JP2009252877A - ウエーハの搬送方法および搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエーハの被保持面に傷を付けることなく保持して搬送することができるウエーハの搬送方法および搬送装置を提供する。
【解決手段】ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送方法であって、ウエーハの被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドの該保持面をウエーハの該被保持面の上側に所定の隙間を設けて対面して位置付け、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって該保持パッドの該保持面にウエーハの該被保持面を保持してウエーハを搬送する。
【選択図】図3
【解決手段】ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送方法であって、ウエーハの被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドの該保持面をウエーハの該被保持面の上側に所定の隙間を設けて対面して位置付け、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって該保持パッドの該保持面にウエーハの該被保持面を保持してウエーハを搬送する。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送方法および搬送装置に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、IC、LSI等のデバイスが複数個形成された半導体ウエーハは、個々のデバイスに分割される前にその裏面を研削装置によって研削して所定の厚さに形成されている。半導体ウエーハの裏面を研削する研削装置は、ウエーハを吸引保持するチャックテーブルと、該チャックテーブル上に吸引保持されたウエーハを研削する研削手段と、チャックテーブル上に加工前のウエーハを吸引保持して搬入するウエーハ搬入手段と、チャックテーブル上で研削されたウエーハを吸引保持して搬出するウエーハ搬出手段を具備している。ウエーハ搬入手段およびウエーハ搬出手段は、保持面(下面)にウエーハの被保持面(上面)を吸引保持する吸引保持パッドと、該吸引保持パッドを所定位置に移動する搬送移動手段を具備している。(例えば、特許文献1参照)
特開2003−282673号公報
而して、上述したウエーハ搬出手段の吸引保持パッドに研削されたウエーハを吸引保持して搬送すると、デバイスの抗折強度が低下するという問題がある。このような問題は、上記吸引保持パッドがセラミック材によって構成されており、研削されたウエーハを吸引保持する際にウエーハの被保持面の被保持面(裏面)に当接して傷を付け、この傷が100μm以下の厚みに研削されたウエーハを個々のデバイスに分割した場合に抗折強度を低下させる原因であると考えられる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、ウエーハの被保持面に傷を付けることなく保持して搬送することができるウエーハの搬送方法および搬送装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送方法であって、
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドの該保持面をウエーハの該被保持面の上側に所定の隙間を設けて対面して位置付け、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって該保持パッドの該保持面にウエーハの該被保持面を保持してウエーハを搬送する、
ことを特徴とするウエーハの搬送方法が提供される。
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドの該保持面をウエーハの該被保持面の上側に所定の隙間を設けて対面して位置付け、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって該保持パッドの該保持面にウエーハの該被保持面を保持してウエーハを搬送する、
ことを特徴とするウエーハの搬送方法が提供される。
また、上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送装置であって、
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドと、該保持パッドをウエーハが載置されている第1の位置とウエーハを搬送する第2の位置に移動する搬送移動手段と、該保持パッドの該保持面に水を供給する水供給手段と、を具備し、
該搬送移動手段は、該保持パッドを該第1の位置に載置されているウエーハの該被保持面の上側に移動せしめ、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面を所定の隙間を設けて対面させるパッド位置付け手段を備えている、
ことを特徴とするウエーハの搬送装置が提供される。
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドと、該保持パッドをウエーハが載置されている第1の位置とウエーハを搬送する第2の位置に移動する搬送移動手段と、該保持パッドの該保持面に水を供給する水供給手段と、を具備し、
