JP2010240891A - 積層体、延伸フィルム、熱収縮性フィルム、成形体、熱収縮性ラベル、及び該ラベルを装着した容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第1層と、ポリスチレン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第2層を少なくとも有する積層体において、第1層を構成する樹脂組成物と第2層を構成する樹脂組成物の70℃における貯蔵弾性率の差が±2.0×109以下であり、80℃における貯蔵弾性率の差が±1.0×109Pa以下であり、90℃における貯蔵弾性率の差が±7.0×107以下であり、100℃における貯蔵弾性率の差が±1.0×107Pa以下とする。
【選択図】なし
Description
a)ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれら樹脂組成物の混合樹脂組成物
b)スチレン含有率が10質量%以上50質量%以下である軟質スチレン系樹脂組成物、エラストマー成分を多く含む変性スチレン系樹脂組成物、又はこれらの樹脂組成物の混合樹脂組成物
c)ポリエステル系樹脂と親和性の高い又は反応可能な極性基を有し、かつスチレン系樹脂と相溶可能な接着性樹脂
<第1層>
第1層は、ポリエステル系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる。
本発明の積層体の第1層は、主成分としてポリエステル系樹脂を含有する樹脂組成物で構成される。第1層を備えることにより、得られる積層体を少なくとも一方向に延伸して熱収縮性フィルムを作製した場合には、フィルムに剛性、耐破断性及び低温収縮性を付与しつつ、自然収縮を抑えることができる。本発明において好適なポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分とで構成されるポリエステル系樹脂組成物、又はポリ乳酸系樹脂組成物である。ジカルボン酸成分とジオール成分とで構成されるポリエステル系樹脂組成物に含まれるジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそれらのエステル誘導体から誘導される成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を含有していてもよい。前記ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエステル樹脂が好適に用いられる。
第2層で用いられる樹脂組成物としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、または第1層を構成するポリエステル系樹脂とは異なるポリエステル系樹脂などを主成分として含有する樹脂組成物などを挙げることができる。中でもポリスチレン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第2層を備えることにより、積層体に十分な層間剥離強度を付与することができる。
本発明の積層体は、第1層と第2層との間に、以下のいずれかの熱可塑性樹脂組成物を主成分として構成される第3層を有することが好ましい。
a)ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれら樹脂組成物の混合樹脂組成物
b)スチレン含有率が10質量%以上50質量%以下である軟質スチレン系樹脂組成物、エラストマー成分を多く含む変性スチレン系樹脂組成物、又はこれらの樹脂組成物の混合樹脂組成物
c)ポリエステル系樹脂と親和性の高い又は反応可能な極性基を有し、かつスチレン系樹脂と相溶可能な接着性樹脂
第3層としてa成分からなる樹脂組成物を用いることにより、エラストマー特有の粘着力による層間剥離の抑制が可能となり、かつポリエステル系エラストマーを構成するポリエステル成分と、第1層を構成するポリエステル系樹脂との親和性により、より強固な層間剥離力を付与できる。
第3層を構成する軟質スチレン系樹脂組成物とは、スチレン含有率10質量%以上50質量%以下、好ましくは10質量%以上40質量%以下のスチレン系炭化水素成分と、エラストマー成分とからなる樹脂を意味する。エラストマー成分として好適に用いられる樹脂としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1 , 3 − ペンタジエンなどが挙げられる。
第3層で使用可能な接着性樹脂とは、第1層に含まれるポリエステル系樹脂と高い親和性を有する極性基又は該ポリエステル系樹脂と反応し得る極性基を有すると共に、第2層に含まれるポリスチレン系樹脂と相溶し得る部位を有するスチレン系のブロック共重合体又はグラフト共重合体をいう。ポリエステル系樹脂と高い親和性を持つ極性基又は反応可能な官能基の具体例としては、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、又はオキサゾリン基などの官能基が挙げられ、中でも酸無水物基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基が好ましい。
