JP4195724B2 - α−オレフィン重合用触媒及びそれを用いるα−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
α−オレフィン重合用触媒及びそれを用いるα−オレフィン重合体の製造方法 Download PDFInfo
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ポリオレフィンを重合により製造するには、一般のオレフィンの重合活性は極めて低いが、遷移金属化合物と有機アルミニウムを利用したチーグラー系の触媒により、オレフィンの重合活性が高められて工業生産が実現化され、分子量分布による重合体の物性の改善やα−オレフィンの立体規則性の向上等の触媒技術の開発や改良が続けられてきた。
〔1〕成分(A)マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、成分(B)有機アルミニウム化合物、及び成分(C)C(=O)N結合含有化合物を組み合わせてなるα−オレフィン重合用触媒。
任意のR1〜R3及び任意のR4〜R7が連結された環状構造を形成してもよい。)
成分(A1):チタン、マグネシウム、及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分、
成分(A2):下記の式で表されるケイ素化合物、
R8R9 3-mSi(OR10)m
(ここで、R8は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R9は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素であり、R10は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3を示す。)
成分(A3):有機アルミニウム化合物
R8R9 3-mSi(OR10)m
(ここで、R8は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R9は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素、R10は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3をそれぞれ示す。)
また、このα−オレフィン重合体は、高剛性化や高耐熱性化が要求される自動車部品、家電部品、包装材料などの用途に好適に用いることができる。
1.α−オレフィン重合用触媒
本発明に用いられる触媒は、成分(A)、成分(B)及び特定の成分(C)を組み合わせてなるものである。ここで「組み合わせてなる」ということは、成分が挙示のもの(すなわち、成分(A)、成分(B)及び成分(C))のみであるということを意味するものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分が共存することを許容する。
本発明の触媒は、(A)マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物、及び(C)C(=O)N結合含有化合物を組み合わせてなるα−オレフィン重合用触媒である。また好ましくは、成分(A)に、成分(E)電子供与体を含有してもよい。
好ましくは、成分(A)として、特定の固体成分(成分(A1))及び特定のケイ素化合物(成分(A2))の接触生成物が使用される。さらに好ましくは成分(A)として、特定の固体成分(成分(A1))、特定のケイ素化合物(成分(A2))及び特定の有機アルミニウム化合物(成分(A3))の接触の接触生成物が使用される。また、好ましくは、成分(A1)に、成分(E)電子供与体を含有してもよい。(成分(A)に任意に使用する成分(E)電子供与体と、成分(A1)に任意に使用する成分(E)電子供与体は、同じ群から選ばれてよい。)このような本発明の成分(A)は、上記三成分以外の本発明の目的に沿った他の成分の共存を許容する。
本発明で用いられる固体成分は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有してなるα−オレフィンの立体規則性重合用固体成分である。ここで「必須成分として含有し」ということは、挙示の三成分以外に本発明の目的に沿った他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞれが本発明の目的に沿った任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいことを示すものである。
チタン、マグネシウム及びハロゲンを含む固体成分そのものは公知のものである。
これらの中でもマグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等のMg(OR11)2-nXn(ここで、R11は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、nは0≦n≦2である。)で表されるマグネシウム化合物が好ましく、マグネシウムジハライドがより好ましい。
具体例としては、TiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(O−iC3H7)Cl3、Ti(O−nC4H9)Cl3、Ti(O−nC4H9)2Cl2、Ti(OC2H5)Br3、Ti(OC2H5)(O−nC4H9)2Cl、Ti(O−nC4H9)3Cl、Ti(OC6H5)Cl3、Ti(O−iC4H9)2Cl2、Ti(OC5H11)Cl3、Ti(OC6H13)Cl3、Ti(OC2H5)4、Ti(O−nC3H7)4、Ti(O−nC4H9)4、Ti(O−iC4H9)4、Ti(O−nC6H13)4、Ti(O−nC8H17)4、Ti(OCH2CH(C2H5)C4H9)4 等が挙げられる。
また、TiCl3(TiCl4を水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr3、Ti(OC2H5)Cl2、TiCl2、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も可能である。
これらのチタン化合物の中でもTiCl4、Ti(OC4H9)4、Ti(OC2H5)Cl3等が好ましく、TiCl4、Ti(OC4H9)4がさらに好ましい。
この固体成分の製造に利用できる成分(E)電子供与体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与体などを例示することができる。
本発明で好ましい態様として使用されるケイ素化合物成分は、下記の式で表されるものである。
R8R9 3-mSi(OR10)m
(ここで、R8は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R9は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素、R10は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3を示す。)
これらのケイ素化合物は二種類以上用いることもできる。
本発明に好ましく用いられる有機アルミニウム化合物(成分(A3))は固体成分に接触させて用いられる。ここで「接触させて」ということは、接触回数が1回に限られることを意味するのではなく、本発明の効果を損なわない範囲で有機アルミニウム化合物(成分(A3))を繰り返し接触させることを許容する。
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(成分(A3))の具体例としては、R13AlR14R15及び/又はR16 2-nR17AlXn(ここで、R13、R14、R15、R16およびR17は各々独立に炭素数が1から20の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度であり、Xは水素またはハロゲンであり、nは0<n<2である。)で表されるものがある。
これらの有機アルミニウム化合物は二種類以上用いることもできる。
さらに、本発明の成分(A)の製造においては、上記の成分の他に任意成分を含んでもよいことは前記の通りであるが、そのような任意成分として適当なものとしては以下の化合物を挙げることができる。
(a)ビニルシラン化合物
ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4)中の少なくとも一つの水素原子がビニル基(CH2=CH−)に置き換えられ、そして残りの水素原子のうちのいくつかが、ハロゲン(好ましくはCl)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基)、アリール基(好ましくはフェニル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換えられた構造を示すものである。
