JP4662359B2 - 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の目的は、表面層(S層)、中間層(M層)、接着層(AD層)、及び前記中間層(M層)が配設される面と反対側の表面層(S層)上に耐熱層(R層)を有する積層フィルムであって、各層が下記成分を主成分とする組成物からなるとともに、耐熱融着温度が80℃以上であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム(以下「本発明のフィルム」ともいう。)により達成される。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基を含有する非晶性ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層):スチレン系樹脂
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含み、該共重合体又は水素添加誘導体中のスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂
耐熱層(R層):界面活性剤
本発明のフィルムは、非晶性ポリエステル系樹脂組成物を主成分として構成される表面層(S層)と、収縮仕上がり性や経時脆化を防ぐ目的のスチレン系樹脂組成物で構成される中間層(M層)と、前記表面層(S層)と前記中間層(M層)との層間剥離強度を向上させるための、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体で構成される接着層(AD層)と、フィルムに耐熱性を付与する耐熱層(R層)とを有する。
本発明において、表面層(S層)は多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基を含有する非晶性ポリエステル系樹脂を主成分として構成される。
本発明において、好ましい多価アルコール残基の混合物としては、例えば、第1残基としてエチレングリコール、第2残基として1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたものが挙げられる。
本発明のフィルムでは、中間層(M層)を形成する樹脂としてスチレン系樹脂組成物を用いる。スチレン系樹脂組成物は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合が好適に用いられる。
スチレン系炭化水素としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−、m−又はo−メチルスチレン)、ポリ(2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−t−ブチルスチレン)等のポリアルキルスチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−ブロモスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−フルオロスチレン)、ポリ(o−メチル−p−フルオロスチレン)等のポリハロゲン化スチレン;ポリ(o−、m−又はp−クロロメチルスチレン)等のポリハロゲン化置換アルキルスチレン;ポリ(p−、m−又はo−メトキシスチレン)、ポリ(o−、m−又はp−エトキシスチレン)等のポリアルコキシスチレン;ポリ(o−、m−、又はp−カルボキシメチルスチレン)等のポリカルボキシアルキルスチレン;ポリ(p−ビニルベンジルプロピルエーテル)等のポリアルキルエーテルスチレン;ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)等のポリアルキルシリルスチレン;さらにはポリビニルベンジルジメトキシホスファイド等が挙げられる。前記スチレン系炭化水素は、これらの単独重合体、共重合体及び/又はスチレン系炭化水素以外の共重合可能なモノマーを単量体単位として含んでいてもよい。
なお、上記「無延伸フィルム」とは、スチレン系樹脂組成物を原料として成形されたフィルムであって、フィルム形成時に延伸しないで得られたフィルムをいう。
本発明において、接着層(AD層)は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含有する。ここで、スチレン系炭化水素としては、スチレンが好適に用いられ、α−メチルスチレン等のスチレン同族体なども用いることができる。また、共役ジエン系炭化水素としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、第3成分として、ビニル芳香族系化合物及び共役ジエン系炭化水素以外の成分を少量含んでいてもよい。また、共役ジエン系炭化水素部分のビニル結合を主とした二重結合が多く存在することにより、表面層(S層)のポリエステル系樹脂と馴染みが良くなり、層間接着強度を向上できるため好ましい。
本発明のフィルムは、さらに耐熱性を付与するための層、すなわち耐熱層(R層)を中間層(M層)が配設される面と反対側の表面層(S層)上に有することが重要である。
本発明のフィルムにおいて、耐熱層(R層)を構成する原料としては各種の界面活性剤を用いられる。従来、界面活性剤は、帯電防止剤や静電気防止剤として用いられること、及び所定の樹脂と共に混合してフィルム表面にコート層を形成して帯電防止又は静電気防止の効果を付与することが知られていた。しかし、それ以外にさらに耐熱性を付与することについてはこれまで知られていない。本発明者は鋭意検討した結果、界面活性剤(特にカチオン系界面活性剤又は両性界面活性剤)をシュリンクフィルムの表面層(S層)上に積層させることにより、フィルムの耐熱性を向上させることを見出した。このような耐熱層を表面層(S層)上に形成することにより、例えば、加温販売用のPETボトルを加温器で加熱した際に、PETボトルに装着されたフィルムが加熱板に融着すること、並びにPETボトルに装着されたフィルム同士が融着するのを有効に防止できる。
本発明の熱収縮性フィルムは、表面層(S層)と中間層(M層)との間に接着層(AD層)を配し、かつ中間層(M層)が配設される面と反対側の表面層(S層)上に耐熱層(R層)を配したものであれば、特に限定されるものではない。ここで、中間層(M層)は、単層でも多層でもよく、多層の場合にはその中に表面層(S層)と同様の層を有してもかまわない。また、耐熱層(R層)は表面層(S層)上に直接形成しても多の機能層を積層し、その機能層上に積層しても構わない。
