JPH08264626A - 試料保持方法及び試料表面の流体処理方法並びにそれらの装置 - Google Patents

試料保持方法及び試料表面の流体処理方法並びにそれらの装置

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JPH08264626A
JPH08264626A JP10664095A JP10664095A JPH08264626A JP H08264626 A JPH08264626 A JP H08264626A JP 10664095 A JP10664095 A JP 10664095A JP 10664095 A JP10664095 A JP 10664095A JP H08264626 A JPH08264626 A JP H08264626A
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JP10664095A
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Inventor
Takao Sato
孝雄 佐藤
Yoichi Takahara
洋一 高原
Akio Saito
昭男 斉藤
Hitoshi Oka
齊 岡
Haruo Ito
晴夫 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ベルヌーイ保持具において単純な装置構成での
安定保持を達成することにより、装置体積が小さく、清
浄性の高い、流体処理装置を実現する。 【構成】試料保持面の形状を試料とほぼ同一とするか、
あるいはベルヌーイ効果を生じさせる領域とそれを囲む
領域とを特定の部材の組み合わせで構成した保持具20
を用いるとともに、保持具20に流体供給源70、71
を接続して、試料10の処理剤を含む1以上の流体を供
給する。 【効果】試料10端面に位置ずれを抑制する力が発生す
るため、安定した試料保持が可能となると共に、処理が
行なわれる、試料−保持具間が狭小であり、かつ流体が
常にこの処理空間から外部へ流れでるため、処理効率が
高く、試料10の再汚染の可能性が少ない、小体積の流
体処理装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板状試料の非接触状態
での保持方法、及びその保持方法を用いた試料表面の流
体処理方法、並びにそれらを実現する装置にかかり、特
に、清浄性が要請される薄膜デバイスの製造工程等に好
適な、板状試料の保持方法、及びその保持方法を用いた
試料表面の流体処理方法、並びにそれらを実現する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体、液晶ディスプレイ等の薄
膜デバイスは構造の微細化が進み、これらの製造技術の
高性能化、及び製造工程の高清浄性に対する要請がます
ます高まっている。半導体の薄膜デバイスの例でいえ
ば、除去異物の大きさは0.3μm以上、吸着イオンの
量は109原子/cm2以下、空気に触れることによって
形成される酸化膜の厚さは1nm以下とすることが要求さ
れている。また、製造時の薄膜デバイス用の基板は大形
化しているが、装置体積の増大防止と装置の低価格化と
に対する要請も高まっている。さらには、処理速度の大
幅な向上が望まれている。
【0003】これらの要請に対する一つの具体策とし
て、基板試料(以下、試料と略称する)を1枚ずつ処理
する方法(通称、枚葉処理と呼ばれている)があり、例
えば半導体製造工程の成膜工程等で実用化されつつあ
る。
【0004】しかし、現状の枚葉処理装置では上記要請
のすべてを満足しているとはいえない。この点を試料保
持と処理とに分けて説明する。
【0005】枚葉処理における主な試料保持方法では、
試料を保持具の上に載せる方法、真空チャックにより吸
着保持する方法、及び試料端を機械的に掴む方法があ
る。しかし、いずれも保持具が試料に直接接触する形式
のものである。このため、試料の接触部位が汚染され、
これが製品の不良発生率増加の一因となる。また、前記
の保持及び搬送用治具は、動作のための駆動装置、及び
動力伝達経路のための空間的制約があるため、処理装置
が大形・複雑化する。
【0006】枚葉処理方法に関連する具体的な例として
は、例えば特開平4−287922号公報(以下、第1
の従来例と云う)が挙げられる。この第1の従来例は、
試料を基板回転手段(スピンチャック)で固定し、機械
的に回転させながら試料表面に流体を噴射して表面処理
するものである。
【0007】上述した不都合を回避する方法としては、
特公昭53−29550号公報(以下、第2の従来例と
云う)に記載のごとく、流体のベルヌーイ効果を利用し
た試料の非接触保持方法(以下、ベルヌーイ保持もしく
はベルヌーイチャックと称す)がある。
【0008】図1Aは、ベルヌーイ保持の典型的な構成
を示した要部断面図である。この第2の従来例では、平
面を有する試料10と、表面に流体供給孔30を穿孔し
た平面板(保持具)20とを平行に対向させ、流体供給
孔30から流体100を供給した時に発生する試料10
と保持具20との間の負圧p、すなわち、周知のベルヌ
ーイ効果を利用して試料10の非接触保持を行うもので
ある。図中のFは流体噴射により試料10が受ける流体
噴射力を示す。
【0009】試料10と保持具20との間が負圧pとな
る原理は、ベルヌ−イの定理により知られたことなので
詳しい説明は省略する。この負圧pを引力とすれば、流
体噴射力Fは斥力となる。これら引力及び斥力と、試料
重量による重力とが釣合う位置で、試料10は保持具2
0に非接触保持される。
【0010】このベルヌーイ保持は、試料10と保持具
20の位置関係を図1Bのように上下逆転させても、図
1Aの場合と同様に成立する。
【0011】上記ベルヌーイ保持は、非接触保持となる
ことから低汚染の試料保持が可能となる。また、この保
持方法は、大形の駆動装置及び動力の伝達経路を用いる
必要がないため、装置を小形化することができる。
【0012】ところが、上述したような従来技術の方法
では、試料の横方向の位置ずれを抑制する力が働かない
ために、位置ずれが発生し易い。これを解決する方法と
して、ストッパを機械的に接触させる方法、あるいは位
置ずれを検出し補正する方法等がある。ところが、前者
の方法は、位置ずれ防止手段等が試料に部分的に接触す
るので完全な非接触保持とは云えない。また、後者の位
置ずれ防止手段は、装置が複雑なものとなり、小形化す
るのは難しい。
【0013】他の非接触保持方法としては、特開昭60
−74438号公報、特公平4−69420号公報に記
載の例のように、試料としてのウェハを挟んで上下両側
に、あるいは片側に流体噴射基板を設け、ウェハを浮遊
させた状態で回転しながら処理する方法(以下、第3の
従来例と云う)がある。
【0014】これらの従来技術では、ウェハの上下方
向、およびウェハの横方向の位置ずれを抑制する力が働
かない。さらに、ウェハはオリエンテ−ションフラット
と称される欠けた部分があり、軸非対象である。このた
め、ウェハの浮遊と回転を可能とするには、流体噴出量
を精度良く制御する必要がある。
【0015】すなわち、特開平5−211225号公報
に記載のように、ウェハの位置を探知する感知手段と流
体を噴出する場所、方向、量を決める制御手段を必要と
する。これは装置大形、複雑化、高価格を招くことにな
り、上述したような時代の要請に反するものである。
【0016】なお、気体の流速が音速の約半分(173
m/s)以下の領域では、気体も液体と同様に非圧縮性
流体として取扱えるので、上記した従来技術において流
体が気体であっても、液体であっても同じように論じら
れることは流体力学の分野から周知である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例に示した技術では、保持具が試料に直接接触
する保持方法であるため、試料の接触部位の汚染は避け
らない。また、試料の保持、洗浄、乾燥が各々独立した
別の機構により行われるため、装置体積が大きくなる。
【0018】また、上記第2の従来例に示した技術は、
流体を介した保持方法であり、装置体積及び清浄性の点
で第1の従来例より優れているが、保持位置を安定化す
るために保持板の外周に設けた突出体が試料に接触して
いる。従って、試料の接触部位の汚染は依然として解決
されない。
【0019】また、上記第3の従来例に示した技術で
は、洗浄液の噴射によって試料を浮上・回転させるもの
であるが、試料の保持位置安定性を確保する手段を持た
ない。このため、洗浄液を噴射するポンプの振動、脈
動、回転ムラ、圧力変化、気泡の巻き込みなどによって
生じる噴射ムラにより、該試料は位置ずれを起す。著し
い場合には、上部噴射部と下部噴射部とを接続する側
壁、上、下噴射部に衝突する。前記衝突により試料の衝
突部は破壊され、破片による汚染が生じる場合もある。
特に、半導体ウエハは、オリエンテーションフラットと
呼ばれる切欠きがあり、真円ではなく、回転中心と重心
とが異なる。このため、本方法による浮上・回転におい
ては位置ずれが起りやすい。
【0020】以上述べたように、従来の技術では、上述
したような時代の要請にあった装置、すなわち、非接触
状態で安定な保持が可能であり、処理によって高い清浄
性が得られ、機械的機構が少ないために小形、低価格な
装置となり、空気に触れないために酸化膜の成長が抑え
られ、処理流体の流速が速いために高速処理ができると
いう装置の実現が無かった。
【0021】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消することにあり、第1の目的はベルヌーイ保持によ
る安定した試料保持方法を、第2の目的はこの保持方法
により試料を保持しつつその保持面を流体で処理する流
体処理方法を、第3の目的は板状試料の保持装置を、そ
して第4の目的は板状試料の流体処理装置を、それぞれ
提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記各目的の達成手段に
ついて以下に説明する。
【0023】上記した第1の目的は、保持すべき試料
と、当該試料に対向する試料保持面との間に流体を流す
ことで生じるベルヌーイ効果を利用して、当該試料を非
接触保持する試料保持方法において、保持されている試
料の外周縁と試料保持面との間に作用する張力の大きさ
が急激に変る、当該試料保持面上に形成される境界に囲
まれる領域の大きさが、前記試料の大きさと、当該試料
保持面に対する試料の位置ずれを抑制しようとする方向
において、ほぼ同一となる構成を有する試料保持面に、
ベルヌーイ効果を利用して、前記試料を非接触保持する
ことを特徴とする試料保持方法により達成される。
【0024】より具体的には、例えば図1A、Bで示し
たような、板状の試料10を流体を介し保持具20上に
非接触状態で保持する試料保持方法においては、保持具
20の試料保持面20aのうち試料10が対向する領域
(ベルヌ−イ効果を生じさせる領域で、以下ベルヌ−イ
有効領域と称す)の大きさを、試料の寸法と+4mm,
−8mm以内で同一とする。試料10としては、例え
ば、半導体基板ウェハ等の円板状試料や、長方形や方形
形状の板状試料等を用いることができる。
【0025】以上のような構成によれば、流体が液体の
場合は試料10と保持具20の端面で発生する表面張力
のために、気体の場合は試料10端面で発生する斜め流
れ、気体の流れによって発生する保持具20と試料10
間の静電気力のために、図中の試料10の左右(横方
向)の位置ずれを抑えることができる。
【0026】また、例えば図2Aに示すように、2つの
保持具20を用いて試料10を挾み非接触保持する方法
では、保持具20の試料保持面20aと試料10の表面
間の間隔を2.5mm以下とすることによって、ベルヌ
−イ効果から試料10に斥力(F)、引力(p)を働か
せしめ、図中の試料10の上下の位置ずれを抑えること
ができる。
【0027】上記第2の目的は、前記第1の目的を達成
する試料保持方法において、使用する流体を、試料の保
持面に対して特定の処理を施す性質のものを用いること
により達成される。
【0028】この場合、流体は試料表面の処理目的によ
って適宜選択される。代表的な適用例を挙げれば、液体
の場合には、化学反応を伴わない処理例として純水によ
るリンス処理が挙げられる。また、化学反応を伴う処理
例としては、エッチング液によるエッチング処理、各種
リソグラフィ工程における現像液による現像処理等が挙
げられる。流体が気体の場合には、化学反応を伴わない
処理例として窒素ガス等の不活性ガスによる乾燥処理が
挙げられ、また、化学反応を伴う処理例としては、エッ
チングガスによるドライエッチング処理等が挙げられ
る。
【0029】この種の表面処理においては、処理効果を
高める手段として、試料に物理的な振動を与えることが
有効である。これは、振動発生源として例えば超音波振
動子を保持具表面あるいは内部に設けることにより実現
できる。
【0030】処理効果を高めるための別の手段として、
保持具の表面に、その中心から半径方向、つまり回転方
向に直交する方向に延在する溝を配設することが有効で
ある。溝の構造は、保持具の中心から周辺に連続した直
線状に伸びる幅の等しい溝、曲線状に伸びる幅の等し
い、もしくは幅の異なる例えば三日月状の溝とし、回転
中心を軸として対称に(放射状に)複数本配設すること
が好ましい。そして、この溝内には流体排出用の穴を設
けてもよい。以上のような構成により、例えば洗浄液や
リンス液の流れを容易に制御することができる。
【0031】上記第3の目的は、試料を搬送あるいは処
