JP2006521451A - 電子供与体としてシクロアルカンジカルボキシレートを含むオレフィン重合触媒 - Google Patents

電子供与体としてシクロアルカンジカルボキシレートを含むオレフィン重合触媒 Download PDF

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Abstract

マグネシウム、チタンおよびハロゲンを含有する固体炭化水素不溶性触媒成分と、置換ヒドロカルビル4〜8員シクロアルカンジカルボキシレート(置換基はシクロアルカン上に位置づけられてジカルボキシレート基を隣接する配位位置に置き、置換基は1〜20個の炭素原子を含み、シクロアルカン構造に結合されてビシクロ構造を形成してもよい)を含む内部もしくは外部電子供与体を含むオレフィン類重合に有用な触媒系。

Description

本発明は、プロピレン重合触媒に有用な成分に関し、特にマグネシウム含有担持チタン含有触媒成分との組み合わせで有用な電子供与体成分に関する。
固体遷移金属系オレフィン重合触媒成分の使用は、広範囲に記載されているマグネシウム含有ハロゲン化チタン系触媒成分などの金属酸化物、金属ハロゲン化物その他の塩に担持されたこのような固体成分を含む分野で周知である。このような触媒成分は「担持された」と呼ばれる。多くの重合および共重合プロセスおよび触媒系がα−オレフィン類を重合又は共重合するために記載されているが、結果的に得られるポリマー又はコポリマー生成物の特定の性質を得るためにプロセスおよび触媒系を誂えることが有利である。例えば、ある種の用途においては、良好なモルホルジー(morphology)、所望の粒径分布、許容可能な嵩密度、分子量分布などのポリマー特性と共に高活性、立体特異性の組み合わせが要求される。
典型的には、プロピレンおよび高級α−オレフィン類を重合するため並びにプロピレンおよび高級オレフィン類を少量のエチレンおよび他のα−オレフィン類と共に重合するために有用な担持触媒成分は、内部改質剤としての電子供与体成分を含有する。このような内部改質剤は、固体担持成分の一体的部分であり、アルミニウムアルキル成分と共に触媒系を含む外部電子供与体成分とは区別される。典型的には、外部改質剤およびアルミニウムアルキルは、オレフィンモノマーと接触する直前に固体担持成分と一緒に組み合わされる。
内部改質剤の選択は、触媒性能および触媒系から形成された結果物たるポリマーに影響を与え得る。上述のように、担持触媒に組み込まれた場合に、重合プロセスおよび製造されたポリマーに所望の効果を与える改質剤の組み合わせを含む内部改質剤を開示することが、当該分野に有利であり進歩である。
一般に、有機物電子供与体は、酸素、窒素、硫黄および/又はリンを含有する有機化合物を含む立体特異的な担持触媒成分の調製に有用であるとして記載されている。このような化合物は、有機酸、無水有機酸、有機酸エステル、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、アミン、アミン酸化物、アミド、チオール、種々のリン酸エステルおよびアミドなどを含む。有機物電子供与体の混合物は担持触媒成分に組み込まれる際に有用であると記載されている。有機物電子供与体の例としては、アルキルフタレートおよびコハク酸エステルなどのジカルボキシエステルを挙げることができる。
置換コハク酸エステルおよびシクロヘキサンジカルボキシレート電子供与体の例が米国特許4,442,276号明細書および4,952,649号明細書、欧州特許出願公開86,288号公報および国際特許出願公開WO 00/63261号パンフレット(すべて本願に参照として組み込まれる)に記載されている。
改良された担持マグネシウム含有チタン含有電子供与体含有オレフィン重合もしくは共重合触媒を製造するために、多数の個々の複数又は単独のプロセス工程が開示されている。例えば、Arzoumanidisらの米国特許4,866,022号明細書(本願に参照として組み込まれる)は、結果として得られる触媒もしくは触媒成分が非常に良好なモルホルジー(morphology)と共に非常に優れた高活性および立体特異性を有するように特定の個々のプロセス工程の特定のシーケンスを含む有利なα−オレフィン重合もしくは共重合触媒もしくは触媒成分を形成する方法を開示する。優れた活性、立体特異性およびモルホルジー(morphology)特性を具備する固体炭化水素不溶性α−オレフィン重合もしくは共重合触媒もしくは触媒成分は、1)マグネシウムヒドロカルビルカーボネート又はマグネシウムカルボキシレートからマグネシウム含有種の溶液を形成し;2)このようなマグネシウム含有溶液から遷移金属ハロゲン化物およびオルガノシランで処理することにより固体粒子を沈殿させ;3)このような固体粒子を環状エーテルを含有する混合物から再沈殿させ;4)再沈殿した粒子を遷移金属化合物および電子供与体で処理することにより形成された生成物を含むものとして開示されている。
Arzoumanidisらの米国特許4,540,679号明細書(本願に参照として組み込まれる)は、アルコール中マグネシウムアルコレートの懸濁液を二酸化炭素と反応させ、マグネシウムヒドロカルビルカーボネートを遷移金属成分と反応させることによるマグネシウムヒドロカルビルカーボネートの調製プロセスを開示する。
Arzoumanidisらの米国特許4,612,299号明細書(本願に参照として組み込まれる)は、ヒドロカルビルマグネシウム化合物溶液を二酸化炭素と反応させてマグネシウムカルボキシレートを沈殿させ、マグネシウムカルボキシレートを遷移金属成分と反応させることによるマグネシウムカルボキシレートの調製プロセスを開示する。
プロピレンポリマーの特定の使用は、分子量、粘度、剛性、曲げ率および多分散性指数(分子量分布(Mw/Mn))などのポリマーの物理的性質に依存する。加えて、ポリマーもしくはコポリマーのモルホルジー(morphology)がしばしば重要であり、典型的には触媒モルホルジー(morphology)に依存する。良好なポリマーモルホルジー(morphology)は一般に、粒径および形状の均一性、耐摩耗性および許容可能な高い嵩密度を含む。非常に小さな粒子(微粒子)の最小化は、移動ライン又は再循環ラインの閉塞を避けるために、特に気相重合もしくは共重合において、典型的には重要である。ある種の用途に特に有利なポリマーは、広い多分散性指数、好ましくは約5よりも大きく、より好ましくは約6よりも大きく、約7より大きくてもよい多分散性指数を有し、一方、許容可能な曲げ率、好ましくは約1800MPaよりも大きく、より好ましくは約2000MPaよりも大きく、2400MPaよりも大きくてもよい曲げ率を維持する。
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを含むオレフィン類重合に有用な固体炭化水素不溶性触媒成分は、置換ヒドロカルビル4〜8員シクロアルカンジカルボキシレートを含む内部電子供与体をさらに含有する。ここで、置換基はシクロアルカンに位置づけられていてジカルボキシレート基を立体配座的に近い位置に置き、置換基は1〜20個の炭素原子を含み、シクロアルカン構造に結合されてビシクロ構造を形成し得る。
実施形態
本発明の担持触媒成分は、置換ヒドロカルビル4〜8員シクロアルカンジカルボキシレートを含む少なくとも1の内部電子供与体を含有する。ここで、置換基はシクロアルカンに位置づけられていてジカルボキシレート基を立体配座的に近い位置に置き、置換基は1〜20個の炭素原子を含み、シクロアルカン構造と結合してビシクロ構造を形成し得る。
典型的な本発明の電子供与体化合物は、置換シクロアルカンジカルボン酸のアルキルエステルであり、アルキルは1〜約20個の炭素原子を含む。このようなアルキルは、典型的には少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個の炭素原子を含む。適切なアルキルは、さらに12個以下、典型的には8個以下の炭素原子を含み得る。他の適切なアルキルは、4〜6個の炭素原子を含む。本発明に有用なアルキルエステルの典型例としては、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2-エチルヘキシルおよびオクチルのエステルを挙げることができる。特に適切なアルキルはイソプロピル、n-ブチルおよびs-ブチルである。
典型的には、本発明のアルキルジカルボン酸エステルを形成するアルキル基は同じであるが、本発明は異なるアルキル基を有するアルキルジカルボン酸エステルを含む。
本発明のアルキルジカルボン酸エステルにおいて、カルボキシレート基は立体配座的に近い位置に置かれる。好ましくは、このようなカルボキシレート基は、隣接する炭素原子に付いてアルキルシクロアルカン 1,2 ジカルボキシレートを形成する。本発明の別の側面において、このようなカルボキシレート基は、カルボキシレート基が隣接する炭素原子上にはないシクロアルカン 1,3 ジカルボキシレートなどを形成してもよい。いかなる場合にも、シクロアルカンの配座構造は、カルボキシレート基が立体配座的に近い位置に置かれるように置換基(又はビシクロ構造の場合には化学結合)によって制約される。特定の配座が好ましいなどの結合回転変化又は環配座変化が限定される場合に構造は制約される。
