JP2005258147A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温高湿度環境下での繰り返し使用において安定した特性を持ち、画像欠陥の無い高品位な画像を安定して供給する画像形成装置及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】 少なくとも、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成手段を複数個備え、複数の該画像形成手段が、所定の方向に搬送されてくる転写材若しくは中間転写体の移動方向に沿って上流側から下流側に順次配設され、前記電子写真感光体上にそれぞれ形成された色の異なるトナー像を、前記転写材若しくは前記中間転写体上に順次に転写して多色画像を形成する画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真記録方式を利用して転写材にカラー画像を形成する、種々のカラー画像形成装置が考案され、その幾つかが実用化されている。その代表的な例として、1つの静電潜像担持体である電子写真感光体に対して、複数色の現像剤をそれぞれ内包した各現像装置を用いて、電子写真感光体上の静電潜像を順次現像できるように配設された方式、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像装置を一体に備える回転現像装置が1つの電子写真感光体の近辺に備えられ、共通の電子写真感光体上に形成された各色の静電潜像を各々の現像装置が回転して到達した現像位置に於いてトナー像として可視化し、このトナー像が得られる毎に用紙等のシート状の記録媒体である転写材上に転写する工程を繰り返すことにより多色トナー画像を形成する方式の画像形成装置がある。
又、電子写真感光体面上に順次各色のトナー像を選択的に重ね合わせ、電子写真感光体面上に多色トナー画像を形成し、その後転写材に一括転写する方式の装置も考案されている。
ここで、これらとは別の方式として、静電潜像担持体として複数の電子写真感光体を用いて、各電子写真感光体に対向して備えられた各色の現像装置により各色のトナー像を別々に形成し、各電子写真感光体から転写材上に順次転写しつつ、転写材を搬送させて多色トナー画像を形成する、インライン方式の画像形成装置が提案されている。それぞれの各電子写真感光体や現像装置、帯電器、等の画像形成手段がそれぞれの色毎に一体化され画像形成手段(以下「プロセスステーション」という。)とされて、転写材を搬送する転写材担持体の移動方向に従って順次配設される。こうした画像形成装置の別の転写方式を取るものとして、直接転写材にではなく、中間転写体上に順次各色のトナー画像を重ね合わせることにより多色トナー画像を形成し、その後転写材に一括転写するタイプのものもある。又、各プロセスステーションはプロセスカートリッジとして画像形成装置から着脱自在とされることが多い。
インラインの電子写真記録方式を利用したカラー画像形成装置の代表的な方式としては、それぞれ一長一短があるが、近年の市場ニーズとも相俟って進む高速化という観点からは、インライン方式が優位であり、様々な製品がこの方式で実用化されている。
一方、上記の画像形成装置に用いられる電子写真感光体については、当該画像形成プロセスにおいて現像剤の受け渡しが行われるニップ部の作用、即ち、現像剤を介した電子写真感光体表面層と各種転写材との電気的、機械的等相互作用が、形成される画像の品質または画像形成装置本体の性能に多大な影響を与えることを鑑みて、電子写真感光体の特性においても当該画像形成装置の特性レベルに応答し得るものであることが要求される。
電子写真感光体においては、近年では無公害性、高生産性、材料設計の容易性及び将来性等の点から有機系材料の開発が盛んに行われている。
有機系電子写真感光体においては、有機光導電材料をバインダー樹脂に溶解又は分散して、塗膜を形成して用いるのが通常である。その塗膜は、有機光導電材料とバインダー樹脂を溶媒に溶解又は分散後、塗布乾燥して形成される。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの材料が用いられている。
特に、ビスフェノールAを骨格としたポリカーボネートは広く用いられているが、上述した電子写真プロセスにおける磨耗等による耐久性が十分ではない。それらの特性を改良するために種々の構造をしたビスフェノールが示されており、その一つとして特許文献1に示されるようにビフェノール構造を共重合したものがある。
しかしながら、これらのバインダー樹脂においては、電子写真感光体作製時において溶媒への溶解性が十分ではない、又は溶解の為の溶媒が制限される事がある。また、溶解性を補う為にポリマーの分子量を低めに抑える必要があることなどがあった。そのため、有機光導電材料との親和性が十分に得られないことや、溶解/成膜時のポリマー鎖の絡み合いが十分に発現されないことから、電子写真感光体の塗膜としての機械的強度が十分に得られないことがあった。
一方、この様な技術の流れの中でトナーの特性としても、現像、転写、定着といったプロセスのもとで、潜像に対しトナーの飛び散りが少なく、トナー自身が高い帯電能を維持しつつ、更に現像後のトナーが100%に近い形で転写材上へ転写される様なものが望まれてくる。
従来より、画質を向上させる目的の為に種々のトナーが提案されている。例えば特許文献2では、粒度分布を規制して画質向上を意図した非磁性トナーが提案されている。該トナーにおいて、8〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗く、この粒径では本発明者らの検討によると潜像への緊密なトナー飛翔は困難であり、且つ、5μm以下の粒径のトナー粒子が30個数%以下含有され、20μm以上の粒径のトナー粒子が5個数%以下含有されるという特性から、粒度分布はブロードであるという点も均一性を低下させる傾向がある。この様な粗めのトナー粒子であり、且つブロードな粒度分布を有するトナーを用いて鮮明なる画像を形成する為には、上記の様な多層構成下で各層のトナー粒子を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋め見かけの画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出す為に必要なトナー消費量が増加するといった問題点も有している。
特許文献3では平均粒径が6〜10μmであり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提案されているが、5μm以下の粒径の粒子の含有量が15個数%以下と少なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
従来の検討によれば、5μm以下の粒径のトナー粒子が、潜像の微小ドットを明確に再現し、且つ潜像全体へトナーが緻密に載る為の主要な機能であることが確認された。特に電子写真感光体上の静電荷潜像においては電気力線の集中の為、エッジ部は内部より電界強度が高く、この部分に集まるトナー粒子の質によって画質の鮮鋭さが左右される。本発明者らの検討によれば5μm以下の粒子の量がハイライト階調性を高めるのに有効であることが判明した。
しかしながら、5μm以下の粒径のトナー粒子は、潜像担持体表面への付着力が特に強く、転写残トナーをクリーニングしにくくなる。更に、連続してプリントアウトを続けることにより、紙粉或いはオゾン付加物のといった低電気抵抗物やトナーが電子写真感光体上に固着してしまったりすることがある。
