JP4185749B2 - 画像形成方法、現像剤およびプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、現像剤およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機あるいはプリンタなどに用いられる電子写真方式または静電記録方式等の画像形成方法、該画像形成方法に用いられる現像剤およびプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型プリンタの低コスト化、コンパクト化の流れから、二成分現像方式から非磁性一成分現像方式へのシフトが進み、低速のデジタル複写機においてもプリンタとエンジン部の共通化が図られてきたことにより非磁性一成分方式を用いたものが増えてきている。また、カラープリンタにおいても、同様の理由から非磁性一成分方式が主流になってきている。ますます広がる非磁性一成分方式のグローバルな展開に対応するために、あらゆる環境下においても安定した画像品質を保証できる、より安価な画像形成装置が望まれてきた。
【0003】
従来、この種の画像形成装置としては、例えば図6に示す構成のものが知られている。この図6は、従来の画像形成装置の基本構成の一例を概略的に示している。この例では、像担持体として感光ドラム100が用いられる。感光ドラム100は例えばアルミニウム製の円筒基体の表面に感光材料層(例えば有機感光材料層)を形成したものであり、回転駆動される。感光ドラム100の周囲には、回転方向上流側から順に、帯電ローラ101、不図示のレーザビーム走査光学系、現像手段としての現像器102、転写ローラ111、クリーナ109が配置されている。
【0004】
帯電ローラ101にて感光ドラム100上を均一に帯電したのち、レーザビーム走査光により静電潜像を感光ドラム100上に形成する。そして、静電潜像に応じて現像器中のトナーが感光ドラム100上に転移することにより静電潜像が可視像化される。
【0005】
記録媒体すなわち転写紙Pは感光ドラム100と転写ローラ111との略当接部で可視像(トナー像)の転写を受け、転写紙P上の画像は定着器110で溶融定着される。
【0006】
現像器102は、現像剤担持体としての現像ローラ103、現像ローラ103に非磁性一成分トナー(負極性)を供給する供給ローラ105、供給ローラ105近傍に容器中のトナーを搬送する撹拌部材106、現像ローラ103上のトナー量を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード104などを有して構成される。現像ローラ103は感光ドラム100と当接するため、弾性体により形成される。また、現像ブレード104は金属薄板のバネ弾性を利用して現像ローラ103に軽圧接触される。
【0007】
現像ローラ103にはトナーを現像ローラ103から感光ドラム100側へ転移させるために、現像バイアス電源107により所定電位が供給される。また、現像ブレード104にはトナーの帯電量を安定化させるために、ブレードバイアス電源108が接続されることがある(例えば、特許文献1参照)。ブレードバイアス電源108は、現像バイアス電源107と同電位のもの、各々異なる電位を供給するもの等、各種ある。
【0008】
非磁性一成分現像方式は装置の小型化に適した非常にシンプルで優れた現像方式であるが、現像剤の薄層形成を規制部材により直接圧接する必要があるため、最大のネックとして、現像剤規制部材への現像剤の融着が挙げられる。融着を回避する為に、ブレード当接圧の軽圧化等の現像器設計からのアプローチや、軟化点を制御した融着し難い現像剤を用いるといった現像剤設計からのアプローチ等、現在までさまざま研究されてきた。上述の課題に対して、トナーの軟化点が95℃以上120℃以下で、5μm以下のトナー粒子が10個数%以下である非磁性一成分現像方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
しかし、本発明者らが図6の現像器を用いて追試したところ、常温常湿環境においては現像剤規制ブレードへの融着の改善効果が認められたが、低温低湿環境下においては、約800枚程の画像形成後において、中間調の画像にブレード融着に起因する縦スジ状の濃度ムラが発生した。また、電子写真プロセスにおいて益々求められる高精細化の要望にこたえる為には、平均粒径の小さなトナー粒子を使いこなす必要があるため、粒径が5μm以下のトナー粒子が10個数%以下のトナーを用いる現像システムは、トナー製造面での収率が悪く、非経済的である。
【0010】
低温低湿環境で発生した縦スジの原因を調べる為に現像ブレード104を観察してみると、現像ブレード104におけるa部(現像ブレード104と現像ローラ103の当接部近傍で、かつ、現像ローラ回転方向下流側)に、融着塊が発生していた。融着塊がある部分は現像剤を良好に帯電することができず、現像ローラ103上のトナー量が厚くなり、画像上で縦スジ状の濃度ムラを発生させていた。
【0011】
この理由を、図7のトナー融着概略図を用いて説明する。図7中、Tは負極性を有する非磁性一成分トナーであり、トナーTはトナー粒子と補助粒子としての外添剤から構成される。
【0012】
現像ローラ103に担持されるトナーは負極性であり、通常環境においては、現像ブレード104を通過した現像ローラ103上に担持されたトナー層は、約−20〜−60V程度の電位を持つ(トレック社製 表面電位計model334にて測定)。現像ローラ103と現像ブレード104の当接部では、トナーによって現像ブレード104の表面が常に摺擦されるため、外添剤の付着は発生しにくい。
【0013】
しかし、現像ローラ103と現像ブレード104の当接部より下流側(図中a部)においては、トナー層が現像ブレード表面から徐々に離れていくため、電位勾配が発生することとなる。即ち、現像ローラ103と現像ブレード104がたとえ同電位であったとしても、現像ローラ103上に担持されている負極性に帯電されたトナー層が電位を有するため、トナー層の最表面のほうが現像ブレード104より負極性に大きくなる。
【0014】
従ってトナー層の最表面のトナーに付着している負極性の外添剤G1がトナー表面から離脱して現像ブレード表面a部に付着することとなる。現像ブレード表面a部に付着する外添剤が画像形成をすすめるうちに除々に増加していき、付着した外添剤が摩擦により融着していく。付着した外添剤をEDAXにより分析すると、Siが高強度で検出される為、この融着外添剤は主にシリカ微粒子によるものであることが確認できた。この融着は、長手方向に不均一に融着していく為、ブレード104の外添剤が付着した部分は汚染してない部分と較べて良好に摩擦帯電ができず、帯電量の小さいトナーが厚くコートされる為、融着部分のみ縦スジ上に濃く現像される。外添剤による融着塊は次第に成長していき、ひどいものでは縦スジ状の濃淡線が帯状にまで悪化する。外添剤の融着量が更に多くなった時は、ブレード104の表面が荒らされることによってトナーが摩擦熱で融着し、今度はトナーがせき止められることによりコート不良を引き起こし、融着部分の濃度が出なくなる。
【0015】
尚、この外添剤の融着量は、使用する環境により現像剤の摩擦帯電量が異なるために左右され、特に低温低湿環境が最も厳しいことがわかった。また、トナーに外添するシリカ微粒子の種類や添加量及びトナーへの付着状態を制御したり、トナーの粒度分布等を制御して帯電量をコントロールすることにより、融着によるスジ状画像の発生を遅らせることが可能であることがわかった。
【0016】
一方、従来例の画像形成装置においては、例えば現像ローラ103には現像バイアス電源107から−300Vの電圧が常時供給され、現像ブレード104にはブレードバイアス電源108から−400Vが供給され、現像ローラ103と現像ブレード104間には約100Vの電位差が生じることとなる。従って、トナー層による電荷を加味してもトナー層表面から負極性の外添剤G1がトナー表面から離脱することはなくなる。(例えば、特許文献1参照)
【0017】
しかしながら、低温低湿環境において、上記従来技術に記載の電位差を設けた画像形成方法を用いた場合、以下に示す不具合が生じた。約1300枚程の画像形成後においてベタ画像の濃度薄及び縦スジが発生した。これは、現像ブレード104を通過した現像ローラ103上にも現れていた。
【0018】
現像ブレード104を観察した結果、現像ブレード104におけるb部(現像ブレード104と現像ローラ103の当接部近傍で、かつ、現像ローラ回転方向上流側)に、トナーが一面に付着していた。付着したトナーは溶融してはいないが、エアーブラシにてエアーを吹き付けても吹き飛ばない程度に固着していた。b部のトナーの固着によりトナーの流れがせき止められるため現像ローラ103上のトナー量は薄くなり、画像上で縦スジ状の濃度ムラを発生させていた。
【0019】
図7において、現像ローラ103(−300V)と現像ブレード104(−400V)の電位を変更した場合について説明する。供給ローラ105によって摩擦帯電されたトナーが現像ローラ103と現像ブレード104との当接部前(b部近傍)に到達すると、トナー層中に混ざっている反転トナー(正極性に帯電したトナー)が電位差の影響により現像ブレード104表面のb部に引きつけられることになる。特に、現像ローラ103と現像ブレード104の電位差を大きくしていく程、反転トナーを引きつけるため、現像ブレード104b部のトナー固着がひどくなる。
【0020】
トナー固着が増加していくと、現像ローラ103と現像ブレード104との当接部前(b部近傍)に侵入してくるトナー量がせき止められるため、トナー層の厚さの減少となる。その結果、ベタ画像の濃度薄となってしまう。更に、長手方向で現像ブレード104のb部に付着するトナー固着量が異なるため、濃度薄に加えて縦スジが発生することになる。
【0021】
この現象は、トナーの補助粒子として負極性の外添剤G1に加えて正極性の外添剤G2を混在させた場合には、特に顕著に発生することとなる。正極性外添剤G2は帯電性の安定化、トナーの流動性の調節等にトナー粒子及び負極性外添剤に加えて追加される場合がある。正極性外添剤G2は上記反転トナーと同様の動きをすることから、現像ブレード104の自由端先端であるb部に付着することとなる。固着した正極性外添剤G2は上記同様、濃度薄及び縦スジを発生させることになる。
【0022】
また、現像ブレード104に印加する電圧についても、使用する環境によってトナー層の表面電位が変化するため、細かな制御が必要となる。特にトナー層の表面電位は、低湿環境では高くなり、高湿環境では低くなる傾向にあるためである。
【0023】
また、現像ブレード104に常時ACバイアスを印加した画像形成方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、常時ACバイアスを印加した場合には、現像ローラ103と現像ブレード104の当接部より下流側(図中a部)においてACバイアスによるトナークラウドが発生することになる。このトナークラウドの発生はトナーを無用に飛散させることとなり、機内を汚すことになってしまう。また、ACバイアスを現像ブレード104に印加した場合には、現像ローラ103と現像ブレード104が当接していることから、ACバイアスによるアタック音が発生してしまうこととなる。
【0024】
【特許文献1】
特開平05−011599号公報
【特許文献2】
特開2001−350285号公報
【特許文献3】
特開昭58−153972号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、現像剤規制部材を用いて現像剤担持体上の現像剤層の厚さを規制する画像形成方法において、現像剤規制部材への現像剤の融着を防止することで画像の濃度薄及び縦スジを防ぎ、低温低湿環境においても長期にわたって安定した画像形成を行うことの可能な画像形成方法を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、現像剤担持体および現像剤規制部材の電位および現像剤の構成に着目し、非画像形成時に現像剤担持体と現像剤規制部材との間に電位差を設け且つ特定の粒度を有するシリカ微粒子を含有する現像剤を用いることで、低温低湿環境下においても現像剤規制部材への融着物の発生を抑制し、長期にわたって良好な画像形成が行えることを見出し、本発明を完成させた。
【0027】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)像担持体上に担持された静電潜像に、現像手段によって現像剤を転移させることにより、前記静電潜像を可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成方法であって、前記現像手段は、前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有し、
前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加手段の電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とする画像形成方法。
【0028】
(2)前記現像剤の個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする(1)の画像形成方法。
【0029】
(3)前記現像剤は、パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする(1)または(2)の画像形成方法。
【0030】
(4)前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの画像形成方法。
【0031】
(5)前記非画像形成時における現像剤担持体と前記現像剤規制部材の電位差が60〜500Vであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの画像形成方法。
【0032】
(6)前記現像剤の帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの画像形成方法。
