JP2005210751A - 通信制御方法、通信装置、および通信システム - Google Patents

通信制御方法、通信装置、および通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 チャネルの情報速度に応じて時間的に、直交変調器の入力信号に対して係数がかかる通信装置において、最大送信電力付近における制御の複雑化を防ぎ、通信品質の劣化を防ぐ。
【解決手段】 全ての伝送チャネルが同時に送信されていない状態おいては、伝送速度、あるいは伝送チャネルの組み合わせに応じて、通信装置に設定されうる最大送信電力Pmaxとは異なる送信電力Pmax’を用いて、送信時の最大送信電力制限を行なうように切り替える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、チャネル多重通信システムにおいて、伝送チャネルの情報伝送速度が時間的に変化するのに応じて各伝送チャネルにかかる係数を変えて、伝送チャネル毎の電力を変更可能とした通信制御方法および通信装置に関するものであり、また、その通信装置を用いて行う無線通信のための通信システムに関するものである。
図6はそのような従来の通信装置における送信機の構成例を示すブロック図である。なおここでは、一般的な直交変調回路を用いて、スペクトル拡散を行ったデータチャネル信号と制御チャネル信号とを同相(I相)と直交位相(Q相)によって多重するI/Q多重で変調する送信機について示している。
図において、1はデータチャネル信号、2は制御チャネル信号(いずれもシンボル)であり、3はデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号(PNd)、4は制御信号チャネル用スペクトル拡散符号(PNc)である。5,6はデータチャネル信号1あるいは制御チャネル信号2をスペクトル拡散するスペクトル拡散部、7,8はその出力の帯域制限を行うナイキスト・フィルタである。9はこれらナイキスト・フィルタ7および8の出力を直交変調する直交変調回路であり、10は直交変調回路9の出力を変更可能なゲインで増幅する可変ゲイン増幅器、11はゲイン増幅された変調信号である。
12はこのゲイン増幅された変調信号11の一部を取り出す方向性結合器であり、13はゲイン増幅された変調信号11の残りの部分を空間に放射するアンテナである。14は方向性結合器12の出力より送信電力を検出する送信電力検出器であり、15は検出された送信電力検出信号である。16はその値がPmaxの最大送信電力設定値であり、17は送信電力制御信号である。18はそれら両者より目標電力対応制御信号を生成する目標電力対応制御信号発生部であり、19は生成された目標電力対応制御信号である。20はそれと送信電力検出器14からの送信電力検出信号15とを比較する差動比較器であり、21はこの差動比較器20より出力される可変ゲイン増幅器10の制御信号である。
次に動作について説明する。
以上のように構成された通信装置の送信機において、まず、データチャネル信号(シンボル)1がスペクトル拡散部5にて、そのチャネル情報(シンボル)速度よりも速度の速いデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号3によりスペクトルが拡散されるとともに、制御チャネル信号(シンボル)2がスペクトル拡散部6にて、そのチャネル情報(シンボル)速度よりも速度の速い制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4によりスペクトルが拡散される。
スペクトル拡散部5でスペクトルが拡散されたデータチャネル信号はナイキスト・フィルタ7に、スペクトル拡散部6でスペクトルが拡散された制御チャネル信号はナイキスト・フィルタ8において帯域制限される。このナイキスト・フィルタ7,8の出力信号は、各々I/Q入力信号として直交変調回路9ににて直交変調されることにより、データ信号と制御信号とがI/Q多重された変調信号となる。直交変調された信号は可変ゲイン増幅器10において所望の電力レベルまで増幅され、ゲイン増幅された変調信号11として出力される。このゲイン増幅された変調信号11は方向性結合器12においてその一部が取り出されるが、残りの大部分はアンテナ13から無線送信される。
送信電力検出器14はこの方向性結合器12の出力を検出し、送信電力に比例した送信電力検出信号15を差動比較器20に出力する。差動比較器20はこの送信電力検出信号15を目標電力対応制御信号発生部18からの目標電力対応制御信号19と比較し、その比較結果をゲイン制御信号21として可変ゲイン増幅器10に入力してフィードバック制御を行い、可変ゲイン増幅器10の出力電力レベルを所望のレベルに設定する。
ここで、目標電力対応制御信号発生部18は送信電力制御信号17に従って目標電力対応制御信号19を増減させ、それに応じて可変ゲイン増幅器10のゲインが変化して送信電力が増減する。この送信電力制御信号17は、例えば相手先通信装置での受信信号が通信品質を満足しているかどうかによって決定され、相手先通信装置から伝送チャネルに載せて送信され、図示を省略した受信機で受信されて、目標電力対応制御信号発生部18に伝達される。
送信電力の増減ステップとしては、例えば1dBが用いられ、送信電力制御信号17が“1”の場合は1dB増加、“−1”の場合は−1dB増加といった制御が行われる。送信電力制御信号17は、無線通信環境における信号レベル変動(いわゆるフェージング)に追随するような時間間隔で更新される。送信電力制御信号17が“1”ないし“−1”しかないときには、一定送信電力を維持する場合、送信電力制御信号17として“1”と“−1”とを交互に繰り返すことになる。
目標電力対応制御信号発生部18にはさらに、最大送信電力設定値16が与えられている。この最大送信電力設定値16の値Pmaxとしては、通信装置の送信機によって出力可能な最大値として決まる一意な値が設定される場合、あるいは、前記値の他に通信サービスなどによって通信接続時に別途指定される場合などがある。
送信電力の最大値制御としては、上記最大送信電力設定値16で設定された値Pmaxを超えて送信されないように、最大送信電力設定値16と送信電力制御信号17とを元に、最大送信電力設定値16に対応する値Pmaxに目標電力対応制御信号19を抑えることによって行われる。