周期律表(短周期型)第I族〜第III族金属の有機金属化合物を使用することも可能である。本発明で使用する周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物は、少なくとも一つの有機基−金属結合を持つ。その場合の有機基としては、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度のヒドロカルビル基が代表的である。原子価の少なくとも一つが有機基で充足されている有機金属化合物の金属の残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは酸素原子を介した当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの場合の−O−Al(CH3)−)その他で充足される。
成分(A)は、成分(A)を構成する各成分を、又は必要により前記任意成分を段階的にあるいは一時的に相互に接触させて、その中間及び/又は最後に有機溶媒、例えば炭化水素溶媒又はハロゲン化炭化水素溶媒で洗浄することによって製造することができる。
その場合に、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする固体生成物(A1)を先ず製造し、それを前記一般式の(A2)ケイ素化合物成分と(A3)有機アルミニウムを同時あるいは順次接触させる方式(いわば逐次法)によることもできるし、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする固体生成物をつくる過程で既にこの(A2)ケイ素化合物成分を存在させることによって一挙に成分(A)を製造する方式(いわば一段法)によることも可能である。好ましい方式は前者である。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与体、チタン含有化合物及び/又はケイ素化合物成分を接触させる方法。
(ロ)アルミナ又はマグネシアをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物及び/又はケイ素化合物成分を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシド及び特定のポリマーケイ素化合物成分を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物及び/又はケイ素のハロゲン化合物を接触させた反応生成物を不活性有機溶媒で洗浄後、ケイ素化合物成分を接触させるか、又は、各々別に接触させる方法。
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(成分(B))としては、R19 3-rAlXr 、R20 3-sAl(OR21)s(ここで、R19及びR20は炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子であり、R21は炭化水素基であり、Xはハロゲンであり、r及びsはそれぞれ0≦r<3、0<s<3である。)で表されるものがある。
本発明で用いられるC(=O)N結合含有化合物が以下の化合物から選ばれることが好ましい。(ここでR1〜R7は炭素数1つ以上の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、任意のR1〜R3及び任意のR4〜R7が連結された環状構造を有してもよい。)
(イ)N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−N−フェニルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリジノン、1−エチル−2−ピロリジノン、1−ドデシル−2−ピロリジノン、1−シクロヘキシル−2−ピロリジノン、1−フェニル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピリドン、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのアミド化合物、(ロ)テトラメチルウレア、テトラエチルウレア、テトラブチルウレア、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルウレア、ビス(テトラメチレン)ウレア、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジアセチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−バルビツール酸などのウレア化合物等を挙げることができる。
成分(C)のC(=O)N結合含有化合物と成分(B)の有機アルミニウム化合物との割合は、有機アルミニウム化合物の使用量に対してモル比で0.001〜1の範囲内がよく、好ましくは0.005〜0.5の範囲内である。
本発明で好ましく用いられる成分(D)は、ケイ素化合物成分または少なくとも2つのエーテル結合を有する化合物であり、ケイ素化合物成分は、下記の式で表される。
R8R9 3-mSi(OR10)m
(ここで、R8は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R9は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素であり、R10は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3を示す。)
成分(D)のケイ素化合物成分と、成分(A2)のケイ素化合物成分は、同じ群から選ばれるものであり、同一であっても異なっていてもよい。
本発明の新規な触媒を使用する、α−オレフィン重合は、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合又は気相重合等に適用される。スラリー重合の場合の重合溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒が用いられる。採用される重合方法は、連続式重合、回分式重合又は多段式重合等いかなる方法でもよい。重合温度は、通常30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、そのとき分子量調節剤として水素を用いることができる。
本発明により重合されるα−オレフィン重合体は、非晶性成分が極めて少なく高い立体規則性を有し、臭いや色相も良好であることを特徴とするものである。
特にバルク重合にて製造されるα−オレフィン重合体は、非晶性成分として冷キシレン可溶分(CXS)が好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1〜1重量%、さらに好ましくは0.2〜0.7重量%である。ここでCXSは、試料(約5g)を140℃のキシレン(300ml)中に一度完全に溶解させてから、23℃に冷却し、12時間放置した後に濾過し濾液を、エバポレータを用いて蒸発乾固して、110℃で2時間減圧乾燥した後、常温まで放冷してその重量を測定することにより求められる。
また、このα−オレフィン重合体は、収率も高く製造され、高剛性化や高耐熱性化が要求される自動車部品、家電部品、包装材料などの用途に好適に用いることができる。
本発明における各物性値の測定方法及び装置を以下に示す。
装置:タカラ社製 メルトインデクサー
測定方法:JIS−K6921に基づき、230℃、21.18Nの条件で評価した。
2)ポリマー嵩密度
パウダー試料の嵩密度をASTM D1895−69に準ずる装置を使用し測定した。
3)冷キシレン可溶分[CXS]
測定方法:試料(約5g)を140℃のキシレン(300ml)中に一度完全に溶解させてから、23℃に冷却し、12時間放置した後に濾過し濾液を、エバポレータを用いて蒸発乾固して、110℃で2時間減圧乾燥した後、常温まで放冷してその重量を測定することによってCXSを求めた。
4)アタック量
スラリー重合により製造されたα−オレフィン重合体において、重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、濾過液を乾燥して得られるポリマーの量を測定し、濾過液中に溶解しているポリマー量の全ポリマー量に対する割合を算出し、これをアタック量(重量%)とした。
5)沸騰ヘプタン不溶分[II]
沸騰ヘプタン不溶分は、沸騰ヘプタンによるソックスレー抽出を3時間行ない、その抽出残の割合をIIとした。
6)全製品II[T-II]
