JP4857730B2 - 耐熱性高強力エアバッグ用基布 - Google Patents

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Description

本発明は、収納性に優れ、かつ必要な基布強力と耐熱性を有するエアバッグ用基布に関するものである。
近年、自動車***品の一つとして急速に装着率が向上しているエアバッグは、自動車の衝突事故の際、衝撃をセンサーが感知し、インフレータから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバッグを急激に展開させて、運転者や同乗者の身体が衝突した方向へ飛び出した際、特に頭部がハンドル、フロントガラス、ドアガラス等に衝突することを防止し保護するものである。従来、エアバッグにはクロロプレン、クロルスルフォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴムを被覆したコーティング基布が、耐熱性、空気遮断性(低通気度)、難燃性が高いという理由により使用されてきた。
しかしながら、これらの合成ゴムをコーティングした基布は基布の重量が増加し、また柔軟性が満足できるものではなく製造コストも高いため、エアバッグ用織物として使用するには不具合な点が多かった。
現在でも一部で使用されているシリコーンコーティング基布は上記不具合点がかなり改善されてはいるが、まだ満足できるものではない。
そこで、最近はコーティングを施さないノンコートエアバッグ用織物を使用したノンコートエアバッグが主流になっているが、更なる収納性の向上が必要とされている。収納性の向上の為に使用繊維量を低減させることが考えられるが、繊維量を低減させると基布強力が低下し、エアバッグ用基布として必要な機械特性を有することができない。
繊維量を低減させ、基布強力を維持する為に、高強力繊維を経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いた生地(例えば、特許文献1参照)や、熱可塑性繊維と高強力繊維との混撚糸から構成されたエアバッグ基布(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、上記特許文献1の場合、単に高強力繊維とナイロン繊維を交織した基布であり、実際に高温インフレータを使用した場合のそれぞれの温度における必要な基布強力について全く言及されておらず、特許文献2の場合、混撚の工程が別途必要となる為にコストアップの原因となり好ましくない。
特開昭64−70248号公報 特開平3−287832号公報
本発明は、上記従来の方法では解決できていない収納性に優れ、かつ必要な基布強力と耐熱性を有するエアバッグ用基布を提供することにある。
即ち、本発明は以下の(1)〜(3)の構成よりなる。
(1)織物からなるエアバッグ用基布であって、基布が、ポリアミド繊維からなる繊維糸条Aと、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、及び全芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種の繊維から選択された原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bとの交織織物であり、繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6〜20%大きく、高強度繊維糸条Bの基布中の混率が1〜20%であり、基布収納性が1400cm以下であり、引張強度が経緯それぞれともに以下の(式1)を満足することを特徴とするエアバッグ用基布。
y≧―1.1x+734――――(式1)
〔但し、xは温度(K)であり、y:引張強度(N/cm)である。x=298、373、423、473の4つの温度条件において計算し、4つの温度条件においてすべてyが(式1)を満足する。〕
(2)基布を構成する原糸の総繊度が50〜350dtexであることを特徴とする上記(1)に記載のエアバッグ用基布。
(3)原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条Aより製織されてなる織物からなる基布において、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に高強度繊維糸条Bが混用されてなり、かつ前記基布中の繊維糸条のクリンプ率が以下の(式2)及び(式3)を満足する(1)または(2)に記載のエアバッグ用基布。
WB−CWA≧4.0%――――(式2)
TB−CTA≧4.0%――――(式3)
(但し、CWA:布帛中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率(%)
WB:布帛中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率(%)
TA:布帛中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率(%)
TB:布帛中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率(%)
をそれぞれ示す。)
本発明によれば、エアバッグ用基布として必要な機械的特性を保持しつつ、耐熱性、収納性に優れたエアバッグ用基布を提供することができる。
エアバッグはインフレータによって展開される。インフレータの熱によりエアバッグ用基布は高温の状態で展開される。従って、通常の常温(298K)下だけでの引張強度測定では、実際の展開時の基布強度を満足するかどうかは不明である。現行のエアバッグ用インフレータでの展開時には最大473Kの温度まで基布は上昇している。即ち473Kでの必要な基布強力を満足する基布が必要であり、また出力や構造によって、373Kや423Kの基布表面温度となるようなインフレータも開発されており、前述のそれぞれの温度に対応可能な基布強度を設定することはエアバッグ用基布設計において非常に重要なことである。
以下、本発明のエアバッグ用基布について詳細に説明する。
