JP2013237210A - 液体吐出装置、検査方法、及び、プログラム - Google Patents

液体吐出装置、検査方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出不良が発生するノズルの状態を詳しく検査すること。
【解決手段】液体を吐出する複数のノズルと、ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応するノズルと連通する圧力室と、圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドと、駆動信号を印加して駆動素子を駆動させることにより、当該駆動素子に対応する圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる制御部であって、同じ駆動素子を複数回駆動させることにより得られる複数の検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応するノズルの液体吐出不良の状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する制御部と、を有する液体吐出装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置、検査方法、及び、プログラムに関する。
液体吐出装置の一例として、ヘッドに設けられたノズルからインク滴を吐出して用紙に画像を印刷するインクジェットプリンター(以下、プリンター)が挙げられる。具体的には、駆動素子の駆動により圧力室内のインクに圧力変化を生じさせることにより、その圧力室に連通するノズルからインク滴が吐出される。このようなプリンターでは、ノズルからのインク溶媒の蒸発によりノズル内のインクが増粘したり、ノズル内に気泡が混入したりして、ノズルからのインクの吐出不良が発生する場合がある。そこで、駆動素子の駆動により圧力室内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動に基づいて、吐出不良が発生する不良ノズルを検査する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−305992号公報
不良ノズルの状態には、ノズルから全くインクが吐出されない不吐出の状態と、ノズルからインクは吐出されるがインクが正常に吐出されない吐出異常の状態、例えば、ノズルから規定量のインクが吐出されなかったり、ノズルから吐出されたインク滴の飛翔方向がずれたりする状態とがある。しかし、これまでの検査方法では、不良ノズルの詳しい状態まで検査されていなかった。そのため、不良ノズルの不良度合いに応じた処理を施すことができない等の問題が生じていた。
そこで、本発明では、液体吐出不良が発生するノズルの状態を詳しく検査することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドと、駆動信号を印加して前記駆動素子を駆動させることにより、当該駆動素子に対応する前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる制御部であって、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる複数の検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの液体吐出不良の状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する制御部と、を有する液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
図1Aは印刷システムの全体構成を示すブロック図であり、図1Bはプリンターの概略斜視図である。 図2Aはヘッドのノズル開口面を示す図であり、図2Bはヘッドを媒体の搬送方向から見た断面図である。 図3Aは駆動素子を駆動するための駆動信号を説明する図であり、図3Bはヘッド制御部を説明する図である。 図4Aは残留振動の波形の一例を示す図であり、図4Bは残留振動検出回路の説明図である。 図5Aは不吐出状態の不良ノズルの残留振動を示す図であり、図5Bは吐出異常状態の不良ノズルの残留振動を示す図である。 実施例1の検査方法を示すフローである。 実施例2で使用する駆動信号COM1,COM2を説明する図である。 図8Aは吐出異常ノズルの残留振動を示し、図8Bは不吐出ノズルの残留振動を示す。 実施例2の検査方法を示すフローである。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドと、駆動信号を印加して前記駆動素子を駆動させることにより、当該駆動素子に対応する前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる制御部であって、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる複数の検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの液体吐出不良の状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する制御部と、を有する液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出不良の度合いに応じた処理を施すことができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記駆動素子を駆動させることにより得られる前記検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生するか否かを判定し、液体吐出不良が発生する前記ノズルに対応する前記駆動素子は再度駆動させ、液体吐出不良が発生しない前記ノズルに対応する前記駆動素子は駆動させないこと。
このような液体吐出装置によれば、検査時間を短縮することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる各前記検出信号のばらつきに基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの状態を判定すること。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出不良が発生するノズルの不良度合いを判定することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる各前記検出信号の周期のばらつきと、第1の閾値とを比較し、前記ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定すること。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出不良が発生するノズルの不良度合いを判定することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、第1の加振力が付与されるように前記駆動素子を駆動させることにより得られる第1の検出信号と、前記第1の加振力よりも強い第2の加振力が付与されるように前記駆動素子を駆動させることにより得られる第2の検出信号と、に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの状態を判定すること。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出不良が発生するノズルの不良度合いを判定することができ、また、液体吐出不良が発生するノズルの検出精度を高めることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記制御部は、前記第1の検出信号の振幅と前記第2の検出信号の振幅との差と第2の閾値とを比較し、前記ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定すること。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出不良が発生するノズルの不良度合いを判定することができる。
また、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドの検査方法であって、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより複数の検出信号を取得することと、当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生する場合に、前記複数の検出信号に基づいて、当該ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定することと、を有する検査方法である。
このような検査方法によれば、液体吐出不良の度合いに応じた処理を施すことができる。
また、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドをコンピューターに検査させるためのプログラムであって、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより複数の検出信号を取得する機能と、当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生する場合に、前記複数の検出信号に基づいて、当該ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する機能と、をコンピューターに実現させるためのプログラムである。