スラリー重合により製造されたα−オレフィン重合体において、重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥しこの部分の沸騰ペプタン不溶分の量を測定する。全ポリマー量として濾過液に溶解しているアタックPPの量を考慮にいれてポリマースラリー中の全ポリマー量を算出し、沸騰ヘプタン不溶分量の全ポリマー量に対する割合を求め、これを全製品II(T−II)とした。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C4H9)4を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl40.1モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.006モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、TiCl4 2.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、TiCl42.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(A1)とした。このもののチタン含量は2.6重量%であった。
さらに、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2 1.2ミリリットル、Al(C2H5)3 1.7グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、2.3重量%であった。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、成分(B)としてAl(C2H5)3を550ミリグラム、成分(C)としてテトラメチルウレアを56ミリグラム及び水素を5,000ミリリットル導入し、次いで液体プロピレンを1,000グラム導入して、内部温度を75℃に合わせた後に、上記で製造した成分(A)を7ミリグラム圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ミリリットル圧入して重合を終了し、得られたポリマーを回収し乾燥させた。その結果、238.5(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=23(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.7(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを55ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、205.8(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=23(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.6(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジメチル−3,4,5,6,−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンを61ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、225.6(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=23(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.8(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、N,N-ジメチルプロピオンアミドを49ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、280.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=32(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.46(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルウレアを116ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、256.0(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=30(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジアセチル−2−イミダゾリジノンを82ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、219.7(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=31(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアを使用しない以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、308.2(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=34(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=1.4(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアを使用しないで、成分(D)として(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2を80ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、291.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=31(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=1.1(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、炭酸メチルを43ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、102.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=32(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
実施例−1の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンを91ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、203.7(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=39(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.46(g/cc)、CXS=0.8(wt%)であった。
以上の結果を表1に示す。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C4H9)4を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl40.1モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルに酢酸ブチルセロソルブ0.006モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、TiCl42.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、TiCl42.5モルを導入して90℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(A1)とした。このもののチタン含量は2.6重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(t−C4H9)Si(n−C3H7)(OCH3)21.5ミリリットル、Al(C2H5)31.7グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、2.2重量%であった。
