JP6904191B2 - 正帯電性トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、正帯電性トナー及びその製造方法に関する。
トナーにおいて流動性と帯電特性とを向上させることを目的として、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることが提案されている。例えば、後述の特許文献1に記載の外添剤は、コアシェル構造を有する樹脂微粒子を複数含む。樹脂微粒子の各々のシェル層は、アミノ基を2つ以上有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合物(樹脂)を含む。
特開2015−55857号公報
今般、特許文献1に記載の外添剤を含むトナーの帯電特性が低下する場合があることが分かった。特に、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合には、トナーの正帯電量の減衰が顕著となった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても帯電安定性に優れる正帯電性トナー及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る正帯電性トナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備える。前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含む。前記樹脂粒子は、各々、樹脂母粒子と、前記樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分を被覆するコート層とを有する。前記コート層は、ビニル樹脂を含有する。前記ビニル樹脂は、下記式(1−1)で表される構成単位と、下記式(1−2)で表される構成単位とを含む。
Figure 0006904191
式(1−1)において、R1は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。式(1−1)において、2つの酸素原子と結合している炭素原子の未結合手は、前記樹脂母粒子が含有する樹脂を構成する原子に接続される。
Figure 0006904191
式(1−2)において、R2は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
本発明に係る正帯電性トナーの製造方法は、複数の樹脂粒子を作製する作製工程と、前記樹脂粒子をトナー母粒子の表面に外添する工程とを含む。前記作製工程は、表面にカルボキシル基を有する樹脂母粒子を作製する工程と、ビニル樹脂を含むコート液を調製する工程と、前記樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分にコート層を形成する工程とを含む。前記ビニル樹脂は、下記式(1−2)で表される構成単位を含む。前記コート層を形成する工程は、所定の温度で、前記樹脂母粒子と前記コート液とを混合する工程を含む。前記所定の温度は、前記カルボキシル基と前記構成単位に含まれるオキサゾリン基とが反応してアミド結合が形成される温度以上である。
Figure 0006904191
式(1−2)において、R2は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
本発明に係る正帯電性トナーによれば、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、帯電安定性に優れる。
本発明の一実施形態における樹脂粒子の作製方法の一工程を模式的に示す図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。粉体には、例えば、トナー母粒子と、外添剤と、トナーとが含まれる。トナー母粒子は、外添剤が設けられていない状態のトナー粒子を意味する。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いてコールター原理(細孔電気抵抗法)に基づき測定した値である。
酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。また、数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。また、ガラス転移点(Tg)及び融点(Mp)は、各々、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した値である。また、軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。
化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の構成単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電し易さに相当する。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(アニオン性:N−01、カチオン性:P−01)と混ぜて攪拌することで、摩擦帯電させることができる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばKFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)でトナー粒子の表面電位を測定し、摩擦帯電の前後での電位の変化が大きい部位ほど帯電性が強いことになる。
帯電安定性に優れる正帯電性トナーとは、第1〜第3の特性を有する正帯電性トナーを意味する。第1の特性は、正帯電性トナーの帯電量分布がシャープであるという特性である。第2の特性は、正帯電性トナーを用いて画像を形成し始める際に正帯電性トナーの帯電量を所望の帯電量に維持できるという特性である。第3の特性は、正帯電性トナーを用いて画像を連続して形成した場合に正帯電性トナーの帯電量を所望の帯電量に維持できるという特性である。
本実施形態に係る正帯電性トナーは、静電潜像の現像に好適に用いることが可能な静電潜像現像用トナーである。本実施形態に係る正帯電性トナーは、1成分現像剤を構成してもよいし、キャリアと共に2成分現像剤を構成してもよい。正帯電性トナーが1成分現像剤を構成する場合には、正帯電性トナーは、現像装置内において現像スリーブ又はトナー帯電部材と摩擦することで、正に帯電する。トナー帯電部材は、例えば、ドクターブレードである。正帯電性トナーが2成分現像剤を構成する場合には、正帯電性トナーは、現像装置内においてキャリアと摩擦することで、正に帯電する。
本実施形態に係る正帯電性トナーは、例えば、電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて、感光体ドラムの感光層に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、正帯電性トナーを用いて、現像する(現像工程)。現像工程では、現像装置が、現像スリーブ上の正帯電性トナーを、感光体ドラムの感光層へ供給して、電気的な力で静電潜像に付着させる。このようにして静電潜像が現像され、感光体ドラムの感光層にはトナー像が形成される。続いて、トナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写した後、加熱により未定着トナー像を記録媒体に定着させる。その結果、画像が記録媒体に形成される。
[正帯電性トナーの基本構成]
本実施形態に係る正帯電性トナーは、以下に示す構成(以下、「基本構成」と記載することがある)を備える。詳しくは、本実施形態に係る正帯電性トナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、外添剤とを備える。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着し、複数の樹脂粒子を含む。
樹脂粒子は、各々、樹脂母粒子と、コート層とを有する。樹脂母粒子は、樹脂を含有する。コート層は、樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分を被覆し、ビニル樹脂を含有する。