理する装置の試料保持手段として、前記第1の目的の達
成手段で述べられた、試料の位置ずれを抑制する抑制力
を発現させ得る構造を有する保持具を用いることにより
達成される。
【0032】前記保持具を、例えばロボットのアームの
先端に接続し、試料を保持した状態でアームを移動させ
て試料を搬送する。前記保持具の取付け方は必要に応
じ、保持面を上に向ける方法と下に向ける方法とから選
択する。
【0033】流体が液体の場合には、搬送時に流体の供
給を停止し、試料を静止させた状態で搬送することが可
能である。この場合の試料保持は、液体の表面張力を利
用している。なお、流体が気体の場合には常時ガスを噴
射することが望ましい。
【0034】上記第4の目的は、試料の処理装置におい
て用いる試料保持手段として、前記第3の目的の達成手
段で述べられたような、試料位置ずれ抑制力を発現させ
得る構造を有する保持具を用いることにより達成され
る。
【0035】装置の構成としては、例えば、前記保持具
を1個用い試料の保持面のみを処理し反対側の面を別の
手段により処理する方法と、前記保持具を2個用い試料
を挾み両面処理する方法とがある。
【0036】また、複数の流体の供給源を配設し、切り
換え弁で経路を切り換えて所望の流体を保持具に供給す
ることにより、複数の処理を同じ保持具で連続して行う
方法も有効である。これは例えば半導体ウェハをエッチ
ング液で処理した後、流体を純水に切り換えてリンス
し、さらに窒素ガスに切り換えて乾燥する工程に適用で
きる。
【0037】また、装置をより小形化するための手段と
して、流体の温度制御手段を保持具の内部に設けること
も有効である。
【0038】
【作用】上記第1の目的を達成することのできる試料保
持方法の発明によれば、従来のベルヌーイ保持及び処理
方法の問題点であった、試料位置の不安定性を克服でき
る。従って、板状試料の安定した非接触保持が、簡便な
構成の保持具により実現できる。さらに、前記保持具を
用いることにより、試料の保持、搬送、処理ができる、
小形で、かつ低価格な装置を実現することが可能とな
る。
【0039】本発明により保持される試料に働く、試料
の縦方向の位置ずれを抑制する力について、本発明を適
用した2つの保持具20に挾まれた試料10を例にとっ
て、図2Aを用いて説明する。
【0040】試料10は、図中のFu,Pu,Fl,P
lの四つの力に加えて、試料の重量(w)の5つの力が
均衡した場所で安定して浮遊する。それぞれ個別に力の
大きさを実測する手段がないので、周知のエネルギー保
存則に基づいた流体力学的関係式から計算によって、各
力の大きさ、試料の浮遊高さを求めた。
【0041】なお、この計算は試料10として半導体基
板ウエハを用いた場合の例である。ここで、保持具直
径:125mm,流体噴出孔直径:1mm,噴出孔位
置:保持表面中心,流体:水,噴出量:上下とも5リッ
トル/分,試料直径:125mm,試料重量:15.6
g,試料厚さ:0.55mmを用いた場合のものであ
る。その計算結果の一例は図2Bに示すようになる。
【0042】この計算結果によると、保持具間の距離
(ウェハの厚さを除いた隙間)が約5mmを越えると、
ベルヌ−イの原理による試料10の保持具への吸引力P
u,Plがほぼ零となる。これは、試料10が流体の噴
出力Fu,Flのみの力の均衡で浮遊することを示して
いる。
【0043】通常、流体の流量Qu、Qlはポンプの脈
流、気泡の発生などにより、常に一定流量を保つのは難
しい。よって、隙間が約5mmを越えると上下の力の均
衡が崩れて、試料10の上下振れが始まり、試料は上、
下の保持具20に接触する場合がある。
【0044】加うるに、流体を噴出する噴出孔30の
径、角度、孔内面粗さなど、噴出孔30を通り試料10
へ噴射される流体の運動量に影響する寸法諸元を、上、
下保持具ともに、全く同一に作製することは難しい。こ
のため、通常は、上、下保持具の噴出孔30の寸法緒元
のずれにより、試料10へ噴出された流体の運動量が厳
密には一致しない。このような状態において、例えば軸
非対称の試料の回転がある場合には、試料の上下振れが
一層大きくなり、最悪の場合には、試料10と保持具2
0との接触が生じることもある。
【0045】よって、本発明のように、試料10の厚さ
を除いた隙間を5mm(片側2.5mm)以下とすることに
よって生じる強力なベルヌーイの吸引作用によって、ウ
ェハの上下振れを防止できる。
【0046】次いで、本発明により実現できる、横方向
への試料10の位置ずれ防止効果について述べる。
【0047】最初、流体が液体の場合について説明す
る。図3Aはウェハ10が上保持具及び下保持具の中心
位置に浮遊している状態を示す。液体は各保持具の周辺
の一部から流下するが、保持具周辺の大部分は、保持具
−ウェハ間で、流体の表面張力により、気−液界面(以
下、メニスカスと呼ぶ)Sを形成する。
【0048】右方向への何らかの力によって、ウェハ1
0が位置ずれした状態を図3Bに示す。この状態では、
メニスカスSは、発生した位置ずれ分だけ、その表面積
を増した形状で形成される。すると、メニスカスSの表
面積を最小とすべく働く力である、表面張力が働き、図
3Bに示される状態は、ただちに図3Aに示される安定
状態へ戻ろうとする。
【0049】このとき、前記表面張力に対応して発生す
る、試料10の横方向のずれを戻す方向に働く抑制力
は、後述する実施例で示されるように、ウェハ10の面
積と、ウエハ10の表面に対向する、保持具20の試料
保持面の面積との相対的な関係により変化する。
【0050】特に、試料10の面積と、保持具20の試
料保持面の面積とを、ほぼ同一とすることでより大きな
抑制力が働く。このため、本発明の構成によれば、より
効果的に、試料10における横方向の位置ずれを防止す
ることができる。
【0051】次に流体が気体の場合について述べる。こ
の場合、試料10の横方向の位置ずれを防止する抑制力
として働く力としては、以下の2つの抑制力が作用して
いるものと考えられる。
【0052】第1の抑制力は、試料10と保持具20と
における帯電によって生じる静電引力である。図4A
は、試料10と保持具20の帯電状態を示したものであ
り、図中の「+」は正電荷、「−」は負電荷を、点線は
電気力線を示すものである。
【0053】金属、有機材料、無機材料にかかわらず、
固体と流体が接する固体表面では帯電現象が生じること
は界面化学の分野では周知である。このような現象の発
生機構は複雑で完全な解明に至っていない。しかし、異
種物質の接触によって生じることが明らかであり、その
形態に応じて、摩擦帯電、接触帯電、スプレー帯電、流
動帯電などと呼ばれている。
【0054】図4Aの帯電状態、電気力線にある試料1
0が、例えば図4Bのように位置ずれすれば、試料10
と保持具20間の電気力線が歪み、静電気の引力(クー
ロン力)によって、ただちに図4Aに示す安定状態へ戻
ろうとする。ここで、後述する実施例にも示すように、
試料10の面積と保持具20の試料保持面の面積とが、
大きく異なる場合には、横方向のずれを戻す方向に働
く、静電引力による抑制力は小さくなる。
【0055】また、保持具20を構成する部材が電気的
絶縁材である場合、クーロン力による抑制力が働きやす
い。これは、電気的絶縁材で構成される保持具20の試
料保持面上では、電荷が移動しにくいため、試料10が
横ずれした場合に発生する電気力線の歪みが大きくなる
ためと考えられる。
【0056】したがって、ベルヌーイの定理によって試
料10と保持具20が微小間隔で平行に配位させ、試料
10と保持具20の形状がほぼ同一とすることにより、
流体として流れる気体の帯電作用に起因して生じる第1
の抑制力により、試料10の横方向の位置ずれを防止す
ることができる。
【0057】流体が気体の場合に働く、第2の抑制力は
次のようである。
【0058】この第2の抑制力を利用するには、図5A
に示すように、下保持具20の外周上に軸対称で、試料
10の横位置ずれ制御用の抑制孔30s、30s’・・
・を設ける。なお、図中の100は、試料10の浮遊状
態において、その回りを流れる気流の状態を示してい
る。試料10、下保持具20端では、下保持具20の試
料保持面に沿った横方向気流と、抑制孔30s、30
s’・・・の上方向気流の合流とによって、下保持具2
0の試料保持面に対して斜め方向の気流を生じる。
【0059】試料10が、なんらかの理由で横方向にず
れた場合には、図5Bに示すような状態となる。この状
態においては、試料10の位置ずれによって、本図に向
かって右端の抑制孔30sは開放されるが、左端の抑制
孔30s’は試料10の表面で閉じられる。このため、
試料10の端に斜め気流が一層集中する。その結果、試
料10には右横方向への力、すなわち、第2の抑制力が
働くことになり、ただちに図5Aに示す状態に戻る。
【0060】ここで、後述する実施例で示すように、試
料10と上下保持具20の形状をほぼ同一として、下保
持具20の試料保持面の外周に、制御用の抑制孔30
s、30s’・・・を設けることで、前記第2の抑制力
が効率的に作用するため、試料の横方向の位置ずれを防
止することができる。
【0061】以上説明したように、必要とする抑制力及
び試料10の大きさに応じて、保持具20の試料保持面
の寸法を設定し、この設定された寸法の試料保持面を備
えた保持具20を用いて試料を保持することにより、試
料10の安定した、非接触保持を可能とする、試料保持
方法を提供することが出来る。
【0062】特に、試料10の面積と、保持具20の試
料保持面の面積とを、ほぼ同一とすることで、より効果
的に、試料10における横方向の位置ずれを防止するこ
とができる。
【0063】上記第2の目的を達成することのできる流
体処理方法の発明によれば、数種類の流体を用いた、高
清浄な連続処理を実現できる。
【0064】すなわち、試料と保持具との寸法がほぼ同
じであるため、試料によって上面と下面に完全に区切ら
れる。このため、流体が常に、試料の表面、裏面を独立
して処理できる。試料は、常に上保持具及び下保持具に
よって形成された微少な処理空間内で非接触に保持さ
れ、かつ噴射される流体の処理作用によって、外部から
の汚染物質に触れることはなく、清浄に処理される。
【0065】さらに、本発明では、流体が常に処理空間
の内部から外部に流れるため、除去された汚染物は外部
に運び去られ、上下の移動や逆流がないので再汚染現象
がない。また、この微小な処理空間内を流れる処理液の
流速をさらに高速化することで、流体と試料との化学的
及び物理的反応をより高め、その結果、処理速度を増加
させることができる。
【0066】さらに、流体が液体であっても、気体であ
っても、試料は微小処理空間で安定に、且つ非接触で保
持、処理される。このため、処理、リンス、乾燥などの
液体から気体への連続切換え処理を、処理液に無駄を生
じることなく、且つ迅速に実施できる。
【0067】上記第3の目的を達成することのできる試
料保持装置の発明によれば、機械的な接触のない安定な
試料保持を可能とする、小形化が可能な装置を提供する
ことができる。
【0068】上記第4の目的を達成することのできる試
料処理装置の発明によれば、機械的な接触のない高清浄
な試料処理、リンス、乾燥、試料搬送を可能とする、小
形化が可能な装置を提供することができる。
【0069】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について、図
面を用いて説明する。
【0070】〈実施例1〉本実施例では、流体を液体と
した、保持すべき試料とほぼ同じ大きさの試料保持面を
備える保持具について説明する。また、以下の説明で
は、本実施例の保持具で保持される試料に働く、横方向
への位置ずれを抑止する抑制力について述べる。
【0071】(1)装置構成 本実施例の保持具21は、図6Aに示したように、直径
125mm、厚さ10mmの円板状のフッ素樹脂製の
板、例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン)製
板の中心に、直径1.0mmの試料10を浮上させるた
めの試料浮上孔16(噴出孔)を形成して構成される。
【0072】本実施例の保持具としては、また、図6B
に示すような構成としても良い。すなわち、本実施例の
保持具22は、直径205mm、厚さ10mmの円板状
のテフロン板Bの中心の表面に、直径125mm、厚さ
1.0mmの純度95%のアルミナ・セラミック板Aを
はめ込むことで、ウェハ10と対向するベルヌ−イ有効
領域を形成する。さらに、ベルヌーイ有効領域の中心
に、直径1.0mmの試料浮上孔16を形成して構成す
る。
【0073】本実施例では、試料10として5インチ
(直径:125mm)のシリコンウェハを用い、流体と
して試料浮上孔16から2リットル/分の流量で超純水
を噴出した。このときウェハ10は0.85mm浮上し
た。なお、超純水は、図示されない流体供給機構に含ま
れる流体ポンプにより、当該流体供給機構に含まれる流
体用タンクから供給される。
【0074】本実施例の保持具により保持される試料1
0に働く抑制力は、例えば、以下のような構成により測
定する。すなわち、本実施例の保持具21に保持される
ウェハ10の端部には、糸11が接着されている。この
糸11は、滑車12を通して電子天秤14の上に置かれ
た重さ10gのおもり13に接続されている。電子天秤
14は、ジャッキ15により支持されている。この状態
で、ジャッキ15の位置を所定量下げると、ウェハ10
は右方向にずれる。ここで、ウェハ10に作用する抑制
力は、おもり13の重力とは反対方向に働く。よって、
抑制力は、当該抑制力が作用しているおもり13による