該搬送移動手段は、該保持パッドを該第1の位置に載置されているウエーハの該被保持面の上側に移動せしめ、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面を所定の隙間を設けて対面させるパッド位置付け手段を備えている、
ことを特徴とするウエーハの搬送装置が提供される。
上記保持パッドは、親水性の高い材料によって形成されていることが望ましい。
本発明によるウエーハの搬送方法および搬送装置は、ウエーハの被保持面と保持パッドの保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって保持パッドの保持面にウエーハの被保持面を保持してウエーハを搬送するので、保持パッドがウエーハの被保持面に接触しないため、ウエーハの被保持面に傷を付けることがない。従って、ウエーハの被保持面に傷が付くことにより、その後個々に分割されるデバイスの抗折強度が低下することを未然に防止することができる。
以下、本発明によるウエーハの搬送方法およびウエーハの搬送装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたウエーハの搬送装置が装備された研削機の斜視図が示されている。
図示の実施形態における研削機は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。装置ハウジング2の図1において右上端には、静止支持板21が立設されている。この静止支持板21の内側面(前側の面)には、上下方向に延びる2対の案内レール22、22および23、23が設けられている。一方の案内レール22、22には荒研削手段としての荒研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されており、他方の案内レール23、23には仕上げ研削手段としての仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に装着されている。
図示の実施形態における研削機は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。装置ハウジング2の図1において右上端には、静止支持板21が立設されている。この静止支持板21の内側面(前側の面)には、上下方向に延びる2対の案内レール22、22および23、23が設けられている。一方の案内レール22、22には荒研削手段としての荒研削ユニット3が上下方向に移動可能に装着されており、他方の案内レール23、23には仕上げ研削手段としての仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に装着されている。
荒研削ユニット3は、ユニットハウジング31と、該ユニットハウジング31の下端に回転自在に装着されたホイールマウント32に装着された荒研削ホイール33と、該ユニットハウジング31の上端に装着されホイールマウント32を矢印32aで示す方向に回転せしめる電動モータ34と、ユニットハウジング31を装着した移動基台35とを具備している。
上記移動基台35には被案内レール351、351が設けられており、この被案内レール351、351を上記静止支持板21に設けられた案内レール22、22に移動可能に嵌合することにより、荒研削ユニット3が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における荒研削ユニット3は、上記移動基台35を案内レール22、22に沿って移動させ研削ホイール33を研削送りする研削送り機構36を具備している。研削送り機構36は、上記静止支持板21に案内レール22、22と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド361と、該雄ねじロッド361を回転駆動するためのパルスモータ362と、上記移動基台35に装着され雄ねじロッド361と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ362によって雄ねじロッド361を正転および逆転駆動することにより、荒研削ユニット3を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
上記仕上げ研削ユニット4も荒研削ユニット3と同様に構成されており、ユニットハウジング41と、該ユニットハウジング41の下端に回転自在に装着されたホイールマウント42に装着された研削ホイール43と、該ユニットハウジング41の上端に装着されホイールマウント42を矢印42aで示す方向に回転せしめる電動モータ44と、ユニットハウジング41を装着した移動基台45とを具備している。
上記移動基台45には被案内レール451、451が設けられており、この被案内レール451、451を上記静止支持板21に設けられた案内レール23、23に移動可能に嵌合することにより、仕上げ研削ユニット4が上下方向に移動可能に支持される。図示の形態における仕上げ研削ユニット4は、上記移動基台45を案内レール23、23に沿って移動させ研削ホイール43を研削送りする送り機構46を具備している。送り機構46は、上記静止支持板21に案内レール23、23と平行に上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド461と、該雄ねじロッド461を回転駆動するためのパルスモータ462と、上記移動基台45に装着され雄ねじロッド461と螺合する図示しない雌ねじブロックを具備しており、パルスモータ462によって雄ねじロッド461を正転および逆転駆動することにより、仕上げ研削ユニット4を上下方向(後述するチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向)に移動せしめる。
