JP2014181430A - 高密度織物 - Google Patents

高密度織物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014181430A
JP2014181430A JP2013058097A JP2013058097A JP2014181430A JP 2014181430 A JP2014181430 A JP 2014181430A JP 2013058097 A JP2013058097 A JP 2013058097A JP 2013058097 A JP2013058097 A JP 2013058097A JP 2014181430 A JP2014181430 A JP 2014181430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
warp
density
weaving
dtex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013058097A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokio Okuno
登起男 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Fibers Corp filed Critical Asahi Kasei Fibers Corp
Priority to JP2013058097A priority Critical patent/JP2014181430A/ja
Priority to CN201410108888.0A priority patent/CN104060366B/zh
Publication of JP2014181430A publication Critical patent/JP2014181430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】幅方向で品質の均一な高密度織物およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】経糸および緯糸が繊度210〜750dtexの合成繊維マルチフィラメント糸からなり、カバーファクターが2000〜2500の範囲の平組織の織物であって、該織物端部の経糸方向のフレア率が0〜1.5であることを特徴とする高密度織物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高密度織物に関するものであり、さらに詳しくは、エアバッグ用に適した高品質の高密度織物とそれを安定して作成する製織方法に関するものである。
乗り物の事故における人体への衝撃緩和のために、自動車などの車両へのエアバッグの装着が進んできている。衝突の際、ガス等により膨張し、人体への衝撃を吸収緩和するエアバッグとして、運転席用および助手席用エアバッグに加えて、側面用のカーテンエアバッグやサイドエアバッグ、また膝部用エアバッグ、カーシート間エアバッグ、後部ウィンドウ用カーテンバッグ、後部座席のシートベルトエアバッグなどが実用化されつつある。さらには、歩行者保護のために、車両の外側に膨張するように装着されるエアバッグなど各種のエアバッグの装着が検討されてきている。
このエアバッグ用織物は***品であるがゆえに、万が一の事故の際には、エアバッグがその機能を充分に発揮できるように、エアバッグを構成する織物の品質は高度に均一であり、欠点のないことが要求される。
また、近年、エアバッグ装着は新興国の車社会の到来により益々その需要が増しており、その安全性が確保され、かつ低コストで品質が安定していることが重要である。
従来から、エアバッグは、平織物を袋状に縫製してエアバッグを作成する生産方式や織機の段階で袋織り構造にしてエアバッグを作成する生産方式が取られている。ここで平織物や袋織物を製織するに際して、その織物に欠点のないことや幅方向や長手方向で密度が変わりないこと、さらには機能的には織物の強度や通気度がどこでも均一であることが***品であるエアバッグの品質を維持させる上で重要である。また、欠点が少なく、安定して生産できることが低コストで高品質のエアバッグ用織物につながる。
特に、エアバッグ用織物のような高密度の平織物を製織する場合には、特に織物両端の耳部の経糸に緩みが生じて、製織した織物の耳部とその中央部とで、密度や通気度が異なるといったことや、耳部の緩みによって、織機での製織性が悪くなるといった問題があり、品質上、生産上、改善することが求められていた。また、織機の高速化や広幅化につれ、両端での耳部の緩みが製織性に及ぼす影響が大きくなり、生産効率を良くしようとすると、耳部緩みを改善しないと織機の停止や織物品質の不均一などの様々な不具合が生じることが多くなっている。
これまでにも高品質のエアバッグ用織物を安定的に作成する製織方法が提案されており、経糸に工夫を凝らし、例えば、織物耳部の経糸繊度や糸種を違えたりすることで織物の幅方向の品質を均一にする方法が提案されているが、耳部の経糸の緩みを取るのに十分といえるものではない(下記特許文献1および2参照)。また、織物耳部の織組織を変える方法も提案されているが、組織変更が簡便ではなく、効果も小さい(下記特許文献3参照)。さらには、加工方法によって、織物の耳部の緩みを取る方法も提案されているが(下記特許文献4参照)、耳部にシワなどが発生する等、これまでの手法では根本的な解決方法に至っているものはない。
特開平10−236253号公報 特開平9−302550号公報 特開2002−212856号公報 特開平10−76895号公報
本発明は、エアバッグ用の高密度織物に関し、幅方向で品質の均一な高密度織物およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高密度織物の耳部の力糸として、繊度が地部の経糸繊度に対して特定の範囲である繊維を特定本数使用し、製織時の経糸張力をある特定の範囲とすることによって、高品質のエアバッグ用織物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
(1)経糸および緯糸が繊度210〜750dtexの合成繊維マルチフィラメント糸からなり、カバーファクターが2000〜2500の範囲の平組織の織物であって、該織物端部の経糸方向のフレア率が0〜1.5であることを特徴とする高密度織物。
(2)織物の中央部と端部の経糸密度差が2.0本/2.54cm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の高密度織物。
