JP3544179B2 - 高密度織物の製織法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用安全装置の一つであるエアバッグ用織物に適した織物の製織法に関し、更に詳しくは、必要な機械的特性を保持しつつ、生産効率を向上させる製織法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車***品の一つとしてのエアバックは乗員の安全意識の向上に伴い、急速に装着率が向上している。エアバックは自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバックを急激に展開させ、乗員保護に役立つものである。
【0003】
従来、エアバックにはクロロプレン、クロルスルフォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴムが塗布された基布が、耐熱性、空気遮断性(通気度)、難燃性の目的から使用されていた。
【0004】
しかしながら、これらのコーティング基布は基布重量の増加、柔軟性の低下、製造コストの増加 、リサイクル不可のため、エアバック用基布に使用するには不具合な点が多かった。現在でも一部で使用されているシリコーンコーティング基布は上記不具合点がかなり改善されてはきたが、まだ満足できるものではない。
【0005】
そこで、最近はコーティングを施さないノンコートエアバック用基布が主流になっており、軽量化、 良好な収納性、低通気度化のために様々な提案がなされている。この中で、単糸繊度を細くし軽量、コンパクト化、低通気性を実現してきている。
【0006】
このような現状において、高密度織物を製織する場合、生産性を向上させようと製織速度を上げることが検討される場合、製織速度を上げると単糸繊度が細くなる傾向にある現在、繊維間及び筬との摩擦で糸の損傷が大きくなり基布物性に大きく影響するようになる。このような問題に対応できる製織方法については、良い製織方法が見出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法では解決できていない製織速度を上げたときの繊維の損傷を抑え停台トラブルを減少させるエアバックに適した高密度織物の製織法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段、即ち本発明の第1は、製織時の筬の繊維充填率を下(式1)で定義し、該筬の繊維充填率の値を110以下として製織することを特徴とする高密度織物の製織法であり、
【数3】
Figure 0003544179
N:筬1羽に入れる糸の本数(本)
D:経糸の太さ(dtex)
ρ:繊維の密度(g/cm
α:筬空隙率 (%)
L:筬羽数 (本/cm)
その第2は、筬の繊維充填率の値が100以下である請求項1記載の高密度織物の製織法であり、その第3は、筬の繊維充填率の値が90以下である請求項1記載の高密度織物の製織法であり、その第4は、筬の繊維充填率の値が80以下である請求項1記載の高密度織物の製織法であり、その第5は、高密度織物のカバーファクターが2000〜2500である請求項1記載の高密度織物の製織法であり、(尚、カバーファクターは、下式2で求められる。)
【0009】
【数4】
Figure 0003544179
A:経糸の太さ (dtex)
B:緯糸の太さ (dtex)
W1:経密度 (本/in.)
W2:緯密度 (本/in.)
その第6は、高密度織物の用途がエアバック用である請求項1記載の高密度織物の製織法である。
【0010】
ここで本発明のエアバッグに適した高密度織物の製織方法について特徴を詳細に説明すると、製織時の筬の繊維充填率(式1)の値が110以下で製織することが必要である。
【数5】
Figure 0003544179
ここで規定している繊維充填率は、筬羽内で幅方向に繊維を並べてマルチフィラメント断面を円形と仮定した時の幅方向で充填率を規定したものである。筬羽間に繊維が密に入ると繊維間の摩擦が大きくなりマルチフィラメントの単糸が損傷しやすくなる。また、製織速度を上げるとマルチフィラメント単糸の損傷が大きくなったり、単糸の絡みが強くなり基布物性が低下する。この場合、繊維充填率をコントロールすることにより製織時の損傷を低減し、単糸切れ等によるトラブルでの停台回数を減少し生産効率を向上することができる。繊維充填率は、110%以下にすることが必要であり、好ましくは100%以下にすると良く、さらに好ましくは90%以下である。高密度織物を製織するには、筬密度が高くなり、繊維充填率が、110%以上の条件下で製織されているケースも多く、コントロールされていない。繊維充填率を小さくするためには、筬羽の空隙率が問題となる。筬羽の空隙率は、45%以上で70%未満が好適範囲であり、更に好ましくは、50%以上で65%未満が好適である。オサ羽の空隙率が45%未満になると高密度織物において、繊維充填率が大きくなり経糸繊維に損傷をきたし毛羽の発生により製織時、トラブルによる停台回数が大きくなる。また、基布強度も低下するようになり好ましくない。筬の空隙率を70%より大きくすると筬打ち込みによる緯糸の損傷が大きくなり基布強度が低下するので好ましくない。製織速度が大きくなると停台回数も増加し、繊維充填率の最適化が必要となる。製織速度増加による停台回数増加は、単糸の太さが小さくなるほど影響を受けやすく大きくなる。
【0011】
本発明に用いられる熱可塑性繊維の沸水収縮率は、5〜15%で有ることが必要である。沸水収縮率が、5%より小さいと低通気度が得られず、15%より大きいと収縮後の織物の厚さが厚くなりコンパクト性を損ねることとなり良くない。沸水収縮率の値は、5〜15%程度の物を用いるのが好ましいが、さらに好ましくは、8〜12%である。
【0012】
