JP2005318266A - 移動通信端末装置、及び送信電力制御方法 - Google Patents

移動通信端末装置、及び送信電力制御方法 Download PDF

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Toshishige Takahashi
利成 高橋
Kazutomi Mori
一富 森
Akira Ota
彰 太田
Fumimasa Kitabayashi
文政 北林
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Abstract

【課題】 HSDPAを用いた通信時には、移動局が変調する変調信号の多重波数が増加し、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変化するという問題があった。
【解決手段】 データ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加するか判定する処理と、少なくとも前記第二の制御用チャネルの振幅係数を決定する処理と、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、基地局に送信する送信信号の電力を増幅する増幅部を駆動させる駆動電圧を制御する処理を実行し、振幅係数βhsに応じて、電源からHPAに供給するバイアス電圧を制御することにより、変化したPARに応じてHPAの線形性を最適に制御することができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、基地局と高速でデータ通信を行う移動通信端末装置に関するものであり、特に、基地局への送信電力を増幅する送信電力増幅器を効率的に制御する移動通信端末装置に関するものである。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が、2001年より日本で商用サービスが開始されている。W−CDMA方式を用いて通信サービスを提供するシステムにおいて、移動局と基地局は、基地局が移動局にデータを送信する下りリンクと、移動局が基地局にデータを送信する上りリンクにより、2Mbps(bit per second)程度の通信速度で通信を行っている。また、近年、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するために、従来の下りリンクのほか、新たに下りリンク(パケット伝送用のチャネル)を追加するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)方式が提案、検討されている。新たな下りリンクを追加するにあたり、新たな下りリンクを介して送信された下りの高速パケットデータに対する応答データを、移動局が基地局に送信する専用の制御用チャネル(シグナリングチャネル)が増設される必要がある。
ところで、HSDPAを実現するシステムにおいて、移動局から基地局への上りリンクに専用の制御用チャネルが増設される。したがって、基地局が移動局に対してHSDPAを用いた通信を許可した場合、移動局は、HSDPAを用いた通信の制御用のシグナリングチャネルを通常の上りリンクに追加多重する必要が生じる。このため、HSDPAを用いた通信時には、移動局が変調する変調信号の多重波数が増加し、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変化するという問題が生じる。また、上記追加シグナリングチャネルの多重波比率(振幅係数βcとβdの組み合わせ)に応じてもPARが変化するという問題が生じる。HPAはPARが特定のレベルであるとき、その線形性が最適になるよう設計されているので、PARが変化すればHPAの最適な線形性も変化することになり、ACLR(隣接チャネル漏洩電力: Adjacent Channel Leakage Ratio)や効率の劣化を招くことになる。具体的には、例えば、多重波数が多い場合に最適化してHPAを設計すると、多重波数が減少してPARが小さくなった時には、HPAの線形性が過剰になり、ACLR特性は改善する。しかし、HPAの効率は低くなるので消費電力が大きくなる。逆に、多重波数が少ない場合に最適化してHPAを設計すると、多重波数が増加してPARが大きくなったときには、HPAの線形性に余裕がなくなり、ACLR特性は劣化する。しかし、HPAの効率は高くなるので消費電力は低減できる。
W‐CDMA通信方式を用いたシステムでは、移動通信端末装置は高出力レベルで信号を送信するよりも、低出力レベルで信号を送信する時間が圧倒的に長い。つまり、HPAの電力消費を低減させるためには、低出力時の消費電力を減少させることが必要である。特許文献1には、昇降圧型DCDCコンバータを備え、電力増幅器の出力電力に応じて、電力増幅器に供給する電圧を昇圧ないし降圧させるように制御する電力増幅用回路が開示されている。
特開2003‐8365号公報
また、一般的な電力増幅器の制御方法として、特許文献2に開示されているように、電池から供給される電力を電力増幅器が効率よく動作する電圧値に降圧するDC/DCコンバータを備え、この電圧を電力増幅器の電源電圧として供給することにより、電力増幅器を効率よく駆動して消費電力の低減を図る点が知られている。
特開2002‐290247号公報
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、PARの変化に応じて高周波増幅器の線形性を制御することにより、ACLR特性、HPA効率を最適化して、通信品質の改善と消費電力の低減を図る移動通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明に係る移動通信端末装置は、少なくともデータ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データをIQ多重して複素信号を生成するIQ多重化部と、このIQ多重化部で生成された複素信号を所定の送信電力まで増幅して送信する増幅部、電源から供給された電源電圧を昇圧または降圧して、前記増幅部を駆動する駆動電圧を生成する電圧変換部を含む送信部と、前記IQ多重化部が前記データチャネルの送信データ、前記第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加する場合、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、前記電圧変換部が前記増幅部に供給する前記駆動電圧を制御する制御部とを設けたものである。
本発明に係る送信電力制御方法は、データ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加するか判定する処理と、少なくとも前記第二の制御用チャネルの振幅係数を決定する処理と、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、基地局に送信する送信信号の電力を増幅する増幅部を駆動させる駆動電圧を制御する処理とを含むものである。