【0033】
(7)前記現像剤のメルトインデックス値が35以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの画像形成方法。
【0034】
(8)像担持体上に担持された静電潜像を可視化するための現像剤であって、
現像手段によって潜像担持体上の静電潜像に前記現像剤を転移させることにより、前記静電潜像を可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成方法に用いられ、
前記現像手段は、前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有し、
前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とする現像剤。
【0035】
(9)個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする(8)の現像剤。
【0036】
(10)パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする(8)または(9)の現像剤。
【0037】
(11)前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする(8)〜(10)のいずれかの現像剤。
【0038】
(12)前記非画像形成時における現像剤担持体と前記現像剤規制部材の電位差が60〜500Vであることを特徴とする(8)〜(11)のいずれかの現像剤。
【0039】
(13)帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする(8)〜(12)のいずれかの現像剤。
【0040】
(14)メルトインデックス値が35以下であることを特徴とする(8)〜(13)のいずれかの現像剤。
【0041】
(15)像担持体上に担持された静電潜像を現像剤によって可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有する現像手段と、を有し、
前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が
略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0042】
(16)前記現像剤の個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする(15)のプロセスカートリッジ。
【0043】
(17)前記現像剤は、パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする(15)または(16)のプロセスカートリッジ。
【0044】
(18)前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする(15)〜(17)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0045】
(19)前記非画像形成時における現像剤担持体と前記現像剤規制部材の電位差が60〜500Vであることを特徴とする(15)〜(18)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0046】
(20)前記現像剤の帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする(15)〜(19)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0047】
(21)前記現像剤のメルトインデックス値が35以下であることを特徴とする(15)〜(20)のいずれかのプロセスカートリッジ。
【0048】
【発明の実施の形態】
現像剤規制部材を用いて現像剤担持体上の現像剤層の厚さを規制する画像形成方法を用いた従来の画像形成装置においては、固定のDC(直流)バイアスまたはAC(交流)バイアスを現像剤担持体および/または現像剤規制部材に印加することで、トナーへの帯電性付与またはトナーコート等の安定化を図っていた。しかしながら、前述したように、従来技術の画像形成装置ではトナー飛散や反転トナーの現像ブレードへの固着、現像ブレードへのトナー融着を防止しつつ、トナーコートを安定させることは困難であった。
【0049】
本発明の画像形成方法は、像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有し、前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加手段の電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御する、現像手段を用いることを特徴とする。また、本発明の画像形成方法は、負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、このシリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移する現像剤を、上記現像手段とともに用いることを特徴とする。
【0050】
すなわち、本発明の画像形成方法に用いられる現像手段は、現像剤担持体の回転中における現像剤担持体と現像剤規制部材の電位関係が、画像形成時には略同電位となり、非画像形成時には少なくとも一時的に現像剤担持体の電位よりも現像剤規制部材の電位の方がトナーの帯電極性と同極性側に大きくなるように、現像剤担持体および現像剤規制部材の電位をそれぞれ制御することを特徴とするものである。これにより、現像剤規制部材に付着しやすいトナー粒子の帯電極性と同極性の外添剤を非画像形成時において除去し、現像剤規制部材をリフレッシュすることができるため、長期にわたって現像手段を使用した場合でも現像剤規制部材に融着物が発生することなく、現像剤担持体上への現像剤層の形成を安定して行うことができ、長期にわたって良好な画像を形成することができる。
【0051】
また、本発明の画像形成方法に用いられる本発明の現像剤は、トナー粒子の帯電極性と同極性の帯電極性を有し、且つ現像剤規制部材に融着し難いBET比表面積が20〜250m2/gのシリカ微粒子を、トナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有することを特徴とする。このような現像剤を上記現像手段とともに用いることにより、低温低湿環境下においても、現像剤規制部材への融着物が発生せず、長期に渡ってあらゆる環境で良好な画像品質を保証することができる。
【0052】
ここで、画像形成時とは、現像手段が転写紙の画像形成領域(余白領域を除いた部分)に転写すべき静電潜像を現像して可視像を像担持体上に形成している間の時間をいう。また非画像形成時とは、画像形成時以外であって且つ現像剤担持体が回転している時間であり、たとえば転写紙の余白領域に相当する部分が現像工程に供されている時間(この間、実際には可視像は形成されない)、画像形成前の準備前回転時、画像形成終了後の準備後回転時、複数枚プリント時の転写紙の間(紙間)の時間、電源ON時の準備前多回転時などをいう。
【0053】
即ち本発明においては、毎プリント時において、画像形成時に現像剤規制部材を現像剤担持体と略同電位にし、現像剤規制部材(図7中a部)に付着したシリカ微粒子などの外添剤を、非画像形成時に現像剤担持体側に転移させて現像剤規制部材をリフレッシュすることで、現像剤規制部材への外添剤及びトナーの融着を防止するものである。
【0054】
このリフレッシュ動作は、非画像形成時、すなわち転写紙の余白領域に相当する部分が現像に供されている時間、画像形成前の準備前回転時、画像形成終了後の準備後回転時、紙間等にて、例えば負帯電性のトナー粒子を含有する現像剤を用い、現像剤担持体に−400Vの電圧が印加されている場合には、現像剤規制部材に−600Vの電圧を短時間印加することで、画像形成時に付着した負極性外添剤を現像ローラ側に戻すように作用する。
【0055】
上記のようなリフレッシュ動作とブレードに付着し難い外添剤(本発明で用いるシリカ微粒子)を併用することにより、低温低湿環境下において画像形成時に現像剤担持体と現像剤規制部材とに印加する電圧を略同電位にしても、現像剤規制部材に外添剤が堆積することがないため、トナーが現像剤規制部材に捕獲されることはなくなる。その結果、現像剤規制部材(図7中a部)に融着物が発生することを防止できる。
【0056】
本発明において略同電位とは、印加された現像バイアスに対して約±60V程度の範囲をいう。例えば、負帯電性のトナーを含有する現像剤を用い、現像バイアスが−400Vであった場合、現像剤規制部材に印加される電圧が−340V以下となると、現像剤規制部材を通過するトナー量が減少して十分な画像濃度が得にくくなる。逆に、現像剤規制部材に印加される電圧が−460V以上となると、反転トナーや正極性の外添剤が現像ブレードに付着しやすくなり、現像剤規制部材の自由端側(図7中b部)に付着した反転トナーや正極性外添剤により現像剤規制部材と現像剤担持体の当接部に侵入するトナーが堰き止められやすくなり、縦スジ状の濃度ムラを発生させるためである。
【0057】
なお、現像剤担持体上において、現像剤規制部剤を通過したトナー層は、±数十Vの電位幅を持つため、略同電位はこの値も考慮して約±60Vと定められる。
【0058】
また、このリフレッシュ動作は非画像形成時の短時間に行われるため、たとえこのリフレッシュ動作中に現像剤規制部材の自由端先端(図7中b部)に反転トナーやトナー粒子の帯電極性と逆極性の外添剤が付着したとしても、次回の画像形成時には現像剤担持体側へ戻るように作用するので、前記同様現像剤規制部材に外添剤が堆積することはなく、縦スジや濃度薄等の画像不良を発生させることはない。
【0059】
特に本発明においては、前記非画像形成時に現像剤担持体と現像剤規制部材に電位差を作用させる場合、現像剤担持体が回転していることが重要である。現像剤担持体が停止した状態で上記した電位差を作用させても、一度現像剤規制部材から現像剤担持体に戻った反転トナーや上記逆極性の外添剤が現像剤規制部材に再付着する場合があるためである。現像剤担持体が回転している状態で上記リフレッシュ動作を行うことで、現像剤担持体側に戻った反転トナーや逆極性の外添剤を現像剤規制部材と現像剤担持体との当接部において現像剤担持体の回転方向下流側部(図7中a部)から遠ざけることが可能となり、再付着を防ぐこととなる。
【0060】
前記非画像形成時に現像剤担持体と現像剤規制部材に作用させる電位差は60〜500Vであることが、現像剤規制部材に付着した反転トナーや外添剤を効果的に除去する上で好ましい。この電位差は100〜450Vであることがより好ましい。これは、電位差が60V以下であると現像ブレードに付着した負極性外添剤を現像ローラ側に転移することができず、現像ブレードの融着を防止する効果が得られないためである。また、電位差を500V以下としているのは、これ以上になると現像ローラと現像ブレード間で放電が発生しやすくなることと、現像ブレードと現像ローラ間に流れる電流が大きくなってしまい、大容量の電源が必要となるからである。
【0061】
本発明の画像形成方法に用いられる本発明の現像剤は、トナー粒子とシリカ微粒子とを含有する。なお、本明細書において、トナー粒子の集合体を指す場合や、転写紙に定着されたり、トナー粒子が融着物となって粒子としての形状が維持されなくなった場合に、単に「トナー」と表記することもある。
【0062】
本発明で用いられるシリカ微粒子は、トナー粒子の帯電極性と同極性で、且つBET比表面積が20〜250m2/gである。シリカ微粒子のBET比表面積は、25〜170m2/gであることが好ましく、30〜150m2/gであることがより好ましい。本発明において、シリカ微粒子はトナー粒子100質量部に対して0.5〜2質量部の割合で現像剤に含有される。シリカ微粒子の含有量は0.6〜1.9質量部であることが好ましく、0.7〜1.8質量部であることがより好ましい。
【0063】
本発明者等が、環境安定性や、流動性及びトナー粒子へのトリボ付与性に有効な、あらゆる種類の無機微紛体をトナー粒子に外添して検討した結果、特に低温低湿環境下においてシリカ微粒子が顕著に現像剤規制部材に静電付着して融着塊を成長させることが明らかになった。しかし、転写性や流動性及びトリボ付与性に優れたシリカ微粒子は現像剤の必須成分である。本発明者等が鋭意検討した結果、BET比表面積が20〜250m2/gのシリカ微粒子をトナー粒子に対して0.5〜2部含有する現像剤を上記リフレッシュ機能と併せて用いると、低温低湿環境においても現像剤規制部材に融着塊が発生しないということを見出し、本発明に到った。
【0064】
BET比表面積が20m2/g未満のシリカ微粒子を含有する現像剤を用いると、帯電付与能が小さく、高温高湿環境における使用でかぶりやボタなどの画像不良が発生する。一方、BET比表面積が250m2/gを超えるシリカ微粒子を含有する現像剤を用いると、低温低湿環境における使用時に現像剤規制部材に強く付着する為、現像剤規制部材に高バイアスを印加しても現像剤担持体に戻りきらず、耐久的な使用が進むと融着塊が成長してスジ画像が発生する。
【0065】
なお、シリカ微粒子のBET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。本発明におけるBET比表面積は、一点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
【0066】
空のサンプルセルの重量を測定した後、測定試料を0.01〜0.002gの間に入るように充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で3時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
【0067】