図示の実施形態における研削機は、上記静止支持板21の前側において装置ハウジング2の上面と略面一となるように配設されたターンテーブル5を具備している。このターンテーブル5は、比較的大径の円盤状に形成されており、図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に適宜回転せしめられる。ターンテーブル5には、図示の実施形態の場合それぞれ120度の位相角をもって3個のチャックテーブル6が水平面内で回転可能に配置されている。このチャックテーブル6は、円盤状の基台61とポーラスセラミック材によって円盤状に形成され吸着保持チャック62とからなっており、吸着保持チャック62上(保持面)に載置された被加工物を図示しない吸引手段を作動することにより吸引保持する。このように構成されたチャックテーブル6は、図1に示すように図示しない回転駆動機構によって矢印6aで示す方向に回転せしめられる。ターンテーブル5に配設された3個のチャックテーブル6は、ターンテーブル5が適宜回転することにより被加工物搬入・搬出域A、荒研削加工域B、および仕上げ研削加工域Cおよび被加工物搬入・搬出域Aに順次移動せしめられる。
図示の研削機は、被加工物搬入・搬出域Aに対して一方側に配設され研削加工前の被加工物である半導体ウエーハをストックする第1のカセット11と、被加工物搬入・搬出域Aに対して他方側に配設され研削加工後の被加工物である半導体ウエーハをストックする第2のカセット12と、第1のカセット11と被加工物搬入・搬出域Aとの間に配設され被加工物の中心合わせを行う中心合わせ手段13と、被加工物搬入・搬出域Aと第2のカセット12との間に配設されたスピンナー洗浄手段14と、第1のカセット11内に収納された被加工物である半導体ウエーハを中心合わせ手段13に搬出するとともにスピンナー洗浄手段14で洗浄された半導体ウエーハを第2のカセット12に搬送するウエーハ搬出・搬入手段15を具備している。なお、上記第1のカセット11には、半導体ウエーハWが表面に保護テープTが貼着された状態で複数枚収容される。このとき、半導体ウエーハWは、裏面を上側にして収容される。
図示の研削機は、上記中心合わせ手段13上に載置され中心合わせされた半導体ウエーハを被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に搬送するウエーハ搬入手段16と、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6上に載置されている研削加工後の半導体ウエーハを洗浄手段14に搬送するウエーハ搬出手段としての本発明に従って構成されたウエーハ搬送装置7を具備している。ウエーハ搬入手段16は、ウエーハを吸引保持パッドによって吸引保持して搬送する一般に使用されているウエーハ搬送機構が用いられている。ウエーハ搬出手段としての本発明に従って構成されたウエーハ搬送装置7について、以下図2を参照して説明する。
図2に示すウエーハ搬出手段としてのウエーハ搬送装置7は、ウエーハを保持する保持パッド71と、該保持パッド71を上記被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6(第1の位置)から上記スピンナー洗浄手段14(第2の位置)へ移動する搬送移動手段72を具備している。
上記保持パッド71は、その下面に上記半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)に対応する大きさを有する円形状の保持面711を備えており、この保持面711には円形状の凹部712が形成されている。また、保持パッド71には、円形状の凹部712に連通する水供給穴713が形成されているとともに、上面に該水供給穴713と連通する穴を備えたパイプ接続部714が設けられている。このように構成された保持パッド71は、例えば酸化チタン、ガラス、アルミニウム等の親水性の高い材料によって形成することが望ましい。
上記搬送移動手段72は、上記保持パッド71を一端部に支持する搬送アーム73と、該搬送アーム73の他端に上端部が装着された回動軸74と、該回動軸74の下端を連結した昇降機構75と、該昇降機構75を回動せしめる旋回機構76を具備している。搬送アーム73は、適宜の金属材料によって形成されており、図2に示すように一端部に上記パイプ接続部714が挿通する穴731が設けられている。この搬送アーム73の一端部に上記保持パッド71が締結ボルト730によって取付けられる。上記昇降機構75は例えばエアピストン等からなっており、搬送アーム73の他端に装着された回動軸74と連結され回動軸74を介して搬送アーム73を図2において矢印75aで示すように上下方向に作動せしめる。上記旋回機構76は、正転・逆転可能なパルスモータを含んでおり、昇降機構75および回動軸74を介して搬送アーム73を回動軸74を中心として旋回せしめる。従って、昇降機構75および旋回機構76は、後述するように搬送アーム73の一端部に支持された保持パッド71を被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6(第1の位置)に載置されているウエーハの被保持面の上側に移動せしめ、ウエーハの被保持面と保持パッド71の保持面711を所定の隙間を設けて対面させるパッド位置付け手段として機能する。
