JP2004117964A - トナー及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2004117964A JP2002282762A JP2002282762A JP2004117964A JP 2004117964 A JP2004117964 A JP 2004117964A JP 2002282762 A JP2002282762 A JP 2002282762A JP 2002282762 A JP2002282762 A JP 2002282762A JP 2004117964 A JP2004117964 A JP 2004117964A
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稲葉 功二
Kiyokazu Suzuki
鈴木 喜予和
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中山 憲一
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Abstract

【課題】中間転写体を用いた画像形成方法において、多数枚連続プリントを行っても、転写性が良好で、トナー消費量が良好なトナーを提供することを課題とする。
【解決手段】現像手段において可視化されたトナー像を、感光体に中間転写体上に転写することにより前記中間転写体上にトナー像を形成する中間転写手段を有する画像形成方法に用いられるトナーであって、
前記中間転写体に中間転写ベルト5を用い、前記感光体1のユニバーサル硬度が150〜350N/mm、前記中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
であることを特徴とし、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられるトナー、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。 とりわけ、中間転写ベルトとを用いた構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては特許文献1等に記載されているように多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、感光体上に電気的潜像を形成し、次いで前記潜像をトナーにて現像し、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し複写物を得るものである。感光体上に転写されず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
このような複写装置は、単なる一般的なオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機だけでなく、コンピューターの出力としてのプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
【0004】
近年カラープリンターの普及率は向上し、その中でも、高画質、省スペース化、メンテナンス性、低コスト、マテリアル対応の観点から特許文献2等で記載されているような接触一成分現像が注目されている。
【0005】
図3を用いて、従来の電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)の一例について説明する。
【0006】
1は第1の画像担持体としてのドラム状の感光体であり、図中矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段による露光3を受ける。このようにして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロートナー像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロートナー現像器41)により第1色であるイエロートナー像に現像される。この時第2〜第4の現像器、即ちマゼンタトナー現像器42、シアントナー現像器43、及びブラックトナー現像器44は作動しておらず、感光体1には作用していないので、前記第1色のイエロートナー画像は前記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0008】
一方、中間転写ベルト20は矢印の方向に感光体1と同じ周速度で回転駆動される。感光体1上に形成された前記第1色のイエロートナー像が、感光体1と中間転写ベルト20とのニップ部を通過する過程で、ローラ62を介してバイアス電源29から中間転写ベルト20に印加されるバイアスによって形成される電界により、中間転写ベルト20の外周面に順次転写されていく。この工程を一次転写といい、ローラ62は一次転写ローラ、印加されるバイアスは一次転写バイアスと呼ぶ。中間転写ベルト20に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。
【0009】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応したフルカラートナー画像が形成される。
【0010】
次にカラートナー画像を転写材に転写を行うが、この工程を二次転写という。63は二次転写ローラで、二次転写対向ローラ64に対応し平行に軸受けさせて中間転写ベルト20の下面部に離間可能な状態に配設されている。
【0011】
トナー画像を感光体1から中間転写ベルト20へ転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性でバイアス電源29から印加される。その印加電圧は例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0012】