成分(A)として上記の成分を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、テトラエチルウレアを83ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、272.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=31(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したトルエン100ミリリットルを導入し、次いでMg(OEt)210グラムを導入し懸濁状態とした。次いで、TiCl420ミリリットルを導入し、90℃に昇温してフタル酸ジ−n−ブチル2.5ミリリットルを導入し、さらに110℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、トルエンで洗浄した。次いでTiCl420ミリリットル及びトルエン100ミリリットルを導入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、TiCl420ミリリットル及びトルエン100ミリリットルを導入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(A1)とした。このもののチタン含量は2.7重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(C5H9)2Si(OCH3)21.5ミリリットル及びAl(C2H5)31.7グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、2.3重量%であった。
成分(A)として上記の成分を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1−メチル−2−ピロリジノンを48ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、238.5(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=10(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=1.0(wt%)であった。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したトルエン100ミリリットルを導入し、次いでMg(OEt)2 10グラムを導入し懸濁状態とした。次いで、TiCl420ミリリットルを導入し、90℃に昇温して2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン2.5ミリリットルを導入し、さらに110℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、トルエンで洗浄した。次いでTiCl420ミリリットル及びトルエン100ミリリットルを導入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、更に、TiCl420ミリリットル及びトルエン100ミリリットルを導入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(A1)とした。このもののチタン含量は2.7重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(C6H11)CH3Si(OCH3)22.7ミリリットル及びAl(C2H5)31.7グラムを30℃で2時間接触
させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、2.3重量%であった。
成分(A)として上記の成分を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、ビス(テトラメチレン)ウレアを81ミリグラム使用した以外は実施例−1と全く同様に行った。その結果、205.8(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=15(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=0.7(wt%)であった。
以上の結果を表2に示す。
[プロピレンブロック共重合]
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、成分(B)としてAl(C2H5)3を550ミリグラム、成分(C)としてテトラメチルウレアを56ミリグラム及び水素を10,000ミリリットル導入し、次いで液体プロピレンを1,000グラム導入して、内部温度を75℃に合わせた後に、実施例−1の成分(A)を7ミリグラム圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にプロピレン及び水素を充分パージして第1段階での重合を終わらせた。第1段階でのポリマー収量は219.3(g)であった。精製窒素流通下で20g抜き出した。
次いで攪拌しながら80℃まで昇温し、昇温後にプロピレンガスとエチレンガスを全重合圧力が2.0MPaになるよう装入し、第2段階の重合開始とした。全重合圧力が2.0MPaで一定になるようプロピレンとエチレンの混合ガスを供給しながら、80℃で20分重合を行った。ここでプロピレン/(プロピレン+エチレン)比は平均45.3モル%であった。
その後、混合ガスをパージして重合を終了した。得られたプロピレンブロック共重合体のポリマー収量は236.2(g)であり、第2段階重合体の含量は16wt%、MFR=32(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)であった。また、第1段階で得られたポリマーのMFR=95(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=0.8(wt%)、II=97.27(wt%)密度=0.9101(g/cc)であった。
[プロピレンの重合]
撹拌及び温度制御装置を有する内容積3.0リットルのステンレス鋼製オートクレーブを真空下で加熱乾燥し、室温まで冷却してプロピレン置換した後、成分(B)としてAl(C2H5)3を550ミリグラム、成分(C)としてテトラメチルウレアを56ミリグラム、成分(D)とし(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2を80ミリグラム及び水素を5,000ミリリットル導入し、次いで液体プロピレンを1,000グラム導入して、内部温度を75℃に合わせた後に、実施例−1で製造した固体成分(A1)を7ミリグラム圧入して、プロピレンを重合させた。1時間後にエタノールを10ミリリットル圧入して重合を終了し、得られたポリマーを回収し乾燥させた。その結果、215.2(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=15(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.49(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを55ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、219.8(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=11(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.7(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンを61ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、206.5(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=11(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.8(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、N,N−ジメチルプロピオンアミドを49ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、215.2(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=13(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.8(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを55ミリグラム使用、成分(D)として(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2の代わりに、2,2−ジイソプロピル1,3−ジメトキシプロパンを104ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、154.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=32.5(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、CXS=0.7(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアを使用しなかった以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、204.2(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=25(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=1.5(wt%)であった。
