高化式フローテスター(例えば、株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて結着樹脂の軟化点(Tmr)を測定することができる。例えば、結着樹脂(測定試料)を高化式フローテスターにセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて軟化点(Tmr)を測定することができる。高化式フローテスターの測定により、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブが得られる。得られたS字カーブから、結着樹脂の軟化点(Tmr)を読み取ることができる。
トナーコアは必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料又は染料を用いることができる。好適な着色剤の具体例としては以下の着色剤が挙げられる。
トナーコアは必要に応じて、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、通常、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。
電荷制御剤は、トナーの帯電レベル又は帯電立ち上がり特性を向上させて、耐久性又は安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる。
トナーコアには、必要に応じて、結着樹脂中に磁性粉を配合してもよい。このようにして製造される磁性粉を含むトナーコアを用いて製造されたトナー粒子を含むトナーは、磁性1成分現像剤において使用される。好適な磁性粉の例としては、フェライト又はマグネタイトのような鉄;コバルト又はニッケルのような強磁性金属;鉄及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
シェル層を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位と、熱可塑性樹脂に由来する単位とを含む。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位とは、例えばメラミンのようなモノマーにホルムアルデヒドに由来するメチレン基(−CH2−)が導入された単位を意味する。
シェル層を構成する樹脂に熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位を導入するために用いられるモノマー又はプレポリマーは、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の熱硬化性樹脂の形成に使用されるモノマー又はプレポリマーである。
シェル層を構成する樹脂に熱可塑性樹脂に由来する単位を導入するために用いられる熱可塑性樹脂は、上述の熱硬化性樹脂のモノマーが有する官能基(例えば、メチロール基又はアミノ基)との反応性を有する官能基を持つ熱可塑性樹脂であることが好ましい。メチロール基又はアミノ基との反応性を有する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基のような活性水素原子を含む官能基が挙げられる。アミノ基は、カルバモイル基(−CONH2)として熱可塑性樹脂中に含まれてもよい。シェル層の形成が容易であることから、熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリルアミドに由来する単位を含む樹脂、又はカルボジイミド基、オキサゾリン基、もしくはグリシジル基のような官能基を有するモノマーに由来する単位を含む樹脂が好ましい。
シェル層の厚さ=(熱硬化性樹脂のモノマーの量+熱可塑性樹脂の量)/トナーコアの比表面積
本実施形態のトナーに含まれるトナー粒子において、必要に応じて、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。
トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤において使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いることが好ましい。
トナーの製造方法としては、前述の所定の材質からなるシェル層でトナーコアを被覆できる方法が好ましい。以下、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの好適な製造方法に関して、トナーコアの製造方法と、シェル層の形成方法とについて順に説明する。
トナーコアの製造方法としては、結着樹脂中に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、又は磁性粉のような成分を良好に分散させることができる方法が好ましい。トナーコアの製造方法の例としては、凝集法又は溶融混錬法が挙げられる。凝集法は、溶融混練法よりも、球形度の高いトナーコアを製造し易い。凝集法は、均一な形状及び粒子径を有するトナーコアを製造し易い。溶融混練法は、凝集法よりも簡単にトナーコアを製造できる。
トナーコア0.2gと、イオン交換水80gと、1質量%濃度のノニオン系界面活性剤(例えば、日本触媒株式会社製「K−85」)20gとを、マグネットスターラーを用いて混合し、液中にトナーコアを均一に分散させる。これにより、分散液が得られる。その後、分散液に希塩酸を加えて、分散液のpHを4に調整し、pH4のトナーコアの分散液(測定試料)を得る。ゼータ電位・粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター株式会社製「Delsa Nano HC」)を用いて、測定試料中のトナーコアのゼータ電位を測定する。
トナーコアを被覆するシェル層は、熱硬化性樹脂のモノマー又はプレポリマー(メラミン、尿素、又はグリオキザールと尿素との反応物)と熱可塑性樹脂とを反応させることによって形成できる。なお、シェル層の形成に用いる溶媒に対する、トナーコアに含まれる結着樹脂の溶解又は離型剤の溶出を防ぐため、シェル層の形成は、水のような水性媒体中で行われることが好ましい。
トナー母粒子は、必要に応じて、水を用いて洗浄される。トナー母粒子の好適な洗浄方法の例としては、遠心分離法及びフイルタープレス法によって、トナー母粒子を含む水性分散液からトナー母粒子を固液分離することで、トナー母粒子をウエットケーキとして回収し、得られたウエットケーキを、水を用いて洗浄する方法が挙げられる。
トナー母粒子は、必要に応じて乾燥されてもよい。トナー母粒子を乾燥させる好適な方法の例としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制するためにはスプレードライヤーを用いる方法がより好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、トナー母粒子の分散液と共に、シリカのような外添剤の分散液を噴霧することによって、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
