JP4717597B2 - 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 - Google Patents
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Description
収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルム、及び該フィルムを用いた成形品、
容器に関する。
すなわち、本発明の目的は、以下の熱収縮性積層フィルムにより達成される。
(1) 表面層(S層)、中間層(M層)及び接着層(AD層)を有する積層フィルムであって、各層が下記成分を主成分とする樹脂組成物からなるとともに、フィルムの主収縮方向と直交する方向のJIS K7127に準拠して測定される引張弾性率が1200MPa以上であり、かつ90℃シリコンオイルに10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が5MPa以上8MPa以下あることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基とを含有する芳香族ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層)::スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体からなるスチレン系樹脂組成物
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含み、該重合体又は水素添加誘導体の全体に対するスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂組成物
(2) 表面層(S層)、中間層(M層)及び接着層(AD層)を有し、各層が下記成分を主成分とする樹脂組成物で構成されるとともに、60℃以上120℃以下で少なくとも一軸方向に2倍以上7倍以下延伸されてなる積層フィルムであって、該フィルムの主収縮方向と直交する方向のJIS K7127に準拠して測定される引張弾性率が1200MPa以上であり、かつ90℃シリコンオイルに10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が5MPa以上8MPa以下あることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基とを含有する芳香族ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体からなり、該共重合体又は水素添加誘導体中のスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂組成物
(3)前記中間層(M層)が該中間層(M層)を構成する樹脂100質量部に対し、前記表面層(S層)を構成する樹脂1質量部以上100質量部以下を含む上記(1)又は(2)に記載の熱収縮性積層フィルム。
(4) 前記中間層(M層)が該中間層(M層)を構成する樹脂100質量部に対し、前記接着層(AD層)を構成する樹脂1質量部以上30質量部以下を含む上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(5) 前記表面層(S層)を構成する芳香族ポリエステル系樹脂組成物が、芳香族ジカルボン酸残基とジオール残基とからなり、全ジオール残基中に15モル%以上50モル%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基を含有する非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(6) 前記接着層(AD層)を構成する共重合体又はその水素添加誘導体のガラス転移点が20℃以下である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(7) 前記表面層(S層)のフィルム全体の厚みに対する厚み比が10%以上70%以下である上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(8) JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(9) 70℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上40%以下であり、かつ80℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30%以上70%以下である上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(10) 上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
(11) 上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
(12) 上記(10)に記載の成形品又は上記(11)に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
なお、本明細書において「主成分とする」とは、各層を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で他の成分を含むことを許容する趣旨である。この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を占める成分である。また、「主収縮方向」とは、フィルムの縦方向(長手方向)とフィルムの横方向(幅方向)のうち熱収縮率の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向を意味し、「直交方向」とは主収縮方向と直交する方向を意味する。
本発明の熱収縮性積層フィルム(以下「本発明のフィルム」ともいう)は、ポリエステル系樹脂組成物を主成分とする表面層(S層)と、スチレン系樹脂からなる中間層(M層)と、表面層(S層)及び中間層(M層)の層間接着性を向上させるための接着層(AD層)とを有する。
<表面層(S層)>
本発明のフィルムの表面層(S層)は、多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基を含有する少なくとも1種の熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル系樹脂組成物で構成されている。
本発明において、好ましい多価アルコール残基の混合物としては、例えば、第1残基としてエチレングリコール、第2残基として1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたものが挙げられる。
き、製造、生産性向上の観点からは好ましい。