シリカ微粒子をトナー粒子100質量部に対して0.5部未満含有する現像剤を用いると、トナー粒子のシリカ微粒子被覆率が十分でないため、充分な帯電付与効果や流動性付与効果が得られにくく、また高温高湿環境においてかぶりやボタが発生しやすく、また耐久劣化も早い。またシリカ微粒子をトナー粒子100質量部に対して2.0部を超えて含有する現像剤を用いると、過剰なシリカ微粒子が現像剤規制部材に強力に付着しやすく、低温低湿環境においては耐久使用の初期から現像スジが発生する。
【0068】
また、本発明の現像剤に含まれるシリカ微粒子は、パーティクルアナライザーで測定される、トナー粒子に対するシリカ微粒子の遊離率が20%以下であることが好ましい。シリカ微粒子の遊離率が20%を超えると、耐久使用の初期より現像剤規制部材へのシリカ微粒子の融着が発生し、早い段階で中間階調の画像上に濃いスジが目立つようになる。上記シリカ微粒子の遊離率は、現像装置の更なる長寿命を保証する為には10%以下であることがより好ましい。
【0069】
シリカ微粒子の遊離率を適切な範囲にするためには、公知の外添方法が使用できる。すなわち、上記遊離率を有する本発明の現像剤を製造するために好適な攪拌方法は、シリカ微粒子をトナー粒子に機械的に外添付着するものであれば特に限定するものでなく、公知の攪拌装置を用いて行うことができる。好ましくは、ヘンシェルミキサーやホモジナイザー等が用いられ、より好ましくは、ヘンシェルミキサーが使用できる。外添強度は回転数、バッフル版の角度及び攪拌時間を制御して調節し、他の外添剤との相互作用も十分に考慮して、シリカ微粒子の遊離率をコントロールする必要がある。
【0070】
トナー粒子の炭素原子に対するSi原子の遊離率を測定する方法は、電子写真学会年次大会(通算95回)、"Japan Hardcopy'97"論文集、「新しい外添評価方法−パーティクルアナライザによるトナー分析−」、鈴木俊之、高原寿雄、電子写真学会主催、1997年7月9〜11日、に開示されているトナー分析方法を使用して行うことができる。このトナー分析方法は、トナー粒子をプラズマ中に導入することによりトナー粒子を励起させ、この励起に伴う発光スペクトルを検出することにより分析を行うものである。この分析方法によれば、複数元素の励起に伴う発光スペクトルを同時検出することが可能であり、さらに発光スペクトルの周期性についても測定することができる。
【0071】
本発明では、この周期性を利用して測定されるトナー粒子の炭素原子に対するSi原子の遊離率を、シリカ微粒子の遊離率としている。同一粒子中に含まれる元素は、同一周期で励起発光スペクトル(同期スペクトル)を生じるが、一方、シリカ微粒子の遊離物のように単体で存在する元素は、トナー粒子中の炭素原子とは同期せずに単独で励起発光スペクトル(非同期スペクトル)を生じる。本発明では、トナー粒子に由来する炭素原子の励起に伴う発光スペクトルと、シリカ微粒子に由来するSi原子の励起に伴う発光スペクトルの周期差を元に、同期していない原子を遊離のシリカ微粒子としてとらえ、その比をもってシリカ微粒子の遊離率とする。
【0072】
具体的測定方法としては、横河電機(株)製PT1000を用い以下の条件にて測定した後、C原子を基準としたSi原子の発光の同期性を下記式に当てはめて遊離率を求める。
【0073】
<横河電機(株)製PT1000の測定条件>
・1回の測定におけるC原子検出数:500〜2500
・ノイズカットレベル:1.5以下
・ソート時間:20digits
・ガス:O2 0.1%、Heガス
・分析波長
C原子 :247.860nm
Si原子:288.160nm
・使用チャンネル
C原子 :1又は2
Si原子:1又は2
【0074】
【数1】
Figure 0004185749
【0075】
また、本発明で用いられるシリカ微粒子の数平均一次粒子径は、5〜100nmであることが好ましい。シリカ微粒子の数平均一次粒子径は、7〜60nmであることがより好ましい。数平均一次粒子径が5nm未満では、非常に帯電性が高いため、特に低湿環境下において現像剤規制部材に付着し易く、融着塊に発展して定着画像にスジを発生する。また、耐久的使用に伴いシリカ微粒子がトナー粒子中に埋め込まれやすく、特に高湿環境下における耐久後半にかぶりを生じる。また数平均一次粒子径が100nm以上では帯電付与性に劣ることがある。
【0076】
なお、シリカ微粒子の数平均一次粒子径は、FE−SEM(日立製作所製S−4700)により5万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、中心付近に存在するシリカ微粒子の長径を10視野にわたり測定し、その平均値を数平均粒子径とすることにより求める。
【0077】
シリカ微粒子は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカ微粒子と称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である。
【0078】
粒径の小さなシリカ微粒子の母体としては、表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残査のない乾式シリカの方が好ましい。
【0079】
また、乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、前記乾式シリカはそれらも包含する。
【0080】
本発明に用いられるシリカ微粒子は、予めシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで疎水化処理することにより、高温高湿環境下においても所望の帯電量を得ることができ、好ましい。
【0081】
シランカップリング剤としては、下記一般式で示されるもので、例えば代表的にはジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシランが挙げられる。
【0082】
【化1】
mSiYn
(式中、Rはアルコキシ基又は塩素原子を示し、Yはアルキル基、又はビニル基、グリシドキシ基、メタクル基を含む炭化水素基を示し、mは1〜3の整数を示し、nは3〜1の整数を示す。)
【0083】
上記シリカ微粉体のシランカップリング剤処理は、シリカ微粉体を撹拌によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理又は、シリカ微粒子を溶媒中に分散させたシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法のような一般に知られた方法で処理することができる。
【0084】
シリコーンオイルは、一般に次の式で示されるものである。
【化2】
Figure 0004185749
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、R'はアルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニルおよび変性フェニルから選ばれるシリコーンオイル変性基を示し、R"は炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基を示し、mは0〜1000の整数を示し、nは0〜1000の整数を示す。)
【0085】
このようなシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0086】
シリコーンオイル処理の方法としては公知の技術が用いられ、例えばシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースシリカ微粒子へシリコーンオイルを噴霧する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合した後、溶剤を除去して作製しても良い。
【0087】
処理量が0.1質量%未満であると、高温高湿環境下において著しく帯電量が落ち、かぶりやボタ落ちの原因となる。一方、処理量が30質量%以上であると、シリコーンオイルが厚く塗られたシリカ微粒子や二次凝集シリカ微粒子量が相対的に増えるため、それらが現像剤規制部材への融着物のきっかけになりやすく好ましくない。
【0088】
疎水化処理と同様の理由から、本発明で用いられるシリカ微粒子は解砕処理工程を設けることにより、ブレード融着へのラチチュードが更に広がり、より高寿命な現像装置に対応できる。
【0089】
本発明の現像剤は、個数基準の粒度分布において粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることが好ましい。4μm以下の粒径の粒子が個数基準の粒度分布において35%を超えると、粒径が4μm以下の小粒径のトナーは非常に高い帯電量を持つために、現像剤規制部材に強く付着し、低温低湿環境下において高いブレードバイアスを現像剤規制部材に印加しても十分にリフレッシュすることができず、現像剤担持体の回転摺擦によりトナー融着を生じる。
【0090】
チャージアップによる現像剤規制部材へのトナー粒子の付着力を抑制する同様の理由から、現像剤の体積平均粒径は4〜12μmであることが好ましく、4μm以下の粒径の粒子が個数分布で20%以下であることがより好ましい。
【0091】
本発明の現像剤は、あらゆる環境において、現像剤担持体上での帯電量を絶対値で15〜90μC/gに制御することが好ましい。所望の帯電量に制御する手段としては、複数の補助粒子を使用することが可能である。流動性及び帯電能付与手段として上述のシリカ微粒子を添加するほかに、酸化チタンや酸化マグネシウム等を添加して帯電分布を調整したり、負帯電トナーに対してはハイドロタルサイトやチタン酸ストロンチウム等の正帯電性微粒子を添加することによりチャージアップを抑制することができる。また、補助粒子の一つにトナーの極性と逆極性の外添剤(トナーが負帯電性である場合には正極性の外添剤)を用いると、現像剤担持体の回転動作と相まって、現像剤規制部材に付着した負極性外添剤を擦り落とす効果も期待できる。
【0092】
現像剤の現像剤担持体上における帯電量が絶対値で15に満たない場合、高温高湿環境下でかぶりやボタ落ち等の画像不良を発生する。また、帯電量が絶対値で90を超えると、高いブレードバイアスを現像剤規制部材に印加しても、該現像剤規制部材にチャージアップしたトナーやシリカ微粒子が強力に静電付着する為に、耐久的使用に伴なう融着スジを回避することができなくなる。
【0093】
前記現像剤の帯電量は、例えば図8に示すファラデー・ケージ(Faraday−Cage)によって測定することができる。ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をKEITHLEY 616 DIGITAL ELECTROMETERで測定し、内筒中のトナー重量Mで電荷量Qを割ったもの(Q/M)を帯電量とする。現像剤は現像剤担持体より直接、air吸引によりフィルター中にとり入れる。
【0094】
現像剤の帯電量は、トナー材料に適当な荷電制御剤を用いる等の材料面で調整することができるほか、現像剤担持体の材質や、現像剤規制部材の現像剤担持体への当接圧等を調整することにより、現像剤への摩擦帯電量付与能を制御することができる。
【0095】
なお、外添剤の帯電量(μc/g)はブローオフ測定法により次のように求められる。
図9は外添剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、摩擦帯電量を測定しようとする外添剤とキャリアの重量比1:500の混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、ターブラミキサーで2分間振とうする。底に500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容器52に、該混合物0.1〜0.7gを入れ金属製のフタ54をする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁を調整して真空計55の圧力を2kPaとする。この状態で充分(約一分間)吸引を行う。このときの電位計59の電圧をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり、容量はC(μF)である。これらから得られる電荷量を、吸引除去した外添剤量で除したものが摩擦帯電量(μc/g)である。
【0096】
また、本発明の現像剤のメルトインデックス(MI)は35以下であることが好ましい。現像剤のMIは25以下であることがより好ましい。MIが35を超える現像剤を用いると、シリカ微粒子が現像剤規制部材に融着して現像剤規制部材が荒らされた場合に、摩擦熱によって現像剤規制部材へのトナー融着を誘発しやすく、早期の段階から酷いスジが発生する傾向がある。
【0097】
なお、本発明におけるMIの測定は、JIS K 7210のA法に準じて測定を行い、試験温度135℃、試験荷重2.16Kgfにおける値をMI値とする。
【0098】
以下、本発明の現像剤について更に詳しく述べる。
前述したように、本発明の現像剤はトナー粒子と、このトナー粒子と同極性の帯電極性を有する上記のシリカ微粒子とを含有する。本発明の現像剤に含有されるトナー粒子は非磁性及び絶縁性を有するものであり、正の極性に帯電する正極性のトナー粒子であっても負の極性に帯電する負極性のトナー粒子であってもよい。本発明のトナー粒子は、結着樹脂、着色剤、ワックス、荷電制御剤、前記シリカ微粒子以外の外添剤等、公知のトナー材料によって製造することができる。
【0099】
トナー粒子に用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。
【0100】
これらの樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用される。結着樹脂の主成分としては、スチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン共重合体であることが現像性や定着性の点で好ましい。
【0101】