以上に加え、近年のパーソナルコンピューター、デジタルカメラ及びイメージスキャナー等の画像入力装置の急速な普及により、フルカラープリンターや複写機の需要も大幅に拡大し、幅広いユーザー及び使用環境に対して十分に対応できることが必要となってきている。そこで、従来にも増して、維持費の低減やメンテナンスの容易性の向上、装置本体の小型化、低コスト化、更には温度や湿度に影響されない安定した画質の達成等が必要である。
特開平4−179961号公報 特開昭51−3244号公報 特開昭58−129437号公報
上記の画像形成装置に関して、特に近年の省スペース化や省エネルギー化または部品コスト低減等設計上の種々の要請に応えるため、画像形成装置本体の小型化を図るといった場合においては、装置内部の設計上各プロセスステーションと駆動モーターや露光レーザー等の熱源となりうるものとが密に配置されることとなり、さらに熱定着装置のように定着動作により大量の熱量を発生する熱源と各プロセスステーションとの距離もより接近することとなる。このような高温ないしは高湿度環境下においては、トナーの帯電量が不安定であるが故に転写材に対するトナーの保持力が充分に確保できず、一方電子写真感光体の表面層の離型性も低下してしまうことから、これら転写後のトナーが下流側のプロセスステーションにおいて電子写真感光体側に転写してしまう、いわゆる「再転写」が顕著であり、画像の均一性を損なってしまうという問題が生じていた。これに対しては、機内を空気冷却する送風手段(ファン)の設置、および送風手段と上記熱定着装置の間に周囲から仕切られた風路形成手段の確保等により画像形成装置内の雰囲気温度の上昇を緩和することが効果的であるが、本発明の画像形成装置においては、ファンの設置や風路形成手段を確保することはその取付けスペースを必要とするため装置の小型化を図る目的と相反し、好ましくない。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、高温高湿度環境下での繰り返し使用において安定した特性を持ち、画像欠陥の無い高品位な画像を安定して供給する画像形成装置及びプロセスカートリッジの提供することを目的とする。
本発明者らはこの問題に対し、電子写真感光体およびトナーの側からの対策を行うという目的で検討を行った。すなわち電子写真感光体表面層、転写材およびトナーを取り巻く温湿度環境がより過酷となるため、各部材の物理的及び化学的消耗が激しく結果として画像品質を低下させているという考察に基づき、本発明者らは、電子写真感光体表面層およびトナーに関して種々の物理的、化学的分析を行い、各々の物性値やその相関によって画像品質の優劣を示唆するものがあるかどうかの検討を行った。
具体的には、電子写真感光体最表面層においては、最表面層単体膜の動的粘弾性の測定による貯蔵弾性率、損失弾性率および両者の比(tanδ)およびその温度変化に特に注目して検討を行い、一方トナーに関しては、凝集度の温度変化に特に注目して検討を行った結果、電子写真感光体およびトナーの各物性値が下記範囲のものを用いた場合に限り本願発明の課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本願発明の画像形成装置における技術課題である再転写に対しては、電子写真感光体の最表面層がその設置環境の温度変化によらず、一定してトナーの離型性が高い状態を保ち続けることが必要となる。ここで電子写真感光体の表面層のtanδの温度変化、すなわち設置温度50℃および25℃における実測値の差tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])が2.0E−3より大きいものを用いた場合においては、温度変化による表面層の弾性的性質の低下と粘性的性質の増加との相関によって電子写真感光体と転写材のニップ部における電子写真感光体表面層のトナーの離型性が低下し再転写が顕著になる。
しかしながら、かかる電子写真感光体表面層のトナーの離型性の低下に対してはトナー自体の離型性を向上させることによりある程度は改善可能であるが、ここでトナーの凝集度の温度変化、すなわち設置温度50℃および25℃における凝集度Aの実測値の変化率A(50[℃])/A(25[℃])×100−100(%)が20%より大きいトナーを用いた場合は、電子写真感光体の離型性の低下に加えてトナー自体の離型性も低下することによって、さらに再転写が顕著になっていることを本発明者らは上記の検討により見出した。
即ち本発明の趣旨は、
少なくとも、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成手段を複数個備え、複数の該画像形成手段が、所定の方向に搬送されてくる転写材若しくは中間転写体の移動方向に沿って上流側から下流側に順次配設され、前記電子写真感光体上にそれぞれ形成された色の異なるトナー像を、前記転写材若しくは前記中間転写体上に順次に転写して多色画像を形成する画像形成装置において、
前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式に示す関係を有し
tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦2.0E−3
(上記式において、tanδ(X[℃])とは、X[℃]におけるtanδの測定値
を表す)
かつ、前記トナーが0.920〜0.995の平均円形度を有する球形トナーであり、その凝集度Aが下記式に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置である。
A(50[℃])/A(25[℃])×100−100(%)≦20%
(上記式において、A(X[℃])とは、X[℃]における凝集度Aの測定値を
表す)
また本発明は、上記の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、上記の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置であることが特に好ましい。
tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦1.0E−3
尚、本発明の電子写真感光体において、電子写真感光体表面層が上述の粘弾性的特性を示し、さらに画像耐久中においてゴースト、カブリ等の画像欠陥を発生させないようにするためには、当該電子写真感光体表面層に含有される電荷輸送物質とバインダー樹脂との質量比(以下D/B)が、6/10以上12/10以下であることが好ましい。
以上、本発明についてその詳細を説明したが、さらに説明すれば、本発明は下記の構成によって前記課題を解決できた。
(1)少なくとも、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成手段を複数個備え、複数の該画像形成手段が、所定の方向に搬送されてくる転写材若しくは中間転写体の移動方向に沿って上流側から下流側に順次配設され、前記電子写真感光体上にそれぞれ形成された色の異なるトナー像を、前記転写材若しくは前記中間転写体上に順次に転写して多色画像を形成する画像形成装置において、
前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式に示す関係を有し、
tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦2.0E−3
(上記式において、tanδ(X[℃])とは、X[℃]におけるtanδの
測定値を表す)
かつ、前記トナーが0.920〜0.995の平均円形度を有する球形トナーであり、その凝集度Aが下記式、
A(50[℃])/A(25[℃])×100−100(%)≦20%
(上記式において、A(X[℃])とは、X[℃]における凝集度Aの測定値
を表す)
に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記(1)に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式、
tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦1.0E−3
に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置。
(3)前記(1)または(2)に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層が結着樹脂を含有し、該結着樹脂が少なくとも下記一般式(1)、
Figure 2005258147

(式中、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を
示す。ただし、少なくともR1とR2の一つ、かつ少なくともR3とR4の
一つは水素原子以外とする。ここで、アルキル基はメチル基、エチル基又は
プロピル基を示し、アリール基はフェニル基又はナフチル基等を示す。)
を含むことを特徴とする画像形成装置。
(4)前記(1)、(2)、(3)いずれかに記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層に含まれる電荷輸送物質と結着樹脂との重量比(以下D/B)が6/10以上12/10以下であることを特徴とする画像形成装置。
(5)上記のいずれかに記載の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、高温高湿度環境下での繰り返し使用において安定した特性を持ち、画像欠陥の無い高品位な画像を安定して供給するという顕著な効果を奏する。
最初に本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体における支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル及びインジウム等の金属をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
支持体の形状としてはドラム状、シート状及びベルト状等が挙げられるが、適用される画像形成装置に最も適した形状にすることが望ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の感光層について説明する。感光層の構成は電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する単層型と、電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型に大別される。
感光層が積層型の場合、電荷発生物質としては、セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機系電荷発生物質;ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエアリウム塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系顔料等の多環キノン顔料;インジゴ系顔料;キナクリドン系顔料;及びアゾ系顔料等が挙げられる。電荷発生層は、これらの電荷発生物質を真空蒸着装置によって蒸着層として形成したり、あるいはバインダー樹脂に分散または溶解した塗布液を塗布し、乾燥することによって塗布層として形成することができる。
バインダー樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択できる。望ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニルアルコール等の樹脂が挙げられる。
電荷発生層中に含有するバインダー樹脂は、電荷発生層全質量に対して80質量%以下であることが望ましく、特には50質量%以下であることが望ましい。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが望ましく、特には0.01〜1μmであることが望ましい。
電荷輸送層は主として電荷輸送物質とバインダー樹脂として下記一般式(1)で示されるポリアリレート樹脂を、これらを溶解させる適当な溶媒に溶解させた塗布液を塗布し、乾燥することによって形成する。
Figure 2005258147

(式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアリール基
を示す。ただし、RとRの両方が水素原子となることはなく、かつR
の両方が水素原子となることはない。)
ここで、アルキル基として好ましくはメチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられし、アリール基として好ましくはフェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
一般式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂は、一般式(2)に示すように他の構造のビスフェノールと共重合させることにより、より強い強度や他の特性を付与させることも可能であり、また他の特性を向上させる等の機能を持たせることも可能である。
Figure 2005258147

(式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアリール基
を示す。ただし、RとRの両方が水素原子となることはなく、かつR
の両方が水素原子となることはない。R〜R12は水素原子、炭素数1〜
5のアルキル基、アリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン
原子を示す。また、Xは単結合または−CR1314−を示す。R13及び
14は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはR13及び
14が結合することによって形成されるアルキリデン基を示す。n及びmは
共重合比を示す。)
特に、一般式(3)に示すようにテトラメチル置換したビフェノールを、ビスフェノールC型とを共重合した系は、耐摩耗強度を高度に発現できる。
Figure 2005258147

(式中、s及びtは共重合比を示す。)
更に、有機系電子写真感光体の特徴の一つである生産性の高い浸漬塗布法による製造があるが、その際のバインダー樹脂の溶解性や溶液の保存性等の使用する系の適合性によっては、一般式(2)に示すような共重合や、他の構造のポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂とのブレンドも可能であり、生産性向上等の特徴を持たせることもできる。