(3)織物の耳部は、左右の両耳部それぞれにおいて、地部の経糸繊度の3〜30%の範囲の繊度の糸を、力糸として2〜24本用い、地絡糸として4本用いることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の高密度織物。
(4)織物の幅が2.0m以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の高密度織物。
(5)織物を構成する経糸および緯糸の糸断面係数が1.5〜4.0の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の高密度織物。
(6)経糸および緯糸がポリアミド系連続繊維およびポリエステル系連続繊維から選ばれた少なくとも一種の繊維であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の高密度織物。
(7)ポリアミド系連続繊維およびポリエステル系連続繊維がポリアミド6連続繊維、ポリアミド66連続繊維、ポリアミド46連続繊維、ポリエチレンテレフタレート連続繊維、ポリブチレンテレフタレート連続繊維、ポリトリメチレンテレフタレート連続繊維、ポリエチレンナフタレート連続繊維から選ばれた少なくとも一種の繊維であることを特徴とする上記(6)に記載の高密度織物。
(8)製織工程における経糸張力が0.20cN/dtex〜0.45cN/dtexであることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の高密度織物の製造方法。
(9)製織工程における経糸の筬入れ本数が1本/羽であることを特徴とする上記(8)に記載の高密度織物の製造方法。
(10)製織工程が少なくとも下記(イ)および(ロ)の条件を含むことを特徴とする上記(8)または(9)に記載の高密度織物の製造方法。
(イ)緯糸が1色用または2色用のウォータージェットルームを使用する。
(ロ)織機回転数が500rpm以上で製織する。
(11)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の高密度織物を少なくとも一部に用いたエアバッグ。
本発明の高密度織物および本発明の製織方法で作成した高密度織物は、従来の製法によって得た織物に比べ、織物幅方向において、織密度や通気度などが均一な性能の織物となる。また、耳部の経糸緩みの発生も小さく、製織性も良好なことから、織機の高速化や広幅化にも十分対応できる。従って、本発明の高密度織物は2m以上という織物幅が可能となる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明において、フレア率とは織皺や織物の弛みを評価する特性であって、以下の手順で測定される。水平な平面上に広げた織物に、経糸方向に500mmの間隔をあけて、経糸と直角方向に2本の線を引き、次いで、経糸方向に沿って織物端から中央に向かって幾本もの線を経糸と直角方向に15mmの間隔となるように引き、線に沿って15mm幅×500mm長さの短冊状の織物を切り出す。その短冊を真直ぐに置いたときの長さをLとした場合に、フレア率(F)は下記式によって表される。
F(%)=(|L−500|/500)×100
測定は左右の端部より各々10カ所連続して測定し、この操作を経糸方向に5回繰りかえし、得られた100カ所の値を平均する。
本発明の高密度織物のフレア率は1.5%以下である。より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。フレア率が1.5%を超えないことで、エアバッグとして製品化されたときに、通気度のバラツキが少ないために、エアバッグが展開した際の人体や頭部の衝撃吸収性が設計通りに達成され、安全上の危険を伴う可能性が抑制される。フレア率は小さければ小さいほど好ましい。
フレア率を小さくするためには、例えば、高密度織物の耳部の力糸として、繊度が地部の経糸繊度に対して特定の範囲である繊維を特定本数使用し、製織時の経糸張力をある特定の範囲とすることによって、耳部の緩みを軽減することが有効である。
本発明の高密度織物は、織物の端部の経糸密度と中央部の経糸密度の差は2.0本/2.54cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.5本/2.54cm以下、特に好ましくは1.0本/2.54cm以下である。織物の端部と中央部の経糸密度差が2.0本/2.54cmを超える場合には、織物の幅方向で通気度が違ってしまい、上記と同じく幅方向で衝撃吸収性の異なるエアバッグとなることがある。ここでの織物端部とは耳部より20cm内側の位置をいう。
本発明の高密度織物は、シリコーンなどのコーティング剤がない状態で、単位面積当たり重量が140〜260g/m2であることが好ましい。単位面積当たり重量が140g/m2以上であれば、エアバッグにした場合に高圧展開に耐える機械物性を満たす。本発明では、単位面積当たり重量は260g/m2以下の軽量織物であることがエアバッグにした場合好ましい。より好ましい単位面積当たり重量は150〜210g/m2である。
本発明の高密度織物のカバーファクターは2000から2500の値であることが好ましい。下限はさらに好ましくは2100以上、特に好ましくは2200以上である。また、上限はさらに好ましくは2400以下、特に好ましくは2300以下である。カバーファクターが2000以上であることで低通気となり、2500以下であることで織物が剛直にならずに柔軟性を有したものになる。なお、カバーファクターは、√(経糸の繊度(dtex)×経糸密度(本/2.54cm))+√(緯糸の繊度(dtex)×緯糸密度(本/2.54cm))で表され、密度は織物中央部の経糸密度と緯糸密度を測定してカバーファクターを計算している。
本発明の高密度織物の引張強度は経緯ともに500〜900N/cmであることが好ましい。織物の引張強度が500N/cm以上であれば、高圧ガス展開に耐える耐バースト性に寄与する。織物の引張強度は、構成する織糸の強力と織密度から、低繊度織物の場合900N/cmが上限である。より好ましい織物の引張強度は600〜900N/cmである。
本発明の高密度織物の通気度の幅方向のバラツキは少ないほうが良く、通気度の幅方向のバラツキが小さいことによって、エアバッグの製品になった際に、展開したときの人体や頭部の衝撃吸収性が変化して、安全上の危険を伴う可能性を抑制できる。通気度の幅方向のバラツキは少ないほど好ましい。
本発明の高密度織物は合成繊維からなるものである。合成繊維としてはマルチフィラメント糸が好ましく、ポリアミドやポリエステルの連続繊維が好ましい。特に好ましくは、ポリアミド繊維で、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・10、ポリアミド6・12、ポリアミド4・6、それらの共重合体およびそれらの混合物からなる繊維が挙げられる。なかでも、ポリアミド6・6繊維として、主としてポリヘキサメチレンアジパミド繊維からなる事が好ましい。ポリヘキサメチレンアジパミド繊維とは100%のヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから構成される融点が250℃以上のポリアミド繊維を指す。本発明で用いられるポリアミド繊維は、融点が250℃未満とならない範囲で、ポリヘキサメチレンアジパミドにポリアミド6、ポリアミド6・I、ポリアミド6・10、ポリアミド6・Tなどを共重合、あるいはブレンドしたポリマーからなる繊維でもよい。
本発明におけるポリアミド織物は、油剤成分の含有量が0.01〜2.0重量%であることが好ましい。0.05〜1.5重量%がより好ましい。一層好ましくは0.1〜0.7重量%である。ここにいう油剤成分とは、有機溶媒ヘキサンにて織物から抽出されるものであり、ポリアミド織物の重量に対する抽出物の重量の百分率である。油剤成分の含有量が0.01重量%以上であれば、織物の引裂き強力を維持、向上させることができる。特に、界面活性剤成分は、ポリアミド繊維の環状ユニマーのブリードアウトを助け、ポリアミド繊維の表面において、環状ユニマーと油剤成分が一体となって繊維同士のすべりを適度に促し、引張強力や引裂き強力の維持、向上に寄与する。すなわち、エアバッグ織物として展開時のガス耐圧性の向上が期待できるため、展開時のバースト防止に寄与する。一方で、油剤成分の織物中含有量を2.0重量%以下とし、付与量と精練除去量から含有量を制御し、織物中の織糸の引抜抵抗を適切に維持することができる。また、織物が燃焼性試験(FMVSS302)において合格になるように、過剰な含有量の油剤成分とならないように制御することが出来る。これら油剤成分は、繊維製造工程、製織加工工程で付与された工程油剤に由来して残存するものでもよい。
なお、上記する以外に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、かかる繊維には原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用される各種添加剤を含んでいても良い。例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有する原糸を織糸として用いることができる。
本発明の高密度織物を構成する経糸および緯糸の糸断面係数は1.5〜4.0であることが好ましい。1.5よりも小さい場合には、織物を構成している糸と糸の間に隙間ができ易く、通気度のわるい織物になってしまう。また、4.0よりも大きい場合には、糸が扁平になり過ぎ、その原因として製織時の経糸張力が高すぎることや過剰なカレンダー処理などが考えられ、その結果、糸に毛羽が発生しやすい。さらに、織物自体が薄くなり過ぎ、通気性が劣ったり、引裂き抵抗が小さくなったりする。なお、本発明における糸断面係数の定義および測定方法については後述する。
本発明の高密度織物の経糸および緯糸の繊度は210〜750dtexが好ましい。用いる原糸の総繊度としては200〜720dtexが好ましい。原糸総繊度が200dtex以上で高圧展開に耐える機械物性を満たすようになる。また、原糸繊度が720dtex以下であれば、軽量で収納性の良い織物になるとともに、初期拘束性にも寄与する。より好ましい原糸総繊度は200〜490dtexであり、ウォータージェットルームやエアジェットルームなどのように、水や圧縮空気の力で緯糸を飛走させるタイプの織機では、特に高速化に対応しすい。なお、織物加工の過程では、通常、熱収縮するため、原糸の総繊度に対して織物を構成する織糸の総繊度は少々大きい値をとる。
織物の製織に用いる原糸は引張強度が9.8〜11.5cN/dtexであることが好ましい。原糸引張強度が9.8cN/dtex以上で大きいほど織物の引張強度が大きい。製織に適した安定した品質の原糸が得られる原糸引張強度の上限は11.5cN/dtexである。
織物加工の過程での熱収縮の関係から、原糸の沸水収縮率は5〜12%が好ましい。原糸の沸水収縮率が5%以上であれば、熱収縮加工時に緊張処理することで織糸クリンプを抑えて織物の特定荷重伸びの抑制に寄与する。沸水収縮率が低すぎると、製織時の織糸クリンプがそのまま織物に反映するため、織物の特定荷重伸びが抑えられない。実質的な原糸の沸水収縮率の上限は12%である。
本発明で使用する力糸は、織物の両端の耳部に用いて、織物耳部の緩みが軽減するように用いられる糸である。使用する力糸の繊度は、地部の経糸繊度に対して3〜30%であることが好ましい。さらに好ましくは4〜15%であり、特に好ましくは4.5〜10%である。素材はナイロン66繊維、ナイロン6繊維、ポリエステル繊維など、特にこだわるものではないが、リサイクル等を考えると経糸や緯糸と同素材のものを使うことが好ましい。
また、力糸の繊度は16〜110dtexが好ましく、さらに好ましくは22〜67dtexであり、特に好ましくは22〜33dtexである。力糸の本数は2〜24本が好ましく、左右の耳部には同数使うことが好ましいが、一方の耳部の緩みがおさまらない場合には、左右不均等な数を使用してもよい。片側につき、さらに好ましくは2〜8本であり、特に好ましくは4〜6本である。力糸はモノフィラメント糸でもマルチフィラメント糸でも良いが、33dtex以下の場合には、モノフィラメント糸が強度上適している。さらに、生糸でもよく、仮撚り加工や捲縮加工等を施した糸であってもよく、紡績糸であってもよく、これらを組み合わせて使用しても良い。
本発明で使用する地絡糸とは、織物の左右の最端部で、織物耳部が緩まないように締め付けているもので、一般には片側で2本の糸を使用して、回転式あるいは左右に交互に糸を入れ替えるレノ式などで、緯糸を1本ごとに把持しながら織物に組織されるものである。レノ式では、片側に1組だけでなく、数組のレノを用いて耳部を締め付けることも有効である。
本発明の高密度織物を製織するに際し、製織時の経糸張力は0.20〜0.45cN/dtexが好ましい。より好ましくは0.24〜0.40cN/dtex、さらに好ましくは0.29〜0.36cN/dtexである。経糸張力が0.20cN/dtexよりも低い場合は、高密度織物を製織する際に耳部の経糸が緩みがちになるが、その緩みを伸ばし切れず、緯糸の経糸掛りなどの製織時の織機停止因が発生することになりやすい。また、経糸張力が0.45cN/dtexを超える場合は、経糸にかかる力が大きすぎて毛羽が発生しやすくなり、製織性や織物品質を低下させてしまう。
本発明の高密度織物の製織に際して、経糸の筬入れ本数(筬羽1羽あたりの経糸本数)は2本/羽としてもよいが、1本/羽とすることが好ましい。また、耳部では経糸や力糸を2本/羽やそれ以上の本数で入れてもよく、筬入れ本数を組み合わせて、織物耳部の緩みを軽減することも有効である。したがって、ここで言う「経糸の筬入れ本数」は織物耳部のみのものについては含まれない。
本発明の高密度織物の製織に際して、経糸準備の段階あるいは織機上で、経糸などに集束性向上や平滑性向上のための油剤成分やワックス成分を付与してもよい。ここで付与された油剤やワックス成分は最終的にエアバッグ用織物に含有されてもよい。また、製織時の毛羽発生や経糸切れを防止するためにサイジングを施してもよい。ただし、最も好ましいのは、原糸に何らの剤を付けずに、ノンサイジングやノンオイル・ノンワックスで織機ビームに巻き上げることである。
本発明の高密度織物の製織に際し、使用する織機は、ウォータージェットルーム、エアジェットルーム、レピアルームや多相織機などが好ましく、これらを用いて織物を作成することができる。特に、高速化や広幅化、あるいは機械価格の観点からは、ウォータージェットルームが好ましい。ウォータージェットルームでは、緯糸を1つのノズルで緯入れする1色用のタイプであれば、経糸の開口量も少なくでき、より高速化が可能であり、また緯糸を2つのノズルで緯入れする2色用のタイプであれば、緯糸チーズの替わり目の内外層の糸収縮差を緩和させて幅変動の少ない織物をつくることも可能である。さらに、織機の回転数は、織機幅が1.5m〜3m程度の近年のウォータージェットルームであれば、機械剛性も向上しており、振動も少ないことなら、500rpm以上で製織することが生産効率上好ましい。
織物組織としては、平織、綾織、朱子織およびこれらの変化織や組織混合した織物、多軸織などの組織が使用されるが、これらの中でも、特に機械的特性に優れ、また地薄な面から平組織が好ましい。
製織した織物は、過剰な油剤成分や汚れの除去のために精練洗浄することができる。精練工程では、温水浴でアルカリ洗浄や界面活性剤洗浄が行われるが、むしろ、精練せずに織物に仕上げてもよい。ウォータージェットルームでは油剤成分は概ね脱落し、油剤成分付着量が適度になった織物を精練せずに織物に仕上げることができ、経済的でもある。最終的に、織物に対して平滑剤、帯電防止剤を主成分とした整経油剤や製織工程油剤が油剤成分として含有されることが好ましい。精練工程では、適度な精練温度を選定したり、あるいは、精練を実施しないことが好ましく、織糸原糸の性状、特に収縮率により適宜条件選定すればよい。
次いで、織物を乾燥し、熱固定を行って本発明の高密度織物に仕上げることができる。織物の乾燥および熱固定では、織物幅と経糸方向の送りについて、それぞれ収縮量や張力を制御することが好ましい。例えば、テンター式乾燥機などが用いられ、加熱処理の温度を選定し、加熱処理しながらも収縮するに任せず張力をかけながら加工することが好ましい。さらには、加熱処理後に張力をかけながら急冷することが好ましい。
本発明の高密度織物は、樹脂やエラストマーのコーティングを施さずにエアバッグに用いることもできる。また、この織物にカレンダー加工を施しても良いが、引裂き強力の低下を招かぬような注意が必要であり、好ましくはカレンダー加工を施さずに用いることがよい。さらに、本発明の高密度織物は、樹脂やエラストマーのコーティングを施してエアバッグに用いてもよい。コーティング量は5〜35g/m2程度の軽量コーティングが好ましく、軽量コーティングで非通気性を獲得することができる。コーティングを施した場合には、通気度が極端に低くなるが、本発明のコーティング前の織物や製織方法を用いることによって、コーティング時に経シワ欠点を生じることがなく、幅変動も少なく、良好なエアバッグ用織物を生産することができる。
本発明の高密度織物を用いたエアバッグ用織物は裁断縫製されて、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、後部座席用エアバッグ、側面用エアバッグ、膝部用エアバッグ、カーシート間エアバッグ、側面用カーテン状エアバッグ、後部ウィンドウ用カーテンバッグ、歩行者保護エアバッグなどに適宜使用することができる。これらのエアバッグにおいては、インフレータ取り付け口やベントホール部分などに用いられる補強布またはバッグ展開形状を規制する部材を、該エアバッグ用織物と同一織物とすることができる。また、エアバッグの縫製にあたっては、打抜き、溶断、または裁断によって形成された1枚もしくは複数枚のかかるエアバッグ用織物を用い、その周縁部を縫製してエアバッグを形成することができ、さらには周縁部の縫製が、一重または二重縫製等で構成されたエアバッグを形成することができる。
また、上記のエアバッグ用の織物を裁断縫製したエアバッグと火薬や推薬を用いたインフレータとを組み合わせて、エアバッグモジュールを作ることができる。
次に、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例および比較例中の高密度織物の特性評価などについては下記の方法にて実施した。
(1)総繊度:JIS−L1013:2010、8.3.1正量繊度に準じて求めた。
(2)織密度:JIS−L1096:2010、附属書11−Aに準じて求めた。
緯糸密度は、両端の耳部より各々20cm内側で2点、幅中央で1点、幅中央点と20cm内側点各々との中間点の2点、計5箇所で測定し、それらの平均値を用いた。
経糸密度の中央部は織物中央部5箇所の測定値の平均値であり、端部は両端の耳部より各々20cm内側の2点を測定し、これを5箇所について行い、全測定値の平均値とした。
(3)織物耳部品質:エアバッグ業務に3年以上関わった技術者5名が検反台に織物を仕掛けて目視判定し、織物最外部の地絡糸や力糸の組織されている状態と耳部の緩み状態とについて下記5段階で級付けを行い、5人の平均値を算出した。級付けが3級以上の場合を合格とした。
5:織物の耳部において、地絡糸や力糸がしっかりと組織されており、耳部の緩み(フレア)が見えない。
4:地絡糸や力糸がやや密接に組織され、耳部の緩み(フレア)が軽微に見える状態。 3:隣り合う地絡糸や力糸が最大で1mm以内で組織されており、耳部の緩み(フレア)がやや見える状態。
2:隣り合う地絡糸や力糸が最大で1〜2mm以内で組織されており、耳部の緩み(フレア)がある状態。
1:隣り合う地絡糸や力糸が最大で2mmより大きく離れた状態で組織されており、耳部の緩み(フレア)が強く見える状態。
(4)製織性:織物を50m製織したときの織機の停止回数を調べた。ただし、停止回数は、経糸緩みや経糸毛羽が原因で生じた回数だけをカウントした。停止回数が1時間当たりに換算して、2回以下の場合は良好な合格(○)、3〜5回を合格(△)、6回以上を不合格(×)とした。なお、経糸毛羽や経糸緩みがひどく、製織が継続できない状態の場合も(×)とした。
(5)通気度(動的通気度):ASTM−D6476に準拠するTEXTEST社製FX3350を用い、充填圧300kPa、充填容量400ccにて測定を実施し、50kPa時の通気度を測定した。
織物の中央部5箇所で測定し、それらの平均値を中央部の通気度とし、両端の耳部より各々20cm内側の2点での測定を5箇所で測定し、それらの平均値を端部の通気度とした。通気度の絶対値については500mm/s以下の場合を良好と判断し、通気度バラツキについては中央部と端部の差が100mm/s以下の場合を良好と判断した。
(6)通気度(静的通気度):東洋精機製作所社製パーミヤメーターを用い、500Pa時の通気度を測定した。
織物の中央部5箇所で測定し、それらの平均値を中央部の通気度とし、両端の耳部より各々20cm内側の2点での測定を5箇所で測定し、それらの平均値を端部の通気度とした。通気度の絶対値については3.0L/dm2/min以下の場合を良好と判断し、通気度バラツキについては中央部と端部の差が1.0L/dm2/min以下の場合を良好と判断した。
(7)糸断面係数:織物を形成する経糸と緯糸の断面について、縦方向の長さ(L1)と横方向の長さ(L2)の比(L1/L2)をあらわしたものである。測定箇所は、幅方向には両端より各々20cm内側で2点、幅中央で1点、幅中央点と各々20cm内側点の中間点での2点、計5箇所の平均値を用いた。なお、5箇所は経糸方向に各々20cm程度の間隔をあけた箇所を選んだ。
(8)織物の剛軟度(A法45°カンチレバー):JIS−L−1096:2010、8.19.1A法45°カンチレバー法に準拠して測定した。
なお、各実施例で得られた高密度織物の評価結果を示した表1中において、「耳部糸の繊度割合%(耳部糸の繊度/地部の経糸繊度)」とは、例えば、地部の経糸繊度が470dtexであって、力糸が67dtexと33dtexの2種類、地絡糸が22dtexを使用した場合(使用本数は関係なし)、「耳部糸の繊度割合%(力糸繊度/地部の経糸繊度)最大」は(67/470)×100=14.3%、「耳部糸の繊度割合%(耳部糸の繊度/地部の経糸繊度)最小」は(22/470)×100=4.7%となることを示している。なお、耳部糸とは、力糸と地絡糸を総称して表現している。
[実施例1]
ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を溶融紡糸、熱延伸して得られた強度8cN/dtexの繊維を織物の経糸および緯糸として用いた。この繊維は、繊度が470dtex、単糸が136本、沸水収縮率が7.0%であり、水浸し法の交絡数は10個/mであった。経糸は、無撚無糊で整経を実施し、経糸本数4382本の経糸ビームを作成した。耳部の力糸本数は、片側4本として両側で8本、力糸の繊度はすべて22dtexとし、地絡糸の繊度も22dtexとした。また、経糸の筬入れ本数(筬羽1羽あたりの経糸本数)は、1本/羽とした。
織機は、ウォータージェット織機を用い、経糸張力は0.32cN/dtexとなるように設定し、織機回転数700rpmで、緯糸は経糸と同じ糸を用いて、製織を実施した。次いで、得られた生機を水洗し、連続して乾燥シリンダーに通し、更に熱カレンダーを施した。熱カレンダー条件は、金属ロール温度160℃、圧力490N/cmで処理した。カレンダーロールは、上部の加熱用の金属ロールが12cm直径であり、下部のロールはペーパー表面を有する24cm直径ロールで、表面速度は上下同速である。
これら方法によって得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。フレア率が0.5%で良好、織物の経糸密度差も1.0本/2.54cmと小さく、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例2]
織機上の経糸張力を0.21cN/dtex、力糸の繊度を33dtexとしたことを除いて実施例1と同様にして生機を得た。製織した生機を、水洗して乾燥シリンダーを通した後、熱カレンダー工程を通さずにヒートセットした以外は、実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。フレア率が0.6で良好、織物の経糸密度差が0.9本/2.54cmと小さく、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例3]
織機上の経糸張力を0.38cN/dtex、力糸の繊度は片側の耳部で中央から端に向かい67dtexを4本、22dtexを4本とし、もう一方の耳部では22dtexを8本としたことを除いて実施例1と同様にして生機を得た。製織した生機を水洗して乾燥シリンダーを通し、織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。フレア率が0.7で良好、織物の経糸密度差が1.0本/2.54cmと小さく、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例4]
経糸本数を4634本とし、力糸の本数を片側につき8本、両側で16本としたことを除いて実施例1と同様にして生機を得た。得られた生機を実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。フレア率が0.5で良好、織物の経糸密度差が1.2本/2.54cmと小さく、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例5]
経糸本数を3938本とし、経糸張力を0.26cN/dtex、力糸の繊度が33dtexで、片側につき8本、両側で16本とし、経糸の筬入れ本数を2本/羽としたことを除いて実施例1と同様に製織して生機を得た。得られた生機は、水洗、乾燥シリンダーで処理を行い、次いでヒートセットによる処理を実施し、織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。フレア率が0.1%、織物の経糸密度差が0.8本/2.54cmと良好、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例6]
力糸の繊度を中央から端に向かい118dtexを片側で2本(両側で4本)、67dtex糸を片側で4本(両側で8本)としたことを除いて実施例4と同様に製織し、得られた生機を実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.5本/2.54cmと小さく、フレア率も1.0で良好、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例7]
経糸の筬入れ本数を2本/羽としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.2本/2.54cmと良好だが、フレア率が1.1であった。50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好であった。耳部の経糸緩みが若干みられたが製織性に問題はなかった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例8]
経糸に繊度235dtex糸を用い、経糸本数を7164本、経糸張力を0.26cN/dtex、経糸の筬入れ本数を2本/羽、力糸は片側で6本、両側で12本としたことを除いて実施例1と同様に製織し、得られた生機を実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が0.7本/2.54cmと小さく、フレア率も0.7で良好、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で、製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例9]
ポリエチレンテレフタレート繊維で、繊度が550dtex、単糸が240本、沸水収縮が2.2%、交絡数が10個/mの繊維を用い、経糸本数4290本の経糸ビームを作成し、ウォータージェット織機を用いて、経糸張力0.32cN/dtex、力糸の繊度を片側で22dtexを4本、両側で8本、地絡糸を22dtexとし、織機回転数600rpmと設定し、緯糸は経糸と同じ繊維を用いて製織を行った。得られた生機を実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が0.5本/2.54cmと小さく、フレア率も1.3で良好、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好で製織性も良好であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[実施例10]
織機上の経糸張力を0.46cN/dtexとしたことを除いて実施例1と同様に製織し、得られた生機を実施例1と同様に処理して織物を得た。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.9本/2.54cmとやや大きい。フレア率は0.9で良好、50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好である。経糸毛羽発生よって、製織性が若干不良であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[比較例1]
織機上の経糸張力を0.16cN/dtexとしたことを除いて、実施例2と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.7本/2.54cmと良好だが、フレア率が1.8と悪い。50kPa時の織物の通気度差が大きかった。経糸緩みの発生によって、製織性が若干不良であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能は不良、バッグ折り畳み性能は良好な結果となった。
[比較例2]
力糸を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.1本/2.54cmと良好だが、フレア率が2.2とよくない。50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差は良好であるが、耳部の経糸緩みの発生によって、製織性が不良であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[比較例3]
力糸に繊度235dtexを片側2本、両側で4本を使用し、織機上の経糸張力を0.26cN/dtexとした以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が0.8本/2.54cmと良好だが、フレア率が2.1とよくない。50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好であるが、耳部緩みによって製織性が不良であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能・バッグ折り畳み性能も良好な結果となった。
[比較例4]
力糸に67dtexを片側に1本、両側で2本を使用し、地絡糸の繊度を56dtexとし、経糸本数3700本とした以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が0.6本/2.54cm、フレア率が1.0と良好であった。製織性も良好な結果となったが、50kPaと500Pa時の織物の通気度が大きく、また、50kPa時の通気度差も大きかった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能は不良、バッグ折り畳み性能は良好な結果となった。
[比較例5]
経糸繊度を490dtexとし、経糸本数4740本を用いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた織物の評価結果は表1に示す通りである。織物の経糸密度差が1.3本/2.54cmと良好で、フレア率も1.5と良好であった。50kPaと500Pa時の織物の通気度および通気度差も良好であった。しかし、耳部緩みがあり、製織性は若干不良であった。なお、得られた高密度織物から作られたエアバッグは内圧保持性能は良好であるが、バッグ折り畳み性能は不良であった。
Figure 2014181430
表1から明らかなように、本発明の織物は幅方向に密度差や通気度差が少ない非常にすぐれた織物特性を示すとともに、製織性も良好であるという特長を有している。
本発明は、高密度織物およびその製織方法に関するものであり、とりわけ、乗り物衝突事故における衝撃吸収で乗員安全を図るエアバッグ用の高密度織物およびその製織方法として好適である。

Claims (11)

  1. 経糸および緯糸が繊度210〜750dtexの合成繊維マルチフィラメント糸からなり、カバーファクターが2000〜2500の範囲の平組織の織物であって、該織物端部の経糸方向のフレア率が0〜1.5であることを特徴とする高密度織物。
  2. 織物の中央部と端部の経糸密度差が2.0本/2.54cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高密度織物。
  3. 織物の耳部は、左右の両耳部それぞれにおいて、地部の経糸繊度の3〜30%の範囲の繊度の糸を、力糸として2〜24本用い、地絡糸として4本用いることを特徴とする請求項1または2に記載の高密度織物。
  4. 織物の幅が2.0m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高密度織物。
  5. 織物を構成する経糸および緯糸の糸断面係数が1.5〜4.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高密度織物。
  6. 経糸および緯糸がポリアミド系連続繊維およびポリエステル系連続繊維から選ばれた少なくとも一種の繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高密度織物。
  7. ポリアミド系連続繊維およびポリエステル系連続繊維がポリアミド6連続繊維、ポリアミド66連続繊維、ポリアミド46連続繊維、ポリエチレンテレフタレート連続繊維、ポリブチレンテレフタレート連続繊維、ポリトリメチレンテレフタレート連続繊維、ポリエチレンナフタレート連続繊維から選ばれた少なくとも一種の繊維であることを特徴とする請求項6に記載の高密度織物。
  8. 製織工程における経糸張力が0.20cN/dtex〜0.45cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の高密度織物の製造方法。
  9. 製織工程における経糸の筬入れ本数が1本/羽であることを特徴とする請求項8に記載の高密度織物の製造方法。
  10. 製織工程が少なくとも下記(イ)および(ロ)の条件を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の高密度織物の製造方法。
    (イ)緯糸が1色用または2色用のウォータージェットルームを使用する。
    (ロ)織機回転数が500rpm以上で製織する。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の高密度織物を少なくとも一部に用いたエアバッグ。
JP2013058097A 2013-03-21 2013-03-21 高密度織物 Pending JP2014181430A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013058097A JP2014181430A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 高密度織物
CN201410108888.0A CN104060366B (zh) 2013-03-21 2014-03-21 高密度织物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013058097A JP2014181430A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 高密度織物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014181430A true JP2014181430A (ja) 2014-09-29

Family

ID=51548285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013058097A Pending JP2014181430A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 高密度織物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2014181430A (ja)
CN (1) CN104060366B (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129684A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 東レ株式会社 織物およびエアバッグ
WO2017057300A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 セーレン株式会社 エアバッグ用織物およびエアバッグ
CN106835442A (zh) * 2017-01-20 2017-06-13 利郎(中国)有限公司 一种羽绒服用防绒胆布的生产工艺
JP2017519125A (ja) * 2014-06-24 2017-07-13 コーロン インダストリーズ インク エアバッグ用ポリエステル布地の製造方法
WO2018088473A1 (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 東レ株式会社 織物、織物の製織用把持棒、織機用全幅テンプル装置、織機、織物の製造方法
WO2019017273A1 (ja) * 2017-07-19 2019-01-24 帝人フロンティア株式会社 エアバッグ用織物
WO2020059443A1 (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 東レ株式会社 エアバッグ用ノンコート基布、エアバッグおよびエアバッグ用ノンコート基布の製造方法
WO2022196251A1 (ja) 2021-03-16 2022-09-22 東レ株式会社 エアバッグ用織物
JP7459948B2 (ja) 2020-08-04 2024-04-02 東洋紡株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105177796A (zh) * 2015-10-20 2015-12-23 东华大学 一种环保安全气囊织物及其制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3514035B2 (ja) * 1996-05-15 2004-03-31 東レ株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ
JPH1076895A (ja) * 1996-09-04 1998-03-24 Teijin Ltd 織物耳部のフラット性の改善されたノンコートエアーバッグ用織物およびその製造方法
JP3724100B2 (ja) * 1997-02-25 2005-12-07 東レ株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ
JP3745627B2 (ja) * 2001-01-16 2006-02-15 東洋紡績株式会社 高密度織物
JP4207637B2 (ja) * 2003-04-10 2009-01-14 東レ株式会社 カーテンエアバッグ用基布およびカーテンエアバッグおよびその製造方法
JP4292978B2 (ja) * 2003-12-17 2009-07-08 東洋紡績株式会社 袋織エアバッグ用基布およびその製造方法、並びに、エアバッグおよびエアバッグ装置
CN101748542B (zh) * 2008-12-18 2013-12-11 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种超细纤维高密度织物及其生产方法
JP4797118B2 (ja) * 2009-11-09 2011-10-19 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用織物およびエアバッグ

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129684A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 東レ株式会社 織物およびエアバッグ
JP2017519125A (ja) * 2014-06-24 2017-07-13 コーロン インダストリーズ インク エアバッグ用ポリエステル布地の製造方法
WO2017057300A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 セーレン株式会社 エアバッグ用織物およびエアバッグ
JPWO2017057300A1 (ja) * 2015-09-30 2018-07-19 セーレン株式会社 エアバッグ用織物およびエアバッグ
US10737656B2 (en) 2015-09-30 2020-08-11 Seiren Co., Ltd. Fabric for air bag and air bag
WO2018088473A1 (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 東レ株式会社 織物、織物の製織用把持棒、織機用全幅テンプル装置、織機、織物の製造方法
CN106835442A (zh) * 2017-01-20 2017-06-13 利郎(中国)有限公司 一种羽绒服用防绒胆布的生产工艺
JPWO2019017273A1 (ja) * 2017-07-19 2020-04-30 帝人フロンティア株式会社 エアバッグ用織物
WO2019017273A1 (ja) * 2017-07-19 2019-01-24 帝人フロンティア株式会社 エアバッグ用織物
JP7021217B2 (ja) 2017-07-19 2022-02-16 帝人フロンティア株式会社 エアバッグ用織物
WO2020059443A1 (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 東レ株式会社 エアバッグ用ノンコート基布、エアバッグおよびエアバッグ用ノンコート基布の製造方法
CN112513353A (zh) * 2018-09-19 2021-03-16 东丽株式会社 安全气囊用非涂层基布、安全气囊和安全气囊用非涂层基布的制造方法
JPWO2020059443A1 (ja) * 2018-09-19 2021-08-30 東レ株式会社 エアバッグ用ノンコート基布、エアバッグおよびエアバッグ用ノンコート基布の製造方法
JP7272270B2 (ja) 2018-09-19 2023-05-12 東レ株式会社 エアバッグ用ノンコート基布、エアバッグおよびエアバッグ用ノンコート基布の製造方法
US11761126B2 (en) 2018-09-19 2023-09-19 Toray Industries, Inc. Non-coated base fabric for airbag, airbag, and manufacturing method of non-coated base fabric for airbag
KR102684174B1 (ko) * 2018-09-19 2024-07-10 도레이 카부시키가이샤 에어백용 논코트 기포, 에어백 및 에어백용 논코트 기포의 제조 방법
JP7459948B2 (ja) 2020-08-04 2024-04-02 東洋紡株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法
WO2022196251A1 (ja) 2021-03-16 2022-09-22 東レ株式会社 エアバッグ用織物

Also Published As

Publication number Publication date
CN104060366A (zh) 2014-09-24
CN104060366B (zh) 2016-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014181430A (ja) 高密度織物
US10259421B2 (en) Method of producing fabric for airbag
US11634841B2 (en) Low permeability and high strength woven fabric and methods of making the same
JP5593010B1 (ja) エアバッグ用織物
JP5241165B2 (ja) エアバッグ用基布の製造方法
EP3418129B1 (en) Bag body
JP4857729B2 (ja) エアバッグ用基布の製造方法
US20020155774A1 (en) High density fabric for air bag and method for manufacturing high density fabric
JP5873268B2 (ja) エアバッグ用高密度織物とその製織方法
JP7188393B2 (ja) エアバッグ基布およびそれを含むエアバッグ
JP4857730B2 (ja) 耐熱性高強力エアバッグ用基布
JP7380549B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法
JP3544179B2 (ja) 高密度織物の製織法
JP2002212856A (ja) 高密度織物
JP2015143407A (ja) 広幅高密度織物ロール
JP3830332B2 (ja) エアバッグ用基布およびエアバッグ
JP4370492B2 (ja) エアージェットルームの製織方法
JP2002220777A (ja) 低通気織物の製造方法
JP2003293240A (ja) エアバッグ用基布