電子天秤14への負荷の変化を計測することによって得
られる。
【0075】(2)動作説明 上記作用の欄で詳述したように、試料10の横方向への
位置ずれを抑止する抑制力は、試料10と保持具21あ
るいは22の間に形成されるメニスカスSの表面張力に
起因する。
【0076】本実施例の保持具21は、保持すべき試料
10とほぼ同一の大きさ、形状の試料保持面を備えるこ
とにより、試料10の横ずれに伴うメニスカスSの変形
においても、試料保持面とメニスカスSとの接触部位が
容易に移動することがない。したがって、試料10が横
ずれした場合には、その横ずれに伴い変形したメニスカ
スSの表面張力により、試料10端には、横方向の位置
ずれを抑制する力が働く。
【0077】また、本実施例の保持具22では、試料1
0とほぼ同一の形状で、利用する液体に濡れやすい(拡
張濡れを示す)材料で試料保持面(ベルヌーイ有効領
域)が形成し、さらに、その試料保持面の外側を液体を
濡らさない(付着濡れを示す)材料で囲んで構成され
る。上記構成によれば、保持具21と同様に、安定した
メニスカスSが形成され、試料10端には表面張力によ
る横方向への位置ずれを抑制する力が働く。
【0078】また、ベルヌーイ効果を生じさせるために
用いられる液体の表面張力は、一般に30dyn/cm以上、
より広い用途を含むと21dyn/cm以上である。このた
め、本実施例において用いることができる拡張濡れを示
す材料としては、臨界表面張力(これより小さな表面張
力の液体を濡らす)が21dyn/cm以上を有するナイロ
ン、塩化ビニル、無機酸化物、窒化物、炭化物などを用
いることができる。一方、付着濡れを示す材料として
は、臨界表面張力が21dyn/cm以下であるフッ素樹脂
(テフロンなど)、ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂
などを用いることが出来る。
【0079】保持具22の構成においては、用いる液体
の表面張力より大きな臨界表面張力を有する材料でベル
ヌ−イ有効領域Aを形成し、液体の表面張力より小さな
臨界表面張力を有する材料で、前記ベルヌ−イ有効領域
の外側領域Bを形成する。
【0080】(3)性能評価 保持具21を用いた場合、ウェハ10のずれ量と、ウェ
ハ10に働く抑制力との関係は、図6Cの曲線(1)の
ように測定された。ずれ量が小さい領域では、ウェハ1
0円周の均衡によって、抑制力も小さい。ところが、ず
れ量が2mmを越えると、抑制力は急速に増大し、6m
m以上でほぼ一定の7mNとなり、8mmを越えるとウ
ェハ10が保持具21とが接触して計測不能となった。
【0081】保持具22を用いた場合、ウェハ10のず
れ量と抑制力の関係は、図6Cの曲線(2)のように測
定された。ずれ量と抑制力は、保持具21の場合と同様
の傾向を示したが、全体的には保持具21より大きな抑
制力を得た。これはウェハ10下に位置する、保持具2
2の試料保持面が拡張濡れを示すために、大きな抑制力
が作用するためと推察される。
【0082】保持具21の直径と、5インチウェハを保
持具21の中心から横方向へ2mmずらしたときの抑制
力との関係を、図6Dの曲線(1)に示す。図6Dの縦
軸は、ウェハ10が、保持具21あるいは22の表面中
心から横方向に2mmずれた場合の抑制力を示す。ウェ
ハ直径Dより、保持具21の直径が4mm小さい場合
に、最大抑制力が計測された。また、保持具21の直径
がウェハ10の直径Dに対し、(D+4)mm〜(D−
8)mmの範囲で、実用的に満足できる、大きな抑制力
が計測された。
【0083】保持具22の直径と、5インチウェハを保
持具22の中心から横方向へ2mmずらしたときの抑制
力との関係を、図6Dの曲線(2)に示す。なお、この
場合のベルヌーイ有効領域Aは、直径125mm、厚さ
1mmの炭化珪素基板で構成される。保持具22の場合
も、曲線(1)と同様の関係を得た。
【0084】また、保持具21及び22の直径が、ウェ
ハ直径Dより約4mm小さいとき最大抑制力が働く現象
は、試料浮上孔16から噴出される超純水自身の重量に
よるメニスカスSの形状の変形を含むためと推測され
る。
【0085】したがって、本実施例によれば、保持しよ
うとする試料の大きさ、及び所望する抑制力に応じて、
ベルヌーイ効果を生じせしめる領域(ベルヌーイ領域)
の大きさを決定し、当該ベルヌーイ領域に対応する試料
保持面を備えるように保持具を構成することにより、試
料を非接触で安定に保持することを可能とする、試料保
持方法及び装置を提供することが出来る。
【0086】なお、本実施例では、流体を試料10へ噴
出する試料浮上孔16を、保持具20の試料保持面の中
心に1つ設けた場合について説明したが、流体を噴出す
る孔を複数個設ける構成としても、同様な効果が得られ
る。
【0087】また、本実施例では、試料10として半導
体基板用のウェハを用いた場合について説明したが、他
の形状、重さ、構成部材による試料に対しても、本実施
例とほぼ同様な効果が得られる。
【0088】また、本実施例では、1つの保持具20を
用いて試料10を保持する方法について説明したが、も
ちろん、図3に示すように、試料10を挾むようにし
て、試料10の上下に配置された保持具20を用いる構
成としても、試料10の安定な非接触保持を実現するこ
とができる。
【0089】〈実施例2〉上記作用の欄で詳述したよう
に、試料に働く抑制力は、試料と保持具の端面で形成さ
れるメニスカスの表面張力によって生じる。よって、よ
り大きな表面張力変化、すなわちメニスカスの表面積変
化を得るように、保持具の外周形状あるいは端面形状を
調整することで、より大きな抑制力が得られる。上記実
施例1の保持具の端面は、その試料保持面と直角をなす
面であったが、本実施例では、より大きな抑制力を得る
ことが出来る、外周あるいは端面形状を有する保持具の
構成例について説明する。
【0090】(1)装置構成 本実施例の保持具23、24の構成は、図7A、Bに示
すように、端面形状を除いて、上記実施例1の保持具2
1(図6A参照)の構成と同じである。
【0091】本実施例において、テフロン製の保持具2
3は、図7Aに示すように、その外周を深さ3mm、幅
5mmの寸法で段差部23dを設け、メニスカスSの表
面積増大を図ったものである。また、保持具24は、図
7Bに示すように、その外周を、深さ方向2mm、横方
向5mmの寸法で、保持具24の試料保持面と約21.
8度の角度をなすテーパ面を形成するテーパ部24tを
設け、メニスカスSの表面積増大を図ったものである。
【0092】(2)動作説明 本実施例の保持具23、24において、試料としてのウ
ェハ10を、保持具の試料保持面の中心から2mm横方
向にずらしたときの抑制力の大きさを、上記実施例1で
用いられた方法と同じ方法で測定し、比較した結果を図
7Cに示す。
【0093】保持具23及び24の両方とも、図6Aに
示す保持具21に比較して、より大きな抑制力を得るこ
とができた。特に、保持具24のようにテーパ部24t
を保持具外周に形成することにより、保持具21の端面
形状である直角の単純形状で得られる抑制力の約10倍
である、8.8mNの大きな抑制力を得ることができ
た。
【0094】本実施例による抑制力の実験結果によれ
ば、メニスカスSの表面積を増大させると、抑制力の大
きさが増加することが判明した。この結果、及び上記実
施例1での抑制力に関する測定結果を併せて考えると、
試料が横ずれした場合に、当該試料を保持具の試料保持
面の中心位置に戻そうとして働く抑制力は、メニスカス
Sの表面張力に依存しているということが、より明確と
なる。
【0095】さらに、本実施例および上記実施例1の実
験結果によれば、試料と保持具の形状をほぼ同一寸法と
することによって、試料10の横ずれを抑止する抑制力
を高めことができるという効果が達成されることが明白
となる。
【0096】(3)性能評価 本実施例によれば、メニスカスSの表面積が増大される
ように、保持具の端面形状を形成することで、保持され
ている試料に対して働く横方向の抑制力を増加させるこ
とが可能となり、試料の横ずれに対してより安定性の高
い、非接触保持を可能とする保持具を提供することがで
きる。
【0097】本実施例では、流体が液体の場合にメニス
カスの表面積を増大させるために、保持具外周に段差あ
るいはテーパ部を設けたが、流体が気体の場合にも、保
持具外周部を調整することで、試料10の安定性を高め
ることができる。
【0098】より具体的には、保持具の外周部を逆テー
パ構造、すなわち、保持具の試料保持面の端面位置での
試料10までの距離が、試料保持面の中心でのそれより
も小さくなる構造とする。このような構造によれば、外
周部での気体の流れが変り、試料10の位置ずれを抑止
する方向へ抑制力が働く。
【0099】〈実施例3〉上記実施例1、2では、保持
具の寸法、端面形状と抑制力の大きさとの関係につい
て、保持具の断面形状から述べた。本実施例では、ベル
ヌーイ効果を生じさせた液体の回収を容易にする、保持
具の試料保持面の表面形状の例について説明する。
【0100】(1)装置構成 上記実施例1、2で述べた保持具は、例えば図6A、B
で示したように、液体に濡れ難いテフロンやポリプロピ
レンなどの付着濡れを示す材料から成るか、もしくは拡
張濡れを示す材料で構成されたベルヌーイ有効領域を付
着濡れを示す材料で囲んで構成される。
【0101】これらの構成の保持具では、試料浮上孔1
6より噴出された液体は、保持具の周辺から一様に流出
せず、放射状に、複数の位置(3〜5箇所)から分かれ
て流出する。したがって、液体が流出しやすい個所を予
め設けておけば、流出する液体を回収することができ
る。
【0102】本実施例の保持具における、試料保持面の
表面形状の一例を図8Aに示す。本実施例の保持具25
は、以下の点を除いて、上記実施例1の保持具21(図
6A参照)と同じ構成を有している。
【0103】保持具25の試料保持面上には、液体が噴
出される試料浮上孔31が4つ穿孔されていると共に、
試料浮上孔31のそれぞれより、外周に向かって深さ
0.3mm、幅2mmの溝32が形成されている。保持
具25の試料保持面上には、さらに、溝32のそれぞれ
の外周先端に位置し、試料浮上孔31から噴出された液
体を回収する回収孔33が備えられている。回収孔33
で回収された液体は、例えば、回収孔33に接続されて
いる、回収液体用のタンク等に貯溜する。
【0104】なお、保持具25の試料保持面上に形成さ
れる溝32は、実際は溝である必要はない。例えば、液
体に濡れ易い拡張濡れを示すナイロンや塩化ビニールな
どをテープ状に貼り付けても良い。要は各試料浮上孔3
1か噴出された液体が、流れやすい条件さえ与えること
ができるものであれば、その具体的な構成は限定される
ものではない。
【0105】本実施例の保持具における、試料保持面の
表面形状の他の例を、図8Bに示す。本実施例の保持具
26は、試料を回転させつつ浮上させる、非接触保持を
可能とする。保持具26の基本的構成は上記の保持具2
5と同じであるが、試料浮上孔31の形状と、溝32の
形状が、保持具25のものと異なる。
【0106】すなわち、試料浮上孔31は、試料の表面
へ所定の角度方向に沿って液体を噴出することができる
ように、試料保持面に対してある角度をもって形成され
ている。このような構成の試料浮上孔31から試料10
表面へ液体が噴射されると、試料10には、試料保持面
の法線方向を軸として回転する方向への回転力が与えら
れる。この結果、試料保持面上に非接触保持された状態
のまま、試料保持面と平行な面で試料10が回転する。
【0107】また、保持具26の試料保持面上の溝32
は、試料の回転方向にらせん状に形成される。このよう
ならせん状の溝によれば、回転する試料10と試料保持
面との間の液体の流れが停滞することなく、より迅速に
流れるようにするという効果がある。
【0108】なお、上記の保持具25と同様に、溝32
を設ける代わりに、拡張濡れを示す材料で構成されたテ
ープ状の部材をらせん状に貼付る構成としても良い。こ
れらは、試料浮上孔32から噴出された液体が、保持具
26の試料保持面を流れる流線に沿ったものであれば良
い。
【0109】(2)動作説明 本実施例の保持具25、26において、試料浮上孔31
から試料へ向かって噴出された液体は、溝32に沿って
回収孔33へ流れ、回収孔33で回収される。
【0110】保持具26、26において、回収孔33が
位置する部分以外の、保持具の周辺端面形状を、直角
(図6A参照)とした場合、及びテーパ部(図7B参
照)を付けた場合について、上記実施例2と同様に抑制
力を求めた。
【0111】本実施例の保持具25、26では、回収孔
33を設けたにもかかわらず、抑制力の低減はなかっ
た。両保持具25、26共に、端面形状が直角の場合に
は、約1.0mNの抑制力を、図7Bと同様なテーパ部
を設けた場合には、約9mNの抑制力を得た。
【0112】(3)性能評価 本実施例によれば、保持具の試料保持面上に溝、あるい
は拡張濡れを示す材料で構成されるテープ状の部材を貼
付ることで、ベルヌーイ効果を生じさせた液体を、より
効率的に回収することができる。
【0113】〈実施例4〉本実施例では、流体を気体と
した場合、試料の横方向への位置ずれを抑止する抑制力
を得ることができる、試料の大きさとほぼ同一の大きさ
の試料保持面を備える保持具について説明する。
【0114】(1)装置構成 図9Aは本実施例の保持具21と、保持具21により非
接触保持されている、浮上中の試料10とを示す側面図
である。また、図9Bは保持具21の試料保持面の様子
を示す上面図、図9Cは保持具21の斜視図である。