環配座変化を制約するに十分に嵩高い置換基は、典型的には少なくとも3個の炭素原子を含むが、窒素、硫黄、ケイ素などの親和性ヘテロ原子を含む基は少なくとも1個の炭素原子を含み得る。典型的にはこのような嵩高い置換基は20個以下の炭素原子を含み、12個以下の炭素原子を含み得る。典型的には、適切な嵩高い置換基は、イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、s-ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、2-エチルヘキシルなどである。本発明の化合物はこのような嵩高い置換基の1個以上を含み得る。多数の嵩高い基は、制約された配座構造を作る置換基であってもよい。
本発明に用いられるアルキル基もまた、ケイ素およびハロゲンを含むヘテロ原子を含有する親和性基で置換されていてもよい。
これらの化合物の典型例は、置換シクロヘキサン:
Figure 2006521451
(式中、1個のXおよび1個のYはカルボキシレート(C02R)基である、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され;R1〜R8はカルボキシレート基を近接位置に置く環配座を形成するため嵩高いか又は嵩高くないアルキル基もしくは置換アルキル基から選択され;残りのXおよびY基は水素およびメチルから選択され、ただしR1〜R8基の2つは結合してビシクロ構造を形成し得る)
により表される。
好ましくは、非ビシクロ構造にとって、カルボキシレート基はトランスであり、R1およびR4は嵩高い基から選択される。好ましくは、嵩高くない基は水素である。
カルボキシル基の配座を示すこれらの置換シクロヘキサンの他の代表例は、
Figure 2006521451
(式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され、R1およびR4の少なくとも一方はカルボキシル基を立体配座的に近い位置に置くに十分嵩高い基から選択され、R2およびR4は水素およびメチルから選択される)
である。このような環構造の残りの置換基は、通常は水素であるが、所望の環配座を作る他の親和性基でもよい。
Figure 2006521451
(式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され、R1、R3およびR6の少なくとも1つはカルボキシル基を立体配座的に近い位置に置くために十分嵩高い基から選択され、R2、R4およびR5は水素およびメチルから選択される)
このような環構造の残りの置換基は、通常は水素であるが、所望の環配座を形成する他の親和性基であってもよい。
本発明のビシクロ化合物の代表例は以下のとおりである。
Figure 2006521451
本発明のシクロペンタンの代表例は:
Figure 2006521451
(式中、R1およびR2はカルボキシレート基を立体配座的に近い位置に置くように選択される)である。
本発明の一側面において、カルボキシレート基は、少なくとも2個のカルボキシレート基が立体配座的に近い位置、すなわちシクロアルキル環構造の好ましい配座にあるようにシクロアルキル構造上に位置づけられ、カルボキシレート基は基間のファンデルワールス(Van der Waals)斥力を受けるために十分近いが離間されるであろう。このような斥力は、典型的には、環配座がその他の点では制約されていなかったならば、環を別の好ましい配座に置くために十分である。
本発明の別の側面において、カルボキシレート基は、対応するフタレートカルボキシレート基と少なくとも同じくらい近接した状態で離間される。
立体配座的に近いカルボキシレート基の一例は、トランス-ジ-n-ブチル-4,5-ジ-イソプロピルシクロヘキサン トランス-ジカルボキシレートおよびトランス-ジイソプロピル 4,5-ジ-t-ブチルシクロヘキサン トランス-ジカルボキシレートである:
Figure 2006521451
これらの構造において、空間的に嵩高いターシャリー-ブチル基およびイソプロピル基がシクロヘキサン環上のトランス立体配置にあり、環反転を阻止し、嵩高い基がシクロヘキサン環上のエクアトリアル位にある好ましい配座を形成する。結果として、カルボキシレート基はエクアトリアル位に置かれるが、これは立体配座的に近い位置にある。
以下、記載されている供与体を調製するために用いることができる一般的な方法をまとめる。第1の方法は、適当な置換芳香族二価酸の水素化、続いてエステル化を必要とする。第2の方法は、最初に、置換シクロヘキセン構造を形成するための置換ジエンおよび無水マレイン酸のディールスアルダー(Diels-Alder)反応を用いる。水素化およびエステル化の後、置換環状ジエステルが形成される。二環式化合物は、二環式構造を形成するための無水マレイン酸および環状ジエンのディールスアルダー(Diels-Alder)反応を用いる第3のルートにより形成することができる。水素化およびエステル化は二環式ジエステルを得る。これらの反応は当該分野で公知である。
Figure 2006521451
上述の例を調製するために用いるルートは以下のとおりである:
無水シクロヘキサンを、エタノールおよびp-トルエンスルホン酸触媒でエステル化して、シス-ジエステルを得て、上記に概略を記載した手順に従って、触媒を調製するための内部供与体として用いた。シス-ジエステルは、ナトリウムエトキシドおよびエタノールで、より熱力学的に安定なトランス異性体にエピマー化されてもよく、触媒は上述のように調製されてもよい。
Figure 2006521451
同様のルートにおいて、メチル-シクロヘキサン無水物もまた下記のようにエステル化された。生成物は、異性体の混合物であったが、主としてシス縮合生成物の組み合わせであると考えられる。この物質もまた触媒調製に直接用いられた。これもまたエピマー化されてもよく、続いて触媒調製に用いられてもよい。
Figure 2006521451
二環式物質は、購入した無水物(n = 1および2)の二重結合を最初に還元することにより調製されてもよい。エステル化の後、シス縮合物は再び維持されるように見え、触媒はビシクロ[2.2.1]系から調製されたが、触媒はビシクロ[2.2.2]系から調製されてもよい。ビシクロ[2.2.2]系は、進行の前に、初期二重結合を完全に還元するために、再び水素で処理されることが必要であろう。いずれの物質もまた、触媒調製に用いられると予測されたより安定なトランス異性体にまでエピマー化され得るであろう。
Figure 2006521451
本発明に有用な高活性担持(HAC)チタン含有成分は、一般に電子供与体化合物との組み合わせにて炭化水素不溶性マグネシウム含有化合物上に担持される。このような担持チタン含有オレフィン重合触媒成分は、典型的にはチタン(IV)ハライド、有機物電子供与体化合物およびマグネシウム含有化合物を反応させることにより形成される。場合によっては、このような担持チタン含有反応生成物は、追加の電子供与体又はルイス酸(Lewis acid)種によるさらなる化学処理によって、さらに処理もしくは改質されてもよい。
適切なマグネシウム含有化合物は、マグネシウムハライド;塩化マグネシウムもしくは臭化マグネシウム等のマグネシウムハライドとアルコール又は有機酸エステルなどの有機化合物又はI〜III族金属の有機金属化合物との反応生成物;マグネシウムアルコレート類;又はマグネシウムアルキル類を含む。
担持触媒の例は、塩化マグネシウム、アルコキシマグネシウムクロライド又はアリールオキシマグネシウムクロライドをチタンテトラクロライドなどのチタンハライドと反応させ、さらに電子供与体化合物の組み込みにより調製される。好ましい調製において、マグネシウム含有化合物は炭化水素などの親和性液体媒体中に溶解するか又はスラリー状態となり、適切な触媒成分粒子を生成する。
上記に列挙した可能性のある固体触媒成分は、本発明に有用な多くの可能性のある固体マグネシウム含有チタンハライド系炭化水素不溶性触媒成分の例示に過ぎず、当該分野で知られている。本発明は特定の担持触媒成分に限定されない。
本発明の典型的な担持触媒において、チタンとマグネシウムの原子比は約0.5:1よりも大きく、約20:1までの範囲であってもよい。触媒成分性能に不利な影響を与えずに、より多量のチタンを用いることができるが、典型的にはチタンとマグネシウムの比が約 20:1を超える必要はない。より好ましくは、チタン:マグネシウムの比は、約2:1〜約15:1の範囲である。内部電子供与体成分は、典型的にはチタン化合物中チタンのグラム原子あたり約1モル以下の範囲の総量で、好ましくはチタン化合物中チタンのグラム原子あたり約0.001〜約0.6モルの総量で固体担持触媒成分に組み込まれる。内部供与体の典型量は、チタンのグラム原子あたり少なくとも0.01モルであり、好ましくはチタンのグラム原子あたり約0.05モルよりも大きく、典型的にはチタンのグラム原子あたり約0.1モルよりも大きい。さらに、典型的には、内部供与体の量は、チタンのグラム原子あたり1モル未満であり、好ましくはチタンのグラム原子あたり約0.5モル以下であり、より好ましくはチタンのグラム原子あたり約0.3モル以下である。
本発明の内部電子供与体物質は、固体担持触媒成分の形成中に固体担持触媒成分に組み込まれる。典型的には、このような電子供与体物質は、チタン(IV)化合物による固体マグネシウム含有物質の処理中に又は別個の工程で添加される。最も典型的には、チタンテトラクロライドおよび内部電子供与体改質剤物質の溶液がマグネシウム含有物質と接触する。このようなマグネシウム含有物質は、典型的には離散粒子形態にあり、遷移金属および有機化合物などの他の物質を含んでいてもよい。