次に、このような最大送信電力制御の動作として、セルラー通信システムにおいて、移動無線局に上記送信機を用いた場合について説明する。
図5はこの発明もしくは従来の通信装置を移動無線局として用いた場合のセルラー通信システムを説明するための説明図であり、図において、31は固定無線局、32はこの固定無線局31のセル、33は移動無線局であり、この図5ではこの移動無線局33の地点により、33a,33bの符号が付されている。34は固定無線局31から移動無線局33への無線通信(Down LinkまたはForward Link)の無線信号であり、35は移動無線局33から固定無線局31への無線通信(Up LinkまたはReverse Link)の無線信号である。
次に動作について説明する。
ここで、移動無線局33がセル32中のA地点(33a)からセル32の辺縁部のB地点(33b)まで移動する場合を考える。そのときの、移動無線局33の送信機の送信電力変化を図7に示す。図7において、縦軸はアンテナ13から無線送信される変調信号電力であり、横軸は時間である。また、Pmaxは最大送信電力設定値16の値であり、2点鎖線はそのPmaxレベルである。なお、実線は送信総電力の変化を示したものであり、点線は制御データチャネルのみの電力の変化を示したものである。ただし、この点線は図7では、データチャネル信号電力と制御チャネル信号電力の関係を分かりやすく模式的に示すため、その絶対値はずらして表示している。
移動無線局33がA地点に留まっている時には、送信電力は一定でよいので送信電力制御信号17は“1”と“−1”を繰り返している。この移動無線局33が地点Aから地点Bに移動するのに伴って固定無線局31が受信する無線信号35が小さくなるので、固定無線局31は必要な通信品質を維持するため、“1”の送信電力制御信号17を連続して移動無線局33に送る。図7においてはこの送信電力制御信号17をTPC(Transmit Power Controlの略)と表記している。従って、この“1”の送信電力制御信号17(TPC=1)を連続して受け取った移動無線局33では、ゲイン制御信号21をこの送信電力制御信号17に基づいて制御し、可変ゲイン増幅器10のゲインを変化(上昇)させて送信総電力の電力制御を行う。その段階において、データおよび制御の両チャネル信号は多重された後であるから、それぞれのチャネルの電力は送信電力制御信号17に従って、同一のステップ(図示の例では1dB)で増加することになる。
このようにして移動無線局33がB地点まで移動すると、当該移動無線局33の送信総電力は、その送信機が出力できる最大値Pmaxになる。移動無線局33の送信総電力は送信機のフィードバック制御により制限されるので、B地点に到達した後には、送信電力制御信号17が“1”(TPC=1)で、送信電力の増加を要求するものであっても送信総電力は増加しなくなる。
ここで、現在普及している、米国規格IS−95と呼ばれる仕様に準拠した符号分割多重接続(Code Division Multiple Access:CDMA)方式の変調装置では、情報伝送速度およびその振幅はデジタル回路処理(1または0で表す)されるので一定であり、従って直交変調回路9におけるI/Q入力レベルも一定である。このように入力が一定振幅であるからその出力レベルも一定であるので、送信機の送信出力電力を制御する必要のある場合には、可変ゲイン増幅器10のゲインのみ、例えばその出力電力レベル検出信号のみを用いれば制御可能である。
一方、現在その規格仕様が国際的な標準化団体3GPP(3rd. Generation Partnership Project)において検討されている、広帯域CDMA(W−CDMA:Wideband CDMA)方式においては、データ信号の情報(シンボル)速度を通信サービス毎に、あるいは通信中に、異なる値に設定することが可能となっている。なお、この3GPPの各規格文書は、インターネットにおいて“http://www.3gpp.org”のアドレスによって公開されている。さらに、移動無線局33から固定無線局31への無線信号35においてはデータチャネルと制御チャネルとがI/Q多重されている。
なお、情報(シンボル)速度が変化した場合に通信品質を保つためは、その1情報(シンボル)あたりの必要なエネルギー対雑音比(Es/No)を保つために、伝送チャネルの情報速度に応じてそのチャネルの送信電力を可変とする必要がある。このため、データ信号チャネルと制御信号チャネルの各電力(従ってチャネル間の電力比)を変化させる必要から、3GPPの規格文書TS25.211では、各チャネルの振幅(従って電力)を可変とする係数として、ゲインファクタが導入されている。このゲインファクタのとり得る具体的な値βは、3GPPの規格文書TS25.213に規定されており、0から1まで1/15ステップとなっており、従ってデータと制御の両チャネルの電力比としては、最大24dB程度といった大きな値となり得る。
さらに、W−CDMAでは伝送チャネルの情報速度は時間的にも変化可能となっており、従って、上記ゲインファクタの値βも時間的に変動することになる。そのなかにはデータチャネルのみが送信されない場合も含まれているため、送信機の送信電力の変動としては、上記24dBといった大きな変動も考えられることになる。
図8は、データ信号チャネルに乗算されるゲインファクタの値をβd、制御信号チャネルに乗算されるゲインファクタの値をβcとし、3GPPの規格文書TS25.213に示されるゲインファクタの挿入位置を元に、上記図6を用いて説明した通信装置の送信機に適用した場合の送信機を示すブロック図である。なお、相当部分には図6と同一符号を付してその説明を省略する。図において、22はデータ信号チャネルに掛けられるゲインファクタ(βd)であり、23は制御信号チャネルに掛けられるゲインファクタ(βc)である。24はスペクトル拡散部5にてスペクトル拡散されたデータチャネル信号1にゲインファクタ22の値βdを乗算するゲインファクタ乗算部であり、25はスペクトル拡散部6にてスペクトル拡散された制御チャネル信号2にゲインファクタ23の値βcを乗算するゲインファクタ乗算部である。
次に動作について説明する。