本発明の積層体は、第1層と第2層を少なくとも有する2層以上の構成のものであれば、層構成は特に限定されず、例えば第1層/第2層の層構成や、第1層/第2層/第1層、第1層/第2層/第1層/第2層/第1層の層構成をとることができる。また、第1層と第2層との間に、第3層を有していることが好ましい。
第1層を構成する樹脂組成物と第2層を構成する樹脂組成物の70℃における貯蔵弾性率の差が好ましくは±2.0×109以下であり、より好ましくは±1.0×109以下であり、80℃における貯蔵弾性率の差は、好ましくは±1.0×109Pa以下、より好ましくは±8.0×108Pa以下である。また、90℃における貯蔵弾性率の差が好ましくは±7.0×107以下、より好ましくは±5.0×107であり、100℃におけるこれら樹脂組成物の貯蔵弾性率の差は好ましくは±1.0×107Pa以下、より好ましくは±8.0×106Pa以下である。
次に、本発明の積層体における重ね合わせ部のズレ幅について図面を用いて説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付して説明を省略するものとする。図1から図5において、符号100は試験片を表し、本発明の積層体を少なくとも一方向に延伸して熱収縮性フィルムを作製し、所定の大きさに切り取った試験片を表す。また、符号2は第1層、符号4は第3層、符号6は第2層、符号8は重ね合わせ部、符号8wは重ね合わせ部の重ね幅、符号10は第1層2の端面、符号12は第3層4の端面、符号14は第2層6の端面、符号16はシール部、符号18はズレ部、符号18wはズレ幅、符号Aは一端側、符号Bは他端側をそれぞれ意味する。なお、この一端側Aの部分と他端側Bの部分とが重ね合わされて、重ね合わせ部が形成される。
本発明の積層体は、延伸することで引張強度、衝撃強度も上昇するので、延伸フィルムとして好適に使用することができる。また、延伸後、熱固定温度を調整することで熱収縮性フィルムとして使用することもできる。その他、各種の成形品にも好適に使用することができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、本発明の積層体を少なくとも一方向に延伸することにより得られる。本発明の熱収縮性フィルムは、第1層に主成分してポリエステル系樹脂を含有する樹脂組成物を用いることにより、フィルムに剛性と耐破断性を付与できると共に、低温収縮を可能とし、自然収縮を抑えることができる。しかしながら、ポリエステル系樹脂のみでは均一な収縮が得られず、収縮ムラ等の収縮仕上がり不良の問題や、ラベル用途における主収縮方向及び直交方向への収縮に由来する外観不良が生じるという問題がある。
a)ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれら樹脂組成物の混合樹脂組成物、
b)スチレン含有率が10質量%以上50質量%以下である軟質スチレン系樹脂組成物、エラストマー成分を多く含む変性スチレン系樹脂組成物、又はこれらの樹脂組成物の混合樹脂組成物、
c)ポリエステル系樹脂と親和性の高い又は反応可能な極性基を有し、かつスチレン系樹脂と相溶可能な接着性樹脂、
なお、本明細書において「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。また「主収縮方向と直交する方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の小さい方向を意味する。
本発明の積層体は、ポリエステル系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第1層及びポリスチレン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第2層を同時又は逐次的に積層することにより得られる。また、第1層と第2層との間に第3層を有する場合は、第3層、第1層及び第2層を同時又は逐次的に積層することにより得られる。好ましくは、本発明の積層体をTダイ法、チューブラ法など既存の方法により、Tダイを備えた押出機を用いて共押出しすることにより、第1層及び第2層、または、第1層、第2層及び第3層を同時に作製する方法である。また、本発明の積層体は、各層を構成する樹脂組成物を別々にシート化した後にプレス法やロールニップ法などを用いて積層して逐次的に作製することもできる。
本発明の積層体は、成形し、又は必要に応じて成形後に印刷層、蒸着層その他機能層を積層することにより、容器等の被覆フィルム、結束バンド、外装用フィルムなどの様々な成形品として用いることができる。特に本発明の積層体を成形し、熱収縮性フィルムとして食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用の熱収縮性ラベル等に用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。
(1)熱収縮率
積層体を熱収縮性フィルムに成形し、得られたフィルムをMD30mm、TD100mm(原標線間隔)の大きさに切り取り試験片とする。この試験片を、70℃または80℃の温水浴に10秒間それぞれ浸漬し、その後30秒間23℃の冷水に浸漬した後の標線間隔(A)を測定し、下記式(1)により収縮率を算出した。
収縮率(%)=100×(100−A)/100・・・式(1)