【0115】本実施例の保持具21には、試料10を回
転させつつ非接触保持するための気体を噴出する4つの
試料浮上孔1と、試料10の横方向への位置ずれを抑止
する抑制力の一部を発生する6つの抑制孔2とが形成さ
れている。保持具21の構成材料としては電気的絶縁部
材を用い、より具体的には、厚さ10mmの塩化ビニー
ル、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、あるい
は、アクリル樹脂を用いる。保持具21の試料保持面
は、直径125mmの円形である。
【0116】4つの試料浮上孔1は、互いに軸対称とな
るように、試料保持面に対し60°の角度をなすように
形成された、直径1mmの貫通孔である。また、抑制孔
2は、保持具21の外周に配置される。より具体的に
は、各抑制孔2は、保持される試料10の外周線上に中
心を持ち、保持具21の試料保持面の中心に向かって、
当該試料保持面と80°の角度をなすように形成され
た、直径1mmの貫通孔である。
【0117】試料浮上孔1及び抑制孔2は、それぞれ所
定の配管を介して、噴出すべき気体を供給する、気体用
タンクおよび流量調整装置を含む気体供給機構(図示せ
ず)に接続される。本実施例では、噴出する気体として
は、10気圧の窒素ガスを用いる。窒素ガスは、窒素タ
ンクから、流量調整バルブを通して所望の流量で浮上孔
1及び抑制孔2へ供給される。
【0118】本実施例において用いる試料10は、上記
実施例1と同様に5インチ(直径125mm)シリコン
ウェハである。ウェハは、25℃の水:99%、フッ
酸:1%溶液に、5分間浸漬してエッチングする。さら
に、超純水に3分間浸漬してリンスし、スピン乾燥機を
用いて乾燥して、純粋なSi表面を持つウェハとして用
いる。また、このウェハを、1昼夜空気中に放置してS
iを自然酸化させて、SiO2表面を形成させたウェハ
も試料10として用いた。
【0119】(2)動作説明 本実施例の保持具21における、保持している試料10
の横方向の位置ずれを抑止するように働く抑制力の一因
となる、保持具21と試料10との間に働く静電引力に
ついて説明する。
【0120】図10Aは、試料浮上孔1から噴出される
高速気流によって保持具21とウェハ10の間に発生し
た静電気の帯電状態の1例を示す。なお、本図では、説
明を明確にするために、試料浮上孔1の形状を省略して
表示している。
【0121】保持具21が例えば負に帯電すると、非接
触保持されているウェハ10は分極する。このため、保
持具21の試料保持面に対向するウェハ表面は正に、そ
の裏側は負に帯電すると考えられる。また、図10Bに
示すように、上、下の保持具の間でウェハが浮遊してい
る場合には、非接触保持されているウェハは、表裏とも
に誘導電荷によって正に帯電する。
【0122】本実施例の保持具21において、エレクト
ロスタティック・フィールドメータModel FM−
300(英国SIMCO社製)を用いて、帯電している
ウェハ表面の帯電量を計測した結果を図11に示す。図
11は、試料浮上孔1から20リットル/分、抑制孔2
から10リットル/分の流量で窒素を噴出させ、ウェハ
を浮上させたときのウェハ帯電量の時間変化を示すもの
である。なお、帯電量は、ウェハ10の上面、すなわち
保持具21の試料保持面と対向する面の裏面で計測され
た。
【0123】本実施例の保持具21においては、上記測
定結果から判明するように、ウェハの浮上前の帯電量は
ほぼ零であるが、窒素の噴出とともにウェハの帯電量が
増加し、40秒後に±1〜2KVとなった。また、ウェ
ハに帯電している電荷は、保持具21を構成する材料に
よって異なることが分かった。保持具21を構成する材
料がアクリル樹脂の場合には、電荷は正であったが、テ
フロン、塩化ビニル樹脂では負であった。
【0124】また、ウェハの表面がSi、SiO2であ
っても、計測される帯電量、その時間変化、電荷に差異
はなかった。
【0125】なお、保持具21の帯電初期値は、保持具
21の構成材料がアクリル樹脂の場合7.8KVであ
り、テフロンの場合、−0.8KV、塩化ビニル樹脂の
場合、−8.2KVであった。
【0126】次に、本実施例の保持具における、保持し
ている試料の横方向の位置ずれを抑止するための抑制力
の大きさについて説明する。
【0127】本実施例では、図12Aに示すように、保
持具21を角度θ°だけ傾け、その状態でウェハが横ず
れを起こさないようにするために必要な、浮上孔1と抑
制孔2とからの窒素流量の関係を求めた(図12B参
照)。なお、ここでの保持具21は、塩化ビニール製で
ある。
【0128】本実施例の保持具21の構成では、ウェハ
10は試料浮上孔1から噴出される気体により、約50
0〜1500回転/分する。このため、抑制力を直接計
測できない。このため、本実施例では、抑制力を、保持
具21を傾けたときにウェハの重量(0.0156k
g)によって生じる横方向の力、すなわち0.0156
×g×sinθとして算出する。ここで、gは重力加速
度で、9.8m/s2である。その結果は図12B中に
示す。
【0129】抑制孔2の流量が零のとき、ウェハ10は
0.5°傾けても位置ずれすることはなかった。この事
実から、静電気力による抑制力は1.33mNを持つと
推察される。抑制孔2から窒素ガスを噴出させると1.
5°傾けても位置ずれすることはなかった。すなわち、
抑制孔2の窒素噴出による抑制力は2.7mNを有し、
静電気力と合わせて4.03mNもの大きな力で、ウェ
ハ10の横方向への位置ずれが抑制される。
【0130】なお、図9A、図9B、及び図9Cに示し
た試料浮上孔1、抑制孔2の位置、及び試料保持面の寸
法は同じであるが、保持具の外径が200mmあり、ウ
ェハ外径125mmよりも大きい寸法の保持具を用い
て、図12Aと同様の測定も行った。当該保持具では、
窒素の噴出(浮上孔:20リットル/分、抑制孔:10
リットル/分)により試料を非接触保持することができ
たが、位置ずれを抑止するような抑制力は働かず、一
度、試料の位置がずれると、元の位置に戻るようなこと
はなかった。
【0131】さらに、図9A等に示されている保持具2
1と同じ形状、寸法で、かつ電気的に導電性が高い材料
(ここではアルミニウム)製の保持具を用いて、図11
のようにウェハ帯電量を測定した。アルミニウム製の保
持具に、非接触保持されたウェハにおいては、帯電量の
時間変化を計測できず、ウェハの帯電量の初期値が維持
された。また、図12Aと同様の測定も行なったが、ウ
ェハの横方向へ位置ずれを抑止するような、抑制力を計
測することはできなかった。
【0132】上述したような保持具20の構成材料と抑
制力との関係から、保持具の構成材として用いることが
できる部材としては、体積固有抵抗が1014Ωcm以上
の絶縁材料を用いることができる。
【0133】(3)性能評価 本実施例によれば、流体を気体として用いた場合、試料
とほぼ同一の大きさの試料保持面を備えた、気体を流す
ことで帯電するような部材で構成された保持具を用いる
ことで、試料を安定に非接触保持することができる。
【0134】本実施例では、保持具の構成部材として、
アクリル、テフロン、塩化ビニールを用いた場合につい
て説明してが、保持具の構成部材はこれらのみに限定さ
れるものではない。一般的に、保持具の構成部材は、気
体をその表面に沿って流した場合に、ある程度の量以上
の電荷を帯電させることができるものであれば良く、例
えば電気的な絶縁材を用いることができる。
【0135】また、本実施例では、ベルヌーイ効果を生
じさせるために流す気体により、保持具の試料保持面を
帯電させ、その電気的影響によって、試料を帯電させて
いたが、保持具の試料保持面上に電極などを配置し、よ
り積極的に、保持具及び試料を帯電させる構成として良
い。このような構成によれば、より安定した非接触保持
を実現することができる。
【0136】なお、試料浮上孔1及び抑制孔2の個数、
配置、穿孔角度、及び孔径は、本実施例に示したものに
限定されるものではない。例えば試料浮上孔1は、試料
10を位置ずれさせること無く回転力を与える条件を満
足していれば良い。具体的には、複数の前記試料浮上孔
から噴射される流体のそれぞれの噴射力が、試料回転中
心に対しほぼ同じ大きさのモーメントを与え、かつ前記
噴射力のベクトル和がほぼ0となるような孔条件が設定
されていれば良い。
【0137】〈実施例5〉本実施例は、流体を液体とし
た場合において、ベルヌーイ効果を生じさせる液体によ
り非接触保持すると共に、当該液体により試料表面の処
理を実行する流体処理装置の1例である。以下、処理装
置の要部構成を示す図13、及び、保持具の構成を示す
図14を用い詳しく説明する。
【0138】(1)装置構成 本実施例の流体処理装置は、半導体基板ウェハの保持、
及びその洗浄処理に好適なものであり、図13に示すよ
うに、上記実施例1〜4で述べられたようなベルヌーイ
効果を利用した保持具20に加えて、ベルヌーイ効果を
生じさせると共に試料10表面の処理を行なう流体を溜
める洗浄液タンク70及び超純水タンク71と、これら
タンク70、71及び保持具20を接続する配管系と
を、基本的構成として含む。
【0139】本実施例の流体処理装置は、上記基本的構
成に加えて、試料10及び保持具20を包括する処理
槽、試料10を乾燥する乾燥装置、使用済み洗浄液を廃
棄あるいは回収する回収装置、及び試料10の搬送・受
渡しを行う治具等を含む。本実施例の説明では、原理説
明を主体とするために、本図にはこれらの構成について
は図示しない。
【0140】保持具20は、上記各実施例で述べた理由
から、試料保持面を試料10とほぼ同一形状にしたもの
を用いる。また、保持具20の試料保持面を構成するベ
ース部を直径約150mmのポリテトラフルオロエチレ
ン製の円板とし、その中央部に4つの、直径2mmの流
体供給孔31を形成する。
【0141】各々の流体供給孔31は、図14Aに示す
ように正方形の頂角上にあり、かつ図14Bに示すよう
に、噴射された流体が接線方向へ速度成分を持ち、試料
10へ回転力を与えるように、保持具20の試料保持面
に対して45°の傾斜角度で穿孔されている。
【0142】洗浄液タンク70及び超純水タンク71
は、容積30lのポリテトラフルオロエチレン製の角槽
で、底部に近い側面部に配管50が接続される。洗浄液
タンク70の内部には、薬液を所定の液温にするため
の、薬液耐性のある物質によりコーティングされたヒー
ター(図示されていない)が設置されている。
【0143】配管系は、4つの流体供給孔31のそれぞ
れに接続される流体供給分岐管51、これらが統合され
た流体供給管50´、開閉バルブ52、2系統の配管切
り換えが可能な切り換えバルブ53、洗浄液タンク用ポ
ンプ60、及び超純水タンク用ポンプ61を有する。
【0144】なお、本実施例では、保持具20の試料保
持面を、試料10とほぼ同一形状にしたものに限った
が、上記実施例3(図6B参照)で例示した保持具のよ
うに、試料保持面の材質をベルヌーイ有効領域の内外で
変えたものを用いてもよい。また、端面形状を図7A及
び図7Bで示されるような形状としても良い。また、図
8A及び図8Bに例示されたように、保持具の試料保持
面上に溝及び回収孔等を設け、流体供給孔31から噴出
される液体をより効率的に回収する機構を備えた構成と
しても良い。
【0145】また、流体供給孔31の数、位置、配列及
び穿孔角度は上記の例に限らず、例えば、図15に示す
ように保持具20の試料保持面に多数穿孔しても良い。
また、穿孔角度も45°に限るものではなく、例えば3
0°〜90°としても良い。さらにまた、保持具20と
試料10の位置関係も上下を逆転させても良い。超純水
の供給は、超純水タンク61を用いず超純水供給設備に
直接接続してもよい。
【0146】(2)動作説明 本実施例の保持具20は、図13に示すように、保持具
20の上方1〜2mm程度離れた位置に、破線で表示し
た試料(6インチSiウェハ、直径150mm)10
を、保持具20の試料保持面と対向する位置に、平行に
非接触保持するものである。
【0147】本実施例の流体処理方法においては、最
初、切り換えバルブ53を洗浄液タンク70側に開いた
後、バルブ52を開き、洗浄液の供給を開始する。試料
10は、流体供給孔31からの2リットル/分の洗浄液
の噴出力により回転速度が与えられ、矢印方向に約50
回転/分しつつ、非接触保持される。
【0148】この時、試料10の端面と保持具20の端
面との間に気−液界面が形成される。この気−液界面に
より、試料10は保持具20に安定に非接触保持される
と共に、当該気−液界面を維持している液体により、保
持具20の試料保持面に対向する試料10の表面(以下
では試料の保持面と呼ぶ)が洗浄される。
【0149】次に、切り換えバルブ53を超純水タンク
71側に開き、超純水の供給(2リットル/分)を開始
すると、流体供給孔31から超純水が噴出され、試料1
0の保持面がリンスされる。この時、試料10は上記洗
浄の場合と同様に安定に回転している状態で非接触保持
される。本実施例では、このリンスされた試料10を、
スピン乾燥装置で乾燥させた後、下記の性能評価を行な
った。
【0150】(3)性能評価 本実施例の流体処理装置によれば、試料10の安定した
非接触保持を実現することができる。さらに、洗浄処理
における洗浄液からリンス液への切り換えも、試料10
が保持具20に接触したり外れたりすることなく良好に
実施することができた。これは、一旦、試料10と保持
具20の試料保持面との間に液体が充填されると、液体
の供給が停止しても、試料10に外力が与えられない限
り、充填された液体の表面張力により、充填された液体
が全部流出するということがないためである。