以上のように構成された通信装置の送信機では、まずスペクトル拡散部5によってデータチャネル信号(シンボル)1が、そのチャネル情報(シンボル)速度より速度の速いデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号3により、また、スペクトル拡散部6によって制御チャネル信号(シンボル)2が、そのチャネル情報(シンボル)速度より速度の速い制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4により、それぞれそのスペクトルが拡散される。このようにしてスペクトル拡散されたデータチャネル信号にはゲインファクタ乗算部24にてゲインファクタ22の値βdが、制御チャネル信号にはゲインファクタ乗算部25にてゲインファクタ23の値βcがそれぞれ乗算された後、ナイキスト・フィルタ7あるいは8に送られて帯域制限される。
これら各ナイキスト・フィルタ7,8より出力された信号は、それぞれI/Q入力として直交変調回路9に入力され、直交変調されることにより、データ信号と制御信号とがI/Q多重された直交変調信号として出力される。直交変調回路9より出力された直交変調信号は、可変ゲイン増幅器10において所望の電力レベルまで増幅される。
なお、それ以降の動作は、図6を用いて説明した送信機の動作と同様であるので、ここではその説明を省略する。
次に、このような最大送信電力制御の動作として、セルラー通信システムにおいて、移動無線局に上記送信機を用いた場合について説明する。
ここでは、図5と同じ状況において、制御チャネルは一定伝送速度で連続送信し、データチャネルの送信データ量(伝送速度)が一時的に零(従ってデータチャネルの送信電力も零)になった後に再度同じ状態で送信を再開した場合の、最大送信電力制御動作について図9を用いて説明する。ここで、この図9は、データチャネル信号1に乗算されるゲインファクタ22の値βdが、βd=1(送信中)またはβd=0(送信停止中)であり、制御チャネル信号2に乗算されるゲインファクタ23の値βcが、βc=1である場合の送信電力制御動作について示している。なお、データチャネル電力が零になるため、送信電力制御信号17は制御チャネルを利用して制御されるものとする。
まず、A地点において、データおよび制御の両チャネルが送信されている移動無線局33が、移動途中にデータチャネルの送信を停止(βd=0)しても、その送信機の送信電力は減少する方向であるので特に問題は起きない。また、送信電力制御は制御チャネルのみで行われている。この移動無線局33が制御チャネルのみで送信している状態のまま固定無線局31から遠ざかり、B地点まで移動していくと、送信電力制御信号17としては送信電力を増加するように“1”が移動無線局33に送られてくる。従って、送信電力(制御チャネルのみ)が増加していくことになる。ここで、装置としての最大送信電力はPmaxまで許容されているので、制御チャネルのみを送信している状態で最大送信電力がPmaxに近づくことが可能である。
移動無線局33がB地点に移動したときにデータチャネルの送信を再開した場合には、送信総電力中にデータチャネル分の電力が発生するが、送信機としての最大送信電力はフィードバック制御によりPmaxに抑え込まれるので、制御チャネルの送信電力が急激に低下することになる。
なお、このような従来の送信電力制御のための通信制御方法および通信装置に関する記載がある文献としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などがある。
特開平8−32515号公報 特開平11−41138号公報 特開平11−17646号公報 特開平10−210541号公報
従来の通信制御方法が用いられた通信装置は以上のように構成されているので、データチャネルの送信が再開される前の状態で送信機より送信される送信電力は、制御チャネルにより通信状態を保つために必要な電力であるから、データチャネルの送信再開に伴ってこの制御チャネルの送信電力が低下した場合には、通信品質が悪化し、最悪の場合には通信の切断をまねくことになるといった課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、通信速度などに応じて伝送チャネル毎にゲインファクタなどの係数を掛けるような通信装置において、最大送信電力制御に関わらず通信品質を確保(劣化防止/切断回避)することのできる通信制御方法および通信装置を得ることを目的とし、またその通信装置を用いた通信システムを実現することを目的とする。
この発明に係る通信制御方法は、時間的に変更可能な伝送速度に応じて係数をチャネル毎に掛けることが可能な伝送チャネルを複数チャネル多重して送信する際、全チャネルが同時に送信されていない場合には、送信する伝送チャネルの組み合わせもしくはその伝送速度に応じて、通信装置の設定可能な最大送信電力とは異なる値で送信時の最大送信電力制限を行うようにしたものである。
この発明によれば、送信速度の変化に対応して伝送チャネル毎の送信電力が変化しても最大送信電力付近で動作する場合に通信品質の劣化を防止でき、通信切断を回避することができる、通信品質の確保が可能な通信制御方法が得られるという効果がある。
この発明によれば、伝送速度と、係数と、送信電力とが1対1に対応し、伝送速度に応じて最適の送信電力が得られるため、係数のみが決まれば他の値を求めなくとも最適な送信電力が得られ、複数の伝送速度の設定が可能な場合においても、通信品質の確保と、最大送信電力の制御が可能になるという効果がある。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による通信装置における送信機の構成例を示すブロック図である。なお、ここでも、一般的な直交変調回路を用いて、スペクトル拡散したデータチャネル信号と制御チャネル信号とを、同相(I相)と直交位相(Q相)とによって多重した、I/Q多重による変調を行う送信機について示している。