本発明では、適当なモノマーを重合させることによって結着樹脂を生成し、これを用いても良い。例えば、スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドジテル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸及びその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体は単独で又は二種以上を混合して用いられる。
【0102】
スチレン共重合体は、ジビニルベンゼンのような架橋剤で架橋されていることが現像剤の定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
【0103】
また、本発明に用いられるトナー粒子を重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
【0104】
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルなどのビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンなどのビニルケトンが挙げられる。
【0105】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0106】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独で或いは二種以上組み合わせて、又は上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0107】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び水溶性開始剤のいずれか一方又は両方が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0108】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄及び過酸化水素等が挙げられる。
【0109】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに添加し用いることも可能である。
【0110】
上記トナー粒子に用いられる架橋剤としては、二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
【0111】
なお、上記本発明で用いられるトナー粒子が重合法により製造される場合にはトナー粒子に縮合系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロース等が挙げられる。より好ましくは、材料の多様性からポリエステルが望まれる。前記縮合系樹脂は、その種類等によって異なるが、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0112】
上記トナー粒子に用いられる着色剤は、非磁性のものであれば特に限定されず、黒色着色剤としては、例えばカーボンブラックや、以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したもの等が挙げられる。
【0113】
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199等が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.I.solventYellow33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211等が挙げられる。
【0114】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
【0115】
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。
【0116】
これらの着色剤は、単独で又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、着色剤の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部であることが好ましい。
【0117】
上記本発明で用いられるトナー粒子は、示差熱分析における昇温時の吸熱曲線において、吸熱ピークが50〜120℃の範囲に少なくともひとつあるものが好ましい。50〜120℃に吸熱ピークを有するトナーは、上記シリカ粒子の添加量や他の外添剤の種類および量を調整することによって、より効果的にトナー帯電性をコントロールでき、より好ましい結果が得られる。
【0118】
トナー粒子の吸熱ピークが50℃未満にあると、保存安定性が損なわれブロッキング等の問題が発生しやすい。また、吸熱ピークが120℃を超える温度にあると、定着時における離型効果が十分に発揮されない。50〜120℃に吸熱ピークがあれば、120℃を超える温度域にさらに吸熱ピークがあってもかまわない。
【0119】
前記示差熱分析における吸熱ピークは、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することができる。前記示差熱分析における吸熱ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7が使用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。
【0120】
本発明において吸熱ピーク温度とは、DSC曲線において、プラスの方向のピーク温度のことであり、即ち、ピーク曲線の微分値が正から負にかわる際の0になる点を言う。DSC曲線には、1回昇温させて前履歴をとった後、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温および昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。
【0121】
トナー粒子の示差熱分析における吸熱ピークを50〜120℃の範囲に有するように調整する手段としては、示差熱分析における吸熱ピークを50〜120℃に有する化合物をトナー粒子中に内添させる手段が好ましい。示差熱分析における吸熱ピークを50〜120℃に一つ以上有する物質としては、ワックスが好ましく用いられる。
【0122】
前記ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックス及びそれらの誘導体、高級脂肪族アルコールのアルコールワックス;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸或いはその化合物;酸アミド及びその誘導体;エステル及びその誘導体;ケトン及びその誘導体;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物ワックス;及び動物ワックスが挙げられる。誘導体は酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。本発明に用いられるトナー粒子中におけるワックスの含有量は、離型効果と帯電阻害性のバランスを考慮して、0.3〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%である。
【0123】
本発明に用いられるトナー粒子には、荷電制御剤を併用することによってさらに好ましい効果を加えることができる。
【0124】
トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0125】
トナー粒子を正荷電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩などのオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0126】
なお荷電制御剤の使用量は、用いる荷電制御剤の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。荷電制御剤は、トナー粒子に配合(内添)しても良いし、又はトナー粒子と混合(外添)しても良い。
【0127】
トナー粒子および現像剤の平均粒径及び粒度分布は、例えばコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続した測定装置で測定することができる。この測定では電解液が用いられるが、この電解液には、例えば1級塩化ナトリウムを用いて調製された1%NaCl水溶液や、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0128】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記コールターカウンターTA−II型により2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求める。
【0129】
以下に本発明で用いられるトナー粒子の製造方法を示す。
前記非磁性一成分トナーの製造方法としては、少なくとも結着樹脂、着色剤を、加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いて混練し、均一に分散させた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕化させ、分級工程を経てトナー粒子を得る粉砕法が挙げられる。さらに円形度を高くする目的で、機械的手段を用いて所望の円形度にしトナー粒子を製造する製造方法や、上記微粉砕化の後に湿式又は乾式の熱球形化処理をする方法等が挙げられる。
【0130】
前記非磁性一成分トナーの製造方法としては重合法が挙げられる。前記非磁性一成分トナーの製造方法が重合法である場合には、特に制約を受けるものではないが、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法、等の製造方法によるトナー粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in−situ重合法、コアセルベーション法等の製造方法も挙げられる。さらに、特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されているような、少なくとも一種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法等が挙げられる。
【0131】
懸濁重合を行う場合には、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0132】
有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が使用されている。これら分散剤あるいは分散助剤は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜5.0質量部を使用することが好ましい。
【0133】
これら分散剤の微細化のために0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。より具体的には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0134】
本発明の現像剤は、前述したトナー粒子とシリカ微粒子の他に、他の公知の外添剤をさらに含有していても良い。シリカ微粒子のような小粒径微粒子と併用してトナーと逆極性の微粒子を外添剤として用いる場合には、互いの粒子同士による凝集塊の発生を防止する目的と、耐久的使用時の後半において外添剤のトナー粒子中への埋没を防ぐスペーサー粒子の効果を狙って、前記微粒子は80nm以上の粒径であることが特に好ましい。
【0135】
上記外添剤としての微粒子は、その性能を確実に発揮し、安定な帯電性を有するためには、トナー粒子に対して0.05〜5.0質量%添加されることが好ましい。また、本発明に用いる逆極性微粒子は一種類だけを用いることに限定されるものではなく、複数の種類を併用することができる。
【0136】
前記微粒子としては、トナー粒子への帯電付与均一性から金属酸化物が好ましく用いられる。上記の金属酸化物の中でも、マグネシウム、アルミニウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、ストロンチウム、マンガンから選ばれる酸化物、及び前記金属の複合酸化物が、トナーへの帯電付与均一性において特に優れている。上記金属酸化物は、単独で用いても良いし、二種以上のものを併用して用いても良い。
【0137】
これらの中でも特に、ハイドロタルサイト類化合物、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マンガンに代表される金属酸化物のいずれかは、トナーの帯電コントロール効果が高く、また、静電潜像担持体表面に微小な傷をつけ難く好ましい。
【0138】
特に、前記微粒子は、帯電コントロール性、静電潜像担持体表面への傷つけにくさ、帯電部材の汚染による画像不良防止の点で、ハイドロタルサイト化合物、酸化チタン、酸化アルミニウムのいずれかの酸化物であることがより好ましい。
【0139】
上記金属酸化物の帯電量は、絶対値で30mC/kg以下であることが、トナーの帯電コントロール性がより高くなることから好ましい。
【0140】
上記金属酸化物は、表面が高級脂肪酸類、エステル類、カップリング剤又はオイルのような有機化合物により疎水化処理されたものを用いることができるが、帯電量の絶対値を低く抑えるために、未処理の親水性の金属酸化物も好ましく用いられる。
【0141】
上記金属酸化物の比表面積は、2.0〜150m2/gであることが好ましい。2.0m/g未満では十分な効果が得られず、150m2/gを超えるとトナーの流動性が悪化し画像濃度ムラを起こすため好ましくない。BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)を備えたBET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。