本発明では、フィルムの中間層(M層)を形成する樹脂としてスチレン系樹脂組成物を用いる。この中でも特に、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合が好適に用いられる。スチレン系炭化水素としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−、m−又はo−メチルスチレン)、ポリ(2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−t−ブチルスチレン)等のポリアルキルスチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−ブロモスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−フルオロスチレン)、ポリ(o−メチル−p−フルオロスチレン)等のポリハロゲン化スチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロメチルスチレン)等のポリハロゲン化置換アルキルスチレン;ポリ(p−、m−又はo−メトキシスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−エトキシスチレン)等のポリアルコキシスチレン;ポリ(o−、m−、又はp−カルボキシメチルスチレン)等のポリカルボキシアルキルスチレン;ポリ(p−ビニルベンジルプロピルエーテル)等のポリアルキルエーテルスチレン;ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)等のポリアルキルシリルスチレン;さらにはポリビニルベンジルジメトキシホスファイド等が挙げられる。該スチレン系炭化水素ブロックは、これらの単独重合体、共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーをブロック内に含んでいてもよい。
なお、上記「無延伸フィルム」とは、スチレン系樹脂組成物を原料として成形されたフィルムであって、フィルム形成時に延伸しないで得られたフィルムをいう。
本発明での接着層(AD層)は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含有する。ここで、スチレン系炭化水素としては、スチレンが好適に用いられ、α−メチルスチレン等のスチレン同族体なども用い得る。また、共役ジエン系炭化水素としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。さらに、接着層(AD層)には第3成分としてスチレン系炭化水素及び共役ジエン系炭化水素以外の成分を少量含んでいてもよい。また、共役ジエン系炭化水素部分のビニル結合を主とした二重結合を多く存在させた場合には、表面層(S層)のポリエステル系樹脂と馴染みを良好にし、層間接着強度を向上できるため好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムは、表面層(S層)と中間層(M層)間に接着層(AD層)を有する少なくとも3層構成のものであれば、特に限定されるものではない。ここで、表面層(S層)は、表面層と表面層以外に、すなわち、中間層に同様の層を有してもかまわない。
本発明のフィルムは、70℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上%40%以下、好ましくは10%以上35%以下であり、かつ80℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30%以上70%以下、好ましくは35%以上65%以下である。
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
本発明のフィルムは、フィルムの低温収縮性、収縮仕上がり性、透明性、自然収縮等に優れているため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等の様々な成形品として用いることができる。特に本発明のフィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用熱収縮性ラベルとして用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。本発明の成形品及び容器は、通常の成形法を用いることにより作製することができる。
JIS K7127に準じて、温度23℃の条件でフィルムの主収縮方向と直交する方向(MD)について測定した。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
◎:引張弾性率が1400MPa以上
○:引張弾性率が1200MPa以上1400MPa未満
×:引張弾性率が1200MPa未満
フィルムをMD10mm、TD100mmの大きさに切り取り、70℃、80℃、及び90℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、フィルムの主収縮方向(TD)について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
フィルムをMD10mm、TD70mmの大きさに切り出し、50mmの間隔でチャックし、ロードセルにタルミがないように固定した。その後90±0.5℃のシリコンオイルバスに試料片を10秒浸積させ、その間のフィルム主収縮方向(TD)の最大収縮応力を測定した。収縮応力は下記の式に当てはめて計算した。
収縮応力(MPa)=ロードセルにかかる荷重(N)/試料片の断面積(mm2)
フィルムからMD50mm、TD1000mmの大きさに切り取り、30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、フィルムの主収縮方向(TD)について、収縮前の原寸に対する収縮量を測定し、その比率を%値で表示した。
JIS K7105に準拠してフィルム厚み50μmでフィルムのヘーズ値を測定した。
得られた熱収縮フィルムを粉砕器にて粉砕して再生ペレット化した後、フィルム100質量部に対して50質量部に相当する量を中間層(M層)に再生添加して、各実施例と同様にして再生添加フィルムを得た。得られた再生添加フィルムを用いて、JIS K7105に準拠してヘーズ値を測定した。
◎:ヘーズ値が7%未満
○:ヘーズ値が7%以上10%未満
×:ヘーズ値が10%以上
JIS K7127に準じて、温度−5℃、試験速度200mm/分の条件でフィルムの主収縮方向と直交する方向(MD)について測定した。この際、測定する試験片は20個とし、結果の平均値をMD低温引張破断伸度とした。
フィルムのTDの両端より10mmの位置で、テトロヒドロフラン(THF)溶剤を用いて接着し、筒状ラベルを製造した。シール部分を円周方向(TD)に15mm幅に切り取り、それを恒温槽付引張試験機((株)インテスコ製「201X」)にて、TDに試験速度200mm/分の条件でT型剥離強度試験を行い、下記の基準で評価した。
◎:シール強度が5N/15mm幅以上