本発明のフィルムは、耐熱融着温度が80℃以上、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であることが重要である。本明細書において「耐熱融着温度」とは、フィルムを加熱した場合において、フィルム同士が融着を開始する直前の温度を指す。
耐熱融着温度が80℃以上であれば、例えばPETボトル用ラベルとして用いた場合に、加温中にフィルム同士が融着することなく、自動販売機等での保存にも十分耐え得るため好ましい。
本発明のフィルムの−5℃におけるフィルム主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度を上記のように調整するためには、各層の組成を本発明で規定されるように調整するほか、例えば、引張破断伸度を上げたい場合には、延伸温度を下げる、延伸倍率を上げる などにより調整可能であり、反対に引張破断伸度を下げたい場合には、延伸温度を上げる、延伸倍率を下げるなどにより調整可能である。
本発明において、自然収縮率を上記のように調整するためには、各層の組成を本発明で規定されるように調整するほか、例えば、自然収縮率を小さくしたい場合には、延伸温度を上げる、延伸倍率を下げる、熱処理を行うなどにより調整可能である。
本発明において、引裂強さを上記のように調整するためには、各層の組成を本発明で規定されるように調整するほか、例えば、引裂強さの比を上げたい場合には、延伸倍率を上げる、延伸温度を下げるなどにより調整でき、反対に引裂強さの比を下げたい場合には、延伸温度を上げる、延伸倍率を下げるなどにより調整することができる。
本発明において、シール強度を上記のように調整するためには、各層の組成を本発明で規定されるように調整するほか、例えば、シール強度を上げたい場合には、強度が出るシール溶剤に変更する、延伸倍率を下げる、延伸温度を上げるなどにより調整可能であり、反対にシール強度を下げたい場合には、溶剤シールを変更する、延伸倍率を上げる、延伸温度を下げるなどにより調整可能である。
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
本発明のフィルムは、フィルムの低温収縮性、収縮仕上がり性、透明性、自然収縮等に優れているため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等の様々な成形品として用いることができる。特に本発明のフィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用熱収縮性ラベルとして用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。本発明の成形品及び容器は、通常の成形法を用いることにより作製することができる。
得られたフィルムをJIS K7127に準じて温度23℃の条件下でフィルム主収縮方向と直交する方向(MD)について測定した。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
(◎):引張弾性率が1,400MPa以上
(○):引張弾性率が1,200MPa以上1,400MPa未満
(×):引張弾性率が1,200MPa未満
得られたフィルムをJIS P8126に準拠して加重を掛ける速度を10mm/分として、試料が圧かいする際の最大荷重を測定した。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
(◎):座屈強度が5N以上
(○):座屈強度が4N以上5N未満
(×):引張弾性率が4N未満
フィルムをMD10mm、TD100mmの大きさに切り取り、70℃、80℃、及び90℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、フィルムの主収縮方向(TD)について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
フィルムからMD50mm、TD1000mmの大きさに試験片を切り取り、この試験片を30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、フィルムの主収縮方向(TD)について、収縮前の原寸に対する収縮量を測定し、その比率を%値で表示した。
JIS K7105に準拠してフィルム厚み40μmでフィルムのヘーズ値を測定した。
JIS K7127に準じて、温度23℃、試験速度200mm/分の条件でフィルム主収縮方向(TD)について測定した。この際、測定する試験片は20個とし、結果の平均値をTD引張破断伸度とした。
JIS K7128−3に準じて、温度23℃、試験速度200mm/分の条件でフィルム主収縮方向の引裂強さTTDとそれに直交する方向の引裂強さTMDについて測定し、その測定値から両者の比TTD/TMDを求めた。
JIS K7127に準じて、温度−5℃、試験速度200mm/分の条件でフィルム主収縮方向と直交する方向(MD)について測定した。この際、測定する試験片は20個とし、結果の平均値をMD低温引張破断伸度とした。
フィルムを30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置した後、JIS K7127に準じて、温度−5℃、試験速度200mm/分の条件でフィルム主収縮方向と直交する方向(MD)について測定した。この際、測定する試験片は20個とし、結果の平均値を経時後の低温引張破断伸度とした。
接着層(AD層)の原料樹脂ペレットを熱プレス加工機械により200℃、10MPa、10分の条件にてシート化(200μm)した後、試料を4×60mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティ計測(株)製)を用い、振動周波数10Hz、ひずみ0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで長手方向について、−150〜150℃まで測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をTgとした。
