JP2005239886A - シリコーンラダーポリマーの製造方法 - Google Patents

シリコーンラダーポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚膜が形成できる高分子量のシリコーンラダーポリマーを短時間に合成するシリコーンラダーポリマーの製造方法を得ること。
【解決手段】トリクロロシランを加水分解して得られるプレポリマーを縮重合して合成するシリコーンラダーポリマーの製造方法であって、縮重合前の上記プレポリマーの有機溶剤溶液における上記プレポリマーの濃度を0.1〜0.2g/mlに調整する工程と、上記プレポリマーの有機溶剤溶液を加熱して、上記プレポリマーの縮重合によって生成する水分と上記有機溶剤とを30〜70分間還流するとともに、この還流液中の水分を除去する工程と、上記水分除去工程後に、上記有機溶剤を流去して、上記縮重合が開始する前のプレポリマーの有機溶剤溶液中の有機溶剤量の20〜40%を流去させる工程と、上記有機溶剤の流去工程後に、上記有機溶剤の沸点温度で縮重合を進める工程とからなる。
【選択図】なし



Description

本発明は、シリコーンラダーポリマーの製造方法に関し、特に、高分子量のシリコーンラダーポリマーの製造方法に関するものである。
従来のシリコーンラダーポリマーの製造方法は、まず、原料のトリクロルシランをケトン系溶剤に溶解した後、この溶液に水を滴下・攪拌して、原料のトリクロルシランを加水分解させてプレポリマーを調製する。この時、上記溶液は冷却される。
次に、プレポリマーを含有する溶液を超純水を用いて洗浄した後、洗浄されたプレポリマーを含有する溶液に求核試薬を添加して、加熱しながら攪拌する。プレポリマーの脱水縮合で生じた水を除去するとともに、上記溶剤の還流下で加熱し、縮重合反応を進めて高分子量のシリコーンラダーポリマーを製造している。(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−92224号公報(第3−4頁)
シリコーンラダーポリマーは、その優れた耐熱性や高純度性から半導体素子やセンサー素子などの保護膜として用いられてきている。シリコーンラダーポリマーを保護膜などに用いるにあたっては、シリコーンラダーポリマーに対し厚膜を形成できることが要求されている。
クラックが発生させずに厚さが厚いシリコーンラダーポリマー膜を形成するためには、高分子量のシリコーンラダーポリマーを製造する必要がある。しかし、従来のシリコーンラダーポリマーの製造方法で、高分子量のシリコーンラダーポリマーを得るには、プレポリマーの縮重合反応による高分子量化に長時間を要し、高分子量のシリコーンラダーポリマー製造の生産性が低いとの問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、厚膜が形成できる高分子量のシリコーンラダーポリマーを短時間に合成できるシリコーンラダーポリマーの製造方法を得るものである。
本発明のシリコーンラダーポリマーの製造方法は、トリクロロシランを加水分解して得られるプレポリマーを縮重合して合成するシリコーンラダーポリマーの製造方法であって、縮重合前の上記プレポリマーの有機溶剤溶液における上記プレポリマーの濃度を0.1〜0.2g/mlに調整する工程と、上記プレポリマーの有機溶剤溶液を加熱して、上記プレポリマーの縮重合によって生成する水分と上記有機溶剤とを30〜70分間還流するとともに、この還流液中の水分を除去する工程と、上記水分除去工程後に、上記有機溶剤を流去して、上記縮重合が開始する前のプレポリマーの有機溶剤溶液中の有機溶剤量の20〜40%を流去させる工程と、上記有機溶剤の流去工程後に、更に上記有機溶剤の沸点温度で縮重合を進める工程とからなるものである。
本発明のシリコーンラダーポリマーの製造方法は、トリクロロシランを加水分解して得られるプレポリマーを縮重合して合成するシリコーンラダーポリマーの製造方法であって、縮重合前の上記プレポリマーの有機溶剤溶液における上記プレポリマーの濃度を0.1〜0.2g/mlに調整する工程と、上記プレポリマーの有機溶剤溶液を加熱して、上記プレポリマーの縮重合によって生成する水分と上記有機溶剤とを30〜70分間還流するとともに、この還流液中の水分を除去する工程と、上記水分除去工程後に、上記有機溶剤を流去して、上記縮重合が開始する前のプレポリマーの有機溶剤溶液中の有機溶剤量の20〜40%を流去させる工程と、上記有機溶剤の流去工程後に、更に上記有機溶剤の沸点温度で縮重合を進める工程とからなるものであり、高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成時間を短縮できる。
実施の形態1.