【0151】また、本実施例による非接触処理の能力
は、微粒子により故意汚染した試料10を洗浄した結
果、及び金属イオンにより故意汚染した試料を洗浄した
結果から、従来の方法より優れていることが確認され
た。以下、前記2種類の処理について詳細に説明する。
【0152】(3−1)微粒子により故意汚染した試料
を洗浄した場合 試料10として、表面加工していない6インチシリコン
ウェハを、粒径0.2μmのシリコン粉の入った濃度約
0.5%のフッ酸水溶液に浸漬させることにより作製し
た。前記処理により、ウェハ表面には約9000個のシ
リコン粉が付着した。この微粒子の計測は、日立デバイ
スエンジニアリング社製のレーザ表面検査装置を用いて
行なった。
【0153】洗浄液は、アンモニア水+過酸化水素水の
水溶液で、濃度はそれぞれ約0.5重量%、約2.5重
量%、液温約80℃である。
【0154】図16Aに、本実施例の装置により洗浄処
理された場合の、シリコン粉除去率の洗浄時間依存性を
示す。同図には、比較のため、周知のスピン式洗浄及び
浸漬式洗浄の結果も載せた。
【0155】本実施例による洗浄においては、保持具2
0とウェハ10間の微小隙間を洗浄液が高速に流れる。
これは、流体供給孔31から噴出される洗浄液の流出速
度は、ベルヌーイ効果によって、より高速度となるため
である。このような高速で流れる洗浄液による処理によ
れば、物理的および化学的に洗浄効果が高められ、周知
の他の2つの方法に比べ洗浄速度が速く、より効率的な
洗浄が実現できる。
【0156】(3−2)金属イオンにより故意汚染した
試料を洗浄した場合 試料10として、鉄、銅、ニッケル、クロムを所定濃度
含有する液を、表面加工していない6インチシリコンウ
ェハ上にスピンコートして作製する。前記処理により、
ウェハ表面には、前記金属イオンが各々約1012atoms/
cm2付着する。この付着している金属イオンの計測は、
テクノス社製の全反射蛍光X線分析装置を用いて行なっ
た。
【0157】洗浄液は、塩酸+過酸化水素水の水溶液
で、濃度はそれぞれ約4.6重量%、約0.3重量%、
液温約80℃である。
【0158】図16Bに、本実施例の装置により3分間
洗浄した後に測定された、ウェハ10に付着している金
属イオン量を示す。同図には、比較のため、周知のスピ
ン式洗浄及び浸漬式洗浄により洗浄したウェハについて
の測定結果も併せて示す。
【0159】本実施例の洗浄処理によれば、洗浄後のウ
ェハには、いずれの金属イオンも5×109atoms/cm2
下しか付着しておらず、スピン式洗浄及び浸漬式洗浄の
結果より高い、99%以上の除去率を実現することがで
きた。
【0160】本実施例によれば、流体を液体とした場合
において、ベルヌーイ効果を生じさせる液体により非接
触保持すると共に、当該液体により試料表面の処理を実
行する流体処理方法および装置を提供することができ
る。
【0161】〈実施例6〉本実施例では、複数の洗浄液
を用いた洗浄処理、及び乾燥処理を連続して行なうこと
ができる流体処理方法及び流体処理装置について説明す
る。以下、本実施例による流体処理装置の要部構成を示
す図17を用い詳しく説明する。
【0162】(1)装置構成 本実施例の装置の基本的構成は、図17に示すように、
上記実施例5の構成に加えて、洗浄液タンク70及び超
純水タンク71と並列に、第2の洗浄タンク70´、第
2の洗浄タンク用のポンプ60´、窒素ガスのボンベ7
2を増設して構成されるものである。また、本実施例で
は、前記タンク増設に伴い、上記実施例5で用いられて
いた切り換えバルブ53を、4系統配管との切り換えが
可能な切り換えバルブ54と置換している。
【0163】本実施例でも、上記実施例5の場合と同様
に、図示していないが、上記基本構成に加えて、試料1
0及び保持具20を包括する処理槽、試料10を乾燥す
る乾燥装置、使用済み液体を廃棄あるいは回収する回収
装置、及び試料の搬送・受渡しを行う治具等が含まれて
いるものとする。
【0164】(2)動作説明 本実施例の保持具20は、図17に示すように、保持具
20の上方1〜2mm程度離れた位置に、試料10を保持
具20の試料保持面と平行に非接触保持するものであ
る。
【0165】本実施例の流体処理方法では、最初、切り
換えバルブ54を第1の洗浄液タンク70側に開き、続
いて開閉バルブ52を開き、例えば2リットル/分で第
1の洗浄液の供給を開始する。これにより試料10は上
記実施例5の場合と同様に、ベルヌーイ効果による非接
触安定保持、及び試料10の保持面の第1の洗浄処理が
実行される。
【0166】次に、切り換えバルブ54を順次切り換え
ることで、上記第1の洗浄液の場合と同様に、供給する
流体を超純水、第2の洗浄液、超純水を次々に供給し
て、試料10の保持面を処理する。各液体の供給量とし
ては、例えば2リットル/分とする。
【0167】最後に、切り換えバルブ54を窒素ガスボ
ンベ72側へ切り換え、例えば20リットル/分で窒素
ガスを供給して、最終のリンスが終了した試料10を乾
燥させる。
【0168】以上の処理によれば、試料10の保持面の
リンス、第2の洗浄、リンス、及び乾燥を同一保持具に
より非接触保持した状態で、試料10の表面を外気に触
れさせることなく連続的に実施することができる。
【0169】(3)性能評価 本実施例の装置による、洗浄・乾燥性能を、下記条件に
て評価した。
【0170】試料10として、表面加工していない6イ
ンチシリコンウェハを、粒径0.2μmのシリコン粉の
入った濃度約0.5%のフッ酸水溶液に浸漬させた後、
鉄、銅、ニッケル、クロムを所定濃度含有する液をスピ
ンコートすることにより作製した。前記処理により、該
ウェハ表面には約9000個の該シリコン粉及び前記金
属イオンが各々約1012atoms/cm2が付着した。
【0171】上記のように故意汚染した試料10に対
し、本実施例では、第1の洗浄としてアンモニア水+過
酸化水素水の水溶液(濃度はそれぞれ約0.5重量%、
約2.5重量%、液温は約80℃)での処理を3分行な
い、次に超純水によるリンスを3分間行った。さらに、
第2の洗浄として塩酸+過酸化水素水の水溶液(濃度は
それぞれ約4.6重量%、約0.3重量%、液温は約8
0℃)での処理を3分間行ない、続けて超純水によるリ
ンスを3分間行った。最後に窒素ガスによる乾燥を2分
間行った。
【0172】本実施例による上記洗浄・乾燥処理によれ
ば、試料10の表面に付着していたシリコン粉及び金属
イオンの99%以上が除去された。さらに乾燥不良の指
標であるウォーターマークの発生も見られなかった。
【0173】本実施例によれば、試料を非接触で安定に
保持することができると共に、試料の表面に付着してい
る汚染物質をより効率的に除去し、良好な状態に乾燥さ
せることができた。
【0174】〈実施例7〉本実施例は、上記実施例6に
て説明した保持具20を、周知の搬送ロボットのアーム
先端に取付けて構成した装置であり、保持具20にて保
持している試料10を搬送すると共に、保持している試
料10の洗浄等の処理を可能とするものである。以下、
図18を用いて説明する。
【0175】(1)装置構成 本実施例の装置は、図18に示すように、試料坦持台8
0、搬送ロボット90、及び保持具20により構成され
る。真空チャック83は、別の装置の試料担持台であ
る。
【0176】試料坦持台80は、ベース82に、破線で
示した試料10を受ける、4本の保持ツメ81が植設さ
れており、枚葉式処理に対応する構成となっている。搬
送ロボット90は、回転式架台91、支柱92、及びア
ーム93より構成され、架台91を回転軸とした、例え
ば180°以上の回転運動と、アーム93の上下動とが
可能である構成を有する。
【0177】保持具20は、上記実施例6に示した構成
で、保持具20の試料保持面を下に向けた状態で、搬送
ロボット90のアーム93の先端に取り付けられてい
る。
【0178】なお、図18では、本実施例の装置の要部
だけを示し、試料坦持台80、真空チャック83、搬送
ロボット90の付属部品、及び流体の供給機構等は省略
している。本実施例では、保持具20として、上記実施
例6の保持具を用いたが、その他の本発明を適用した他
の保持具を用いる構成としても良い。
【0179】(2)動作説明 本実施例では、最初、搬送ロボット90により、保持具
20を試料坦持台80上にある試料10の上方約20mm
の位置に移動させる。次に、上記実施例5あるいは実施
例6と同様に、保持具20の流体供給孔(この図では表
示していない)から超純水を供給しながら、保持具20
を試料10の上方約3mmの位置まで下降させ、試料10
をベルヌーイ保持する。
【0180】試料10が保持具20にベルヌーイ保持さ
れたら、試料坦持台80の試料チャックを解除し、搬送
ロボット90の支柱92を上昇させて、試料10を非接
触保持している保持具20を持ち上げる。これにより試
料10も一緒に持ち上げられる。この時、超純水の供給
を停止しても超純水の表面張力によって、試料10の非
接触保持状態は持続する。
【0181】試料10は、保持具20ごと真空チャック
83まで、搬送ロボット90による上下動作と回転によ
って搬送され、続いて真空チャック83の上に搭載す
る。この動作に対応して、真空チャック83を作動させ
た後、保持具20の超純水供給量を0.3〜1.0リッ
トル/分とし保持具20のチャックを解除する。
【0182】次に、真空チャック83に保持されている
試料10に対して、保持具20により処理を行なう。す
なわち、切り換えバルブの操作で、2リットル/分で3
分間洗浄液を供給して洗浄し、次いで2リットル/分で
2分間超純水を供給してリンスする。最後に、30リッ
トル/分で2分間窒素ガスを供給して乾燥し、真空チャ
ック83上から退避する。
【0183】(3)性能評価 本実施例では、ベルヌーイ効果を生じさせる保持具20
が、試料10を搬送するための非接触保持具と、洗浄、
リンス、乾燥のための処理保持具を兼ねることを示し
た。
【0184】なお、非接触保持具としての機能は、アー
ム93の上下運動や回転によって試料10に発生する加
速度に耐えられる安定保持作用を有するがために発揮さ
れるものである。また、非接触保持として超純水の供給
する場合を例として示したが、代わりに、窒素ガスを噴
出する構成であっても良い。
【0185】本実施例によれば、液体によるベルヌーイ
保持具と、前記液体による処理装置とを共用する方式の
採用することにより、装置の体積を大幅に低減すること
できる。また、試料の保持あるいは搬送時に、超純水の
供給を停止する方式を採用すると、連続供給する場合に
比べ、例えば、典型的な半導体の基板ウェハを用いた処
理条件においては、試料1枚の搬送当たり、約2リット
ルの超純水を節約することができる。
【0186】なお、搬送元と搬送先の試料保持台は上記
の例に限定されるものではない。また、上下保持具の動
作機能は上記の例に限定されるものではなく、上下が入
れ替わっていても良い。すなわち、上側保持具が固定さ
れていて、下側保持具が上下動可能とする構成としても
良い。
【0187】また、搬送シーケンス及びその設定値も上
記の値に限定されるものではない。また、搬送ロボット
も図に示した型式のものに限らず、上述したような搬送
を可能とするものであれば、その駆動形態及び方式は限
定されるものではない。
【0188】〈実施例8〉本実施例は、試料の一方の面
を上記実施例5あるいは6に示した方法により処理し、
他方の面を例えばスプレー方式により処理することで、
試料の両面の同時処理を可能とする装置である。以下、
図19に示した、本実施例の装置の斜視図を用いて説明
する。
【0189】(1)装置構成 本実施例の装置構成は、図19に示すように、スプレ−
ノズル40、及び、これと配管50とを接続する配管5
1´を具備する点以外は、上記実施例6とまったく同じ
である。スプレーノズル40は、液体供給管50から分
岐した配管51’により接続され、保持具20の試料保
持面に対向した位置に設置されるもので、試料10の裏
面側に液体を噴射することができる。
【0190】なお、スプレーノズル40から噴射する流
体は、配管50及び51’に付属した切り換えバルブ5
4、開閉バルブ52´により任意に選択することができ
る。
【0191】図19では、本実施例の特徴を端的に示す
部分のみ図示している。すなわち、保持具20、スプレ
ーノズル40、複数の流体供給源、これらを接続する配
管系、及び試料10のみを示し、保持具20を包括する
処理槽、使用済み液体を廃棄あるいは回収する装置、及
び試料10の搬送・受渡しを行う治具等は、本図では省
略した。
【0192】本実施例では、保持具20及びスプレーノ
ズル40を、同じ流体供給源へ接続した例を示している
が、これに限定されるものではない。例えば、それぞれ
に対し、別々の流体供給源を接続しても良い。ただし、
このような場合には、互いに化学反応を発生させない処
理液同士の組合せとすることが必要である。
【0193】また、試料10の保持面(保持具20の試
料保持面と対向する面)と反対側の表面(裏面)の処理
方法は、上記の方法に限るものではなく、例えば、超音
波スプレー法、ブラシスクラブ法、あるいは本発明によ
る保持具を用いたベルヌーイ処理等を用いても良い。ベ
ルヌーイ処理を用いる方法については、次の実施例にて
説明する。
【0194】(2)動作説明 本実施例の流体処理方法では、試料10を上記実施例5
に示した方法により、保持具20に非接触保持させた
後、スプレーノズル40から試料10の保持面の裏面に
対し流体を供給する。これにより、試料10のそれぞれ
の面が処理される。供給される流体及びその切り換え方
法は、上記実施例6に示したものと同じ方法を用いるこ