本発明に係る移動通信端末装置は、少なくともデータ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データをIQ多重して複素信号を生成するIQ多重化部と、このIQ多重化部で生成された複素信号を所定の送信電力まで増幅して送信する増幅部、電源から供給された電源電圧を昇圧または降圧して、前記増幅部を駆動する駆動電圧を生成する電圧変換部を含む送信部と、前記IQ多重化部が前記データチャネルの送信データ、前記第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加する場合、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、前記電圧変換部が前記増幅部に供給する前記駆動電圧を制御する制御部とを設けたので、βhsに応じて、電源からHPAに供給するバイアス電圧を制御することにより、HSDPA通信の開始により多重波数が増加することにより、変化したPARに応じてHPAの線形性を最適に制御することができる。したがって、HSDPA通信時の移動局におけるACLR特性を改善するとともに、HPAの効率改善という効果を得ることができる。
本発明に係る送信電力制御方法は、データ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加するか判定する処理と、少なくとも前記第二の制御用チャネルの振幅係数を決定する処理と、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、基地局に送信する送信信号の電力を増幅する増幅部を駆動させる駆動電圧を制御する処理とを含むので、振幅係数βhsに応じて、電源からHPAに供給するバイアス電圧を制御することにより、HSDPA通信の開始により多重波数が増加することにより、変化したPARに応じてHPAの線形性を最適に制御することができる。したがって、HSDPA通信時の移動局におけるACLR特性を改善するとともに、HPAの効率改善という効果を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、HSDPA(High Speed Down Link Packet Access)技術が用いられた移動通信システムの構成を示す説明図である。図1において、HSDPA技術が採用された基地局(Node B)1から移動局(UE: User Equipment)2に向かう方向のデータ伝送に用いられる下りリンク3、移動局2から基地局1に向かう方向のデータ伝送に用いられる上りリンク4のほか、HSDPA技術を適用するために追加された、移動局2から基地局1に向かう方向、つまり上り方向に、ACK/NACKなどの応答データを伝送するためのシグナリングチャネル6と、基地局1から移動局2に向かう方向、つまり下り方向に、大容量のパケットデータ伝送用のチャネル5が設けられている。基地局1は、移動局2に大容量のパケットデータ伝送用のチャネルを用いて通信するとき、すなわちHSDPAモードに移行するときや、移動局2の通信品質に応じて基地局が使用する変調方式を、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)と16QAM(Quadrature Amplitude Moduration)のいずれかに変更させるとき、所定の制御信号を移動局2に伝送する。移動局2は、基地局1から伝達された制御信号に応じて、復調方式をQPSKか16QAMのいずれかに変更したり、上りリンクに追加された制御用のシグナリングチャネルを従来の上りリンク4に追加多重する処理を行う。
図2は、HSDPA技術が適用された移動局2の構成を示すブロック図である。図2において、IQ多重下部である拡散部21は、3GPP TS25.213(V5.5.0)にて定義されており,データ用チャネルDPDCH1〜DPDCH6、制御用チャネルDPCCH、HSDPA用の上り制御用チャネルHS−DPCCHの拡散処理などが成されI信号(In-Phase信号)、Q信号(Quadrature信号)を出力する。
変調部22は、拡散部21から出力されたI、Q信号を直交変調し、無線周波数へ周波数変換を行う。送信部である電力増幅部23は、変調部22から出力された変調信号を、所定の送信電力レベルに増幅する。アンテナ24は、電力増幅部23から出力された変調信号を外部に送信する。電力増幅部23は、昇圧/降圧型DCDCコンバータ26と、昇圧/降圧型DCDCコンバータ26から供給されたバイアス電圧によって駆動されるHPA25より構成されている。昇圧/降圧型DCDCコンバータ26は、電源27から供給された電源電圧を昇圧ないし降圧して電圧が調整されたバイアス電圧を用いてHPA25を駆動する。このHPA25は変調部22から出力された変調信号を増幅する。制御部28は、上位レイヤから報知される、DPDCH用の振幅係数βd、DPCCH用の振幅係数βc、HS−DPCCH用の振幅係数βhsを拡散部21に設定し、これらの振幅係数βd、βc、βhsに基づいて、HPAのバイアス電圧を制御することで、HPAの線形性を制御するものである。なお、変調部22で直交変調し、無線周波数へ周波数変換する構成としたが、直交変調で中間周波数とした後に、ミキサを用いて無線周波数へ周波数変換する構成でもかまわない。
図3は、図2に示す拡散部21の構成をさらに詳細に示すブロック図である。図3において、拡散部21は、DPDCH1〜DPDCH6のデータに対してチャネル分離用の拡散符号Cd,1〜Cd,6を乗算する乗算器31〜36、制御用チャネルDPCCHの制御データに対してチャネル分離用の拡散符号Cを乗算する乗算器37、新たに追加した制御用チャネルであるHS−DPCCHの制御データに対してチャネル分離用の拡散符号Chsを乗算する乗算器38より構成されている。
また、拡散部21は、乗算器31〜36の出力信号に対してDPDCH用の振幅係数βdを乗算する乗算器39〜44、乗算器37の出力信号に対してDPCCH用の振幅係数βcを乗算する乗算器45、乗算器38の出力信号に対してHS−DPCCH用の振幅係数βhsを乗算する乗算器46および47が設けられている。さらに、拡散部21は、乗算器39〜41、47(DPDCH本数が偶数の場合)の出力信号を加算する加算器48、乗算器42〜45、46(DPDCH本数が奇数の場合)の出力信号を加算する加算器49、加算機49の出力信号に対して虚数jを乗算する乗算器50、加算器48、乗算器50の出力を複素加算する加算器51、加算器51の出力信号にスクランブリングコードSdpch,nを乗算する乗算器52を有する。なお、HS−DPCCHは、送信するDPCCH本数が偶数の場合には加算器48に入力され、奇数の場合には加算器49へ加算される。