感光体1から中間転写ベルト20への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間することも可能である。中間転写ベルト20上に転写されたフルカラー画像は、二次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当接される。一方、給紙ローラ11から中間転写ベルト20と二次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源28から二次転写ローラ63に印加されることにより中間転写ベルト上のフルカラー画像が転写材Pに二次転写される。トナー画像が転写された転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0013】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写体ベルトに残留したトナー(転写残トナー)はクリーニングブレード50により掻き取られ、廃トナーボックスに運ばれる。
【0014】
ここで示したような中間転写ベルトのカラープリンターの場合には、中間転写ベルトを用いているため、例えば特許文献3中で述べられたごとくの転写装置と比較すると、転写材になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写することができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、薄い紙(40g/m紙)から厚い紙(200g/m紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あるいは厚さの厚薄によらない、いわゆるマテリアル対応性に優れている。
【0015】
しかしその反面、感光体と中間転写ベルトとの接触頻度が多いため、多数枚プリントを行うと、両者の消耗による劣化が発生し初期状態の画像を保つことが困難となる場合がある。具体的には、感光体のユニバーサル硬度に対して、中間転写ベルトのユニバーサル硬度が高くかつ高い圧力で感光体に接触すると、硬度が高いものが、硬度が低いものを削る場合と同様な効果で感光体の削れが発生し、なおかつ、高い圧力が加わることにより削れが増長されてしまう。その結果として一次転写性が大きく悪化し、転写不良画像が発生する。
【0016】
さらに感光体が削れることによって、ドラム表面電位の変動が発生し、帯電均一性が損なわれ、カブリに伴うトナー消費量が増加し易くなる。このことは特に高温高湿環境下で顕著に発生する。
【0017】
以上のことから、感光体と中間転写ベルトとの接触頻度が多い構成のマシンに搭載される構成部材に要求される物性としては、多数枚プリントしても劣化が小さいものが要求される。具体的には、感光体と中間転写ベルトでは硬度に関する特性、トナーとしても硬度に関する特性や劣化に強い特性が要求される。
【0018】
例えば、トナーの劣化度合いをみる目安のひとつとしてトナーのBET比表面積がある。本件に最も近いと思われる先行技術として、中間転写ベルト構成でかつトナーBET比表面積の記載してある特許文献4、特許文献5がある。しかしながら、両公報には、感光体と中間転写ベルトとの硬度に関する記載は無く、さらにベルトの詳細な記載も無いことから本発明の意図する効果を開示するものではない。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第2,297,691号公報明細書
【特許文献2】
特開2000−315020号公報明細書
【特許文献3】
特開昭63−301960号公報
【特許文献4】
特許3243597号公報
【特許文献5】
特開2000―29311号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中間転写体を用いた画像形成方法に用いられるトナー及び画像形成装置において、多数枚連続プリントを行っても、転写性が良好で、トナー消費量が良好なトナー及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0021】
本発明は、特に、高温高湿環境下における連続プリントでのモノカラー及びフルカラー画像の転写性が良好なトナー及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0022】
さらに、本発明は、高温高湿環境下における連続プリントでのトナー消費量に優れるトナー及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、感光体のユニバーサル硬度、中間転写ベルトのユニバーサル硬度、トナーの着色粒子表面に存在する無機微粉末の粒径、トナーのBET比表面積維持率に着目し、これらを特定の値とすることにより、中間転写工程を有する画像形成方法に用いられるトナー及び画像形成装置にて、優れた転写性とトナー消費量を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0024】
すなわち、本発明は、少なくとも、(i)感光体上に形成された静電潜像をトナーによって可視化する現像手段と、(ii)前記現像手段において可視化されたトナー像を、前記感光体に中間転写体上に転写することにより前記中間転写体上にトナー像を形成する中間転写手段と、(iii)前記中間転写体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、(iv)前記転写材上に残トナーをクリーニングする手段とを有する画像形成方法に用いられるトナーであって、