図において、1はシンボルによるデータチャネル信号であり、2はシンボルによる制御チャネル信号である。3はデータチャネル信号1をスペクトル拡散するためのデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号(PNd)であり、4は制御チャネル信号2をスペクトル拡散するための制御信号チャネル用スペクトル拡散符号(PNc)である。5はこのデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号3を用いてデータチャネル信号1のスペクトル拡散を行うスペクトル拡散部であり、6は制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4を用いて制御チャネル信号2のスペクトル拡散を行うスペクトル拡散部である。7はこのスペクトル拡散部5にてスペクトル拡散された信号の帯域を制限するためのナイキスト・フィルタであり、8はスペクトル拡散部6にてスペクトル拡散された信号の帯域を制限するためのナイキスト・フィルタである。
9はこれらナイキスト・フィルタ7および8によって帯域が制限された信号の直交変調を行う多重手段を構成している、変調手段としての直交変調回路である。10はそのゲインが調整可能に構成されており、上記直交変調回路9で変調された信号を設定されたゲインで増幅する多重手段を構成している、ゲイン可変手段としての可変ゲイン増幅器であり、11はこの可変ゲイン増幅器10でゲイン増幅された変調信号である。12はこの可変ゲイン増幅器10でゲイン増幅された変調信号11のうちの一部を取り出す方向性結合器であり、13は上記ゲイン増幅された変調信号11中の、この方向性結合器12にてその一部が取り出された残りの部分を空間に放射するアンテナである。14は方向性結合器12によって取り出されたゲイン増幅された変調信号11の一部に基づいて送信電力を検出する送信電力検出器であり、15はこの送信電力検出器14で検出された送信電力検出信号である。
17は送信電力制御信号であり、18はこの送信電力制御信号17と後に詳しく説明する最大送信電力設定値43より送信する目標電力に対応した目標電力対応制御信号を生成する、送信電力制御手段を構成している目標電力対応制御信号発生部であり、19はこの目標電力対応制御信号発生部18にて生成された目標電力対応制御信号である。20はこの目標電力対応制御信号発生部18からの目標電力対応制御信号19と送信電力検出器14からの送信電力検出信号15とを比較する多重手段を構成している、ゲイン制御手段としての差動比較器であり、21はこの差動比較器20より出力され、可変ゲイン増幅器10のゲインを制御するゲイン制御信号である。
22はデータ信号チャネルに掛けられる係数としてのゲインファクタであり、23は制御信号チャネルに掛けられる係数としてのゲインファクタである。24はスペクトル拡散部5にてスペクトル拡散されたデータチャネル信号1に、このゲインファクタ22の値βdを掛ける係数乗算手段としてのゲインファクタ乗算部であり、25はスペクトル拡散部6にてスペクトル拡散された制御チャネル信号2に、このゲインファクタ23の値βcを掛ける係数乗算手段としてのゲインファクタ乗算部である。
なお、これら各部は図8に同一符号を付して示した従来の通信装置の送信機におけるそれらに相当する部分である。
さらに、41は当該送信機の設定可能な最大送信電力の値Pmaxと、それとは異なる最大送信電力の値Pmax’(Pmax’<Pmax)を生成して出力する送信電力制御手段を構成している最大送信電力値制御部である。42はこの最大送信電力値制御部41より出力される最大送信電力の値Pmaxと、それとは異なる最大送信電力の値Pmax’のうちの一方を選択する送信電力制御手段を構成している切り替えスイッチであり、43はこの切り替えスイッチ42によって選択され、目標電力対応制御信号発生部18に入力される最大送信電力設定値である。44はデータチャネル信号(シンボル)1より検出した伝送速度に基づいて切り替えスイッチ42の切り替えを制御する送信電力制御手段を構成しているデータチャネル伝送速度検出部であり、45はこのデータチャネル伝送速度検出部44より切り替えスイッチ42に出力されるデータチャネル送信速度検出信号である。
なお、この図1に示した実施の形態1による通信装置おいては、上記図8に示した従来の通信装置で説明したような、制御チャネルは一定速度で連続送信、データチャネルは断続送信(従って送信速度は2種類)という動作に適した構成になっている。
次に動作について説明する。
以上のように構成された通信装置の送信機においては、まず、データチャネル信号(シンボル)1の伝送速度がデータチャネル伝送速度検出部44において検出され、データチャネル送信速度検出信号45が切り替えスイッチ42に送られる。次に、このデータチャネル信号(シンボル)1はスペクトル拡散部5にも送られて、そのチャネル情報(シンボル)速度よりも速度の速いデータ信号チャネル用スペクトル拡散符号3(PNd)によってスペクトル拡散が行われるとともに、制御チャネル信号(シンボル)2はスペクトル拡散部6に送られて、そのチャネル情報(シンボル)速度よりも速度の速い制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4(PNc)によってスペクトル拡散が行われる。
なお、データ信号チャネル用スペクトル拡散符号3と制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4の速度は、通常同じものが用いられる。また、このスペクトル拡散部5および6によるスペクトルの拡散後の単位時間は、シンボルの単位時間ではなく、データ信号チャネル用スペクトル拡散符号3および制御信号チャネル用スペクトル拡散符号4の速度で決まるチップ(chip)という単位時間となり、1チップあたりの時間は1シンボルあたりの時間より短くなる。このとき、チップの速度とシンボルの速度の比は拡散率と定義される。
このスペクトル拡散部5においてスペクトル拡散されたデータチャネル信号には、ゲインファクタ乗算部24によってゲインファクタ22の値βdが掛けられる。同様に、スペクトル拡散部6においてスペクトル拡散された制御チャネル信号には、ゲインファクタ乗算部25によってゲインファクタ23の値βcが掛けられる。これらゲインファクタ22の値βdが乗算されたデータチャネル信号と、ゲインファクタ23の値βcが乗算された制御チャネル信号は、それぞれナイキスト・フィルタ7あるいは8に送られて帯域制限(波形成形)される。
なお、これらナイキスト・フィルタ7,8としては、そのフィルタ特性がナイキスト特性の平方根特性であるルート・ナイキスト・フィルタを一般的に広く用いており、送信機および図示を省略した受信機の両方に実装して、両者の合成でナイキスト特性が得られるように用いられることが多い。