一般的に、ビニル樹脂は、ビニル化合物の単重合体又は共重合体である。ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)とビニリデン基(CH2=C<)とビニレン基(−CH=CH−)とのうちの少なくとも1つの官能基を分子内に含む。ビニル基などの官能基に含まれる炭素二重結合(C=C)が開裂して付加重合反応が起こると、ビニル化合物が高分子(ビニル樹脂)となる。
本実施形態では、コート層が含有するビニル樹脂は、下記式(1−1)で表される構成単位(以下、「構成単位(1−1)」と記載する)と、下記式(1−2)で表される構成単位(以下、「構成単位(1−2)」と記載する)とを含む。以下、構成単位(1−1)と構成単位(1−2)とを含むビニル樹脂を「特定のビニル樹脂」と記載する。
Figure 0006904191
式(1−1)において、R1は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。アルキル基には、直鎖状アルキル基と、分岐鎖状アルキル基と、環状アルキル基とが含まれる。置換基を有してもよいアルキル基の一例としては、フェニル基が挙げられる。好ましくは、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基を表す。また、式(1−1)において、2つの酸素原子と結合している炭素原子の未結合手は、樹脂母粒子が含有する樹脂を構成する原子に接続される。
Figure 0006904191
式(1−2)において、R2は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。アルキル基には、直鎖状アルキル基と、分岐鎖状アルキル基と、環状アルキル基とが含まれる。置換基を有してもよいアルキル基の一例としては、フェニル基が挙げられる。好ましくは、R2は、水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基を表す。
このように、本実施形態では、コート層は、特定のビニル樹脂を含有する。特定のビニル樹脂は、構成単位(1−2)を含む。構成単位(1−2)は、未開環オキサゾリン基を含む。未開環オキサゾリン基は、環状構造を有し、強い正帯電性を示す。これらのことから、コート層が特定のビニル樹脂を含有することで、正帯電性に優れるトナーを提供できる。
特定のビニル樹脂は、構成単位(1−1)をさらに含む。構成単位(1−1)では、炭素原子の未結合手は、樹脂母粒子が含有する樹脂を構成する原子に接続される。これにより、長期にわたって連続して画像を形成した場合においても、コート層が樹脂母粒子の表面から剥離することを防止できるため、正帯電性に優れるトナーを提供できる。つまり、帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供できる。
また、特定のビニル樹脂が構成単位(1−1)を含むため、コート層の厚さが大きくなり過ぎることを防止できる。例えば、コート層の厚さを3.0nm以下とすることができる。これにより、樹脂粒子の表面における窒素原子の存在量が過剰となることを防止できる。よって、樹脂粒子の表面への水分の吸着を防止できるため、トナー粒子の表面への水分の吸着を防止できる。したがって、本実施形態に係るトナーを用いて高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても、トナー粒子の表面への水分の吸着量が過剰となることを防止できる。その結果、本実施形態では、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供できる。
正帯電性に優れるトナーの提供を目的として、メラミン樹脂で被覆された外添剤粒子を用いることがある(例えば、前述の特許文献1参照)。しかし、メラミン樹脂を用いてコート層の形成を試みた場合、コート層の厚さが大きくなり過ぎることがある。ここで、メラミン樹脂は、分子内に窒素原子を含み、比較的強い親水性を有する。そのため、メラミン樹脂を用いてコート層を形成すると、外添剤粒子の表面には水分が吸着し易いため、得られたトナー粒子の表面には水分が吸着し易い。よって、このようなトナーを用いて高温高湿環境下で画像を形成すると、トナー粒子の表面への水分の吸着量が過剰となることがあるため、正帯電性トナーの帯電安定性が低下することがある。しかし、本実施形態では、特定のビニル樹脂が構成単位(1−1)を含むため、コート層の厚さが大きくなり過ぎることを防止できる。これにより、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても正帯電性トナーの帯電安定性が低下することを防止できる。以下、樹脂粒子の好ましい構成を説明した後で、正帯電性トナーの好ましい製造方法を説明する。
[樹脂粒子の好ましい構成]
好ましくは、樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量が、ガスクロマトグラフィー質量分析法による測定で、0.005mmol/g以上5.000mmol/g以下である。前述したように、未開環オキサゾリン基は、強い正帯電性を示す。しかし、未開環オキサゾリン基は、高い吸水性を有する。これらのことから、樹脂粒子においてオキサゾリン基の開環割合を制御することで、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合における正帯電性トナーの帯電安定性の低下を効果的に防止できる。より好ましくは、樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量が、ガスクロマトグラフィー質量分析法による測定で、0.005mmol/g以上3.000mmol/g以下である。樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量は、後述の実施例に記載の方法又はそれに準ずる方法で、求めることができる。
<樹脂母粒子>
樹脂母粒子の酸価が小さすぎると、カルボキシル基とオキサゾリン基との反応が進行し難いため、コート層が形成され難い。そのため、所望の効果(より具体的には、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合であっても帯電安定性に優れる正帯電性トナーを提供できるという効果)が得られないことがある。樹脂母粒子の酸価が大きすぎると、樹脂母粒子の表面には未反応カルボキシル基が存在し易いため、水分が樹脂母粒子の表面へ吸着し易い。このことによっても、前述の所望の効果が得られないことがある。樹脂母粒子の酸価は、好ましくは0.5mgKOH/g以上であり、より好ましくは0.5mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下である。樹脂母粒子が、酸価が0.5mgKOH/g以上である樹脂を含有すれば、樹脂母粒子の酸価が0.5mgKOH/g以上となり易い。樹脂母粒子が、酸価が5.0mgKOH/g以下である樹脂を含有すれば、樹脂母粒子の酸価が5.0mgKOH/g以下となり易い。
好ましくは、樹脂母粒子が含有する樹脂は、分子内に窒素原子を含まない。これにより、窒素原子が樹脂母粒子の表面に過剰に存在することを防止できるため、樹脂母粒子の表面への水分の吸着を防止できる。よって、樹脂粒子の表面への水分の吸着を効果的に防止できるため、トナー粒子の表面への水分の吸着を効果的に防止できる。したがって、高温高湿環境下で長期にわたって連続して画像を形成した場合における正帯電性トナーの帯電安定性の低下を効果的に防止できる。より好ましくは、樹脂母粒子が含有する樹脂は、酸価が0.5mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下の樹脂であって、分子内に窒素原子を含まない。
好ましくは、樹脂母粒子の個数平均一次粒子径が80nm以上120nm以下である。これにより、樹脂粒子の個数平均一次粒子径が80nm以上120nm以下となり易い。よって、外添剤が複数の小径粒子をさらに含む場合には、小径粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できる。ここで、小径粒子は、樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有し、シリカ粒子と金属酸化物粒子とからなる群より選択される1種類以上を含む。例えば、小径粒子がシリカ粒子である場合には、シリカ粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できるため、トナーの流動性が確保され易い。また、小径粒子が酸化チタン粒子である場合には、酸化チタン粒子がトナー母粒子に埋没することを防止できるため、トナーの帯電性がより一層確保され易い。したがって、樹脂母粒子の個数平均一次粒子径が80nm以上120nm以下であれば、トナーの長寿命化が実現され易い。