図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるウエーハ搬出手段としてのウエーハ搬送装置7は、上記保持パッド71の保持面711に水を供給する水供給手段8を具備している。水供給手段8は、純水供給源81と、該純水供給源81と上記保持パッド71に設けられたパイプ接続部714とを接続するフレキシブルパイプ82と、該フレキシブルパイプ82に配設された電磁開閉弁83とからなっている。なお、電磁開閉弁83は、除勢(OFF)している状態では閉路しており、附勢(ON)すると開路するように構成されている。従って、水供給手段8は、電磁開閉弁83が附勢(ON)されると純水供給源81からフレキシブルパイプ82を介して保持パッド71に形成された水供給穴713に純水を供給せしめる。
図示の実施形態における研削装置は以上のように構成されており、以下その作用について主に図1乃至図3を参照して説明する。
上記第1のカセット11に収容された研削加工前の被加工物である半導体ウエーハWはウエーハ搬出・搬入手段15の上下動作および進退動作により搬送され、中心合わせ手段13に載置され6本のピン131の中心に向かう径方向運動により中心合わせされる。中心合わせ手段13において半導体ウエーハWが中心合わせされたならば、被加工物搬入手段16を作動せしめて中心合わせ手段13において中心合わせされた半導体ウエーハWを吸引保持し、被加工物搬入・搬出域24に位置付けられているチャックテーブル6上に搬送する。このようにしてチャックテーブル6上に搬送された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル6上に吸引保持される。次に、ターンテーブル5を図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、半導体ウエーハWを載置したチャックテーブル6を荒研削加工域Bに位置付ける。
上記第1のカセット11に収容された研削加工前の被加工物である半導体ウエーハWはウエーハ搬出・搬入手段15の上下動作および進退動作により搬送され、中心合わせ手段13に載置され6本のピン131の中心に向かう径方向運動により中心合わせされる。中心合わせ手段13において半導体ウエーハWが中心合わせされたならば、被加工物搬入手段16を作動せしめて中心合わせ手段13において中心合わせされた半導体ウエーハWを吸引保持し、被加工物搬入・搬出域24に位置付けられているチャックテーブル6上に搬送する。このようにしてチャックテーブル6上に搬送された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル6上に吸引保持される。次に、ターンテーブル5を図示しない回転駆動機構によって矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、半導体ウエーハWを載置したチャックテーブル6を荒研削加工域Bに位置付ける。
半導体ウエーハWを吸引保持したチャックテーブル6は、荒研削加工域Bに位置付けられると図示しない回転駆動機構によって矢印6aで示す方向に回転せしめられる。一方、荒研削ユニット3の研削ホイール33は、矢印32aで示す方向に回転せしめられつつ研削送り機構36によって所定量下降する。この結果、チャックテーブル6上の半導体ウエーハWの裏面(上面)に荒研削加工が施される。なお、この間に被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられた次のチャックテーブル6上には、上述したように研削加工前の半導体ウエーハWが載置される。そして、チャックテーブル6上に載置された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル6上に吸引保持される。次に、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、荒研削加工された半導体ウエーハWを保持しているチャックテーブル6を仕上げ研削加工域Cに位置付け、研削加工前の半導体ウエーハWを保持したチャックテーブル6を荒研削加工域Bに位置付ける。
このようにして、荒研削加工域Bに位置付けられたチャックテーブル6上に保持された荒研削加工前の半導体ウエーハWの裏面(上面)には荒研削ユニット3によって荒研削加工が施され、仕上げ研削加工域Cに位置付けられたチャックテーブル6上に保持され荒研削加工された半導体ウエーハWの裏面(上面)には仕上げ研削ユニット4によって仕上げ研削加工が施される。次に、ターンテーブル5を矢印5aで示す方向に120度回動せしめて、仕上げ研削加工された半導体ウエーハWを保持したチャックテーブル6を被加工物搬入・搬出域Aに位置付ける。なお、荒研削加工域Bにおいて荒研削加工された半導体ウエーハWを保持したチャックテーブル6は仕上げ研削加工域Cに、被加工物搬入・搬出域Aにおいて研削加工前の半導体ウエーハWを保持したチャックテーブル6は荒研削加工域Bにそれぞれ移動せしめられる。