実施例−11の成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、酢酸メチルを36ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、208.8(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=40(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.46(g/cc)、CXS=1.5(wt%)であった。
以上の結果を表3に示す。
[プロピレンの重合]
成分(A)として実施例−7で製造した固体成分(A1)を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、テトラエチルウレアを83ミリグラム、成分(D)の(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2の代わりに、(t−C4H9)Si(n−C3H7)(OCH3)2を90ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、203.6(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=16(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=0.9(wt%)であった。
[プロピレンの重合]
成分(A)として実施例−8で製造した固体成分(A1)を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、1−メチル−2−ピロリジノンを48ミリグラム、成分(D)の(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2の代わりに、(C5H9)2Si(OCH3)2 110ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、198.5(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=20(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.46(g/cc)、CXS=1.0(wt%)であった。
[プロピレンの重合]
成分(A)として実施例−9で製造した固体成分(A1)を用い、成分(C)のテトラメチルウレアの代わりに、ビス(テトラメチレン)ウレアを81ミリグラム、成分(D)の(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2の代わりに、(C9H17N)2Si(OCH3)2を180ミリグラム使用した以外は実施例−11と全く同様に行った。その結果、225.7(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーは、MFR=16(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.47(g/cc)、CXS=0.7(wt%)であった。
[プロピレンの重合]
成分(A)として実施例−9で製造した成分(A1)を用い、成分(C)を使用しない以外は全て実施例−18と同様の重合を実施した。
以上の結果を表4に示す。
[プロピレンの重合]
撹拌及び温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブを充分にプロピレンガスで置換した後、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、成分(B)としてAl(C2H5)3を125ミリグラム、成分(C)として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを12ミリグラム、成分(D)として(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2を17ミリグラム、実施例−1で製造した成分(A1)を15ミリグラム、次いで水素を390ミリリットル導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5g/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥させた。その結果、144.5gのポリマーが得られた。
濾過液中に溶解していた低立体規則性のアタックポリマーは、0.2重量%であった。沸騰ヘプタン抽出試験より、全製品II(T−II)は98.5重量%であった。また、得られたポリマーは、MFR=8.4(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.42(g/cc)であった。
以上の結果を表5に示す。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2を0.4モル、Ti(O−n−C4H9)4を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.06モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl40.2モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で4時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄して成分(A)を製造するための固体成分とした。このもののチタン含量は3.5重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、SiCl40.2モル、(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)22.8ミリリットル、Al(C2H5)39.0グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、3.0重量%であった。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブを充分にプロピレンガスで置換した後、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタンを500ml、成分(B)としてAl(C2H5)3を125ミリグラム、成分(C)として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを12ミリグラム、及び上記で製造した成分(A)を15ミリグラム、次いで水素を130ミリリットル導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5g/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥させた。その結果、46.5gのポリマーが得られた。
濾過液中に溶解していた低立体規則性のアタックポリマーは、0.9重量%であった。沸騰ヘプタン抽出試験より、T−IIは96.4重量%であった。また、得られたポリマーは、MFR=6.6(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.36(g/cc)であった。
実施例−20の成分(C)の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの代わりに、N,N−ジメチルプロピオンアミドを使用した以外は実施例−20と全く同様に行った。その結果、48.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーはアタック量=1.2重量%、T−II=95.9重量%、MFR=7.0(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.38(g/cc)であった。