○:シール強度が4N/15mm幅以上5N/15mm幅未満
×:シール強度が3N/15mm幅未満
10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD100mm×TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端を10mm重ねてテトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムを、容量1.5Lの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約4秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70〜85℃の範囲とした。フィルム被覆後は下記基準で評価した。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みが全く生じない
○:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みがごく僅かに生じる
×:収縮は十分だがシワ、アバタ、格子目の歪みが顕著に生じる
500mLペットボトル(日本コカコーラ社製「まろ茶500mL」のボトルを使用)に水を口部から5mmの高さまで入れ、円筒状にしたフィルムをボトルの首部まで全面に被せ、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約4秒間で通過させて収縮させた時に内容物が口部から飛び出す否か、以下の基準で評価した。
○:ほとんど飛び出しのない
△:時々飛び出しが起こる
×:かなりの頻度で飛び出す
表1に示すように、表面層(S層)のポリエステル系樹脂組成物としてPETG(イーストマンケミカル社製copolyester6763)(以下「PETG」と略称する。)100質量部と、平均粒径2.4μmの無定形シリカ(富士シリシア化学社製 サイリシア320)を0.05質量%含有するPBT(ポリプラスチックス社製 ジュラネックス2002、Tg=45℃、Tm=225℃)(以下「PBT1」と略称する。)10質量部との混合樹脂組成物を用いた。また、中間層(M層)のスチレン系樹脂組成物としてSBS(スチレン/ブタジエン=90/10、貯蔵弾性率E’=2.5×109Pa、損失弾性率E”ピーク温度=54℃、ビカット軟化点=76℃、以下「SBS1」と略称する。)45質量%とSBS(スチレン/ブタジエン=71/29、貯蔵弾性率E’=2.1×108Pa、損失弾性率E”ピーク温度=−46℃及び84℃、ビカット軟化点=69℃、以下「SBS2」と略称する。)55質量%との混合樹脂組成物100質量部と、酸化防止剤(住友化学社製、商品名:スミライザーGS)0.2質量部とを含有する樹脂組成物を用いた。また、接着層(AD層)のスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体としてSIS(JSRクレイトンポリマー社製 クレイトンD1124、スチレン含有率30質量%、Tg=−56℃、以下「AD1」と略称する。)を用いた。各層を構成する原料をそれぞれ別個の三菱重工業株式会社製2軸押出機に投入し、設定温度240℃で溶融混合後、各層の厚みが表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)=55μm/7μm/151μm/7μm/55μmとなるよう3種5層ダイスより共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ275μmの未延伸積層シートを得た。次いで、京都機械株式会社製フィルムテンター設備にて、予熱温度100℃、延伸温度85℃で横一軸方向に5.5倍延伸し、次いで95℃で6秒間の熱処理を行い、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。
また、得られた熱収縮フィルムを粉砕器にて粉砕して再生ペレット化した後、フィルム100質量部に対して50質量部に相当する量を中間層(M層)に再生添加して、上記と同様にして再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。
また、得られた熱収縮フィルムを粉砕器にて粉砕して再生ペレット化した後、フィルム100質量部に対して50質量部に相当する量を中間層(M層)に再生添加して、上記と同様にして再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。再生添加後の中間層(M層)の樹脂組成は、中間層を構成するスチレン系樹脂組成物100質量部に対し、表裏層(S層)を構成する樹脂組成物が42質量部、接着層(AD層)を構成する樹脂組成物が4質量部であった。
評価項目の全てに対して問題がなかったフィルムを(○)、1つでも問題があったフィルムを(×)として総合評価した。評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、表面層(S層)に用いたPBTの含有量を15質量部に変更し、延伸温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、表面層(S層)に用いたPETGとPBTからなる混合樹脂組成物の質量比をPETG単体に変更し、未延伸積層シートにおける各層の厚みを表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)=69μm/7μm/123μm/7μm/69μmに変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、横1軸方向への延伸倍率を6.0倍に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、接着層(AD層)を有さず、中間層(M層)の組成をSBS1とSBS2の混合樹脂組成物からPETG単体に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、横1軸方向への延伸倍率を7.5倍に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1において、未延伸積層シートにおける各層の厚みを表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)=93μm/7μm/75μm/7μm/93μmに変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。なお、再生添加後の中間層(M層)の樹脂組成は、中間層を構成するスチレン系樹脂組成物100質量部に対し、表裏層(S層)を構成する樹脂組成物が196質量部、接着層(AD層)を構成する樹脂組成物が12質量部であった。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、横1軸方向への延伸温度を55℃に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを作製しようとしたが、フィルム延伸途中で破断が生じ、所定倍率で延伸した熱収縮性積層フィルムを得ることができなかった。