このようなプログラムによれば、液体吐出不良の度合いに応じた処理を施すことができる。
===印刷システム===
「液体装置」をインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1Aは、印刷システムの全体構成を示すブロック図であり、図1Bは、プリンター1の概略斜視図である。図2Aは、ヘッド41のノズル開口面を示す図であり、図2Bは、ヘッド41(一部)を媒体Sの搬送方向から見た断面図である。
プリンター1は、コントローラー10と、搬送ユニット20と、キャリッジユニット30と、ヘッドユニット40と、検出器群50と、を有する。プリンター1はコンピューター60と通信可能に接続されており、コンピューター60内にインストールされているプリンタードライバーが、コンピューター60内のハードウェア資源を利用して、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データを作成したり、印刷データをプリンター1に出力したりする。
プリンター1内のコントローラー10は、プリンター1における全体的な制御を行うためのものである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピューター60との間でデータの送受信を行う。CPU12は、プリンター1の全体的な制御を行うための演算処理装置であり、ユニット制御回路14を介して各ユニットを制御する。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。検出器群50は、プリンター1内の状況を監視し、その検出結果をコントローラー10に出力するためのものである。
搬送ユニット20は、用紙、布、フィルム等の媒体Sを印刷可能な位置に給紙し、媒体Sを搬送方向に搬送するためのものである。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31に搭載されたヘッド41を媒体Sの搬送方向と交差する方向(一般的には直交する方向)に移動するためのものである。
ヘッドユニット40は、媒体Sにインク(液体)を吐出するヘッド41と、ヘッド制御部42と、残留振動検出回路43と、キャップ44と、を有する。図2Bに示すように、ヘッド41内には、インクの流路として、インク滴を吐出する多数のノズルNzと、ノズルNz毎に設けられ且つ対応するノズルNzに連通する圧力室411と、インクの色毎に設けられ且つインクカートリッジからのインクが供給される共通インク室412と、同色のインクを充填する複数の圧力室411と共通インク室412とを繋ぐインク供給口413と、が形成されている。
また、図2Aに示すように、ヘッド41のノズル開口面(ここでは下面)には、ブラックインクを吐出するブラックノズル列Kと、シアンインクを吐出するシアンノズル列Cと、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル列Mと、イエローインクを吐出するイエローノズル列Yとが、形成されている。各ノズル列では、180個のノズルNzが搬送方向に沿って所定の間隔おきに並んでいる。説明のため、各ノズル列において、搬送方向の下流側に位置するノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。
また、ヘッド41では、圧力室411や共通インク室412等が形成された流路形成基板415の下面に、ノズルNzが形成されたノズルプレート414が接着され、流路形成基板415の上面に、振動板416が接着されており、振動板416が圧力室411の天井部を構成している。また、圧力室411毎に、振動板416の上面に駆動素子417が取り付けられている。図2Bに示す駆動素子417は、二つの電極417a,417cで圧電素子417bを挟む構成をしているが、これに限らず、積層型圧電アクチュエーターを駆動素子に適用してもよい。
そして、コントローラー10(制御部)が駆動信号生成回路15で生成した駆動信号COMを駆動素子417に印加すると、その駆動信号COMの電位に応じて、駆動素子417の撓み量が上下方向に変化し、振動板416が上下方向に変位する。その結果、圧力室411の容積が変動し(膨張・収縮し)、圧力室411内のインクに圧力変化が生じ、圧力室411に連通するノズルNzからインク滴が吐出される。
ヘッド制御部42は、ヘッド41の駆動を制御するためのものであり、印刷データに応じて選択的に駆動信号COMを駆動素子417に印加する。残留振動検出回路43は、駆動素子417の駆動により圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動を検出するためのものである(詳細は後述)。
キャップ44は、ホームポジション(移動方向における右側端部の非印刷領域)であり、移動方向に移動するヘッド41のノズル開口面と対向可能な位置に配置されている。キャップ44は、ヘッド41のクリーニング時にはノズルNzから吐出されたインク滴を受けたり、印刷停止時にはヘッド41のノズル開口面に密着してノズルNzを封止することでノズルNzからのインク溶媒の蒸発を抑制したりする。
このような構成のプリンター1において、コントローラー10は、キャリッジ31によりヘッド41を移動方向に移動させつつノズルからインク滴を吐出させる吐出動作と、搬送ユニット20により媒体Sを搬送方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。その結果、先の吐出動作で形成されたドットの位置とは異なる位置に、後の吐出動作でドットが形成されるため、媒体Sに2次元の画像が印刷される。
===ヘッド41の駆動===
図3Aは、駆動素子417を駆動するための駆動信号COMを説明する図であり、図3Bは、ヘッド制御部42を説明する図である。本実施例では、各ノズルNzが1種類のサイズのドットを形成し、媒体S上の1画素(1ドットが形成される単位領域)が2階調で表現されるとする。ノズルNzが媒体S上の1画素と対向する期間を「繰り返し周期t」と呼び、ラッチ信号LATの立ち上がりパルスにより繰り返し周期tが規定される。また、繰り返し周期tは、第1期間t1と第2期間t2と第3期間t3に分かれており、切替信号CHにおいて立ち上がりパルスが発生するタイミングにより各期間t1〜t3が切り替わる。駆動信号COMでは、第1期間t1に微振動波形Waが発生し、第2期間t2に吐出波形Wbが発生し、第3期間t3には待機電位Vsが保持される。
微振動波形Waは、ノズルNzからインク滴を吐出させずに、ノズルNzや圧力室411内のインクを微振動させるための波形である。具体的には、待機電位Vsから第1電位V1まで電位を下降させる波形部により、圧力室411が膨張し、ノズルのメニスカス(ノズル開口から露出しているインクの自由表面)が圧力室411側に引き込まれる。その後、第1電位V1を保持する波形部が駆動素子417に印加されている期間に、メニスカスは自由振動し、ノズルNzからインク滴が吐出されない程度にノズルNz内などのインクが微振動する。よって、ノズルNz内のインクが攪拌され、インクの増粘によるノズルNzの目詰まりを抑制することができる。最後に、第1電位V1から待機電位Vsまで電位を上昇させる波形部により、圧力室411が元の状態に戻る。
吐出波形Wbは、印刷時にノズルNzからインク滴を吐出させるための波形である。具体的に説明すると、待機電位Vsから第2電位V2まで電位を下降させる波形部により、圧力室411が膨張し、圧力室411内のインクの圧力が低下する。その後、第2電位V2から待機電位Vsまで電位を上昇させる波形部により、圧力室411が収縮して圧力室411内のインクの圧力が高まり、ノズルNzからインク滴が吐出される。
ヘッド制御部42は、図3Bに示すように、駆動素子417毎に(ノズルNz毎に)、シフトレジスター421と、ラッチ回路422と、レベルシフター423と、スイッチ424と、を有する。以下、ヘッド制御部42により駆動信号COMが駆動素子417に印加されるまでの流れについて説明する。
まず、或る繰り返し周期tにおける画素データSI(印刷データ)がコントローラー10からヘッド制御部42にシリアル転送される。なお、画素データSIは、例えば、画素にドットを形成することを示すデータ[1]であったり、画素にドットを形成しないことを示すデータ[0]であったりする。そして、各駆動素子417に割り当てられる画素データSIが、その駆動素子417に対応するシフトレジスター421によって保持される。
次に、ラッチ信号LATに基づいて、ラッチ回路422が、シフトレジスター421に格納されている画素データSIを保持し、画素データSIに応じた論理信号をレベルシフター423に出力する。レベルシフター423は、ラッチ回路422から出力される論理信号と切替信号CHに基づいて、スイッチ424のオン・オフ動作を制御するためのスイッチ制御信号SWを出力する。レベルシフター423は切替信号CHの立ち上がりパルスが発生するタイミングでスイッチ制御信号SWの内容を切り替える。また、複数のスイッチ424の一端側の端子は共通接続され、駆動信号生成回路15で生成された共通の駆動信号COMが各スイッチ424に入力される。また、各スイッチ424の他端側の端子は、対応する駆動素子417の一端側の電極にそれぞれ接続されている。駆動素子417の他端側の電極は、共通接続されて(グランド端HGND)、残留振動検出回路43に接続されている。そして、スイッチ424がオン(接続)している期間は駆動信号COMが駆動素子417に印加され、スイッチ424がオフ(非接続)している期間は駆動信号COMが駆動素子417に印加されない。