実施例−20の成分(C)の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを使用しない以外は実施例−20と全く同様に行った。その結果、64.0(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーはアタック量=1.5重量%、T−II=92.9重量%、MFR=8.6(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.34(g/cc)であった。
実施例−20の成分(C)の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの代わりに(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)2を17ミリグラム使用した以外は実施例−20と全く同様に行った。その結果、47.4(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーはアタック量=1.0重量%、T−II=95.3重量%、MFR=7.3(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.35(g/cc)であった。
以上の結果を表6に示す。
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素したトルエン100ミリリットルを導入し、次いでMg(OEt)2 10グラムを導入し懸濁状態とした。次いで、TiCl4 20ミリリットルを導入し、90℃に昇温して2,2−ジイソプロピル1,3−ジメトキシプロパン2.5ミリリットルを導入し、さらに110℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、トルエンで洗浄した。次いで、TiCl4 20ミリリットルおよびトルエン100ミリリットルを導入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して固体成分(A1)を得た。このもののチタン含量は2.6重量%であった。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(C5 H9)2 Si(OCH3)2 1.5ミリリットルおよびAl(C2H5)3 1.7グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は、2.3重量%であった。
撹拌及び温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブを充分にプロピレンガスで置換した後、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタンを500ml、成分(B)としてAl(C2H5)3を125ミリグラム、成分(C)として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを12ミリグラム、及び上記で製造した成分(A)を15ミリグラム、次いで水素を130ミリリットル導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5g/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥させた。その結果、92.4gのポリマーが得られた。
濾過液中に溶解していた低立体規則性のアタックポリマーは、0.2重量%であった。沸騰ヘプタン抽出試験より、全製品II(T−II)は98.9重量%であった。また、得られたポリマーは、MFR=18.5(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.40(g/cc)であった。
[プロピレンの重合]
成分(A)として実施例−22で製造した固体成分(A1)を用い、成分(C)1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの代わりに、テトラメチルウレア13ミリグラム、成分(D)として(t−C4H9)Si(CH3)(OCH3)217ミリグラム使用した以外は実施例−22と全く同様に行った。その結果、135.3(g)のポリマーが得られた。得られたポリマーはアタック量=0.5重量%、T−II=98.0重量%、MFR=
14.6(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.38(g/cc)であった。
以上の結果を表7に示す。
[プロピレンの重合]
成分(A)として、実施例−1で製造した成分(A)を7ミリグラム用い、成分(C)として表8に示す化合物を所定量用いる以外は、全て実施例−1と同様の重合を実施した。
以上の結果を表8に示す。
以上の各実施例−1〜29及び各比較例−1〜9を対照検討することにより、本発明では、収量、嵩密度、冷キシレン可溶分(CXS)、沸騰ヘプタン不溶分(II)等の全般にわたり比較例に比して優れた結果が得られていることが、明白である。
具体的には、成分(C)を使用しない比較例−1及び成分(C)が本発明のものでない比較例−2では、収量だけは実施例1〜6よりも優れるものの、冷キシレン可溶分(CXS)が非常に劣り、比較例−1では沸騰ヘプタン不溶分(II)も悪くなっている。成分(C)が本発明のものでない比較例−3では、収量が極端に悪く、成分(C)が本発明のものでない比較例−4では、収量と沸騰ヘプタン不溶分(II)が良くない。同様に、成分(C)を使用しないか、成分(C)が本発明のものでない比較例−5〜7でも、特に冷キシレン可溶分(CXS)と沸騰ヘプタン不溶分(II)の物性が悪くなっている。また、成分(C)を使用しない比較例−8では、アタック量と全製品II(T−II)が悪く、成分(C)が本発明のものでない比較例−9では全製品II(T−II)が悪い結果となっている。
Claims (8)
- さらに成分(D)下記の式で表されるケイ素化合物又は成分(D)脂肪族ジエーテル又は芳香族ジエーテルである、少なくとも2つのエーテル結合を有する化合物を組み合わせてなる、請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
R 8 R 9 3-m Si(OR 10 ) m
(ここで、R 8 は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R 9 は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素であり、R 10 は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3をそれぞれ示す。) - 成分(A)が下記の成分(A1)、成分(A2)を接触させてなる、請求項1又は2に記載のα−オレフィン重合用触媒。
成分(A1):チタン、マグネシウム、及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分、
成分(A2):下記の式で表されるケイ素化合物、
R8R9 3-mSi(OR10)m
(ここで、R8は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R9は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン又は水素であり、R10は、炭化水素基であり、mは1≦m≦3を示す。) - 成分(A)がさらに下記の成分(A3)を接触させてなる、請求項3に記載のα−オレフィン重合用触媒。
成分(A3):有機アルミニウム化合物 - 成分(A)がさらに成分(E)電子供与体を含有する、請求項1又は2に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 成分(A1)がさらに成分(E)電子供与体を含有する、請求項3又は4に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 成分(E)電子供与体が、フタル酸ジエステル化合物、酢酸セロソルブエステル化合物、フタル酸ジハライド化合物、コハク酸ジエステル化合物及び脂肪族あるいは芳香族のジエーテル化合物である、請求項5又は6に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のα−オレフィン重合用触媒を用いて、α−オレフィンを単独重合又は共重合することを特徴とするα−オレフィン重合体の製造方法。
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