JIS K7136に準拠して厚み45μmの熱収縮性フィルムのヘイズ値を測定し、透明性を評価した。
(評価基準)
◎:ヘイズ値が5%以下
○:ヘイズ値が5%より大きく10%以下
×:ヘイズ値が10%より大きい
積層体を熱収縮性フィルムに成形し、得られたフィルムをMD15mm×TD150mmの大きさに切り取り、TD端面から第2層の一部を剥離して第2層に剥離部、その他の層に被剥離部をそれぞれ形成し、第2層の剥離部とその他の層の被剥離部を引張試験機のチャックにそれぞれ挟み、TD方向に対して、試験速度100mm/minにて180度剥離試験を行った。剥離試験にて得られる荷重がある程度一定となったところの平均値を層間剥離強度とした。
(評価基準)
◎:層間剥離強度が2N/15mm幅以上
○:層間剥離強度が1N/15mm幅以上2N/15mm幅未満
×:層間剥離強度が1N/15mm幅未満
<収縮時の剥離評価1>
積層体を熱収縮性フィルムに成形し、得られたフィルムをTD235mm幅にスリットし、製袋機にてMDのフィルム両端を10mm重ね合わせて、このフィルム端面をTHFとシクロヘキサンを体積量で半々に混合した溶剤にてシールし、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムを幅方向と直交する方向で165mmに切り出し、容量500mLの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約5秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70〜105℃の範囲(例えば90℃)とした。フィルム被覆後は、下記基準で評価した。
(評価基準)
◎:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が0%以上2%未満である。
○:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が2%以上5%以下である。
×:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が5%より大きく、層間剥離が生じている。
積層体を熱収縮性フィルムに成形し、得られたフィルムをTD235mmの幅にスリットし、MDのフィルムの両端を10mm重ねてTHFとシクロヘキサンを体積量で半々混合した溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムをMD25mmで切り出し、溶剤接着部に対して反対側の円周部を切断することで、中心に溶剤接着部を有するMD25mm×TD225mmの短冊状フィルムを作製した。その後、幅130mmに固定された2枚の金属枠に、上記短冊状フィルムをTD143mmに弛ませた状態で挟んだ。さらに、このフィルムを固定した金属枠を95℃の温水バスに30秒浸漬させ、その後、23℃の冷水に30秒浸漬した。収縮したフィルムを金属枠から取り外し、フィルムの溶剤接着部の状態を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が0%以上2%未満である。
○:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が2%以上5%以下である。
×:フィルム両端の重ね合わせ部分の重ね幅に対して、ズレ幅が5%より大きく、層間剥離が生じている。
表1に示すように、ポリエステル系樹脂(ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%、グリコール成分がエチレングリコール70モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%よりなる共重合ポリエステル(商品名「PETG SKYGREENS2008」、SKケミカル社製)、以下「PETG」という。)を第1層として、スチレン系樹脂A(スチレン/ブタジエン=82/18(質量%)、0℃の貯蔵弾性率E’:2.1×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:73℃、MFR:6.8、以下「SBS−A」という。)を第2層として、ポリスチレン系エラストマー樹脂A(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン20質量%、商品名ハイブラー5125、クラレ社製、以下「TPS−A」という)を第3層として、3台の三菱重工業株式会社製単軸押出機から各樹脂を設定温度210℃〜230℃の範囲で溶融混合後、各層の厚みが第1層/第3層/第2層/第3層/第1層=30μm/10μm/120μm/10μm/30μmとなるよう3種5層ダイスより共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ200μmの未延伸積層シートを得た。次いで、京都機械株式会社製フィルムテンターにて、予熱温度93℃、延伸温度90℃で横一軸方向に5.0倍延伸後、65℃にて熱処理を行い、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
第2層を構成する樹脂組成物として、78質量%のSBS−A、18質量%のPETG、および、4質量%のTPS−Aの混合樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートおよび熱収縮性フィルムを得た。