例えば、印刷時に、画素にドットを形成することを示す画素データSI[1]が割り当てられている場合、繰り返し周期tの第2期間t2にスイッチ424がオンし、駆動信号COMが駆動素子417に印加され、吐出波形WbによりノズルNzからインク滴が吐出される。逆に、画素にドットを形成しないことを示す画素データSI[0]が割り当てられている場合、繰り返し周期tの第1期間t1にスイッチ424がオンし、第1期間t1に駆動信号COMが駆動素子417に印加される。よって、微振動波形WaによりノズルNzからインク滴が吐出されない程度にノズルNz内のインクが微振動する。このように、画素データSIに応じて各ノズルNzからのインク滴の吐出を制御することができる。
===不良ノズルとクリーニング処理===
<<不良ノズル>>
印刷中の使用頻度が低いノズルNzからは比較的に長い時間に亘ってインク滴が吐出されず、その間にノズルNzからインクの溶媒が蒸発し、ノズルNzや圧力室411内のインクが増粘して、ノズルNzが目詰まりする場合がある。そうすると、ノズルNzから全くインクが吐出されなくなったり、規定量からずれた量のインクが吐出されたり、ノズルNzから吐出されたインク滴の飛翔方向がずれて着弾位置がずれたりと、インクの吐出不良が発生してしまう。
また、圧力室411内に気泡が混入する場合がある。この場合、駆動素子417に駆動信号COMを印加して圧力室411を膨張・収縮させても、圧力室411内のインクを適切に加圧することができず、インクの吐出不良が発生してしまう。このように増粘インクや気泡混入により吐出不良が発生するノズルを使用して画像を印刷すると、印刷画像の画質が劣化してしまう。
<<クリーニング処理>>
そのため、インクの増粘や気泡の混入により不良ノズルが発生した場合、不良ノズルから正常にインク滴が吐出されるように、ヘッド41のクリーニング処理を実施するとよい。本実施例のプリンター1は、ヘッド41のクリーニング処理として、フラッシング処理とポンプ吸引処理を実施する。
フラッシング処理とは、ヘッド41をホームポジションに移動し、キャップ44に向けてノズルNzから強制的にインク滴を吐出させる処理である。例えば、図3に示す吐出波形Wbを連続して駆動素子417に印加する。そうすることで、ノズルNzから増粘インクや気泡が排出され、不良ノズルを正常なノズルに回復させることができる。
ポンプ吸引処理とは、キャップ44の上面に形成されている凹部でノズルNzを囲うようにキャップ44とヘッド41を密着させた後に、キャップ44の凹部とヘッド41のノズル面との間に形成された密閉空間内の空気をポンプで吸引する処理である。そうすることで、密閉空間内が負圧となり、ノズルNzから増粘インクや気泡が排出され、不良ノズルを正常なノズルに回復させることができる。
===残留振動検出回路43===
図4Aは、駆動素子417の駆動により圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動の波形の一例を示す図であり、図4Bは、残留振動を検出する残留振動検出回路43の説明図である。図4Aに示すグラフでは、縦軸が残留振動の振幅を示し、横軸が時間を示す。また、図4Aには、ノズルNzから正常にインク滴が吐出される場合の残留振動の波形(正常)と、ノズルNzや圧力室411内に気泡が混入してノズルNzからインクが吐出されない場合の残留振動の波形(気泡)と、ノズルNzや圧力室411内のインクが増粘してノズルNzからインクが吐出されない場合の残留振動の波形(増粘)と、が示されている。駆動素子417に駆動信号COM(例:吐出波形Wb)を印加して駆動素子417を駆動させ、その駆動素子417に対応する圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせると、その後に、圧力室411内のインクや振動板416に残留振動(自由振動)が発生する。この残留振動の発生の仕方によって、ノズルNzや圧力室411内の状態を知ることができる。
振動板416の残留振動を想定した単振動の計算モデルに圧力Pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式(1)〜(3)が得られる。
Figure 2013237210
なお、流路抵抗rは、インク供給口413や圧力室411、ノズルNz等の流路形状やこれら流路におけるインクの粘度により決定し、イナータンスmは、インク供給口413や圧力室411、ノズルNz等の流路内におけるインク重量により決定し、コンプライアンスCは、振動板416の柔軟性によって決定する。
例えば、圧力室411やノズルNz内への気泡混入によりインクの不吐出が発生する場合、気泡が混入した分だけインク重量(イナータンスm)が減少するため、上記の式(2)で示されるように角速度ωが大きくなり、振動周期が短くなる(振動周波数が高くなる)。従って、図4Aに示すように、気泡混入による不吐出時の残留振動の周期Tbは、正常時の残留振動の周期Tgよりも短くなる(Tb<Tg)。
一方、圧力室411やノズルNz内のインクが乾燥により増粘してインクの不吐出が発生する場合、流路抵抗rが増加するため、振幅が小さくなる(減衰率が大きくなる)。また、上記の式(2),(3)で示されるように角速度ωが小さくなり、振動周期が長くなる(振動周波数が低くなる)。従って、図4Aに示すように、インク増粘による不吐出時の残留振動の周期Tvは、正常時の残留振動の周期Tgよりも長くなる(Tv>Tg)。
以上のように、残留振動によってノズルNzや圧力室411内の状態を知ることができる。そこで、本実施例のプリンター1では、残留振動検出回路43が、駆動素子417の駆動により圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動を検出し、その検出結果に基づいて、コントローラー10がノズルの状態を検査する。具体的には、残留振動検出回路43は、振動板416の残留振動による圧電素子417b(駆動素子417)の機械的変位を、圧電素子417bの起電圧の変化として検出する。なお、図3Bに示すように、複数の駆動素子417に対して残留振動検出回路43が共通に設けられており、各駆動素子417のグランド側の電極が共通接続されて(グランド端HGND)、残留振動検出回路43に接続されている。
また、残留振動検出回路43は、駆動素子417のグランド端HGNDを接地または開放するスイッチ432(Nチャンネル型MOSFET)と、スイッチ432と電気的に並列に接続された抵抗R1と、駆動素子417(圧電素子417b)の起電圧のうち交流成分を増幅する交流増幅器431と、を有する。交流増幅器431は、駆動素子417の起電圧に含まれる直流成分を除去するコンデンサーCと、直流成分が除去された交流成分を増幅する増幅器Ampとで構成されている。
例えば、ある検査ノズルの残留振動を検出する場合、駆動信号COMをヘッド制御部42に送信し、繰り返し周期tの第2期間t2において、その検査ノズルに対応するヘッド制御部42(図3B)内のスイッチ424をオンにする。また、図3Aに示すように、ゲート信号DSELをHレベルにし、残留振動検出回路43内のスイッチ432をオンにする。そうすることで、駆動素子417のグランド端HGNDが接地された状態となり、検査ノズルに対応する駆動素子417に駆動信号COM(吐出波形Wb)が印加されて駆動素子417が駆動し、検査ノズルに対応する圧力室411内のインクに圧力変化が生じる。
その後、繰り返し周期tの第3期間t3において、駆動信号COMの電圧を一定(Vs)にし、検査ノズルに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424のみをオンにする。また、ゲート信号DSELをLレベルにして残留振動検出回路43内のスイッチ432をオフにし、駆動素子417のグランド端HGNDをグランドから切り離す。そうすることで、検査ノズルに対応する駆動素子417の起電圧(即ち、残留振動に応じた起電圧)が、残留振動検出回路43により取り出される。駆動素子417の起電圧は、交流増幅器431で増幅された後に(VOUT)、コントローラー10に送信される。コントローラー10に送信される検出信号VOUTは、駆動素子417の駆動により、その駆動素子417に対応する圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動に応じた信号である。よって、コントローラー10は、受信した検出信号VOUTに基づいて、検査ノズル及び圧力室411内の状態を検査する。
以下の実施例では、プリンター1内のコントローラー10(制御部,コンピューターに相当)が、例えば、メモリー13に記憶されているプログラムに従って、残留振動検出回路43からの検出信号VOUTに基づき、ノズルからのインク吐出不良を検査する。ただし、これに限らず、プリンター1に接続されたコンピューター60が残留振動検出回路43からの検出信号VOUTに基づきノズルの検査を実施してもよい。また、以下の実施例では、印刷停止時に(例えば、印刷開始前に)ノズルが検査されるとし、ヘッド41のノズル開口面(図2A)に形成されているノズル列の中の1ノズル列を検査する場合を例に挙げて説明する。
===実施例1:検査方法===