一般式(1)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂は、分子量としてMw=20000〜200000が好ましく、強度及び生産性等の面から、50000〜150000が特に好ましい。
一般式(3)の共重合体の分子量は、Mw=20000〜200000が好ましく、特には50000〜150000が好ましい。
本発明の用いるポリアリレート化合物は、常法により合成されるが、一例として一般式(3)の共重合体の合成例を以下に示す。
10%水酸化ナトリウム水溶液に、一般式(3)において共重合比(s/t)=(5/5)のビスフェノールモノマーを加えて溶解した。更に、重合触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムクロライドを添加し攪拌した。別に、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライドの等量混合物をジクロロメタンに溶解させた。このジクロロメタン溶液を、先に調製した水酸化ナトリウム水溶液に攪拌しながら添加し、重合を開始した。
重合は反応温度を25℃以下に保ちながら、3時間攪拌を行った。その後、酢酸の添加により反応を終了させ、水相が中性になるまで水で洗浄を繰り返した。洗浄後、攪拌下のメタノールに滴下しポリマーを沈殿させた。更に、ポリマーを真空乾燥させて目的とする化合物を得た。
本発明に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、トリアリールメタン化合物及びチアゾール化合物などの低分子化合物が挙げられる。電荷輸送層のバインダー樹脂としては本発明に用いられるポリアリレート樹脂の他に、ポリカーボネート樹脂をブレンドしたり、その他の樹脂、例えば、シリコン変性ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などを更に混合してもよい。電荷輸送物質は質量基準で0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜40μmであることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の最表面層に用いることができるシリコーン系粉末潤滑材としては電子写真感光体の表面のすべり性を向上させ、電子写真特性を悪化させないものであればどのようなものを使ってもさしつかえないが、特には東亞合成化学工業(株)製の商品名「アロンGS−101CP」が好ましい。
更に、電荷輸送層中には酸化防止剤、紫外線吸収剤及び可塑剤などの添加剤を必要に応じ添加することもできる。
感光層が単層型の場合、感光層は、上述の電荷発生物質及び電荷輸送物質を上述のバインダー樹脂中に分散及び溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶アミド、ポリアミド、ポリウレタン、カゼイン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。下引層は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成する。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.2〜3μmであることが好ましい。
露光がレーザー光の場合は、干渉縞の防止のために下引層と支持体の間に導電層を設けることが好ましい。導電層はカーボンブラック及び金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂中に分散した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には5〜30μmであることが好ましい。
上述した各種層は、適当な有機溶剤を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等のコーティング法によって形成することができる。
<電子写真感光体最表面層の動的粘弾性及びその測定方法>
動的粘弾性とは物体に周期的に変化する歪みまたは応力を加えたときに観測される粘弾性である。弾性率の定義に従い、応力と歪の比σ*/γ*は複素弾性率E*で表され、ここで、E*=E’+iE”とかくとき、実数部E’を貯蔵弾性率(storage modulus)、虚数部E”を損失弾性率(loss modulus)という。一周期の間に粘弾性体に貯えられる弾性エネルギーがE’に比例し、粘弾性体が熱として失うエネルギーがE”に比例するために、それぞれ貯蔵弾性率及び損失弾性率と呼ばれる。E’:貯蔵弾性率は物質の弾性要素、即ち高分子膜における応力に比例するものと考えることができ、E”:損失弾性率は物質の粘性要素、即ち高分子膜における粘りの強さを表すものと考えられる。またtanδ:損失正接は弾性要素と粘性要素のバランスを表しており、大きいほど液体に近く(ゾルの性質が強い)、小さいほど固体に近い性質(ゲルの性質が強い)であることが示される。
なお、上記の動的粘弾性の測定は、粘弾性アナライザーRSAII(レオメトリック・サイエンティフィック社製)を用いて行った。また、測定サンプルについては、アルミニウムシート上にバーコーター等を用いて電子写真感光体最表面層と同一の組成の単体膜を成膜した後、アルミシート上から膜を単離し、適当な形状にカッターナイフ等で切り出して作製した。具体的には、RSAIIの測定時における周波数を1Hzとし、サンプル形状は膜厚25μmの単体膜を3.5mm×70mmになるように加工した。
次に本発明のトナーについて説明をする。
本発明のトナーを粉砕方法で製造する際に用いられるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
結着樹脂の主成分としてはスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン共重合体が現像性、定着性の点で好ましい。
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドジテル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
スチレン共重合体はジビニルベンゼンの如き架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油の如き植物系ワックス、蜜蝋、ラノリン及び鯨ろうの如き動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト及びセレシンの如き鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油ワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如き合成炭化水素、アミドワックス、ケトンワックス、エステルワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルアルコールが挙げられる。必要に応じて、これらのグラフト化、ブロック化、蒸留などしても構わない。
上記効果を発現させるために、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、エステルワックス、アミドワックス、ケトンワックスが好ましく、より好ましくは、カルナウバワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、エステルワックス、アミドワックス、ケトンワックスが望まれる。
