JP2009215343A - 熱硬化性樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で形成でき、耐熱性に優れるとともに、プラズマディスプレイの軽量化を成し得る、低誘電性熱硬化性樹脂を提供する。
【解決手段】化合物(1)と化合物(2)とを、(1):(2)=70:30〜90:10(モル比)で加水分解反応させてなる分子量が10000以上の熱硬化性樹脂。
Figure 2009215343

Figure 2009215343

【選択図】なし

Description

本発明は熱硬化性樹脂に関し、詳しくは、シラノール基の脱水縮合反応により硬化させることができ、高耐熱性で低誘電性の硬化物を得ることができる熱硬化性樹脂に関する。
プラズマディスプレイパネルは、ガス放電により発生した紫外線によって蛍光体を励起発光させて、可視光を得ることで画像を表示するディスプレイである。そのため、プラズマディスプレイパネルの素子における絶縁層(隔壁材料を含む)は加熱真空環境に晒されることから、その材料としては、従来より低融点ガラスなどが使用されている(特許文献1〜3参照)。これは、絶縁層に有機物を使用すると、その耐熱性の低さからアウトガスを生じてしまうからである。
特開2000−323043号公報 特開2002−124192号公報 特開2007−26960号公報
しかしながら、ガラス材料は誘電率が高く、絶縁性能を維持するためにはある程度の厚みが必要であり、この点がプラズマディスプレイの軽量化を阻んでいた。また、低融点ガラスとはいえ、その融点は約650℃程度もあるため、エネルギー効率の点からも、より低温で絶縁層を形成できる材料が望まれていた。
そこで本発明の目的は、従来より低温で形成することができ、耐熱性に優れ、すなわち、熱によるクラックや着色の発生がなく、かつ、プラズマディスプレイの軽量化を成し得る、低誘電性の硬化物を与えることが可能な熱硬化性樹脂を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、下記構成とすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を解決するに至った。
すなわち、本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(1)で表される芳香族珪素化合物(A)と下記一般式(2)で表される有機珪素化合物(B)とを、(A):(B)=70:30〜90:10(モル比)の割合で、かつ、分子量が10000以上となるように加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなることを特徴とするものである。
Figure 2009215343
(式(1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
また、本発明の他の熱硬化性樹脂は、下記一般式(1−1)で表される芳香族珪素化合物(A−1)と、下記一般式(1−2)で表される芳香族珪素化合物(A−2)と、下記一般式(2−1)で表される有機珪素化合物(B−1)と、下記一般式(2−2)で表される有機珪素化合物(B−2)と、下記一般式(2−3)で表される有機珪素化合物(B−3)とを、〔(A−1)+(A−2)〕:〔(B−1)+(B−2)+(B−3)〕=70:30〜90:10(モル比)(但し、〔(A−1)+(A−2)+(B−1)+(B−2)+(B−3)〕の合計量に対し、〔(B−2)+(B−3)〕の合計量の割合は5モル%以下であり、(B−3)の割合は2モル%以下であり、かつ、(A−1)に対する(A−2)の割合は10モル%以下である)の割合で、かつ、分子量が10000以上となるように加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなることを特徴とするものである。
Figure 2009215343
(式(1−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(1−2)中、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R10〜R12は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−2)中、R13〜R16は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−3)中、R17〜R20は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
また、本発明の低誘電性絶縁膜は、上記本発明の熱硬化性樹脂を、380℃〜560℃で加熱硬化させて得られることを特徴とするものである。
さらに、本発明のプラズマディスプレイは、上記本発明の低誘電性絶縁膜を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、従来より低温で形成することができるとともに、耐熱性に優れ、すなわち、熱によるクラックや着色の発生がなく、かつ、プラズマディスプレイの軽量化についても達成しうる、低誘電性の硬化物を与えることができる熱硬化性樹脂を実現することが可能となった。したがって、かかる熱硬化性樹脂を用いた本発明の低誘電性絶縁膜は軽量であって耐熱性に優れ、これを用いた本発明のプラズマディスプレイは、所望の耐熱性を有するとともに軽量であるとのメリットを有するものである。
以下、本発明の好適実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1の熱硬化性樹脂は、下記一般式(1)で表される芳香族珪素化合物(A)と下記一般式(2)で表される有機珪素化合物(B)とを、所定割合にて加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなるものである。
Figure 2009215343
(式(1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