図5Aは、不吐出状態の不良ノズルにて発生する残留振動(検出信号VOUT)の波形の一例を示す図であり、図5Bは、吐出異常状態の不良ノズルにて発生する残留振動の波形の一例を示す図である。図6は、実施例1の検査方法を示すフローである。なお、図5の横軸は時間を示し、縦軸は残留振動の振幅(電圧)を示す。また、以下の説明では、残留振動検出回路43からの検出信号VOUTにおいて、基準電圧V0である或る地点から2回目に基準電圧V0に達する地点までの長さを「周期」と呼び、検出信号VOUTから最初に得られる周期を第1周期T1と呼び、それ以降に得られる周期を順に第2周期T2,第3周期T3…と呼ぶ。
インク吐出不良が発生する「不良ノズル」には、不良の度合いが重く、ノズルから全くインクが吐出されない「不吐出状態」と、不良の度合いが軽く、ノズルからインクは吐出されるが、規定量のインクが吐出されなかったり、インク滴の飛翔方向がずれて着弾位置がずれたりする「吐出異常状態」とがある。図5Aは、不吐出状態の不良ノズル(以下、「不吐出ノズル」ともいう)に対応する駆動素子417を2回駆動させたことにより残留振動検出回路43から得られた検出信号VOUTを示し、図5Bは、吐出異常状態の不良ノズル(以下、「吐出異常ノズル」ともいう)に対応する駆動素子417を2回駆動させたことにより残留振動検出回路43から得られた検出信号VOUTを示す。
図5Aに示すように、不吐出ノズルに対応する駆動素子417の1回目の駆動により得られた検出信号VOUTと2回目の駆動により得られた検出信号VOUTは、ほぼ同じ形状の波形となる。具体的には、1回目の検出信号VOUTの第1周期T1と2回目の検出信号VOUTの第1周期T1が同等の長さとなっている。ただし、前述の図4Aに示すように、不吐出ノズルで発生する残留振動の周期は、正常ノズルで発生する残留振動の周期に比べて短くなったり長くなったりする。また、各検出信号VOUTの第1周期T1は、それ以降の周期T2,T3…とも同等の長さとなっている。よって、例えば、1回目の検出信号VOUTの第2周期T2と2回目の検出信号VOUTの第2周期T2も同等の長さとなり、1回目の検出信号VOUTの第3周期T3と2回目の検出信号VOUTの第3周期T3も同等の長さとなっている。つまり、不吐出ノズルで発生する残留振動では、周期が安定して一定の長さとなっている。
このように、不吐出ノズルに対応する駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号VOUT(残留振動)は安定しており、ほぼ同じ形状の波形が得られる。これは、不吐出ノズルでは、ノズルからインクが吐出されないほどに、気泡や増粘インクの塊が大きかったり、増粘インクが固化していたりして、それらの位置や状態が振動により変化し難いからと考えられる。
これに対して、図5Bに示すように、吐出異常ノズルに対応する駆動素子417の1回目の駆動により得られた検出信号VOUTと2回目の駆動により得られた検出信号VOUTは、異なる形状の波形となる。図5Bに示す例では、例えば、1回目の検出信号VOUTの第1周期T1は基準周期Tsよりも長いのに対して、2回目の検出信号VOUTの第1周期T1は基準周期Tsよりも短く、また、1回目の検出信号VOUTの第2周期T2は基準周期Tsよりも短いのに対して、2回目の検出信号VOUTの第2周期T2は基準周期Tsよりも長くなっている。即ち、1回目の検出信号VOUTと2回目の検出信号VOUTとで対応する周期(例えば第1周期T1同士)の長さが異なり、また、各検出信号VOUTの第1周期T1は、それ以降の周期T2,T3…と異なる長さになっている。つまり、吐出異常ノズルで発生する残留振動では、周期がばらついている。
このように、吐出異常ノズルに対応する駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号VOUT(残留振動)は安定せずにばらつき、駆動素子417を駆動させる度に異なる形状の波形が得られる。これは、吐出異常ノズルでは、気泡や増粘インクの塊が小さかったり、増粘インクの固化具合が小さかったりして、それらの位置や状態が振動により変化し易いからと考えられる。
そこで、実施例1では、同じ駆動素子417を2回駆動させることにより得られる2つの検出信号VOUTの周期のばらつきに基づいて、不良ノズルの状態が、不吐出状態であるのか、もしくは、吐出異常状態であるのかを判定する。以下、図6のフローに従って実施例1の検査方法について具体的に説明する。
まず、コントローラー10は、ヘッド41のノズル開口面をホームポジションのキャップ44に対向させた状態で、検査対象のノズル列に属するノズル#1〜#180の中から検査対象ノズル#nを設定する。例えば、1番ノズル#1から順に検査する。そして、検査対象ノズル#nに対応する駆動素子417を吐出波形Wb(図3A)で駆動する(S001)。そのために、コントローラー10は、駆動信号生成回路15で生成した駆動信号COMをヘッド制御部42(図3B)に送信し、また、繰り返し周期tの第2期間t2において検査対象ノズル#nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424がオン(接続状態)となるように、ヘッド制御部42に画素データSIを送信する。なお、検査時の画素データSIは、コントローラー10が作成するようにしてもよいし、プリンタードライバーが作成するようにしてもよい。また、コントローラー10は、第2期間t2において、ゲート信号DSELをHレベルにし、残留振動検出回路43内のスイッチ432をオンにする。その結果、検査対象ノズル#nに対応する駆動素子417に吐出波形Wbが印加される。なお、検査対象ノズル#n以外のノズルのインク増粘を防止するために、検査対象ノズル#n以外のノズルに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424を第1期間t1にオンにし、駆動素子417に微振動波形Waが印加されるようにしてもよい。
その後、コントローラー10は、繰り返し周期tの第3期間t3において、検査対象ノズル#nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424をオンにし、また、ゲート信号DSELをLレベルにして、残留振動検出回路43内のスイッチ432をオフにする。なお、第3期間t3では、残留振動を検出したい検査対象ノズル#nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424のみをオンにする。その結果、吐出波形Wbが印加された後の振動板416の残留振動により発生する駆動素子417(圧電素子417b)の起電圧、即ち、検査対象ノズル#nの残留振動に応じた電圧が、グランド端HGNDから残留振動検出回路43に入力され、交流増幅器431で増幅される。コントローラー10は、残留振動検出回路43から出力される検出信号VOUTを取得し、検出信号VOUTの第1周期を検査対象ノズル#nの残留振動の周期Tc1として求める(S002)。なお、検出信号VOUTの第1周期に限らず、それ以降の周期を検査対象ノズル#nの残留振動の周期Tc1としてもよい。
前述の図4Aに示すように、検査対象ノズル#nに気泡混入による吐出不良が発生している場合、残留振動の周期は短くなり、検査対象ノズル#nにインク増粘による吐出不良が発生している場合、残留振動の周期は長くなる。そこで、コントローラー10は、検査対象ノズル#nの残留振動から検出した周期Tc1が正常範囲内であるか否かを、閾値D1,D2と比較することにより判定する。なお、閾値D1,D2は、正常ノズルや不良ノズルからの検出信号VOUTに基づき、インクの特性や駆動信号COMの波形形状などに応じて予め設定されているとする。
具体的には、検出周期Tc1が第1閾値D1よりも大きく且つ第2閾値D2よりも小さい場合に(S003→YES)、コントローラー10は、検査対象ノズル#nにインクの吐出不良が発生しておらず、検査対象ノズル#nが正常ノズルであると判定する(S004)。逆に、検出周期Tc1が、第1閾値D1以下であったり、第2閾値D2以上であったりする場合(S003→NO)、コントローラー10は、検査対象ノズル#nに気泡混入やインク増粘による吐出不良が発生しており、検査対象ノズル#nが不良ノズルであると判定する(S005)。こうして検査対象ノズル#nの検査が終了した後、コントローラー10は、未検査のノズルを新たに検査対象ノズル#nに設定して検査する。そして、検査対象のノズル列に属する全ノズル#1〜#180の検査が終了するまで(S006→YES)、上記の処理(S001〜S006)が繰り返される。
次に、コントローラー10は、1回目の検査(S001〜S006)において不良ノズルと判定したノズルに対して、その不良ノズルの状態が、不吐出状態であるのか、それとも、吐出異常状態であるのかを判定する。そのために、まず、コントローラー10は、1回目の検査の結果、不良ノズルと判定したノズルの有無を判断し(S007)、不良ノズルと判定したノズルが無かった場合には(S007→NO)、全体の検査を終了する。
不良ノズルと判定したノズルが有った場合(S007→YES)、コントローラー10は、不良ノズルと判定したノズルの中から検査対象ノズル#Nを設定し、検査対象ノズル#Nに対応する駆動素子417を吐出波形Wbで駆動する(S008)。そのために、コントローラー10は、駆動信号生成回路15で生成した駆動信号COMをヘッド制御部42に送信し、また、繰り返し周期tの第2期間t2において、検査対象ノズル#Nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424をオンにし、ゲート信号DSELをHレベルにして残留振動検出回路43内のスイッチ432をオンにする。その結果、検査対象ノズル#Nに対応する駆動素子417に吐出波形Wbが印加される。