本発明のトナーに用いられる着色剤の一例を挙げるがこれら以外のものでも構わない。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.PigmentYellow3.7.10.12.13.14.15.17.23.24.60.62.74.75.83.93.94.95.99.100.101.104.108.109.110.111.117.123.128.129.138.139.147.148.150.166.168.169.177.179.180.181.183.185.191:1.191.192.193.199等が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.I.solvent Yellow33.56.79.82.93.112.162.163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100部に対し1乃至20部添加して用いられる。
本発明のトナーは、荷電制御剤を併用しても構わない。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。一例を挙げるがこれら以外のものでも構わない。
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。一例を挙げるがこれら以外のものでも構わない。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
荷電制御剤は、結着樹脂100部当り0.01乃至20部、より好ましくは0.5乃至10部使用するのが良い。
本発明のトナーが重合法トナーの場合に縮合系樹脂を添加しても良い。一例を挙げられるがこれら以外のものでも構わない。
本発明の該縮合系樹脂は例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。結着樹脂100部当り0.01乃至20部、より好ましくは0.5乃至10部使用するのが良い。
本発明において、疎水化無機微粉末はトナーの外添剤として用いられる。
該疎水化無機微粉末の疎水化度は、70%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上であることが良い。
70%未満の場合には、高温高湿環境下での連続通紙印字の際に、水分吸着が多く、帯電が十分に与えられないため、カブリの多い弊害が出る。
本発明における外添剤としての微粉体の疎水化度は、以下の方法で測定された値を用いる。
外添剤の分離法は乾式、湿式どちらでも構わないが、好ましくは乾式にて分離することが良い。
乾式での分離法は、例えば、トナーを400メッシュ(目開き37ミクロン)にて振動篩で複数回パスさせた後、メッシュ上から外添剤を回収する。
密栓式の200mlの分液ロートにイオン交換水100ml及び外添剤0.1gを入れ、振とう機(ターブラシェーカーミキサーT2C型)で90rpmの条件で10分間振とうする。振とう後10分間静置し、無機粉末層と水層が分離した後、下層の水層を20〜30ml採取し、10mmセルに入れ、500nmの波長で微粉体を入れないブランクのイオン交換水を基準として透過率を測定し、その透過率の値をもって無機微粉体の疎水化度とするものである。透過率の高いほど、疎水化度は大きい。
本発明において、外添剤は、トナー粒子100部に対し、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.2〜4部トナー粒子と混合して使用することが良い。
外添剤の添加量が0.1部未満の場合には、トナー粒子に対する流動性付与能が充分ではなく、5部を超える場合には、トナー粒子から遊離した外添剤が各機能部材の汚染が生じ、画像に弊害がでる。さらに定着性、特に中間調の定着性が著しく悪化する。
本発明の無機微粉末は、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型、非結晶性)、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムの如き金属酸化合物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩;フッ化カーボン、ケイ素化合物微粉末(シリカ微粉末、シリコーン樹脂微粉末)などが挙げられる。好ましくは、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型、非結晶性)、酸化アルミニウム、ケイ素化合物微粉末、さらに好ましくは、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型、非結晶性)、ケイ素化合物微粉末が望まれる。
酸化チタンの製造法としては、チタンハロゲン化合物やチタンアルコキシドを気相酸化する方法が挙げられる。シリカ微粉末の製造法としては、たとえばケイ素ハロゲン化合物の気相酸化やゾルゲル法が挙げられる。
以下に本発明のトナー製造方法を示す。
本発明のトナーが粉砕法トナーである場合には、少なくとも結着樹脂、着色剤を、加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いて混練、均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕化せしめ、更に分級工程を経た後、機械的手段を用いて所望の円形度にするしトナー粒子を製造する製造方法や、上記微粉砕化の後に湿式あるいは乾式の熱球形化処理をする方法などがある。
本発明のトナーが重合法である場合には、特に制約を受けるものではないが、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in−situ重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法なども挙げられる。
小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
縣濁重合をする場合には、通常単量体組成物100部に対して水300乃至3000部を分散媒体として使用するのが好ましい。用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用されている。これら分散剤あるいは分散助剤は、重合性単量体100部に対して0.1乃至5.0部を使用することが好ましい。これら分散剤の微細化のために0.001乃至0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度は、0.950乃至0.999が好ましい。より好ましい平均円形度及び円形度標準偏差は、0.950乃至0.999でかつ0.040未満が好ましく、さらに好ましくは、0.950乃至0.995であり、0.015以上0.035未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.970乃至0.995でかつ、0.015乃至0.035が良い。
平均円形度が0.950未満の場合には、トナー形状の不定形化に伴う連続通紙時のトナー転写効率の悪化が顕著になり、電子写真感光体上に転写残トナーが多く残るため、高温高湿下でドラム融着を引き起こし易くなる。