フィルムのTDの両端より10mmの位置で、テトロヒドロフラン(THF)溶剤を用いて接着し、筒状ラベルを製造した。シール部分を円周方向(TD)に15mm幅に切り取り、それを恒温槽付引張試験機((株)インテスコ製「201X」)にて、TDに試験速度200mm/分の条件でT型剥離強度試験を行い、下記の基準で評価した。
◎:シール強度が5N/15mm幅以上
○:シール強度が4N/15mm幅以上5N/15mm幅未満
×:シール強度が3N/15mm幅未満
10mm間隔の格子目を印刷したフィルムをMD100mm×TD298mmの大きさに切り取り、TDの両端を10mm重ねてテトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムを、容量1.5Lの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約4秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70〜85℃の範囲とした。フィルム被覆後は下記基準で評価した。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みが全く生じない。
○:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みがごく僅かに生じる
×:収縮は十分だがシワ、アバタ、格子目の歪みが顕著に生じる
得られた熱収縮フィルムを粉砕器にて粉砕して再生ペレット化した後、フィルム100質量部に対して50質量部に相当する量を中間層(M層)に再生添加して、各実施例と同様にして再生添加フィルムを得た。得られた再生添加フィルムを用いて、JIS K7105に準拠してヘーズ値を測定した。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
◎:ヘーズ値が5%未満
○:ヘーズ値が5%以上10%未満
×:ヘーズ値が10%以上
得られた熱収縮フィルムを巻いて外面同士(帯電防止剤を塗布したフィルムの場合は塗布面同士)を重ね合わせ、テスター産業 ヒートシールテスター TP−701−Aを用いて、0.1MPaの加圧下で70℃から120℃まで1℃間隔で加熱し、それぞれ1分間保持した。加圧加熱後、試料を10mm×40mmの大きさに切り出し、フィルム端部から剥がして、フィルム表面の融着の有無を確認した。フィルムが融着し始める直前の温度を確認して、N数=3にて全試料が融着しない温度を耐熱融着温度とした。また、下記の基準で評価した結果も併記した。
◎:100℃を超える温度にて融着するもの
○:90℃〜100℃の温度で加熱すると融着するもの
×:90℃未満の温度でも融着するもの
表1に示すように、表面層(S層)の非晶性ポリエステル系樹脂としてジカルボン酸残基がテレフタル酸残基、ジオール残基がエチレングリコール残基68mol%と1,4−シクロヘキサンジメタノール残基32mol%の共重合ポリエステル樹脂(以下「PET1」と略称する)を用いた。また、中間層(M層)のスチレン系樹脂として、SBSブロック共重合体(スチレン/ブタジエン=90/10、貯蔵弾性率E’=2.5×109Pa、損失弾性率E”ピーク温度=54℃、ビカット軟化点=76℃、以下「SBS1」と略称する。)45質量%とSBS(スチレン/ブタジエン=71/29、貯蔵弾性率E’=2.1×108Pa、損失弾性率E”ピーク温度=−46℃及び84℃、ビカット軟化点=69℃、以下「SBS2」と略称する。)55質量%との混合樹脂組成物100質量部と、該組成物100質量部に対して酸化防止剤(住友化学社製、商品名:スミライザーGS)0.2質量部とを含有する樹脂組成物を用いた。さらに接着層(AD層)のスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素又はその水素添加誘導体として、SIS(JSRクレイトンポリマー社製 クレイトンD1124、スチレン含有率30質量%、Tg−56℃、以下「AD1」と略称する。)を用いた。各層を構成する原料をそれぞれ別個の三菱重工業株式会社製2軸押出機に投入し、設定温度240℃で溶融混合後、各層の厚みが表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)=44μm/6μm/120μm/6μm/44μmとなるよう3種5層ダイスより共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ220μmの未延伸積層シートを得た。次いで、表面層(S層)上に耐熱層(R層)を形成するために、キス方式のロールコーターを用いて東邦化学工業(株)製の「アンステックスC200X」の水溶液(カチオン系界面活性剤、界面活性剤濃度50%、以下「SAA1」という。)を延伸前のシートに塗布した。
次いで、京都機械株式会社製フィルムテンター設備にて、予熱温度105℃、延伸温度90℃で横一軸方向に5.0倍延伸した後、冷風で急冷して、厚さ40μm、R層としてSAA1を0.0006g/m2含有する熱収縮性積層フィルムを得た。
また、得られた熱収縮フィルムを粉砕器にて粉砕して再生ペレット化した後、フィルム100質量部に対して50質量部に相当する量を中間層(M層)に再生添加して、上記と同様にして再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。再生添加を行った後の中間層(M層)の樹脂組成は、中間層を構成するスチレン系樹脂組成物100質量部に対し、表裏層(S層)を構成する樹脂組成物が42質量部、接着層(AD層)を構成する樹脂組成物が4質量部であった。
得られたフィルムを評価項目の全てに対して問題がなかったものを(○)、1つでも問題があったものを(×)として総合評価した。得られた結果を表2に示す。