<コート層>
コート層は、樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分を被覆する。コート層は、特定のビニル樹脂を含有し、好ましくは特定のビニル樹脂のみを含有する。
特定のビニル樹脂は、構成単位(1−1)と、構成単位(1−2)とを含む。構成単位(1−1)と、構成単位(1−2)とは、何れも、下記式(1−3)で表される化合物(以下、「ビニル化合物(1−3)」と記載する)に由来する。特定のビニル樹脂は、ビニル化合物(1−3)でないビニル化合物(他のビニル化合物)に由来する構成単位をさらに含んでもよい。他のビニル化合物は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとからなる群より選択される1種類以上のビニル化合物であることが好ましい。例えば、他のビニル化合物が(メタ)アクリル酸アルキルエステルである場合には、特定のビニル樹脂は、下記式(1−4)で表される構成単位をさらに含む。
Figure 0006904191
式(1−3)において、R3は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。アルキル基には、直鎖状アルキル基と、分岐鎖状アルキル基と、環状アルキル基とが含まれる。置換基を有してもよいアルキル基の一例としては、フェニル基が挙げられる。好ましくは、R3は、水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基を表す。
Figure 0006904191
式(1−4)において、R4は、水素原子、又はメチル基を表す。他のビニル化合物がアクリル酸アルキルエステルである場合には、R4は、水素原子を表す。他のビニル化合物がメタクリル酸アルキルエステルである場合には、R4は、メチル基を表す。R5は、置換基を有してもよいアルキル基を表す。アルキル基には、直鎖状アルキル基と、分岐鎖状アルキル基と、環状アルキル基とが含まれる。好ましくは、アルキル基は、炭素数が1以上8以下のアルキル基である。より好ましくは、R5は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシブチル基を表す。
好ましくは、コート層の厚さは、3.0nm以下である。樹脂母粒子の酸価が小さいほど、コート層の厚さが小さい傾向にある。例えば、樹脂母粒子の酸価が5.0mgKOH/g以下であれば、コート層の厚さが3.0nm以下となり易い。より好ましくは、コート層の厚さは、0.1nm以上3.0nm以下である。コート層の厚さは、後述の実施例に記載の方法又はそれに準ずる方法で測定できる。
[本実施形態に係る正帯電性トナーの好ましい製造方法]
本実施形態に係る正帯電性トナーの製造方法は、好ましくは樹脂粒子の作製工程と外添工程とを含み、より好ましくはトナー母粒子の作製工程をさらに含む。なお、同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
<樹脂粒子の作製工程>
樹脂粒子の作製工程は、好ましくは、樹脂母粒子の作製工程と、コート液の調製工程と、コート層の形成工程とを含む。図1を用いて、樹脂粒子の好ましい作製方法を説明する。図1は、樹脂粒子の作製方法の一工程を模式的に示す図である。より具体的には、図1は、コート層の形成工程を模式的に示す図である。さらに具体的には、図1には、1つのカルボキシル基と1つのオキサゾリン基とが互いに反応する過程を示す。なお、図1では、原子省略法で化学構造式を記載している。
(樹脂母粒子の作製工程)
樹脂母粒子の作製工程では、まず、複数の樹脂母粒子111を含む分散液(樹脂母粒子111の分散液)を調製する。樹脂母粒子111は、各々、表面にカルボキシル基を有する。より具体的には、樹脂母粒子111が含有する樹脂を合成するために使用されるモノマーを水性媒体中で重合(好ましくは乳化重合)させる。重合開始剤の存在下でモノマーを重合させてもよい。モノマーの重合時間が長いほど、樹脂母粒子111の個数平均一次粒子径が大きくなる傾向にある。モノマーの重合時間が短いほど、樹脂母粒子111の個数平均一次粒子径が小さくなる傾向にある。
水性媒体は、水、又は水を主成分として含む分散媒であることが好ましい。水性媒体が水で構成される場合、水は、イオン交換水、又は純水であることが好ましい。水を主成分として含む分散媒は、界面活性剤と水との混合液、又は乳化剤と水との混合液であることが好ましい。
次に、樹脂母粒子111の分散液から樹脂母粒子111を取り出す。取り出した樹脂母粒子111を乾燥させないことが好ましい。
(コート液の調製工程)
コート液の調製工程では、被覆用ビニル樹脂113を含む溶液(被覆用ビニル樹脂113の溶液)を調製する。被覆用ビニル樹脂113は、構成単位(1−2)を含む。被覆用ビニル樹脂113の溶液としては、例えば、株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS−300」又は「エポクロスWS−700」を使用できる。エポクロスWS−300は、2−ビニル−2−オキサゾリンとメタクリル酸メチルとの共重合体(水溶性架橋剤)を含む。共重合体を構成するモノマーの質量比は、(2−ビニル−2−オキサゾリン):(メタクリル酸メチル)=9:1である。エポクロスWS−700は、2−ビニル−2−オキサゾリンとメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとの共重合体(水溶性架橋剤)を含む。共重合体を構成するモノマーの質量比は、(2−ビニル−2−オキサゾリン):(メタクリル酸メチル):(アクリル酸ブチル)=5:4:1である。2−ビニル−2−オキサゾリンは、ビニル化合物(1−3)においてR3が水素原子である場合のビニル化合物に相当する。
(コート層の形成工程)
コート層の形成工程では、コート層13を形成する。より具体的には、所定の温度で、樹脂母粒子(好ましくは、乾燥していない状態の樹脂母粒子)111と被覆用ビニル樹脂113の溶液とを混合する。ここで、所定の温度は、カルボキシル基(樹脂母粒子111の表面に存在するカルボキシル基)とオキサゾリン基(被覆用ビニル樹脂113に含まれるオキサゾリン基)とが反応してアミド結合21が形成される温度以上である。これにより、コート層13が形成され、よって、樹脂粒子10の分散液が得られる。得られた樹脂粒子10の分散液に対して固液分離と洗浄と乾燥とを行えば、複数の樹脂粒子10を含む粉体が得られる。得られた樹脂粒子10の各々では、樹脂母粒子11の表面の少なくとも一部分がコート層13で被覆されている。
詳しくは、まず、樹脂母粒子111と被覆用ビニル樹脂113の溶液とを混合して、分散液を得る。ここで、コート層13を構成する材料(コート材料)は、分散液中において、樹脂母粒子111の表面に付着する。樹脂母粒子111の表面に均一にコート材料を付着させるためには、分散液中において樹脂母粒子111を高度に分散させることが好ましい。分散液中において樹脂母粒子111を高度に分散させるために、分散液に界面活性剤を含ませてもよいし、強力な攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスディスパーミックス」)を用いて分散液を攪拌してもよい。
次に、分散液を攪拌しながら、分散液の温度を所定の昇温速度で所定の温度にまで上昇させる。その後、分散液を攪拌しながら、所定の時間にわたって分散液の温度を所定の温度に保つ。所定の温度は、カルボキシル基とオキサゾリン基とが反応してアミド結合21が形成される温度以上である。そのため、分散液の温度を所定の温度に保っている間に次に示す反応が進行する、と考えられる。詳しくは、被覆用ビニル樹脂113に含まれる複数のオキサゾリン基のうち、一部のオキサゾリン基が、カルボキシル基と反応して開環する。これにより、アミド結合21が形成される。つまり、構成単位(1−1)が形成される。一方、被覆用ビニル樹脂113に含まれる複数のオキサゾリン基のうち、カルボキシル基と反応しないオキサゾリン基は、開環しない(構成単位(1−2)の形成)。アミド結合21の存在は、後述の実施例に記載の方法又はそれに準ずる方法で確認できる。