前記中間転写体に中間転写ベルトを用い、前記感光体のユニバーサル硬度が150〜350N/mm、前記中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
であることを特徴とし、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とするトナーに関する。
【0025】
また、本発明は、少なくとも、(i)感光体上に形成された静電潜像をトナーによって可視化する現像手段と、(ii)前記現像手段において可視化されたトナー像を、前記感光体に中間転写体上に転写することにより前記中間転写体上にトナー像を形成する中間転写手段と、(iii)前記中間転写体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、(iv)前記転写材上に残トナーをクリーニングする手段とを有する画像形成装置において、
前記中間転写体に中間転写ベルトを用い、前記感光体のユニバーサル硬度が150〜350N/mm、前記中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
であることを特徴とし、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、トナー像を中間転写ベルトに転写してトナー像とし、さらに転写材上に転写する画像形成方法に用いられる。
【0027】
このような本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の感光体のユニバーサル硬度は150〜350N/mm、中間転写ベルトのユニバーサル硬度は10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
であることを特徴する。
【0029】
まず、本発明の課題である高温高湿環境下での転写性不良及びトナー消費量悪化のメカニズムについて本発明者らは以下のように考えている。
【0030】
中間転写ベルトを用いた画像形成方法において、連続プリントを行うと、感光体及び中間転写ベルトは双方の摺擦により消耗し、両部材共に表面粗度が大きくなってくる。言い換えれば、感光体表面と中間転写体表面が削られてくる。
【0031】
感光体表面が削れるということは、ドラム表面電位が安定せず、均一な帯電性が維持できないこととなる。それに伴い反転カブリや地カブリが発生し易くなり、連続プリントにおいてこのことはトナー消費量の増加へとつながり、画像形成装置本体と着脱可能な使いきりタイプのカートリッジの場合には、本来のカートリッジ寿命に達しないケースが出てくる。
【0032】
高温高湿環境下では、特に湿度の影響によりトナーの帯電性が低下し易く、前記現象はさらに悪化する。
【0033】
中間転写体表面が削れるということは、転写電流が不均一に流れ、転写電流が忠実に感光体上のトナーにかかりにくい状態を作るために、一次転写性が大きく悪化し、中間転写体上の不均一な一次転写トナー像を作る。このトナー像が転写材上へ二次転写された後、定着されると転写不良の画像が発生することになる。
高温高湿環境下では、特に湿度の影響により一次転写をさせる部材の抵抗が低下し易く、前記現象はさらに悪化する。
【0034】
連続プリントを行なうと、感光体や中間転写体の部材劣化が起こるのと同様にトナー劣化も起こる。トナーは帯電性、流動性、保存性などを持たせる観点から無機微粉末を着色粒子表面に付着させることが一般に知られている。この無機微粉末はトナーが現像、転写、定着されトナー画像となるまでの過程の中で、画像形成装置の様々な機能部材によってストレスを受け、着色粒子から離れたり、着色粒子内に打ち込まれていく。
【0035】
本発明の如き中間転写体を有する画像形成方法においては、転写を2回受けることになるため1回転写の画像形成方法より、トナーへのストレスが大きい。まして図3に示すようなフルカラー画像形成方法の如き場合には、各色トナーが順次転写されていくこと場合は、中間転写体上で一括転写を待機しているトナーの感光体からのストレスは大きい。さらに接触一成分現像の場合には、現像ローラ上のトナーは感光体表面とのストレスも加味されるため、トナーダメージは一層増大する。
【0036】
このようなプロセスで着色粒子表面に付着している無機微粉末が連続プリント初期の状態を維持しにくくなると、帯電性や流動性が悪化し、カブリが主原因のトナー消費量ダウンや、一次転写や二次転写性の悪化が主原因の転写不良画像が発生する。
【0037】
高温高湿環境下ではこの現象はさらに悪化する。
【0038】
さらに、着色粒子自身のトリボ付与能が低く、前記無機微粒子で帯電性の持たせているような場合には、連続プリントにより過酷なストレスをトナーが受け、実質的に着色粒子状態になったときに、前記問題点が増大する傾向がある。
【0039】
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、少なくとも、感光体のユニバーサル硬度、中間転写ベルトのユニバーサル硬度、トナーを構成する着色粒子表面に存在する無機微粉末の個数平均粒径、及びトナーのBET比表面積維持率、さらには、トナーのメルトインデックス値、トナー表面におけるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の表面原子濃度、トナーの平均円形度、離型剤の針入度、中間転写ベルトの材質などを特定の物性、物質に限定することで、感光体と中間転写ベルトを用いた画像形成方法において、連続プリントにおいて、トナーと感光体と中間転写ベルトのそれぞれの劣化を防ぎ、転写性及びトナー消費量を向上させることができることを見出した。
【0040】