その後、コントローラー10は、繰り返し周期tの第3期間t3において、検査対象ノズル#Nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424をオンにし、また、ゲート信号DSELをLレベルにして、残留振動検出回路43内のスイッチ432をオフにする。その結果、吐出波形Wbが印加された後の振動板416の残留振動により発生する駆動素子417の起電圧、即ち、検査対象ノズル#Nの残留振動に応じた電圧が、グランド端HGNDから残留振動検出回路43に入力され、交流増幅器431で増幅される。コントローラー10は、残留振動検出回路43から出力される検出信号VOUTを取得し、検出信号VOUTの第1周期を検査対象ノズル#Nの残留振動の周期Tc2として求める(S009)。
そして、コントローラー10は、検査対象ノズル#Nの検出周期Tc2が正常範囲内である場合、即ち、検出周期Tc2が第1閾値D1よりも大きく且つ第2閾値D2よりも小さい場合(S010→YES)、検査対象ノズル#Nを正常ノズルに切り換える(S015)。このように1回目の検査時には不良ノズルと判定されたノズルが2回目の検査では正常ノズルと判定される場合がある。これは、例えば、1回目の検査時に小さい気泡が混入していたことにより吐出不良が発生していた場合、時間の経過と共に気泡が消滅したり、1回目の検査時に少量のインクが増粘していたことにより吐出不良が発生していた場合、その増粘インクが1回目の検査時にノズルから排出されたりするからである。
一方、検出周期Tc2が第1閾値D1以下であったり第2閾値D2以上であったりする場合(S010→NO)、コントローラー10は検査対象ノズル#Nが不良ノズルであると判定する。そして、コントローラー10は、検査対象ノズル#Nに対応する駆動素子417の1回目の駆動(S001)で得られた検出信号VOUTの周期と2回目の駆動(S008)で得られた検出信号VOUTの周期のばらつきσを取得する(S011)。本実施例では、1回目の駆動で得られた検出信号VOUTの第1周期T1から第5周期T5と2回目の駆動で得られた検出信号VOUTの第1周期T1から第5周期T5の標準偏差(即ち、10個の周期の標準偏差)を周期のばらつきσとする。
前述のように、不吐出ノズルで発生する残留振動(図5A)は安定しており周期にばらつきが生じないのに対して、吐出異常ノズルで発生する残留振動(図5B)は安定しておらず周期にばらつきが生じる。そこで、コントローラー10は、検査対象ノズル#Nの残留振動における周期のばらつきσと第3閾値D3(第1の閾値に相当)とを比較し、周期のばらつきσが第3閾値D3よりも大きい場合に(S012→YES)、検査対象ノズル#Nが吐出異常ノズルであると判定し(S013)、周期のばらつきσが第3閾値D3以下の場合に(S012→NO)、検査対象ノズル#Nが不吐出ノズルであると判定する(S014)。なお、第3閾値D3は、不吐出ノズルや吐出異常ノズルの検出信号VOUTに基づき予め設定されているとする。
なお、本実施例では、1回目と2回目の検出信号VOUTの各5個の周期T1〜T5の標準偏差を周期のばらつきσとしているがこれに限らず、例えば、5個よりも少ない数又は多い数の周期の標準偏差を周期のばらつきσとしてもよいし、1回目の検出信号VOUTと2回目の検出信号VOUTとで、ばらつきσを求める周期の数を異ならせてもよい。また、周期のばらつきσを標準偏差とするに限らず、周期のばらつきσを表すものであればよい。例えば、1回目と2回目の検出信号VOUTの各5個の周期T1〜T5と基準周期Tsとの差(絶対値)をそれぞれ求め、その差の合計値を周期のばらつきσとしてもよい。また、例えば、1回目の検出信号VOUTと2回目の検出信号VOUTとで対応する周期(例:第1周期T1同士や第2周期T2同士)の差を複数求め、その差の合計値を周期のばらつきσとしてもよい。これらの場合にも、周期のばらつきσが閾値よりも大きいときには吐出異常ノズルであると判定し、閾値以下のときには不吐出ノズルであると判定することができる。
このように、検査対象ノズル#Nが不良ノズルである場合、駆動素子417の2回の駆動により得られる2つの検出信号VOUTの周期のばらつきσに基づいて、検査対象ノズル#Nの状態が、不吐出状態であるのか、それとも、吐出異常状態であるのかが判定される。コントローラー10は、1回目の検査で不良ノズルと判定した全ノズルに対して2回目の検査を実施するまで(S016→YES)、上記の処理(S008〜S016)を繰り返す。
以上のように、実施例1では、コントローラー10(制御部)が、同じ駆動素子417を複数回(ここでは2回)駆動させることにより得られる複数の検出信号VOUTに基づいて、その駆動素子417に対応するノズルのインク吐出不良の状態が、インクが吐出されない不吐出状態であるのか、もしくは、インクは吐出されるが吐出が正常でない吐出異常状態であるのかを判定する。なお、インク増粘や気泡混入の発生場所が、ノズルNz内ではなく、インク供給口413や圧力室411内であっても、計算モデルにおける角速度ωが変化する。よって、検査対象ノズルの状態が不吐出状態であるのか吐出異常状態であるのかを判定するということは、単にノズルNz内のインク増粘や気泡混入の判定だけでなく、インク供給口413や圧力室411内のインク増粘や気泡混入を判定することも含まれる。
そして、具体的には、コントローラー10は、同じ駆動素子417を複数回駆動させることにより得られる各検出信号VOUTの周期のばらつきσと第3閾値D3(第1の閾値に相当)とを比較することにより、ノズルの状態が不吐出状態であるのか吐出異常状態であるのかを判定する。ここでは、検出信号VOUTの周期のばらつきσが第3閾値D3以下の場合に、ノズルの状態が不吐出状態であると判定し、周期のばらつきσが第3閾値D3よりも大きい場合に、ノズルの状態が吐出異常状態であると判定する。
つまり、実施例1では、不良ノズルを検出するだけでなく、不良ノズルの不良度合いまで特定し、不良ノズルの状態を詳しく検査する。なお、周期のばらつきσと第3閾値D3との比較の仕方はこれに限らず、例えば、ばらつぎσが閾値よりも小さい場合に不吐出状態であると判定し、ばらつきσが閾値以上の場合に吐出異常状態であると判定してもよい。また、周期のばらつき求め方や閾値を適宜設定することで、これらの大小関係を逆にしてもよく、ばらつきと閾値との比較で判定すればよい。
そのため、実施例1では、不良ノズルの不良度合いに応じた処理を施すことができる。例えば、不吐出ノズルが検出された場合には、ヘッド41のクリーニング処理(例:ポンプ吸引処理やフラッシング処理)を実施するのに対して、吐出異常ノズルのみが検出された場合には、その吐出異常ノズルの使用を所定の時間に亘って停止する。即ち、印刷を所定の時間に亘って中断したり、吐出異常ノズルに割り当てられている画素データSIを他のノズルに割り当てたりする。そうすることで、吐出異常ノズルの使用を停止している期間に気泡が消滅し、吐出異常ノズルを正常ノズルに回復させることができる。よって、不良ノズルによる印刷画像の画質劣化を防止することができ、また、吐出異常ノズルのみが検出された場合には、クリーニング処理によるインクの消費量を抑えることができる。
また、例えば、不吐出ノズルが検出されたときに比べて、吐出異常ノズルのみが検出されたときには、ヘッド41のクリーニング処理の時間を短縮してもよい。つまり、不良ノズルの度合いに応じてクリーニング処理の強度を調整することで、クリーニング処理によるインクの消費量を抑えることができる。
また、例えば、吐出異常ノズルが不吐出になるまでのインク吐出回数や使用時間の限界値を設定してもよい。そして、不吐出ノズルが検出された場合には、その不吐出ノズルの使用を直ぐに停止したり、クリーニング処理を実施したりするのに対して、吐出異常ノズルが検出された場合には、その限界値を超えるまで印刷を続行し、限界値を超えた時点で吐出異常ノズルの使用を停止したりクリーニング処理を実施したりするようにしてもよい。
また、吐出異常ノズルによる画質劣化は不吐出ノズルによる画質劣化に比べて小さい。そのため、吐出異常ノズルが検出された場合、ユーザーにその事を報知し、印刷を続行するか、又は、クリーニング処理に移行するかを、ユーザーに選択させてもよい。そうすることで、ユーザーの状況に応じて、画質よりも速度を優先させたり、速度よりも画質を優先させたりすることができる。
また、吐出異常ノズルが検出された場合には、ユーザーにその事を報知するとよい。そうすることで、不良ノズルと判定されたノズル(吐出異常ノズル)からインクが吐出されていることで、検査が正確に実施されていないとユーザーに誤解させてしまうことを防止できる。
また、実施例1では、コントローラー10は、駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号VOUTに基づいて、その駆動素子417に対応するノズルにインク吐出不良が発生するか否かを判定した後に、インク吐出不良が発生する不良ノズルに対応する駆動素子417は再度駆動させ、インク吐出不良が発生しない正常ノズルに対応する駆動素子417は駆動させない。つまり、1回目の検査で不良ノズルと判定したノズルに対してのみ2回目の検査を実施する。このように、不良度合いを判定する必要のある不良ノズルに関しては複数の検出信号VOUTを取得するが、不良度合いを判定する必要のない正常ノズルに関しては複数の検出信号VOUTを取得しないことで、全体の検査時間を短縮することができ、また、検査で消費されるインク量を抑えることができる。