これら各ナイキスト・フィルタ7,8で帯域制限された信号は、I/Q入力信号として直交変調回路9に送られて直交変調される。これにより、データ信号と制御信号とがI/Q多重された変調信号となる。直交変調回路9で直交変調された信号は可変ゲイン増幅器10に入力され、ゲイン制御信号21によってこの可変ゲイン増幅器10に設定されたゲインに応じて所望の電力レベルまで増幅されて、ゲイン増幅された変調信号11として出力される。このゲイン増幅された変調信号11は、方向性結合器12においてその一部が取り出されて送信電力検出器14に入力されるが、残りの大部分はアンテナ13から無線送信される。
以下、図6に示した従来の通信装置の場合と同様に、送信電力検出器14はこの方向性結合器12によって取り出された信号を検出し、送信電力に比例した送信電力検出信号15として差動比較器20に入力する。この差動比較器20には目標電力対応制御信号発生部18から出力される目標電力対応制御信号19も入力されており、送信電力検出信号15とこの目標電力対応制御信号19とを比較している。この差動比較器20の比較結果を、ゲイン制御信号21として可変ゲイン増幅器10に与えることによって、フィードバック制御を行うようにしている。このようにして、可変ゲイン増幅器10の出力電力レベルを所望のレベルに設定する。
なお、このような送信電力検出信号と目標電力に対応した信号とによるフィードバック制御は、従来から一般的に用いられている周知の方法である。
目標電力対応制御信号発生部18では送信電力制御信号17に従って目標電力対応制御信号19を増減させ、それを差動比較器20に入力する。差動比較器20はこの目標電力対応制御信号19を送信電力検出器14から入力された送信電力検出信号15と比較して、その比較結果に応じたゲイン制御信号21によって可変ゲイン増幅器10のゲインを制御しており、可変ゲイン増幅器10はそのゲインに応じて送信電力を増減させている。なお、この送信電力制御信号17は、例えば相手先通信装置での受信信号が通信品質を満足しているかどうかによって決定され、相手先通信装置から通信チャネルに載せられて送信されてくるものであり、図示を省略した受信機で受信されて、目標電力対応制御信号発生部18に伝達される。
可変ゲイン増幅器10による送信電力の増減ステップとしては、例えば1dBが用いられる。すなわち、送信電力制御信号17が“1”の場合は1dB増加、“−1”の場合は−1dB増加といった制御が行われる。送信電力制御信号17は、無線通信環境における信号レベル変動(いわゆるフェージング)に追随するような時間間隔にて更新される。この送信電力制御信号17が“1”および“−1”しかないときには、一定送信電力を維持する場合、送信電力制御信号17として“1”と“−1”とを交互に繰り返すことになる。
目標電力対応制御信号発生部18にはさらに、切り替えスイッチ42で切り替えられた、最大送信電力設定値43が与えられている。この最大送信電力設定値43の値は、最大送信電力値制御部41が出力する、当該送信機の設定可能な最大送信電力の値Pmaxと、それとは異なる最大送信電力の値Pmax’のいずれか一方を、切り替えスイッチ42がデータチャネル伝送速度検出部44から送られてくるデータチャネル送信速度検出信号45によって切り替え選択したものである。
送信電力の最大値制御としては、上記切り替えスイッチ42で選択された最大送信電力設定値43で設定された値PmaxあるいはPmax’を超えて送信されないように、この最大送信電力設定値43と送信電力制御信号17とを元に、最大送信電力設定値43に対応する値PmaxまたはPmax’に、目標電力対応制御信号発生部18の出力する目標電力対応制御信号19を抑えることによって行われる。
ただし、上記のようなフィードバック制御においては、過渡応答が発生する性質上、一時的に送信電力が最大値を超える場合があるが、通信における規格では最大送信電力値に対し許容幅とその時間変化等を規定していることが多く、送信機の制御回路はそれを満足するように設計される。
次に、このように構成した通信装置の送信機を、セルラー通信システムにおける移動無線局の送信機として用いた場合の、最大送信電力制御の動作について説明する。
図5はこの発明あるいは従来の通信装置を移動無線局として用いた場合の、セルラー通信システムを説明するための説明図である。図において、31は固定して配置された無線局による固定無線局であり、32はこの固定無線局31の担当通信範囲を示すセルである。33は固定無線局31と通信する移動可能な無線局による移動無線局であり、この図5ではこの移動無線局33の地点により、33a(A地点),33b(B地点)の符号が付されている。34はDown LinkもしくはForward Linkなどと呼ばれる、固定無線局31から移動無線局33への無線通信の無線信号であり、35はUp LinkもしくはReverse Linkなどと呼ばれる、移動無線局33から固定無線局31への無線通信の無線信号である。
次に動作について説明する。
ここで、移動無線局33がセル32中のA地点(33a)からセル32の辺縁部のB地点(33b)まで移動する場合を考える。なお、以下では、図5に示す従来と同じ状況において、制御チャネルは一定伝送速度で連続送信し、データチャネルの送信データ量(伝送速度)が一時的に零(従ってデータチャネルの送信電力も零)になった後に再度同じ状態で送信を再開した場合について、動作最大送信電力制御動作について図2を用いて説明する。
ここで、図2はそのときの移動無線局33の送信機の送信電力の変化を示す説明図である。図において、縦軸はアンテナ13から無線送信される変調信号電力であり、横軸は時間である。また、Pmaxはこの通信装置の送信機としての最大送信電力設定値の値、Pmax’はこの送信機としての最大送信電力設定値の値Pmaxとは異なる値(Pmax’<Pmax)であり、2点鎖線はそれらPmaxおよびPmax’のレベルを示している。なお、実線は送信総電力の変化を示したものであり、点線は制御データチャネルのみの電力の変化を示したものである。
なお、この図2においては、データ信号チャネルに掛けられるゲインファクタ22の値βdをβd=1または0、制御信号チャネルに掛けられるゲインファクタ23の値βcをβc=1とおく。また、データチャネル電力が零になるので、送信電力制御信号17は制御チャネルを用いて制御されるものとする。