所定の温度は、50℃以上100℃以下から選ばれる温度であることが好ましい。所定の温度が50℃以上であれば、カルボキシル基とオキサゾリン基との反応が進行し易い。所定の温度が100℃以下であれば、コート層13の形成に起因して樹脂成分が溶融することを防止できる。樹脂成分には、樹脂母粒子111が含有する樹脂と、被覆用ビニル樹脂113とが、含まれる。
所定の昇温速度は、例えば、0.1℃/分以上3℃/分以下から選ばれる速度であることが好ましい。所定の時間は、例えば、30分間以上5時間以下から選ばれる時間であることが好ましい。回転速度が50rpm以上500rpm以下という条件で、分散液を攪拌することが好ましい。これにより、カルボキシル基とオキサゾリン基との反応が進行し易い。
より好ましくは、重合開始剤の不存在下で、分散液の温度を所定の昇温速度で所定の温度にまで上昇させる。そのため、カルボキシル基とオキサゾリン基とが重合開始剤の不存在下で反応する。これにより、コート層13の厚さが大きくなり過ぎることを防止し易い。例えば、コート層13の厚さが3.0nm以下となり易い。以上、図1を用いて樹脂粒子10の好ましい作製方法を説明した。以下では、図1を参照することなく、トナー母粒子の作製工程と外添工程とを説明する。
<トナー母粒子の作製工程>
トナー母粒子の作製工程では、カプセルトナーを作製してもよいし、非カプセルトナーを作製してもよい。非カプセルトナーを作製する場合には、公知の粉砕法又は公知の凝集法でトナー母粒子を作製することが好ましい。これにより、トナー母粒子を容易に作製できる。
<外添工程>
外添工程では、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する。外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、好ましくは複数の小径粒子をさらに含む。これにより、トナー母粒子の表面には外添剤が付着する。このようにして、複数のトナー粒子を含む正帯電性トナーが得られる。
[正帯電性トナーを構成する材料の例示]
トナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、外添剤とを備える。
<トナー母粒子>
トナー母粒子では、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子は、アニオン性になる傾向が強くなる。
トナー母粒子は、着色剤と離型剤と電荷制御剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有してもよい。以下、順に説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分として含む。結着樹脂は、ポリエステル樹脂のみで構成されてもよいし、ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂をさらに含んでもよい。ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を使用できる。アクリル酸系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体を使用できる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を使用できる。ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂を使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち前述の樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂も、結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。以下、ポリエステル樹脂について具体的に説明する。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種類以上のアルコールと1種類以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するために使用されるアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するために使用されるカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
ジオール類の好適な例としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。α,ω−アルカンジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオールであることが好ましい。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸、α,ω−アルカンジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、又はシクロアルカンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸であることが好ましい。α,ω−アルカンジカルボン酸は、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸であることが好ましい。シクロアルカンジカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
着色剤としては、正帯電性トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。正帯電性トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを使用できる。
(離型剤)
離型剤は、例えば、正帯電性トナーの定着性又は耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。トナー母粒子のカチオン性を強めるためには、カチオン性を有するワックスを用いてトナー母粒子を作製することが好ましい。
離型剤は、例えば、脂肪族炭化水素ワックス、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、又は脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスには、これらの酸化物も含まれる。植物性ワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスであることが好ましい。動物性ワックスは、例えば、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうであることが好ましい。鉱物ワックスは、例えば、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムであることが好ましい。脂肪酸エステルを主成分とするワックス類は、例えば、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスであることが好ましい。1種類のワックスを単独で使用してもよいし、複数種のワックスを併用してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、正帯電性トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。正帯電性トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに正帯電性トナーを帯電可能か否かの指標になる。トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
<外添剤>
(樹脂粒子)
樹脂粒子の量は、トナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。外添剤が2種類以上の樹脂粒子を含む場合には、樹脂粒子の合計量がトナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