第2層を構成する樹脂組成物として、SBS−Aを用い、第3層を構成する樹脂組成物として、ポリエステル系エラストマーA(ポリブチレンテレフタレート−ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート79質量%、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール21質量%、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール重合度27、以下「TPEE−A」という)の混合樹脂を用い、3台の三菱重工業株式会社製単軸押出機から各樹脂を設定温度210℃から230℃までの範囲で溶融混合後、各層の厚みが第1層/第3層/第2層/第3層/第1層=25μm/5μm/140μm/5μm/25μmとなるよう3種5層ダイスより共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ200μmの未延伸積層シートを得た。次いで、京都機械株式会社製フィルムテンターにて、予熱温度93℃、延伸温度90℃で横一軸方向に5.0倍延伸後、65℃にて熱処理を行い、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
第2層を構成する樹脂組成物として、85質量%のSBS−A、13質量%のPETG、および、2質量%のTPEE−Aの混合樹脂を用いた以外は、実施例3と同様にして積層シートおよび熱収縮性フィルムを得た。
第2層を構成する樹脂組成物として、40質量%のスチレン系樹脂B(スチレン/ブタジエン=90/10質量%)、貯蔵弾性率E’(0℃):3.2×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:52℃、MFR:6.0、以下「SBS−B」という。)、および、60質量%のスチレン系樹脂C(スチレン/ブタジエン=76/24(質量%)、貯蔵弾性率E’(0℃):1.4×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−80℃、MFR:6.8、商品名DK−11、シェブロンフィリップス社製、以下「SBS−C」という。)の混合樹脂を用い、第3層を構成する樹脂組成物として、TPS−Aを用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートおよび熱収縮性フィルムを得た。
第3層を構成する樹脂組成物として、40質量%のTPS−Aおよび60質量%のスチレン系樹脂D(スチレン/ブタジエン=82/18(質量%)、0℃の貯蔵弾性率E’:1.4×109Pa、損失弾性率E”のピーク温度:−84/105℃、MFR:6.0、以下「SBS−D」という。)の混合樹脂を用いた以外は、比較例1と同様にして積層シートおよび熱収縮性フィルムを得た。
第3層を構成する樹脂組成物として、ポリエステル系エラストマーB(ポリブチレンテレフタレート−ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート74質量%、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール26質量%、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール重合度26、以下「TPEE−B」という)を用いた以外は、比較例1と同様にして積層シートおよび熱収縮性フィルムを得た。
これより本発明の積層体からなる熱収縮性フィルムであれば、優れた耐熱性、透明性及び外観を有し、かつ高温処理後においても剥離しないフィルムであることが分かる。
2 第1層
4 第3層
6 第2層
8 重ね合わせ部
8w 重ね幅
10 第1層の端面
12 第3層の端面
14 第2層の端面
16 溶剤シール部
18 ズレ部
18w ズレ幅
A 一端側
B 他端側
Claims (14)
- ポリエステル系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第1層と、ポリスチレン系樹脂を主成分として含有する樹脂組成物からなる第2層を少なくとも有する積層体であって、
前記第1層を構成する樹脂組成物と前記第2層を構成する樹脂組成物の70℃における貯蔵弾性率の差が±2.0×109以下であり、80℃における貯蔵弾性率の差が±1.0×109Pa以下であり、90℃における貯蔵弾性率の差が±7.0×107以下であり、100℃における貯蔵弾性率の差が±1.0×107Pa以下である積層体。 - 前記積層体を少なくとも一方向に延伸して熱収縮性フィルムを作製し、この熱収縮性フィルムより主収縮方向に150mm、主収縮方向と直交する方向に15mmの大きさで試験片を採取した後、この試験片の主収縮方向のフィルム端面から前記第1層の一部を剥離して前記第1層に剥離部、前記第2層に被剥離部をそれぞれ形成し、前記第1層の剥離部と、前記第2層の被剥離部とを引張試験機のチャックで挟み、主収縮方向に対する試験速度100mm/minで180度剥離試験を行ったときの層間剥離強度が少なくとも1N/15mm幅である、請求項1に記載の積層体。