本発明における高分子量のシリコーンラダーポリマー製造方法は、まず、フェニルトリクロロシランなどのトリクロロシランを有機溶剤に溶かす。次にフェニルトリクロロシランを溶解した溶液に、純水を滴下して、フェニルトリクロロシランを加水分解させる。このとき、上記溶液を攪拌しながら冷却することが望ましい。純水を滴下した後、加水分解反応を完結させるため、例えば、2時間攪拌を継続する。
加水分解反応が終了後、反応液は有機溶液相と水相の二相に分離するので、例えば分液漏斗などを用いて下相の水相を除去して、プレポリマーを含む有機溶液相を回収する。
回収された有機溶液相は、純水によって洗浄する。洗浄方法としては、例えば、有機溶液相を同容量の純水と混合し、攪拌あるいは振とうした後、静置し、分離した水相を取り除く方法が挙げられる。この水洗操作を3回以上繰り返す。
次に、上記プレポリマーを用い以下に示す工程により、高分子量のシリコーンラダーポリマーを合成する。
第1の工程は、上記洗浄されたプレポリマーを含む有機溶液相を、攪拌装置と還流冷却器とトラップを備えた反応槽に採取し、上記プレポリマーを含む有機溶液相に、触媒として求核試薬を添加する。
第2の工程は、上記触媒を添加後、上記有機溶液相を攪拌するとともに、反応槽を加熱し、初期還流として、上記有機溶液相の溶剤と水分とを30〜70分間還流させて、プレポリマーの縮重合反応を進める。この時、上記洗浄工程により、プレポリマーを含む有機溶液相に残留する水分と上記プレポリマーの縮重合反応により発生する水分とを、上記トラップにて除去する。しかし、有機溶液相中の溶剤は反応槽に戻し、溶剤の減少量を少なくして、プレポリマーの縮重合反応により生成する反応中間体やプレポリマーなどの反応成分の濃度が増加するのを最小にする。
第3の工程は、第2の工程後、還流冷却器に備えられたコックを切り替えて、冷却器で液化された還流有機溶剤を上記反応槽に戻さず外部に流去させる。この有機溶剤の流去量は、プレポリマーの縮重合反応を開始する前の有機溶剤溶液中の有機溶剤量の20〜40%である。
第4の工程は、有機溶剤溶液中の有機溶剤量を減らした後、上記コックを元に戻し、上記有機溶剤の沸点温度で、発生する水分を除去しながら反応中間体やプレポリマーなどの反応成分の縮重合反応を進め、高分子量のシリコーンラダーポリマーを合成する。
上記合成された高分子量のシリコーンラダーポリマーは、再沈法により精製し、得られた固形分を乾燥して、高純度な高分子量のシリコーンラダーポリマーを得る。
上記プレポリマーを用いた、従来の方法によるシリコーンラダーポリマーの合成では、縮重合反応により生じた水分の除去において、反応溶液中の溶媒も除去されるので、反応溶液中のプレポリマーや反応中間体の濃度が増加し、重合度の高い中間体ができる。この中間体は反応性が低いので、さらに反応させ、40万以上の高分子量のシリコーンラダーポリマーを得るには、長時間が必要である。
しかし、本実施の形態のシリコーンラダーポリマーの合成では、プレポリマ−の縮重合反応の初期に、主に反応で生成する水分は除去するが、有機溶剤は還流させるので、プレポリマーなどの反応物の濃度を大幅の増加させることなく、縮重合反応を進めるので、プレポリマーの反応によって生成する中間体の重合度が大きくなく、中間体の反応性が低下しない。そのため、中間体同士の反応による高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成速度が低下せず、高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成時間を短縮できる。
本実施の形態で用いるフェニルトリクロロシランは、あらかじめ減圧下で窒素気流中で蒸留して精製したものが好ましい。
有機溶剤に溶かすフェニルトリクロロシランの量は、得られるプレポリマーの濃度が、0.1〜0.2g/mlとなるように調製するのが好ましい。このプレポリマーの濃度が0.1g/ml未満の場合は、上記反応中間体の生成反応が遅く、有機溶剤量を減らしたあとの重縮合反応の速度が遅く、上記第4の工程の高分子量のシリコーンラダーポリマーを合成する時間が、有機溶剤量を減らさない場合と同様である。また、上記プレポリマーの濃度が0.2g/mlより大きい場合は、有機溶剤量を減らしたあとの反応溶液中に生成した固形分が反応槽の壁に付着し、反応速度が低下し、上記第4の工程の高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成する時間を短縮することができない。