【0142】
また前記微粒子は、樹脂微粒子であっても良い。具体例としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、及びそれらの共重合体や、シリコーン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂共重合体、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0143】
本発明の現像剤は、現像性や耐久性を向上させるために、無機粉体をさらに含有してもよい。このような無機粉体としては、例えばマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の複合金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素化合物が挙げられる。
【0144】
同様の目的で、本発明の現像剤には、有機粒子や複合粒子を添加することもできる。このような有機粒子や複合粒子としては、例えばポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;フッ化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
【0145】
上記したシリカ微粒子以外の外添剤、無機粉体、有機粒子および複合粒子は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。さらに必要に応じ疎水化処理(オイル、カップリング)をしてもかまわない。
【0146】
シリカ微粒子や他の添加剤をトナー粒子に添加する際の撹拌方法としては、前記添加剤を外添したときに前記トナー粒子に機械的に付着させるものであれば特に限定するものでなく、公知の撹拌装置を用いて行うことができる。好ましくは、ヘンシェルミキサーやホモジナイザー等が用いられ、より好ましくは、ヘンシェルミキサーが用いられる。外添強度は回転数、バッフル版の角度、及び攪拌時間を制御して行い、他の外添剤との相互作用も十分に考慮して、シリカ微粒子の遊離率をコントロールすることが好ましい。
【0147】
以下、図面を参照して上記本発明の現像剤を用いた本発明の画像形成方法をより具体的に説明する。図1および図2は、本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の第1の実施形態を表す図である。
【0148】
図2は本実施形態の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。まず、図2を用いて本実施形態の画像形成装置の構成を説明する。本実施形態の画像形成装置は、像担持体の被露光部に現像剤を付着させて可視化する反転現像系であり、負帯電性の現像剤を担持した現像剤担持体を像担持体に当接させて現像を行う一成分画像形成装置である。
【0149】
本発明で用いる画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム1、この感光ドラム1表面を一様帯電する帯電ローラ2、帯電ローラ2によって一様帯電された感光ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する露光器3、感光ドラム1表面の静電潜像に現像剤を転移させる現像手段としての現像器4、感光ドラム1表面に転移された現像剤を転写紙に転写する転写ローラ5、転写紙に転写された現像剤を転写紙に定着する定着器7、および転写紙への現像剤の転写が行われた後に感光ドラム1表面に残留した現像剤を除去するクリーニング手段6を有する。
【0150】
図2において、像担持体としての感光ドラム1は矢印x方向に回転可能である。感光ドラム1は一次帯電器である帯電ローラ2により、表面が負極性に一様帯電される。そして、感光ドラム1の回転に伴って、一様に帯電された表面は露光器3により露光される。被露光部の電荷が消失することで、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
【0151】
4は現像手段としての現像器であり、静電潜像の被露光部に現像剤を転移させ、静電潜像を可視像化する現像手段である。用いられる現像剤は非磁性一成分現像剤を用いる。また、本実施形態は被露光部に現像剤を転移させる所謂反転現像系である。
【0152】
感光ドラム1上に転移した現像剤は転写帯電器としての転写ローラ5により転写紙Pに転移される。転写されずに感光ドラム1上に残った現像剤はクリーニング手段6により感光ドラム1上より除去される。一方、転写紙P上の現像剤は定着器7により熱溶融され転写紙P上に固着し、永久画像となる。
【0153】
現像器4は現像剤担持体としての現像ローラ8、現像ローラ8に現像剤を供給する供給ローラ12、現像剤規制部材としての現像ブレード9、供給ローラ12側にトナーを搬送する撹拌部材13、現像ローラ8を回転させるモータ15、現像ローラ8に電圧を印加する電圧印加手段としての現像バイアス電源10、現像ブレード9に電圧を印加する電圧印加手段としてのブレードバイアス電源11、現像バイアス電源10およびブレードバイアス電源11の動作を制御する電圧制御手段としての制御装置14を有する。
【0154】
現像ローラ8は駆動装置としてのモータ15により矢印y方向に回転可能である。現像ローラ8は感光ドラム1表面に当接して現像を行う所謂接触現像を用いるものであることから、現像ローラ8はゴム等の弾性を有することが望ましい。本実施形態では、現像ローラ8には現像バイアス電源10から約−400Vの電圧が供給される。感光ドラム1上の被露光部電位と現像バイアス電源10から供給される電位差により現像ローラ8上の現像剤が感光ドラム1上の被露光部に転移する。
【0155】
現像ブレード9は金属薄板からなり、薄板のバネ弾性を利用して現像ローラ8に接触当接される。金属薄板の材質は、ステンレス鋼、リン青銅等が使用可能であるが、本実施形態においては、厚さ0.1mmのリン青銅薄板を用いる。現像ブレード9と現像ローラ8の摺擦によりトナーは摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。現像ブレード9には、ブレードバイアス電源11から所定の電圧が供給される。なお、現像ブレード9に印加される電圧については後述する。
【0156】
14は制御装置(制御手段)である。制御装置14は現像ローラ8の回転駆動の制御、並びに電圧印加手段としての現像バイアス電源10およびブレードバイアス電源11の電圧値等の制御などを行う。
【0157】
図1は本実施形態に係るシーケンスを示す図である。図1は図2の画像形成装置を用いて2枚を連続プリントした場合を示したものである。図1において、感光ドラム回転のグラフおよび現像ローラ回転のグラフはそれぞれ、上に凸のとき(すなわちONの時)に感光ドラム1または現像ローラ8が回転駆動されることを示している。
【0158】
なお、本実施形態においては、感光ドラム1と現像ローラ8が常時当接した状態であるため、感光ドラム1の回転と現像ローラ8の回転が同期して行われる。しかし、感光ドラムと現像ローラが常時離間している所謂非接触現像の場合や、接触現像であっても離間可能な機構を有している場合には、感光ドラム1と現像ローラ8の回転は非同期で行われる。本発明で用いられる現像方式は上記いずれのものであってもよく、現像方式に求められる特性に応じて適宜選択される。
【0159】
図1において、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請がされると、感光ドラム1及び現像ローラ8の回転開始に伴って現像バイアス電源10及びブレードバイアス電源11から約−400Vの同電位がそれぞれ印加される。現像ローラ8等の回転開始当初は、まだ画像を描き出す前の準備回転の時間であり、非画像形成時である。
【0160】
画像形成時とは、転写紙Pの余白領域を除いた部分にトナー像を形成するための各工程の時間をいう。また、非画像形成時とは、画像形成時を除き、かつ現像ローラが回転しているときをいう。たとえば、準備前回転、準備後回転、または、プリントとプリントの間に相当する所謂「紙間」などが非画像形成時に該当する。
【0161】
準備前回転が開始され、現像バイアス電源10及びブレードバイアス電源11から約−400Vの電圧が印加された後、ブレードバイアス電源11には現像ローラ8に印加される電圧よりもトナー粒子の帯電極性側に高い電圧が一瞬、印加される。前述したようにこのときの現像ローラ8に印加される電圧と現像ブレード9に印加される電圧の差(現像ローラ8と現像ブレード9との電位差)は60〜500Vであることが好ましい。本実施形態ではこの電位差を200Vとし、現像ブレード9に約−600Vの電圧を印加する。また、この非画像形成時に現像ブレード9に印加される、現像ローラよりも高い電圧の印加時間は画像形成に悪影響を及ぼさない範囲で、画像形成装置のプロセススピードや現像剤の現像ブレード9への付着のしやすさ等により適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、5msec〜数秒の範囲であることが好ましい。なお、本実施形態ではこの印加時間を300msecとする。
【0162】
このように、転写紙P上の画像に影響を及ぼさない時間である非画像形成時に、現像ブレード9に−600Vを、現像ローラ8には−400Vを印加する。すなわち、本実施形態では負帯電性の粒子(トナー及び外添剤)にとって現像ブレード側から現像ローラ側へ転移可能な電位差が供給されることになる。従って、現像ローラの回転開始直後に現像ブレード9に付着する(現像ローラと現像ブレード当接部から固定端側:図7中a部)負極性外添剤は現像ローラ8側へ転移されることになる。
【0163】
現像ブレード9に−600Vを、現像ローラ8には−400Vを一瞬印加した後は、現像バイアス電源10とブレードバイアス電源11の電圧はほぼ同電位の−400Vとなり、1枚目の画像形成領域となり画像形成が行われる(画像形成時)。この画像形成時は、現像ローラ8及び現像ブレード9は略同電位であるため、現像ローラ8の回転動作により現像ブレード9の当接部から固定端側に、トナー層のもつ電荷によって負極性の外添剤が転移する。しかしながら、反転トナーや正極性外添剤等が現像ブレード9に付着することはない。
【0164】
1枚目の画像形成時が終了すると、次の画像形成との間の所謂「紙間」といわれる領域になる。この紙間において、準備前回転と同様に300msec間、現像ブレード9に−600Vの電圧が印加される。この現像ブレード9に印加された電圧により、1枚目の画像形成中に現像ブレード9の当接部から固定端側に付着した負極性外添剤は現像ローラ8側に転移することとなる。これは、現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
【0165】
そして、1枚目の画像形成と同様に2枚目の画像形成が行われる。画像形成時においては、前述同様に負極性外添剤が現像ブレード9の当接部から自由端先端に付着堆積していく。
【0166】
2枚目の画像形成が終了すると、次回のプリントのための準備後回転になる。このときも準備前回転及び紙間と同様に300msec間、現像ブレード9に−600Vの電圧が印加される。この現像ブレード9に印加された電圧により、1枚目の画像形成中に現像ブレード9の当接部から固定端側付着した負極性外添剤は現像ローラ8側に転移することとなる。これは、現像ローラ8が回転している間に行われていることから、再び現像ブレード9側に負極性外添剤が戻ることはない。
【0167】
そして準備後回転動作が終了して、現像ローラ8と感光ドラム1の回転が停止する。
【0168】
このように、画像形成時に現像ブレード9の当接部から固定端側付着した負極性外添剤を、非画像形成時に現像ブレード9と現像ローラ8間に一瞬電位差を設けて現像ローラ8側に戻すことで、現像ブレード9をリフレッシュすることが可能となる。その結果、現像ブレード当接部から固定端側に付着した負極性外添剤を堆積させることがないため、現像ブレード9へのトナー融着を防止することが可能となる。
【0169】
また、現像ブレード9と現像ローラ8間に一瞬電位差をもうけるタイミングとして、非画像形成時としているのは、同電位から電位差を付けるようにした場合に、現像ローラ8上に規制されるトナー担持量が変化してしまい、画像上では濃度の段差が発生するためである。
【0170】
また、非画像形成時において、現像ブレード9に現像ローラ8よりも高い電圧を印加する時間は毎回設ける必要はなく、例えば画像形成前の準備前回転時に行う、準備後回転時のみ行う等、適宜行うことが可能である。また、この電圧印加の回数は本実施形態においては300msecの1回のみであるが、例えば準備前回転中に複数回の電位差を設けることも可能である。
【0171】
なお、本実施形態では現像剤規制部材(現像ブレード9)および現像剤担持体(現像ローラ8)のそれぞれに別個の電圧印加手段(現像バイアス電源10およびブレードバイアス電源11)を設けた構成としているが、同一の電圧印加手段によって現像剤規制部材および現像剤担持体に電圧を印加する構成であってもよく、特に限定されるものではない。
【0172】
また本発明の画像形成方法で用いられる現像手段を画像形成装置本体に着脱自在なカートリッジとして構成することも好ましい。この場合、現像手段のみをカートリッジ化した現像カートリッジとしてもよいし、現像手段に加えて像担持体、帯電手段、クリーニング手段などを一体化したプロセスカートリッジとしてもよい。これにより、トナー補給や寿命を過ぎた現像器の交換等、諸々メンテナンス作業に係わる使用者の労力を軽減し、簡単な操作で安定した出力画像が得られる様になる。
【0173】
図3〜図5は本発明の画像形成方法を好適に用いられる画像形成装置の第2の実施形態を示す図である。以下これらの図を参照して、本発明の画像形成方法の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態の画像形成装置において第1実施形態で用いた部材と同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
