JP2007138356A - エアバッグ用基布の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納性に優れ、かつ必要な基布強力を有するエアバッグ基布用織物の製造方法を提供する。
【解決手段】原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条A及び原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bを原糸として用い、前記繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6%以上大きく、繊維糸条Aを用いて製織するに際し、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に高強度繊維糸条Bを混用して製織する工程、熱水にて収縮加工を行う工程、並びに乾燥仕上げを行う工程を有し、得られたエアバッグ用基布中の繊維糸条のクリンプ率が特定の関係を満足することを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、収納性に優れ、かつ必要な基布強力を有するエアバッグ用基布の製造方法に関するものである。
近年、自動車***品の一つとして急速に装着率が向上しているエアバッグは、自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバッグを急激に展開させて、運転者や同乗者の身体が衝突した方向へ飛び出した際、特に頭部がハンドル、フロントガラス、ドアガラス等に衝突することを防止し保護するものである。従来、エアバッグにはクロロプレン、クロルスルフォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴムを被覆したコーティング基布が、耐熱性、空気遮断性(低通気度)、難燃性が高いという理由により使用されてきた。
しかしながら、これらの合成ゴムをコーティングした基布は基布の重量が増加し、また柔軟性が満足できるものではなく製造コストも高いため、エアバッグ用織物として使用するには不具合な点が多かった。
現在でも一部で使用されているシリコーンコーティング基布は上記不具合点がかなり改善されてはいるが、まだ満足できるものではない。
そこで、最近はコーティングを施さないノンコートエアバッグ用織物を使用したノンコートエアバッグが主流になっているが、更なる収納性の向上が必要とされている。収納性の向上の為に使用繊維量を低減させることが考えられるが、繊維量を低減させると基布強力が低下し、エアバッグ用基布として必要な機械特性を具備させることが困難である。
繊維量を低減させ、基布強力を維持する為に、高強力繊維を経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いた生地(例えば、特許文献1参照)や、熱可塑性繊維と高強力繊維との混撚糸から構成されたエアバッグ基布(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、上記特許文献1の場合、単に高強力繊維とナイロン繊維を交織した基布であり、伸度の異なる繊維を用いるにあたり、異繊維の強力を最大限に発現させる方法について全く言及されておらず、特許文献2の場合、混撚の工程が別途必要となる為にコストアップの原因となり好ましくない。
特開昭64−70248号公報 特開平3−287832号公報
本発明は、上記従来の方法では解決できていない収納性に優れ、かつ必要な基布強力を有するエアバッグ用基布の効率的な製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は以下の(1)〜(5)の構成よりなる。
(1)原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条A及び原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bを原糸として用い、前記繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6%以上大きく、繊維糸条Aを用いて製織するに際し、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に高強度繊維糸条Bを混用して製織する工程、熱水にて収縮加工を行う工程、並びに乾燥仕上げを行う工程を有し、得られたエアバッグ用基布中の繊維糸条のクリンプ率が以下の(式1)及び(式2)を満足することを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法。
WB−CWA≧4.0%――――(式1)
TB−CTA≧4.0%――――(式2)
但し、CWA:基布中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率、CWB:基布中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率、CTA:基布中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率、及び、CTB:基布中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率をそれぞれ示す。
(2)繊維糸条Aがポリアミド繊維であり、高強度繊維糸条Bがポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、及び全芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種の繊維であることを特徴とする上記(1)に記載のエアバッグ用基布の製造方法。
(3)繊維糸条A及び高強度繊維糸条Bの総繊度が50〜350dtexであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のエアバッグ用基布の製造方法。
(4)高強度繊維糸条Bのエアバッグ用基布中の混率が1〜20%であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
(5)得られたエアバッグ用基布の基布収納性が1400cm以下であり、基布強度が経緯ともに400N/cm以上であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
本発明によれば、エアバッグ用基布として必要な機械的特性を保持しつつ、収納性に優れたエアバッグ用基布の効率的な製造方法を提供することができる。
以下、本発明のエアバッグ用基布の製造方法の特徴を詳細に説明する。
原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bを構成する繊維の種類としては、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエーテルケトン繊維、炭素繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアセタール繊維、高強度ポリビニルアルコール繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維等がある。通常これらの糸条の破断伸度は0〜5%程度である。これらの繊維糸条のうち耐熱性の面から、全芳香族ポリエステル繊維、アラミド繊維やポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が好ましい。更に好ましくは、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維である。一方、原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条Aを構成する繊維としては、通常のエアバッグ基布用原糸として用いられるポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維やポリプロピレン繊維が用いられる。通常これらの糸条の破断伸度は10〜30%程度である。これらの繊維糸条のうち、ポリアミド繊維、特にポリヘキサメチレンアジパミド繊維が機械特性、耐熱性、コストの面から最も好ましい。繊維糸条は高強度繊維糸条B及び繊維糸条Aの両者ともにマルチフィラメント糸条であることが、高密度織物を製織しやすい点などで好ましい。
繊維糸条の総繊度としては、収納性を向上させる為に、50〜350dtexが好ましい。50dtexより小さいとたとえ高強力繊維糸条を用いたとしてもエアバッグとして要求される強力を満足しにくくなり、350dtexより大きいと収納性が現状のエアバッグ用基布と同等程度にしかならない為にあまり好ましくない。より好ましくは100〜300dtexである。
原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bは、原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条Aと混用、交織されるが、その混率は1〜20%が好ましい。混率が1%より小さいと強力を向上させる効果が乏しくなりあまり好ましくない。一方、20%より大きいと強力は満足できるが、高強度繊維の特性上基布の柔らかさが失われるとともに、以下で説明するクリンプ率差をつける方法が困難となる為に好ましくない。より好ましくは2〜15%である。混率は基布の等方性から経と緯が同一であることが好ましいが、限定されるものではない。ここでの混率とは、基布を10cm四方に採取した時の全体の糸本数に対するそれぞれの繊維糸条の本数の割合で算出され、その混率は経、緯ともどの部分でも同一であることが好ましい。また高強度繊維糸条Bの原糸強度としては、20cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは25cN/dtex以上である。原糸強度は高いほど好ましいが、通常50cN/dtex以下である。
本発明では、製造する織機としては常用の織機を用いることができるが、生産性・品位の面からウォータージェットルームやエアージェットルームでの製織が好ましい。また緯方向に2種類の糸条を交互に挿入するために、例えば2個の緯糸飛送ノズル有する所謂2ノズル織機を用いて作ることもできる。
本発明では、高強度繊維糸条Bの高強度効果を基布において効率的に発揮させる為に、以下の(式1)及び(式2)を満たすクリンプ率を有する基布を製造することが好ましい。より好ましくはクリンプ率差は5%以上である。
WB−CWA≧4.0%――――(式1)
TB−CTA≧4.0%――――(式2)
但し、CWA:基布中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率、CWB:基布中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率、CTA:基布中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率、及び、CTB:基布中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率をそれぞれ示す。
(式1)及び(式2)を満たさない場合、高強度繊維の伸度が原糸強度7.0〜12cN/dtexの繊維の伸度と比べて小さい為に、基布の引張時に高強度繊維の強力を発現する前に破断する場合があり、必ずしも必要な強力を発揮できると限らないためあまり好ましくない。
(式1)及び(式2)を満たすクリンプ率を有する基布を製造する方法としては、原糸強度15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bと原糸強度7.0〜12.0cN/dtexの繊維糸条Aとを交織する段階で、テンション差をつける方法がある。具体的には、高強度繊維糸条Bのテンションを相対的に小さくすることにより、仕上がった基布のクリンプ率差をつける方法であるが、所望のクリンプ率差とすることにやや困難な面もあり、経方向にクリンプ率差をつける場合には、2本のビームを必要とするために、準備段階でのコストアップの要因となるのであまり好ましくない。本発明では、本発明者らが検討を行った結果、繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6%以上大きい関係となる両糸条群を用いて製織後、温水中にて収縮加工させることにより(式1)及び(式2)を満たす基布を製造することができ、結果として必要な強力を有する収納性に優れたエアバッグ用基布を作製できることを見出した。沸水収縮率差として、より好ましくは8%以上である。但し、あまりにも沸水収縮率差が大き過ぎると、高強度繊維糸条Bの糸長が余り過ぎて、所謂サッカー織物状の外観となり、見苦しくなる他、収縮加工時に皺欠点等が増える恐れがあるので、15%以下としておくことが好ましい。製織段階では通常の方法により製織を行い、収縮加工工程において、温水又は熱水中での加工で高収縮の繊維糸条Aを収縮させることにより、低収縮の高強度繊維糸条Bが強制的に縮められる為に、基布としては高強度繊維糸条Bのクリンプ率の大きな状態が形成されるようにしたものである。ここでクリンプ率差をつける為に経方向・緯方向ともテンションは0.04cN/dtex以下とするよう収縮加工することが好ましい。
製造されたエアバッグ用基布の基布強度は経緯ともに400N/cm以上であることが好ましく、より好ましくは経緯ともに500N/cm以上である。基布強度は大きいことが好ましいが、あまりに大きくしようとし過ぎることは、結果的に高強度繊維糸条Bの混率を高め過ぎることにつながり、基布が硬化し易くなるので、800N/cm以下であることが好ましい。また基布収納性は、スペースがより厳しくなる方向であるために、1400cm以下が好ましく、より好ましくは1300cm以下である。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、本文もしくは実施例・比較例中の各物性は、次のようにして測定した。
原糸強度:JIS―L−1013 8.5.1
原糸繊度:JIS−L−1013 8.3.1
沸水収縮率:JIS−L−1013 熱水収縮率(100℃)
クリンプ率:JIS―L―1096 8.7.2B法
引張強度:JIS―L−1096 8.12.1A法
収納性試験:ASTM D6478
〔実施例1〕
沸水収縮率9.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例1の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例2〕
沸水収縮率9.5%、総繊度200dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維に対して、経緯とも5%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度250dtex、単糸数150本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維19本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例2の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例3〕
沸水収縮率7.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例3の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例4〕
沸水収縮率9.5%、総繊度200dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維に対して、経緯とも5%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度150dtex、単糸数90本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維19本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例4の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔比較例1〕
沸水収縮率5.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサザゾール繊維が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例1の織物は収納性の優れた物であったが、クリンプ率差が小さい為に強力が劣り、エアバッグ用基布として満足できるものではなかった。
〔比較例2〕
沸水収縮率9.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて製織した。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例2の織物は収納性の優れた物であったが、強力が劣り、エアバッグ用基布として満足できるものではなかった。
〔比較例3〕
沸水収縮率9.5%、総繊度350dtex、単糸数72本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて製織した。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例3の織物は強力を満足するが、収納性が悪くエアバッグ基布として劣っていた。
Figure 2007138356
繊維糸条A:ポリヘキサメチレンアジパミド繊維
繊維糸条B:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
クリンプ率A:等間隔である繊維糸条Bの2本の中心に位置する繊維糸条Aのクリンプ率。
クリンプ率B:繊維糸条Bのクリンプ率
表1から明らかなように、本発明の各実施例のエアバッグ用基布は、高強力で収納性に優れていることがわかる。
本発明によれば、高強力で収納性に優れた自動車などのエアバッグ用基布の効率的な製造方法を提供できるものである。

Claims (5)

  1. 原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条A及び原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bを原糸として用い、前記繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6%以上大きく、繊維糸条Aを用いて製織するに際し、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に高強度繊維糸条Bを混用して製織する工程、熱水にて収縮加工を行う工程、並びに乾燥仕上げを行う工程を有し、得られたエアバッグ用基布中の繊維糸条のクリンプ率が以下の(式1)及び(式2)を満足することを特徴とするエアバッグ用基布の製造方法。
    WB−CWA≧4.0%――――(式1)
    TB−CTA≧4.0%――――(式2)
    但し、CWA:基布中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率、CWB:基布中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率、CTA:基布中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率、及び、CTB:基布中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率をそれぞれ示す。
  2. 繊維糸条Aがポリアミド繊維であり、高強度繊維糸条Bがポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、及び全芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種の繊維であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  3. 繊維糸条A及び高強度繊維糸条Bの総繊度が50〜350dtexであることを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  4. 高強度繊維糸条Bのエアバッグ用基布中の混率が1〜20%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  5. 得られたエアバッグ用基布の基布収納性が1400cm以下であり、基布強度が経緯ともに400N/cm以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
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