平均円形度が0.999を超える場合には、製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながる。
円形度標準偏差が0.04を超える場合には、トナーの形状分布が拡がるために、均一転写が行えず、平均円形度が0.950未満の場合と同様な現象が発生する。
<トナー円形度の測定方法>
本発明におけるトナーの円相当径、円形度、及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
Figure 2005258147
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
Figure 2005258147
Figure 2005258147
Figure 2005258147
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
<トナー凝集度の測定方法>
本発明のトナーは、凝集度が1乃至40%、より好ましくは3乃至30%、さらに好ましくは5乃至25%であることが本発明に効果を発現させるために好ましい。トナーの凝集度は、値が小さい場合にはトナーの流動性が高く、値が大きい場合にはトナーの流動性が低いと判断され得る。トナーの凝集度は、以下の方法で測定される。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)の振動篩機を用い、振動台に400mesh、200mesh、100meshの篩を目開の狭い順に重なる様に、即ち、100meshが最上位となる様に、400mesh、200mesh、100meshの篩の順に重ねてセットする。このセットした100meshの篩上に試料を加え、振動台への入力電圧が15Vになる様にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入る様に調整し、約15秒間振動を加え、その後、各篩上に残った試料の質量を測定し、下式に基づき凝集度を得る。凝集度の値が小さいほど、トナーの流動性は高い。
Figure 2005258147
上記に従って、温度25℃でトナーの凝集度を測定し、これをA(25[℃])(%)とする。次に、100gの加重下、温度50℃で20時間放置後のトナーの凝集度を下記のようにして測定し、その値をA(50[℃])(%)とする。先ず、約5gのトナーを秤量し、これに上から均一に荷重がかかるようにして100gの荷重をかけながら50℃の環境下で20時間放置する。その後、上記したと同様の方法で放置後のトナーについての凝集度を求める。
上記によって、100gの加重下、温度50℃で20時間放置後のトナーの凝集度と、放置前のトナーの凝集度との変化率を下式によって求めた。
A(50[℃])/A(25[℃])×100−100(%)
画像形成装置の例としてインライン方式のカラー画像形成装置の例を説明する。
画像形成装置中央部に像担持体である電子写真感光体1を4つ、転写材搬送手段である静電転写ベルト4の転写材搬送方向に沿って、等間隔で配置している。これら4つの電子写真感光体1は、すべて同方向に回転している。そして、それぞれの電子写真感光体1に対応させて、帯電ローラ5、露光装置7、現像装置8、およびクリーニングブレード11を配置する。現像装置8内には、静電転写ベルト4の転写材搬送方向上流側からマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーがそれぞれ充填されている。
以下、具体的実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、以下「部」は質量部を表す。
(実施例1)
<電子写真感光体例1>
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソル部20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して導電層用塗料を調製した。長さ260mmのアルミニウムシリンダー(直径24mm)上に、上記導電層用塗料を浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が20μmの導電層を形成した。
導電層上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5部をメタノール70部ブタノール25部を混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティング法で塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚が1μmの下引層(電荷注入阻止層)を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBH−S、積水化学工業(株)製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これにメチルエチルケトン120部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬コーティング法で塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として下記の式(4)の化合物9部
Figure 2005258147

及び一般式(3)における共重合比がs/t=5/5であるポリアリレート樹脂10部をジメトキシメタン33部及びモノクロロベンゼン60部の混合溶媒に溶解した。この塗料を前述の電荷発生層の上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃で1時間乾燥して、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送物質とバインダー樹脂との質量比(D/B)は9/10である。
<トナー例1>
トナー例1の製造方法:
(ブラックトナーNO.1の製造方法)高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910部とポリビニルアルコール2部、ドデシル硫酸ナトリウム1部を添加し回転数を10000回転/分に調整し、60℃に加温せしめ分散媒系とした。
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 60部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 40部
・グラフト化カーボンブラック顔料(カーボン含有量50%) 10部
・尿素誘導体 0.7部
・オキシカルボン酸 0.5部
・飽和ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸との重縮合物)
上記混合物をメディア式分散機を用い2時間分散させた後、低軟化点物質(パラフィンワックス DSCピーク60℃)25部を添加し、内温を60℃にし30分間保温した。
その後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を添加した分散物を、上記分散媒中に投入し12000回転/分を維持しつつ8分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え150回転/分で重合を12時間重合をした。重合終了後スラリーを冷却し、水洗、乾燥をしてブラック粒子を得た。
