JP2007187781A - 光学フィルム製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学フィルムのシート又は長尺ロールから打ち抜いて光学フィルム製品を製造する方法において、打ち抜き刃型の一部に刻印刃を付設した刃型で打ち抜き、光学フィルムに刻印刃型跡を設けて行うことを特徴とする。
【選択図】図9
Description
図2に光学フィルムの長尺ロールから打ち抜き刃型を用いて光学フィルム製品を製造する方法の模式図を示す。光学フィルムの長尺ロール(4)を所望のサイズの打ち抜き刃型(3)を用いて打ち抜き、光学フィルム製品(1)を得ている(例えば、特許文献1、2参照。)。
光学フィルム製品の表裏判別法として、従来は、製品断面をルーペで拡大して判別したり、製品表裏のフィルム表面を見比べて光沢差や光散乱性の違いを基に判別したり、製品の反り具合から判別したりしていた。しかしながら、これらの方法は習熟が必要であり、簡易な判別法ではなかった。そのため、特別な技術を必要としない簡易な表裏判別法の開発が望まれていた。
一方、図4に光学フィルムの光軸が光学フィルムの面内及び法線方向以外にある場合の光学フィルム製品の光軸の説明図を示す。光学フィルムの光軸(6)が光学フィルムの面内及び法線方向以外にある場合は、打ち抜いた光学フィルム製品を上下回転させると、光学フィルム製品の光軸も上下回転する。そのため、光学フィルムの光軸が光学フィルムの面内及び法線方向以外にある光学フィルムを原材料とする場合は、光学フィルム製品に光軸方向を示す何らかのマークを設けることが必要となる。
図5、図6に従来方法の光学フィルムの長尺ロールにラインを引く方法の模式図を示す。光学フィルムの光軸が面内及び法線方向以外にある場合は、光学フィルムの長尺ロールに予めライン(7)を引いておくか、光学フィルムの長尺ロールを繰り出すと同時にライン引きをする方法を採用することが多い(特許文献3、4参照。)。このようにして得られる光学フィルム製品は、上下回転させるとラインの位置が変化することによって、その回転したことが容易に判別できる(図5)。ただし、ライン引きしてある光学フィルム製品を打ち抜くときは、そのラインが光学フィルム製品の中央を通らないように、ラインができるだけ光学フィルム製品の端部を通るようにしなければならない。もしラインが光学フィルムの中央を通っていると、光学フィルム製品を上下回転させたとき、ラインが再び光学フィルムの中央を通るので、その回転させたことが容易に判別できなくなってしまう(図6)。
刻印刃型跡を設ける位置は、矩形の光学フィルム製品の各辺の中央部以外であれば特に限定されるものではないが、確認のし易さなどから、好ましくは矩形の光学フィルム製品の角部に設けられる。
本発明で使用する打ち抜き刃(9)は、刃を光学フィルムのシートや長尺ロールに強く圧接することで光学フィルム製品を打ち抜くことができれば、特にその素材や構造に制限はない。例えば、素材は、繰り返し打ち抜き耐久性に優れたカーボン入り鋼材が好ましく、刃先には研磨・めっき・コーティング・吹き付け・焼き入れなどの加工を好ましく採用できる。打ち抜き刃は、かしめなどを用いて合板や樹脂製の刃型用台座(10)に固定される。加えて、特開2002−11697号公報、特開2002−233995号公報に記載のように、刃型周辺に刃の高さより高い厚みのクッションゴムなどの弾性体を取り付けても良い。そうすることで、刃先保護と抜き取った光学フィルム製品が刃型から容易に分離することができる効果が期待できる。
刻印刃型跡が矩形の光学フィルム製品の角部に設けられていて、研磨処理することで刻印刃型跡が消える場合は、その角部の各辺に対して斜めに研磨することによって、光学フィルム製品の表裏や上下を回転させても、その回転させたことを容易に判別できる光学フィルム製品を得ることができる。また、研磨処理する前に刻印刃型跡に近接してスタンプなどの印字をしておくことによって、研磨処理によって刻印刃型跡が消えた場合に、光学フィルム製品の表裏および上下を回転させても、その回転させたことを容易に判別できる光学フィルム製品を得ることができる。
