JP2016097886A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングホイール2は、コラムシャフト7および中間軸8を介して第1ピニオン軸14に連結されている。第1ピニオン軸14の先端部には、ラック軸15の一端部に設けられた第1ラック18と噛み合う第1ピニオン17が連結されている。コラムシャフト7の周囲に、操舵トルクを検出するための第1トルクセンサ31が配置されている。電動モータ19の出力軸は、減速機20を介して第2ピニオン軸21に連結されている。第2ピニオン軸21の先端部には、ラック軸15の他端部に設けられた第2ラック23と噛み合う第2ピニオン22が連結されている。第2ピニオン軸21の周囲に、アシストトルクを検出するための第2トルクセンサ32が配置されている。
【選択図】図1
Description
電子制御ユニットは、目標アシストトルク演算手段(目標トルク算出手段)と、モータ電流算出手段と、PID制御手段とを備えている。目標アシストトルク演算手段は、車速センサによって検出される車速と、操舵トルクセンサによって検出される操舵トルクとに基いて、電動モータよりも下流側のピニオン軸に発生させるべき目標アシストトルクを演算する。換言すれば、目標アシストトルク演算手段は、電動モータによってピニオン軸に与えるべきアシストトルクの目標値を算出する。
この構成では、第1トルクセンサは、コラムシャフトの周囲に配置されている。このため、第1トルクセンサによって検出される操舵トルクは、中間軸の摩擦の影響を受けない。これにより、操舵部材に加えられる操舵トルクを高精度に検出することができる。これにより、より精度の高いトルクフィードバック制御を行うことができる。
電動モータから出力させるべきモータトルクを目標アシストトルク(目標値)として設定するとともに、電動モータから出力されるモータトルクをアシストトルク(制御量)として検出して、それらのトルク偏差が零に収束するようにトルクフィードバック制御を行うことが考えられる。この場合、制御量は、減速機および第2ピニオン軸を介して、ラック軸に伝達される。このため、制御量がラック軸に伝達される際に、減速機の摩擦の影響を受けるため、ラック軸に作用するアシストトルクを高い精度で制御できない。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6を介して機械的に連結されている。
操舵補助機構5は、電動モータ19と、減速機20と、第2ピニオン軸21と、第2ピニオン22と、第2ラック23とを含む。第2ピニオン軸21は、ステアリングシャフト6とは分離して配置されている。したがって、第2ピニオン軸21は、ステアリングホイール2に連結されていない。減速機20は、電動モータ19の出力軸に一体的に回転可能に連結されたウォーム軸(図示略)と、このウォーム軸と噛み合い、第2ピニオン軸21に一体的に回転可能に連結されたウォームホイール(図示略)とを含むウォームギヤ機構からなる。
電動モータ19が回転駆動されると、電動モータ19の回転が減速機20を介して第2ピニオン軸21に伝達される。第2ピニオン軸21の回転は、第2ピニオン22および第2ラック23によって、ラック軸15の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ19によって第2ピニオン軸21を回転駆動することによって、転舵輪3が転舵される。
電動モータ19は、モータ制御装置としてのECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)27によって制御される。ECU27には、第1トルクセンサ31によって検出される操舵トルクTh、第2トルクセンサ31によって検出されるアシストトルクTa、車速センサ33によって検出される車速V等が入力される。
ECU27は、マイクロコンピュータ28と、マイクロコンピュータ28によって制御され、電動モータ19に電力を供給する駆動回路29とを含む。
マイクロコンピュータ28は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。この複数の機能処理部には、位相補償部41と、目標アシストトルク設定部42と、トルク偏差演算部43と、PI(比例積分)制御部44と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部45とを含む。
目標アシストトルク設定部42は、位相補償後トルクThと車速Vとに基づいて、電動モータ19によって第2ピニオン軸21に与えるべき目標アシストトルクTa*を設定する。位相補償後トルクThに対する目標アシストトルクTa*の設定例は、図3に示されている。位相補償後トルクThは、この実施形態では、右方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、左方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。目標アシストトルクTa*は、電動モータ19によって右方向操舵のためのアシストトルクを発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ19によって左方向操舵のためのアシストトルクを発生させるべきときには負の値とされる。目標アシストトルクTa*は、位相補償後トルクThの正の値に対しては正をとり、位相補償後トルクThの負の値に対しては負をとる。