上述したように、荒研削加工域Bおよび仕上げ研削加工域Cを経由して被加工物搬入・搬出域Aに戻ったチャックテーブル6は、ここで仕上げ研削加工された半導体ウエーハWの吸引保持を解除する。次に、ウエーハ搬出手段としてのウエーハ搬送装置7を作動して、被加工物搬入・搬出域Aに位置付けられたチャックテーブル6(第1の位置)に載置されている研削加工後の半導体ウエーハWをスピンナー洗浄手段14(第2の位置)に搬送する。即ち、ウエーハ搬送装置7の搬送移動手段72を構成する旋回機構76を作動して搬送アーム73を回動軸75を中心として旋回し、吸引保持パッド71をチャックテーブル6上の半導体ウエーハWの直上に移動する。そして、水供給手段8の電磁開閉弁83を附勢(ON)して保持パッド71に形成された水供給穴713に純水を供給しつつ、搬送移動手段72を構成する昇降機構75を作動して保持パッド71を下降せしめ、保持パッド71の保持面711を図3の(a)に示すようにチャックテーブル6上に載置されている半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)と所定の隙間(例えば、1mm)を設けて対面させる位置に位置付ける。この結果、保持パッド71の保持面711と半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)との間には水の層80が形成される。次に、水供給手段8の電磁開閉弁83を除勢(OFF)して保持パッド71に形成された水供給穴713への純水の供給を停止し、搬送移動手段72を構成する昇降機構75を作動して保持パッド71を上昇せしめる。この結果、図3の(b)に示すように保持パッド71の保持面711と半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)との間に形成された水の層80の表面張力によって、半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)は保持パッド71の保持面711に保持される。このとき、保持パッド71が親水性の高い材料によって形成されており、保持面711の濡れ性が良いため、水の層80の表面張力による半導体ウエーハWの保持が良好となる。このように図示の実施形態におけるウエーハ搬送装置7は、保持パッド71の保持面711と半導体ウエーハWの被保持面である裏面(上面)との間に形成された水の層80の表面張力によって半導体ウエーハWを保持するので、保持パッド71が半導体ウエーハWの被保持面に接触しないため、半導体ウエーハWの被保持面に傷を付けることがない。従って、半導体ウエーハWの被保持面に傷が付くことにより、その後個々に分割されるデバイスの抗折強度が低下することを未然に防止することができる。
以上のようにして、吸引保持パッド71によって半導体ウエーハWを保持したならば、搬送移動手段72を構成する旋回機構76を作動して搬送アーム73を回動軸74を中心として旋回し、半導体ウエーハWをスピンナー洗浄手段14のスピンナーテーブルに搬送する。スピンナー洗浄手段14に搬送された半導体ウエーハWは、ここで研削屑が洗浄除去されるとともに、スピン乾燥される。このようにして洗浄およびスピン乾燥された半導体ウエーハWは、ウエーハ搬出・搬入手段15によって第2のカセット12に搬送され収納される。
次に、本発明によるウエーハの搬送装置を構成する保持パッドの他の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4に示す保持パッド71は、径の異なるウエーハを吸引保持するチャックテーブル6に対応して構成されたものである。即ち、チャックテーブル6は、基台61の上面に円形状の嵌合凹部611と、該嵌合凹部611を囲繞して設けられた第1の環状の嵌合凹部612と、該第1の環状の嵌合凹部612を囲繞して設けられた第2の環状の嵌合凹部613を備えている。円形状の嵌合凹部611には円形状の吸着チャック63が嵌合され、第1の環状の嵌合凹部612には第1の環状の第2の吸着チャック64が嵌合され、第2の環状の嵌合凹部613には第2の環状の吸着チャック65が嵌合されている。この円形状の吸着チャック63と第1の環状の第2の吸着チャック64および第2の環状の吸着チャック65は、多孔質セラミッックスの如き適宜の多孔性材料によって形成されている。なお、図示の実施形態においては、円形状の吸着チャック63は直径が100mmのウエーハを保持し、第1の環状の吸着チャック64は直径が200mmのウエーハを保持し、第2の環状の吸着チャック65は直径が300mmのウエーハを保持する大きさに形成されている。
図4に示す保持パッド71は、径の異なるウエーハを吸引保持するチャックテーブル6に対応して構成されたものである。即ち、チャックテーブル6は、基台61の上面に円形状の嵌合凹部611と、該嵌合凹部611を囲繞して設けられた第1の環状の嵌合凹部612と、該第1の環状の嵌合凹部612を囲繞して設けられた第2の環状の嵌合凹部613を備えている。円形状の嵌合凹部611には円形状の吸着チャック63が嵌合され、第1の環状の嵌合凹部612には第1の環状の第2の吸着チャック64が嵌合され、第2の環状の嵌合凹部613には第2の環状の吸着チャック65が嵌合されている。この円形状の吸着チャック63と第1の環状の第2の吸着チャック64および第2の環状の吸着チャック65は、多孔質セラミッックスの如き適宜の多孔性材料によって形成されている。なお、図示の実施形態においては、円形状の吸着チャック63は直径が100mmのウエーハを保持し、第1の環状の吸着チャック64は直径が200mmのウエーハを保持し、第2の環状の吸着チャック65は直径が300mmのウエーハを保持する大きさに形成されている。