樹脂粒子の好ましい構成については、前述の[樹脂粒子の好ましい構成]で説明したとおりである。以下では、樹脂母粒子が含有する樹脂を具体的に説明する。
好ましくは、樹脂母粒子が含有する樹脂は、酸価が0.5mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下の樹脂であって、分子内に窒素原子を含まない。より具体的には、樹脂母粒子が含有する樹脂は、酸価が0.5mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下のポリエステル樹脂と酸価が0.5mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下のスチレン−アクリル酸系樹脂とからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。ポリエステル樹脂を合成するために使用されるモノマーについては、前述の(ポリエステル樹脂)で説明したとおりである。スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるモノマーについては、以下に示すとおりである。
スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種類以上のスチレン系モノマーと1種類以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるスチレン系モノマーとしては、以下に示すスチレン系モノマーを好適に使用できる。また、スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するために使用されるアクリル酸系モノマーとしては、以下に示すアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、又はハロゲン化スチレンが挙げられる。アルキルスチレンは、例えば、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレンであることが好ましい。ヒドロキシスチレンは、例えば、p−ヒドロキシスチレン、又はm−ヒドロキシスチレンであることが好ましい。ハロゲン化スチレンは、例えば、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンであることが好ましい。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
(小径粒子)
外添剤は、複数の小径粒子をさらに含むことが好ましい。小径粒子は、シリカ粒子又は金属酸化物で構成された粒子であることが好ましい。金属酸化物は、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウムであることが好ましい。外添剤は、1種類の小径粒子を含んでもよいし、2種類以上の小径粒子を含んでもよい。
小径粒子の量は、トナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。外添剤が2種類以上の小径粒子を含む場合には、小径粒子の合計量がトナー母粒子100.0質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。小径粒子の個数平均一次粒子径は、樹脂粒子の個数平均一次粒子径の0.5倍以下であることが好ましく、例えば5nm以上30nm以下であることが好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーの構成を示す。表1において、「未開環量」には、樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量を記す。「粒子径」には、樹脂母粒子の個数平均一次粒子径を記す。
Figure 0006904191
表2に、実施例又は比較例における樹脂粒子の組成を示す。表2において、「St」は、スチレンを意味する。「MMA」は、メタクリル酸メチルを意味する。「AA」は、アクリル酸を意味する。「DVB」は、ジビニルベンゼンを意味する。「WS−300」は、株式会社日本触媒製「エポクロスWS−300」を意味する。株式会社日本触媒製「エポクロスWS−300」の固形分濃度は、10質量%である。「WS−700」は、株式会社日本触媒製「エポクロスWS−700」を意味する。株式会社日本触媒製「エポクロスWS−700」の固形分濃度は、25質量%である。
Figure 0006904191
以下では、まず、実施例又は比較例における樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子E−1〜E−6の各々)の作製方法及び物性値の測定方法について、順に説明する。次に、実施例又は比較例に係る正帯電性トナー(より具体的には、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1の各々)の製造方法、物性値の測定方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[樹脂粒子の作製方法]
<樹脂粒子E−1の作製>
アンカー型攪拌翼を備えた丸底フラスコ(容量:1L)に、135.0gのスチレンと、5.0gのアクリル酸と、7.0gのジビニルベンゼンと、10.0gの過硫酸カリウム(水溶性重合開始剤)と、8.0gの東京化成工業株式会社製「Tween20」(成分:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート)と、375.0gのイオン交換水とを入れた。フラスコの内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、昇温速度1℃/分でフラスコ内の温度を70℃にまで上昇させた。フラスコ内の温度を70℃に保った状態で、フラスコの内容物を回転速度100rpmで8時間にわたって攪拌した。フラスコ内の温度を70℃に保っている間に、フラスコの内容物が反応(乳化重合)した。このようにして、樹脂母粒子の分散液を得た。遠心分離機(株式会社久保田製作所製「マイクロ冷却遠心機3740」)を用いて、得られた分散液について、回転速度10000rpmの条件で30分間の遠心分離処理を行った。このようにして、複数の樹脂母粒子P−1を得た。得られた樹脂母粒子P−1を乾燥させなかった。
アンカー型攪拌翼を備えた別の丸底フラスコ(容量:1L)に、得られた樹脂母粒子(乾燥していない状態の樹脂母粒子)P−1の全量と、15gのオキサゾリン基含有高分子水溶液(株式会社日本触媒製「エポクロスWS−700」、固形分濃度:25質量%)と、500gのイオン交換水とを入れた。フラスコに希塩酸をさらに加えて、フラスコの内容物のpHを4.0に調整した。フラスコの内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、昇温速度1℃/分でフラスコ内の温度を70℃にまで上昇させた。フラスコ内の温度を70℃に保った状態で、フラスコの内容物を回転速度100rpmで3時間にわたって攪拌した。フラスコ内の温度を70℃に保っている間に、樹脂母粒子P−1のカルボキシル基とオキサゾリン基含有高分子水溶液に含まれるオキサゾリン基とが反応した。その後、フラスコ内の温度を常温まで冷却した。このようにして、樹脂粒子を含む分散液を得た。
得られた分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。得られた固形分をイオン交換水に再度分散させた。得られた分散液を、ブフナー漏斗を用いて、吸引濾過した。このような固液分離処理を5回にわたって繰返し行った。得られた固形分を乾燥させて、複数の樹脂粒子を含む塊を得た。得られた塊を、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、粉砕した。粉砕において、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。このようにして、複数の樹脂粒子E−1を含む粉体を得た。
<樹脂粒子E−2の作製>