α−オレフィン類の立体規則性重合もしくは共重合にとって好ましい本発明の固体炭化水素不溶性触媒もしくは触媒成分は、液体中マグネシウム含有種溶液を形成する第1工程を含むプロセスにより形成された生成物を含む。ここでマグネシウム含有種はマグネシウム含有化合物を二酸化炭素もしくは二酸化硫黄と反応させることにより形成される。マグネシウム含有種を形成するマグネシウム含有化合物は、マグネシウムアルコレート、マグネシウムヒドロカルビルアルコレート又はヒドロカルビルマグネシウム化合物である。二酸化炭素を用いる場合には、マグネシウム含有種はヒドロカルビルカーボネートもしくはカルボキシレートである。二酸化硫黄を用いる場合には、結果的に得られるマグネシウム含有種はヒドロカルビルサルフィト(ROS02 -)又はヒドロカルビルスルフィナート(RSO2 -)である。
一般に、マグネシウムヒドロカルビルカーボネートは、二酸化炭素とマグネシウムアルコレートと反応させることにより調製される。例えば、マグネシウムヒドロカルビルカーボネートは、マグネシウムエトキシドをエタノール中に懸濁させ、マグネシウムエトキシドが溶解してマグネシウムエチルカーボネートを形成するまで二酸化炭素を添加することにより形成される。しかし、もしマグネシウムエトキシドが2-エチルヘキサノール中に懸濁したならば、マグネシウム-2-エチルヘキシルカーボネート、マグネシウムエチルカーボネートおよびマグネシウムエチル/2-エチルヘキシルカーボネートが形成され得る。マグネシウムエトキシドがアルコールを含まない液体炭化水素もしくはハロ炭化水素中に懸濁するならば、二酸化炭素の添加はマグネシウムエトキシド粒子の***を結果的に生じさせ、マグネシウムヒドロカルビルカーボネート反応生成物は溶解しない。マグネシウムアルコレートと二酸化炭素との反応は下記のように表すことができる:
Figure 2006521451
(式中、nは整数又は2以下の分数であり、Rは1〜20個の炭素原子のヒドロカルビル基である)。さらに、マグネシウムアルコレート含有の2種の異なる上述のヒドロカルビル基を用いてもよい。費用および入手容易性の観点から、本発明により使用することが好ましいマグネシウムアルコレート類は式Mg(OR)2(式中、Rは下記規定のとおりである)のマグネシウムアルコレート類である。触媒活性および立体特異性の点では、最良の結果は、式Mg(OR')2(式中、R'は1〜約8個の炭素原子のアルキルラジカル、6〜約12個の炭素原子のアリールラジカル又は7〜約12個の炭素原子のアルカリルもしくはアラルキルラジカルである)のマグネシウムアルコレート類の使用により達成される。マグネシウムエトキシドが最も好ましい。
本発明に有用なマグネシウムアルコレート類の特定の例としては、Mg(OCH3)2、Mg(OC2H5)2、Mg(OC4H9)2、Mg(OC6H5)2、Mg(OC6H13)2、Mg(OC9H19)2、Mg(OC10H7)2、Mg(OC12H9)2、Mg(OC12H25)2、Mg(OC16H33)2、Mg(OC18H37)2、Mg(OC20H41)2、Mg(OCH3)(OC2H5)、Mg(OCH3)(OC6H13)、Mg(OC2H5)(OC8H17)、Mg(OC6H13)(OC20H41)、Mg(OC3H7)(OC10H7)、Mg(OC2H4Cl)2およびMg(OC16H33)(OC18H37)を挙げることができる。所望により、マグネシウムアルコレート類の混合物もまた用いることができる。
適切なマグネシウムヒドロカルビルアルコレートは式MgR(OR')(式中、RおよびR'はマグネシウムアルコレートについて上記に定義したものである)を有する。アルコールがマグネシウムヒドロカルビルアルコレートと二酸化炭素もしくは二酸化硫黄との間の反応用の懸濁媒体として用いられる場合、マグネシウムヒドロカルビルアルコレートは、マグネシウムアルコレートの機能的等価物(functional equivalent)である。なぜなら、マグネシウムヒドロカルビルアルコレートは、アルコール中でマグネシウムアルコレートに変換されるからである。しかし、懸濁媒体がアルコールを含まない場合、マグネシウムヒドロカルビルアルコレートは下記のように二酸化炭素と反応する:
Figure 2006521451
(式中、y+x = n ≧ 2 かつ x = n ≦1.0の場合y = 0)
y+n=2の場合、
Figure 2006521451
は結果的に得られるマグネシウム含有種である。
マグネシウム含有種を形成するマグネシウム化合物は、式XMgR(式中、Xはハロゲンであり、Rは炭素数1〜20のヒドロカルビル基である)を有するヒドロカルビルマグネシウム化合物であり、ヒドロカルビルマグネシウム化合物と二酸化炭素との反応はマグネシウムカルボキシレートを形成し、以下のように表すことができる:
Figure 2006521451
ヒドロカルビルマグネシウム化合物が2個のヒドロカルビル基を含む場合、反応は以下のように表される:
Figure 2006521451
(式中RはX-MgRについて規定したとおりである)。
本発明に有用なヒドロカルビルマグネシウム化合物は構造R-Mg-Q(式中、Qは水素、ハロゲンもしくはR'(各R'は独立に炭素数1〜20のヒドロカルビル基である))を有する。本発明に有用なヒドロカルビルマグネシウム化合物の特定の例としては、Mg(CH3)2、Mg(C2H5)2、Mg(C4H9)2、Mg(C6H5)2、Mg(C6H13)2、Mg(C9H19)2、Mg(C10H7)2、Mg(C12H9)2、Mg(C12H25)2、Mg(C16H33)2、Mg(C20H41)2、Mg(CH3)(C2H5)、Mg(CH3)(C6H13)、Mg(C2H5)(C8H17)、Mg(C6H13)(C20H41)、Mg(C3H7)(C10H7)、Mg(C2H4Cl)2およびMg(Cl6H33)(Cl8H37)、Mg(C2H5)(H)、Mg(C2H5)(Cl)、Mg(C2H5)(Br)などを挙げることができる。所望により、ヒドロカルビルマグネシウム化合物の混合物もまた用いることができる。費用および入手性の観点から、本発明で用いるために好ましいジヒドロカルビルマグネシウム化合物は式MgR2(式中、Rは上記定義したとおりである)の化合物である。触媒活性および立体特異性の点で、最良の結果は式MgR'Q'(式中、R'は炭素数1〜約18のアルキルラジカル、炭素数6〜約12のアリールラジカル又は炭素数7〜約12のアルカリルもしくはアラルキルラジカルであり、Q'はクロライド又はブロミドである)のヒドロカルビルマグネシウムハライド化合物を用いることにより達成される。
最も好ましくは、マグネシウム含有化合物はマグネシウムアルコレートであり、結果として得られるマグネシウム含有種はマグネシウムヒドロカルビルカーボネートである。
例えば、反転したマグネシウム金属をメタノール、エタノール又は1-プロパノールなどの低分子量アルコールと反応させることにより調製したマグネシウムアルコレートを用いて、四塩化ヨウ素又は四塩化炭素などの触媒を用いて又は用いずに、固体マグネシウムアルコレートを形成してもよい。任意の過剰アルコールは濾過、蒸発又は傾瀉により除かれる。この態様で製造されたマグネシウムアルコレートのマグネシウム含有化合物としての使用は、実質的に粘度が減少したマグネシウム含有種溶液を与える。
マグネシウム含有種を形成するためのマグネシウム化合物の炭酸化で用いるに適する希釈剤又は溶剤は、用いられる反応物質に対して実質的に不活性である炭素数1〜12のアルコール類、非極性炭化水素類およびこれらのハロゲン化誘導体、エーテル類およびこれらの混合物を含み、好ましくは使用温度において液体である。より高温でも低沸点溶剤および希釈剤を用いることができるように、反応を高められた圧力にて行うこともまた意図している。有用な溶剤および希釈剤の例としては、メタノール、エタノール、1-もしくは2-プロパノール、t-ブチルアルコール、ベンジルアルコール、アミルアルコール類、2-エチルヘキサノールおよび9〜10個の炭素原子を含む枝分かれアルコールなどのアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;1,1,2-トリクロロエタン、四塩化炭素などのハロアルカン類;キシレン類およびエチルベンゼンなどの芳香族;およびクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロナフタレンおよびデカヒドロナフタレンなどのハロゲン化および水素化芳香族を挙げることができる。
マグネシウム含有種の溶液は、典型的には2〜約18個の炭素原子を含む少なくとも1のモノヒドロキシアルコールを、好ましくは少なくとも1のアルコールの総モル数と上述のマグネシウム含有化合物のモル数との比率が約1.45:1から、より好ましくは約1.6:1から約2.3:1まで、より好ましくは約2.1:1までの範囲で、含む。本発明で用いるに適するアルコール類は、構造HOR(式中、Rは炭素数1〜約18のアルキルラジカル、炭素数6〜約12のアリールラジカル、又は炭素数7〜約12のアルカリルもしくはアラルキルラジカルである)を有するアルコールを含む。典型的には、エタノール、1-もしくは2-プロパノール、t-ブチルアルコール、シクロヘキサノール、2-エチルヘキサノール、イソアミルアルコールを含むアミルアルコール類および9〜12個の炭素原子を有する枝分かれアルコール類などの1〜12個の炭素原子を含む1以上のアルコールを用いることができる。好ましくは、2-エチルヘキサノール又はエタノールが用いられる。