上記チャックテーブル6に載置されるウエーハを保持する保持パッド71は、その下面である保持面711に上記円形状の嵌合凹部611と対応する大きさに形成された円形状の凹部712aと、該円形状の凹部712aを囲繞して設けられ上記第1の環状の嵌合凹部612と対応する大きさに形成された第1の環状凹部712bと、該第1の環状凹部712bを囲繞して設けられ上記第2の環状の嵌合凹部613と対応する大きさに形成された第2の環状凹部712cを備えている。また、保持パッド71には、上記円形状の凹部712aに連通する水供給穴713aおよび該水供給穴713aと連通する穴を備えた第1のパイプ接続部714aと、上記第1の環状凹部712bに連通する水供給穴713bおよび該水供給穴713bと連通する穴を備えた第2のパイプ接続部714bと、上記第2の環状凹部712cに連通する水供給穴713cおよび該水供給穴713cと連通する穴を備えた第3のパイプ接続部714cが設けられている。このように保持パッド71に設けられた第1のパイプ接続部714aと第2のパイプ接続部714bおよび第3のパイプ接続部714cは、それぞれ第1のフレキシブルパイプ82a、第2のレキシブルパイプ82b、第3のレキシブルパイプ82cによって水供給手段8の純水供給源81に接続されている。そして、第1のフレキシブルパイプ82a、第2のフレキシブルパイプ82b、第3のフレキシブルパイプ82cには、それぞれ第1の電磁開閉弁83a、第2の電磁開閉弁83b、第3の電磁開閉弁83cが配設されている。
上記図4に示す保持パッド71を用いてチャックテーブル6上に載置されたウエーハを保持する場合、直径が100mmのウエーハを保持する際には水供給手段8の第1の電磁開閉弁83aを附勢(ON)して保持パッド71の保持面711に形成された円形状の凹部712aとウエーハの被保持面(上面)との間に水の層を形成する。また、直径が200mmのウエーハを保持する際には、水供給手段8の第1の電磁開閉弁83aおよび第2の電磁開閉弁83bを附勢(ON)して保持パッド71の保持面711に形成された円形状の凹部712aおよび第1の環状凹部712bとウエーハの被保持面(上面)との間に水の層を形成する。更に、直径が300mmのウエーハを保持する際には、水供給手段8の第1の電磁開閉弁83aと第2の電磁開閉弁83bおよび第3の電磁開閉弁83cを附勢(ON)して保持パッド71の保持面711に形成された円形状の凹部712aと第1の環状凹部712bおよび第2の環状凹部712cとウエーハの被保持面(上面)との間に水の層を形成する。
2:装置ハウジング
3:荒研削ユニット
33:研削ホイール
4:仕上げ研削ユニット
43:研削ホイール
5:ターンテーブル
6:チャックテーブル
7a:第1のウエーハ搬送装置
7b:第2のウエーハ搬送装置
71:保持パッド
711:保持面
712:凹部
72:搬送移動手段
73:搬送アーム
74:回動軸
75:昇降機構
76:旋回機構
8:水供給手段
81:純水供給源
82:フレキシブルパイプ
83:電磁開閉弁
11:第1のカセット
12:第2のカセット
13:中心合わせ手段
14:スピンナー洗浄手段
15:ウエーハ搬出・搬入手段
W:半導体ウエーハ
T:保護テープ
3:荒研削ユニット
33:研削ホイール
4:仕上げ研削ユニット
43:研削ホイール
5:ターンテーブル
6:チャックテーブル
7a:第1のウエーハ搬送装置
7b:第2のウエーハ搬送装置
71:保持パッド
711:保持面
712:凹部
72:搬送移動手段
73:搬送アーム
74:回動軸
75:昇降機構
76:旋回機構
8:水供給手段
81:純水供給源
82:フレキシブルパイプ
83:電磁開閉弁
11:第1のカセット
12:第2のカセット
13:中心合わせ手段
14:スピンナー洗浄手段
15:ウエーハ搬出・搬入手段
W:半導体ウエーハ
T:保護テープ
Claims (3)
- ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送方法であって、
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドの該保持面をウエーハの該被保持面の上側に所定の隙間を設けて対面して位置付け、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面との隙間に水の層を介在させ、水の表面張力によって該保持パッドの該保持面にウエーハの該被保持面を保持してウエーハを搬送する、
ことを特徴とするウエーハの搬送方法。 - ウエーハの被保持面を保持して搬送するウエーハの搬送装置であって、
ウエーハの該被保持面に対応する大きさの保持面を有する保持パッドと、該保持パッドをウエーハが載置されている第1の位置とウエーハを搬送する第2の位置に移動する搬送移動手段と、該保持パッドの該保持面に水を供給する水供給手段と、を具備し、
該搬送移動手段は、該保持パッドを該第1の位置に載置されているウエーハの該被保持面の上側に移動せしめ、ウエーハの該被保持面と該保持パッドの該保持面を所定の隙間を設けて対面させるパッド位置付け手段を備えている、
ことを特徴とするウエーハの搬送装置。 - 該保持パッドは、親水性の高い材料によって形成されている、請求項2記載のウエーハの搬送装置。
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