また、不良ノズルは、検査中にインク滴と共に気泡や増粘インクがノズルから排出されたり、インク内の気泡が消滅したりする等して、状態が変わり易い。そのため、2回目の検査で得られた検出信号VOUTに基づいて、再度、検査対象ノズル#Nが不良ノズルであるのか否かを判定するとよい(図6のS010)。つまり、2回検査を実施することで、状態の変わり易い不良ノズルの検出精度を高めることができる。よって、正常ノズルが誤って不良ノズルとされてしまうことがなくなり、検査が正確に実施されていないとユーザーに誤解させてしまうことを防止できる。
また、本実施例1では検出信号VOUTの周期のばらつきσに基づいて不良ノズルの不良度合いを判定しているが、これに限らず、同じ駆動素子417を複数回駆動させることにより得られる複数の検出信号VOUTの他のばらつきに基づいて不良ノズルの不良度合いを判定するようにしてもよい。
吐出異常ノズルで発生する残留振動(図5B)では、1回目と2回目の検出信号VOUTの最初の振幅は同程度であるが(a1≒a3,a2≒a4)、それ以降の振幅はばらついている。なお、振幅とは、基準電圧V0から極大点(電圧変化が上昇から下降に転じる点)までの電圧差や、基準電圧V0から極小点(電圧変化が下降から上昇に転じる点)までの電圧差や、極小点から極大点までの電圧差とする。そこで、例えば、1回目と2回目の検出信号VOUTの第2周期T2から第5周期T5までの各周期における振幅のばらつき(例:標準偏差)を検出信号VOUTのばらつきとして、不良ノズルの不良度合いを判定するようにしてもよい。
また、吐出異常ノズルで発生する残留振動(図5B)では、1回目と2回目の検出信号VOUTの対応する周期(例:第1周期T1同士や第2周期T2同士)で、各周期に存在する極大点及び極小点の数が異なる。そこで、例えば、1回目と2回目の検出信号VOUTの対応する周期の極大点及び極小点の数の差を複数求め、その複数の差の合計値を検出信号VOUTのばらつきとして、不良ノズルの不良度合いを判定するようにしてもよい。
===実施例2:検査方法===
図7は、実施例2で使用する駆動信号COM1,COM2を説明する図であり、図8Aは、吐出異常ノズルで発生する残留振動の波形の一例を示し、図8Bは、不吐出ノズルで発生する残留振動の波形の一例を示す。図9は、実施例2の検査方法を示すフローである。実施例2では、駆動信号生成回路15が2種類の駆動信号COM1,COM2を生成する。第1駆動信号COM1では、第1期間t1に微振動波形Waが発生し、第2期間t2に吐出波形Wbが発生し、第3期間t3に待機電位Vsが保持される。第2駆動信号COM2では、第1期間t1に微振動波形Waが発生し、第2期間t2に強振波形Wcが発生し、第3期間t3に待機電位Vsが保持される。
強振波形Wcは、吐出波形Wbと同様に、待機電位Vsから第2電位V2まで電位を下降させる波形部により圧力室411を膨張させ、第2電位V2から待機電位Vsまで電位を上昇させる波形部により圧力室411を収縮させて、圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせる。ただし、強振波形Wcの方が、吐出波形Wbに比べて、波形部の傾きが急である。即ち、単位時間当たりの電圧変化量が大きい。そのため、強振波形Wcの方が、吐出波形Wbに比べて、駆動素子417を勢い良く駆動させることができ、圧力室411内のインクの圧力も勢い良く変化させることができる。よって、その後に圧力室411(振動板416)や圧力室411内のインクにて発生する残留振動が大きくなり、振動板416の残留振動が伝達される駆動素子417の振動も大きくなる。つまり、強振波形Wcは、吐出波形Wbに比べて、振動板416や駆動素子417等に強い加振力を付与することのできる波形である。
なお、本実施例では、強振波形Wcの加振力を強くするために、圧力室411を膨張・収縮させる波形部の傾きを急にしているが、これに限らない。例えば、強振波形Wcの電圧変化量を吐出波形Wbの電圧変化量よりも大きくすることにより、強振波形Wcの加振力を強めてもよい。
図8Aの左図は、吐出異常ノズルに対応する駆動素子417を吐出波形Wbで駆動することにより得られた残留振動の波形を示し、図8Aの右図は、吐出異常ノズルに対応する駆動素子417を強振波形Wcで駆動することにより得られた残留振動の波形を示す。図8Bの左図は、不吐出ノズルに対応する駆動素子417を吐出波形Wbで駆動することにより得られた残留振動の波形を示し、図8Bの右図は、不吐出ノズルに対応する駆動素子417を強振波形Wcで駆動することにより得られた残留振動の波形を示す。
吐出異常ノズルで発生する残留振動では(図8A)、吐出波形Wbで駆動した場合と強振波形Wcで駆動した場合とで波形の形状は異なるが、各検出信号VOUTの最初の振幅の差はあまり生じないという結果が得られた(a1≒a3,a2≒a4)。これに対して、不吐出ノズルで発生する残留振動では(図8B)、吐出波形Wbで駆動した場合の検出信号VOUTにおける最初の振幅(a6やa5)に比べて、強振波形Wcで駆動した場合の検出信号VOUTにおける最初の振幅(a8やa7)の方が大きくなるという結果が得られた(a6<a8,a5<a7)。
これは、吐出異常ノズルからはインクが吐出されるため、インクの吐出と共に圧力室411内の圧力が低下するので、吐出波形Wbによる駆動と強振波形Wcによる駆動とで振幅に変化が生じないのに対して、不吐出ノズルからはインクが吐出されないため、インクの吐出による圧力損失が生じず、強振波形Wcによる駆動で振幅が大きくなると考えられる。また、例えば、気泡混入により不吐出が発生している場合、強振波形Wcで駆動素子417を駆動することにより気泡が大きくなり、短いインク流路間で振幅が大きくなると考えられる。
そこで、実施例2では、駆動素子417を吐出波形Wbで駆動させることにより得られる検出信号VOUTと、駆動素子417を強振波形Wcで駆動させることにより得られる検出信号VOUTとに基づいて、不良ノズルの状態が、不吐出状態であるのか、もしくは、吐出異常状態であるのかを判定する。以下、図9のフローに従って実施例2の検査方法について具体的に説明する。
まず、コントローラー10は、前述の実施例1と同様に(図6のS001〜S006)、検査対象のノズル列に属する全ノズル#1〜#180に対応する駆動素子417を吐出波形Wbで順に駆動し、不良ノズルか否かの判定(1回目の検査)を行う(S101)。即ち、検査対象ノズル#nに対応する駆動素子417に吐出波形Wbを印加することで得られる残留振動の検出周期Tc1が第1閾値D1よりも大きく且つ第2閾値D2よりも小さい場合には、検査対象ノズル#nを正常ノズルと判定し、検出周期Tc1がそれ以外の範囲である場合には、検査対象ノズル#nを不良ノズルと判定する。
なお、コントローラー10は、吐出波形Wbによる1回目の検査において不良ノズルと判定したノズルに対しては、2回目の検査のために、そのノズルの残留振動の振幅A1を取得しておく。本実施例では、検出信号VOUTの最初の極小点と基準電圧V0との電圧差(例えば図8Aのa2)を振幅とする。ただし、これに限らず、例えば、検出信号VOUTの最初の極大点と基準電圧V0との電圧差を振幅としてもよいし、検出信号VOUTの最大電圧と最小電圧との電圧差(例えば図8Aのa1)を振幅としてもよい。
その後、コントローラー10は、吐出波形Wbによる1回目の検査の結果、不良ノズルと判定したノズルの有無を判断する(S102)。不良ノズルと判定したノズルが無い場合(S102→No)、コントローラー10は全体の検査を終了する。一方、不良ノズルと判定したノズルが有った場合(S102→YES)、コントローラー10は、1回目の検査で不良ノズルと判定したノズルの中から検査対象ノズル#Nを設定し、検査対象ノズル#Nに対応する駆動素子417を強振波形Wcで駆動する(S103)。そのために、コントローラー10は、駆動信号生成回路15で生成した第2駆動信号COM2をヘッド制御部42に送信し、また、繰り返し周期tの第2期間t2において、検査対象ノズル#Nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424をオンにし、ゲート信号DSELをHレベルにして残留振動検出回路43内のスイッチ432をオンにする。その結果、検査対象ノズル#Nに対応する駆動素子417に強振波形Wcが印加される。
その後、コントローラー10は、繰り返し周期tの第3期間t3において、検査対象ノズル#Nに対応するヘッド制御部42内のスイッチ424をオンにし、また、ゲート信号DSELをLレベルにして、残留振動検出回路43内のスイッチ432をオフにする。その結果、強振波形Wcが印加された後の振動板416の残留振動により発生する駆動素子417の起電圧、即ち、検査対象ノズル#Nの残留振動に応じた電圧が、グランド端HGNDから残留振動検出回路43に入力され、交流増幅器431で増幅される。コントローラー10は、残留振動検出回路43から出力される検出信号VOUTを取得し、検出信号VOUTの周期(ここでは最初の周期)を検査対象ノズル#Nの残留振動の周期Tc2として求め、また、検出信号VOUTの振幅(ここでは最初の極小点と基準電圧V0との電圧差)を検査対象ノズル#Nの残留振動の振幅A2として求める(S104)。
そして、コントローラー10は、検査対象ノズル#Nの残留振動から検出した周期Tc2が第4閾値D4よりも大きく且つ第5閾値D5よりも小さい場合(S105→YES)、検査対象ノズル#Nを正常ノズルに切り換える(S106)。このように1回目の検査時には不良ノズルと判定されたノズルが2回目の検査では正常ノズルと判定される場合がある。なお、ノズルNzの状態が同じであっても、駆動素子417に吐出波形Wbを印加した場合と強振波形Wcを印加した場合とで残留振動の周期が異なるときには、波形Wb,Wcに応じて判定に用いる閾値(D1,D2とD4,D5)を異ならせるとよい。