とができる。
【0195】スプレーノズル40及び保持具20から供
給する流体は、同じ種類としても良いし、異なる種類と
しても良い。但し、異なる種類とする場合、流体どうし
が化学変化を起こさない組合せとする必要がある。
【0196】(3)性能評価 本実施例によれば、試料10の表裏を同時に処理するこ
とができる。さらにスプレーノズル40の構成を適宜選
択することで、超音波、ジェット流、スクラブなど強力
なエネルギーで噴射される液体により、試料10の裏面
を処理することができる。また、超音波振動子を例えば
保持具に取り付け、液体および試料を振動させ、洗浄効
果を更に高めるような構成としても良い。
【0197】〈実施例9〉以上の実施例は、いずれも保
持具を1基だけ用いた場合について説明したが、本実施
例では、保持具を2基用い、試料としてのウェハを挟み
込むことにより、ウェハ両面を同時に処理することがで
きる装置の例を示す。以下、図20A、図20Bを用い
て説明する。
【0198】(1)装置構成 本実施例の用部構成は、保持具を2基用いる点、及び、
流体供給孔31の中心に垂直孔32を形成した点以外
は、上記実施例6とまったく同じである。2基の保持具
20、20’は、図20Aに示すように、互いに向かい
合わせに配置されている。なお、本実施例では、上側の
保持具20´を固定式とし、下側の保持具20を可動式
としている。
【0199】下側の保持具20を可動式とするため、下
側の保持具20に接続される配管は、例えば図20Aに
示すように、配管56を螺旋構造とし、所望の範囲内で
伸縮できる構成とする。
【0200】なお、図20Aでは、本実施例の特徴を端
的に示す部分、すなわち2基の保持具20及び20´、
これらに接続される配管系を途中までを図示している。
また、上記構成に加えて本実施例に含まれる、複数個の
流体供給源、下側の保持具20を上下動させる機構及び
その動力源、2基の保持具を包括する処理槽、使用済み
液体を廃棄あるいは回収する装置、及び試料10の搬送
・受渡しを行う治具等は図示していない。
【0201】可動式の保持具は下側保持具20に限るも
のではなく、上側の保持具20´を可動式としても良い
し、上下両方の保持具とも稼働式としても良い。
【0202】ウェハ10を回転させる流体供給孔(傾斜
孔)31が、各保持具の試料保持面となす角度方向は、
図20Bに示すように、上下保持具では互いに反対方向
に構成してある。これは、どちらか一方をウェハの回転
開始のための流体を噴射するものに使用し、他方は回転
制動のための流体を噴射するために使用するものであ
る。
【0203】各保持具20、20’には、上記傾斜孔3
1に加えて、垂直孔32がそれぞれ形成されている。垂
直孔32は、保持具の試料保持面の中心に配置される。
垂直孔32は、以下の2つの効果を実現する。第1に、
傾斜孔31と同時に流体を噴射することで、4つの傾斜
孔31に囲まれる領域内に停滞しがちな流体を、移動し
やすくさせる。第2に、単独で流体を噴射することで、
他方の保持具の傾斜孔31から流体が噴出されている
間、試料に対して逆方向の回転力を与えずに、自身の保
持具と試料のベルヌーイ保持を維持する。
【0204】本実施例における上下保持具の傾斜孔31
及び垂直孔32の構成によれば、試料10の回転状態を
任意に制御できるため、実用上の利点が極めて大きい。
【0205】例えば、図20Aの装置を用いた実験によ
ると、下保持具20より20リットル/分の窒素ガスの
噴射で6インチウェハは約1100回転/分する。この
ような状態においては、下保持具20のバルブ53′を
閉じてもウェハは回転停止せず、その停止に98秒を要
した。しかし、保持具20’のバルブ52′を開け、2
0リットル/分の窒素ガスの噴出を5秒行うことで、回
転停止を21秒に短縮できた。
【0206】(2)動作説明 本実施例の流体処理方法では、最初、下側の保持具20
を試料10のロード(設置)に支障のない位置に退避さ
せた状態で、バルブ52を開けて窒素を10リットル/
分噴射し、上側の保持具20´に試料10を非接触保持
させる。この後、下側の保持具20を試料10に対向す
る位置に移動させ、試料10が2基の保持具間に挟まれ
るように設置する。試料10は、図中の矢印で示す方向
に回転する。
【0207】次に、前記の2基の保持具には、各液体源
から複数の流体が供給され、それぞれの保持面が処理さ
れる。供給される液体及びその切り換え方法は、上記実
施例6に示したものと同様なものを適用できる。処理の
最後には、気体源に切り換えられ、バルブ52、53、
53′が開かれて、気体が供給され、試料10が乾燥さ
れる。
【0208】次に、バルブ53′が閉じられ、バルブ5
2′が開かれて、試料10の回転が制動され、停止され
る。次いで、バルブ53も閉じられ、下保持具20を試
料アンロードに支障のない位置に退避させる。最後に、
バルブ52、52′が閉じられ試料10がアンロードさ
れる。
【0209】上記処理においては、2基の保持具へ同じ
種類の流体を供給しても良いし、異なる種類としても良
い。但し、異なる種類とする場合、流体どうしが化学変
化を起こさない組合せにする必要がある。
【0210】(3)性能評価 本実施例によれば、試料を2つの保持具で挾み込むこと
により、試料の回転状態を自由に制御しつつ、試料10
の両面を同時に処理することができる。
【0211】〈実施例10〉以上の実施例では、いずれ
も保持具を1つあるいは1組だけ用い、同一の保持具内
で処理を完結させる場合について説明したが、本実施例
では、2組以上の保持具を用い、保持具間での搬送を可
能とする流体処理装置の例を示す。以下、図21に示し
た装置の斜視図を用いて説明する。
【0212】(1)装置構成 本実施例の装置は、図21に示すように、ロード/アン
ロード部94、試料持ち換え部95、洗浄/リンス部9
6、乾燥部97、及び搬送アームロボット部98を有す
る。
【0213】ロード/アンロード部94は、4本の試料
保持ツメ81が植設された試料台80を有する。この試
料台80を介して、ロード/アンロード部94は、図示
されていない外部装置との間で試料授受を行う。
【0214】試料持ち換え部95は、試料10を保持す
るための4本の試料保持ツメ95cと、試料10の持ち
換えの際に試料10へ噴出される流体を回収するため
の、排水口95aが設けられた排水槽95bとから成
る。
【0215】洗浄/リンス部96は、洗浄槽96aと、
洗浄槽96a内に設置された、本発明による保持具21
Cとを有する。洗浄/リンス部96は、さらに、図示さ
れていないが、保持具21Cへの液体供給源、及び使用
済み液体を廃棄あるいは回収する装置を有している。
【0216】保持具21Cは、その上方に試料を保持す
るもので、複数の流体供給孔31が形成された洗浄用の
ベルヌーイ保持具である。流体供給孔31は、例えば上
記実施例5(図13参照)の保持具20と同様に、保持
する試料10を一方向に回転させるように、保持具21
Cの試料保持面と所定の角度を成すように穿孔されてい
る。
【0217】また、流体供給孔31は、例えば上記実施
例6(図17参照)に例示した液体供給系と同様に、洗
浄液及び超純水の供給源70(洗浄液タンク)、71
(超純水タンク)と接続されており、バルブ52の切り
替えにより、いずれか一方の液体の供給が可能な構成と
なっている。
【0218】乾燥部97は、気体用のベルヌーイ保持具
である、保持具21Dを有する。保持具21Dは、その
上方に試料を保持するもので、噴出する気体の温度を高
めるための昇温装置を内蔵している。
【0219】搬送アームロボット部98は、2基のアー
ムロボット90a、90bを有する。一方のアームロボ
ット90bには、上述の洗浄及び超純水の流体供給源7
0、71に接続された液体用ベルヌーイ保持具で、その
下方に試料を保持する、保持具21Bが取り付けられて
いる。アームロボット90bは、保持具21Bにより保
持した試料10を、試料持ち換え部95の試料保持ツメ
95c、洗浄/リンス部96の洗浄用の保持具21C、
及び乾燥部97の保持具21Dのいずれかに対向させる
位置へ移動させることができる。
【0220】他方のアームロボット90aは、本図には
図示されていない窒素ガス供給源に接続された、気体用
ベルヌーイ保持具で、その下方に試料を保持する保持具
21Aが取り付けられている。アームロボット90a
は、保持具21Aに保持した試料10を、ロード/アン
ロード部94の試料台80から、試料持ち換え部95の
試料保持ツメ95cまで、及び、乾燥部97の保持具2
1Dからロード/アンロード部94の試料台80まで搬
送することができる構成となっている。保持具21A
は、乾燥部97の保持具21Dと同様の構成を有する気
体用ベルヌーイ保持具である。
【0221】なお、液体供給源、使用済み液体を廃棄あ
るいは回収する装置、及び搬送アームロボットの駆動に
用いられる周知の駆動装置等は、本実施例の装置下部に
組み込まれているが、本実施例の装置構成の特徴を明確
にするために、図21には図示されていない。また、ロ
ード/アンロード部94の外部装置との試料授受を行な
う周知の搬送ロボット、及び装置全体を覆うカバー等も
省略した。
【0222】(2)動作説明 (2−1)洗浄・リンス工程 本実施例の装置の外部の装置から送られて来る試料10
は、ロード/アンロード部94の試料台80に搭載され
る。試料台80に搭載された試料10は、気体用の保持
具21Aにより非接触保持され、アームロボット90a
の搬送動作により、試料持ち換え部95へ搬送されて、
試料保持ツメ95c上に置かれる。
【0223】保持具21Aが退避後、アームロボット9
0bに取付けられた液体用の保持具21Bにより、例え
ば上記実施例7(図18参照)での方法で保持される。
その後、洗浄・リンス部96の洗浄槽96aに備えられ
ている洗浄用の下側に位置する保持具21Cの上方約5
mmの位置へ搬送される。
【0224】なお、以下の説明では、本実施例の装置に
含まれる複数の保持具の位置関係を明確にするために、
下方に試料を保持する保持具21A、21Bを上側保持
具と呼び、上方に試料を保持する保持具21C、21D
を下側保持具と呼ぶ。
【0225】試料10の接近に連動して、洗浄用の下側
保持具21C、及び、上側に位置する保持具21Bから
洗浄液の供給を開始し、試料10両面のベルヌーイ洗浄
を行なう。この両面洗浄は、例えば図20に例示した上
記実施例9の方法により行なうことができる。
【0226】洗浄終了後、上下両方の保持具21B、2
1Cからの供給液体を、それぞれ超純水へ切り替え、リ
ンス処理を実行する。
【0227】(2−2)乾燥工程 リンス処理終了後、下側保持具21Cからの超純水供給
量をチャック解除の量とすることにより、下側保持具2
1Cのチャックを解除し、上側保持具21Bだけで、試
料10を非接触保持する。その後、上側保持具21Bか
らの超純水供給も停止し、この状態で、アームロボット
90bを動作させて上昇させると、試料10は上側保持
具21Bに保持されたまま一緒に上昇する。
【0228】これは、超純水の供給が停止しても、試料
10と上側保持具21Bとの界面に残留した液体の表面
張力により、試料10が上側保持具21Bに安定に保持
されるためである。さらに、アームロボット90bを動
作させて、試料10を、乾燥部97の乾燥槽内の乾燥用
の下側保持具21Dの上方に搬送する。
【0229】試料10が、乾燥用の下側保持具21Dの
上方約5mmの位置に来たところで、下側保持具21Dか
ら加熱された窒素ガスを噴出し、同時に上側に位置する
保持具21Bから試料10のチャックを解除する量の超
純水を供給する。これにより試料10は、下側保持具2
1Dに保持される。
【0230】上側保持具21Bが乾燥部97から退避し
た後、アームロボット90aを動作させ、上側保持具2
1Aを、乾燥部97の下側保持具21Dに保持されてい
る試料10上方に移動させる。次に、上側保持具21A
からも試料10への熱窒素ガス吹き付けを開始し、上下
の保持具21A、21Dで両面を乾燥する。
【0231】乾燥終了後、上側保持具21Aにより試料
10を保持し、続けてアームロボット90aを動作させ
て、試料10をロード/アンロード部94の試料台80
へ搬送し、本試料10に対する一連の処理を完了する。
【0232】(3)性能評価 本実施例によれば、洗浄・リンス処理用の上側保持具2
1Bが試料10の搬送治具を兼ねているため、装置全体
の体積を低減するという効果、さらに、試料としてのウ
ェハを空気に触れさせることなく処理を完了させるとい
う効果がある。また、搬送保持と乾燥処理の両機能を備
えた上側保持具21Aについても同様の効果がある。ま
た、複数の保持具を用いることにより、流体として使用
された処理液を効果的に回収、再利用できる。
【0233】さらに、本実施例の装置を、例えば枚葉式
の成膜装置あるいは枚葉式の熱処理装置の前段に接続さ
せることで、成膜処理あるいは熱処理に必要とされる前
洗浄、洗浄後の試料の搬送、及び、その後の成膜処理あ
るいは熱処理を、順次連続的に行うことができる。
【0234】同様に、本実施例による装置を、例えば枚
葉式のイオンインプランテーション処理あるいは枚葉式
のエッチング処理の後段に接続することで、イオンプラ
ンテーション処理あるいはエッチング処理と、その後処
理とを、順次連続的に行うこともできる。
【0235】さらに、本実施例による試料保持及び処理
装置を、半導体デバイスの製造工程に採用することで、
より多くの処理工程を枚葉式処理とすることができる。
特に、前洗浄を本実施例による装置で実行することで、
前洗浄から枚葉式の本処理までの待機時間が低減される
と共に、一定となる。したがって、本発明を適用した半