〜Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、有機珪素化合物(B)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、メチル基が最も好ましい。
の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、有機珪素化合物(B)との反応性の点で、好ましくは水素原子、メチル基であり、水素原子が最も好ましい。
、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、芳香族珪素化合物(A)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、メチル基が最も好ましい。
、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、芳香族珪素化合物(A)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、エチル基が最も好ましい。
本発明の第1の熱硬化性樹脂は、上記芳香族珪素化合物(A)と有機珪素化合物(B)とを、(A):(B)=70:30〜90:10(モル比)、好適には75:25〜85:15(モル比)の割合で、加水分解反応させて得られるものである。芳香族珪素化合物(A)の割合が少なすぎると、熱硬化性樹脂を熱硬化させて得られる硬化物の耐熱性(耐熱変形性)に劣ることとなり、多すぎると耐クラック性に劣るものとなる。
本発明において、上記のように芳香族珪素化合物(A)と有機珪素化合物(B)を加水分解反応させるにあたっては、反応生成物の分子量が10000以上となるように反応させることが必要である。分子量が10000未満であると、熱硬化性樹脂を熱硬化させた場合に、得られる硬化物中にボイドが発生してしまう。
このように分子量を10000以上に制御する方法については、特に限定されるものではなく、アルコキシシランの加水分解によるポリシロキサンの製造において公知の方法を用いればよいが、例えば、溶媒の量を調節(換言すると原料の濃度を調節)することによって、制御することができる。すなわち、溶媒を少なく(原料を高濃度に)することで、より高分子量とすることができる。その具体的な制御方法の例は、後述の実施例に示す。
また、本発明の第2の熱硬化性樹脂は、下記一般式(1−1)で表される芳香族珪素化合物(A−1)と、下記一般式(1−2)で表される芳香族珪素化合物(A−2)と、下記一般式(2−1)で表される有機珪素化合物(B−1)と、下記一般式(2−2)で表される有機珪素化合物(B−2)と、下記一般式(2−3)で表される有機珪素化合物(B−3)とを、所定割合にて加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなるものである。
Figure 2009215343
(式(1−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(1−2)中、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R10〜R12は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−2)中、R13〜R16は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
Figure 2009215343
(式(2−3)中、R17〜R20は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
上記一般式(1−1)で表される芳香族珪素化合物(A−1)は、上記芳香族珪素化合物(A)と同じものである。
の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、有機珪素化合物(B−1)〜(B−3)との反応性の点で、好ましくは水素原子、メチル基であり、水素原子が最も好ましい。
10の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、有機珪素化合物(B−1)〜(B−3)との反応性の点で、好ましくはメチル基である。
11、R12の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、有機珪素化合物(B−1)〜(B−3)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、メチル基が最も好ましい。
上記一般式(2−1)で表される有機珪素化合物(B−1)は、上記有機珪素化合物(B)と同じものである。
13の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、芳香族珪素化合物(A−1),(A−2)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、メチル基が最も好ましい。
14〜R16の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、芳香族珪素化合物(A−1),(A−2)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、エチル基が最も好ましい。
17〜R20の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などを挙げることができ、芳香族珪素化合物(A−1),(A−2)との反応性の点で、好ましくはメチル基、エチル基であり、エチル基が最も好ましい。