一方、検出周期Tc2が第4閾値D4以下であったり第5閾値D5以上であったりする場合(S105→NO)、コントローラー10は検査対象ノズル#Nが不良ノズルであると判断する。そこで、コントローラー10は、吐出波形Wbによる1回目の検査で得られた検査対象ノズル#Nの残留振動の振幅A1と強振波形Wcによる2回目の検査で得られた検査対象ノズル#Nの残留振動の振幅A2との差(A2−A1)を、第6閾値D6(第2の閾値に相当)と比較する(S107)。
そして、コントローラー10は、振幅の差(A2−A1)が第6閾値D6よりも大きい場合(S107→YES)、図8Bに示すように検査対象ノズル#Nが不吐出ノズルであると判定し(S109)、振幅の差(A2−A1)が第6閾値D6以下の場合(S107→NO)、図8Aに示すように検査対象ノズル#Nが吐出異常ノズルであると判定する(S108)。このように、吐出波形Wbによる検出信号VOUTの振幅A1と強振波形Wcによる検出信号VOUTの振幅A2との差(A2−A1)に基づいて、不良ノズルの不良度合いが判定される。そして、吐出波形Wbによる1回目の検査で不良ノズルと判定した全ノズルに対して、強振波形Wcによる2回目の検査が実施されるまで(S110→YES)、上記の処理(S103〜S110)が繰り返される。
以上のように、実施例2では、コントローラー10は、吐出波形Wbの印加による加振力(第1の加振力)が付与されるように駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号VOUT(第1の検出信号)と、吐出波形Wbによる検査時よりも強い加振力(第2の加振力)が付与されるように強振波形Wcにより駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号VOUT(第2の検出信号)とに基づいて、その駆動素子に対応する不良ノズルの状態が、不吐出状態であるのか、吐出異常状態であるのかを判定する。なお、検査対象ノズルの状態を判定するということは、単にノズルNz内のインク増粘や気泡混入の判定だけでなく、インク供給口413や圧力室411内のインク増粘や気泡混入を判定することも含まれる。
具体的には、コントローラー10は、吐出波形Wbの印加により得られる検出信号VOUTの振幅と強振波形Wcの印加により得られる検出信号VOUTの振幅の差と第6閾値D6(第2の閾値に相当)とを比較し、ノズルの状態が、不吐出状態であるのか、吐出異常状態であるのかを判定する。ここでは、吐出波形Wbによる駆動素子417の駆動により得られる検出信号VOUT(第1の検出信号)の振幅A1と、強振波形Wcによる駆動素子417の駆動により得られる検出信号VOUT(第2の検出信号)の振幅A2との差が第6閾値D6よりも大きい場合に、不良ノズルが不吐出状態であると判定し、振幅A1,A2の差が第6閾値D6以下の場合に、不良ノズルが吐出異常状態であると判定する。なお、振幅A1,A2の差と閾値Dとの比較の仕方はこれに限らず、例えば、振幅A1,A2の差が閾値以上の場合に不吐出状態であると判定し、振幅A1,A2の差が閾値よりも小さい場合に吐出異常状態であると判定してもよい。また、振幅A1,A2やその差の求め方や閾値を適宜設定することで、これらの大小関係を逆にしてもよく、振幅の差と閾値との比較で判定すればよい。
このように、不良ノズルを検出するだけでなく、不良ノズルの不良度合いまで特定することで、前述の実施例1にて説明しているように、不良度合いに応じた処理を施すことができる。例えば、不吐出ノズルが検出された場合には、ヘッド41のクリーニング処理を実施するのに対して、吐出異常ノズルが検出された場合には、吐出異常ノズルの使用を所定の時間に亘って停止するとよい。
ところで、吐出波形Wbは媒体Sへの画像印刷時に使用される波形である。そのため、ノズルNzから規定量のインクが連続的に安定して吐出されるように、即ち、ノズルNzからインク滴を吐出しても次の繰り返し周期tの開始時にはノズルNzのメニスカスが制振されているように、吐出波形Wbが有する波形部の傾きは比較的に緩やかに設定されている。そのため、吐出波形Wbで駆動素子417を駆動した場合、駆動素子417はゆっくりと駆動し、圧力室411内のインクの圧力もゆっくりと変化する。よって、その後に圧力室411(振動板416)や圧力室411内のインクにて発生する残留振動は比較的に小さい。振動板416等で発生する残留振動が小さいと、駆動素子417の起電圧も小さくなり、残留振動検出回路43が出力する検出信号VOUTの電圧レベルも小さくなってしまう。
そこで、吐出波形Wbによる通常検査ではインク吐出不良が発生しない正常なノズルに対して強振波形Wcによる検査を実施すると、その正常なノズルからのインク吐出が不安定となる加振力が付与されるように、駆動素子417を駆動する。なお、インク吐出が不安定になるとは、ノズルからインクは吐出されるが、例えば、繰り返し周期t毎に規定量のインクが吐出されなかったり、着弾位置が目標位置からずれたりすることである。即ち、2回目の検査では、印刷時よりも強い加振力が付与されるように駆動素子417を駆動させる。そうすることで、圧力室411(振動板416)や圧力室411内のインクで発生する残留振動が大きくなり、残留振動に応じて発生する駆動素子417の起電圧も大きくなり、残留振動検出回路43から出力される検出信号VOUTの電圧レベルも大きくなる。よって、強振波形Wcによる2回目の検査では、残留振動を詳しく分析することができ、また、検出信号VOUTに対するノイズの影響を小さくすことができる。
そのため、強振波形Wcによる2回目の検査で得られた検出信号VOUTに基づいて、検査対象ノズル#Nが正常ノズルであるか否かを再度判定するとよい(図9のS105)。そうすることで、状態が変わり易い不良ノズルに対する検査の精度を高めることができる。また、正常ノズルを誤って不良ノズルと検出してしまことをなくし、検査が正確に実施されていないとユーザーに誤解させてしまうことを防止できる。
一方、強振波形Wcを駆動素子417に印加すると、例えば、圧力室411内の気泡が大きくなったり、気泡が巻き込まれたりする等して、状態が悪化してしまう虞もある。そこで、吐出波形Wbで駆動素子417を駆動させることにより得られる検出信号に基づいて、その駆動素子417に対応するノズルにインク吐出不良が発生するか否かを判定した後に、インク吐出不良が発生する不良ノズルに対応する駆動素子417は強振波形Wcで再度駆動させるが、インク吐出不良が発生しないノズルに対応する駆動素子417は強振波形Wcで駆動させないようにする。そうすることで、全体の検査時間を短縮しつつ、強振波形Wcの駆動により状態が悪化する虞のあるノズル数を減らすことができる。
===変形例===
<変形例1>
実施例1では、2つの検出信号VOUTの周期のばらつきσに基づいて不良ノズルの不良度合いを判定し、実施例2では2つの検出信号VOUTの振幅A1,A2の差に基づいて不良ノズルの不良度合いを判定しているが、これに限らない。例えば、吐出波形Wbと強振波形Wcで駆動素子417を駆動させることにより2つの検出信号VOUTを取得し、その2つの検出信号VOUTの周期のばらつきσと振幅A1,A2の差の2つのパラメーターに基づいて、不良ノズルの不良度合いを判定してもよい。
<変形例2>
上記の実施例では、1回目の検査で不良ノズルと判定したノズルに対応する駆動素子417のみを再度駆動させているが、これに限らない。例えば、1回目の検査で正常ノズルと判定したノズルに対応する駆動素子417も再度駆動させてもよい。この場合、複数の検出信号VOUTに基づいて正常ノズルか否かを判定することで、正常ノズルの検出精度を高めることができる。また、駆動素子417を2回駆動させるに限らず、駆動素子417を3回以上駆動させることにより得られる3つ以上の検出信号VOUTに基づいて、不良ノズルの不良度合いを判定してもよい。
<変形例3>
実施例1では、吐出波形Wbで駆動素子417を複数回(2回)駆動させているが、これに限らず、例えば、微振動波形Waで駆動素子417を複数回駆動させることにより得られる検出信号VOUTに基づいて、不良ノズルの不良度合いを判定してもよい。また、実施例2では、駆動素子417に付与する加振力が変わるように、吐出波形Wbと強振波形Wcで駆動素子417を駆動しているが、これに限らない。例えば、微振動波形Waと吐出波形Wbで駆動素子417を駆動してもよいし、微振動波形Waと強振波形Wcで駆動素子417を駆動してもよい。また、一般的に、大きなドットを形成するための波形であるほど強い加振力を付与することができるため、例えば、小ドットを形成する波形と大ドットを形成する波形で駆動素子417を駆動してもよい。
<変形例4>
上記の実施例では、印刷停止時にノズルを検査する場合を例に挙げているが、これに限らず、印刷中に検査を実施してもよい。実施例1のように印刷に使用する吐出波形Wbのみで検査する場合、ドットを形成する画素データSI[1]が検査対象ノズルに割り当てられている繰り返し周期tにおいて、そのノズルを検査するとよい。又は、検査対象ノズルに割り当てられている画素データSIに応じて、微振動波形Waで検査したり吐出波形Wbで検査したりしてもよい。そうすることで、ドットを形成すべきでない画素に向けてインクが吐出されてしまうことを防止できる。また、実施例2のように印刷に使用しない強振波形Wcで検査する場合、例えば、ヘッド41がホームポジション(非印刷領域)に戻るタイミングで検査するとよい。