導体製造方法によれば、本処理待機時間における表面経
時変化が低減され、かつ一定となるため、前記経時変化
に起因する不良及び特性バラツキを低減することができ
る。
【0236】なお、本実施例では洗浄・リンス処理にお
いて、試料の両面ともベルヌーイ処理を用いたが、これ
に限らず、その他一方の面を他の洗浄手段、例えば上記
実施例8に例示したようなスプレー洗浄を用いる構成と
しても良い。また、試料の乾燥方法として熱窒素ガスに
よるベルヌーイ処理を用いたが、これに限らず、その他
の乾燥手段、例えばスピン乾燥を用いる構成としても良
い。
【0237】上記実施例1〜10では、試料を非接触保
持あるいは流体処理する装置について説明したが、本発
明は、円形あるいは矩形の板状試料を非接触状態のまま
で搬送可能とする試料搬送装置にも適用することができ
る。
【0238】本発明による試料搬送装置は、例えば図2
2A〜図22Cに示すように、方形あるいは長方形の板
状試料10を搬送方向221へ搬送させるものであり、
複数の流体供給孔31が穿孔されている搬送路面224
を有する保持台20を有する。この保持台20へ流体供
給孔31に流体が供給されると、方向223に沿って流
体が噴射され、試料10と搬送路面224との間にベル
ヌーイ効果が生じる。
【0239】このような構成によれば、試料10は、搬
送方向に移動可能な状態で、搬送路面224上に非接触
保持される。この状態で、例えば流体供給孔31から供
給される流体と同種あるいは異種の流体を方向222に
沿って、試料10へ噴射することで、試料10を搬送す
ることができる。
【0240】ここで、試料10と搬送路面224との間
に形成されるメニスカスにより、搬送方向221と直交
する方向において、上述した各実施例で説明したよう
な、試料10と試料台20との位置ずれを抑止する抑制
力が働く。このため、試料10は搬送路面224上を安
定した状態で搬送される。
【0241】また、例えば図23A〜図23Bに示すよ
うに、保持台20に穿孔する流体供給孔31を、搬送路
面224に対して所定の角度をなすように穿孔し、この
流体供給孔31から噴射される流体により、試料10
へ、搬送方向221へ移動する力を与え、試料を搬送さ
せる構成としても良い。
【0242】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、上
記第1〜第4の目的を達成することができる。すなわ
ち、ベルヌーイ保持具のベルヌーイ有効領域を試料とほ
ぼ同一の形状とすることにより、試料を安定に非接触保
持することが可能な、試料保持方法及び装置を提供する
ことができる。
【0243】また、本発明の試料保持において用いられ
る流体として、所望の流体を使用することにより、試料
をベルヌーイ保持した状態で、空気に触れさせることな
く、その表面を処理することが可能となる、流体処理方
法及び装置を提供することができる。さらに、本発明に
よれば、高清浄で枚葉式の、流体による物理的及び化学
的処理が可能であり、さらに、小型化が可能な流体処理
装置を実現することができる。
【0244】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A:ベルヌーイ保持の原理を説明するため
の説明図。 図1B:ベルヌーイ保持の原理を説明するための説明
図。
【図2】図2A:上下にベルヌーイ保持具を用いた場合
に、試料に作用する力の関係を説明する説明図。 図2B:試料に作用する各力と上下保持具間の間隔との
関係を示すグラフ。
【図3】図3A:上下保持具を用いた場合のメニスカス
を示す説明図。 図3B:図3Aにおいて試料に横方向のずれが生じた場
合に生じるメニスカスのズレを示す説明図。
【図4】図4A:気体を用いた場合の、上下保持具によ
り保持された試料の帯電状態を示す説明図。 図4B:図4Aにおいて試料に横方向のずれが生じた場
合に生じる帯電状態の変化を示す説明図。
【図5】図5A:抑制孔から気体を噴出する場合に試料
へ働く力を説明する説明図。 図5B:図5Aにおいて試料に横方向のずれが生じた場
合に生じる、抑制孔からの気流の変化を示す説明図。
【図6】図6A:本発明を適用した、試料とほぼ同一寸
法の保持具の一実施例の構成、及び、保持された試料に
働く抑制力の計測機構を示す説明図。 図6B:本発明を適用した、試料とほぼ同一寸法のベル
ヌーイ有効領域を有する保持具の構成の一例を示す断面
図。 図6C:図6A、Bの保持具で保持された試料に働く抑
制力とズレ量との関係を示すグラフ。 図6D:図6A、Bの保持具で保持された試料の保持具
直径と、試料が中心から2mmズレた場合に働く抑制力と
の関係を示すグラフ。
【図7】図7A:本発明を適用した保持具の端面形状の
一例(段差)を示す断面図。 図7B:本発明を適用した保持具の端面形状の他の例
(テーパ)を示す断面図。 図7C:図7A、Bの保持具における抑制力の大きさを
示すグラフ。
【図8】図8A:本発明を適用した保持具の試料保持面
形状の一例を示す断面図。 図8B:本発明を適用した保持具の試料保持面形状の他
の例を示す断面図。
【図9】図9A:本発明を適用した抑制孔付き保持具と
保持されている試料とを示す側面図。 図9B:図9Aの保持具の上面図。 図9C:図9Aの保持具の斜視図。
【図10】図10A:図9Aの保持具における試料の帯
電状態を示す説明図。 図10B:本発明よる上下保持具における試料両面の帯
電状態を示す説明図。
【図11】異なる部材により構成される、本発明による
保持具に保持された試料の帯電状態の時間変化を示すグ
ラフ。
【図12】図12A:本発明による、気体を用いた場合
の保持具において、試料に働く抑制力の計測方法を示す
説明図。 図12B:図12Aの保持具により安定して試料を保持
できる場合の、抑制孔と浮上孔とから噴出される流量の
関係を示すグラフ。
【図13】本発明による保持、処理装置の一実施例の要
部構成を示す説明図。
【図14】図14A:本発明による保持具に形成される
試料浮上孔(流体供給孔)の形状の一例を示す説明図。 図14B:図14Aの保持具における、試料保持面と試
料浮上孔との成す角度を示すa−a’、b−b’、c−
c’、d−d’断面図。
【図15】本発明による保持具において、試料浮上孔を
多数設けた場合の例を示す上面図。
【図16】図16A:図13Aの保持処理装置によるシ
リコン粉除去率を示すグラフ。 図16B:図13Aの保持処理装置による金属イオン除
去率を示すグラフ。
【図17】本発明による、洗浄処理及び窒素乾燥処理が
可能な保持処理装置の一実施例の要部構成を示す説明
図。
【図18】本発明による、搬送・保持・洗浄を可能とす
る装置の一実施例の要部構成を示す説明図。
【図19】本発明による、ベルヌーイ保持とスプレー洗
浄処理を可能とする装置の一実施例の要部構成を示す説
明図。
【図20】本発明による、上下ベルヌーイ保持及び処理
を可能とする装置の一実施例の要部構成を示す説明図。
【図21】本発明による、ベルヌーイ保持及び処理を利
用した、マルチチャンバー装置の一実施例の要部構成を
示す説明図。
【図22】図22A:本発明を適用した保持具の試料保
持面形状の一例を示す上面図。 図22B:図22Aの保持具の側面断面図。 図22C:図22Aの保持具の正面断面図。
【図23】図23A:本発明を適用した保持具の試料保
持面形状の一例を示す上面図。 図23B:図23Aの保持具の側面断面図。
【符号の説明】
10…試料、 20〜2
7…保持具、30〜32…流体供給孔(試料浮上孔)、
40…スプレーノズル、50,50´…流体供給管、
51…流体供給管分岐管、52…開閉バ
ルブ、 53三方バルブ、54…
四方バルブ、 55…減圧弁、5
6…螺旋型流体供給管、 60,60´
…ポンプ、70…(第1の)洗浄液タンク、
70´…第2の洗浄液タンク、71…超純水タンク、
72…窒素ボンベ、80…試料坦持
台、 81…保持ツメ、82…ベ
ース、 83…真空チャッ
ク、90…搬送ロボット、 91…
回転式架台、92…支柱、
93…アーム、94…ロード/アンロード部、
95…試料持ち換え部、95a…排水口、
95b…排水槽、95c…試料保持
ツメ、 96…洗浄・リンス部、97
…乾燥部、 98…搬送アー
ムロボット部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23Q 3/08 B23Q 3/08 Z (72)発明者 岡 齊 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 伊藤 晴夫 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保持すべき試料と、当該試料に対向する試
    料保持面との間に流体を流すことで生じるベルヌーイ効
    果を利用して、当該試料を非接触保持する試料保持方法
    において、 保持されている試料の外周縁と試料保持面との間に作用
    する張力の大きさが急激に変る、当該試料保持面上に形
    成される境界で囲まれる領域の大きさが、前記試料の大
    きさと、当該試料保持面に対する試料の位置ずれを抑制
    すべき方向で、ほぼ同一となる構成を有する前記試料保
    持面に、ベルヌーイ効果を利用して、前記試料を非接触
    保持することを特徴とする試料保持方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記試料が板状で、前記位置ずれを抑制すべき方向での
    幅がDmmである場合には、 前記試料保持面を、前記位置ずれを抑制すべき方向での
    幅が、(D−8)mm〜(D+4)mmの範囲内となる
    形状とすることを特徴とする試料保持方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記試料が略円板状で、直径がDmmである場合には、 前記試料保持面を、(D−8)mm〜(D+4)mmの
    範囲内の直径を有する略円形とすることを特徴とする試
    料保持方法。
  4. 【請求項4】保持すべき試料と、当該試料に対向する試
    料保持面との間に流体を流すことで生じるベルヌーイ効
    果を利用して、当該試料を非接触保持した状態で、その
    表面を処理する流体処理方法において、 保持すべき試料に対して行なうべき処理に応じて、ベル
    ヌーイ効果を生じさせるために流す流体を選択し、 保持されている試料の外周縁と試料保持面との間に作用
    する張力の大きさが急激に変る、当該試料保持面上に形
    成される境界で囲まれる領域の大きさが、前記試料の大
    きさと、当該試料保持面に対する試料の位置ずれを抑制
    すべき方向で、ほぼ同一となる構成を有する前記試料保
    持面に、前記選択された流体を流すことで、前記試料を
    非接触保持すると共に、当該試料表面の処理を実行する
    ことを特徴とする流体処理方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記試料が板状で、前記位置ずれを抑制すべき方向での
    幅がDmmである場合には、 前記試料保持面を、前記位置ずれを抑制すべき方向での
    幅が、(D−8)mm〜(D+4)mmの範囲内となる
    形状とすることを特徴とする流体処理方法。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記試料が略円板状で、直径がDmmである場合には、 前記試料保持面を(D−8)mm〜(D+4)mmの範
    囲内の直径を有する略円形形状とすることを特徴とする
    流体処理方法。
  7. 【請求項7】保持すべき試料と、当該試料に対向する試
    料保持面との間に流体を流すことで生じるベルヌーイ効
    果を利用して、当該試料を非接触保持した状態で搬送す
    る試料搬送方法であって、 前記試料保持面は、前記試料を搬送する方向に伸びた搬
    送面を形成するものであり、 保持されている試料の外周縁と搬送面との間に作用する
    張力の大きさが急激に変る、当該搬送面上に形成される
    境界で囲まれる領域の大きさが、前記試料の大きさと、
    前記搬送方向と直交する方向で、ほぼ同一となる形状を
    有する前記搬送面上を、ベルヌーイ効果により前記試料
    を非接触保持した状態で搬送することを特徴とする試料
    搬送方法。
  8. 【請求項8】保持すべき試料と、当該試料に対向する試
    料保持面との間に流体を流すことで生じるベルヌーイ効
    果を利用して当該試料を非接触保持する、前記試料保持
    面を備える試料保持装置において、 前記試料保持面は、保持されている試料の外周縁と試料
    保持面との間に作用する張力の大きさが急激に変る、当
    該試料保持面上に形成される境界で囲まれる領域の大き
    さが、前記試料の大きさと、当該試料保持面に対する試
    料の位置ずれを抑制すべき方向で、ほぼ同一となる構成
    を有することを特徴とする試料保持装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記試料が、前記位置ずれを抑制すべき方向での幅がD
    mmの板状形状を有する場合には、 前記試料保持面は、当該抑制すべき方向での幅が(D−
    8)mm〜(D+4)mmの範囲内となる表面形状を形
    成することを特徴とする試料保持装置。
  10. 【請求項10】請求項8において、 前記試料が略円板状であり、直径がDmmである場合に
    は、 前記試料保持面の形状は、略円形であり、その直径が、