上記有機溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素などが挙げられるが、これらのなかでは電子工業用高純度薬品(ELSSグレード)が好ましい。
上記高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成に用いる触媒としての求核試薬は、K、Na、Csなどの水酸化物が挙げられる。好ましくは、ELSSグレードの水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)を用いるのが好ましい。この触媒の添加量は、プレポリマーに対して、0.05〜5重量%である。
上記高分子量のシリコーンラダーポリマーを合成する第2の工程において、初期の還流時間を30〜70分としているが、この還流時間が30分未満であると、プレポリマー同士の縮合反応が進まず、高分子量のシリコーンラダーポリマーを得るのに長時間を要する。また、上記還流時間を70分より長くすると、上記第3工程での合成時間を短縮することにならず、高分子量のシリコーンラダーポリマーを得る全体の時間を延ばすことになる。
上記高分子量のシリコーンラダーポリマーを合成する第3の工程において、反応槽内の有機溶液中の有機溶剤の仕込み量の20〜40%を流去しているが、この有機溶剤の流去量を40%より多くすると、反応溶液中に生成した固形分が反応槽の壁に付着し、反応速度が低下し、上記第4の工程の高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成する時間を短縮することができない。また、上記有機溶剤の流去量が20%未満であると、生成した反応中間体の濃度が小さく、反応中間体の縮重合反応速度が小さく、高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成する時間が長くなる。
本実施の形態では、原料にフェニルトリクロロシランを用いた高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成方法であるが、原料がフェニルトリクロロシランとビニルトリクロロシランの混合物であっても同様な合成方法により、高分子量のシリコーンラダーポリマーの合成時間を短縮できる。
次に、実施例にて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1.
フェニルトリクロロシランの1モル(211g)をELSSグレードのメチルイソブチルケトンの640mlに溶解し、この溶液を0℃以下に冷却する。この冷却された溶液中に純水320gを少しずつ滴下する。この時、加えられた純水とフェニルトリクロロシランのクロル基が反応して、塩酸が生じるとともに、発熱があるので、溶液の温度が10℃以上に上がらないように留意しながら純水を滴下する。
純水の滴下で生じた加水分解物にはシラノール基が存在し、その間で脱水縮合反応が起こり、加水分解生成物は低分子量の梯子型プレポリマーとなる。この反応を完全にするため、室温で2時間攪拌を継続する。
次に、加水分解物を含む酸性の反応溶液に純水200gを加えて攪拌し、5分間静置後、相分離した下相の水相を除去し、プレポリマーを洗浄する。この洗浄操作を5回繰り返す事で、洗浄水はほぼ中性となる。
次に、触媒として、ELSSグレードのKOHの0.78gを、ELSSグレードのメタノールの7.8mlに溶解したものを準備する。
上記洗浄されたプレポリマーのメチルイソブチルケトン溶液に、上記触媒溶液を加えて反応溶液とする。この反応溶液のプレポリマーの濃度は0.18g/mlである。次に、この反応溶液を攪拌しながら加熱し、約90℃あたりまで昇温させる。すると、初期還流として、水が環流し始めるので、デーンスタークトラップを用いて水を流去する。。水の流去させながら約60分間加熱を継続するが、この間、溶剤のメチルイソブチルケトンは流出しないようにする。約60分後に、反応溶液の温度を溶剤のメチルイソブチルケトンの沸点である114℃として、溶剤のメチルイソブチルケトンの流去を開始し、約30分で反応溶液の仕込み溶剤量の20%を流去させる。