上記方法により得られたトナー母粒子の表面に、必要に応じて外添剤を付着させてもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる好適な方法の例としては、トナー母粒子の表面に外添剤が埋没しないような条件で、FMミキサー又はナウターミキサーのような混合機を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する方法が挙げられる。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることで、トナー粒子が得られる。なお、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させない(外添工程を割愛する)場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
以下の方法に従って、下記表1に記載のガラス転移点(Tg)、軟化点(Tm)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、酸価、及び水酸基価を有するポリエステル樹脂A〜Dを製造した。
テレフタル酸1245g、イソフタル酸1245g、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1248g、及びエチレングリコール744gを、5Lの4つ口フラスコに仕込んだ。次いで、フラスコ内を窒素雰囲気とし、攪拌しながらフラスコ内部の温度を250℃まで上昇させた。次いで、常圧、250℃で4時間反応を行った後、三酸化アンチモン0.875g、トリフェニルホスフェート0.548g、及びテトラブチルチタネート0.102gを、フラスコ内に添加した。次いで、フラスコ内を0.3mmHgに減圧して、フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた。次いで、280℃で6時間、反応を行い、数平均分子量1,300のポリエステル樹脂を得た。次いで、架橋剤として、トリメリット酸30.0gをフラスコ内に添加し、フラスコ内部の圧力を常圧に戻し、フラスコ内部の温度を270℃まで降下させた。次いで、常圧、270℃で1時間、反応を行った。反応終了後、フラスコの内容物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂Aを得た。
トリメリット酸(架橋剤)の添加量を30gから10gに変更した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にしてポリエステル樹脂Bを得た。
アルコール成分として、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1248gに代えてビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物1248gを用いた以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にしてポリエステル樹脂Cを得た。
テレフタル酸の10質量%相当分(124.5g)をコハク酸に変更し、テレフタル酸1245gに代えて、テレフタル酸1120.5g及びコハク酸124.5gを使用した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にしてポリエステル樹脂Dを得た。
(トナーコアの製造)
下記表2〜表4に記載の種類のポリエステル樹脂を用いて、トナーコアを製造した。
トナーコア0.2gと、イオン交換水80gと、1質量%濃度のノニオン系界面活性剤(日本触媒株式会社製「K−85」、ポリビニルピロリドン)20gとを、マグネットスターラーを用いて混合した。そして、液中にトナーコアを均一に分散させて分散液を得た。その後、分散液に希塩酸を加えて、分散液のpHを4に調整し、pH4のトナーコアの分散液(測定試料)を得た。そして、得られたpH4のトナーコアの分散液を測定試料として用いて、ゼータ電位を測定した。詳しくは、測定試料中のトナーコアのゼータ電位を、ゼータ電位・粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「Delsa Nano HC」)を用いて測定した。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、イオン交換水300mLを入れた。続けて、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を30℃に保持した。次いで、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。pH調整後、フラスコ内に、シェル材料(シェル層を形成するための材料)として、表2〜表4に記載の量のメチロールメラミン水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン607」、固形分濃度80質量%)と、表2〜表4に記載の量の熱可塑性樹脂の水溶液(固形分濃度11質量%の水溶性ポリアクリルアミド水溶液)とを添加した。次いで、フラスコの内容物を攪拌し、シェル材料を水性媒体に溶解させた。これにより、シェル材料の水溶液(A)が得られた。
ブフナーロートを用いて、トナー母粒子を含む分散液を濾過して、トナー母粒子のウエットケーキを得た。その後、トナー母粒子のウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄した。上記濾過及び分散を5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
トナー母粒子のウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)に供給することにより、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。これにより、乾燥したトナー母粒子が得られた。コートマイザーを用いる乾燥条件は、熱風温度45℃及びブロアー風量2m3/分であった。
乾燥工程で得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1.5質量部とを、10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合して外添剤を付着させた。その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩によりトナーを篩別した。
メチロールメラミン水溶液の使用量を表4に記載の量に変更し、熱可塑性樹脂の水溶液を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係るトナーを得た。
各試料(実施例1〜9及び比較例1の各トナー)の評価方法及び評価結果は、以下のとおりである。