本発明の第2の熱硬化性樹脂は、上記芳香族珪素化合物(A−1),(A−2)および有機珪素化合物(B−1),(B−2),(B−3)を、〔(A−1)+(A−2)〕:〔(B−1)+(B−2)+(B−3)〕=70:30〜90:10(モル比)、好ましくは75:25〜85:15(モル比)の割合で加水分解反応させて得られるものである。但し、〔(A−1)+(A−2)+(B−1)+(B−2)+(B−3)〕の合計量に対し、〔(B−2)+(B−3)〕の合計量の割合は5モル%以下であり、(B−3)の割合は2モル%以下であり、かつ、(A−1)に対する(A−2)の割合は10モル%以下とする。以下、芳香族珪素化合物(A−1)および(A−2)を総称して「A成分」といい、有機珪素化合物(B−1)、(B−2)および(B−3)を総称して「B成分」ということとする。
A成分において化合物(A−1)は必須であり、また、化合物(A−2)は化合物(A−1)に対して10モル%以下であることが必要であり、好ましくは5モル%以下である。化合物(A−2)が多すぎると、熱硬化後の急冷時に硬化物にクラックが入ってしまう。化合物(A−2)は0モル%であってもよく、すなわち、A成分として化合物(A−1)のみを用いてもよい。
B成分において化合物(B−1)は必須であり、また、化合物(B−2),(B−3)の合計量はA成分の総量とB成分の総量との合計量に対して5モル%以下でなければならず、特に化合物(B−3)は、A成分の総量とB成分の総量との合計量に対して2モル%以下でなければならない。化合物(B−2),(B−3)の合計量が5モル%を超えると、熱硬化性樹脂を熱硬化させて得られる硬化物の耐クラック性が低下することとなる。また、化合物(B−2),(B−3)の合計量が5モル%未満であっても、化合物(B−3)の量が単独で2モル%を超えても、やはり熱硬化性樹脂を熱硬化させて得られる硬化物の耐クラック性が低下することとなる。したがって本発明においては、化合物(B−2),(B−3)はいずれかが0モル%であって、すなわち、B成分として化合物(B−1)および(B−2)のみ、または、化合物(B−1)および(B−3)のみを用いてもよく、化合物(B−2),(B−3)がいずれも0モル%であって、すなわち、B成分として化合物(B−1)のみを用いてもよい。
なお、A成分として化合物(A−1)のみを用い、B成分として化合物(B−1)のみを用いることもできるが、この場合は、上記本発明の第1の熱硬化性樹脂と同じものとなる。
以上より、言い換えれば、本発明の第2の熱硬化性樹脂は、上記A成分の総量とB成分の総量とを、A成分:B成分=70:30〜90:10(モル比)、好ましくは75:25〜85:15(モル比)の割合で加水分解反応させて得られるものである。A成分の割合が少なすぎると、熱硬化性樹脂を熱硬化させて得られる硬化物の耐熱変形性に劣ることとなり、多すぎると、耐熱クラック性に劣るものとなる。
本発明において、上記のようにA成分とB成分とを加水分解反応させるにあたっては、反応生成物の分子量が10000以上となるように反応させることが必要である。分子量が10000未満であると、熱硬化性樹脂を熱硬化させた場合に、得られる硬化物中にボイドが発生してしまう。
このように分子量を10000以上に制御する方法については、特に限定されるものではなく、アルコキシシランの加水分解によるポリシロキサンの製造における公知の方法を用いればよいが、例えば、溶媒の量を調節(換言すると原料の濃度を調節)することによって、制御することができる。すなわち、溶媒を少なく(原料を高濃度に)することで、より高分子量とすることができる。その具体的な制御方法の例は、後述の実施例に示す。
本発明の低誘電性絶縁膜は、上記本発明の熱硬化性樹脂を、380℃〜560℃で加熱硬化させて得られるものである。このときの硬化反応はシラノール基の脱水縮合反応であり、単に加熱することによって反応が進行するが、加熱硬化温度は380℃〜560℃、好ましくは400℃〜480℃であることが必要である。この温度が低すぎると、脱水縮合反応が十分に行われないため十分な硬化物とはならず、耐溶剤性に劣るものとなる。一方、温度が高すぎると硬化物が着色されてしまう。
本発明の低誘電性絶縁膜は、上記本発明の熱硬化性樹脂の加熱硬化温度である380℃〜560℃の範囲内で安定な材料であれば、任意の基材に形成することができ、例えば、ガラス基材、酸化アルミニウム、セラミックスなどを例示することができる。本発明の低誘電性絶縁膜は、プラズマディスプレイ製造工程における材料部材としての絶縁膜ないし絶縁層、若しくは隔壁材料として好ましく使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂は、常温では固体であるため、基材への形成にあたっては、好ましくは溶剤に溶解した後、例えば、スピンコーティングなどの公知の適用方法によって、また、例えば、プラズマディスプレイであれば、低融点ガラス粉末を含有するペーストと同様に、基材に適用した後に必要であれば溶剤を揮発させるなどの工程を経た後、加熱硬化させればよい。
この場合に使用できる溶剤としては、上記本発明の熱硬化性樹脂を、作業環境下で容易に溶解でき、かつ、容易に揮発させることのできる溶剤であれば、特に限定されるものではない。具体的には例えば、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート等を例示することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイは、上記本発明の低誘電性絶縁膜を用いたものである。すなわち、上述のように、本発明の低誘電性絶縁膜を、プラズマディスプレイ製造工程における材料部材としての絶縁膜ないし絶縁層、若しくは隔壁材料として使用したものであればよく、その形成方法は上述の通りである。プラズマディスプレイの製造におけるその他の工程については、従来公知の通りに行えばよく、特に制限されない。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