基地局から移動局に対し、HSDPAを用いた通信が許可され、移動局がHS−DPCCH送信を始める場合、移動局はHSDPAを用いた通信の制御用のシグナリングチャネルを通常の上りリンクに追加多重して、基地局にHSDPA通信の制御用データを伝達するリンクを確立する。したがって、HSDPAを用いた通信時とHSDPAを用いない通常通信時では、移動局が送信する変調信号の多重波数が変化し、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変動する。また、上述のβhsに応じてPARが変動する。前述したように、PARが変化すると、HPAに求められる線形性も変化するので、変化後のPARに適するように、HPAの線形性を調整する必要がある。HPAの線形性の調整は、例えばHPAを駆動するバイアス電圧を制御することにより行うことができる。変調信号のPARは、例えば、DPDCHがシングルコードで、βhsをある値に固定した場合には、DPDCHのデータに乗算する振幅係数βd、DPCCHのデータに乗算する振幅係数βcの組み合わせと、例えば、図4に示すような相関がある。
図4はβcとβdが取り得る値の組み合わせとPAR増加量の関係を示すグラフである。なお、振幅係数βcとβdはDPCCHの制御データとDPDCHのデータの振幅を決定するための係数であり、振幅係数βcとβdの組み合わせをβc/βdとすると1/15〜15/0の値で表される。つまり、βcとβdの組み合わせはDPCCHとDPDCHの振幅比を示すものである。図4において、縦軸はPARの増加量が、横軸はβc/βdを示す。図4のように、βc/βdおよびβhsに応じてPARが変化する。なお、図4においては、βhsを限定した場合を載せたが、3GPP TS25.213(V5.5.0)記載のβhs分のPAR特性が存在する。
以下、上記振幅係数βd、βc、βhsに基づいて、HSDPA通信開始後のHPAに供給する最適なバイアス電圧を決定する処理について説明する。図5は本発明の実施の形態1に係る移動通信端末装置の動作を示すフローチャートであり、振幅係数βd、βc、βhsに基づいて、HSDPA通信開始後のHPAに供給する最適なバイアス電圧を決定する処理を説明するものである。図5において、移動局2は基地局1からHSDPAを用いた通信を許可する信号と送信電力制御信号を受信する(ステップ1)。そして、基地局から受信した信号に基づいて、移動局2側でDPDCH、DPCCH、HS−DPCCHの振幅係数(ゲインファクタ)を設定する(ステップ2)。ステップ3において、HPAに供給するバイアス電圧を補正する必要があるか決定するために、HS−DPCCH送信を実施するか判定する。HS−DPCCH送信を行うときには、多重波数が増加することと、βhsに応じて変調信号のPARが変動するため、以下説明するステップでHPAに供給するバイアス電圧を補正する処理を行う。
HS−DPCCH送信が行われない場合(ステップ3でNo)、変調信号のPARは変化しないため、HPAに供給するバイアス電圧を補正する必要はない。したがって、ステップ4において、HPAのバイアス電圧の補正値であるV_mod_offsetを0に設定する。一方、HS−DPCCH送信が行われる場合(ステップ3でYes)、PARの増加量はβcとβdの組み合わせ、およびβhsにより異なるので、想定されるβcとβdの組み合わせ、およびβhsによって場合分けを行い、バイアス電圧の適正な補正量を決定する。このため、ステップ5において、まずβhsで場合分けを行う。本実施の形態ではAで分割することを想定する。本実施の形態では、図4のβhs=b<A、βhs=a>Aと仮定する。例えば、βhs=bの場合には、βhs<Aであるので、ステップ5でYesとなりステップ6へ進む。その後、ステップ6において、例えば、βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい範囲(例えば、1/15〜D/Eの範囲)であるときには、HPAに供給するバイアス電圧の補正量V_mod_offsetは小さくてもよい。一方、βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい範囲であるときには、HPAに供給するバイアス電圧の補正量V_mod_offsetを大きくする必要がある。
ステップ6において、バイアス電圧の適正な補正量を決定するために、βcとβdの組み合わせを認識して、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲であるか判定する。ここでいう「D/E」は例えば、PARの増加量がPAR b dBまでなら許容される場合には、図4より15/15と設定される。ステップ6の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲である場合には(ステップ6でYes)、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧を大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ7において、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=1と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲外である場合には(ステップ6でNo)、PARの増加量はステップ7にくらべて大きいことが想定されるので、HPAに供給するバイアス電圧を大きく補正する必要がある。そこで、ステップ8において、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=2と設定する。同様に、βhsがAよりも大きい場合(ステップ5でNoの場合)にも、PARの増加量はβcとβdの組み合わせにより異なるので、想定されるβcとβdの組み合わせよって場合分けを行い、バイアス電圧の適正な補正量を決定する。
ステップ9において、バイアス電圧の適正な補正量を決定するために、βcとβdの組み合わせを認識して、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲であるか判定する。ここでいう「B/C」は例えば、PARの増加量がPAR a dBまでなら許容される場合には、図4より15/15と設定される。ステップ9の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲である場合には(ステップ9でYes)、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧を大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ10において、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=3と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲外である場合には(ステップ9でNo)、PARの増加量はステップ10に比べて大きいことが想定されるので、HPAに供給するバイアス電圧を大きく補正する必要がある。そこで、ステップ11において、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=4と設定する。なお、V_mod_offset=1、V_mod_offset=2、V_mod_offset=3、V_mod_offset=4の「1」、「2」、「3」、「4」という数値は、βcとβdの組み合わせで判定する際に,バイアス電圧補正量の大小を説明するために便宜上設定した数値であり、特に意味を有するものではない。