本発明のエアバッグ用基布の特徴は織物からなり、通常のエアバッグ用繊維糸条Aと、耐熱性・強力を向上させるための高強度繊維糸条Bとの交織織物である。高強度繊維糸条Bとしては、原糸強度が15cN/dtex以上であり、より好ましくは20cN/dtex以上である。高強度繊維糸条Bの原糸強度は大きいことが好ましいが、通常50cN/dtex以下である。高強度繊維糸条Bはアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維からなる糸条から選択される。通常これらの糸条の破断伸度は0〜5%程度である。一方、通常のエアバッグ用繊維糸条Aはポリアミド繊維からなる糸条である。通常これらの糸条の判断伸度は15〜30%程度である。ポリアミド繊維糸条のうち、特にポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条が機械特性、耐熱性、コストの面から最も好ましい。
基布を構成する原糸の総繊度としては、収納性を向上させる為に、50〜350dtexが好ましい。50dtexより小さいとたとえ高強力繊維を用いたとしてもエアバッグとして要求される強力を満足しにくくなるのであまり好ましくない。350dtexより大きいと収納性が現状のエアバッグ用基布と同等程度にしかならない為にあまり好ましくない。より好ましくは100〜300dtexである。
前述のそれぞれの温度で満足させる基布を作製するためには、原糸の常温(298K)下での強度とともに、それ以外の考慮すべき各温度(373K,423K,473K)での原糸の強度保持率を考慮して設計する必要がある。常温下での強度と強度保持率から最低限必要な高強度繊維の混率を求めるが、混率を上げた場合には収納性を満足できなくなる。従って、強度と収納性の両方を満足できる最適な混率範囲が存在する。高強度繊維糸条Bと通常のエアバッグ用繊維糸条Aとの交織物においては、高強度繊維糸条Bの基布中の混率は1〜20%である。混率が1%より小さいと強力を満足しにくくなるのであまり好ましくない。20%より大きいと強力は満足できるが、高強度繊維糸条Bの特性上基布の柔らかさが失われやすくなりあまり好ましくない。混率は基布の等方性から経と緯が同一であることが好ましいが、限定されるものではない。ここでの混率とは、基布を10cm四方に採取した時の全体の糸本数に対するそれぞれの繊維糸条の本数の割合で算出され、その混率は経、緯ともどの部分でも同一であることが好ましい。
本発明では、製造する織機としては常用の織機を用いることができるが、生産性・品位の面からウォータージェットルームやエアージェットルームでの製織が好ましい。また緯方向に2種類の糸条を交互に挿入するために、例えば2個の緯糸飛送ノズル有する所謂2ノズル織機を用いて作ることもできる。
本発明においては、基布収納性が1400cm以下であり、かつ引張強度が経緯それぞれともに以下の(式1)を満足できる基布を作製することにより、従来では達成できていないエアバッグ用基布として必要な機械性能を備えかつ収納性に優れた基布となることを見出したものである。基布収納性においてはスペースがより厳しくなる方向であるために、1300cm以下がより好ましい。通常収納性を改善させると基布強度は低下してしまうが、本発明等が鋭意検討した結果、以下の(式1)を満足することにより、エアバッグ用基布として必要な基布強度を有しているということを見出したものである。
y≧―1.1x+734――――(式1)
〔但し、xは温度(K)であり、y:引張強度(N/cm)である。x=298、373、423、473の4つの温度条件において計算し、4つの温度条件においてすべてyが(式1)を満足する。〕
具体的には、インフレータの温度・出力により必要な基布強度が異なるが、展開時の基布表面温度に相当する温度下での基布強度と収納性を同時に満たす基布を設計することにより、収納性に非常に優れかつ必要な機械特性を持つエアバッグ用基布を作製することができるのである。
本発明では、高強度繊維糸条の基布での強力発現率を高める為に、以下の(式2)及び(式3)を満たすクリンプ率を有する基布であることが好ましい。より好ましくはクリンプ率差が5%以上である。
WB−CWA≧4.0%――――(式2)
TB−CTA≧4.0%――――(式3)
(但し、CWA:布帛中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率(%)
WB:布帛中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率(%)
TA:布帛中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率(%)
TB:布帛中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率(%)
をそれぞれ示す。)
(式2)及び(式3)を満たさない場合、高強度繊維の伸度が通常のエアバッグ用繊維の伸度と比べて小さい為に、基布の引張時に高強度繊維の強力を発現する前に破断する恐れがあり、必ずしも必要な強力を発揮できるとは限らないのであまり好ましくない。
(式2)及び(式3)を満たすクリンプ率を有する基布を製造する方法としては、例えば高強度繊維と通常のエアバッグ用繊維とを交織する段階で、テンション差をつける方法がある。具体的には、高強度繊維のテンションを相対的に小さくすることにより、仕上がった基布のクリンプ率差をつける方法である。また別のより好ましい例としては、ポリヘキサメチレンアジパミドなどによる通常の高収縮のエアバッグ用繊維糸条と、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどによる低収縮の高強度繊維糸条を用いて製織後、温水や熱水中にて収縮加工を行い製造することにより、低収縮の高強度繊維が高収縮の繊維によって強制的に縮められる為に、基布としては高強度繊維糸条のクリンプ率が大きな状態を形成することができる。通常のエアバッグ用繊維糸条の沸水収縮率は高強度繊維糸条原糸の沸水収縮率より6%以上大きいことが好ましい。しかしながら、あまりに沸水収縮率差が大き過ぎるとサッカー状などと呼ばれる本発明の基布としてはあまり好ましくない外観となるので、沸水収縮率差は20%以下としておくことが好ましい。収縮処理後の織物は乾燥熱セットされることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、本文もしくは実施例・比較例中の各物性は、次のようにして測定した。
原糸強度:JIS―L−1013 8.5.1
原糸繊度:JIS−L−1013 8.3.1
沸水収縮率:JIS−L−1013 熱水収縮率(100℃)
クリンプ率:JIS―L―1096 8.7.2B法
引張強度:JIS―L−1096 8.12.1A法
収納性試験:ASTM D6478
〔実施例1〕
沸水収縮率9.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例1の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例2〕