- 前記第1層と前記第2層との間に、以下のいずれかの熱可塑性樹脂組成物を主成分として構成される第3層を有する、請求項1または2に記載の積層体。
a)ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、変性ポリエステル系エラストマーを含有する樹脂組成物、又はこれら樹脂組成物の混合樹脂組成物
b)スチレン含有率が10質量%以上50質量%以下である軟質スチレン系樹脂組成物、エラストマー成分を多く含む変性スチレン系樹脂組成物、又はこれらの樹脂組成物の混合樹脂組成物
c)ポリエステル系樹脂と親和性の高い又は反応可能な極性基を有し、かつスチレン系樹脂と相溶可能な接着性樹脂 - 前記積層体を少なくとも一方向に延伸して熱収縮性フィルムを作製し、この熱収縮性フィルムより主収縮方向に235mm、主収縮方向と直交する方向に500mmの大きさで試験片を採取した後、この試験片の主収縮方向と直交する方向の一端側の第1層の面と、同方向の他端側の第2層の面又は第1層の面とを、平行になるように試験片上で10mm幅の重ね合わせ部を形成し、溶剤シールした後に、主収縮方向の周囲が225mmであり、主収縮方向と直交する方向の長さが165mmの円筒状フィルムを切り出し、スチームトンネルにて90℃、5秒間の条件下で収縮させて常温に戻したときに、
前記重ね合わせ部においてシールされている主収縮方向と直交する方向の第1層の端面と第2層の端面との間のズレ幅、
あるいは、主収縮方向と直交する方向の第1層の端面と第3層および第2層の端面とのズレ幅、または、主収縮方向と直交する方向の第1層および第3層の端面と第2層の端面との間のズレ幅が、
前記重ね合わせ部の重ね幅の5%以内である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。 - 前記積層体を少なくとも1方向に延伸して熱収縮性フィルムを作製し、この熱収縮性フィルムより主収縮方向に235mm、主収縮方向と直交する方向に500mmの大きさで試験片を採取した後、この試験片の主収縮方向と直交する方向の一端側の第1層の面と、同方向の他端側の第2層又は第1層の面とを、平行になるように試験片上で10mm幅の重ね合わせ部を形成し、溶剤シールした後に、主収縮方向の周囲が225mmであり、主収縮方向と直交する方向の長さが25mmの円筒状フィルムを切り出し、次いでこの円筒状フィルムのそれぞれの両端部を挟持させた状態で95℃温水中に30秒間浸漬させたときに、
前記重ね合わせ部においてシールされている主収縮方向と直交する方向の第1層の端面と第2層の端面との間のズレ幅、
あるいは、主収縮方向と直交する方向の第1層の端面と第3層および第2層の端面とのズレ幅、または、主収縮方向と直交する方向の第1層および第3層の端面と第2層の端面との間のズレ幅が、
前記重ね合わせ部の重ね幅の5%以内である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。 - 前記ポリスチレン系樹脂が、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体、又は該共重合体の混合物である請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
- 前記第2層が前記第2層を構成する樹脂組成物の総量に対して、第1層を構成する樹脂組成物、第3層を構成する熱可塑性樹脂組成物を40質量%以下の含有率で含む層である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
- 前記ポリエステル系樹脂が、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなり、前記ジカルボン酸成分及び前記ジオール成分の少なくとも一方が2種以上の成分で構成され、前記2種以上の成分のうち、最多成分を除いた成分の合計の含有率が、前記ジカルボン酸成分の総量(100モル%)と前記ジオール成分の総量(100モル%)との合計(200モル%)に対して、10モル%以上50モル%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
- JIS K7136に準拠したヘイズ値が10%以下である請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の積層体を少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の積層体を少なくとも一方向に延伸してなり、80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上である熱収縮性フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の積層体、請求項10に記載の延伸フィルム、又は請求項11に記載の熱収縮性フィルムを成形してなる成形体。
- 請求項11に記載の熱収縮性フィルムを基材として用いてなる熱収縮性ラベル。
- 請求項13に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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