本発明の感光体のユニバーサル硬度は150〜350N/mmであることを特徴とする。これは、感光体表面のユニバーサル硬度が350から150N/mmの範囲であると感光体が削れにくく、傷つきにくいためである。感光体のユニバーサル硬度が350N/mmを超えると、削れにくくなるものの硬くなりすぎることにより外部の衝撃によって感光体表面が割れやすくなるので好ましくない。また感光体表面のユニバーサル硬度が150N/mmより小さくなった場合、対向する中間転写ベルトのユニバーサル硬度が低くても削れ耐久性が低くなり好ましくない。
【0041】
本発明の中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであることを特徴とする。中間転写ベルトのユニバーサル硬度が200N/mmを超えると、硬くなりすぎることにより外部の衝撃によって中間転写ベルトが裂けやすくなるので好ましくない。また中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10N/mmより小さくなると、柔らかすぎるのでカートリッジとして使用した場合、連続プリントに置けるたわみや伸びの原因となり好ましくない。
【0042】
本発明のトナーに含まれる無機微粉末の粒径は5〜50nmであることを特徴とする。この粒径は好ましくは5〜40nmである。
【0043】
本発明において、着色粒子表面に存在する無機微粉末の粒径を前記範囲とすることにより、無機微粉末は、着色粒子のトリボ付与能力及び流動性を持たせつつ、かつスペーサーしても作用することができるので、連続プリント時の無機微粉末の着色粒子への埋め込みによるトナー劣化を防ぐまたは遅くさせる効果があり、トナー比表面積率を高く維持することが可能となる。トナー比表面積維持率が高いトナーは、感光体及び中間転写ベルトが相互の摺擦により劣化し、表面形状が荒れたとしても、感光体表面電位変動や転写電流の不均一化の影響を受けにくい。そのため、良好な転写性ならびにトナー消費量を維持することができると考えられる。
【0044】
無機微粉末の粒径が5nm未満の場合には、流動性は高いものの、連続プリントにおいてトナー劣化が促進され易く、本発明の効果が発現されにくい。
【0045】
また、無機微粉末の粒径が50nmを超える場合には、スペーサーとしては作用するもの、着色粒子のトリボ付与能力及び流動性を持たせることが難しく、本発明の効果が発現されにくい。
【0046】
本発明のトナーBET比表面積は、1.0〜2.8m/gであることを特徴とする。このBET比表面積は好ましくは1.2〜2.5m/g、より好ましくは1.3〜2.4m/gである。中間転写ベルトを用いた画像形成方法において、トナーBET比表面積を前記範囲とすることにより、前記無機微粉末粒径を本発明の範囲内にすることと同様の効果が発現できる。
【0047】
トナーBET比表面積が1.0m/g未満の場合には、連続プリントにおいて流動性が維持できず、転写不良画像が早い時期に発生してしまう。2.8m/gを超える場合には、無機微粉末が着色粒子表面から離れ易く、帯電ローラ、感光体、中間転写体を汚染してしまう。
【0048】
本発明のトナーBET比表面積維持率は、55〜100%であることを特徴とする。このBET比表面積維持率は好ましくは60〜100%、より好ましくは70〜100%である。
【0049】
本発明において、トナーBET比表面積維持率を前記範囲とすることにより、前記無機微粉末粒径を規定したときと同様の効果が発現できる。感光体の硬度が、中間転写体の硬度よりも大きい発明においては、最も効果がある因子である。
【0050】
なお、ここでトナーのBET比表面積及びBET比表面積維持率について説明する。
【0051】
本発明のトナーBET比表面積とは、図1に示す接触一成分現像システムの画像形成装置において、トナー充填量100gにて、高温高湿環境下(30℃/80%RH)でフルカラーモード、印字比率2%で連続プリントをする前のトナーを現像器内からサンプリングし、BET比表面積を測定したときの値である。これをA1と称する。さらに、前記画像形成装置において、前記印字比率にて1000枚出力した後、A1と同様にして現像器内からトナーをサンプリングし、BET比表面積を測定する。これをA2と称する。
【0052】
トナーBET比表面積維持率とは、前記モデル実験である連続プリント前後におけるトナーBET非表面積変化の度合いを示すので、以下式にて計算される。
ΔA=A2/A1×100 (%)
【0053】
本明のトナーのメルトインデックス値は、0.5〜50g/10分であることを特徴とする。このメルトインデックス値は好ましくは0.5〜30g/10分である。
【0054】
トナーのメルトインデックス値を前記範囲内にすることにより、本発明において、他の部材からの耐ストレス性が強くなり、着色粒子表面に付着している無機微粉末を連続プリントしても長期にわたり初期状態を維持しやすくなる。その結果、良好な転写性やトナー消費量が得ることができる。
【0055】
メルトインデックス値0.5g/10分未満の場合には、定着性が悪化する。50g/10分を超える場合には、無機微粉末のトナーへの打ち込みが大きく、本発明の効果を発現できない。
【0056】
本発明における離型剤の針入度は10以下であることを特徴とする。この針入度は好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
【0057】
離型剤の針入度を前記範囲内にすることにより、メルトインデックス値を規定することと同様な効果が発現できる。離型剤の針入度は10を超える場合は、着色粒子を構成する結着樹脂を可塑化させ、高温高湿環境下の連続プリントにおいて無機微粉末のトナーへの打ち込みを早めることや、現像器内の機能部材や感光体への融着を引き起こし、本発明の効果を発現できない。
【0058】