スチレンの配合量を138.0gに変更した。アクリル酸の配合量を0.5gに変更した。過硫酸カリウムの配合量を8.0gに変更した。これらを除いては樹脂母粒子P−1の作製方法に従い、樹脂母粒子P−2を得た。樹脂母粒子P−2を用いたことを除いては樹脂粒子E−1の作製方法に従い、樹脂粒子E−2を得た。
<樹脂粒子E−3の作製>
スチレンの配合量を130.0gに変更した。アクリル酸の配合量を10.0gに変更した。東京化成工業株式会社製「Tween20」の配合量を2.0gに変更した。これらを除いては樹脂母粒子P−1の作製方法に従い、樹脂母粒子P−3を得た。樹脂母粒子P−3を用いたことを除いては樹脂粒子E−1の作製方法に従い、樹脂粒子E−3を得た。
<樹脂粒子E−4の作製>
アンカー型攪拌翼を備えた丸底フラスコ(容量:1L)に、100.0gのスチレンと、35.0gのメタクリル酸メチルと、5.0gのアクリル酸と、7.0gのジビニルベンゼンと、10.0gの過硫酸カリウム(水溶性重合開始剤)と、8.0gの東京化成工業株式会社製「Tween20」(成分:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート)と、375.0gのイオン交換水とを入れた。これを除いては樹脂母粒子P−1の作製方法に従い、樹脂母粒子P−4を得た。樹脂母粒子P−4を用いたことを除いては樹脂粒子E−1の作製方法に従い、樹脂粒子E−4を得た。
<樹脂粒子E−5の作製>
オキサゾリン基含有高分子水溶液として、株式会社日本触媒製「エポクロスWS−300」(固形分濃度:10質量%)を用いた。これを除いては樹脂粒子E−1の作製方法に従い、樹脂粒子E−5を得た。
<樹脂粒子E−6の作製>
アンカー型攪拌翼を備えた丸底フラスコ(容量:1L)に、140.0gのスチレンと、7.0gのジビニルベンゼンと、5.0gの過硫酸カリウム(水溶性重合開始剤)と、8.0gの東京化成工業株式会社製「Tween20」(成分:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート)と、375.0gのイオン交換水とを入れた。これを除いては樹脂母粒子P−1の作製方法に従い、樹脂母粒子P−5を得た。樹脂母粒子P−5を用いたことを除いては樹脂粒子E−1の作製方法に従い、樹脂粒子E−6を得た。
[樹脂粒子の物性値の測定方法]
<樹脂母粒子の酸価の測定>
得られた樹脂母粒子(より具体的には、樹脂母粒子P−1〜P−5の各々)の一部を乾燥させて、測定対象を得た。得られた測定対象を用い、「JIS K0070−1992」に記載の方法に準拠して、樹脂母粒子の酸価を求めた。
詳しくは、20gの測定対象を三角フラスコに加えた。三角フラスコに、100mLの溶剤と、数滴のフェノールフタレイン溶液(指示薬)とを加えた。溶剤として、ジエチルエーテルとエタノールとの混合液[ジエチルエーテル:エタノール=2:1(体積比)]を使用した。
三角フラスコを水浴中で振り混ぜて、測定対象を溶剤に溶解させた。三角フラスコ内の液を、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液を用いて、滴定した。滴定結果から、下記(数式1)に従い、酸価(単位:mgKOH/g)を算出した。算出結果を表1に示す。
酸価=(B×f1×5.611)/W1・・・(数式1)
上記(数式1)において、「B」は、滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示す。「f1」は、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクターを示す。「W1」は、測定対象の質量(g)を示す。「5.611」は、水酸化カリウムの式量56.11×(1/10)に相当する。
なお、ファクター(f1)は、以下に示す方法で、算出した。0.1mol/L塩酸の25mLを、三角フラスコに加えた。三角フラスコに、フェノールフタレイン溶液を加えた。三角フラスコ内の液を、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液を用いて、滴定した。中和に必要な0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量から、ファクター(f1)を算出した。
<樹脂母粒子の個数平均一次粒子径の測定とコート層の厚さの測定>
次に示す方法で、樹脂母粒子(より具体的には、樹脂母粒子P−1〜P−5の各々)の個数平均一次粒子径を測定した。詳しくは、透過電子顕微鏡(TEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、樹脂母粒子(より具体的には、樹脂母粒子P−1〜P−5の各々)を倍率1000000倍で観察して、100個以上の樹脂母粒子のTEM写真を撮影した。得られたTEM写真の中から、100個の樹脂母粒子のTEM写真を任意に選択した。任意に選択されたTEM写真について、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、樹脂母粒子の円相当径を測定し、測定された円相当径の個数平均値を算出した。算出された個数平均値を樹脂母粒子の個数平均一次粒子径とした。算出結果を表1に記す。
次に示す方法で、コート層の厚さを測定した。詳しくは、透過電子顕微鏡(TEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子E−1〜E−6の各々)を倍率1000000倍で観察して、100個以上の樹脂粒子のTEM写真を撮影した。得られたTEM写真の中から、100個の樹脂粒子のTEM写真を任意に選択した。任意に選択されたTEM写真について、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、1個の樹脂粒子が備えるコート層の厚さを求めた。測定されたコート層の厚さの個数平均値を算出し、算出された個数平均値を「コート層の厚さ」とした。算出結果を表1に記す。
[正帯電性トナーの製造方法]
<トナーTA−1の製造>
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、89.0質量部のポリエステル樹脂(花王株式会社製「タフトン(登録商標)NE−410」)と、5.0質量部のカーボンブラック(キャボット社製「REGAL(登録商標)330R」)と、5.0質量部のポリプロピレンワックス(三洋化成工業株式会社製「ビスコール(登録商標)660P」)と、1.0質量部の4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)とを混合した。得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転速度160rpm、且つ設定温度(シリンダー温度)150℃の条件で、溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却した。冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル RS型」)を用いて、微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて、分級した。その結果、体積中位径(D50)7.0μmのトナー母粒子を得た。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に、97.3質量部のトナー母粒子と、1.0質量部の樹脂粒子E−1と、0.7質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)と、1.0質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)とを入れた。回転速度3500rpm、ジャケット温度20℃、且つ処理時間5分間の条件で、トナー母粒子と樹脂粒子E−1と疎水性シリカ粒子と導電性酸化チタン粒子とを混合した。このようにして、多数のトナー粒子を含むトナーTA−1を得た。
<トナーTA−2〜TA−5及びTB−1の製造方法>
樹脂粒子E−2〜E−6を用いたことを除いてはトナーTA−1の製造方法に従い、各々、トナーTA−2〜TA−5及びTB−1を得た。
[正帯電性トナーの物性値の測定方法]
<未開環オキサゾリン基の量の測定方法>
ノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」、成分:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)の水溶液(濃度:2質量%)を水で10倍に希釈して、界面活性剤水溶液を調製した。得られた界面活性剤水溶液500mL中に、10gの正帯電性トナー(より具体的には、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1の各々)を分散させて、トナー分散液を得た。
得られたトナー分散液に、超音波分散機(超音波工業株式会社製「ウルトラソニックミニウェルダーP128」、出力:100W、発振周波数:28kHz)を用いて超音波処理を施し、トナー母粒子と外添剤とを分離させた。続けて、得られた外添剤に対して、イオン交換水を加えるリスラリーと、吸引濾過とを、3回繰り返して、評価用外添剤を得た。
次に、得られた評価用外添剤について、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS法)を行った。GC/MS法では、測定装置として、ガスクロマトグラフ質量分析計(株式会社島津製作所製「GCMS−QP2010 Ultra」)及びマルチショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社製「FRONTIER LAB Multi−functional Pyrolyzer(登録商標)PY−3030D」)を用いた。カラムとしては、GCカラム(アジレント・テクノロジー社製「Agilent(登録商標)J&W ウルトライナートキャピラリGCカラム DB−5ms」、相:シロキサンポリマーにアリレンを入れてポリマーの主鎖を強化したアリレン相、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、長さ:30m)を用いた。
(ガスクロマトグラフ)
・キャリアガス:ヘリウム(He)ガス
・キャリア流量:1mL/分
・気化室温度:210℃
・熱分解温度:加熱炉「600℃」、インターフェイス部「320℃」
・昇温条件:40℃で3分間保持した後、40℃から速度10℃/分で300℃まで昇温し、300℃で15分間保持した。
(質量分析)
・イオン化法:EI(Electron Impact)法
・イオン源温度:200℃
・インターフェイス部の温度:320℃
・検出モード:スキャン(測定範囲:45m/z〜500m/z)
上記の条件で測定されたマススペクトルを解析して、スチレンに由来するピーク面積と、未開環オキサゾリン基に由来するピーク面積とを求めた。スチレンに由来するピーク面積から、樹脂粒子(より具体的には、樹脂粒子E−1〜E−6の各々)の量を求めた。未開環オキサゾリン基に由来するピーク面積から、未開環オキサゾリン基の量を求めた。このようにして求められたデータに基づいて、樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量を求めた。測定結果を表1に示す。なお、定量には、標準物質を用いた。また、前述の「ピーク面積」は、何れも、クロマトグラムのピーク面積を意味する。
[正帯電性トナーの評価方法]
<アミド結合の存在の有無を確認する方法>
以下に示す方法で、アミド結合(より具体的には、カルボキシル基とオキサゾリン基との反応によって得られるアミド結合)の存在の有無を確認した。詳しくは、前述の<未開環オキサゾリン基の量の測定方法>に記載の方法に従い、評価用外添剤を得た。得られた評価用外添剤を1mLの重水素化クロロホルムに加えた。重水素化クロロホルムに溶解せずに残った固形分(より具体的には、評価用外添剤に含まれる疎水性シリカ粒子及び導電性酸化チタン粒子)を溶液から取り除いた。このようにして得られた重水素化クロロホルム溶液を試験管(直径:5mm)に入れた。試験管をフーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)(日本電子株式会社製「JNM−AL400」)に入れた。試料温度20℃且つ積算回数128回の条件で、1H−NMRスペクトルを測定した。化学シフトの内部基準物質としては、テトラメチルシランを使用した。得られた1H−NMRスペクトルにおいて、化学シフトδが6.5付近に三重線のシグナルが確認されれば、前述のアミド結合が存在すると推定した。
トナーTA−1〜TA−5の各々を用いて評価用外添剤を得た場合には、前述のアミド結合の存在が確認された。一方、トナーTB−1を用いて評価用外添剤を得た場合には、前述のアミド結合の存在を確認できなかった。
<トナー帯電量と画像濃度とトナー飛散量との評価>
(評価対象の作製)
ボールミルを用いて、100質量部のキャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa8002i」用キャリア)と10質量部の正帯電性トナー(より具体的には、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1の各々)とを、30分間にわたって、混合した。このようにして、評価対象を得た。
(評価機の準備)
複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa8002i」)を準備した。評価対象(未使用)を複合機の現像装置に入れ、補給用トナー(未使用)を複合機のトナーコンテナに入れた。本実施例では、補給用トナーとしては、評価対象に含まれるトナーと同一のトナーを用いた。つまり、補給用トナーは、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1の何れかであった。このようにして、評価機を準備した。
(トナー帯電量と画像濃度とトナー飛散量との測定)
温度28℃且つ湿度80%RHの環境(高温高湿環境)下で、評価機を用いて、画像(印字率:5%)を普通紙(A4サイズ)に1万枚連続で印刷した。その後、温度28℃且つ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、第1評価画像を普通紙(A4サイズ)に印刷した。第1評価画像は、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。その後、以下に示す方法でトナー帯電量を測定し、測定値を「1万枚印刷後におけるトナー帯電量」とした。また、以下に示す方法で第1評価画像の画像濃度を測定し、測定値を「1万枚印刷後における画像濃度」とした。さらに、以下に示す方法でトナー飛散量を測定し、測定値を「1万枚印刷後におけるトナー飛散量」とした。
また、温度28℃且つ湿度80%RHの環境(高温高湿環境)下で、評価機を用いて、画像(印字率:5%)を普通紙(A4サイズ)に30万枚連続で印刷した。その後、温度28℃且つ湿度80%RHの環境下で、評価機を用いて、第2評価画像を普通紙(A4サイズ)に印刷した。第2評価画像は、ソリッド画像部と、白紙部(印字の無い領域)とを含んでいた。その後、以下に示す方法でトナー帯電量を測定し、測定値を「30万枚印刷後におけるトナー帯電量」とした。また、以下に示す方法で第2評価画像の画像濃度を測定し、測定値を「30万枚印刷後における画像濃度」とした。さらに、以下に示す方法でトナー飛散量を測定し、測定値を「30万枚印刷後におけるトナー飛散量」とした。
トナー帯電量の測定方法を示す。詳しくは、まず、評価機の現像装置から評価対象を取り出した。次に、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに0.10gの評価対象(より具体的には、2成分現像剤)を入れ、評価対象のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、下記式に基づいて、トナー帯電量(単位:μC/g)を算出した。
トナー帯電量(単位:μC/g)=吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)
画像濃度の測定方法を示す。詳しくは、マクベス反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて、第1評価画像のソリッド画像部の反射濃度(ID:画像濃度)を測定した。また、マクベス反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて、第2評価画像のソリッド画像部の反射濃度(ID:画像濃度)を測定した。