【0174】
図3は本第2実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置は、カラー画像形成装置であり、像担持体としての感光ドラム1、この感光ドラム1表面を一様帯電する帯電ローラ2、帯電ローラ2によって一様帯電された感光ドラム1表面を露光して静電潜像を形成する露光器3、感光ドラム1表面の静電潜像に現像剤を転移させる現像手段としての現像器22、感光ドラム1表面に転移された現像剤が転写される中間転写体24を有する。
【0175】
現像器22は回転支持体としてのロータリ22xとイエロー現像カートリッジ22aとマゼンタ現像カートリッジ22bとシアン現像カートリッジ22cとブラック現像カートリッジ22dとからなる。
【0176】
本実施形態にて画像形成装置は、電子写真方式のカラープリンタであり、不図示のパーソナルコンピュータやワークステーション等からの画像データを基にイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの4色に分解し、分解された画像データにより順次各色のトナー像を感光ドラム1表面に形成し、それらを中間転写体24上に重ね合わせ、紙などの転写材(記録媒体)に一括転写してフルカラー画像を得る。本実施形態の画像形成装置は、ロータリ22x内に複数の現像手段、即ち、現像カートリッジ22a、22b、22c、22dを搭載して構成される現像装置を採用した、所謂、ロータリ方式のカラープリンタとされる。
【0177】
図3において、画像形成装置は、像担持体としての光導電性の有機感光ドラム1を備える。画像形成動作に入ると、感光ドラム1は矢印qの方向に回転駆動される。この感光ドラム1表面は、接触帯電手段としての帯電ローラ2の芯金にバイアスを印加することによって、所定の暗部電位に一様に帯電される。次に、第1色目のイエロー(Y)の画像データに応じて、露光器3によりON/OFF制御されたレーザビームにより走査露光が施され、明部電位として第1の静電潜像が形成される。
【0178】
このように形成された静電潜像は、現像器22のロータリ22x内に装着された現像手段(現像カートリッジ)により現像され、可視化される。このロータリ22xは、第1色目の現像剤としてイエロー(Y)トナーが収容された第1の現像カートリッジ22a、第2色目の現像剤としてマゼンタ(M)トナーが収容された第2の現像カートリッジ22b、第3色目の現像剤としてシアン(C)トナーが収容された第3の現像カートリッジ22c、第4色目の現像剤としてブラック(Bk)トナーが収容された第4の現像カートリッジ22dを搭載して一体化した構成となっている。このロータリ22xは矢印rの方向に回転移動することにより、それぞれの色のトナー画像形成時に対応する現像カートリッジが感光ドラム1に対向する構成となっている。
【0179】
感光ドラム1と対向する現像位置に位置された現像カートリッジ(22a、22b、22cまたは22d)は、所定の層厚に規制された現像剤を担持する現像剤担持体としての現像ローラがモータ23によりそれぞれ回転駆動され、この現像ローラの芯金に所定の電圧(現像バイアス)が印加されることにより現像が行われる。また、Y、M、C、Bkの各現像カートリッジ22a、22b、22c、22dは、それぞれ一つのカートリッジ(現像カートリッジ)として、その消耗度合いにより個々に交換可能となっている。
【0180】
先ず、前記第1の静電潜像は、第1色目の現像剤としてYトナーが内包された第1の現像カートリッジ22aにより現像、可視化される。現像方法としては、接触/非接触を問わず用いることができるが、本実施形態ではイメージ露光と反転現像とを組み合わせた非磁性1成分トナーによる接触現像法を用いている。
【0181】
この可視化された第1色目のトナー像は、第2の像担持体としての中間転写体24とのニップ部である第1の転写部位において、中間転写体24の表面に静電転写(1次転写)される。中間転写体24は、シリンダー上に導電弾性層と離型性を有する表層とを順次積層して形成されている。
【0182】
中間転写体24は、通紙可能な最大転写材の長さよりも長い周長を有し、感光ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接されつつ、感光ドラム1の周速度と略等速の周速度をもって感光ドラム1の回転方向に対して逆方向(図3の矢印sの方向)に回転駆動される(接触部位では感光ドラム1表面と中間転写体24表面は同方向に移動する)。
【0183】
そして、前記のように感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、中間転写体24のシリンダー部に対して現像剤の帯電極性とは逆極性の電圧(1次転写バイアス)が印加されることにより、中間転写体24表面に静電転写(1次転写)される。なお、1次転写が終了した感光ドラム1表面に残留するトナーは、クリーニング手段6によって除去され、次の潜像形成に備える。
【0184】
引き続き同様な工程を繰り返し、その都度、Mトナーにより現像された第2色目のトナー像、Cトナーにより現像された第3色目のトナー像、Bkトナーにより現像された第4色目のトナー像が順次中間転写体24表面に転写、積層されることによりカラートナー像が形成される。
【0185】
その後、中間転写体24表面に対して離間状態にあった転写ベルト18が所定の押圧力をもって中間転写体24表面に圧接、駆動回転される。前記転写ベルト18は、転写ローラ17を内包する。前記転写ローラ17に対しては、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧(2次転写バイアス)が印加されることにより、所定のタイミングで搬送されてくる転写紙P表面に、中間転写体24表面に積層されているカラートナー像が一括転写(2次転写)され、この転写紙Pは定着器7へと搬送される。転写紙Pは、トナー像が定着器7にて永久画像として定着された後機外へと排出され、所望のカラープリント画像が得られる。
【0186】
また、2次転写が終了した中間転写体24表面に残存するトナーは、所定のタイミングで中間転写体24表面に対して当接状態となる中間転写体クリーニング装置16により除去される。
【0187】
図5は、本実施形態で用いる現像手段であるY,M,C,Bkのトナーをそれぞれ収容した現像カートリッジ22a,22b,22c,22dの構成を示す概略断面図であり、この現像カートリッジ22a〜22dは、図3に示した画像形成装置であるロータリ方式のカラープリンタに対し、不図示の現像カートリッジ交換用カバーを開閉することで着脱可能な構成とされ、図3中では、取り出し位置にあるシアン現像カートリッジ22cを上方の矢印D方向に取り出すことができる。
【0188】
図3に示すロータリ方式のカラープリンタにおいては、取り出し位置にて現像カートリッジの着脱を行う必要があり、図中シアン現像カートリッジ22c以外のイエロー、マゼンタ、ブラック現像カートリッジである22a、22b、22dを交換する際には、ロータリ22xを回転させて取り出したいカートリッジを着脱位置(図3中22cの位置)に移動させる必要がある。
【0189】
以下、説明を簡略化するためYトナーの現像カートリッジ22aについて説明するが、他色の現像カートリッジ22b,22c,22dについても同様である。
【0190】
図5に示す本実施形態の現像カートリッジ22aは、現像剤として非磁性一成分のYトナーを収容させてある反転現像手段である。この現像カートリッジ22aは、図中矢印e方向に回転しながら感光ドラム1に接触して現像を行う現像ローラ8a、図中f方向に回転することによって現像ローラ8aに現像剤を供給する現像剤供給手段としての供給ローラ12a、現像ローラ8a上の現像剤の塗布量及び帯電量を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード9a、現像剤を供給ローラ12aに供給すると共に撹拌する撹拌部材13aを備えている。
【0191】
図4は本実施形態に係るシーケンスを示す図である。図4は上記4色のカラートナーによってフルカラー画像が1枚プリントされる場合を示したものである。図4において、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請がされると、感光ドラム1が回転するとともに、1色目の現像カートリッジ22aを感光ドラム1の対向位置に移動させるためにロータリ22xが回転を開始する。
【0192】
1色目(イエロー)の現像カートリッジ22aが感光ドラム1の対向位置にくると、現像ローラ8aが準備前回転を始める。それと同時に、制御部(制御手段)21の制御に従って電圧印加手段としての現像バイアス電源19とブレードバイアス電源20から電圧が供給される。このとき、現像バイアス電源19からは現像ローラ8aに約−400Vの電圧が印加され、ブレードバイアス電源20からは現像ブレード9aに−600Vをピークとした鋸波状の電圧が印加される。ブレードバイアス電源20から印加される鋸波状の電圧は2波印加され、その周期は1波あたり200msecである。
【0193】
転写紙P上の画像に影響を及ぼさない時間である非画像形成時に、現像ブレード9aに−600Vをピークとした鋸波状の電圧を、現像ローラ8aには−400Vの電圧を印加する。すなわち、本実施形態では負帯電性の粒子(トナー及び外添剤)にとって現像ブレード9a側から現像ローラ8a側へ転移可能な電位差が供給されることになる。従って、現像ローラ8aの回転開始直後に現像ブレード9aに付着する負極性外添剤は現像ローラ8a側へ転移されることになる。
【0194】
現像ブレード9aに−600V(鋸波)が、現像ローラ8aには−400Vが一瞬印加された後は、現像バイアス電源19とブレードバイアス電源20とから印加される電圧はほぼ同電位の−400Vとなり、1色目の画像形成領域に対して画像形成が行われる(画像形成時)。この画像形成時においては、現像ローラ8a及び現像ブレード9aは略同電位であるため、現像ローラ8aの回転動作により現像ブレード9aの当接部から固定端側に、現像剤層のもつ電荷によって負極性の外添剤が転移する。しかしながら、反転トナーや正極性外添剤等が現像ブレード9aに付着することはない。
【0195】
1色目の画像形成が終了すると、現像カートリッジ22aの準備後回転となり、このときにブレードバイアス電源20からは−600Vをピークとした鋸波状の電圧が現像ブレード9に1波印加される。この動作により、画像形成中にイエロー現像カートリッジ22aの現像ブレード9aに付着した負極性外添剤を現像ローラ8a側に転移させ、現像ブレード9aをリフレッシュ可能である。
【0196】
現像ローラ8aの回転はオフされ、次の色(マゼンタ)の画像形成との間にロータリ22xが回転を行う。このロータリ22xの回転時においては、現像バイアス電源19及びブレードバイアス電源20からの電圧供給はオフされる。2色目(マゼンタ)の現像カートリッジ22bが感光ドラム1の対向位置まで移動すると、ロータリ22xの回転が終了し、現像カートリッジ22bはこの対向位置で停止する。
【0197】
そして、1色目(イエロー)の時と同様に、現像ローラ8bが準備前回転を始める。それと同時に、現像バイアス電源19とブレードバイアス電源20から電圧が供給される。このとき、現像バイアス電源19からは約−400Vの電圧が印加され、ブレードバイアス電源20からは−600Vをピークとした鋸波状の電圧が印加される。ブレードバイアス電源20から印加される鋸波状の電圧は2波印加され、周期は1波あたり200msec印加である。そして、1色目の画像形成と同様に2色目の画像形成が行われる。画像形成時においては、前述同様に負極性外添剤が現像ブレード9bの当接部から自由端先端に付着堆積していく。上記動作を4色目まで行う。
【0198】
このように、各色の準備前回転時に前回の画像形成時に現像ブレード上に付着した負極性外添剤を現像ローラ側に転移させることで、現像ブレードへの外添剤の堆積を防止し、安定した画像形成装置を提供できる。
【0199】
4色目まで画像形成が終了すると、4色目の準備後回転となり、前記同様ブレードバイアス電源20からは−600Vをピークとした鋸波状の電圧が1波印加される。その後、現像ローラ8dの回転はオフされ、ロータリ22xが回転する。このロータリ22xの回転前に、現像バイアス電源19及びブレードバイアス電源20からの電圧供給はオフされる。
【0200】
画像形成が終了し、ロータリ22xの回転が終了すると、中間転写体24や感光ドラム1等が次回のプリントのための本体後回転になり、本体後回転が終了すると感光ドラム1は停止する。
【0201】
【実施例】
以下に実施例を挙げてより具体的に本発明を説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
まず、実施例で用いられる現像剤の製造方法を説明する。
〈現像剤の製造例1〉
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備した2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910質量部とNa3PO4水溶液を添加し、回転数を9000rpmに調整し、63℃に加温した。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0202】
・スチレン単量体 80質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 20質量部
・ジビニルベンゼン単量体 0.25質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15mgKOH/g)
・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 8質量部
・離型剤(ベヘン酸ベヘニル) 10質量部
・ベンジル酸金属錯体 2.0質量部
【0203】