    予め実験により求められた前記試料の横ずれを抑制する
    抑制力と前記試料保持面の大きさとの依存関係を用い
    て、(D−8)mm〜(D+4)mmの範囲内で、当該
    試料保持において必要とされる前記試料の横ずれを抑止
    する抑制力の大きさに応じて決定されることを特徴とす
    る試料保持装置。
  11. 【請求項11】請求項8において、前記流体が液体の場
    合、 前記試料保持面は、前記液体の表面張力よりも小さい臨
    界表面張力を有する材料表面により形成されることを特
    徴とする試料保持装置。
  12. 【請求項12】請求項8において、前記流体が液体の場
    合、 前記試料保持面を囲む表面領域をさらに有し、 前記試料保持面は、前記液体の表面張力より大きい臨界
    表面張力を有する材料表面により形成され、 前記試料保持面を囲む表面領域は、前記液体の表面張力
    より小さい臨界表面張力を有する材料表面により形成さ
    れることを特徴とする試料保持装置。
  13. 【請求項13】請求項8において、前記流体が気体の場
    合、 前記試料保持面は、体積固有抵抗が1014Ωcm以上の
    絶縁材料表面により形成されることを特徴とする試料保
    持装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、 前記試料保持面の表面を帯電させるための帯電手段をさ
    らに有することを特徴とする試料保持装置。
  15. 【請求項15】請求項8において、 前記流体を供給する流体供給手段をさらに有し、 前記試料保持面には、保持されている試料の表面の法線
    方向を回転軸方向として当該試料が回転するための回転
    力を与える方向に沿って、前記流体供給手段から供給さ
    れる前記流体を、前記試料の表面へ噴射する流体供給孔
    が形成されていることを特徴とする試料保持装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、 前記試料保持面には、前記流体供給孔が複数個設けら
    れ、各流体供給孔から噴射される流体のそれぞれの噴射
    力が、前記試料の回転中心に対しほぼ同じ大きさのモー
    メントを与え、かつ前記噴射力のベクトル和がほぼ0と
    なるように、前記複数の流体供給孔が構成されているこ
    とを特徴とする試料保持装置。
  17. 【請求項17】請求項15において、 前記試料保持面には、前記流体供給孔に加えて、前記試
    料の表面の法線方向と略一致した方向に沿って、前記流
    体供給手段から供給される前記流体を、前記試料の表面
    へ噴射する流体供給孔がさらに形成されていることを特
    徴とする試料保持装置。
  18. 【請求項18】請求項8において、 前記流体を供給する流体供給手段をさらに有し、 前記試料保持面には、少なくとも中心近傍及び外周部
    に、前記流体供給手段から供給される前記流体を、前記
    試料の表面へ噴射する、流体供給孔が形成されているこ
    とを特徴とする試料保持装置。
  19. 【請求項19】請求項18において、 前記外周部に形成される流体供給孔は、複数個形成され
    るものであり、 当該複数個の流体供給孔から前記試料へ噴射された前記
    流体が、前記試料の位置ずれを抑止する抑制力を生成す
    るように、前記流体を前記試料の外周部へ噴射すること
    を特徴とする試料保持装置。
  20. 【請求項20】請求項8において、前記流体が液体の場
    合には、 前記試料保持面は、ベルヌーイ効果を生じさせる平坦な
    主面部と、前記試料との間に形成される気−液界面が位
    置する、当該主面部を囲む外周部とから構成されるもの
    であり、 前記外周部の外周端における、前記試料の表面からの距
    離は、前記主面部における前記試料の表面からの距離よ
    りも大きいことを特徴とする試料保持装置。
  21. 【請求項21】請求項20において、 前記外周部は、その外側方向へ向かって、前記試料表面
    との距離が大きくなるような、テ−パ構造を有している
    ことを特徴とする試料保持装置。
  22. 【請求項22】請求項20において、前記流体が気体の
    場合には、 前記試料保持面は、ベルヌーイ効果を生じさせる平坦な
    主面部と、前記試料の外縁に対応する、当該主面部を囲
    む外周部とから構成されるものであり、 前記外周部は、その外側方向へ向かって、前記試料表面
    との距離が小さくなるような、傾斜構造を有しているこ
    とを特徴とする試料保持装置。
  23. 【請求項23】請求項8において、前記流体が液体の場
    合、 前記試料保持面には、前記液体の流路として、当該試料
    保持面の中心近傍から半径方向へ延在するように溝が形
    成されることを特徴とする試料保持装置。
  24. 【請求項24】請求項8において、前記流体が液体の場
    合、 前記試料保持面には、当該試料保持面の中心近傍から半
    径方向に延在するように配置された、前記液体の表面張
    力より大きな臨界表面張力を有する帯状の部材により、
    前記液体の流路が形成されることを特徴とする試料保持
    装置。
  25. 【請求項25】請求項23または24において、 前記試料保持面には、前記液体の流路が複数個、放射状
    に形成されることを特徴とする試料保持装置。
  26. 【請求項26】請求項8において、 前記試料保持面を1対設け、 当該1対の試料保持面を、所定の間隔をあけ、互いに対
    向する位置に配置し、その間に前記試料を非接触保持す
    ることを特徴とする試料保持装置。
  27. 【請求項27】請求項26において、 前記1対の試料保持面間の間隔は、前記試料の各面から
    当該面に近い方の各試料保持面までの距離がそれぞれ
    2.5mm以内の等距離となるように設定することを特
    徴とする試料保持装置。
  28. 【請求項28】請求項26において、 前記流体を供給する流体供給手段をさらに有し、 前記1対の試料保持面には、前記試料の表面の法線方向
    を回転軸として前記試料が回転するための回転力を与え
    る方向に沿って、前記流体供給手段から供給される前記
    流体を、前記試料の表面へ噴射する流体供給孔がそれぞ
    れ形成されているものであり、 前記1対の試料保持面の流体供給孔は、それぞれから噴
    出される前記流体により前記試料へ与えられる回転力の
    方向が互いに逆方向となるように構成されていることを
    特徴とする試料保持装置。
  29. 【請求項29】請求項28において、 前記1対の試料保持面に挾まれ、非接触保持される前記
    試料を、前記一方の試料保持面の流体供給孔からの流体
    噴射により回転させ、 前記他方の試料保持面の流体供給孔からの流体噴射によ
    り、前記試料の回転速度を減速して制動することを特徴
    とする試料保持装置。
  30. 【請求項30】保持すべき試料と、当該試料に対向する
    試料保持面との間に流体を流すことで生じるベルヌーイ
    効果を利用して、当該試料を非接触保持した状態で、そ
    の表面を処理する流体処理装置において、 前記試料保持面が形成されている試料保持手段と、 前記試料保持面と前記試料との間に流してベルヌーイ効
    果を生じさせると共に前記試料表面の処理を行なう流体
    を供給する流体供給手段とを有し、 前記試料保持面は、保持されている試料の外周縁と当該
    試料保持面との間に作用する張力の大きさが急激に変
    る、当該試料保持面上に形成される境界で囲まれる領域
    の大きさが、前記試料の大きさと、当該試料保持面に対
    する試料の位置ずれを抑制すべき方向で、ほぼ同一とな
    る構成を有することを特徴とする流体処理装置。
  31. 【請求項31】請求項30において、 前記試料が略円板状であり、直径がDmmである場合に
    は、 前記試料保持面の形状は、略円形であり、その直径が、
    予め実験により求められた前記試料の横ずれを抑制する
    抑制力と前記試料保持面の大きさとの依存関係を用い
    て、(D−8)mm〜(D+4)mmの範囲内で、当該
    試料保持において必要とされる前記試料の横ずれを抑止
    する抑制力の大きさに応じて決定されることを特徴とす
    る流体処理装置。
  32. 【請求項32】請求項30において、 前記試料保持面には、保持されている試料の表面の法線
    方向を回転軸方向として前記試料が回転するための回転
    力を与える方向に沿って、前記流体供給手段から供給さ
    れる前記流体を、前記試料の表面へ噴射する流体供給孔
    が形成されていることを特徴とする流体処理装置。
  33. 【請求項33】請求項30において、 前記流体供給手段には、保持すべき試料の液体処理工程
    に用いる液体を供給する液体供給手段、および、保持す
    べき試料の気体処理工程に用いる気体を供給する気体供
    給手段のうち、少なくとも一方が含まれることを特徴と
    する流体処理装置。
  34. 【請求項34】請求項30において、 前記流体供給手段は、互いに異なる流体をそれぞれ供給
    する複数の供給手段から構成されるものであり、 前記試料に対して行なうべき処理に応じて、前記複数の
    供給手段のうち、1つを選択し、前記選択した1つの供
    給手段からの流体を供給する、選択手段をさらに有する
    ことを特徴とする流体処理装置。
  35. 【請求項35】請求項34において、 前記複数の供給手段には、保持すべき試料の液体処理工
    程に用いる液体を供給する液体供給手段、および、保持
    すべき試料の気体処理工程に用いる気体を供給する気体
    供給手段が少なくとも含まれるものであり、 前記液体処理工程には少なくとも洗浄水による洗浄工程
    が、前記気体処理工程には少なくとも乾燥用気体による
    乾燥工程が含まれていることを特徴とする流体処理装
    置。
  36. 【請求項36】請求項35において、 前記液体供給手段は、純水及び所定の洗浄液の少なくと
    も一方を供給するものであり、 前記気体供給手段は、窒素ガスを供給することを特徴と
    する流体処理装置。
  37. 【請求項37】請求項30において、 前記試料が前記試料保持面上に保持されている状態で、
    前記試料保持手段の位置を移動させる移動手段をさらに
    有することを特徴とする流体処理装置。
  38. 【請求項38】請求項30において、 前記試料が前記試料保持面上に保持されている状態で、
    前記試料の、前記試料保持面に対向する面の裏側の面に
    対して、所定の流体を噴射し当該裏側の面を処理する処
    理手段をさらに有することを特徴とする流体処理装置。
  39. 【請求項39】請求項30において、 前記試料保持手段を1対設けると共に、 前記1対の試料保持手段のそれぞれに形成されている試
    料保持面が、所定の間隔をあけ、前記試料を間に挾ん
    で、互いに対向する位置に配置されるように、前記1対
    の試料保持手段を支持する支持手段をさらに有すること
    を特徴とする流体処理装置。
  40. 【請求項40】請求項39において、 前記1対の試料保持手段のそれぞれへ流体を供給する前
    記流体供給手段を1対設けると共に、 前記各試料保持手段に形成されている試料保持面にそれ
    ぞれ対向する、前記試料の各面に対して行なう処理に応
    じて、前記各流体供給手段からそれぞれの試料保持手段
    へ供給する流体を選択する選択手段をさらに有すること
    を特徴とする流体処理装置。
  41. 【請求項41】請求項30において、 前記試料保持手段、及び当該試料保持手段へ流体を供給
    する流体供給手段を、前記試料に対して行なうべき複数
    の処理工程に対応して、複数組設けると共に、 前記試料保持手段、前記流体供給手段、及び前記試料保
    持手段の配置位置を移動させる移動手段を備え、前記複
    数の試料保持手段間で試料の搬送を行なう、搬送手段を
    さらに有し、 前記各組の流体供給手段は、前記複数の処理工程のそれ
    ぞれで用いる流体をそれぞれ供給するものであり、 前記搬送手段は、前記複数の処理工程の順序に従って、
    前記試料の処理が行なわれるように、前記複数の試料保
    持手段間で前記試料を搬送することを特徴とする流体処
    理装置。
  42. 【請求項42】試料の表面を流体により処理する流体処
    理方法において、 前記試料に対して行なうべき処理に応じて選択された流
    体を、前記試料と前記試料に対向する位置に配置された
    試料保持面との間に流し、ベルヌーイ効果を生じせしめ
    ることで、前記試料を非接触保持すると共に、当該試料
    表面の処理を実行することを特徴とする流体処理方法。
  43. 【請求項43】表面を流体により処理された板状試料に
    おいて、 当該板状試料に対して行なうべき処理に応じて選択され
    た流体を、当該板状試料とそれに対向する位置に配置さ
    れた試料保持面との間に流し、ベルヌーイ効果を生じせ
    しめることで表面処理されたものであり、 前記表面処理は、請求項4〜6のいずれかに記載の流体
    処理方法により行なわれることを特徴とする板状試料。
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