PI制御部44は、トルク偏差演算部43によって演算されたトルク偏差ΔTaを電動モータ19のモータ電流値に換算し、当該モータ電流値に対するPI(微分積分)演算を行なうことにより、トルク偏差ΔTaを零に収束させるための駆動指令値を生成する。PWM制御部45は、駆動指令値に対応するデューティ比のPWM制御信号を生成して、駆動回路29に供給する。これにより、駆動指令値に対応した電力(電流)が電動モータ19に供給される。
この実施形態では、第2トルクセンサ32は、ステアリングシャフト6とは分離して配置された第2ピニオン軸21の周囲に配置されている。したがって、第2トルクセンサ32によって検出されるアシストトルクTaは、ステアリングホイール2に加えられる操舵トルクの影響を受けない。このため、第2トルクセンサ32は、電動モータ19によって第2ピニオン軸21に与えられるアシストトルクを高精度に検出することができる。これにより、精度の高いトルクフィードバック制御を行うことができる。
図4A、図4Bおよび図4Cは、比較例の特性を示している。
図4Aは、操舵トルクセンサの入出力特性を示すグラフである。図4Aにおいて、横軸はステアリングホイールに加えられる実際の操舵トルクTを示し、縦軸は操舵トルクセンサによって検出される検出操舵トルクThを示している。
比較例では、実トルクセンサは、電動モータよりも下流側において、ピニオン軸の周囲に配置されている。ピニオン軸における電動モータよりも下流側には、電動モータから出力されたモータトルクが減速機を介して伝達されるとともに、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクがコラムシャフトおよび中間軸を介して伝達される。したがって、電動モータによってピニオン軸に与えられるアシストトルクTassistに、操舵トルクセンサによって検出される検出操舵トルクThが加えられたトルク(Tassist+Th)が、実トルクセンサによって検出されることになる。
図5Aは、第1トルクセンサ31の入出力特性を示すグラフである。図5Aにおいて、横軸はステアリングホイール2に加えられる実際の操舵トルクTを示し、縦軸は第1トルクセンサ31によって検出される検出操舵トルクThを示している。
本実施形態では、第1トルクセンサ31は、コラムシャフト7の周囲に配置されている。したがって、第1トルクセンサ31によって検出される検出操舵トルクThは、中間軸8の摩擦fの影響を受けない。このため、本実施形態における第1トルクセンサ31の入出力特性は、図5Aに示すように、図4Aの楕円に比べて幅の狭い楕円を描く。つまり、本実施形態における第1トルクセンサ31は、比較例に比べて、ステアリングホイール2に加えられる操舵トルクを高精度に検出できる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前記実施形態では、第2トルクセンサ32は、電動モータ19から減速機20を介して第2ピニオン軸21に与えられるアシストトルクを検出するように、第2ピニオン軸21の周囲に配置されている。しかし、第2トルクセンサ32は、電動モータ19から出力されるモータトルクをアシストトルクとして検出できるように、配置されてもよい。この場合には、目標アシストトルク設定部42は、電動モータ19から出力されるモータトルクの目標値を、目標アシストトルクとして設定してもよい。
Claims (3)
- 操舵部材の操作に応じて軸方向に移動するラック軸を含む電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵部材に連結されたステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに連結され、第1ピニオンを有する第1ピニオン軸と、
前記ステアリングシャフトとは分離して配置され、第2ピニオンを有する第2ピニオン軸と、
前記第2ピニオン軸を回転させるための電動モータと、
前記ラック軸に設けられ、前記第1ピニオンおよび前記第2ピニオンにそれぞれ噛み合う第1ラックおよび第2ラックと、
前記ステアリングシャフトの周囲に配置され、前記操舵部材に加えられる操舵トルクを検出する第1トルクセンサと、
前記第2ピニオン軸の周囲に配置され、アシストトルクを検出する第2トルクセンサと、
前記第1トルクセンサによって検出される操舵トルクを用いて目標アシストトルクを演算し、前記第2トルクセンサによって検出されるアシストトルクが、前記目標アシストトルクに一致するように、前記電動モータを制御するモータ制御手段とを含む、電動パワーステアリング装置。 - 前記ステアリングシャフトが、前記操舵部材が連結されたコラムシャフトと、一端が前記コラムシャフトに連結され、他端が前記第1ピニオン軸に連結された中間軸とを含み、
前記第1トルクセンサが、前記コラムシャフトの周囲に配置されている、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電動モータは、減速機を介して、前記第2ピニオン軸に連結されている、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
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2014
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