本発明における加熱処理温度は特に規定するものではなく、通常100〜200℃で実施する、好ましくは、160℃以下で処理をするのが低通気性を得るのにはよい。処理は、ヒートセッター、沸水バス等特に規定はしないが、縦及び横のオーバーフィードが、2〜15%程度可能な加工機を用いることができる。
【0013】
製織の仕方としては特に限定するものではないが、基布物性の均一性を勘案すると平織りが良く、織機は、エアージェットルーム、レピアルーム、ウオータージェットルーム等特に限定するものでない。
【0014】
本発明におけるエアバッグを構成する熱可塑性繊維としては、特に素材を限定するものではないが、特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、等の脂肪族ポイアミド繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエステルが使用されるが特に限定するものではない。ただし、経済性や耐衝撃性を勘案するとナイロン66、ナイロン46、ナイロン6、が特に好ましい。また、これらの合成繊維には原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上させるために、各種添加剤を含有または付与していても何ら問題はない。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、難燃剤等である。
【0015】
また、使用する原糸の総繊度および単糸繊度は総繊度が100〜550dtex、単糸繊度が6dtex以下が好ましい。更に好ましくは総繊度200dtex〜470dtex、単糸繊度4.4dtex以下である。ここで、総繊度が100dtex未満場合にはその部分での引張強力及び引裂強力が不足し、550dtexを超える場合には織物の柔軟性が損なわれ、収納性にとって不利になる。単糸繊度が6dtexを超える場合には、これも織物の柔軟性が損なわれ、収納性にとって不利になる。
【0016】
また、原糸は実質的に無撚あるいは甘撚が好ましく、更に好ましくは無撚が使用される。これは低単糸繊度糸を使用して低通気度織物を得ようとした場合、撚りを加えると単糸の拡がりを阻害し、低通気度化が困難になるためである。
【0017】
【実施例】
次に実施例により、本発明を更に詳しく説明する。なお、実施例中の物性は下記の方法で測定した。
【0018】
織密度:JIS L1096 6.6
【0019】
強度、伸度:JIS L1096
【0020】
通気度:JIS L1096
【0021】
沸水収縮率:JIS L1013 熱水収縮率B法 100℃
【0022】
停台回数:10日間製織した時の停台回数を24時間に換算した。(回/24時間)
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3
経糸に無撚の470dtex/72f(単糸繊度6.5dtex)、沸水収縮率=6.5%、緯糸には無撚の470dtex/72f、沸水収縮率=6.5%を、空隙率が、60%、50%、45%、40%、70%で筬羽数=10.0羽/cmの筬で製織後、沸水にて収縮加工し、140℃で乾燥仕上げし経密度54本/in、緯密度54本/inのノンコートエアバッグ用織物を得た。
このエアバッグ用織物の物性評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003544179
【0024】
実施例5〜実施例8及び比較例4〜比較例6
経糸に無撚の350dtex/108f(単糸繊度3.2dtex)沸水収縮率=9.5%1種類、緯糸は無撚の350dtex/108f、沸水収縮率=9.5%を、空隙率が、45%、50%、60%、40%、70%で筬羽数=11.5羽/cmの筬で製織後平織にて製織後、90℃の温水で収縮加工し、140℃で乾燥セット仕上げし経密度63本/in、緯密度63本/inのノンコートエアバッグ織物を得た。このエアバッグ織物の物性評価結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
Figure 0003544179
【0026】
表1、2から明らかなように、本発明の製織方法が製織速度を上げた時強度物性の低下することなく低通気性エアバック基布として適していることが判る。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、エアバッグ用織物として必要な機械的特性を保持しつつ、低通気性高密度エアバッグ用織物を効率良く生産する方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 製織時の筬の繊維充填率を下(式1)で定義し、該筬の繊維充填率の値を110以下として製織することを特徴とする高密度織物の製織法。
    Figure 0003544179
    N:筬1羽に入れる糸の本数(本)
    D:経糸の太さ(dtex)
    ρ:繊維の密度(g/cm
    α:筬空隙率 (%)
    L:筬羽数 (本/cm)
  2. 筬の繊維充填率の値が100以下である請求項1記載の高密度織物の製織法。
  3. 筬の繊維充填率の値が90以下である請求項1記載の高密度織物の製織法。
  4. 筬の繊維充填率の値が80以下である請求項1記載の高密度織物の製織法。
  5. 高密度織物のカバーファクターが2000〜2500の請求項1記載の高密度織物の製織法。尚、カバーファクターは、下式2で求められる。
    Figure 0003544179
    A:経糸の太さ (dtex)
    B:緯糸の太さ (dtex)
    W1:経密度 (本/in.)
    W2:緯密度 (本/in.)
  6. 高密度織物の用途がエアバック用である請求項1記載の高密度織物の製織法。
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