光軸(吸収軸)が面内(MD方向)にある光学フィルムのシートとして、横1000mm×縦600mmの粘着層(感圧接着剤)付き偏光板SRW062AP7-S(住友化学株式会社製)を準備した。次に、打ち抜き刃型の一部に刻印刃を付設した刃型として、図7に示す刃型サイズ344mm×276mmで角部に長さ1mmの刻印刃を有する刃型(大阪抜型製作所製)を準備した。この刃型を用いて光学フィルムのシートから、粘着層を下にして長辺基準における偏光板吸収軸が45°になるように光学フィルム製品を打ち抜いた。その結果、光学フィルム製品の表裏を回転させても上下を回転させても、その回転させたことが容易に判別できる刻印刃型跡付き光学フィルム製品を得ることができた。尚、この製品は表裏非対称なので表裏を判別する必要がある。一方、上下は対称なので上下を判別する必要は特にない。結果を表1にまとめた。
図9に示す模式図に則り、光学フィルム製品を製造した。
光軸(吸収軸)が面内及び法線方向以外にある光学フィルムの長尺ロール(4)として、粘着層(感圧接着剤)付きワイドビュー一体型偏光板SRF062AP8-S(住友化学株式会社製)を幅1000mm×長さ100Mの長尺ロールで準備した。次に、打ち抜き刃型の一部に刻印刃(11)を付設した刃型(3)として、実施例1で使用した刃型と同じものを準備した。また、連続打ち抜き装置としてFCC-101((株)トーコー製)を準備した。これらを用いて光学フィルムの長尺ロールから、粘着層を下にして長辺基準における偏光板吸収軸(6)が45°になるように光学フィルム製品を連続的に打ち抜いた。その結果、光学フィルム製品の表裏を回転させても上下を回転させても、その回転させたことが容易に判別できる刻印刃型跡付き(12)光学フィルム製品(13)を連続的に得ることができた。尚、この製品は表裏非対称であり上下も非対称である。そのため、光学フィルム製品の表裏と上下を判別する必要がある。結果を表1にまとめた。さらに、得られた光学フィルム製品は刻印刃型跡をもとに、製品の表裏と上下を揃えて積み重ねて重畳体(13)とすることが容易にできた。なお、刻印刃型跡の確認には目視で判別した。
図10に示す模式図に則り、刻印刃型跡付き光学フィルム製品を研磨して光学フィルム製品を製造した。
実施例2で得た刻印刃型跡(12)付き光学フィルム製品(13)100枚を刻印刃型跡をもとに表裏と上下を揃えて積み重ねて得た重畳体の各辺を1.5mmずつ研磨処理し、サイズを341mm×273mmに成形した。このとき、研磨処理すると刻印刃型跡が消えてしまうので、刻印刃型跡のある角部の各辺に対して斜め(14)に研磨処理した。このようにして、矩形の光学フィルム製品の角部の各辺に対して斜めに研磨した跡のある光学フィルム製品(15)を得た。研磨にはフライス研磨機SM-106((株)ソアテック製)を用いた。尚、実施例2に示したように、刻印刃型跡によって予め製品の表裏と上下を揃えて積み重ねて重畳体としておくことができたので、製品100枚の光学的な向きを揃えた状態で容易に一括して研磨処理することができた。このようにして表裏および上下が容易に判別でき、切断面のケバ立ちがない、光学フィルム製品が得られた。結果を表1にまとめた。
図11に示す模式図に則り、刻印刃型跡付き光学フィルム製品にスタンプした後、研磨して光学フィルム製品を製造した。
実施例2で得られた光学フィルム製品(13)100枚の刻印刃型跡に近接してスタンプ(16)を押した。スタンプは熱転写式印字機TS-4430L(MST株式会社製)を使用し、連続的に押した。尚、実施例2に示したように、刻印刃型跡によって予め製品の表裏と上下を揃えて積み重ねて重畳体としておくことができたので、製品100枚の光学的な向きを揃えた状態で容易に連続的にスタンプを押すことができた。次に実施例3と同じ研磨機を用いて、スタンプ付き光学フィルム製品を100枚重ねて各辺を1.5mmずつ研磨処理し、サイズを341mm×273mmに成形することでスタンプ付き光学フィルム製品(17)を得た。このようにして表裏および上下が容易に判別でき、切断面のケバ立ちがない、光学フィルム製品が得られた。結果を表1にまとめた。
光軸(遅相軸)が面内(MD方向)にある光学フィルムのシートとして、横900mm×縦600mmの位相差板SES440140S(住友化学株式会社製)を準備した。次に、刃型として刻印刃のない刃型、すなわち実施例2で使用した打ち抜き刃型から刻印刃を外した刃型を準備した。この刃型を用いて、実施例1と同様に打ち抜いて光学フィルム製品を得た。その結果、刻印刃型跡などのマークがないので表裏および上下を容易に判別することができない。尚、この製品は表裏対称であり上下も対称であるので、光学フィルム製品の表裏と上下を判別する必要は特にない。結果を表1にまとめた。
光軸が面内及び法線方向以外にある光学フィルムの長尺ロールとして、実施例2で使用した長尺ロールと同じものを準備した。次に、比較例1で使用した刃型を準備した。この刃型と実施例2で使用した打ち抜き装置と同じものを用いて、実施例2と同様に光学フィルム製品を連続的に打ち抜いた。その結果、欠き刃型跡などのマークがないので表裏および上下を容易に判別することができなかった。尚、この製品は表裏非対称であり上下も非対称である。そのため、光学フィルム製品の表裏と上下を判別する必要があるものである。結果を表1にまとめた。
2 光学フィルムのシート
3 打ち抜き刃型
4 光学フィルムの長尺ロール
5 光学フィルム面内にある光軸
6 光学フィルム面内及び法線方向以外の光軸
7 ライン
8 ペン
9 打ち抜き刃
10 刃型用台座
11 刻印刃
12 刻印刃型跡
13 刻印刃型跡付き光学フィルム製品
14 斜めの研磨跡
15 斜めの研磨跡付き光学フィルム製品
16 スタンプ
17 スタンプ付き光学フィルム製品
Claims (7)
- 光学フィルムのシート又は長尺ロールから打ち抜いて光学フィルム製品を製造する方法において、打ち抜き刃型の一部に刻印刃を付設した刃型で打ち抜き、光学フィルムに刻印刃型跡を設けて行うことを特徴とする光学フィルム製品の製造方法。
- 光学フィルムが、偏光フィルム、光学補償フィルム、位相差フィルム、光反射フィルム、光散乱フィルム、又はこれらのフィルムの少なくとも1枚が積層された積層体であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム製品の製造方法。
- 光学フィルムが、面内及び法線方向以外に光軸を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム製品の製造方法。
- 得られた光学フィルム製品の刻印刃型跡をもとに光学フィルム製品の表裏および上下を揃えて積み重ねて重畳体とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム製品の製造方法。
- 得られた刻印刃型跡を有する光学フィルム製品の切断面を研磨処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム製品の製造方法。
- 矩形の角部に刻印刃型跡を有する光学フィルム製品の刻印刃型跡を有する角部を、その角部の各辺に対して斜めに研磨することを特徴とする請求項5記載の光学フィルム製品の製造方法。
- 研磨処理する前に、刻印刃型跡に近接して印字することを特徴とする請求項5または6記載の光学フィルム製品の製造方法。
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