いくらかより詳細には、マグネシウム含有種はマグネシウム含有化合物を液体中に溶解又は懸濁させることにより調整される。液体100重量部あたり約10〜80重量部のマグネシウム含有化合物が用いられる。緩やかに撹拌しながら、十分な量の二酸化炭素を液体懸濁液中で泡立てて、マグネシウム化合物1モル当たり約0.1〜4モルの二酸化炭素を与える。典型的には、約0〜100℃の温度で約10分〜24時間かけて撹拌しながら約0.3〜4モルのCO2をマグネシウム含有化合物の溶液又は懸濁液に添加する。
上述のマグネシウム含有化合物のいずれがマグネシウム含有種を形成するために用いられるかに関わりなく、遷移金属又はIV族ハライドおよび好ましくは追加的にモルホルジー(morphology)制御剤による処理によって、上述のマグネシウム含有種溶液から固体粒子が沈殿する。遷移金属又はIV族ハライドは、好ましくはハロゲン化チタン(IV)もしくはハロゲン化ケイ素であり、より好ましくは四塩化チタンである。任意の利便な慣用のモルホルジー(morphology)制御剤を用いることができるが、オルガノシランがモルホルジー(morphology)制御剤として使用するに特に適する。この目的に適切なオルガノシランとしては、式:RnSiR'4-n(式中、n = 0〜4、Rは水素又は1〜約10個の炭素原子を含むアルキル、アルコキシ、ハロアルキルもしくはアリールラジカル又はハロシリルラジカルもしくは1〜約8個の炭素原子を含むハロアルキルシリルラジカルであり、R'はOR又はハロゲンである)を有するオルガノシランを挙げることができる。典型的には、Rは1〜約8個の炭素原子および1〜約4個の塩素原子を含むアルキルもしくはクロロアルキルラジカルであり、R'は塩素又は1〜4個の炭素原子を含む-ORラジカルである。適切なオルガノシランは、異なるR'基を含んでいてもよい。オルガノシランの混合物を用いてもよい。好ましいオルガノシランとしては、トリ-メチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、テトラエトキシ-シランおよびヘキサメチルジシロキサンを挙げることができる。
概して、本発明によれば、沈殿粒子を遷移金属化合物および電子供与体で処理する。この目的のために用いることができる適切な遷移金属化合物としては、式TaYbXc-b(式中、Taは元素周期表IV-B、V-BおよびVI-B族から選択される遷移金属であり、Yは酸素、OR'又はNR'2(式中、各R'は独立に水素又は炭素数1〜20のヒドロカルビル基である)であり;Xはハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素であり;cは遷移金属Taの原子価に対応する値を有し;bは0〜5の値を有し、c-bの値は少なくとも1から遷移金属Taの原子価状態の値までである)により表される化合物を挙げることができる。適切な遷移金属化合物としては、塩化クロミル、オキシ三塩化バナジウム、四塩化ジルコニウム、四塩化バナジウムなどのチタン、ジルコニウム、バナジウムおよびクロムのハロゲン化物を挙げることができる。
上述のようなマグネシウムアルコレート類又はマグネシウムヒドロカルビルカーボネート類から形成された担持触媒成分に加えて、他のマグネシウム含有担持成分をハロゲン化チタン含有化合物を塩化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム類、マグネシウムオキシハライド類、マグネシウムアルコキシド類などと反応させることにより製造してもよい。オレフィン重合に有用な適切な担持触媒の調製時に、従来のようにマグネシウム化合物をハロゲン化チタン含有化合物と反応させるそのような成分の形成中に電子供与体物質を添加する。形成方法に関わりなく、本発明の担持触媒成分は本発明に記載されている内部電子供与体を含む。
本発明の触媒もしくは触媒成分の調製に有用なチタン(IV)化合物は、チタンハライド類およびメトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキソキシ(hexoxy)、フェノキシ、デコキシ、ナフトキシ、ドデコキシおよびエイコソキシ(eicosoxy)などのアルコレート基1個あたり1〜約20個の炭素原子を有するチタンハロアルコレート類である。所望により、チタン化合物の混合物を用いてもよい。好ましいチタン化合物は、チタンハライド類およびアルコレート基1個当たり1〜8個の炭素原子を有するチタンハロアルコレート類である。このような化合物の例としては、TiCl4、TiBr4、Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(OC4H9)Cl3、Ti(OC6H5)Cl3、Ti(OC6H13)Br3、Ti(OC8H17)Cl3、Ti(OCH3)2Br2、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC6H13)2Cl2、Ti(OCH3)3Br、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC4H9)3Cl、Ti(OC6H13)3BrおよびTi(OC8H17)3Clを挙げることができる。最大の活性および立体特異性の実現という観点から、チタンテトラハライド類および特にTiC14が最も好ましい。
上述のように形成された粒子、チタンハライド成分および本発明に記載されている電子供与体成分は、約-10℃〜約170℃の範囲にある温度にて、一般的には数分〜数時間の時間にわたり反応し、反応混合物中のチタン成分とマグネシウム成分との原子比(マグネシウム含有種を形成するマグネシウム化合物中のマグネシウムとして計算される)が少なくとも約0.5:1となるような量で接触する。好ましくは、この比率は約0.5:1〜約20:1の範囲にある。触媒成分性能に負の影響を与えずに、より多量のチタンを用いることができるが、典型的にはチタン:マグネシウムの比率が約20:1を超える必要はない。より好ましくは、チタン:マグネシウムの比率は、約2:1〜約15:1の範囲にあり、調製に用いられるチタン化合物の浪費なしに良好な活性を発現するに十分なチタンを触媒成分が含むようにする。内部電子供与体成分は、チタン化合物中のチタンのグラム原子あたり約1.0モル以下の総量で用いられ、好ましくはチタン化合物中のチタンのグラム原子あたり約0.001〜約0.6モルの総量で用いられる。最良の結果は、この比率がチタンのグラム原子あたり約0.01〜約0.3モルの範囲にある場合に達成される。
好ましくは、上述の電子供与体化合物およびチタン化合物は不活性炭化水素もしくはハロゲン化希釈剤の存在下で沈殿固体粒子と接触するが、他の適切な技術を用いることもできる。適切な希釈剤は、用いられる成分に対して実質的に不活性であり、用いられる温度および圧力において液体である。
好ましくは、任意ではあるが、沈殿粒子を典型的には環状エーテルを含有する溶液から再沈させ、次いで、再沈粒子を上述のように遷移金属化合物および電子供与体で処理する。
典型的な再沈手順において、沈殿粒子を環状エーテル溶剤に完全に溶解し、次いで粒子を均一サイズの粒子から再沈させる。好ましいエーテルはテトラヒドロフランであるが、粒子を溶解させ得るテトラヒドロピランおよび2-メチルテトラヒドロフランなどの他の適切な環状エーテルを用いることもできる。さらに、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類を用いることもできる。2,2,5,5-テトラヒドロフランおよびテトラヒドロピラン-2-メタノールの使用などのいくつかの例において、再沈は約55℃〜85℃まで加熱する際に生じる。等価な態様で作用する他の化合物、すなわち、工程Bにおいて形成された粒子を溶解させることができ、そこから固体均一粒子を再沈させることができるシクロヘキセンオキシド、シクロヘキサノン、酢酸エチルおよび酢酸フェニルなどの物質を用いることもできる。このような適切な物質の混合物もまた用いることができる。
上述の任意の工程において用いることができる適切な希釈剤は、用いられる反応体に対して実質的に不活性であるべきであり、好ましくは用いられる温度および圧力において液体である。低沸点希釈剤をより高温で用いることができるように特定の工程を高められた圧力にて行ってもよい。典型的な適切な希釈剤は芳香族もしくは置換芳香族液体であるが、他の炭化水素系液体を用いることもできる。トルエンなどの芳香族炭化水素および置換芳香族化合物が有用である。特に適切な希釈剤は、クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物又はクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物とジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族化合物との混合物である。ケロシンなどの高沸点脂肪族液体もまた有用である。希釈剤の混合物も用いることができる。一つの有用な希釈剤成分はIsopar G(登録商標)(156〜176℃で沸騰するC10-平均イソパラフィン性炭化水素)である。有用な希釈剤の他の例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、四塩化炭素などのハロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン類およびエチルベンゼンなどの芳香族化合物;およびクロロベンゼンおよびo-ジ-クロロベンゼンなどのハロゲン化水素化芳香族化合物を挙げることができる。