<変形例5>
上記の実施例では、不良ノズルにおけるインク吐出不良の原因を特定していないが、これに限らない。例えば、図4Aに示すように、気泡混入による不吐出ノズルでは周期が短くなる傾向にあり、増粘インクによる不吐出ノズルでは周期が長くなる傾向にある。そこで、例えば、不吐出ノズルの検出信号VOUTの周期が第1閾値D1以下の場合には、吐出不良の原因を気泡混入と特定し、周期が第2閾値D2以上の場合には、吐出不良の原因を増粘インクと特定してもよい。なお、吐出不良の原因はインク増粘や気泡混入だけに限らず、例えば、ノズルへの異物(紙粉,埃)の付着など、他の原因も検出信号VOUTに基づいて特定するようにしてもよい。
このように、不良ノズルを検出するだけでなく、吐出不良の原因まで特定することで、吐出不良の原因に応じた処理を施すことができる。例えば、気泡混入による不吐出ノズルを回復させるためには、インク消費量の多いポンプ吸引処理を実施する必要があるが、増粘インクによる不吐出ノズルは、インク消費量の少ないフラッシング処理で回復させることができるとする。この場合、気泡混入による不吐出ノズルが検出された場合にはポンプ吸引処理を実施し、増粘インクによる不吐出ノズルのみが検出された場合にはフラッシング処理を実施するとよい。そうすることで、インクの消費を抑えつつ、不吐出ノズルを正常なノズルに回復させることができる。
<変形例6>
上記の実施例では、残留振動の周期に基づいて不良ノズルか否かを判定しているが、これに限らない。例えば、残留振動の位相や振幅、減衰量などの別のパラメーターに基づいて不良ノズルか否かを判定するようにしてもよいし、残留振動の周期や位相、振幅、減衰量などの中から複数のパラメーターを組み合わせて不良ノズルか否かを判定するようにしてもよい。また、残留振動における周期の変化や振幅の変化に基づいて、不良ノズルか否かを判定するようにしてもよい。
<変形例7>
上記の実施例では、駆動素子417の駆動によって圧力室411内のインクに圧力変化を生じさせた後の残留振動を、駆動素子417(圧電素子)の機械的変位による起電力の変化として検出している。即ち、駆動素子417をノズルの検査に使用しているが、これに限らない。例えば、駆動素子417の駆動によって圧力室411内のインクに生じる振動を検知するためのセンサーを、駆動素子417とは別にプリンター1に設けてもよい。例えば、圧力室411内のインクに生じる振動(例:圧力変化)を検知するためのセンサー(例:圧力センサー)を、圧力室411内やインク供給口413内に設けてもよい。この場合には、駆動素子417の駆動後の残留振動を検出するに限らず、例えば、駆動素子417の駆動と同時に振動を検出したり、駆動素子417の駆動中や駆動前から振動を検出したりしてもよい。また、この場合には、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってインクを吐出させるサーマル方式により、ノズルからインク滴を吐出させてもよい。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
上記の実施形態では、ヘッドが移動方向に移動しながらインクを吐出する動作と、媒体が搬送方向に搬送される動作とが繰り返されるプリンターを例に挙げているが、これに限らない。例えば、媒体の幅方向にノズルが並んだ固定されたヘッドの下を、幅方向と交差する方向に媒体が通過する際に、ヘッドが媒体に向けてインクを吐出するプリンターでもよい。また、例えば、印刷領域に搬送された媒体に対して、ヘッドがX方向に移動しながら画像を印刷する動作と、ヘッドがY方向に移動する動作と、を繰り返して画像を印刷し、その後、未だ画像が印刷されていない媒体の部位を印刷領域に搬送するプリンターでもよい。
上記の実施形態では、液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンターを挙げているが、これに限らない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に対して、上記の実施形態と同様の技術を適用してもよい。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
15 駆動信号生成回路、20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、
31 キャリッジ、40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 圧力室、
412 共通インク室、413 インク供給口、414 ノズルプレート、
415 流路形成基板、416 振動板、417 駆動素子、
42 ヘッド制御部、421 シフトレジスター、422 ラッチ回路、
423 レベルシフター、424 スイッチ、43 残留振動検出回路、
431 交流増幅器、432 スイッチ、44 キャップ、
50 検出器群、60 コンピューター

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドと、
    駆動信号を印加して前記駆動素子を駆動させることにより、当該駆動素子に対応する前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる制御部であって、
    同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる複数の検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの液体吐出不良の状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する制御部と、
    を有する液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、
    前記駆動素子を駆動させることにより得られる前記検出信号に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生するか否かを判定し、
    液体吐出不良が発生する前記ノズルに対応する前記駆動素子は再度駆動させ、
    液体吐出不良が発生しない前記ノズルに対応する前記駆動素子は駆動させない、
    液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる各前記検出信号のばらつきに基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの状態を判定する、
    液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、
    同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより得られる各前記検出信号の周期のばらつきと、第1の閾値とを比較し、前記ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する、
    液体吐出装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、第1の加振力が付与されるように前記駆動素子を駆動させることにより得られる第1の検出信号と、前記第1の加振力よりも強い第2の加振力が付与されるように前記駆動素子を駆動させることにより得られる第2の検出信号と、に基づいて、当該駆動素子に対応する前記ノズルの状態を判定する、
    液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1の検出信号の振幅と前記第2の検出信号の振幅との差と第2の閾値とを比較し、前記ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する、
    液体吐出装置。
  7. 液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドの検査方法であって、
    同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより複数の検出信号を取得することと、
    当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生する場合に、前記複数の検出信号に基づいて、当該ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定することと、
    を有する検査方法。
  8. 液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられる圧力室であって、対応する前記ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室毎に設けられる駆動素子と、を備えるヘッドをコンピューターに検査させるためのプログラムであって、
    同じ前記駆動素子を複数回駆動させることにより複数の検出信号を取得する機能と、
    当該駆動素子に対応する前記ノズルに液体吐出不良が発生する場合に、前記複数の検出信号に基づいて、当該ノズルの状態が、液体が吐出されない状態であるのか、もしくは、液体は吐出されるが吐出が正常でない状態であるのかを判定する機能と、
    をコンピューターに実現させるためのプログラム。
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