トナー飛散量の測定方法を示す。詳しくは、電子天秤(株式会社エー・アンド・デイ製「GF−3000」)を用いて、評価機内で回収されたトナーの質量を測定した。より具体的には、評価機は、吸引ファンと回収容器とをさらに備えていた。吸引ファンは、現像装置が有する現像ローラーの周囲において、現像ローラーに対する吸着状態に優れないトナー(例えば、飛散トナー)を吸引する装置であった。回収容器は、吸引ファンに接続され、吸引ファンが吸引したトナーを回収するための容器であった。そして、前述の電子天秤を用いて、回収容器に回収されたトナーの質量を測定した。
トナー帯電量の評価基準を以下に示す。評価結果を表3及び表4に示す。
良好:トナー帯電量が12.0μC/g以上35.0μC/g以下であった。
不良:トナー帯電量が12.0μC/g未満又は35.0μC/g超であった。
画像濃度の評価基準を以下に示す。評価結果を表3及び表4に示す。
良好:画像濃度が1.10以上であった。
不良:画像濃度が1.10未満であった。
トナー飛散量の評価基準を以下に示す。評価結果を表3及び表4に示す。
良好:トナー飛散量が100g以下であった。
不良:トナー飛散量が100g超であった。
[正帯電性トナーの評価結果]
表3に、1万枚印刷後におけるトナー帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量の評価結果を示す。表4に、30万枚印刷後におけるトナー帯電量、画像濃度、及びトナー飛散量の評価結果を示す。表3及び表4の各々において、(G)は良好を意味し、(NG)は不良を意味する。
Figure 0006904191
Figure 0006904191
トナーTA−1〜TA−5(実施例1〜5に係るトナー)は、各々、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−5は、各々、複数のトナー粒子を含んでいた。トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備えていた。外添剤は、複数の樹脂粒子を含んでいた。樹脂粒子は、各々、樹脂母粒子と、樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分を被覆するコート層とを有していた。コート層は、特定のビニル樹脂を含有していた。
表3及び表4に示すように、トナーTA−1〜TA−5の各々を用いて高温高湿環境下で画像を形成すると、30万枚印刷後においても、トナー帯電量を所望の範囲内に維持でき、画像濃度を所望値以上に維持でき、トナー飛散量を所望値以下に抑えることができた。
一方、トナーTB−1は、前述の基本構成を有していなかった。詳しくは、トナーTB−1(比較例1に係るトナー)では、樹脂母粒子の酸価が0.0mgKOH/gであった。トナーTB−1を用いて画像を形成すると、30万枚印刷後には、トナー帯電量が所望の範囲を下回り、画像濃度が所望値を下回り、トナー飛散量が所望値を超えた。
なお、樹脂粒子E−1〜E−6ではコート層の厚みが互いに異なった。この理由として、以下に示す事項が考えられる。詳しくは、樹脂粒子E−1〜E−4及びE−6では、樹脂母粒子(より具体的には、樹脂母粒子P−1〜P−5)の酸価が互いに異なったため、樹脂母粒子の表面におけるオキサゾリン基の反応部位の個数が互いに異なる。そのため、樹脂粒子E−1〜E−4及びE−6では、コート層の厚みが互いに異なった。また、樹脂粒子E−1と樹脂粒子E−5とでは、オキサゾリン基含有高分子の組成が互いに異なったため、コート層の厚みが若干異なった。
また、樹脂母粒子P−5の酸価は、0.0mgKOH/gであったため、樹脂母粒子P−5の表面には、オキサゾリン基の反応部位は存在しなかった。そのため、オキサゾリン基含有高分子水溶液を用いて樹脂粒子E−6を製造しても、オキサゾリン基含有高分子は樹脂母粒子P−5の表面に固定されず、よって、コート層が形成されなかった。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 樹脂粒子
11,111 樹脂母粒子
13 コート層
21 アミド結合

Claims (10)

  1. 複数のトナー粒子を含む正帯電性トナーであって、
    前記トナー粒子は、各々、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着する外添剤とを備え、
    前記外添剤は、複数の樹脂粒子を含み、
    前記樹脂粒子は、各々、樹脂母粒子と、前記樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分を被覆するコート層とを有し、
    前記コート層は、ビニル樹脂を含有し、
    前記ビニル樹脂は、下記式(1−1)で表される構成単位と、下記式(1−2)で表される構成単位とを含む、正帯電性トナー。
    Figure 0006904191
    式(1−1)において、R1は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。式(1−1)において、2つの酸素原子と結合している炭素原子の未結合手は、前記樹脂母粒子が含有する樹脂を構成する原子に接続される。
    Figure 0006904191
    式(1−2)において、R2は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
  2. 前記コート層の厚さが、3.0nm以下である、請求項1に記載の正帯電性トナー。
  3. 前記樹脂母粒子が含有する樹脂は、分子内に窒素原子を含まない、請求項1又は2に記載の正帯電性トナー。
  4. 前記樹脂母粒子は、酸価が0.5mgKOH/g以上である樹脂を含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の正帯電性トナー。
  5. 前記樹脂粒子1gに含まれる未開環オキサゾリン基の量が、ガスクロマトグラフィー質量分析法による測定で、0.005mmol/g以上5.000mmol/g以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の正帯電性トナー。
  6. 前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径が、80nm以上120nm以下であり、
    前記外添剤は、前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有するシリカ粒子と前記樹脂粒子の個数平均一次粒子径よりも小さな個数平均一次粒子径を有する金属酸化物粒子とからなる群より選択される1種類以上を含む、請求項1に記載の正帯電性トナー。
  7. 複数のトナー粒子を含む正帯電性トナーの製造方法であって、
    複数の樹脂粒子を作製する作製工程と、
    前記樹脂粒子をトナー母粒子の表面に外添する工程と、
    を含み、
    前記作製工程は、
    表面にカルボキシル基を有する樹脂母粒子を作製する工程と、
    ビニル樹脂を含むコート液を調製する工程と、
    前記樹脂母粒子の表面の少なくとも一部分にコート層を形成する工程と、
    を含み、
    前記ビニル樹脂は、下記式(1−2)で表される構成単位を含み、
    前記コート層を形成する工程は、所定の温度で、前記樹脂母粒子と前記コート液とを混合する工程を含み、
    前記所定の温度は、前記カルボキシル基と前記構成単位に含まれるオキサゾリン基とが反応してアミド結合が形成される温度以上である、正帯電性トナーの製造方法。
    Figure 0006904191
    式(1−2)において、R2は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。
  8. 前記コート層を形成する工程では、前記カルボキシル基と前記オキサゾリン基とが重合開始剤の不存在下で反応して、前記アミド結合が形成される、請求項7に記載の正帯電性トナーの製造方法。
  9. 前記樹脂母粒子は、酸価が0.5mgKOH/g以上である樹脂を含有する、請求項7又は8に記載の正帯電性トナーの製造方法。
  10. 前記所定の温度は、50℃以上100℃以下である、請求項7〜9の何れか一項に記載の正帯電性トナーの製造方法。
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