上述の調製工程の各々は、水、酸素、一酸化炭素および本発明の触媒もしくは触媒成分の性能に負の影響を与え得る他の外来物質の実質的不在下で行われる。このような物質は、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスの存在下でこの手順を行うことにより、又は他の適切な手段により、簡便に除かれる。場合によっては、ガス状形態で調製系に導入されると触媒毒を排除するように作用し得る1種以上のα−オレフィン類の存在下で、プロセスの全工程又は一部工程を行うことができる。1種以上のα−オレフィン類の存在は、改良された立体特異性を結果的に得ることもできる。有用なα−オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1およびこれらの混合物を挙げることができる。もちろん、用いられる任意のα−オレフィンは、比較的高純度、例えば重合グレード以上であるべきである。外来毒を排除する補助となる他の予防措置としては、使用前にモレキュラーシーブおよび/又はシリカゲルを通しての濾過、他の試薬の乾燥および/又は精製によるなどの用いられるべき任意の希釈剤の精製を挙げることができる。
上述の調製工程の結果として、触媒もしくは触媒成分として使用するに適切な固体反応生成物が得られる。このような使用前に、固体反応生成物から不完全反応開始物質を取り除くことが望ましい。これは、任意の調製希釈剤から分離した後、好ましくは調製反応の完了後短時間内に、液体炭化水素又はクロロカーボンなどの適切な溶剤で固体を洗浄することによって簡便に達成される。なぜなら、触媒成分と未反応開始物質との長時間にわたる接触は触媒成分性能に負の影響を与えるかもしれないからである。
要求されるものではないが、調製された最終固体反応生成物は、重合の前に、少なくとも1のルイス酸(Lewis acid)と接触してもよい。このような本発明に有用なルイス酸は、液体であるか又は処理温度において液体希釈剤中に可溶性であり且つ固体反応生成物の表面から未反応開始物質および不完全に添加された化合物などの不純物を取り除くために十分高いルイス活性を有する物質である。好ましいルイス酸としては、約170℃以下の温度において液体状態にあるIll-V族金属のハライドを挙げることができる。このような物質の特定例としては、BCl3、AlBr3、TiCl4、TiBr4、SiCl4、GeCl4、SnCl4、PCl3およびSbCl5を挙げることができる。好ましいルイス酸は、TiCl4およびSiC14である。所望により、ルイス酸の混合物も用いることができる。このようなルイス酸は親和性希釈剤中で用いてもよい。
要求されるものではないが、最終固体反応生成物は、ルイス酸との接触前に、不活性液体炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素により洗浄されてもよい。このような洗浄が行われる場合には、洗浄された固体をルイス酸と接触させる前に、不活性液体を実質的に取り除くことが好ましい。
有利な手順において、沈殿粒子をチタンテトラクロライドで処理し、その後、電子供与体の混合物の存在下でチタンテトラクロライドで処理する。より好ましくは、生成物をトルエンなどの液体芳香族炭化水素で1回以上処理して、最後に再びチタンテトラクロライドで処理する。
本発明の一実施形態において、電子供与体の混合物は、第1電子供与体および追加の電子供与体を含む担持触媒成分中に組み込まれる。第1電子供与体は、本発明の電子供与体の分類を表す上述の電子供与体群から選択される。第2電子供与体はジアルキルフタレート(各アルキル基は同一もしくは異なり、3〜5個の炭素原子を含む)である。追加の電子供与体は、好ましくはジブチルフタレートであり、より好ましくはジ-n-ブチルフタレートもしくはジ-i-ブチルフタレートである。追加の電子供与体:第1電子供与体のモル比は、約0.1:1〜約20:1の範囲にあってもよく、好ましくは約0.3:1〜約1:1の範囲にあってもよい。
さらに、本発明に有用な内部電子供与体物質は、ポリヒドロカルビルホスホネート、ホスフィネート、ホスフェートもしくはホスフィンオキシド又はアルキルアラルキルフタレート(アルキル部位は2〜10個の炭素原子を含み、好ましくは3〜6個の炭素原子を含み、アラルキル部位は7〜10個の炭素原子、好ましくは7〜8個の炭素原子を含む)又は芳香族モノカルボン酸のアルキルエステル(モノカルボン酸部位は6〜8個の炭素原子を含み、アルキル部位は1〜3個の炭素原子を含む)などの追加の電子供与体と組み合わせてもよい。
有用なポリヒドロカルビルホスホネート類、ホスフィネート類、ホスフェート類もしくはホスフィンオキシド類としては、
Figure 2006521451
(式中、各ヒドロカルビル基(R1、R2およびR3)は同一又は異なっていてもよく、アルキルもしくはアリールでよく、それぞれ1〜12個の炭素原子を含む)を挙げることができる。
好ましくは、各ヒドロカルビル基(R1、R2およびR3)はアルキル基である。好ましくは、ホスホネートが用いられる。上述の好ましい成分として使用するに適切な特定のホスホネートとしては、ジメチルメチルホスホネート、ジエチルエチルホスホネート、ジイソプロピルメチルホスホネート、ジブチルブチルホスホネートおよびジ(2-エチルヘキシル)-2-エチルヘキシルホスホネートを挙げることができる。
追加の成分もまたジアルキルフタレート(各アルキル部位は同一又は異なっていてもよく、それぞれ少なくとも6個の炭素原子、好ましくは10個以下の炭素原子を含んでいてもよい)であってもよい。追加の電子供与体として使用するに適切な特定のジアルキルフタレートとしては、ジヘキシルフタレートおよびジオクチルフタレートを挙げることができる。
さらに、追加の成分は、脂肪族モノカルボン酸のアルキルエステル(カルボン酸部位は2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子を含み、アルキル部位は1〜3個の炭素原子を含む)であってもよい。上述の第1電子供与体として使用するに適切な特定のアルキルエステルとしては、メチルバレレート、エチルピバレート、メチルピバレート、メチルブチレートおよびエチルプロピオネートを挙げることができる。
別の例において、追加の成分は、芳香族ジカルボン酸のジシクロ脂肪族エステル(各脂環式部位は同一又は異なっていてもよく、それぞれ5〜7個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含む)であってもよい。好ましくは、エステルはo-芳香族ジカルボン酸のジシクロ脂肪族ジエステルである。上述の第1電子供与体として使用するに適切な特定のジシクロ脂肪族エステルとしては、ジシクロペンチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレートおよびジ-(メチルシクロペンチル)-フタレートを挙げることができる。
追加の成分は、アルキルアラルキルフタレート(アルキル部位は2〜10個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子を含み、アラルキル部位は7〜10個以下、好ましくは8個以下の炭素原子を含む)であってもよい。特に、追加の成分として使用するに適切なアルキルアラルキルフタレートとしては、ベンジル- n-ブチルフタレートおよびベンジル-i-ブチルフタレートを挙げることができる。別の例において、このような追加の成分もまた、芳香族モノカルボン酸のアルキルエステル(モノカルボン酸部位は6〜8個の炭素原子を含み、アルキル部位は1〜3個の炭素原子を含む)であってもよい。追加の成分として使用するに適切な特定のアルキルエステルとしては、メチルトルエート、エチルトルエート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエートおよびプロピルベンゾエートを挙げることができる。
本発明において記載されている第1電子供与体成分:追加の成分のモル比は、約0.5:1から、好ましくは約1:1から約3:1まで、好ましくは約2.5:1までの範囲にある。上述の第2電子供与体:第1電子供与体および追加の電子供与体の組み合わせのモル比は、約4:1から、好ましくは約7:1から約15:1まで、好ましくは約9:1までの範囲にある。
本発明の触媒もしくは触媒成分の化学構造は正確には知られていないが、成分は一般的に、約1〜約6wt%のチタン、約10〜約25wt%のマグネシウムおよび約45〜約65wt%のハロゲンを含む。好ましくは、本発明の触媒成分は、約2.0〜約4wt%のチタン、約15〜約21wt%のマグネシウムおよび約55〜約65wt%の塩素を含む。
本発明の方法により製造された本発明の固体触媒成分において、マグネシウム:チタンの原子比は少なくとも約0.3:1であり、好ましくは約0.4:1〜約20:1であり、より好ましくは約3:1〜約9:1である。
本発明の触媒もしくは触媒成分の予備重合又はカプセル化が、α−オレフィン類の重合もしくは共重合において用いられる前に、行われてもよい。特に有用な予備重合手順は米国特許U. S. Patent 4,579,836号明細書(本願に参照として組み込まれる)に記載されている。