芳香族珪素化合物(A)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、および、有機珪素化合物(B)としてのジメチルジエトキシシラン75質量部(両者のモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン150質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、本発明の第1の熱硬化性樹脂(1)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(1)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が40000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(実施例2)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン289質量部、芳香族珪素化合物(A−2)としてのフェニルメチルジメトキシシラン11質量部((A−1)に対する(A−2)の割合=4モル%)、および、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン75質量部(A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン210質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、本発明の第2の熱硬化性樹脂(2)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(2)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が21000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(実施例3)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン62質量部、および、有機珪素化合物(B−2)としてのメチルトリエトキシシラン15質量部(A成分とB成分との合計量に対する(B−2)の割合=4モル%であり、A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン150質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、本発明の第2の熱硬化性樹脂(3)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(3)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が54000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(実施例4)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン62質量部、有機珪素化合物(B−2)としてのメチルトリエトキシシラン11質量部、および、有機珪素化合物(B−3)としてのテトラエトキシシラン4質量部(A成分とB成分との合計量に対する(B−2)と(B−3)との合計量の割合=4モル%であり、A成分とB成分との合計量に対する(B−3)の割合=1モル%であり、A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン210質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、本発明の第2の熱硬化性樹脂(4)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(4)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が62000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(実施例5)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシランを289質量部、芳香族珪素化合物(A−2)としてのフェニルメチルジメトキシシラン11質量部((A−1)に対する(A−2)の割合=4モル%)、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン61質量部、有機珪素化合物(B−2)としてのメチルトリエトキシシラン10質量部、および、有機珪素化合物(B−3)としてのテトラエトキシシラン4質量部(A成分とB成分との合計量に対する(B−2)と(B−3)との合計量の割合=4モル%であり、A成分とB成分との合計量に対する(B−3)の割合=1モル%であり、A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン180質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、本発明の第2の熱硬化性樹脂(5)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(5)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が38000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例1)
芳香族珪素化合物(A)としてのフェニルトリメトキシシラン200質量部、および、有機珪素化合物(B)としてのジメチルジエトキシシラン100質量部(両者のモル比は60:40)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン200質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(6)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(6)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が48000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例2)