まず、移動無線局33がA地点においてデータおよび制御の両チャネルが送信されている状態から、移動の途中でデータチャネルが送信停止(βd=0)しても、送信機の送信電力は減少する方向であるので問題は起きない。また、送信電力制御は制御チャネルのみで行われている。
次に、移動無線局33が制御チャネルのみの状態で固定無線局31から遠ざかりB地点に移動していくと、送信電力を増加するように送信電力制御信号17として“1”が移動無線局33から送られてくる。この送信電力制御信号17の“1”によって、送信電力(制御チャネルのみ)が増加していくことになる。このとき、制御チャネルのみの送信状態に対しては、装置としての最大送信電力はPmaxとは異なる値Pmax’(Pmax>Pmax’)で制限されるように切り替えスイッチ42を切り替える。すなわち、最大送信電力値制御部41からは最大送信電力設定値の値としてPmaxとPmax’とが出力されており、その最大送信電力設定値の値Pmax’はデータチャネルおよび制御チャネルの両チャネルが存在した場合に送信可能な制御チャネルのみの電力に設定されている。なお、この切り替えスイッチ42の切り替えはデータチャネル伝送速度検出部44による、データチャネル信号(シンボル)1の伝送速度の検出結果に基づいて制御される。
データチャネルの送信が再開された場合には、データチャネルの発生と共に切り替えスイッチ42を本来の最大送信電力値であるPmax側に切り替える。データチャネル送信を再開するとともに送信総電力中にデータチャネル分の電力が発生するが、制御チャネルのみの状態での最大送信電力はPmax’で制限された状態にあったため、データチャネルが存在しても制御チャネル分の送信電力は低下することはなく、通信品質の劣化や通信の切断などの問題が生じるようなことはない。
また、データチャネルの停止および再開(発生)に際して、送信電力が増加するデータチャネルの発生時においては、可変ゲイン増幅器10などのアナログ回路の信号経路の遅延時間、あるいはナイキスト・フィルタ7,8による波形整形で生じる処理遅延時間を考慮に入れて、早めにPmaxへの切り替えを行い、送信電力が減少するデータチャネルの停止時においては、遅めにPmax’への切り替えを行うといったタイミング制御をすることで、過渡応答時のチャネル電力の過不足や信号電力振幅の歪みを避けることができる。
なお、上記実施の形態1においては、動的に変化する伝送チャネルの伝送速度(データチャネルの送信中と送信停止)とゲインファクタの値βとは直接1対1に対応する必要はなく、例えば、ある通信サービスにおける長時間の平均的な伝送速度に対して、デフォルトとしてゲインファクタの値βを設定しておき、伝送速度が変動した場合にゲインファクタの値βを書き替えることも可能である。そのような場合、伝送速度が平均値から変動した場合、それをデータチャネル伝送速度検出部44で検出し、そのデータチャネル送信速度検出信号45で切り替えスイッチ42の切り替え制御を行うようにしてもよい。
また、この場合には、各伝送チャネルに掛ける係数は通信装置に設定された規格から決まるゲインファクタの値βそのものである必要はなく、最終的な伝送速度に対応した実効的なチャネル係数を用いることも可能である。
また、この実施の形態1においては、送信中および送信停止中にそれぞれに対してゲインファクタの値βの定義をしているが、例えば送信中の伝送速度に対してゲインファクタの値βを定義しておき、一時的な送信停止(3GPP規格においてはCompressed Modeと呼ばれる送信期間のギャップなど)に対しては定義されないような場合も、最終的な伝送速度が複数の要因によって決定され、最終的な伝送速度が準静的もしくは動的に変化し、伝送速度とゲインファクタの値βが1対1に対応しない。そのような場合には、データチャネル伝送速度検出部44において最終的な伝送速度を検出し、動的に変化する最終伝送速度の変化点において最大電力制限値を設定し直すことにより、最終的な最大送信電力の制御が可能となる。
以上のように、この実施の形態1によれば、上記のように、通信品質の劣化や通信の切断などの問題が発生せず、また、伝送チャネル毎にゲインファクタが掛けられ、伝送速度が時間的に変化する通信装置の送信機においても、最大送信電力の制御を容易に行うことができるという効果が得られる。
また、この実施の形態1によれば、実質的にデータチャネル伝送速度検出部と切り替えスイッチといった簡易なブロックを追加するのみで、可変ゲイン増幅器によるフィードバック制御などは従来の送信機のままでよいので、制御回路全体の規模が小さくて済むという効果が得られる。
また、この実施の形態1によれば、切り替えスイッチの切り替えタイミングの制御に際して、データチャネル発生(再開)時には早めにPmaxに切り替え、データチャネル停止時には遅めにPmax’に切り替えているので、過渡応答時のチャネル電力の過不足や信号電力振幅の歪みを避けることができるという効果が得られる。
さらに、この実施の形態1によれば、伝送速度に応じて伝送チャネル毎に係数(ゲインファクタ)が掛かる通信装置を、移動無線局としてセルラー通信システムに採用する場合に、複数の固定無線局のセル範囲を決定(セル配置)する方法として、移動無線局の送信機の最大送信電力値としてPmax’を仮定して決定しているので、移動無線局と固定無線局からなる通信システムの通信品質の確保(劣化防止/切断回避)が可能になるという効果が得られる。
また、この実施の形態1によれば、最終的な伝送速度が複数の要因で決まるような場合、ゲインファクタの値βはゆっくりと変化する(例えば通信サービスによって決まり固定する)が、最終的な伝送速度は別の要因も絡むような場合においても対応可能になるという効果が得られる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1においては、データチャネル伝送速度検出部44の検出したデータチャネル信号1の伝送速度に応じて切り替えスイッチ42の切り替えを制御し、最大送信電力値制御部41の出力するPmaxもしくはPmax’を最大送信電力設定値として選択するものについて説明したが、それら最大送信電力設定値PmaxとPmax’の差をパラメータとして、統一的な表現を用いて最大送信電力の制御を行うことも可能である。図3はそのようなこの発明の実施の形態2による通信装置の送信機を示すブロック図であり、実施の形態1の各部に相当する部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。