試料(トナー)に含まれるトナー粒子を、下記方法に従って加熱及び加圧した。続けて、加熱及び加圧されたトナー粒子の表面を、下記方法に従って、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、シェル層の外表面上でトナーコア成分の溶融物が噴出する箇所を確認した。実施例1〜9及び比較例1のトナーの各々についての評価結果(トナーコアの溶融物の噴出箇所が複数個所であったか1箇所であったか)は、表2〜表4に示されている。また、実施例1のトナーにおける、加熱及び加圧されたトナー粒子の表面のSEM写真を、図2に示す。なお、実施例2〜9の各トナーにおける、加熱及び加圧されたトナー粒子の表面も、実施例1のトナー(図2)と概ね同様であった。
試料(トナー)に含まれるトナー粒子を、トナー粒子同士が重ならないようにポリエステルフィルムに付着させて、ポリエステルフィルム上に、複数のトナー粒子から構成されるトナー層を形成する。続けて、プレスロール(ゴム製)及びヒートロールを用いて、温度140℃かつ圧力7MPaの条件で、トナー層(ひいては、トナー層中のトナー粒子)を加熱及び加圧した。具体的には、プレスロールを100℃、ヒートロールを140℃にそれぞれ加熱し、線速200mm/秒、及びニップ幅4.0mmの条件で、プレスロールとヒートロールとの間にフィルム(ひいては、フィルム上に形成されたトナー層)を通すことで、トナー層中のトナー粒子を加熱及び加圧した。
上記のようにして加熱及び加圧されたトナー粒子を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−6700」)を用いて、倍率3000倍及び10,000倍の各々で観察した。そして、トナー粒子が加熱及び加圧されることによってトナー粒子の表面からトナーコア成分の溶融物が噴出した箇所が、複数箇所であったか、1箇所であったかを確認した。
試料(トナー)に含まれるトナー粒子の断面のTEM写真を、以下の方法に従って撮影した。さらに、トナー粒子の断面のTEM写真から、以下の方法に従って、シェル層の厚さを測定した。実施例1〜9及び比較例1のトナーの各々についての評価結果(測定されたシェル層の厚さ)は、表2〜表4に示されている。
試料(トナー)を、常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散させて、40℃の雰囲気で2日間静置した。これにより、トナーの樹脂硬化物が得られた。続けて、得られた硬化物を、四酸化オスミウムを用いて染色した。続けて、ミクロトーム(ライカ株式会社製「EM UC6」)を用いて、染色された硬化物から、厚さ200nmの薄片試料を切り出した。薄片試料の切断面には、トナー粒子の断面が含まれていた。得られた薄片試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて倍率3000倍及び10000倍の各々で観察した。また、トナー粒子の断面のTEM写真を撮影した。
シェル層の厚さは、撮影されたトナー粒子の断面のTEM写真を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析することによって計測した。具体的には、トナー粒子の断面の略中心点で直交する2本の直線を引き、これら2本の直線上の、シェル層と交差する4箇所の長さを測定した。そして、このようにして測定された4箇所の長さの平均値を、1個のトナー粒子の評価値(測定された1個のトナー粒子におけるシェル層の厚さ)とした。さらに、試料(トナー)に含まれる10個のトナー粒子の各々について上記方法でシェル層の厚さを測定した。そして、測定された10個のトナー粒子のシェル層の厚さ(それぞれトナー粒子の評価値)の平均値を、トナーの評価値(測定されたトナーにおけるシェル層の厚さ)とした。
以下の方法に従ってアルカリ処理された試料(アルカリ処理されたトナー)の比表面積Sbと、アルカリ処理を行わなかった試料(未処理のトナー)の比表面積Saとを、それぞれBET比表面積測定装置(マウンテック社製「HM Model−1208」)を用いて測定した。そして、測定されたSa及びSbから、式「Sx=100×(Sb−Sa)/Sa」に従って、トナーの比表面積変化率Sx(%)を算出した。実施例1〜9及び比較例1のトナーの各々についての評価結果(算出されたトナーの比表面積変化率Sx)は、表2〜表4に示されている。
アニオン系界面活性剤を含むpH10の塩基性水溶液(花王株式会社製の「マイペット」をイオン交換水で10倍に薄めた水溶液)50mLにトナー10gを分散させて、分散液を得た。続けて、得られた分散液を、50℃で10時間静置した。続けて、静置された分散液を固液分離(濾過)して、得られた固形分を乾燥した。これにより、アルカリ処理されたトナーが得られた。
以下の方法に従ってトナーの凝集度を求め、得られたトナーの凝集度から、試料(トナー)の耐熱保存性を評価した。実施例1〜9及び比較例1のトナーの各々についての評価結果(トナーの耐熱保存性)は、表2〜表4に示されている。
試料(トナー)2gを、容量20mLのポリ容器に入れて、60℃に設定された恒温器内に3時間静置した。これにより、耐熱保存性評価用のトナーが得られた。その後、耐熱保存性評価用のトナーを、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5、時間30秒の条件で、パウダーテスターに設置した100メッシュ(目開き150μm)の篩を用いて篩別した。篩別後に、篩上に残留したトナーの質量を測定した。篩別前のトナーの質量と、篩別後に篩上に残留したトナーの質量とから、下式に従ってトナーの凝集度(質量%)を求めた。算出されたトナーの凝集度から、下記基準に従って耐熱保存性を評価した。
○:トナーの凝集度が20質量%以下であった。
△:トナーの凝集度が20質量%超50質量%以下であった。
×:トナーの凝集度が50質量%超であった。
試料(トナー)を用いて、以下の方法に従って2成分現像剤を調製した。そして、以下の方法に従って、調製された2成分現像剤を用いて画像を形成して、試料(トナー)の低温定着性を評価した。実施例1〜9及び比較例1のトナーの各々についての評価結果(トナーの低温定着性)は、表2〜表4に示されている。
現像剤用キャリア(FS−C5250DN用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合した。これにより、2成分現像剤が調製された。
評価機として、定着温度を調節できるように改造したプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」)を用いた。上記方法で調製された2成分現像剤を評価機の現像部に投入し、トナーを評価機のトナーコンテナに投入した。評価機の線速を200mm/秒に、評価機のトナー載り量を1.0mg/cm2にそれぞれ設定して、記録媒体(印刷用紙)に未定着のソリッド画像を形成した。定着温度を100℃以上200℃以下の範囲で、評価機の定着装置の定着温度を100℃から5℃ずつ上昇させて、未定着のソリッド画像を定着させて、ソリッド画像がオフセットすることなく記録媒体に定着できる最低温度である最低定着温度を測定した。低温定着性を、下記基準により評価した。
