JP2012068473A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶セルと、該液晶セルの視認側の前面側偏光フィルムと、その反対側の背面側偏光フィルムと、前記背面側または前面側偏光フィルムと前記液晶セルの間に配置される光学異方性層と、透明支持体、および、該透明支持体上に形成され微細な凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルム1とを備え、さらに、防眩フィルムが、防眩層が最も視認側となるように配置されており、主法線方向から入射する波長550nmの平面波につき、最高標高面21における複素振幅を、微細凹凸表面の標高と防眩層の屈折率から計算し、該複素振幅の一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.032μm-1以上0.064μm-1以下の範囲内において、2つの変曲点を有する。
【選択図】図2
Description
該液晶セルの視認側に配置された前面側偏光フィルムと、
その反対側に配置された背面側偏光フィルムと、
上記背面側偏光フィルムと上記液晶セルの間および上記前面側偏光フィルムと上記液晶セルの間のうち少なくともいずれかの間に配置される光学異方性層と、
透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムとを備え、
さらに、上記防眩フィルムが、上記前面側偏光フィルムの上記液晶セルに向かい合う面と反対側に、防眩層が最も視認側となるように、配置されている液晶表示装置であって、
上記防眩フィルムは、内部ヘイズが1%以下であり、表面ヘイズが0.4%以上10%以下であり、かつ、上記微細凹凸表面の標高を測定した際の平均より求められる平均面である上記微細凹凸表面の平均面に垂直な主法線方向から入射し、上記微細凹凸表面のうち標高が最も高い点を含み、上記微細凹凸表面の平均面に平行な仮想的な平面である最高標高面から出射する波長550nmの平面波について、上記最高標高面における複素振幅を上記微細凹凸表面の標高と防眩層の屈折率から計算し、該複素振幅の一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.032μm-1以上0.064μm-1以下の範囲内において、2つの変曲点を有することを特徴とする、液晶表示装置を提供する。
本発明の液晶表示装置は、互いに平行な一対のセル基板の間にツイステッドネマティック型液晶が封入された液晶セルと、
該液晶セルの視認側に配置された前面側偏光フィルムと、
その反対側に配置された背面側偏光フィルムと、
上記背面側偏光フィルムと上記液晶セルの間および上記前面側偏光フィルムと上記液晶セルの間のうち少なくともいずれかの間に配置される光学異方性層と、
透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムとを備え、
さらに、上記防眩フィルムが、上記前面側偏光フィルムの上記液晶セルに向かい合う面と反対側に、防眩層が最も視認側となるように、配置されている。
本発明の液晶表示装置に用いられるツイステッドネマティック(以下、「TN」と略す)型液晶は、基板面に垂直に電圧を印加する縦電界で液晶分子の配向状態を変化させるものである。TNモードにおいて液晶分子は、一方の基板からもう一方の基板に追跡したとき、電圧無印加の状態における液晶配向が、各部分において基板に平行な面内を向きながら上下基板間で90度ねじれた(ツイストした)状態となるように、基板面に平行に配向する。
本発明において、光学異方性層は、背面側偏光フィルムと液晶セルの間および前面側偏光フィルムと液晶セルの間のうち少なくともいずれかの間に配置されていればよいが、好ましくは、背面側偏光フィルムと液晶セルの間および前面側偏光フィルムと液晶セルの間に配置されることが好ましい。
前面側偏光フィルム120および背面側偏光フィルム121は、フィルム面内で直交する一方の向きに振動する直線偏光を透過し、他方の向きに振動する直線偏光を吸収するタイプの、一般に偏光フィルムまたは偏光板として知られるものでよい。具体的には、ポリビニルアルコールフィルムに一軸延伸と高二色性色素による染色を施し、さらにホウ酸架橋を施したものを用いることができる。高二色性色素としてヨウ素を用いたヨウ素系偏光子や、高二色性色素として二色性有機染料を用いた染料系偏光子があるが、いずれも用いることができる。また、このようなポリビニルアルコール系の偏光フィルムそのものであってもよいし、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面または両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリル樹脂系フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、未延伸ノルボルネンフィルムなどの透明保護フィルムが積層された偏光板であってもよい。
以下、上述の防眩フィルム1について、詳細に説明する。
上記微細凹凸表面のうち標高が最も高い点を含み、上記微細凹凸表面の平均面に平行な仮想的な平面である最高標高面における複素振幅を、上記微細凹凸表面の標高と防眩層の屈折率から計算し、
該複素振幅の一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.032μm-1以上0.064μm-1以下の範囲内において、2つの変曲点を有することを特徴とする。
防眩フィルムの防眩効果は、JIS K 7105に規定される方法に準じて測定される反射鮮明度によって評価することが出来る。この規格では、反射鮮明度は、暗部と明部の幅の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて、光の入射角45°で測定される像鮮明度(単位:%)の和として規定されている。ただし、幅0.125mmの光学くしを用いた場合、本発明で規定する防眩フィルムにおいては、その像鮮明度の測定誤差が大きくなることから、本発明における反射鮮明度には、幅0.125mmの光学くしを用いた場合の像鮮明度は加えないこととし、幅が0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである3種類の光学くしを用いて測定された像鮮明度の和をもって反射鮮明度と呼ぶことにする。したがって、このように定義された反射鮮明度の最大値は300%である。この反射鮮明度が小さいほど、防眩フィルムの防眩効果が高いことを示す。
一方、防眩フィルムのギラツキは次の方法で評価した。すなわち、まず図11に平面図で示すようなユニットセルのパターンを有するフォトマスクを用意した。この図において、ユニットセル40は、透明な基板上に、線幅10μmでカギ形のクロム遮光パターン41が形成され、そのクロム遮光パターン41の形成されていない部分が開口部42となっている。ここでは、ユニットセルの寸法が211μm×70μm(図の縦×横)、したがって開口部の寸法が201μm×60μm(図の縦×横)のものを用いた。図示するユニットセルが縦横に多数並んで、フォトマスクを形成する。
表面ヘイズ=全ヘイズ−内部ヘイズ 式(12)
より求められる。
上記防眩フィルムは、上記した複素振幅の周波数分布(一次元パワースペクトル)を精度よく得るために、一次元パワースペクトルが、空間周波数が0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲において極大値を持たず、かつ、空間周波数が0.04μm-1より大きく0.08μm-1以下の範囲において極大値を持つパターンを用いて作製することが好ましい。ここで、「パターン」とは、上記防眩フィルムの微細凹凸表面を形成するための画像データや透光部と遮光部を有するマスクなどを意味する。
以下では、上記防眩フィルムの製造に用いる金型を製造する方法について説明する。上記防眩フィルムの製造に用いる金型の製造方法については、上述したパターンを用いた所定の表面形状が得られる方法であれば、特に制限されないが、微細凹凸表面を精度よく、かつ、再現性よく製造するために、〔1〕第1めっき工程と、〔2〕研磨工程と、〔3〕感光性樹脂膜塗布工程と、〔4〕露光工程と、〔5〕現像工程と、〔6〕第1エッチング工程と、〔7〕感光性樹脂膜剥離工程と、〔8〕第2エッチング工程と、〔9〕第2めっき工程とを基本的に含むことが好ましい。図18は、防眩フィルムの製造に用いる金型の製造方法の前半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。図18には各工程での金型の断面を模式的に示している。以下、図18を参照しながら、防眩フィルムの製造に用いる金型の製造方法の各工程について詳細に説明する。
防眩フィルムの製造に用いる金型の製造方法ではまず、金型に用いる基材の表面に、銅めっきまたはニッケルめっきを施す。このように、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、後の第2めっき工程におけるクロムめっきの密着性や光沢性を向上させることができる。これは、銅めっきまたはニッケルめっきは、被覆性が高く、また平滑化作用が強いことから、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。これらの銅めっきまたはニッケルめっきの特性によって、後述する第2めっき工程においてクロムめっきを施したとしても、基材に存在していた微小な凹凸や鬆に起因すると思われるクロムめっき表面の荒れが解消され、また、銅めっきまたはニッケルめっきの被覆性の高さから、細かいクラックの発生が低減される。
続く研磨工程では、上述した第1めっき工程にて銅めっきまたはニッケルめっきが施された基材表面を研磨する。本発明の金型の製造方法では、当該工程を経て、基材表面を、鏡面に近い状態に研磨することが好ましい。これは、基材となる金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきまたはニッケルめっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあるし、また、めっきした状態で、表面が完全に平滑になるとは限らないためである。すなわち、このような深い加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。図18(a)には、平板状の金型用基材7が、第1めっき工程において銅めっきまたはニッケルめっきをその表面に施され(当該工程で形成した銅めっきまたはニッケルめっきの層については図示せず)、さらに研磨工程によって鏡面研磨された表面8を有するようにされた状態を模式的に示している。
続く感光性樹脂膜塗布工程では、上述した研磨工程によって鏡面研磨を施した基材7の表面8に、感光性樹脂を溶媒に溶解した溶液として塗布し、加熱・乾燥することにより、感光性樹脂膜を形成する。図18(b)には、基材7の表面8に感光性樹脂膜9が形成された状態を模式的に示している。
続く露光工程では、上記した一次元パワースペクトルが0μm-1より大きく0.04μm-1以下には極大値を持ず、かつ、0.04μm-1より大きく0.08μm-1以下に極大値を持つパターンを、上述した感光性樹脂膜塗布工程で形成された感光性樹脂膜9上に露光する。露光工程に用いる光源は塗布された感光性樹脂の感光波長や感度等に合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザ(波長:830nm、532nm、488nm、405nmなど)、YAGレーザ(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザ(波長:193nm)、F2エキシマーレーザ(波長:157nm)等を用いることができる。
続く現像工程においては、感光性樹脂膜9にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域11は現像液によって溶解され、露光された領域10のみ金型用基材上に残存し、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。一方、感光性樹脂膜9にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域10のみ現像液によって溶解され、露光されていない領域11が金型用基材上に残存して、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
続く第1エッチング工程では、上述した現像工程後に金型用基材表面上に残存した感光性樹脂膜をマスクとして用いて、主にマスクの無い箇所の金型用基材をエッチングする。
図19は、本発明の金型の製造方法の後半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。
図19(a)には第1エッチング工程によって、主にマスクの無い領域13の金型用基材7がエッチングされる状態を模式的に示している。マスク12の下部の金型用基材7は金型用基材表面からはエッチングされないが、エッチングの進行とともにマスクの無い領域13からのエッチングが進行する。よって、マスク12とマスクの無い領域13の境界付近では、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされる。このようなマスク12とマスクの無い領域13の境界付近において、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされることを、以下ではサイドエッチングと呼ぶ。
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程でマスクとして使用した残存する感光性樹脂膜を完全に溶解し除去する。感光性樹脂膜剥離工程では剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができて、pH、温度、濃度および浸漬時間などを変化させることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法を用いることができる。
第2エッチング工程では、感光性樹脂膜をマスクとして用いた第1エッチング工程によって形成された第1の表面凹凸形状15を、エッチング処理によって鈍らせる。
この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された第1の表面凹凸形状15における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。図19(c)には、第2エッチング処理によって、金型用基材7の第1の表面凹凸形状15が鈍化し、表面傾斜が急峻な部分が鈍らされ、緩やかな表面傾斜を有する第2の表面凹凸形状16が形成された状態が示されている。
続いて、クロムめっきを施すことによって、第2の表面凹凸形状16を鈍らせるとともに、金型表面を保護する。図19(d)には、上述したように第2エッチング工程のエッチング処理によって形成された第2の表面凹凸形状16にクロムめっき層17を形成し、クロムめっき層の表面18を鈍らせた状態が示されている。
(表面の標高の測定)
三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)を用いて、防眩フィルムの表面の標高を測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は10倍として測定を行った。水平分解能ΔxおよびΔyはともに1.66μmであり、測定面積は1270μm×950μmであった。
上で得られた測定データの中央部から512個×512個(測定面積で850μm×850μm)のデータをサンプリングし、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高を二次元関数h(x,y)として求めた。得られた二次元関数h(x,y)より複素振幅を二次元関数ψ(x,y)として計算した。複素振幅を計算する際の波長λは550nmとした。この二次元関数ψ(x,y)を離散フーリエ変換して二次元関数Ψ(fx,fy)を求めた。二次元関数Ψ(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数Ψ2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数Ψ2(f)を計算した。この一次元関数Ψ2(f)を線形補間することによって0.008μm-1毎の離散関数とした。この0.008μm-1毎の離散関数であるΨ2(f)の二階導関数より、複素振幅の一次元パワースペクトルの変曲点を計算した。
上で得られた測定データをもとに、前述のアルゴリズムに基づいて計算し、凹凸面の傾斜角度のヒストグラムを作成し、そこから傾斜角度毎の分布を求め、傾斜角度が5°以上である面の割合を計算した。
JIS B 0601に準拠した(株)ミツトヨ製の表面粗さ測定機サーフテストSJ−301を用いて、防眩フィルムの表面粗さパラメータを測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。
(ヘイズ)
防眩フィルムの全ヘイズは、防眩フィルムを光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層形成面とは反対側の面でガラス基板に貼合し、該ガラス基板に貼合された防眩フィルムについて、ガラス基板側から光を入射させ、JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて測定した。また、内部ヘイズは防眩層の凹凸表面に、ヘイズがほぼ0であるトリアセチルセルロースフィルムをグリセリンを用いて貼合し、再度JIS K 7136に準拠して測定した。表面ヘイズは、上記式(12)に基づいて算出した。
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて、防眩フィルムの透過鮮明度を測定した。この場合も、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層の微細な凹凸形状面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。この状態でガラス側から光を入射させ、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部との幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。この場合の透過鮮明度の最大値は400%となる。
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて、防眩フィルムの反射鮮明度を測定した。この場合も、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層の微細な凹凸形状面が表面となるように黒色アクリル基板に貼合してから、測定に供した。この状態で凹凸形状面側から光を45°で入射させ、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部との幅がそれぞれ0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。この場合の反射鮮明度の最大値は300%となる。
(鉛筆硬度)
防眩フィルムの鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に規定される方法で測定した。具体的には、この規格に準拠した電動鉛筆引っかき硬度試験機((株)安田精機製作所製)を用いて荷重500gで測定した。
(コントラスト)
暗室内で液晶表示装置のバックライトを点灯し、輝度計BM5A型((株)トプコン製)を使用して、黒表示状態および白表示状態における液晶表示装置の輝度を測定し、コントラストを算出した。ここでコントラストは、黒表示状態の輝度に対する白表示状態の輝度の比で表される。
上記コントラストの評価系を明室内に移し、黒表示状態として、映り込み状態、白ちゃけを目視観察した。次に、明室内で白表示状態とし、ギラツキに関しても目視観察した。映り込み状態、白ちゃけ、ギラツキに関しての評価基準は以下の通りである。
1:映り込みが観察されない。
3:映り込みが明瞭に観察される。
1:白ちゃけが観察されない。
3:白ちゃけが明瞭に観察される。
1:ギラツキが認められない。
3:ひどくギラツキが観察される。
作成したパターンデータを2階調の二値化画像データとし、階調を二次元の離散関数g(x,y)で表した。離散関数g(x,y)の水平分解能ΔxおよびΔyはともに2μmとした。得られた二次元関数g(x,y)を離散フーリエ変換して、二次元関数G(fx,fy)を求めた。二次元関数G(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数G2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数G2(f)を計算した。
(A)偏光フィルムの作製
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行ない、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
(B)防眩フィルム製造用の金型の作製
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図16に示すパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、0.035μm−1以下の低空間周波数成分と0.15μm−1以上の高空間周波数成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作成した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行った。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化性樹脂組成物Aを入手した。
多官能ウレタン化アクリレート 40部
(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応性生物)
ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド 5部
水100重量部に対して、(株)クラレから販売されているカルボキシル基変性ポリビニルアルコール「クラレポバール KL318」(変性度2モル%)を1.8重量部溶解し、さらにそこに、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂である住化ケムテックス(株)から販売されている「スミレーズレジン 650」(固形分30%の水溶液)を1.5重量部加えて溶解し、ポリビニルアルコール系接着剤を作製した。
TNモードの液晶表示素子(すなわち画像表示素子)が搭載された市販のモニター( W2261VG−PF、LG電子製)の液晶セルから偏光板を剥離し、液晶セルの背面(バックライト側)側には、光学的に負の一軸性であるディスコティック液晶分子が基板上に塗布固定され、その光学軸がフィルムの法線方向から5〜50°の間で順次傾斜したハイブリッド配向し、全体としての見かけの光学軸が法線から約18°の方向にある光学異方性層〔商品名“WVフィルム”、富士写真フイルム(株)製〕が、ポリビニルアルコール−ヨウ素系直線偏光子の片面に貼着され、偏光子のもう一方の面にはトリアセチルセルロースフィルムが貼着されている、直線偏光子/光学異方性層積層品〔商品名“スミカラン SRH862A”、住友化学(株)製〕を、液晶セルの前面(視認側)には、上記防眩性偏光板Aを、いずれも偏光板の吸収軸が、元々液晶テレビに貼付していた偏光板の吸収軸方向と一致するように、粘着剤層を介して貼り合わせて、液晶パネルを作製した。次に、この液晶パネルを、バックライト/光拡散板/液晶パネルの構成で組み立てて、液晶表示装置A(すなわち画像表示装置)を作製した。
直径300mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面を鏡面研磨し、研磨されたアルミ面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、ジルコニアビーズTZ−SX−17(東ソー(株)製、平均粒径:20μm)を、ブラスト圧力0.1MPa(ゲージ圧、以下同じ)、ビーズ使用量8g/cm2(ロールの表面積1cm2あたりの使用量、以下同じ)でブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つきアルミロールに対し、無電解ニッケルめっき加工を行い、金型Bを作製した。このとき、無電解ニッケルめっき厚みが15μmとなるように設定した。得られた金型Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムBを作製した。また、防眩フィルムBを使用したこと以外は、実施例1と同様にして防眩性偏光板Bおよび液晶表示装置Bを作製した。
Claims (5)
- 互いに平行な一対のセル基板の間にツイステッドネマティック型液晶が封入された液晶セルと、
該液晶セルの視認側に配置された前面側偏光フィルムと、
その反対側に配置された背面側偏光フィルムと、
前記背面側偏光フィルムと前記液晶セルの間および前記前面側偏光フィルムと前記液晶セルの間のうち少なくともいずれかの間に配置される光学異方性層と、
透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムとを備え、
さらに、前記防眩フィルムが、前記前面側偏光フィルムの前記液晶セルに向かい合う面と反対側に、防眩層が最も視認側となるように、配置されている液晶表示装置であって、
前記防眩フィルムは、内部ヘイズが1%以下であり、表面ヘイズが0.4%以上10%以下であり、かつ、前記微細凹凸表面の標高を測定した際の平均より求められる平均面である前記微細凹凸表面の平均面に垂直な主法線方向から入射し、前記微細凹凸表面のうち標高が最も高い点を含み、前記微細凹凸表面の平均面に平行な仮想的な平面である最高標高面から出射する波長550nmの平面波について、前記最高標高面における複素振幅を前記微細凹凸表面の標高と防眩層の屈折率から計算し、該複素振幅の一次元パワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが、空間周波数0.032μm-1以上0.064μm-1以下の範囲内において、2つの変曲点を有することを特徴とする、液晶表示装置。 - 光学異方性層が、前記背面側偏光フィルムと前記液晶セルの間および前記前面側偏光フィルムと前記液晶セルの間に配置された、請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記光学異方性層は、光学的に負または正の一軸性で、その光学軸がフィルムの法線方向から5〜50°傾斜したものである、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記複素振幅の一次元パワースペクトルの空間周波数に関する二階導関数が空間周波数0.024μm-1において正である、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記微細凹凸表面のうち、傾斜角度が5°以上である微小面の割合が10%未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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