以下、この発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。
図において、46は当該送信機の設定可能な最大送信電力の値Pmaxと、それとは異なる最大送信電力の値Pmax’(Pmax’<Pmax)を出力する送信電力制御手段を構成している、図1に符号41を付して示した実施の形態1のそれに該当する最大送信電力値制御部である。なお、この最大送信電力値制御部46はゲインファクタ22が入力され、その値βdを送信機の設定可能な最大送信電力の値Pmaxとは異なる最大送信電力の値Pmax’の計算に用いている点で、実施の形態1の最大送信電力値制御部41とは異なっている。47はこの最大送信電力値制御部46より出力される最大送信電力の値PmaxとPmax’の一方を選択する送信電力制御手段を構成している、図1に符号42を付して示した実施の形態1のそれに該当する切り替えスイッチである。なお、この切り替えスイッチ47は、データチャネル送信速度検出信号45に代えて、ゲインファクタ22の値βdでその切り替えが制御されている点で、実施の形態1における切り替えスイッチ42とは異なっている。
次に動作について説明する。
このように、この実施の形態2による通信装置の送信機では、切り替えスイッチ47はゲインファクタ22の値βdによって切り替えられ、最大送信電力値制御部46ではそのゲインファクタ22の値βdを用いてPmax’の計算を行っている。このPmax’の計算にゲインファクタ22の値βを用いることによって、上記実施の形態1の場合とは異なり、多数のデータチャネルの伝送速度(従って多数のゲインファクタの値βd)をとり得るような通信装置、あるいは制御チャネルの伝送速度も変化するような通信装置において、最適なPmax’を設定することができると同時に、伝送速度の変化に対して統一的な制御を行うことが可能となる。
以上のことを、図4を用いて以下に説明する。
図4はそのときの移動無線局33の送信機の送信電力の変化を示す説明図であり、実施の形態1における最大送信電力の説明に用いた図2との違いは、送信機の設定可能な最大送信電力の値Pmaxと、それとは異なる最大送信電力の値Pmax’との差によるパラメータΔPが、ゲインファクタの値βの関数となっていることである。
伝送速度とゲインファクタの値βが1対1に対応している場合には、伝送チャネル毎の送信電力(比)も各ゲインファクタの値β(の組み合わせ)と1対1に対応しているので、PmaxとPmax’との差によるパラメータΔPを求めることができ、Pmax’を決定できる。
このような通信装置をセルラー通信システムに適用した場合に、そのセル領域を大きくするためには移動無線局である通信装置の送信電力はできるだけ大きい方が望ましいので、伝送速度(従ってゲインファクタの値β)に応じて最適なパラメータΔP(従ってPmax’)を設定することで、複数の伝送速度が設定可能な通信装置においても通信品質の確保と最大送信電力制御が可能となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、制御回路規模が小さい、タイミング制御の追加による歪み等の回避が可能、さらには固定無線局と移動無線局とからなる通信システムへの適用が可能といった、実施の形態1において述べた効果に加えて、伝送速度が複数設定可能な通信装置においても通信品質の確保と最大送信電力の制御が可能となるという効果が得られる。
また、この実施の形態2によれば、最大電力設定そのものの値を用いるのではなく、設定値との相対差をパラメータとして制御しているので、セルラー通信システムに適用した場合に、例えば、通信量が多いところでは通信容量を増やすために小さなセルを多数用い、通信量が少ないところでは大きなセルを少数用いるといった、セルの大きさが複数ある場合に、通信装置に設定する最大送信電力設定値そのものを変更させることが可能となり、セル配置に柔軟性を持たせることができるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1による通信装置の送信機を示すブロック図である。 実施の形態1における送信電力制御動作を説明するための、移動無線局の送信電力の変化を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による通信装置の送信機を示すブロック図である。 実施の形態2における送信電力制御動作を説明するための、移動無線局の送信電力の変化を示す説明図である。 この発明および従来の通信装置が移動無線局として用いられたセルラー通信システを示す説明図である。 従来の通信装置の送信機の一例を示すブロック図である。 上記通信装置における送信電力制御動作を説明するための、移動無線局の送信電力の変化を示す説明図である。 従来の通信装置の送信機の他の例を示すブロック図である。 上記通信装置における送信電力制御動作を説明するための、移動無線局の送信電力の変化を示す説明図である。
符号の説明
1 データチャネル信号、2 制御チャネル信号、3 データ信号チャネル用スペクトル拡散符号、4 制御信号チャネル用スペクトル拡散符号、5,6 スペクトル拡散部、7,8 ナイキスト・フィルタ、9 直交変調回路(多重手段、変調手段)、10 可変ゲイン増幅器(多重手段、ゲイン可変手段)、11 ゲイン増幅された変調信号、12 方向性結合器、13 アンテナ、14 送信電力検出器、15 送信電力検出信号、17 送信電力制御信号、18 目標電力対応制御信号発生部(送信電力制御手段)、19 目標電力対応制御信号、20 差動比較器(多重手段、ゲイン制御手段)、21 ゲイン制御信号、22,23 ゲインファクタ(係数)、24,25 ゲインファクタ乗算部(係数乗算手段)、31 固定無線局、32 セル、33,33a,33b 移動無線局、34 固定無線局から移動無線局への無線信号、35 移動無線局から固定無線局への無線信号、41 最大送信電力値制御部(送信電力制御手段)、42 切り替えスイッチ(送信電力制御手段)、43 最大送信電力設定値、44 データチャネル伝送速度検出部(送信電力制御手段)、45 データチャネル送信速度検出信号、46 最大送信電力値制御部(送信電力制御手段)、47 切り替えスイッチ(送信電力制御手段)。