本発明のトナー表面におけるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の表面原子濃度は0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%以下である。
【0059】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の表面原子濃度を前記範囲内にすることにより、着色粒子自身のトリボ付与能を高め、連続プリントにより若干トナーBET比表面積維持率が低下しても、本発明の効果を発揮することができる。
【0060】
本発明におけるトナーの平均円形度は0.965〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.970〜0.990である。中間転写体を有する画像形成装置の中で、近年のパーソナル対応を増加により、小型プリンターが注目されている。前記プリンターでは装置のコンパクト化の観点から、トナー自体に高転写性が求められる。平均円形度が前記範囲内であることにより、本発明の効果はさらに良好なものとなる。平均円形度が0.965未満の場合には、高温高湿環境でかつ連続プリントした際に、十分な効果が得られない。
【0061】
以下に、本発明で記載されている諸物性の具体的な測定方法について説明する。
【0062】
ここで、像担持体表面及び中間転写ベルトのユニバーサル硬度の測定方法を以下に示す。本発明の表面皮膜物性試験は、ドイツ・フィッシャー社製硬度計フィッシャースコープH100を用いて行なった。測定においては、形状が四角錐で対面角度が136度に規定されているダイヤモンド圧子を使用し、設定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいったときの、荷重をかけた状態での押し込み深さを電気的に検出して読み取り、以下の式に計測値を入力することで、ユニバーサル硬度を算出する。
【0063】
【数1】
Figure 2004117964
HU:ユニバーサル硬度(N/mm
F:試験荷重(N)
h:試験荷重下での押し込み深さ(mm)
【0064】
本発明においては電子写真感光体の押し込み深さは1μmとし、中間転写ベルトの押し込み深さは10μmとした。
【0065】
本発明で用いられる無機微粉末の平均粒径は、個数平均粒径であり、任意の方法で求めることが可能である。一例を挙げると、トナー表面を電子顕微鏡にて撮影し、得られた画像から直接無機微粉末の粒径を測定し、個数平均粒径を求める。測定数は20個以上とする。なお、無機微粉末かの判断は、電子線励起X線元素分析により、定性分析する。
【0066】
本発明で用いられる連続プリント前後におけるトナーのBET比表面積の測定方法は、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出した。サンプルは2〜3gとする。
【0067】
本発明で用いられるトナーのメルトインデックス値の測定方法は、JIS規格K7210のA法に準じて行われる。その後測定値を10分値に換算し求めるため、単位はg/10分となる。
【0068】
本発明で用いられる離型剤の針入度の測定方法は、JIS―K2235に準じる。尚、離型剤のトナーからの抽出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
【0069】
本発明で用いられるトナー表面におけるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の表面原子濃度の測定方法は、本発明では、XPS測定装置として、X線光電子分光装置1600S型(PHI社製)を用い、X線源はMgKα(400W)、分析領域0.8×2.0mmで測定を行った。
【0070】
本発明におけるトナーの円形度とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下記式を用いて算出した。
【0071】
【数2】
Figure 2004117964
【0072】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0073】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。円形度の頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0074】
【数3】
Figure 2004117964
【0075】
具体的な測定方法としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを容器中に用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子としてφ5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0076】
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測し、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、粒径0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円形度頻度分布等を求める。
【0077】
【表1】
Figure 2004117964
【0078】
次に本発明のトナーについて詳述する。
【0079】
本発明のトナーを粉砕方法で製造する際に用いられるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
【0080】
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0081】