○:トナーの最低定着温度が160℃以下であった。
×:トナーの最低定着温度が160℃超であった。
Claims (2)
- 結着樹脂を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とを有するトナー粒子を含み、
前記シェル層が、熱可塑性樹脂に由来する単位が、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位で架橋されている樹脂を有し、
前記熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂であり、
前記トナー粒子同士が重ならないようにポリエステルフィルム上に形成されたトナー層を、温度140℃かつ圧力7MPaの条件で加熱及び加圧することによって、前記シェル層の外表面の複数の点から、溶融した前記トナーコアの成分が噴出しながら、前記トナー層中の前記トナー粒子が圧壊され、
アニオン系界面活性剤を含むpH10の塩基性水溶液50mLに前記トナー10gを分散して分散液を得る工程と、
前記分散液を50℃で10時間静置する工程と、
前記静置された分散液から分離した固形分を乾燥する工程と、
を経ることによりアルカリ処理された前記トナーの比表面積をSb、未処理の前記トナーの比表面積をSaとする場合に、「Sx=100×(Sb−Sa)/Sa」に従って求められる前記トナーの比表面積変化率Sxが、35%以上である、静電潜像現像用トナー。 - 結着樹脂を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とを有するトナー粒子を含み、
前記シェル層が、熱可塑性樹脂に由来する単位が、熱硬化性樹脂のモノマーに由来する単位で架橋されている樹脂を有し、
前記熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなるアミノ樹脂群より選択される1種以上の樹脂であり、
前記熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリルアミドに由来する単位を含み、
前記トナー粒子同士が重ならないようにポリエステルフィルム上に形成されたトナー層を、温度140℃かつ圧力7MPaの条件で加熱及び加圧することによって、前記シェル層の外表面の複数の点から、溶融した前記トナーコアの成分が噴出しながら、前記トナー層中の前記トナー粒子が圧壊される、静電潜像現像用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014136728A JP6252385B2 (ja) | 2013-07-11 | 2014-07-02 | 静電潜像現像用トナー |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013145706 | 2013-07-11 | ||
JP2013145706 | 2013-07-11 | ||
JP2014136728A JP6252385B2 (ja) | 2013-07-11 | 2014-07-02 | 静電潜像現像用トナー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015034976A JP2015034976A (ja) | 2015-02-19 |
JP6252385B2 true JP6252385B2 (ja) | 2017-12-27 |
Family
ID=52277351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014136728A Expired - Fee Related JP6252385B2 (ja) | 2013-07-11 | 2014-07-02 | 静電潜像現像用トナー |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9389526B2 (ja) |
JP (1) | JP6252385B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6023763B2 (ja) * | 2014-08-22 | 2016-11-09 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP6330687B2 (ja) * | 2015-02-18 | 2018-05-30 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナー |
JP6038205B2 (ja) * | 2015-02-23 | 2016-12-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナーの製造方法 |
JP2016167018A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナー、2成分現像剤、画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP6447488B2 (ja) * | 2015-12-24 | 2019-01-09 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 |
JP6558335B2 (ja) * | 2016-09-29 | 2019-08-14 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 静電潜像現像用トナー |
US20220404729A1 (en) * | 2019-11-25 | 2022-12-22 | Tomoegawa Co., Ltd. | Toner particles for developing electrostatically charged image and toner composition for developing electrostatically charged image |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2762507B2 (ja) * | 1988-01-29 | 1998-06-04 | ミノルタ株式会社 | 静電潜像現像用トナーおよびその製造方法 |
US5223370A (en) * | 1991-12-06 | 1993-06-29 | Xerox Corporation | Low gloss toner compositions and processes thereof |
JPH07333887A (ja) * | 1994-06-08 | 1995-12-22 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 電子写真用トナーおよびトナーの製造方法 |