典型的には、本発明の触媒もしくは触媒成分は、II族もしくはIII族金属アルキルを含む触媒成分および典型的には1種以上の改質剤化合物と併用される。有用なII族およびIIIA族金属アルキルは、式MRm(式中、MはII族もしくはIIIA族金属であり、各Rは独立に炭素数1〜約20のアルキルラジカルであり、mはMの原子価に対応する)の化合物である。有用な金属Mの例としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびガリウムを挙げることができる。適切なアルキルラジカルRの例としては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、デシル、テトラデシルおよびエイコシル(eicosyl)を挙げることができる。触媒成分性能の観点から、好ましいII族およびIIIA族金属アルキルは、マグネシウム、亜鉛およびアルミニウムの金属アルキル(アルキルラジカルは1〜約12個の炭素原子を含む)である。このような化合物の特定例としては、Mg(CH3)2、Mg(C2H5)2、Mg(C2H5)(C4H9)、Mg(C4H9)2、Mg(C6H13)2、Mg(C12H25)2、Zn(CH3)2、Zn(C2H5)2、Zn(C4H9)2、Zn(C4H9)(C8H17)、Zn(C6H13)2、Zn(C6H13)3およびAl(C12H25)3を挙げることができる。 アルキルラジカル当たり1〜約6個の炭素原子を含むマグネシウム、亜鉛もしくはアルミニウムアルキルを用いることができる。アルミニウムアルキルが好ましく、最も好ましくはアルキルラジカル当たり1〜約6個の炭素原子を含むトリアルキルアルミニウムであり、特にトリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウム又はこれらの組み合わせが用いられる。
所望により、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの1種以上のハロゲンもしくはヒドリド基を有する金属アルキルを用いてもよい。
α−オレフィン類の重合もしくは共重合用の典型的な触媒系は、本発明の担持チタン含有触媒もしくは触媒成分および助触媒としてのアルキルアルミニウム化合物を典型的には電子供与体、好ましくはシランである少なくとも1の外部改質剤と一緒に組み合わせることにより形成される。典型的には、このような触媒系における有用なアルミニウム:チタンの原子比は約10:約500、好ましくは約30:約300である。このような触媒系における典型的なアルミニウム:電子供与体のモル比は約2:約60である。このような触媒系における典型的なアルミニウム:シラン化合物のモル比は約3:約50である。
この触媒系の活性および立体特異性を最適化するために、典型的には電子供与体であり、シラン類、鉱酸、硫化水素の有機金属性カルコゲニド誘導体、有機酸、有機酸エステルおよびこれらの混合物などの化合物を含む1種以上の外部改質剤を用いることが好ましい。
上述の助触媒系に対する外部改質剤として有用な有機物電子供与体は、酸素、ケイ素、窒素、硫黄および/又はリンを含む有機化合物である。このような化合物としては、有機酸、無水有機酸、有機酸エステル類、アルコール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、シラン類、アミン類、アミン酸化物類、アミド類、チオール類、種々のリン酸エステル類およびアミド類などを挙げることができる。有機物電子供与体の混合物もまた用いることができる。
特定の有機酸およびエステル類は、活性および立体特異性の観点から良好な結果をもたらし、使用することが簡便であることから、安息香酸、ハロ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テトラフタル酸およびこれらのアルキルエステル類(アルキル基は1〜6個の炭素原子を含む)、例えばメチルクロロベンゾエート類、ブチルベンゾエート、イソブチルベンゾエート、メチルアニセート(anisate)、エチルアニセート、メチル-p-トルエート、ヘキシルベンゾエートおよびシクロヘキシルベンゾエート、およびジイソブチルフタレートなどである。
上述の触媒系は、有利に且つ好ましくは脂肪族もしくは芳香族シラン外部改質剤を含む。上述の触媒系に有用な好ましいシラン類としては、1〜約20個の炭素原子の炭化水素部位を含むアルキル-、アリール-および/又はアルコキシ-置換シラン類を挙げることができる。式:SiY4(式中、各Y基は同一又は異なっていて、1〜約20個の炭素原子を含むルキルもしくはアルコキシ基である)を有するシラン類が特に好ましい。好ましいシラン類としては、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、テトラエチル-o-シリケート、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメトキシシランおよびt-ブチルトリメトキシシランを挙げることができる。
本発明の一側面において、触媒成分内部供与体として上記のように特定される置換シクロアルカンジカルボキシレートは、単独で又は上記のように特定されたシラン化合物を含む適切な外部供与体との組み合わせにおいて、外部供与体として用いることができる。
本発明の触媒もしくは触媒成分は、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1およびヘキセン-1などの3個以上の炭素原子を含むα−オレフィン類並びにこれらの混合物およびこれらとエチレンとの混合物の立体特異的な重合もしくは共重合に効果的である。本発明の触媒もしくは触媒成分は、プロピレン又はこれらと約30mol%以下のエチレンとの混合物又は高級α-オレフィンの立体特異的な重合もしくは共重合に特に有用である。本発明によれば、高結晶性ポリα−オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーは、重合もしくは共重合条件下で、少なくとも1のα-オレフィンを上述の本発明の触媒もしくは触媒成分と接触させることにより調製される。このような条件は、重合もしくは共重合温度および時間、モノマーの圧力、触媒の汚染の回避、スラリープロセスにおける重合もしくは共重合媒体の選択、ホモポリマーもしくはコポリマー分子量を制御するための添加剤の使用および当業者に周知の他の条件を含む。スラリー重合もしくは共重合プロセス、バルク重合もしくは共重合プロセスおよび気相重合もしくは共重合プロセスも意図される。
本発明の触媒もしくは触媒成分の使用量は、重合もしくは共重合技術、反応器寸法、重合もしくは共重合されるべきモノマーおよび当業者に公知の他の因子の選択に依存して変動し、後述する実施例に基づいて決定され得る。典型的には、本発明の触媒もしくは触媒成分は、製造されたポリマーもしくはコポリマーのg(グラム)に対して触媒約0.2〜0.02mgの範囲の量で使用される。
用いられる重合もしくは共重合プロセスに関わらず、重合もしくは共重合は、合理的な重合もしくは共重合速度を保証し過度に長い反応器滞留時間を避けるために十分高いが、過度に早い重合もしくは共重合速度に起因する不合理に高いレベルのステレオランダム生成物の生成を生じさせるほど高くはない温度にて行われるべきである。一般に、温度範囲は約0℃〜約120℃であり、良好な触媒性能および高い製造率を達成するという観点から約20℃〜約95℃の範囲が好ましい。より好ましくは、本発明による重合は約50℃〜約80℃の範囲の温度で行われる。
本発明によるオレフィン重合もしくは共重合は、ほぼ大気圧以上のモノマー圧力にて行われる。一般に、モノマー圧力は約20〜約600psi(140〜4100kPa)の範囲であるが、気相重合もしくは共重合において、モノマー圧力は重合もしくは共重合されるべきα-オレフィンの重合もしくは共重合温度にて蒸気圧よりも低くすべきではない。
重合もしくは共重合時間は、一般に、連続プロセスにおける平均滞留時間に相当するバッチプロセスでの約1/2〜数時間の範囲であろう。約1〜約4時間の範囲にある重合もしくは共重合時間は、オートクレーブ型反応器において典型的である。スラリープロセスにおいて、重合もしくは共重合時間は、所望により調節することができる。約1/2〜数時間の範囲にある重合もしくは共重合時間は、連続スラリープロセスにおいて一般的に十分である。
スラリー重合もしくは共重合プロセスにて使用するに適切な希釈剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンなどのアルカン類およびシクロアルカン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n-プロピル-ベンゼン、ジエチルベンゼンおよびモノ-およびジ-アルキルナフタレンなどのアルキル芳香族化合物;クロロベンゼン、クロロナフタレン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンなどのハロゲン化および水素化芳香族化合物;高分子量液体パラフィン類又はその混合物および他の周知の希釈剤を挙げることができる。蒸留、モレキュラーシーブを通しての濾過、痕跡量の不純物を取り除くことができるアルキルアルミニウム化合物などの化合物との接触又は他の適切な手段によるなどして、使用前に、重合もしくは共重合媒体を精製することが望ましい。