上記説明のステップ1〜ステップ11の処理により、HPAに供給するバイアス電圧の補正量V_mod_offsetが決定された。このバイアス電圧の補正量V_mod_offsetを基準となるバイアス電圧V_referenceに加算することで、補正されたバイアス電圧値Vbiasが決定される。このように決定されたバイアス電圧値Vbiasを、図2に示すHPA25に供給するように、制御部28はバイアス電圧値Vbiasを電力増幅部23の昇圧/降圧型DCDCコンバータ26に出力する。昇圧/降圧型DCDCコンバータ26は電源27より供給された電源電圧をバイアス電圧値Vbiasになるように昇圧ないし降圧してHPA25に供給する。なお,本実施の形態において、βhs、βc/βdの判定基準を1点としたが、βhs、βc/βd全ての組み合わせ分のバイアスオフセット量を設定してもかまわない。
上記説明のように、本発明に係る移動通信端末装置は、HSDPAを用いた通信時に、移動局が変調する変調信号の多重波数が増加して、その追加信号の増幅比率(βhs)に応じて、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変化するという問題を解決するものである。上記説明に係る移動通信端末装置は、かかる課題を解決するために、βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じて、電源からHPAに供給するバイアス電圧を制御することにより、変化したPARに応じてHPAの線形性を最適に制御する。したがって、HSDPA通信時の移動局におけるACLR特性を改善するとともに、HPAの効率改善という効果を得ることができる。
実施の形態2.
HSDPAを用いた通信時とHSDPAを用いない通常通信時では、移動局が変調する変調信号の多重波数、および多重波比率が変化し、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変動する。PARが変化すると、HPAに求められる線形性も変化するので、変化後のPARに適するように、HPAの線形性を調整する必要がある。上記実施の形態1において説明した移動通信端末装置は、変調信号のPARは振幅係数βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じて変化する点に着目し、振幅係数βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じてHPAの線形性の制御を行っていた。
以下、実施の形態2に係る移動通信端末装置の動作について説明する。図6は本発明の実施の形態2に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図6において、図5と同一のステップは同一または相当の処理を実行するので、特に必要な場合を除いて説明は省略する。ステップ3において、移動局がHS−DPCCH送信をしない場合には(ステップ3でNo)、変調信号の多重波数は変化しない。したがって、ステップ4Aにおいて、HPAのバイアス電圧の補正値であるV_mod_offsetを0に設定する。一方、ステップ3において、移動局がHS−DPCCH送信を行う場合には、ステップ5にて、βhsで場合分けを行う。本実施の形態でも実施の形態1と同様、Aで分割することを想定し、図4のβhs=b<A、βhs=a>Aと仮定する。例えば、βhs=bの場合には、βhs<Aであるので、ステップ5でYesとなりステップ6へ進む。そして、ステップ6において、βとβの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲であるか判定する。一方、βhs=aの場合には、βhs>Aであるので、ステップ5でNoとなりステップ9へ進む。そして、ステップ9において、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲であるか判定する。
βhsがAより小さい場合(ステップ5でYes)に実施されるステップ6の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲である場合には(ステップ6でYes)、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧、HPAが出力する変調信号の電力値ともに大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ7Aにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=1と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲外である場合には(ステップ6でNo)、PARの増加量は大きいことが想定されるので、ステップ8Aにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=2と設定する。また、βhsがAより大きい場合(ステップ5でNo)に実施されるステップ9の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲である場合には(ステップ9でYes)、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧は大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ10Aにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=3と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲外である場合には、PARの増加量は大きいことが想定されるので、ステップ11Aにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=4と設定する。