得られたブラック粒子100部に対し、疎水化度97%のシリカ微粉末を1.5部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)にて均一固着しブラックトナーNO.1を得た。
得られたブラックトナーNO.1の円相当個数平均径はD15.7μmであった。
上記の電子写真感光体例1及びトナー例1を、図1で示される画像形成装置に装着し、温度30℃/湿度80%RHの環境下で連続30,000枚の通紙耐久試験を行い、目視による画像評価を行った。尚、通紙耐久中における電子写真感光体の表面温度の最大値は60℃であった。画像評価結果を表1に示す。表1中、◎は優、○は良、×は悪である。
(実施例2)
実施例1において、電子写真感光体例1を下記の電子写真感光体例2に変更した以外は、実施例1と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例2>
電子写真感光体例1において、一般式(4)の化合物を6部に変更した以外は、電子写真感光体例1と全く同様に作成し、電子写真感光体例2とした。
(実施例3)
実施例1において、電子写真感光体例1を下記の電子写真感光体例3に変更した以外は、実施例1と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例3>
電子写真感光体例1において、一般式(4)の化合物を12部に変更した以外は、電子写真感光体例1と全く同様に作成し、電子写真感光体例3とした。
(実施例4)
実施例1において、電子写真感光体例1を下記の電子写真感光体例4に変更した以外は、実施例1と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例4>
電子写真感光体例1において、一般式(3)の化合物における共重合比をs/t=0/10に変更した以外は、電子写真感光体例1と全く同様に作成し、電子写真感光体例4とした。
(実施例5)
実施例3において、電子写真感光体例3を下記の電子写真感光体例5に変更した以外は、実施例3と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例5>
電子写真感光体例3において、一般式(3)の化合物における共重合比をs/t=0/10に変更した以外は、電子写真感光体例3と全く同様に作成し、電子写真感光体例5とした。
(実施例6)
実施例1において、電子写真感光体例1を下記の電子写真感光体例6に変更した以外は、実施例1と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例6>
電子写真感光体例1において、一般式(3)の化合物を下記の式(5)で示されるポリアリレート樹脂(PAR−F)に変更した以外は、電子写真感光体例1と全く同様にして作成し、電子写真感光体例7とした。
Figure 2005258147
(実施例7)
実施例3において、電子写真感光体例3を下記の電子写真感光体例7に変更した以外は、実施例3と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例7>
電子写真感光体例3において、一般式(3)の化合物を上記化合物(5)で示されるポリアリレート樹脂に変更した以外は、電子写真感光体例3と全く同様に作成し、電子写真感光体例7とした。
(実施例8〜14)
実施例1〜7において、トナー例1を下記のトナー例2に変更した以外は、実施例1〜7と全く同様にして行った。
<トナー例2>
(ブラックトナーNO.2の製造方法)ブラックトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.2部に変更した以外は、ブラックトナー例1と同様な製造方法にてブラックトナーNO.2を得た。
(イエロートナーNO.2の製造方法)イエロートナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.2部に変更した以外は、イエロートナー例1と同様な製造方法にてイエロートナーNO.2を得た。
(マゼンタトナーNO.2の製造方法)マゼンタトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.2部に変更した以外は、マゼンタトナー例1と同様な製造方法にてマゼンタトナーNO.2を得た。
(シアントナーNO.2の製造方法)シアントナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.2部に変更した以外は、シアントナー例1と同様な製造方法にてシアントナーNO.2を得た。
(実施例15〜21)
実施例1〜7において、トナー例1を下記のトナー例3に変更した以外は、実施例1〜7と全く同様にして行った。
<トナー例3>
(ブラックトナーNO.3の製造方法)ブラックトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.8部に変更した以外は、ブラックトナー例1と同様な製造方法にてブラックトナーNO.3を得た。
(イエロートナーNO.3の製造方法)イエロートナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.8部に変更した以外は、イエロートナー例1と同様な製造方法にてイエロートナーNO.3を得た。
(マゼンタトナーNO.3の製造方法)マゼンタトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.8部に変更した以外は、マゼンタトナー例1と同様な製造方法にてマゼンタトナーNO.3を得た。
(シアントナーNO.3の製造方法)シアントナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から1.8部に変更した以外は、シアントナー例1と同様な製造方法にてシアントナーNO.3を得た。
(比較例1)
実施例1において、電子写真感光体例4を以下の電子写真感光体例8に変更した以外は、実施例1と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例8>
電子写真感光体例4において、一般式(4)の化合物を5部に変更した以外は、電子写真感光体例4と全く同様に作成し、電子写真感光体例8とした。
(比較例2)
実施例8において、電子写真感光体例1を下記の電子写真感光体例9に変更した以外は、実施例8と全く同様にして行った。
<電子写真感光体例9>
電子写真感光体例1において、一般式(3)の化合物を下記の式(6)で示されるポリカーボネート樹脂(PC−A)に変更した以外は、電子写真感光体例1と全く同様にして作成し、電子写真感光体例9とした。
Figure 2005258147
(比較例3〜9)
実施例1〜7において、トナー例1を下記のトナー例4に変更した以外は、実施例1〜7と全く同様にして行った。
<トナー例4>
(ブラックトナーNO.4の製造方法)ブラックトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から0.5部に変更した以外は、ブラックトナー例1と同様な製造方法にてブラックトナーNO.4を得た。
(イエロートナーNO.4の製造方法)イエロートナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から0.5部に変更した以外は、イエロートナー例1と同様な製造方法にてイエロートナーNO.4を得た。