US20050271964A1 (en) | 2002-08-23 | 2005-12-08 | Toppan Forms Co., Ltd. | Toner coated with thin film |
JP4072041B2 (ja) | 2002-08-23 | 2008-04-02 | トッパン・フォームズ株式会社 | 薄膜被覆微トナーの製造方法 |
JP4326245B2 (ja) * | 2003-03-25 | 2009-09-02 | トッパン・フォームズ株式会社 | 薄膜被覆重合トナー、薄膜被覆重合トナーの製造方法 |
JP4236970B2 (ja) * | 2003-03-25 | 2009-03-11 | トッパン・フォームズ株式会社 | 薄膜被覆トナーの製造方法 |
JP2004109281A (ja) * | 2002-09-17 | 2004-04-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
JP2005300937A (ja) * | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Seiko Epson Corp | トナーおよびこれを用いた画像形成装置 |
JP4519700B2 (ja) * | 2005-04-12 | 2010-08-04 | シャープ株式会社 | 静電荷現像用トナー及び該トナーの製造方法 |
JP2008058620A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Nippon Zeon Co Ltd | 非磁性一成分静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP5135021B2 (ja) * | 2008-03-26 | 2013-01-30 | トッパン・フォームズ株式会社 | 低温定着性トナーおよびその製造方法 |
WO2010013838A1 (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-04 | キヤノン株式会社 | シアントナー |
JP5371407B2 (ja) * | 2008-12-16 | 2013-12-18 | キヤノン株式会社 | トナーおよびトナーの製造方法 |
-
2014
- 2014-07-02 JP JP2014136728A patent/JP6252385B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2014-07-07 US US14/324,731 patent/US9389526B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US9389526B2 (en) | 2016-07-12 |
JP2015034976A (ja) | 2015-02-19 |
US20150017582A1 (en) | 2015-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5800864B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6252385B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP5858954B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP5869450B2 (ja) | 静電潜像現像用トナーにおけるシェル層のトナーコア粒子からの剥がれにくさの評価方法 | |
JP6252387B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6369574B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP5836330B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP6481528B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
US9335648B2 (en) | Electrostatic latent image developing toner | |
JP5979642B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6493301B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP5858957B2 (ja) | 静電潜像現像用磁性トナー | |
JP5972237B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6369567B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP6390534B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2017026669A (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6068376B2 (ja) | 静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法 | |
JP2015049321A (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6558335B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP2015049250A (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6057928B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー | |
JP6192748B2 (ja) | トナー | |
JP6460041B2 (ja) | 静電潜像現像用トナーの製造方法 | |
JP2015087438A (ja) | 静電潜像現像用トナー、及び静電潜像現像用トナーの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170509 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170620 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171031 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171113 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6252385 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |