JP2007106669A - 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】VGF法およびVB法により、結晶成長方向の炭素濃度が一定な半絶縁性GaAs単結晶の製造する方法を提供する。
【解決手段】石英アンプル内に、GaAs原料5およびB2O36を入れたるつぼ3と、蒸気圧制御用のAs7と、Ga2O3、As2O3よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物、あるいは、一酸化炭素、二酸化炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物よりなる酸素供給源8を封入し、石英アンプル中のCOガス濃度を制御しながら結晶成長を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】石英アンプル内に、GaAs原料5およびB2O36を入れたるつぼ3と、蒸気圧制御用のAs7と、Ga2O3、As2O3よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物、あるいは、一酸化炭素、二酸化炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物よりなる酸素供給源8を封入し、石英アンプル中のCOガス濃度を制御しながら結晶成長を行なう。
【選択図】図1
Description
本発明は、半絶縁性GaAs単結晶の製造方法に関し、たとえばGaAsの原料融液を冷却して垂直方向に単結晶を成長させる垂直グラジェントフリージング(VGF)法や垂直ブリッジマン(VB)法に適用して有用な技術に関する。
通常、GaAs−FET(Field-Effect Transistor)やGaAs−ICの製作には、半絶縁性GaAs単結晶よりなる基板が用いられる。
GaAsは、1.4eVの禁制帯幅を有し、不純物を全く含んでいなければ真性キャリア濃度が1.8×106cm-3の半絶縁性となる。しかし、そのような不純物を含まない半絶縁性GaAs単結晶を製造するのは極めて困難であり、高純度化しても浅いドナー準位を形成する珪素等のシャロードナーや浅いアクセプター準位を形成する炭素等のシャローアクセプターが不純物としてGaAs単結晶中に残存してしまう。したがって、工業的には、深いアクセプター準位を形成するクロム等のディープアクセプターや深いドナー準位を形成するEL2等のディープドナーによりそれぞれ結晶中のシャロードナーやシャローアクセプターを補償することによって半絶縁性を得るようにしている。
このような半絶縁性のGaAsは、水平ブリッジマン(HB)法や液体封止チョクラルスキー(LEC)法により工業的に製造されている。
LEC法には、高純度化し易く、半絶縁性のGaAs単結晶を安定して得ることができるという長所の他に、大口径で円形のウェハーが得られるという長所がある。しかし、LEC法では結晶育成中の結晶成長方向の温度勾配が大きいため、FETやICを作製した時の電気的な特性劣化を招く原因となる転位の密度が高い他、得られたGaAs結晶は割れやすいという短所がある。
一方、HB法には、結晶育成中の結晶成長方向の温度勾配が小さいため、低転位密度の結晶が得られるという長所がある反面、るつぼ(ボート)内で原料融液を固化させるため大口径化が困難であり、またリネージという転位の集積線が発生しやすく、さらにるつぼ形状に依存した形状(かまぼこ形)のウェハーしか得られないという短所がある。
以上のようなHB法およびLEC法のそれぞれの短所を補い、それぞれの長所を活かした結晶製造方法として、垂直グラジェントフリージング(VGF)法や垂直ブリッジマン(VB)法がある。これらVGF法やVB法によれば、有底円筒形のるつぼの使用により円形のウェハーが得られる、結晶成長方向の温度勾配が小さいため低転位密度化が容易である、さらに液体封止剤(B2O3)を使用すれば、石英アンプルからの珪素の混入を防いでアンドープの半絶縁性GaAs単結晶を成長させることができる、という利点が得られる。
VGF法によるGaAs単結晶の育成方法には、るつぼに入れた原料および添加物を加熱して石英アンプル中で溶解し、それを所定の温度勾配下で徐々に冷却して結晶を育成する方法と、石英アンプルのリザーバ部にAsを入れてAs圧の制御を行ないながら上記方法と同様にして結晶育成を行なう方法と、さらにB2O3で原料融液の表面を封止しながら上記2つの方法と同様にして結晶育成を行なう方法とがある。
B2O3で封止しながらLEC法により結晶育成を行なう方法では、B2O3やその中の水分から酸素が遊離し、その酸素と育成炉中のグラファイトとが反応してCO(一酸化炭素)ガスが生成され、そのCOガスがB2O3中に溶解し、原料融液中のGaやH2Oとのバランスにより還元されC(炭素)となって原料融液中に混入する、との報告がされている(非特許文献1参照)。
6th Conf. on Semi-insulating III-V Materials, Toronto(1990)211-218, Journal of Crystal Growth 134(1993)97-104
6th Conf. on Semi-insulating III-V Materials, Toronto(1990)211-218, Journal of Crystal Growth 134(1993)97-104
本来、炭素の偏析係数が1.4であるため、育成結晶中の炭素濃度は減少する傾向にあるが、B2O3で原料融液の表面を封止しながらVGF法やVB法により石英アンプル中で結晶育成を行なった場合には、融液中の炭素は前記のようにB2O3中の水分と反応しCOガスとなるので炭素濃度はB2O3中の水分濃度に大きく依存する。結晶育成が進むに連れてB2O3中の水分の量が次第に減少していくので、実際には、得られた結晶の種結晶側から単結晶の尾部にかけて炭素濃度が増加する傾向にある。したがって、結晶の全域にわたって炭素濃度を一定に制御することは非常に困難であり、得られた結晶は、その全域にわたって抵抗率が一定にならず、FETやIC作製用の基板として用いることはできないという問題点があった。また、B2O3中から発生した水分が、アンプル内の炭素と反応しCOガスを発生させるが、その蒸発量はB2O3中の水分含有量や温度に依存するので常に一定のCO圧とするのは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、VGF法およびVB法により、結晶成長方向の炭素濃度が一定な半絶縁性GaAs単結晶を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、石英アンプル中に、Ga2O3、As2O3や一酸化炭素、二酸化炭素などの酸素化合物よりなる酸素供給源を入れ、それによって結晶育成中に、石英アンプル中のCO圧を制御することを考えた。
本発明は、上記着眼に基づきなされたもので、気密容器内に、少なくともGaAs原料を入れたるつぼと、酸素化合物よりなる酸素供給源とを封入した後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の温度勾配下で徐々に冷却して固化させることによりGaAs単結晶を成長させるようにしたものである。
この発明において、前記るつぼ内に、GaAs原料とともにB2O3等の封止剤を入れるようにしてもよい。
また、前記酸素化合物は、加熱により前記気密容器内の炭素含有物質と反応してCO圧を発生するに十分な酸素を解離することができる酸素化合物であり、Ga2O3、As2O3よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物、あるいは一酸化炭素、二酸化炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物であってもよい。
上記発明によれば、結晶育成中、石英アンプル中のCOガス濃度が一定に制御される。また、B2O3を用いることにより、育成結晶中に双晶が発生したり、育成結晶が多結晶化したりするのを防ぐことができるので、単結晶化率が低下するのを防ぐことができる。
本発明によれば、気密容器内に、少なくともGaAs原料を入れたるつぼと、酸素化合物よりなる酸素供給源とを封入した後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の温度勾配下で徐々に冷却して固化させることによりGaAs単結晶を成長させるようにしたため、結晶育成中の気密容器内のCOガス濃度を制御することができるので、育成結晶中の炭素濃度を制御しながら結晶育成を行なうことができ、炭素濃度の均一な半絶縁性GaAs単結晶を高歩留まりで得ることができる。
まず、本発明者らは、B2O3で封止しながら結晶育成を行なう場合、酸素と炭素とから生成されたCOガスがB2O3中に溶解し、それが還元されてCが原料融液中に混入するとの上記報告に基づき、熱力学的な計算を行なった。その計算内容について説明する。
原料のチャージ時は、系内には、酸素供給源であるたとえばAs2O3(固体)、H2Oを含んだB2O3(固体)、GaAs(固体)、As(固体)、C(固体)以外はないと考える。系内の昇温によって、反応
As2O3→1/2As4O6→2AsO+1/2O2
が進行する。発生したAs4O6やAsOやO2は炭素と反応し、COガスまたはCO2ガスを発生するが、GaAsの融点(1238℃)では殆どがCOガスであると考えてよいので、
As4O6+6C→2As2+6CO
AsO+C→1/2As2+CO
O2+C→2CO
となる。
As2O3→1/2As4O6→2AsO+1/2O2
が進行する。発生したAs4O6やAsOやO2は炭素と反応し、COガスまたはCO2ガスを発生するが、GaAsの融点(1238℃)では殆どがCOガスであると考えてよいので、
As4O6+6C→2As2+6CO
AsO+C→1/2As2+CO
O2+C→2CO
となる。
ここで、B2O3中から蒸発したH2Oが、炭素と反応しCOガスを発生することが考えられるが、H2Oの蒸発は徐々に生じるので、B2O3中から蒸発したH2Oと炭素により発生したCOガスの圧力は、As2O3により発生したCOガスよりも小さい圧力と考えられる。したがって、GaAsが融解した時点での初期のCO圧はAs2O3量に依存すると考えられるが、以下の計算によって、As2O3により発生するCOガスとB2O3中のH2Oの蒸発によって発生するCOガスとの関係を求めた。
次の(1)式の反応において、B2O3から蒸発するH2Oの量をxモル、酸素供給源であるAs2O3等により生成されるCOの量をyモル、H2OとCの反応によって生成されるH2およびCOの量をそれぞれxαモルとする。なお、αは、平衡時のH2Oのモル数を初期のH2Oのモル数で割った値である。
H2O、H2およびCOのそれぞれについて、初期および平衡時のモル数は表1のようになる。
H2O、H2およびCOのそれぞれについて、平衡状態における分圧PH2O、PH2およびPCOは、全圧をPとすると、次の(2)式で表される。
平衡定数をKとすると、平衡時には次の(3)式が成立する。
したがって、(3)式に(2)式を代入すると、次の(4)式が得られる。
気体の状態方程式より、全圧Pは次の(5)式より求められる。
(4)式に(5)式を代入すると、次の(6)式のようにαの2次式が得られる。
(6)式をαについて解くと、次の(7)式が得られる。
ここで、温度Tを1500K(ケルビン)、容積Vを1リットル、平衡定数を612、B2O3を40g、B2O3中のH2O量を90ppmとし、B2O3からH2Oが全量蒸発すると、0.0002モルのH2Oが蒸発することになる。これらの数値と上記(7)式に基づき、初期のCO圧値をパラメータとして、B2O3中のH2Oの蒸発量とH2O圧、H2圧およびCO圧との関係を求めた。その結果をそれぞれ図2、図3および図4に示す。
図4より、B2O3中の水分の蒸発量によらず、石英アンプル内のCO圧を略一定に制御することができることがわかる。そして、そのCO圧の値は、CO圧の初期値に依存していることがわかる。つまり、CO圧の初期値は、酸素供給源であるAs2O3等のチャージ量によって決まり、初期のCO圧が育成中も維持される。したがって、結晶成長方向の炭素濃度が一定な半絶縁性GaAs単結晶を得ることができる。
次に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1には、本発明をVGF法に適用した際に使用される結晶成長炉の概略が示されている。
本発明に係る単結晶製造方法では、図1に示すように、結晶育成部1a、蒸気圧制御部(砒素だめ)1b、酸素供給源設置部1cおよび封止用キャップ1dからなる気密容器(石英アンプル)1を使用し、該気密容器1内でGaAs単結晶の育成を行なう。
使用する縦型加熱炉のヒータ2は、少なくとも結晶育成部加熱用ヒータ2a、種結晶部加熱用ヒータ2bおよび蒸気圧制御部加熱用ヒータ2dを有する円筒状の多段構成のものである。図1に示す炉では、酸素供給源設置部加熱用ヒータ2cが設けられており、酸素供給源設置部1cの温度を独立して制御することができるようになっている。
結晶育成を行なうにあたっては、まず、るつぼ3の種結晶設置部3a内に種結晶4を入れ、るつぼ3内にGaAs原料5と封止剤(B2O3)6を入れる。また、気密容器1の蒸気圧制御部1b内に蒸気圧制御用の砒素7を入れるとともに、酸素供給源設置部1cに酸素化合物(As2O3等)よりなる酸素供給源8を置く。さらに、気密容器1の結晶育成部1a内のたとえばグラファイト製のサセプタ9上にるつぼ3を設置し、気密容器1内を真空排気してキャップ1dにより封止する。
その気密容器1を縦型加熱炉の所定位置に設置し、ヒータ2により加熱して原料5および封止剤6を融解させる。各ヒータ2a,2b,2c,2dの出力を調整して、種結晶4側から原料融液5の上方に向かって徐々に高温となるような所定の温度勾配を維持しつつ徐々に原料融液5を下部から融点以下の温度に冷却することにより単結晶10を上方に向かって成長させる。その際、蒸気圧制御部加熱用ヒータ2dの出力調整によりAsの蒸気圧制御を行なう。
上記実施形態によれば、気密容器1内に、GaAs原料5およびB2O36を入れたるつぼ並びに蒸気圧制御用のAsとともに、As2O3等の酸素供給源8を封入することにより、気密容器1中のCOガス濃度を制御しながら結晶成長を行なうようにしたので、育成結晶中の炭素濃度を制御しながら結晶育成を行なうことができ、炭素濃度の均一な半絶縁性GaAs単結晶が高歩留まりで得られる。
なお、酸素供給源は、加熱により前記気密容器内の炭素含有物質(たとえばグラファイト製のサセプタ9)と反応して、GaAs単結晶中の目標C濃度を達成できるCO圧を発生するに十分な酸素を解離することができる酸素化合物であり、As2O3に限らず、Ga2O3、As2O3よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物、あるいは一酸化炭素、二酸化炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物であってもよい。すなわち、容易に酸素を解離し易く、かつ育成結晶に混入してもGaAs単結晶の結晶性および電気的な特性に悪影響を及ぼさないような材料であれば、いかなるものでもよい。特に、GaAsの構成元素であるGa2O3、As2O3が好ましい。
上記実施の形態においては本発明をVGF法に適用した場合について説明したが、本発明はVB法にも適用可能である。
(実施例)
直径約3インチで厚さ3mmのpBN製るつぼの種結晶設置部に種結晶を入れ、さらにるつぼ内に約3kgのGaAs多結晶と40gのB2O3(含有水分量:90ppm)を入れた。続いて、石英アンプルの蒸気圧制御部に2gのAsを入れるとともに、酸素供給源設置部にAs2O3を28.2gチャージした。そして、原料および封止剤を入れたるつぼを石英アンプル内のサセプタ上に設置した後、石英アンプルをキャップにより真空封止した。その真空封止した気密容器を4段ヒータ構成の縦型加熱炉内に設置した。なお、酸素供給源設置部を特別に設けずに、As2O3をるつぼの傍に置いてもよい。また、高圧炉を用いる場合は、原料としてGaAs多結晶を用いるかわりに、るつぼにGaとAsを入れてそれらを直接合成させるようにしてもよい。
直径約3インチで厚さ3mmのpBN製るつぼの種結晶設置部に種結晶を入れ、さらにるつぼ内に約3kgのGaAs多結晶と40gのB2O3(含有水分量:90ppm)を入れた。続いて、石英アンプルの蒸気圧制御部に2gのAsを入れるとともに、酸素供給源設置部にAs2O3を28.2gチャージした。そして、原料および封止剤を入れたるつぼを石英アンプル内のサセプタ上に設置した後、石英アンプルをキャップにより真空封止した。その真空封止した気密容器を4段ヒータ構成の縦型加熱炉内に設置した。なお、酸素供給源設置部を特別に設けずに、As2O3をるつぼの傍に置いてもよい。また、高圧炉を用いる場合は、原料としてGaAs多結晶を用いるかわりに、るつぼにGaとAsを入れてそれらを直接合成させるようにしてもよい。
結晶育成部加熱用ヒータおよび種結晶部加熱用ヒータにより、種結晶の上端と原料が1238℃〜1255℃の温度となるようにるつぼを加熱して原料および封止剤を融解させるとともに、蒸気圧制御部加熱用ヒータにより蒸気圧制御部を605℃となるように加熱した。
この状態で、結晶の育成速度が毎時2mmとなるように加熱炉の設定温度を連続的に下げて結晶の育成を開始した。結晶育成中、蒸気圧制御部の温度が一定になるように保持するようにヒータの出力を制御した。
結晶育成開始から約30時間経過した時点で原料融液はすべて固化した。その後、加熱炉全体を毎時100℃の降温速度で冷却し、室温近くまで冷えた時点で加熱炉内から気密容器を取り出し、その気密容器を壊して結晶を取り出した。
得られた結晶は直径約3インチで全長約12cmのGaAs単結晶であり、その結晶性を調べたところ双晶や多結晶は全く発生していなかった。この単結晶インゴットを切断して転位密度を調べたところ、結晶のどの領域においても転位密度は2000cm-2以下であった。また、得られた結晶の炭素濃度は結晶全域で約1×1016cm-3であった。さらに、抵抗率は3.2×108Ωcm〜4.0×108Ωcmであった。
上記実施例と同一の条件でGaAsの単結晶成長を10回行なったところ、10回とも炭素濃度が略(1±0.1)×1016cm-3であり、抵抗率が3.0×108Ωcm〜4.0×108ΩcmのGaAs単結晶が得られた。
(比較例1)
気密容器内にAs2O3をチャージしない以外は、上記実施例と同じ条件でGaAs単結晶の育成を行なった。
気密容器内にAs2O3をチャージしない以外は、上記実施例と同じ条件でGaAs単結晶の育成を行なった。
得られた結晶は直径約3インチで全長約12cmのGaAs単結晶であり、その結晶性を調べたところ双晶や多結晶は全く発生していなかった。この単結晶インゴットを切断して転位密度を調べたところ、結晶のどの領域においても転位密度は、2000cm-3以下であった。また、得られた結晶の炭素濃度は結晶全域で約0.5×1016cm-3〜1.5×1016cm-3であった。さらに、抵抗率は1.0×108Ωcm〜5.0×108Ωcmであった。
この比較例1と同一の条件でGaAsの単結晶成長を10回行なったところ、10回とも炭素濃度が約0.5×1016cm-3〜1.5×1016cm-3であり、抵抗率が1.0×108Ωcm〜5.0×108ΩcmのGaAs単結晶が得られた。
本発明は、たとえばGaAsの原料融液を冷却して垂直方向に単結晶を成長させる垂直グラジェントフリージング(VGF)法や垂直ブリッジマン(VB)法に特に有利に適用され得る。
1 気密容器、1c 酸素供給源設置部、2 ヒータ、3 るつぼ、5 GaAs原料、6 B2O3(封止剤)、8 As2O3(酸素供給源)、10 GaAs単結晶。
Claims (14)
- 気密容器内に、少なくともGaAs原料を入れたるつぼと、酸素化合物よりなる酸素供給源とを封入した後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の温度勾配下で徐々に冷却して固化させることによりGaAs単結晶を成長させることを特徴とする半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記るつぼ内に、GaAs原料とともに封止剤を入れることを特徴とする請求項1記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記封止剤は、B2O3であることを特徴とする請求項2記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記酸素化合物は、加熱により前記気密容器内の炭素含有物質と反応してCO圧を発生するに十分な酸素を解離することができる酸素化合物であることを特徴とする請求項1、2または3記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記酸素化合物は、Ga2O3、As2O3よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記酸素化合物は、二酸化炭素、一酸化炭素よりなる群から選ばれた1または2以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 炭素含有物質を前記気密容器の下方領域に設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記炭素含有物質を、前記GaAs原料を収容した前記るつぼと前記気密容器との間に設置することを特徴とする請求項7記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記炭素含有物質がグラファイトであることを特徴とする請求項7または8記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 気密容器内に、少なくともGaAs原料を入れたるつぼと、前記気密容器の下方領域に設置した炭素含有物質とを封入した後、その気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料をヒータにより加熱融解し、原料融液を所定の温度勾配下で徐々に冷却して固化させることによりGaAs単結晶を成長させることを特徴とする半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記るつぼ内に、GaAs原料とともに封止剤を入れることを特徴とする請求項10記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記封止剤は、B2O3であることを特徴とする請求項11記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記炭素含有物質を、前記GaAs原料を収容した前記るつぼと前記気密容器との間に設置することを特徴とする請求項10〜12のいずれか記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
- 前記炭素含有物質がグラファイトであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか記載の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法。
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