表1に示すように、耐熱層(R層)をSAA1:0.006g/m2含有する耐熱層に変更した以外は、実施例1と同様の方法により熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、耐熱層(R層)を形成するために、キス方式のロールコーターを用いて花王(株)製の「エレクトロストリッパーAC」の水溶液(両性界面活性剤、界面活性剤濃度9.9%、以下「SAA2」という。)を延伸前のシートに塗布した。その後、実施例1と同様の条件で延伸することによりR層としてSAA2を0.0015g/m2含有する熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、中間層(M層)のSBS1とSBS2の比率を変更し、延伸前のシートの各層の厚みを表面層(S層)/接着層(AD層)/中間層(M層)/接着層(AD層)/表面層(S層)=40μm/6μm/128μm/6μm/40μmに変更した以外は実施例1と同様の方法により熱収縮性フィルムを得た。得られた熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、表面層(S層)をPET1と結晶性ポリエステル系樹脂としてジカルボン酸残基がテレフタル酸残基、ジオール残基が1,4−ブタンジオール残基であるポリエステル樹脂(以下「PBT1」と略称する)からなる混合樹脂組成物とし、接着層(AD層)を有さず、中間層(M層)の組成をSBS1とSBS2の混合樹脂組成物からPET1単体に変更し、積層シートの厚みが表面層(S層)/中間層(M層)/表面層(S層)=100μm/75μm/100μmとなるように2種3層ダイスより共押出した以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、耐熱層(R層)を配設しないこと以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、横一軸方向の延伸倍率を5.6倍とすること以外は、比較例2と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを評価した結果を表2に示す。
表1に示すように、接着層に用いたAD1をEAA(日本ポリエチレン社製 ノバテックA500W、アクリル酸含有量20wt%)(以下「AD3」と略称する)に変更した以外は、比較例2と同様に熱収縮性積層フィルム及び再生添加後の熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
これより、本発明のフィルムは、フィルムの腰、自然収縮、再生添加時の透明性が良好であり、かつフィルムの経時的な機械強度低下、層間剥離が抑制され、耐熱性、分別性に優れた、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムであることが分かる。
Claims (13)
- 表面層(S層)、中間層(M層)、接着層(AD層)、及び前記中間層(M層)が配設される面と反対側の表面層(S層)上に耐熱層(R層)を有する積層フィルムであって、各層が下記成分を主成分とする組成物からなるとともに、耐熱融着温度が80℃以上であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
表面層(S層):多価カルボン酸残基及び多価アルコール残基を含有する非晶性ポリエステル系樹脂組成物
中間層(M層):スチレン系樹脂
接着層(AD層):スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体又はその水素添加誘導体を含み、該共重合体又は水素添加誘導体中のスチレン系炭化水素の含有率が5質量%以上40質量%以下である樹脂
耐熱層(R層):界面活性剤
- 前記中間層(M層)が該中間層(M層)を構成する樹脂組成物100質量部に対し、前記表面層(S層)を構成する樹脂組成物1質量部以上100質量部以下、及び/又は前記接着層(AD層)を構成する樹脂組成物1質量部以上30質量部以下を含む請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS P8126に準拠して測定される23℃におけるフィルム主収縮方向と直交する方向の坐屈強度が4N以上20N以下である請求項1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7127に準拠して測定される23℃におけるフィルム主収縮方向の引張破断伸度が30%以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
- JIS K7128−3に準拠して測定されるフィルム主収縮方向の引裂強さTTDと、主収縮方向と直交する方向の引裂強さTMDとの比TTD/TMDが0.4以上1.6以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7127に準拠して測定される30℃30日保管後の前記フィルムの−5℃におけるフィルム主収縮方向と直交する方向の引張破断伸度が100%以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 70℃温水中で10秒間加熱したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上40%以下であり、かつ80℃温水中で10秒間加熱したときの主収縮方向の熱収縮率が30%以上70%以下である請求項1乃至7のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記表面層(S層)を構成する非晶性ポリエステル系樹脂が、芳香族ジカルボン酸残基とジオール残基とからなり、全ジオール残基中に15モル%以上50モル%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基を含有する非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂である請求項1乃至8のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記中間層(M層)を構成するスチレン系樹脂組成物が、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、スチレン系炭化水素若しくは共役ジエン系炭化水素と共重合可能なモノマーと前記共重合体との共重合体、又はこれらの混合物である請求項1乃至9のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
- 請求項11に記載の成形品又は請求項12に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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