表1に示すように、横1軸方向への延伸温度を125℃に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを作製しようとしたが、延伸途中でフィルムが自重で垂れ下がり、破断してしまい、所望の熱収縮性積層フィルムが得られなかった。
表1に示すように、接着層(AD層)に用いたAD1をSBS(スチレン含有率87質量%、Tg36℃)(以下「AD2」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1において、中間層(M層)に用いたSBS1とSBS2からなる混合樹脂組成物の質量比をSBS1:20質量%とSBS2:80質量%に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1において、接着層(AD層)に用いたAD1をEAA(日本ポリエチ社製ノバテックA500W、AA含有量20wt%)(以下「AD3」と略称する)に変更した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
これに対し、ポリエステル系樹脂組成物のみで構成された比較例1のフィルム、本発明で規定する範囲外で延伸を行った比較例2のフィルム、及び本発明で規定する範囲外の積層比で構成された比較例3のフィルムは、いずれも収縮応力が高く収縮仕上がり性に劣っていた。また、本発明で規定する範囲外の温度で延伸を行った比較例4及び5のフィルムでは所望の倍率での延伸が困難であった。さらに、接着層(AD層)に本発明で規定する樹脂組成物以外の樹脂を用いた比較例6及び8のフィルムは、十分なシール強度が得られず、再生添加後のフィルムの透明性が著しく悪化した。
これより、本発明のフィルムは、フィルムの腰、自然収縮、再生添加時の透明性が良好であり、かつフィルムの層間剥離、収縮応力が抑制された、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムであることが分かる。
Claims (12)
- 表面層(S層)、中間層(M層)及び接着層(AD層)を有する積層フィルムであって、各層が下記成分を主成分とする樹脂組成物からなるとともに、フィルム主収縮方向と直交する方向のJIS K7127に準拠して測定される引張弾性率が1200MPa以上であり、かつ90℃シリコンオイルに10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が5MPa以上8MPa以下あることを特徴とするであることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基とを含有する芳香族ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体からなるスチレン系樹脂組成物
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含み、該共重合体又は水素添加誘導体中のスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂組成物 - 表面層(S層)、中間層(M層)及び接着層(AD層)を有し、各層が下記成分を主成分とする樹脂組成物で構成されるとともに、60℃以上120℃以下で少なくとも一軸方向に2倍以上7倍以下延伸されてなる積層フィルムであって、該フィルムの主収縮方向と直交する方向のJIS K7127に準拠して測定される引張弾性率が1200MPa以上であり、かつ90℃シリコンオイルに10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が5MPa以上8MPa以下あることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基とを含有する芳香族ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体からなり、該共重合体又は水素添加誘導体中のスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂組成物 - 前記中間層(M層)が該中間層(M層)を構成する樹脂100質量部に対し、前記表面層(S層)を構成する樹脂1質量部以上100質量部以下を含む請求項1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記中間層(M層)が該中間層(M層)を構成する樹脂100質量部に対し、前記接着層(AD層)を構成する樹脂1質量部以上30質量部以下を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記表面層(S層)を構成する芳香族ポリエステル系樹脂組成物が、芳香族ジカルボン酸残基とジオール残基とからなり、全ジオール残基中に15モル%以上50モル%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基を含有する非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂組成物である請求項1乃至4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記接着層(AD層)を構成する共重合体又はその水素添加誘導体のガラス転移点が20℃以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記表面層(S層)のフィルム全体の厚みに対する厚み比が10%以上70%以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である請求項1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 70℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上40%以下であり、かつ80℃温水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30%以上70%以下である請求項1乃至8のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
- 請求項10に記載の成形品又は請求項11に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005326589A JP4717597B2 (ja) | 2004-11-10 | 2005-11-10 | 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 |
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