芳香族珪素化合物(A)としてのフェニルトリメトキシシラン305質量部、および、有機珪素化合物(B)としてのジメチルジエトキシシラン12質量部(両者のモル比は95:5)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン150質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(7)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(7)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が6200であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例3)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン252質量部、芳香族珪素化合物(A−2)としてのフェニルメチルジメトキシシラン47質量部((A−1)に対する(A−2)の割合=20モル%)、および、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン75質量部(A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン250質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(8)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(8)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が70000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例4)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン43質量部、および、有機珪素化合物(B−2)としてのメチルトリエトキシシラン36質量部(A成分とB成分との合計量に対する(B−2)の割合=10モル%であり、A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン210質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(9)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(9)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が63000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例5)
芳香族珪素化合物(A−1)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、有機珪素化合物(B−1)としてのジメチルジエトキシシラン61質量部、有機珪素化合物(B−2)としてのメチルトリエトキシシラン5質量部、および、有機珪素化合物(B−3)としてのテトラエトキシシラン13質量部(A成分とB成分との合計量に対する(B−2)と(B−3)の合計量の割合=4.5モル%であり、A成分とB成分との合計量に対する(B−3)の割合=3モル%であり、A成分とB成分とのモル比は75:25)に対し、トルエン270質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン210質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(10)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(10)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が65000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(比較例6)
芳香族珪素化合物(A)としてのフェニルトリメトキシシラン301質量部、および、有機珪素化合物(B)としてのジメチルジエトキシシラン75質量部(両者のモル比は75:25)に対し、トルエン700質量部を加えた。温度が10℃を超えないように攪拌しながら、この混合物中に0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液140質量部を30分かけて滴下し、滴下終了後、10℃で3時間攪拌した後、50℃で3時間攪拌した。このとき反応液は乳白色化していた。その後、66℃以上である70℃に2時間保持して脱アルコール処理した後、75℃で10時間攪拌した。
反応液が増粘していたため、トルエン150質量部を加えて希釈したところ、2層の液層に分離した。下層の水酸化ナトリウム水溶液層を分液にて除去し、上層のトルエン溶液層を得た。このトルエン溶液層をイオン交換水によりpH7以下になるまで水洗した後、孔径0.5マイクロメートルのメンブランフィルターにて濾過処理した。その後、70℃で加熱減圧処理して有機溶媒を全て除去し、比較のための熱硬化性樹脂(11)を得た。
得られた熱硬化性樹脂(11)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分析の結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が4000であった。また、FT−IR(赤外分光光度計)による定性分析の結果、Si−OH基に由来する3200〜3600cm−1の吸収が確認され、シラノール基の含有が確認された。
(実施例6〜10,比較例7〜12)
それぞれ熱硬化性樹脂(1)〜(11)100質量部を1−メトキシ−2−プロパノールアセテート200質量部に溶解させて試験液を作製した。
2.5cm四方のガラス板上にそれぞれの試験液をスピンコートし、130℃で3分間加熱して溶剤を除去し、熱硬化性樹脂層を形成した。このときの樹脂熱硬化性樹脂層の厚さが7マイクロメートルとなるように、コート量を調節した。