ボールミルを用い上記材料を3時間分散させた後、ボールミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重合開始剤である2、2'−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加して重合性単量体組成物とし、これを上記水系分散媒体中に投入し、回転数9000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で4時間反応させ、その後に80℃で5時間重合させ、更に80℃で13.3kPa(100Torr)以下の圧力で減圧蒸留した。
【0204】
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO42を溶解し、濾過、水洗、乾燥し、その後に風力分級によって所望の粒度に分級し、トナー粒子(1)を得た。
【0205】
上記トナー粒子(1)100質量部に対して、流動性向上剤として原体に対して20%のシリコーンオイルで処理した、BET比表面積が130m2/gの疎水性シリカ微粒子1を1.3質量部と、一次粒子径が300nmの酸化チタン化合物0.2質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)にて周速43m/sの回転速度で3分間混合し、上記各粉体をトナー粒子(1)表面に均一に固着させ、現像剤No.1を得た。現像剤No.1の平均粒子径は6.5μm、粒径が4μm以下の粒子の個数%が7.5%、シリカ微粒子の遊離率が2.7%であった。その他の物性値は表2に示す。
【0206】
〈現像剤の製造例2、3〉
現像剤の製造例1において、添加するシリカ微粒子の種類と添加量を表2に示すように変えた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて現像剤No.2および現像剤No.3を得た。各現像剤No.2およびNo.3の物性値を表2に示す。なお、表2中で用いた各シリカ微粒子の物性は表1に示す。
【0207】
〈現像剤の製造例4〉
現像剤の製造例1において、難水溶性分散剤の量を調整することにより、平均粒径が5.5μmであり、粒径が4μm以下の粒子の個数%が20%のトナー粒子(4)を得た。このトナー粒子(4)100質量部に対して、シリカ微粒子4および酸化チタン化合物を表2に示す添加量で添加し、ヘンシェルミキサーにて周速20m/sの回転速度で3分間混合した以外は、製造例1と同様の方法を用いて現像剤No.4を得た。現像剤No.4の物性値を表2に示す。なお、表2中で用いたシリカ微粒子4の物性は表1に示す。
【0208】
〈現像剤の製造例5〉
・スチレン−ブチルアクリレート共重合体(80/20) 100部
・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 8部
・低分子量ポリプロピレン 5部
・ベンジル酸金属錯体 2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後、ジエットミルにより微粉砕を行い、さらに、微粉砕物を風力分級によって所望の粒度に分級し、トナー粒子(5)を得た。
【0209】
上記トナー粒子(5)100質量部に対して、流動性向上剤として原体に対して20%のシリコーンオイルで処理した、BET比表面積が130m2/gの疎水性シリカ微粒子1を1.3質量部と、一次粒子径が400nmのハイドロタルサイト化合物0.2質量部を加え、ヘンシェルミキサーにて周速43m/sの回転速度で3分間混合し、上記各粉体をトナー粒子(5)表面に均一に固着させ、現像剤No.5を得た。現像剤No.5の平均粒子径は6.7μm、粒径が4μm以下の粒子の個数%が8.9%、シリカ微粒子の遊離率が2.4%であった。その他の物性値は表2に示す。
【0210】
〈現像剤の製造例6、7〉
現像剤の製造例5において、添加するシリカ微粒子及びその他の外添剤の種類と添加量を表2に示すように変え、さらに混合装置をサイクロミックス(ホソカワミクロン社製)に変更し、現像剤の製造例6は周速25m/sの回転速度で3分間、現像剤の製造例7は周速15m/sの回転速度で3分間混合した以外は上記製造例5と同様の方法を用いて現像剤No.6および現像剤No.7を得た。各現像剤No.6およびNo.7の物性値を表2に示す。
【0211】
〈現像剤の製造例8〉
・ポリエステル樹脂(1) 70質量部
[ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テレフタル酸/フマール酸/トリメリット酸から生成されたポリエステル樹脂(酸価10.8mgKOH/g、Tg=65℃、Mw=45000、Tm=105℃)]
・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 30質量部
【0212】
上記材料をニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で120℃に昇温し、十分に前混合した。その後、三本ロールで二回混練し、第一の混練物を得た。
【0213】
・第一の混練物 16.7質量部
(混練物100質量部中の着色剤の含有量30質量部)
・ポリエステル樹脂(1) 88.3質量部
・離型剤 5質量部
[ポリエチレン誘導体、Mn1000、酸価0.6mgKOH/g]
・ジ−アルキルサリチル酸のアルミニウム錯体 4質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸式押し出し機で溶融混練し、溶融混練物を冷却し、冷却後ハンマーミルを用いて固化物を約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。、さらに、微粉砕物を風力分級によって所望の粒度に分級し、トナー粒子(8)を得た。
【0214】
このトナー粒子(8)100質量部に対し、流動性向上剤として原体に対して35%のシリコーンオイルで処理した、BET比表面積が150m2/gの疎水性シリカ微粉体4を1.0質量部と、一次粒子径が30nmの酸化チタン化合物0.1質量部を加え、ヘンシェルミキサーにて周速20m/sの回転速度で3分間混合し、上記各粉体をトナー粒子(8)に均一に固着させ、現像剤No.8を得た。
【0215】
現像剤No.8の円相当個数平均径は5.7μmであり、粒径が4μm以下の粒子の個数%が18%であった。その他の物性値を表2に示す。
【0216】
〈現像剤の製造例9〉
現像剤の製造例8において、添加するポリエステル樹脂を、[ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テレフタル酸/フマール酸/トリメリット酸から生成されたポリエステル樹脂(酸価15.2mgKOH/g、Tg=63、Mw=18000、Tm=103℃)]に変更した以外は上記製造例8と同様の方法を用いて微粉砕物を得た。得られた微粉砕物を、ローターを回転して機械的衝撃力を与える方式の表面改質装置を用いて、1600rpm(周速80m/sec)で3分間、バッチ式により表面処理した。次いで風力分級によって所望の粒度に分級し、トナー粒子(9)を得た。
【0217】
このトナー粒子(9)に対して、添加するシリカ微粒子および酸化チタン化合物の種類と添加量を表2に示すように変え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)にて周速25m/sの回転速度で3分間混合した以外は上記製造例8と同様の方法を用いて現像剤No.9を得た。各現像剤9の物性値を表2に示す。
【0218】
〈現像剤の製造例10〜12〉
現像剤の製造例1において、添加する着色剤を製造例10ではC.I.ピグメントイエロー93に、製造例11ではC.I.ピグメントレッド53に、製造例12ではC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外は製造例1と同様の方法を用いて現像剤No.10〜No.12を得た。各現像剤の物性値を表2に示す。
【0219】
〈現像剤の製造例13〜15〉
現像剤の製造例5において、添加する着色剤を製造例13はC.I.ピグメントイエロー93に、製造例14はC.I.ピグメントレッド53に、製造例15はC.I.ピグメントブルー15:3に変更する以外は製造例5と同様の方法を用いて現像剤No.13〜No.15を得た。各現像剤の物性値を表2に示す。
【0220】
〈現像剤の製造例16〉
現像剤の製造例1において、添加するシリカ微粒子の種類を表2に示すように変えた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて現像剤No.16を得た。現像剤No.16の物性値を表2に示す。なお、表2中で用いた各シリカ微粒子の物性は表1に示す。
【0221】
〈現像剤の製造例17、18〉
現像剤の製造例1において、添加するシリカ微粒子又は酸化チタンの種類及び量を表2に示すように変え、混合装置をレーディゲミキサー(マツボウ社製)に変更し、現像剤の製造例17は周速14m/sの回転速度で2分間、現像剤の製造例18は周速50m/sで3分間混合する以外は製造例1と同様の製造方法を用いて現像剤No.17及びNo.18を得た。現像剤No.17及びNo.18の物性値を表2に示す。なお、表2中で用いた各シリカ微粒子の物性は表1に示す。
【0222】
〈現像剤の製造例19〉
現像剤の製造例5において、添加するシリカ微粒子の量を表2に示すように変えた以外は上記製造例5と同様の方法を用いて現像剤No.19を得た。現像剤No.19の物性値を表2に示す。
【0223】
〈現像剤の製造例20〉
現像剤の製造例8において、添加するシリカ微粒子の種類および添加量を表2に示すように変えた以外は上記製造例8と同様の方法を用いて現像剤No.20を得た。現像剤No.20の物性値を表2に示す。
【0224】
【表1】
Figure 0004185749
【0225】
【表2】
Figure 0004185749
【0226】
次に、実施例で用いた画像形成装置について説明する。
〈画像形成装置の例1〉
図1および図2に示す第1実施形態の画像形成装置を画像形成装置No.1とした。この装置の説明は上述した通りである。
【0227】
〈画像形成装置の例2〉
図3〜図5に示す第2実施形態の画像形成装置を画像形成装置No.2とした。この装置の説明は上述した通りである。
【0228】
〈画像形成装置の例3〉
画像形成装置1において、画像形成時および非画像形成時を通して現像ローラ8と現像ブレード9に同電位(−400V)のバイアスを印加した。すなわち非画像形成時に現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を設けない構成とした。これを画像形成装置3とした。
【0229】
〈画像形成装置の例4〉
画像形成装置1において、画像形成時および非画像形成時を通して現像ローラ8には−400Vの電位のバイアスを、現像ブレード9には−500Vの電位の電圧をそれぞれ印加した。すなわち、画像形成時にも現像ローラ8と現像ブレード9との間に電位差を設ける構成とした。これを画像形成装置4とした。
各画像形成装置1〜4の電圧印加方法および現像方法を表3に示す。
【0230】
【表3】
Figure 0004185749
【0231】
〈実施例1〉
画像形成装置1および現像剤No.1を用い、高温高湿環境(30℃;相対湿度80%)と低温低湿環境(15℃;相対湿度10%)で所定印字率のパターンを約10000枚出力した場合の、高温高湿環境におけるカブリと低温低湿環境における縦スジの発生を評価した。評価は500枚ごとにベタ画像と中間調画像を出力して行った。
【0232】
かぶり評価は、高温高湿環境下で出力された画像上のカブリ値が3%以上にった時点を画像不良とみなし、画像不良発生時期で以下のようにランクわけを行った。
・10000枚耐久印字しても3%以上のかぶりを発生しない :A
・9000枚耐久印字以降に、画像不良発生 :B
・8000枚耐久印字以降に、画像不良発生 :C
・耐久初期〜5000枚耐久印字までに画像不良発生 :D
【0233】
低温低湿環境下のスジの発生の評価は、以下の評価基準によりランク分けを行い評価した。
・10000枚耐久印字しても均一な中間調を再現し、現像ブレードを観察しても融着物は見られない :A
・10000枚耐久印字しても均一な中間調を再現するが、現像ブレードを観察すると、軽微な融着物あり :B
・8000枚耐久印字以降に、中間調画像に濃いスジが発生 :C
・初期〜8000枚耐久印字までに目立った濃淡スジ発生 :D
評価結果を表4に示す。
【0234】
〈実施例2〜9〉
実施例1において、現像剤を表4に示すように変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久印字を行い、高温高湿環境におけるカブリと低温低湿環境における縦スジの発生について評価した。評価結果を表4に示す。
【0235】
〈実施例10〉
実施例1において、画像形成装置をNo.2に変更し、カートリッジ22aに現像剤No.10を、カートリッジ22bに現像剤No.11を、カートリッジ22cに現像剤No.12を、カートリッジ22dに現像剤No.1をそれぞれ充填した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いてフルカラー画像で耐久印字を行い、高温高湿環境におけるカブリと低温低湿環境における縦スジの発生について評価した。評価結果を表4に示す。
【0236】
〈実施例11〉
実施例1において、画像形成装置をNo.2に変更し、カートリッジ22aに現像剤No.13を、カートリッジ22bに現像剤No.14を、カートリッジ22cに現像剤No.15を、カートリッジ22dに現像剤No.5をそれぞれ充填した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いてフルカラー画像で耐久印字を行い、高温高湿環境におけるカブリと低温低湿環境における縦スジの発生について評価した。評価結果を表4に示す。
【0237】
〈比較例1〉