本発明の触媒もしくは触媒成分が有用である気相重合もしくは共重合プロセスの例としては、撹拌床反応器および流動床反応器システムの両者を含み、米国特許U. S. Patent 3,957,448号明細書;3,965,083号明細書;3,971,786号明細書;3,970,611号明細書;4,129,701号明細書;4,101,289号明細書;3,652,527号明細書;および4,003,712号明細書(これらすべては本願に参照として組み込まれる)に記載されている。典型的な気相オレフィン重合もしくは共重合反応器システムは、オレフィンモノマーおよび触媒成分を添加することができ、ポリマー粒子を形成する揺動床を含む少なくとも1個の反応容器を具備する。典型的には、触媒成分は一緒に又は単独で第1の反応容器における1種以上のバルブ制御ポートを通して添加される。オレフィンモノマーは、典型的には、未反応モノマーがオフガスとして除去され且つ新鮮な供給モノマーが混合されて反応容器に注入される再循環ガスシステムを通して、反応器に提供される。インパクトコポリマーの製造のために、第1の反応器内で第1のモノマーから形成されたホモポリマーは、第2の反応器内で第2のモノマーと反応する。温度を制御するために、再循環ガスシステムを通して液体モノマーであってもよい冷却液体を重合もしくは共重合中のオレフィンに添加してもよい。
重合もしくは共重合技術にかかわらず、重合もしくは共重合は、酸素、水および触媒毒として作用する他の物質を排斥する条件下で行われる。さらに、本発明によれば、重合もしくは共重合は、ポリマーもしくはコポリマーの分子量を制御するために、添加剤の存在下で行われてもよい。このために、典型的には水素が当業者に周知の態様で用いられる。通常は要求されないが、重合もしくは共重合の完了時に、又は重合もしくは共重合を終了させることが望ましい時、又は少なくとも一時的に本発明の触媒もしくは触媒成分を失活させることが望ましい時に、当業者に公知の態様で、触媒を水、アルコール類、アセトン又は他の適切な触媒失活剤と接触させてもよい。
本発明のプロセスに従って製造された生成物は、通常は固体であり、主としてイソタクチックポリα−オレフィン類である。ホモポリマーもしくはコポリマー收率は、用いた触媒の量に対して十分に高く、残留触媒の分離なしに有用な生成物を得ることができる。さらに、ステレオランダム副産物のレベルは十分に低く、分離なしに有用な生成物を得ることができる。本発明の触媒の存在下で製造された重合性もしくは共重合性生成物を押出、射出成形その他の一般的な技術により、有用な物品に製作することができる。
本発明の組成物のポリマー成分は、主としてプロピレンの高結晶性ポリマーを含む。実質的なポリプロピレン結晶化度含有量を有するプロピレンポリマーは当該分野で周知である。「イソタクチック」ポリプロピレンと記載される結晶性プロピレンポリマーが非結晶性ドメインが散りばめられている結晶性ドメインを含むことは、長い間、認識されていることである。非結晶化度は、完全なポリマー結晶形成を阻害する規則的イソタクチックポリマー鎖内の欠陥に起因するといえる。ポリマー中でのポリプロピレン立体規則性の程度は、イソタクチック指数(index)、結晶性溶融点、曲げ率などの周知の技術により、および最近では炭素13核磁気共鳴(13C NMR)によるメソペンタド(pentads)(%m4)の相対%を決定することにより、測定可能である。
本発明に本質的に有用なプロピレンポリマーは、高いNMR立体規則性および重量平均分子量と数平均分子量との比率(Mw/Mn)により測定される幅広の分子量分布(「MWD」)の両者を有する。このような分子量は、典型的には、当該分野で公知のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)技術により測定される。加えて、本発明の好ましいポリマーは、約1800MPaよりも大きな曲げ率、典型的には約2100MPaよりも大きな曲げ率を有する。加えて、NMRペンタド(pentad)立体規則性は、典型的には90%よりも大きく、好ましくは約95%よりも大きく、約97%よりも大きいかもしれない。典型的なポリマーメルトフローレート(MFR)は1〜20g/10minである。
プロピレンポリマーの立体規則性を決定する方法は、13C NMRを用い、ポリプロピレンポリマー骨格上での隣接するメチル基の相対位置を同定する能力に基づく。2個の隣接するプロピレンモノマー単位(-CH(CH3)-CH2-)のメチル基がポリマー鎖の同じサイド上にある場合には、このような2個のメチル基がメソ(「m」)ダイアド(dyad)を形成する。これらのメソダイアド(dyads)の相対%は%mとして表される。隣接するモノマー単位の2個のメチル基がポリマー鎖の反対側のサイドにある場合には、このような2個のメチル基はラセミ(「r」)ダイアド(dyad)を形成し、これらのラセミダイアド(dyads)の相対%は%rとして表される。13C NMR技術の進歩は、3個、4個および5個の連続するメチル基(それぞれ、トライアド(triads)、テトラド(tetrads)およびペンタド(pentads)と呼ばれる)の相対位置の測定を可能とする。
現行のNMR機器は、ポリマーサンプル中のペンタド(pentads)の特定分布を定量化することができる。1のプロピレンポリマー中にあり得る10個の特異なペンタド(pentads)がある:
Figure 2006521451
mmmmペンタド(pentad)の点と棒による表示は以下のとおりである:
Figure 2006521451
可能性のあるペンタド(pentads)の2種は、NMR(mmrm およびrmmr)によっては分離することができず、一緒に報告される。10個のペンタド(pentads)の2種(mmrr および mrrm)は、イソタクチックシーケンスにおけるポリマー鎖の反対サイド上の単一のメチル基の置換により得られる。mmmm (m4)ペンタド(pentad)は完全なイソタクチック立体規則性構造を表すから、このペンタド(pentad)(%m4として)の測定は、イソタクチック性および可能性のある結晶化度を反映する。本明細書において「NMR立体規則性指数(tacticity index)」は、13C NMRにより測定されたm4(%m4)ペンタド(pentads)の%である。よって、13C NMRにより測定されたプロピレンポリマー中のペンタドの96%はm4であり、NMR立体規則性指数は96である。
本発明を以下の実施例により説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
内部電子供与体の種々の混合物を用いて、一連の担持触媒成分を調製した。以下、本発明の電子供与体を使用する実施例を、このような内部電子供与体を使用しない比較実験と一緒に説明する。
[工程A-マグネシウムアルキルカーボネート溶液の形成]
機械的撹拌装置を具備し乾燥窒素でフラッシュされた2リットル反応器に、153gのマグネシウムエトキシド、276mlの2-エチル-1-ヘキサノールおよび1100mlのトルエンの混合物を移す。この混合物を450rpmにて30psigの二酸化炭素下で撹拌し、93℃にて3時間加熱する。得られた溶液(1530ml)を2リットルのボトルに移す。溶液は1mlあたり0.10グラム当量のマグネシウムエトキシドを含む。
[工程B-固体粒子の形成]
1.0リットル反応器に、一面の乾燥窒素下で、150mlのトルエン、20.5mlのテトラエトキシシランおよび14mlのチタンテトラクロライドを仕込む。混合物を300rpmにて22〜27℃で15分間撹拌した後、高圧容器(bomb)を通して114mlの工程Aで得たマグネシウムヒドロカルビルカーボネート溶液を反応器に添加し、その後、固体粒子を沈降させる。
[工程C-再沈]
沈降物を含む混合物をさらに5分間撹拌した後、シリンジを通して27mlのテトラヒドロフラン(THF)を速やかに添加した。反応器内温度は26℃から38℃に上昇する。その後、300rpmにて撹拌を維持し、温度を15分以内で60℃まで上昇させる。最初に形成された固体は、THF溶液中に溶解する。THF添加後約5分以内に、固体が溶液から沈降し始めた。60℃で1時間にわたり撹拌し続け、その後、撹拌を中止し、得られた固体を沈殿させる。上澄み液を傾瀉して、固体を50mlのトルエンで2回洗浄した。
[工程D-チタン(IV)化合物処理]
1リットル反応器内の工程Cからの固体に125mlのトルエンおよび50mlのチタンテトラクロライドを添加する。得られる混合物を116℃まで30分以内で加熱して、300rpmで1時間撹拌する。撹拌を停止した後、得られる固体を沈殿させ、上澄み液を傾瀉する。150mlのトルエン、50mlのチタンテトラクロライド、本発明の電子供与体化合物を得られる固体に添加した後、混合物を300rpmで117℃にて90分間撹拌し、固体を沈殿させ、上澄み液体を傾瀉する。95mlのトルエンを添加した後、混合物を91℃まで30分間で加熱する。撹拌を停止した後、固体を沈殿させ、上澄み液を傾瀉する。さらに125mlのチタンテトラクロライドを添加し、混合物を91℃にて撹拌しながら30分間加熱し、その後、撹拌を停止し、上澄み液体を傾瀉する。残留物を50mlのヘキサンで4回洗浄し、固体を回収する。反応体中のマグネシウム/チタン/電子供与体成分のモル比は、例えば1/5/0.45である。
反応時間2時間で500回転/分にて撹拌しながら、バッチスラリー相プロピレン重合評価を2リットル反応器中71℃、反応器総圧力150psig、7ミリモルの水素で行った。トリエチルアルミニウム(TEA)を助触媒として用い、ジイソブチルジメトキシシランを外部改質剤として一緒に用いた。反応器に、TEA/改質剤、チタン成分、水素およびプロピレンをこの順序で仕込んだ。