得られた熱硬化性樹脂層表面に、精密ドライバーを用いてひっかき傷をつけることにより、幅約100マイクロメートルで、ガラス板の一辺の中央部から対向する辺の中央部へかけて、また、深さ方向としてガラス面にかけて、熱硬化性樹脂層を除去することにより、溝構造を形成した。これを試験片とした。
各試験片を、空気雰囲気下450℃で2時間加熱して熱硬化性樹脂層を硬化させ、本発明の低誘電性絶縁膜および比較のための絶縁膜を形成した後、以下の各評価を実施した。なお、下記評価の一部は硬化前後で行った。
(断面変化試験)
株式会社ULVAC製の接触式表面形状測定装置Dektak−6Mを用いて、各試験片における溝構造の、ガラス面と絶縁膜との段差を加熱硬化前後で測定することにより、硬化の際の熱に対する形状安定性を評価した。断面形状に変化の無かったものを「○」、熱ダレ、湾曲等、断面形状の変化したものを「×」として、結果を下記の表1中に示す。
(耐クラック性)
加熱硬化後の各試験片について目視にて観察し、絶縁膜中のクラックの有無を評価した。クラックの無いものを「○」、クラックの発生したものを「×」として、結果を下記の表1中に示す。
(ボイド観察評価)
各試験片を光学顕微鏡(倍率100倍)にて観察し、絶縁膜中のボイドの有無を評価した。ボイドの無いものを「○」、ボイドの発生したものを「×」として、結果を下記の表1中に示す。
(着色評価)
加熱硬化後の各試験片について目視にて観察し、絶縁膜の着色度合について評価した。無色透明であるものを「○」、着色または濁りの認められるものを「×」として、結果を下記の表1中に示す。
(耐溶剤試験)
加熱硬化後の各試験片を、室温で30分間アセトン中に浸漬し、その前後の絶縁膜の膜厚変化率を、株式会社ULVAC製の接触式表面形状測定装置Dektak−6Mを用いて測定した。膜厚変化率が±5%未満であるものを「○」、膜厚変化率が±5%以上であるものを「×」として、結果を下記の表1中に示す。
Figure 2009215343
また、実施例6〜10の各試験片の絶縁膜について、アルミニウム付きガラス基板上で製膜し、熱硬化後に絶縁膜表面の任意の箇所にアルミニウムで対電極を蒸着形成した後、誘電率を測定したところ、いずれも100ヘルツにおいて2.9であった。これにより、上記表1の結果と併せて、本発明の低誘電性絶縁膜が非常に優れていることが確認できた。
(実施例11)
上記熱硬化性樹脂(1)を用いた絶縁層を用いてプラズマディスプレイを作製したところ、低融点ガラスを絶縁層としたものに比べて、性能に劣るところがないばかりか軽量であり、優れたものであることが確認できた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される芳香族珪素化合物(A)と下記一般式(2)で表される有機珪素化合物(B)とを、(A):(B)=70:30〜90:10(モル比)の割合で、かつ、分子量が10000以上となるように加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなることを特徴とする熱硬化性樹脂。
    Figure 2009215343
    (式(1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
    Figure 2009215343
    (式(2)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
  2. 下記一般式(1−1)で表される芳香族珪素化合物(A−1)と、下記一般式(1−2)で表される芳香族珪素化合物(A−2)と、下記一般式(2−1)で表される有機珪素化合物(B−1)と、下記一般式(2−2)で表される有機珪素化合物(B−2)と、下記一般式(2−3)で表される有機珪素化合物(B−3)とを、〔(A−1)+(A−2)〕:〔(B−1)+(B−2)+(B−3)〕=70:30〜90:10(モル比)(但し、〔(A−1)+(A−2)+(B−1)+(B−2)+(B−3)〕の合計量に対し、〔(B−2)+(B−3)〕の合計量の割合は5モル%以下であり、(B−3)の割合は2モル%以下であり、かつ、(A−1)に対する(A−2)の割合は10モル%以下である)の割合で、かつ、分子量が10000以上となるように加水分解反応させて得られる有機ポリシロキサンからなることを特徴とする熱硬化性樹脂。
    Figure 2009215343
    (式(1−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
    Figure 2009215343
    (式(1−2)中、Rは水素原子または直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R10〜R12は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
    Figure 2009215343
    (式(2−1)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
    Figure 2009215343
    (式(2−2)中、R13〜R16は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
    Figure 2009215343
    (式(2−3)中、R17〜R20は同一でも異なっていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基である)
  3. 請求項1または請求項2記載の熱硬化性樹脂を、380℃〜560℃で加熱硬化させて得られることを特徴とする低誘電性絶縁膜。
  4. 請求項3記載の低誘電性絶縁膜を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイ。
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