沸水収縮率9.5%、総繊度200dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に対して、経緯とも5%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度250dtex、単糸数150本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条19本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例2の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例3〕
沸水収縮率7.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例3の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔実施例4〕
沸水収縮率9.5%、総繊度200dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に対して、経緯とも5%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度150dtex、単糸数90本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条19本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。実施例4の織物はエアバッグ用基布として十分な強力を有し、収納性にも優れた物であった。
〔比較例1〕
沸水収縮率5.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に対して、経緯とも10%の混率となるように沸水収縮率0.5%、総繊度200dtex、単糸数120本、強度35cN/dtex、伸度3.5%のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。糸配列は経緯ともにポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条9本に対してポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条が1本となるように等間隔に存在させた。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例1の織物は収納性の優れた物であったが、クリンプ率差が小さい為に強力が劣り、エアバッグ用基布として満足できるものではなかった。
〔比較例2〕
沸水収縮率9.5%、総繊度150dtex、単糸数36本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例2の織物は収納性の優れた物であったが、強力が劣り、エアバッグ用基布として満足できるものではなかった
〔比較例3〕
沸水収縮率9.5%、総繊度350dtex、単糸数72本、強度8.5cN/dtex、伸度21.0%のポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をウォータージェットルームで平織組織にて交織した。これを沸水にて収縮加工し、乾燥熱セット(140℃)してエアバッグ用高密度織物を得た。得られた織物の物性の測定結果を表1に示す。比較例3の織物は強力を満足するが、収納性が悪くエアバッグ基布として劣っていた。
Figure 0004857730
繊維糸条A:ポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条
繊維糸条B:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維糸条
クリンプ率A:等間隔である繊維糸条Bの2本の中心に位置する繊維糸条Aのクリンプ率
クリンプ率B:繊維糸条Bのクリンプ率
引張強度:サンプルを設置し雰囲気温度が設定温度になった後、1分経過後に測定。
表1から明らかなように、本発明の各実施例のエアバッグ用基布は、高強力で収納性、耐熱性に優れていることがわかる。
本発明によれば、エアバッグ用基布として必要な機械的特性を保持しつつ、耐熱性、収納性に優れたエアバッグ用基布を提供することができ、安全な自動車の提供に寄与できるものである。

Claims (3)

  1. 織物からなるエアバッグ用基布であって、基布が、ポリアミド繊維からなる繊維糸条Aと、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維、及び全芳香族ポリエステル繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種の繊維から選択された原糸強度が15cN/dtex以上の高強度繊維糸条Bとの交織織物であり、繊維糸条Aの沸水収縮率が高強度繊維糸条Bの沸水収縮率より6〜20%大きく、高強度繊維糸条Bの基布中の混率が1〜20%であり、基布収納性が1400cm以下であり、引張強度が経緯それぞれともに以下の(式1)を満足することを特徴とするエアバッグ用基布。
    y≧―1.1x+734――――(式1)
    〔但し、xは温度(K)であり、y:引張強度(N/cm)である。x=298、373、423、473の4つの温度条件において計算し、4つの温度条件においてすべてyが(式1)を満足する。〕
  2. 基布を構成する原糸の総繊度が50〜350dtexであることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用基布。
  3. 原糸強度が7.0cN/dtex〜12cN/dtexの繊維糸条Aより製織されてなる織物からなる基布において、経糸および/または緯糸の少なくとも一部に高強度繊維糸条Bが混用されてなり、かつ前記基布中の繊維糸条のクリンプ率が以下の(式2)及び(式3)を満足する請求項1または2に記載のエアバッグ用基布。
    WB−CWA≧4.0%――――(式2)
    TB−CTA≧4.0%――――(式3)
    (但し、CWA:布帛中の繊維糸条Aの経糸クリンプ率(%)
    WB:布帛中の高強度繊維糸条Bの経糸クリンプ率(%)
    TA:布帛中の繊維糸条Aの緯糸クリンプ率(%)
    TB:布帛中の高強度繊維糸条Bの緯糸クリンプ率(%)
    をそれぞれ示す。)
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