典型的な手順において、乾燥窒素でパージした2リットルのステンレススチールオートクレーブ反応器に、触媒(〜20mg)、トリエチルアルミニウム(3.6mLの0.75Mヘプタン溶液)、ジイソブチルジメトキシシラン(1.0mLの0.15Mヘプタン溶液)および850mLのヘプタンを40℃で仕込んだ。水素を12.5psigで導入した。撹拌および加熱を開始して、水素を含む75mL容器から15psigの圧力を降下させた後、反応器に約30gのプロピレンを導入した。温度が70℃に達した際に、反応器へのプロピレン貯留器を開いて、150psigの一定のプロピレン圧力を1時間維持した。次いで、反応器を排気して、得られるポリマースラリーを反応器から取り出し、濾過して乾燥させた。ポリマー粉末のオーブンでの乾燥および秤量後に分析を行った。
種々の内部供与体を用いて上述の手順と同じ態様で触媒成分を調製した。種々の内部改質剤を用いて行った試験をTable 1に示す。
Figure 2006521451
「收率」(固体触媒成分1gあたりの製造されたポリマーのグラム数)は、ポリマーを製造するために用いた固体触媒の質量に基づく。「可溶性物質」は、濾過液のアリコートから溶剤を蒸発させて、製造された可溶性ポリマー量を回収することにより測定され、濾過により単離された固体ポリマーおよび可溶性ポリマーの総質量に基づいてこのような可溶性ポリマーの「wt% Sol.」として報告される。「キシレン可溶性物質("XS")」は、溶剤として沸騰キシレン類を用いる可溶性物質である。「抽出性物質」は、3〜6時間で沸騰n-ヘキサン中に抽出した後、粉砕したポリマーの乾燥サンプルの質量損失を測定することにより決定され、抽出により除かれた固体ポリマーの「wt% Ext.」として報告される。嵩密度(BD)は、lbs/ft3(1 lbs/ft3 = 0. 0149 g/ml)単位で報告される。固体ポリマーの粘度は、ASTM D1238条件L(2.16 kg@230℃)に準拠して測定し、10分当たりのポリマーのグラム数でのメルトフローレートとして報告される。
デカリン可溶性物質("DS")は、プロピレンポリマー中に含まれるアタクチック非結晶性オリゴマー成分などの炭化水素可溶性抽出性物質の尺度であり、特定の樹脂を処理窓(processing window)などの所望の樹脂特性に相関させる際に有用である。DSは、スラリーを165℃に暖め、スラリーを2時間撹拌することにより、2.0gのポリマーサンプルを100mlのIrganox 1076-安定化(0.020g/リットル)デカリン(デカヒドロナフタレン)中に完全に溶解させることによって測定する。ポリマーが溶解したら、溶液を一晩(少なくとも16時間)冷却させる。冷却期間の後、溶液を沈殿ポリマーから濾過する。溶液の測定した部分を抜き出し、デカリン溶剤を除去した後、得られるサンプルを120℃真空炉内で完全に乾燥させる。最後の乾燥サンプルを秤量して、デカリン可溶性ポリマーの量を決定する。結果は、デカリン中に可溶性のまま残るポリマーのwt%として報告される。
本発明を説明するために、さらに、米国特許U.S.Patent 4,886,022号明細書に従って製造したマグネシウムハライド担持HAC触媒成分を用いて、プロピレン重合を実験室気相反応器内で行う。触媒成分は、17.32wt%のマグネシウムおよび2.29wt%のチタンを含有する。トリエチルアルミニウムは助触媒として用いられる。シラン改質剤の量は、Al/Si比が6〜24の範囲にあり、ポリマーの目標メルトフローレート(MFR)が1〜50であるように、重合にて制御される。これらのプロピレン重合は、米国特許U.S.Patent 3,965,083号明細書に記載されている直径10cm、長さ30cmの1ガロン(3.8リットル)連続水平円筒形気相反応器内で行われる。反応器は、反応器ガスを凝縮器を通して循環させ、再循環ラインを通して反応器の再循環ノズルに戻すためのオフガスポートを具備する。プロピレン液体は、重合中に反応器内で発生した熱を除去することを補助するために急冷液体として用いられる。運転中、反応器床中で製造されたポリプロピレン粉末は、堰上方を通過し、粉末排出システムを通して窒素で覆われた第2の閉鎖容器に排出された。ポリマー床は、反応器内長手軸シャフトに取り付けられたパドル(約75rpmで回転させた)により撹拌される。反応器圧力は、300psig(2100kPa)に維持される。チタン/マグネシウム含有触媒をヘプタン中1.5wt%スラリーとして、液体プロピレン-フラッシュ触媒添加ノズルを通して反応器中に導入した。シラン改質剤とヘプタン中トリエチルアルミニウムの混合物(Al/MgおよびAl/Siモル比はTable Iに示す)を液体プロピレン-フラッシュ助触媒添加ノズルを通して、反応器に別個に供給する。水素を反応器に供給した。製造速度は約200g/hrである。

Claims (15)

  1. マグネシウム、チタンおよびハロゲンを含み、さらに置換ヒドロカルビル4〜8員シクロアルカンジカルボキシレート(置換基はシクロアルカンに位置づけられて、ジカルボキシレート基を立体配座的に近い位置に置き、置換基は1〜20個の炭素原子を含み、シクロアルカン構造と結合してビシクロ構造を形成し得る)を含む内部電子供与体を含有するオレフィン類を重合する際に有用な固体炭化水素不溶性触媒成分。
  2. 前記内部電子供与体は、
    Figure 2006521451
    (式中、1個のXおよび1個のYがカルボキシレート(C02R)基であり、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され;R1〜R8は嵩高いおよび嵩高くないアルキル基もしくは置換アルキル基から選択され、カルボキシレート基を近接位置に置く環配座を作り;残りのXおよびY基は水素およびメチルから選択され、ただしR1〜R8基の2個は結合してビシクロ構造を作り得る)
    である、請求項1に記載の触媒成分。
  3. 前記内部電子供与体は
    Figure 2006521451
    (式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され、R1およびR4はカルボキシル基を立体配座的に近い位置に置くために十分な嵩高い基から選択され、R2およびR4は水素およびメチルから選択される)
    である、請求項1に記載の触媒成分。
  4. 前記内部電子供与体は、トランス-ジ-n-ブチル-4,5-ジ-イソプロピルシクロヘキサン トランス-ジカルボキシレート又はトランス-ジイソプロピル-4,5-ジ-t-ブチルシクロヘキサン トランス-ジカルボキシレートである、請求項1に記載の触媒成分。
  5. 前記内部電子供与体は
    Figure 2006521451
    (式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択され、R1、R3およびR6はカルボキシル基を立体配座的に近い位置に置くために十分な嵩高い基から選択され、R2、R4およびR5は水素およびメチルから選択される)
    である、請求項1に記載の触媒成分。
  6. 前記内部電子供与体は
    Figure 2006521451
    (式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択される)
    である、請求項1に記載の触媒成分。
  7. 前記内部電子供与体は
    Figure 2006521451
    (式中、Rは1〜20個の炭素原子を含む低級アルキル基から選択される)
    である、請求項1に記載の触媒成分。
  8. Rは、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2-エチルヘキシル又はオクチルである、請求項1に記載の触媒成分。
  9. Rは3〜8個の炭素原子を含む、請求項1に記載の触媒成分。
  10. Rはエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル又はs-ブチルである、請求項1に記載の触媒成分。
  11. 少なくとも1の嵩高い置換基は3〜20個の炭素原子を含む、請求項1に記載の触媒成分。
  12. イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、s-ブチル、イソペンチル、イソヘキシル又は2-エチルヘキシルの少なくとも1である、請求項1に記載の触媒成分。
  13. イソプロピル、イソブチル、t-ブチル又はs-ブチルの少なくとも1である、請求項1に記載の触媒成分。
  14. 少なくとも1の嵩高い置換基は1個のヘテロ原子を含む、請求項1に記載の触媒成分。
  15. マグネシウム、チタンおよびハロゲンおよび内部電子供与体化合物を含む固体炭化水素不溶性成分、アルミニウムアルキル化合物および置換ヒドロカルビル4〜8員シクロアルカンジカルボキシレート(置換基はシクロアルカンに位置づけられていてジカルボキシレート基を立体配座的に近い位置に置き、置換基は1〜20個の炭素原子を含み、シクロアルカン構造に結合してビシクロ構造を形成し得る)を含む外部電子供与体化合物を含むオレフィン重合触媒系。
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