実施例1において、現像剤を現像剤No.16に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久印字を行い、高温高湿環境におけるカブリと低温低湿環境における縦スジの発生について評価した。結果は表4に示すように、BET比表面積の大きいシリカ微粒子を用いたために、ブレードへのシリカの静電付着が強く、バイアス印加によるリフレッシュ効果が十分に得られず、L/L環境において耐久寿命を待たずして、目立ったスジ画像が発生した。
【0238】
〈比較例2〉
実施例1において、現像剤を現像剤No.17に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久評価を行った。結果は表4に示すように、BET比表面積の小さいシリカ微粒子を用いたために、H/H環境においては帯電不良によるカブリが耐久に伴い顕著に悪化し、L/L環境においては遊離率したシリカ微粒子がブレードへ蓄積され耐久初期からスジ画像が発生し、実用に耐えなかった。
【0239】
〈比較例3〉
実施例1において、現像剤を現像剤No.18に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久評価を行った。結果は表4に示すように、シリカ微粒子の添加量が少ないため、現像剤の耐久劣化に伴って良好な摩擦帯電が行えず、H/H環境で顕著にカブリが悪化した。
【0240】
〈比較例4〉
実施例1において、現像剤を現像剤No.19に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久評価を行った。結果は表4に示すように、シリカ微粒子の添加量が多いため、遊離シリカのブレードへの付着量が増え、バイアス印加によるリフレッシュ効果が十分に得られず、耐久寿命を待たずして、目立ったスジ画像が発生した。
【0241】
〈比較例5〉
実施例1において、現像剤を現像剤No.20に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久評価を行った。結果は表4に示すように、シリカ微粒子の添加量が多く、更に現像剤の粒径が4μm以下の粒子の含有量が多いために、帯電量の高いこれらのシリカ微粒子及び現像剤の微粉が強固にブレードに付着し、この付着によってブレード当接部による摩擦力が大きくなり、現像剤の融着が促進されて比較例4よりも初期からスジ画像が発生した。
【0242】
〈比較例6〉
実施例1において、画像形成装置を画像形成装置No.3に変えた以外は上記実施例1と同様の方法を用いて耐久評価を行った。結果は表4に示すように、ブレードと現像剤担持体の間に電位差が無いために、帯電量の高いシリカ微粒子がブレードに蓄積する一方で、耐久寿命を待たずして劣悪なスジ画像が発生した。
【0243】
〈比較例7〉
実施例11において、画像形成装置を画像形成装置No.4に変更した以外は、上記実施例11と同様の方法を用いてフルカラー画像で耐久評価を行った。結果は表4に示すように、ブレードと現像剤担持体の間に常時電位差があるためにニップ下流部へのシリカ微粒子の付着は抑制されるものの、ハイドロタルサイトや反転帯電現像剤がブレード当接部のニップ上流側に電位に引きつけられて蓄積していくため、耐久に伴ってL/L環境においては現像スジ、H/H環境においては帯電不良によるカブリが悪化し、実用に耐えなかった。
【0244】
【表4】
Figure 0004185749
【0245】
この結果、本発明の画像形成方法を用いることにより、低温低湿環境においても現像ブレードへのトナー融着が生じることなく、長期にわたって安定した画像形成を行うことが可能であることがわかった。また、高温高湿環境でも画像不良が生じることが無く、あらゆる環境に対応した画像形成方法であることがわかった。
【0246】
以上述べたように、現像ローラ回転中の現像ローラ8および現像ブレード9に印加される電圧の電位関係を、画像形成時には各々を略同電位とし、非画像形成時には少なくとも一時的に現像ローラ8の電位より現像ブレード9の電位の方をトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くすることと、特定のシリカ微粒子を含有する本発明の現像剤を用いることで、現像ブレード9へのトナー付着・堆積・融着を防ぎ、画像濃度不良及び縦スジを防止することが可能となる。
【0247】
また、フルカラー画像形成装置においても、現像ローラ回転中の現像ローラ8(8a〜8d)と現像ブレード9(9a〜9d)の電位関係を、画像形成時には各々を略同電位とし、非画像形成時には少なくとも一時的に現像ローラ8の電位より現像ブレード9の電位の方をトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くすることと、特定のシリカ微粒子を含有する本発明の現像剤を用いることにより、現像ブレード9へのトナー付着・堆積・融着を防ぎ、画像濃度不良及び縦スジを防止することが可能となる。
【0248】
併せて、画像形成要素の内、比較的消耗の激しい、現像剤を含む現像手段を、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることで、諸々のメンテナンス作業に係わる使用者の労力軽減を図ることが可能となった。
【0249】
【発明の効果】
本発明によれば、低温低湿環境においても現像剤規制部材への現像剤の融着を防止することができる。また、高温高湿環境においもかぶり等の画像不良が発生しない。これにより、あらゆる環境においてかぶりや縦スジなどの画像不良の発生を防ぎ、長期にわたって安定した画像形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法が好適に用いられる第1実施形態の画像形成装置のシーケンスを説明する図
【図2】本発明の画像形成方法が好適に用いられる第1実施形態の画像形成装置の構成を示す概略断面図
【図3】本発明の画像形成方法が好適に用いられる第2実施形態の画像形成装置の構成を示す概略断面図
【図4】本発明の画像形成方法が好適に用いられる第2実施形態の画像形成装置のシーケンスを説明する図
【図5】第2実施形態の画像形成装置に装着される現像カートリッジの概略断面図
【図6】従来技術の画像形成装置の構成を示す概略断面図
【図7】現像剤規制部材へのトナー融着を説明するための図
【図8】現像剤の帯電量測定に用いられるファラデー・ケージを示す図
【図9】外添剤の帯電量測定に用いられる測定機を示す図
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ
3 露光器
4 現像器(現像手段)
5 転写ローラ
6 クリーニング手段
7 定着器
8、8a、8b、8c、8d 現像ローラ(現像剤担持体)
9、9a、9b、9c、9d 現像ブレード(現像剤規制部材)
10 現像バイアス電源(電圧印加手段)
11 ブレードバイアス電源(電圧印加手段)
12、12a、12b、12c、12d 供給ローラ
13、13a、13b、13c、13d 撹拌部材
14 制御回路(制御手段)
15 モータ
16 中間転写体クリーニング装置
17 転写ローラ
18 転写ベルト
19 現像バイアス電源(電圧印加手段)
20 ブレードバイアス電源(電圧印加手段)
21 制御部(制御手段)
22 現像器
22a、22b、22c、22d 現像カートリッジ(現像手段)
22x ロータリ
23 モータ
24 中間転写体
P 転写紙

Claims (21)

  1. 像担持体上に担持された静電潜像に、現像手段によって現像剤を転移させることにより、前記静電潜像を可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成方法であって、
    前記現像手段は、前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有し、
    前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加手段の電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
    前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記現像剤の個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記現像剤は、パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記現像剤の帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記現像剤のメルトインデックス値が35以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記電圧制御手段は、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移可能な電位差が供給されるように前記電圧印加手段の電圧印加量を制御する請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 像担持体上に担持された静電潜像を可視化するための現像剤であって、
    現像手段によって潜像担持体上の静電潜像に前記現像剤を転移させることにより、前記静電潜像を可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成方法に用いられ、
    前記現像手段は、前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電
    圧制御手段と、を有し、
    前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
    前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とする現像剤。
  9. 個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする請求項8記載の現像剤。
  10. パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする請求項8または9記載の現像剤。
  11. 前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の現像剤。
  12. 帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の現像剤。
  13. メルトインデックス値が35以下であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の現像剤。
  14. 前記電圧制御手段は、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移可能な電位差が供給されるように前記電圧印加手段の電圧印加量を制御する請求項8〜13のいずれか一項に記載の現像剤。
  15. 像担持体上に担持された静電潜像を現像剤によって可視化する非磁性一成分現像工程を有する画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記像担持体に対向して配置された、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体及び現像剤規制部材に電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段の動作を制御する電圧制御手段と、を有する現像手段と、を有し、
    前記電圧制御手段は、画像形成時には前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との電位が略同電位となるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、また前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、一時的に現像剤担持体の電位よりも前記現像剤規制部材の電位の方がトナー粒子の帯電極性と同極性側に高くなるように前記現像剤担持体及び前記現像剤規制部材に電圧を印加して電圧印加量を制御し、
    前記現像剤は負帯電性トナー粒子と、BET比表面積が20〜250m/gである負帯電性シリカ微粒子とを含有し、前記シリカ微粒子がトナー100質量部に対して0.5〜2質量部含有され、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 前記現像剤の個数基準の粒度分布において、粒径が4μm以下の粒子が35%以下であることを特徴とする請求項15記載のプロセスカートリッジ。
  17. 前記現像剤は、パーティクルアナライザーで測定される、前記トナー粒子に対する前記シリカ微粒子の遊離率が20%以下であることを特徴とする請求項15または16記載のプロセスカートリッジ。
  18. 前記シリカ微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、数平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記現像剤の帯電量が絶対値で15〜90μC/gであることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記現像剤のメルトインデックス値が35以下であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記電圧制御手段は、前記現像剤担持体の回転中であって画像形成前の準備回転時には、前記トナー粒子及びシリカ微粒子が前記現像剤規制部材側から前記現像剤担持体側へ転移可能な電位差が供給されるように前記電圧印加手段の電圧印加量を制御する請求項15〜20のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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