次にPoutに基づいて、HPAに供給するバイアス電圧Vbiasを求める処理を行う。図2に示す制御部28は、アンテナ端の送信出力電力Poutに対応するバイアス電圧Vbiasが昇圧/降圧型DCDCコンバータ26の制御値として記憶されたテーブルを格納する。本実施例の場合、このテーブルは振幅係数βcとβd、βhsの場合分けに対応して、(1)HSDPA通信が行われていない場合、(2)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(3)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合、(4)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(5)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合の5種類のテーブルが作成されている。図6のステップ3、ステップ5、ステップ6、ステップ9でのβhs、およびβcとβdの場合分けにより設定されたV_mod_offsetに応じて、ステップ14A〜ステップ14Eのいずれかの処理が実行される。例えば、ステップ11Aにおいて、V_mod_offset=4に設定され、ステップ13において、Pout=24と設定された場合、ステップ14Aにすすみ、バイアス電圧Vbias=5.5と設定される。
上記説明のように、本発明に係る移動通信端末装置は、振幅係数βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じて、V_mod_offsetを求め、このV_mod_offsetと上位レイヤより与えられた送信電力Poutに適したバイアス電圧を選択する。したがって、移動局が基地局に対して送信する送信電力(アンテナ端の出力電力Pout)を定められた範囲内で調整する場合にも最適なバイアス電圧をHPAに与え、HPAの性能を良好に保つことができるという効果を奏する。本実施の形態において、βhs、βc/βdの判定基準を1点としたが、βhs、βc/βd全ての組み合わせ分のバイアスオフセット量を設定してもかまわない。
実施の形態3.
HSDPAを用いた通信時とHSDPAを用いない通常通信時では、移動局が変調する変調信号の多重波数、および多重波比率が変化し、変調信号のPAR(Peak to Average Ratio)が変動する。PARが変化すると、HPAに求められる線形性も変化するので、変化後のPARに適するように、HPAの線形性を調整する必要がある。上記実施の形態1において説明した移動通信端末装置は、変調信号のPARは振幅係数βcとβdの組み合わせおよび、βhsに応じて変化する点に着目し、振幅係数βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じてHPAの線形性の制御を行っていた。また、送信出力電力に応じて最適なバイアスをHPAに与えていた。
しかし、HPAの線形性は調整できる範囲に限りがあり、全ての出力電力、変調信号のPARに応じて最適な効率・歪みを与えることは難しい。そこで、アンテナ端の出力電力をある一定の範囲で可変とする事でHPAへ要求する性能を緩和させることができる。
以下、実施の形態3に係る移動通信端末装置の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態3に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図7において、図5ないし図6と同一のステップは同一または相当の処理を実行するので、特に必要な場合を除いて説明は省略する。ステップ3において、HS−DPCCH通信を行わない場合には(ステップ3でNo)、変調信号の多重波数は変化しない。したがって、ステップ4Bにおいて、HPAのバイアス電圧の補正値であるV_mod_offsetを0に設定するとともに、HPAが出力する変調信号の電力の補正値であるP_mod_offsetを0に設定する。一方、ステップ3において、HS−DPCCH通信を行う場合には(ステップ3でYes)、ステップ5にて、βhsで場合分けを行う。βhsがAより小さい場合(ステップ5でYes)に実施されるステップ6では、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲であるか判定する。また、βhsがAより大きい場合(ステップ5でNo)に実施されるステップ9では、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲であるか判定する。
βhsがAより小さい場合(ステップ5でYes)に実施されるステップ6の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲である場合には、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧、HPAが出力する変調信号の電力値ともに大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ7Bにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=1、HPAが出力する変調信号の電力の補正値P_mod_offset=1と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜D/Eの範囲外である場合には、PARの増加量は大きいことが想定されるので、ステップ8Bにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=2、HPAが出力する変調信号の電力の補正値P_mod_offset=2と設定する。同様に、βhsがAより大きい場合(ステップ5でNo)に実施されるステップ9の判定処理の結果、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲である場合には、PARの増加量は比較的小幅であるので、HPAに供給するバイアス電圧、HPAが出力する変調信号の電力値ともに大きく補正しなくてもよい。そこで、ステップ10Aにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=3、HPAが出力する変調信号の電力の補正値P_mod_offset=3と設定する。一方、βcとβdの組み合わせが1/15〜B/Cの範囲外である場合には、PARの増加量は大きいことが想定されるので、ステップ11Bにおいて、バイアス電圧の補正量V_mod_offset=4、HPAが出力する変調信号の電力の補正値P_mod_offset=4と設定する。ステップ4B、7B、8B、10B、11Bにおいて、HPAが出力する変調信号の電力の補正量P_mod_offsetが決定されたことに伴い、ステップ13Aでは、アンテナ端の送信出力電力Poutが決定される。