Claims (18)

  1. 時間的に変更可能な伝送速度に応じて、チャネル毎に係数が乗算された伝送チャネルを多重化する多重化処理と、 通信サービスによって決定される最大送信電力値の範囲内で、前記多重化処理により多重化された信号を所定の送信電力値まで増幅する送信電力増幅処理と、 前記最大送信電力値を前記チャネル毎に乗算された係数に基づいて制限する送信電力制御処理とを含むことを特徴とする通信制御方法。
  2. 送信電力制御処理は、チャネル毎に乗算された係数の組み合わせに基づいて最大送信電力値を制限することを特徴とする請求項1記載の通信制御方法。
  3. 送信電力制御処理は、制限された値の範囲内で送信電力値を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信制御方法。
  4. 伝送チャネルはデータ信号送信用のデータチャネルと制御信号送信用の制御チャネルを少なくとも含み、前記データチャネルにはデータチャネル用係数が乗算されるとともに、前記制御チャネルには制御チャネル用係数が乗算され、最大送信電力値は、前記データチャネル用係数と前記制御チャネル用係数の組み合わせに応じて制限されることを特徴とする請求項2記載の通信制御方法。
  5. 送信電力制御処理は、最大送信電力値の範囲内で送信電力を制御する処理と、データチャネル用係数と制御チャネル用係数の組み合わせに応じて制限された最大送信電力値の範囲内で前記送信電力を制御する処理とを切り換える処理を含むことを特徴とする請求項4記載の通信制御方法。
  6. 送信電力制御処理は、基地局から送信された送信電力制御信号に応じて、最大送信電力値あるいは制限された最大送信電力値の範囲内で送信電力値を制御することを特徴とする請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載の通信制御方法。
  7. 時問的に変更可能な伝送速度に応じて、チャネル毎に係数が乗算された伝送チャネルを多重化する多重化部と、 通信サービスによって決定される量大送信電力値の範囲内で、前記多重化処理部において多重化された信号を所定の送信電力値まで増幅する送信電力増幅部と、 前記最大送信電力値を前記チャネル毎に乗算された係数に基づいて制限する送信電力制御部とを含むことを特徴とする通信装置。
  8. 送信電力制御部は、チャネル毎に乗算された係数の組み合わせに基づいて最大送信電力値を制限することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
  9. 送信電力制御部は、制限された値の範囲内で送信電力値を制御することを特徴とする請求項7または請求項8記載の通信装置。
  10. 伝送チャネルはデータ信号送信用のデータチャネルと制御信号送信用の制御チャネルを少なくとも含み、前記データチャネルにはデータチャネル用係数が乗算されるとともに、前記制御チャネルには制御チャネル用係数が乗算されており、送信電力制御部は、前記データチャネル用係数と前記制御チャネル用係数の組み合わせに応じて送信電力増幅部を制御することを特徴とする請求項8記載の通信装置。
  11. 送信電力制御部は、最大送信電力値の範囲内で送信電力を制御する処理と、データチャネル用係数と制御チャネル用係数の組み合わせに応じて制限された最大送信電力値の範囲内で前記送信電力を制御する処理とを切り換える処理を実行することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
  12. 送信電力制御部は、基地局から送信された送信電力制御信号に応じて、最大送信電力値あるいは制限された最大送信電力値の範囲内で送信電力値を制御することを特徴とする請求項7から請求項11のうちのいずれか1項記載の通信装置。
  13. 上りリンクを介して伝達された億号の品質に応じて、送信電力制御信号を下りリンクを介して送信する基地局と、前記下りリンクを介して伝達された送信電力制御信号に基づいて伝送チャネルの送信電力を制御する通信装置を含む通信システムにおいて、 前記通信装置は、時問的に変更可能な伝送速度に応じて、チャネル毎に係数が乗算された伝送チャネルを多重化する多重化部と、
    通信サービスによって決定される最大送信電力値の範囲内で、前記多重化処理部により多重化された信号を所定の送信電力値まで増幅する送信電力増幅部と、
    前記最大送信電力値は、前記チャネル毎に乗算された係数に基づいて制限する送信電力制御部とを設けたことを特徴とする通信システム。
  14. 送信電力制御部は、チャネル毎に乗算された係数の組み合わせに基づいて最大送信電力値を制限することを特徴とする請求項13記載の通信システム。
  15. 送信電力制御部は、制限された値の範囲内で送信電力値を制御することを特徴とする請求項13または請求項14記載の通信システム。
  16. 伝送チャネルはデータ信号送信用のデータチャネルと制御信号送信用の制御チャネルを少なくとも含み、前記データチャネルにはデータチャネル用係数が乗算されるとともに、前記制御チャネルには制御チャネル用係数が乗算されており、通信装置は、前記データチャネル用係数と前記制御チャネル用係数の組み合わせに応じて送信電力増幅部を制御する送信電力制御部を設けたことを特徴とする請求項14記載の通信システム。
  17. 通信装置は、最大送信電力値の範囲内で送信電力を制御する処理と、データチャネル用係数と制御チャネル用係数の組み合わせに応じて制限された最大送信電力値の範囲内で前記送信電力を制御する処理とを切り換える処理を実行する送信電力制御部を設けたことを特徴とする請求項16記載の通信システム。
  18. 送信電力制御部は、基地局から送信された送信電力制御信号に応じて、最大送信電力値あるいは制限された量大送信電力値の範囲内で送信電力値を制御する送信電力制御部を設けたことを特徴とする請求項13から請求項17のうちのいずれか1項記載の通信システム。
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