(マゼンタトナーNO.4の製造方法)マゼンタトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から0.5部に変更した以外は、マゼンタトナー例1と同様な製造方法にてマゼンタトナーNO.4を得た。
(シアントナーNO.4の製造方法)シアントナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から0.5部に変更した以外は、シアントナー例1と同様な製造方法にてシアントナーNO.4を得た。
(比較例10〜16)
実施例1〜7において、トナー例1を下記のトナー例5に変更した以外は、実施例1〜7と全く同様にして行った。
<トナー例5>
(ブラックトナーNO.5の製造方法)ブラックトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から4.0部に変更した以外は、ブラックトナー例1と同様な製造方法にてブラックトナーNO.5を得た。
(イエロートナーNO.5の製造方法)イエロートナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から4.0部に変更した以外は、イエロートナー例1と同様な製造方法にてイエロートナーNO.5を得た。
(マゼンタトナーNO.5の製造方法)マゼンタトナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から4.0部に変更した以外は、マゼンタトナー例1と同様な製造方法にてマゼンタトナーNO.5を得た。
(シアントナーNO.5の製造方法)シアントナーNO.1において、前記シリカ微粉末を1.5部から4.0部に変更した以外は、シアントナー例1と同様な製造方法にてシアントナーNO.5を得た。
[表1]
Figure 2005258147
表1に示すとおり、実施例1〜4、6、8〜11、13、15〜18、20については、耐久初期及び3,000枚耐久後においても、再転写の発生による多色カラー画像上の色味の変動は観測されなかった。また、実施例5、7、12、14、19については、耐久後に軽微な再転写が観測されたが、実用に耐え得るレベルのものであった。
これに対し比較例1では、耐久前後を通して再転写は実用に耐え得るレベルだったものの、耐久後半にハーフトーン画像において濃度の低下が観測された。これは、比較例1で使用した電子写真感光体例8は他の電子写真感光体例に比べてD/Bを低く処方したため、耐久後半において使用条件がより苛酷になった際、露光によって感光層中に発生したキャリアの流れが阻害されて明部電位が上昇し、所定の現像バイアスを確保できなくなったものと考えられる。
また、比較例2においては、耐久初期では実用に耐え得るレベルの再転写が観測されたが、その後耐久後半で顕著なものとなった。比較例2において使用した電子写真感光体例9は表面層のtanδの温度変化が本発明で規定した数値範囲よりも大きい値であったため、耐久中における画像形成装置内の昇温に対し、表面層の粘弾性の変化に起因する再転写が顕著になったと考えられる。
その他、比較例3〜9においては、使用したトナー例4は凝集度の温度変化が本発明で規定した数値範囲よりも大きい値であったため、耐久中における画像形成装置内の昇温に対し、トナーの表面性の変化に起因する再転写が顕著になったと考えられる。
一方、比較例10〜16においては、再転写については実用に耐え得るレベルであったが、耐久終盤において、電子写真感光体の表面層に疎水性シリカが付着し、画像上にムラやスジ状の欠陥となって現れる所謂フィルミングが顕著になったため、耐久を中止した。
複数の電子写真感光体を有する画像形成装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 濃度検知センサ
3 現像ローラ
4 静電搬送ベルト
5 帯電ローラ
7 露光装置
8 現像装置
9 定着装置
10 クリーニング装置
11 クリーニングブレード
12 転写ローラ
13 テンションローラ
14 駆動ローラ
15 レジスト検知センサ
19 吸着ローラ
20 カセット
21 レジストローラ
23 トナー規制ブレード
t1〜t4 転写位置

Claims (5)

  1. 少なくとも、表面に静電潜像が形成される電子写真感光体と、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有する画像形成手段を複数個備え、複数の該画像形成手段が、所定の方向に搬送されてくる転写材若しくは中間転写体の移動方向に沿って上流側から下流側に順次配設され、前記電子写真感光体上にそれぞれ形成された色の異なるトナー像を、前記転写材若しくは前記中間転写体上に順次に転写して多色画像を形成する画像形成装置において、
    前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式に示す関係を有し、
    tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦2.0E−3
    (上記式において、tanδ(X[℃])とは、X[℃]におけるtanδの
    測定値を表す)
    かつ、前記トナーが0.920〜0.995の平均円形度を有する球形トナーであり、その凝集度Aが下記式、
    A(50[℃])/A(25[℃])×100−100(%)≦20%
    (上記式において、A(X[℃])とは、X[℃]における凝集度Aの測定値
    を表す)
    に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層を周波数1[Hz]で動的粘弾性測定を行った際における損失弾性率E”[Pa]と貯蔵弾性率E’[Pa]の比tanδ(E”/E’)が下記式、
    tanδ(50[℃])−tanδ(25[℃])≦1.0E−3
    に示す関係を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層が結着樹脂を含有し、該結着樹脂が少なくとも下記一般式(1)、
    Figure 2005258147

    (式中、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を
    示す。ただし、少なくともR1とR2の一つ、かつ少なくともR3とR4の
    一つは水素原子以外とする。ここで、アルキル基はメチル基、エチル基又は
    プロピル基を示し、アリール基はフェニル基又はナフチル基等を示す。)
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2、3いずれかに記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体の最表面層に含まれる電荷輸送物質と結着樹脂との重量比(以下D/B)が6/10以上12/10以下であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 上記のいずれかに記載の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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