移動局のアンテナ端における送信出力電力Poutは、HPAが出力する変調信号の電力の補正量P_mod_offsetとHPAが出力する変調信号のもとの電力P_referenceを加算した値で表される。上記のように求めたPoutに基づいて、HPAに供給するバイアス電圧Vbiasを求める処理を行う。図2に示す制御部28は、アンテナ端の送信出力電力Poutに対応するバイアス電圧Vbiasが昇圧/降圧型DCDCコンバータ26の制御値として記憶されたテーブルが格納される。本実施例の場合、このテーブルは振幅係数βcとβd、βhsの場合分けに対応して、(1)HSDPA通信が行われていない場合、(2)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(3)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合、(4)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(5)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合の5種類のテーブルが作成されている。図6のステップ3、ステップ5、ステップ6、ステップ9でのβhs、βcとβdの場合分けにより設定されたV_mod_offset、P_mod_offsetに応じて、ステップ14A〜ステップ14Eのいずれかの処理が実行される。例えば、ステップ11Aにおいて、V_mod_offset=4、P_mod_offset=4と設定され、ステップ13Aにおいて、Pout=23と設定された場合、バイアス電圧Vbias=5.4と設定される。
上記説明のように、本発明に係る移動通信端末装置は、振幅係数βcとβdの組み合わせおよびβhsに応じて、HPAが出力する変調信号の電力の補正量P_mod_offsetを求め、このP_mod_offsetを基準値に加算することでアンテナ端の送信電力Poutを求め、さらにこの送信電力Poutに適したバイアス電圧を選択する。したがって、移動局が基地局に対して送信する送信電力(アンテナ端の出力電力Pout)を定められた範囲内で調整する場合にも最適なバイアス電圧をHPAに与え、HPAの性能を良好に保つことができるという効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態3に係る移動通信端末装置は、βcとβdの組み合わせおよびβhsからHPAが出力する変調信号の電力の補正量とアンテナ端の送信出力電力を求め、さらにアンテナ端の送信出力電力に適したバイアス電圧を求めていた。しかし、バイアス電圧を変化させると、HPAの利得が変化して、アンテナ端の送信出力電力Poutも変化するという問題が生じる。3GPP等の規格において、移動局の送信出力電力は基地局より指定されるものであり、かつこの送信出力電力は所定の範囲に収めることが定められているので、移動局の送信出力電力が大幅に変動することは好ましくない。そこで、以下説明する移動通信端末装置は、HSDPA通信が許可されてHPAに供給するバイアス電圧が補正された場合でも、アンテナ端の送信出力電力を一定にするため、HPAに入力される変調信号の電力値を振幅係数βcとβdの組み合わせに応じて補正するものである。
以下、実施の形態4に係る移動通信端末装置の動作について説明する。図8は本発明の実施の形態4に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図8において、図7と同一番号のステップは同一または相当の処理を実行するので、特に必要な場合を除いて説明は省略する。図2に示す制御部28は、アンテナ端の送信出力電力Poutに対応するバイアス電圧Vbiasが記憶されたテーブルを格納する。さらに、本実施例の場合、バイアス電圧Vbiasに対応した利得の補正値Gain_offsetが記憶されたテーブルを格納している。本実施例の場合、このテーブルは振幅係数βcとβdの場合分けに対応して、(1)HSDPA通信が行われていない場合、(2)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(3)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合、(4)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(5)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合の5種類のテーブルが作成されている。
図8のステップ3、ステップ5、ステップ6、ステップ9のβhs、およびβcとβdの場合分けにより設定されたV_mod_offset、P_mod_offsetに応じて、ステップ14A〜ステップ14Eのいずれかが実行されて、アンテナ端の送信電力Poutに対応したバイアス電圧Vbiasが決定される。バイアス電圧Vbiasが決定されると、ステップ14A〜ステップ14Eに対応するステップ15A〜ステップ15Eのいずれかが実行されて、利得の補正量Gain_offsetが決定される。上記のような処理により利得の補正量Gain_offsetは決定されるため、利得の補正量Gain_offsetはHPAへ供給されるバイアス電圧と関連して決定されたことになる。
図9は、図2に示す電力増幅部23の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図9において、図2に示す符号と同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。図9に示すように、HPA25に入力される変調信号の電力は、可変利得増幅器VGA61(Variable Gain Amplifier)により補正される。VGA61は、図2の制御部28から供給された利得制御信号(Gain control signal)により、VGA61の利得を補正する。VGA61において利得が補正された変調信号は、バイアス電圧Vbiasに基づいて変調信号を増幅するHPA25にて送信出力電力Poutまで増幅されて送信される。上記のような構成を採用することにより、HSDPAを用いた通信を開始して、HPAのバイアス電圧が変化した際に、バイアス電圧が補正されたことにより変化するHPAの利得の変化を、HPAに入力される変調信号の電力を補正することで、所定の範囲内に抑制することができる。
上記説明のとおり、本発明に係る移動通信端末装置は、HSDPAを用いた通信を開始して、HPAのバイアス電圧が変化した際に、バイアス電圧が補正されたことにより変化するHPAの利得の変化を、HPAに入力される変調信号の電力を補正することで、所定の範囲内に抑制することができる。したがって、HSDPAを用いた通信が許可されて、PARが変化してACLRが変化する問題を防止するため、βcとβdの組み合わせに応じてバイアス電圧を補正しても、HPAの利得の変化を一定範囲に抑制することが可能になり、基地局と安定した通信を実現することが可能になる。
実施の形態5.