その後、溶剤のメチルイソブチルケトンの流去を止めて、さらに加熱を1時間30分継続する。この間、水分の流去が認められ、脱水縮重合反応が進行しているのが認められる。
すなわち、全部で約3時間の脱水縮重合反応を行った後、反応溶液の約1ccを採取して、テトラヒドロフラン10ccに溶解し、ゲルクロマトグラフィー(GPC)により、得られたらシリコーンラダーポリマーの重量平均分子量を求めた。
また、得られたらシリコーンラダーポリマーについて、ラダー構造の確認はSiNMRの測定より求め、熱分解開始温度は窒素下での熱重量分析(TGA)より求め、溶液の保存安定性はメトキシベンゼンに溶解した溶液を40℃で1000時間の静置後の沈殿の有無から確認した。
得られた結果は、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1にまとめて示した。
実施例2〜3.
縮重合前のプレポリマーの有機溶剤溶液におけるプレポリマーの濃度を表1に示すものとした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量、ラダー構造の確認、熱分解開始温度、溶液の保存安定性を求め、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
実施例4〜5.
重縮合反応における初期還流時間を表1に示す時間とした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量、ラダー構造の確認、熱分解開始温度、溶液の保存安定性を求め、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
実施例6.
プレポリマーの脱水縮重合反応における溶剤の流去量を、反応溶液の仕込み溶剤量の40%とした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量、ラダー構造の確認、熱分解開始温度、溶液の保存安定性を求め、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
実施例7.
0.95モル(201g)のフェニルトリクロロシランと0.05モル(8g)のビニルトリクロロシランとの混合物(209g)をELSSグレードのメチルイソブチルケトン670mlに溶解し、この溶液を−5℃以下に冷却する。この冷却された溶液中に純水280gを少しずつ滴下して攪拌する。この時、加えられた純水とフェニルトリクロロシランおよびビニルトリクロロシランのクロル基が反応して、塩酸が生じるとともに、発熱があるので、溶液の温度が5℃以上に上がらないように留意しながら純水を滴下する。
次に、溶液を室温に戻し、低分子量の梯子型プレポリマーとなる反応を完全にするため、2時間攪拌を継続する。
次に、加水分解物を含む酸性の反応溶液に純水280gを加えて攪拌し、5分間静置後、相分離した下相の水相を除去し、プレポリマーを洗浄する。この洗浄操作を5回繰り返す事で、洗浄水はほぼ中性となる。
次に、触媒として、ELSSグレードのKOHの0.38gをメチルアルコール7.8mlに溶解した物を準備する。
上記洗浄されたプレポリマーのメチルイソブチルケトン溶液に、上記触媒溶液を加え、反応溶液とする。この反応溶液のプレポリマーの濃度は0.19g/mlである。次に、この反応溶液を攪拌しながら加熱し、約90℃あたりまで昇温させる。すると、水が環流し始めるので、デーンスタークトラップを用いて水を流去する。。水を流去させながら約60分間加熱を継続するが、この間、溶剤のメチルイソブチルケトンは流出しないようにする。約60分間後に、反応溶液の温度を溶剤のメチルイソブチルケトンの沸点である114℃として、溶剤のメチルイソブチルケトンの流去を開始し、約30分で反応溶液の仕込み溶剤量の20%を流去する。
その後、溶剤のメチルイソブチルケトンの流去を止めて、さらに加熱を5時間30分継続する。この間、水分の流去が認められ、脱水縮重合反応が進行しているのが認められる。
すなわち、全部で約7時間の脱水縮重合反応を行い、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量、ラダー構造の確認、熱分解開始温度、溶液の保存安定性を求め、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
比較例1.