上記実施の形態4に係る移動通信端末装置は、アンテナ端の送信出力電力を一定にするため、移動局の周波数変換部(HPA)の利得を、βhsおよびβcとβdの組み合わせに応じて決定されたバイアス電圧に基づいて制御していた。しかし、HSDPA通信が許可されて、PARが変化したことに伴い、移動局がHPAに供給するバイアス電圧を補正すると、HPAの通過位相特性が変化する場合がある。HPAの通過位相特性の変化が大きい場合には、基地局側での同期外れがおきる頻度が大きくなる可能性がある。かかる問題が発生することを防止するため、移動局の位相の変動は抑制されることが好ましい。そこで、以下説明する移動通信端末装置は、HPAに入力される変調信号の位相成分を、HPAに供給するバイアス電圧に応じて補正することにより、移動局の出力する信号の位相変化を抑制するものである。
以下、実施の形態5に係る移動通信端末装置の動作について説明する。図10は本発明の実施の形態5に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図10において、図8と同一番号のステップは同一または相当の処理を実行するので、特に必要な場合を除いて説明は省略する。図2に示す制御部28は、アンテナ端の送信出力電力Poutに対応するバイアス電圧Vbiasが記憶されたテーブルを格納する。さらに、本実施例の場合、バイアス電圧Vbiasに対応した位相の補正値Phase_offsetが記憶されたテーブルが格納される。本実施例の場合、このテーブルは振幅係数βhs、および振幅係数βcとβdの場合分けに対応して、(1)HSDPA通信が行われていない場合、(2)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(3)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以下、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合、(4)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ、振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が小さい領域である場合、(5)HS―DPCCH通信を行う場合であって、βhsがA以上、かつ振幅係数βcとβdの組み合わせがPARの増加量が大きい領域である場合の5種類のテーブルが作成されている。
図10のステップ3、ステップ5、ステップ6、ステップ9のβhs、およびβcとβdの場合分けにより設定されたV_mod_offset、P_mod_offsetに応じて、ステップ14A〜ステップ14Eのいずれかが実行されて、アンテナ端の送信電力Poutに対応したバイアス電圧Vbiasが決定される。バイアス電圧Vbiasが決定されると、ステップ14A〜ステップ14Eに対応するステップ16A〜ステップ16Eのいずれかが実行される。ステップ16A〜ステップ16Eにおいて、バイアス電圧Vbiasに対応した位相の補正量Phase_offsetが決定される。上記のような処理により位相の補正量Phase_offsetは決定されるため、位相の補正量Phase_offsetはHPAへ供給されるバイアス電圧と関連して決定されたことになる。
図11は、図2に示す電力増幅部23の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図11において、図9に示す符号と同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。図11に示すように、HPA25に入力される変調信号の位相は、移相器62により補正される。移相器62は、図2の制御部28から供給された位相制御信号(Phase control signal)により、変調信号の位相を補正する。移相器62において位相が補正された変調信号は、バイアス電圧Vbiasに基づいて変調信号を増幅するHPA25にて送信出力電力Poutまで増幅されて送信される。上記のような構成を採用することにより、HSDPAを用いた通信を開始して、HPAのバイアス電圧が変化した際に、バイアス電圧が補正されたことにより変化するHPAの通過位相特性が変化し、基地局における動機はずれが発生することを防止することができる。つまり、HPAのバイアス電圧を変化させたときの位相の変化に同期して、あらかじめ位相が補正された状態の変調信号がHPAにおいて増幅、出力されるため、バイアス電圧の制御を行ったときの変調信号の位相の変化を一定に抑えることができる。なお、図12に示すように、バイアス電圧に応じて利得と位相を同時に補正するような構成を採用してもよい。また、本実施の形態においては、移相器としてアナログ回路を想定したが、ベースバンド部においてデジタル回路で位相補正を行うような、位相を補正できる構成ならいかなる構成でもかまわない。
実施の形態6.
HS−DPCCH信号はSlot単位でON/OFFが上位レイヤで決定されて加算される。DCDCコンバータが充分に高速で動作可能である場合には、該当Slotにおいて送出出力電力とPARから必要なバイアス電圧を決定し、HPAに与えることで常に高い効率を保つことができる。しかし、DCDCコンバータの応答特性がSlot間のRump時間(例えば、3GPP TS25.101(V5.8.0)で定義されているRump時間±25usのように)よりも長い場合には、HSDPAモードになった時点でHSDPA信号が加算されているいないに関らず、バイアス電圧をあらかじめ高い状態に保つことで、HSDPAモード期間で若干の効率低下は起こるが、良いACLR特性と、安定した出力電力を得ることができる。
実施の形態7.
HPAのバイアスを変化させたときの利得の変化に同期してあらかじめ補正された状態で出力が可能なため、APC(Auto Power Control)に頼らずに安定して出力電力を一定に保つことが出来る。ただし、DACのダイナミックレンジを効果的に利用するために、ピーク信号をDACのLSB、MSB近辺に割り当てた場合、すなわち、PARに応じてI・Q出力rms(root means square)が小さくなる場合には、VGAの利得が同じであったとしても、HPAに入力される電力が小さくなる。それらは、事前に知ることが出来るため、合わせてVGA利得の補正を行うことで安定な出力電力が得られる。さらに、もうひとつの制御方法としてDACのダイナミックレンジを必要なPARに応じて広くとることで、IQ信号の振幅制御で直接、利得補正を行う方法がある。
図1はHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)技術が用いられた移動通信システムの構成を示す説明図である。 図2はHSDPA技術が適用された移動局2の構成を示すブロック図である。 図3は図2に示す拡散部の構成を更に詳細に示すブロック図である。 図4はβとβが取り得る値の組み合わせとPAR増加量の関係を示すグラフである。 図5は本発明の実施の形態1に係る移動通信端末装置の動作を示すフローチャートである。 図6は本発明の実施の形態2に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。 図7は本発明の実施の形態3に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。 図8は本発明の実施の形態4に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。 図9は図2に示す電力増幅部の詳細な構成を示すブロック図である。 図10は本発明の実施の形態5に係る移動通信端末装置の動作を説明するフローチャートである。 図11は図2に示す電力増幅部の詳細な構成を示すブロック図である。 図12は図2に示す電力増幅部の詳細な構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 基地局、2 移動局、3 下りリンク、4 上りリンク、
5 パケットデータ伝送用のチャネル、6 シグナリングチャネル、
21 拡散部、22 変調部、23 電力増幅部、24 アンテナ、25 HPA、
26 昇圧/降圧型DCDCコンバータ、27 電源、28 制御部、
31〜47 乗算器、48 加算器、49 加算器、50 乗算器、51 加算器、
52 乗算器、61 可変利得増幅器、62 移相器


Claims (12)

  1. 少なくともデータ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データをIQ多重して複素信号を生成するIQ多重化部と、
    このIQ多重化部で生成された複素信号を所定の送信電力まで増幅して送信する増幅部、電源から供給された電源電圧を昇圧または降圧して、前記増幅部を駆動する駆動電圧を生成する電圧変換部を含む送信部と、
    前記IQ多重化部が前記データチャネルの送信データ、前記第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加する場合、前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、前記電圧変換部が前記増幅部に供給する前記駆動電圧を制御する制御部とを設けたことを特徴とする移動通信端末装置。
  2. 制御部は、第二の制御用チャネルの振幅係数を所定値と比較し、前記第二の制御用チャネルの振幅係数が前記所定値よりも大きい場合には、増幅部に供給する駆動電圧の補正量を、前記第二の制御用チャネルの振幅係数が前記所定値よりも小さい場合に比べて大きくすることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。
  3. 制御部は、データ用チャネルの振幅係数と第一の制御用チャネルの振幅係数の組み合わせに応じて駆動電圧の補正量を制御することを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末装置。
  4. 制御部は、駆動電圧の補正量と、送信部から出力される送信信号の送信出力電力に応じて前記駆動電圧を決定することを特徴とする請求項3に記載の移動通信端末装置。
  5. 制御部は、第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、前記送信部が出力する信号の送信電力を決定するとともに、この決定された送信電力に応じて駆動電圧を決定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。
  6. 制御部は、データ用チャネルの振幅係数と第一の制御用チャネルの振幅係数の組み合わせに応じて送信電力の補正量を決定することを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末装置。
  7. 制御部は、増幅部に入力される複素信号の利得を駆動電圧に基づいて制御することを特徴とする請求項6に記載の移動通信端末装置。
  8. 送信部は、増幅部に入力される信号の電力を制御する利得制御部を備えており、この利得制御部の利得は駆動電圧に基づいて制御部により設定されることを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末装置。
  9. 制御部は、増幅部に入力される複素信号の位相を駆動電圧に基づいて制御することを特徴とする請求項6に記載の移動通信端末装置。
  10. 送信部は、増幅部に入力される信号の位相を移相させる位相制御部を備えており、この位相制御部の移相量は駆動電圧に基づいて制御部により設定されることを特徴とする請求項9に記載の移動通信端末装置。
  11. データ用チャネルの送信データ、第一の制御用チャネルの制御データに加えて、さらに第二の制御用チャネルの制御データを追加するか判定する処理と、
    少なくとも前記第二の制御用チャネルの振幅係数を決定する処理と、
    前記第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて、基地局に送信する送信信号の電力を増幅する増幅部を駆動させる駆動電圧を制御する処理とを含むことを特徴とする送信電力制御方法。
  12. 第一の制御用チャネルの振幅係数とデータ用チャネルの振幅係数を決定する処理をさらに含み、
    前記第一の制御用チャネルの振幅係数および前記データ用チャネルの振幅係数の組み合わせと、第二の制御用チャネルの振幅係数に応じて駆動電圧を制御することを特徴とする請求項11に記載の送信電力制御方法。


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