プレポリマーの脱水縮重合反応において、反応溶液から溶剤の流去を行わずに、シリコーンラダーポリマーの合成を行った以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量を測定し、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
比較例2〜3.
縮重合前のプレポリマーの有機溶剤溶液におけるプレポリマーの濃度を表1に示すものとした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量を測定し、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
比較例4〜5.
重縮合反応における初期還流時間を表1に示す時間とした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。
得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量を測定し、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
比較例6〜7.
プレポリマーの脱水縮重合反応において、反応溶液からの溶剤の流去量を表1に示す量とした以外、実施例1と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして、重量平均分子量を測定し、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
比較例8.
プレポリマーの脱水縮重合反応において、反応溶液から溶剤の流去を行わずに、シリコーンラダーポリマーの合成を行った以外、実施例7と同様にして、シリコーンラダーポリマーを合成した。得られたシリコーンラダーポリマーについて、実施例7と同様にして、重量平均分子量を測定し、初期のプレポリマーの濃度、初期還流時間、有機溶剤の流去量とともに、表1に示した。
表1から、明らかなように、実施例1〜6の、プレポリマー濃度が0.1〜0.2g/mlであり、初期還流時間が30〜70分間であり、有機溶剤の流去量が縮重合前の溶液中の有機溶剤量の20〜40%である条件で合成したシリコーンラダーポリマーは、約3時間という短時間の合成時間により、重量平均分子量が40万以上となり、高分子量のシリコーンラダーポリマーが合成できた。
また、実施例7のフェニルトリクロロシランとビニルトリクロロシランとの混合物から得られたプレポリマーを用いたシリコンラダーポリマーの合成では、約7時間の合成により、やはり重量平均分子量が約40万以上のものが得られた。
そして、得られたシリコーンラダーポリマーはラダー構造を有し、熱分解性も450℃以上であり、メトキシベンゼン溶液にした時の保存安定性も優れていた。
それに対して、比較例1〜7の場合は、約3時間の合成により得られたシリコンラダーポリマーの重量平均分子量は、最大でも28万であり、40万以上にするには、さらに合成を継続する必要があり、合成時間が長くなる。
また、比較例8の場合でも、約7時間の合成により得られたシリコンラダーポリマーの重量平均分子量は22万であり、40万以上にするには、さらに合成を継続する必要があり、合成時間が長くなる。
すなわち、本発明の方法によるシリコンラダーポリマーの合成では、従来の方法より、高分子量のシリコンラダーポリマーを合成する時間を短縮できる。
Figure 2005239886


Claims (2)

  1. トリクロロシランを加水分解して得られるプレポリマーを縮重合して合成するシリコーンラダーポリマーの製造方法であって、
    縮重合前の上記プレポリマーの有機溶剤溶液における上記プレポリマーの濃度を0.1〜0.2g/mlに調整する工程と、
    上記プレポリマーの有機溶剤溶液を加熱して、上記プレポリマーの縮重合によって生成する水分と上記有機溶剤とを30〜70分間還流するとともに、この還流液中の水分を除去する工程と
    上記水分除去工程後に、上記有機溶剤を流去して、上記縮重合が開始する前のプレポリマーの有機溶剤溶液中の有機溶剤量の20〜40%を流去させる工程と、
    上記有機溶剤の流去工程後に、上記有機溶剤の沸点温度で縮重合を進める工程とからなるシリコーンラダーポリマーの製造方法。
  2. トリクロロシランが、フェニルトリクロロシランまたはフェニルトリクロロシランとビニルトリクロロシランとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンラダーポリマーの製造方法。

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CN109135073A (zh) * 2018-08-30 2019-01-04 北京理工大学 一种耐烧蚀三元乙丙橡胶复合材料及其制备方法

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