スチレン共重合体はジビニルベンゼン等の架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
【0082】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
【0083】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0084】
本発明においては、前記した単官能性重合性単量体を単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0085】
前記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルのようなアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドのようなパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0086】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0087】
本発明いにおいては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0088】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンのようなジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独または混合物として用いられる。
【0089】
本発明のトナー分子量が10000未満の場合、最適範囲内のものと比較すると、連続プリント時における着色粒子表面の外添剤が耐久使用によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。さらに耐高温オフセット性も悪い。質量平均分子量が1500000を超える場合には、低温オフセットが弱く、特に厚紙二次色の定着性が弱くなってしまう。
【0090】
本発明のトナーの分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。40度のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
【0091】
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
【0092】
試料は以下のようにして作製する。試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0093】
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油のような植物系ワックス、蜜蝋、ラノリン及び鯨ろうのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト及びセレシンのような鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油ワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックスのような合成炭化水素;アミドワックス;ケトンワックス;エステルワックス;高級脂肪酸;高級脂肪酸金属塩;長鎖アルキルアルコールが挙げられる。必要に応じて、これらのグラフト化、ブロック化、蒸留などしても構わない。また、前記ワックスのエマルションタイプでも構わない。
【0094】
本発明の効果をより発現させるためには、前記離型剤の中でもカルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、エステルワックス、アミドワックス、ケトンワックスが好ましい。より好ましくは、カルナウバワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、エステルワックス、アミドワックス、ケトンワックスである。
【0095】
以下にエステルワックス、アミドワックス、ケトンワックスの一例を挙げるが、これら以外のものでも構わない。 エステルワックスとしては下記一般式で表されるものを例示できる。
【0096】
【化1】
Figure 2004117964
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
【0097】
【化2】
Figure 2004117964
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基である。Rは水素原子または炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
【0098】
【化3】
Figure 2004117964
(式中、R及びRは炭素数1〜40の有機基であり、RとRは同じものであっても異なっていても良い。Rは炭素数1〜40の有機基を示す。)
【0099】
【化4】
Figure 2004117964
(式中、R及びRは炭素数1〜40の有機基であり、RとRは同じものであってもなくてもよい。Rは炭素数1〜40の有機基を示す。)
【0100】
【化5】
Figure 2004117964
(式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。Rは炭素数1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない)。
【0101】
アミドワックスとしては、下記式(VI)で表される化合物からなるものが好ましい。
【0102】
【化6】
Figure 2004117964
(式中、R、Rは炭素数1〜45を有する有機基であり、RとRは同じものであっても異なっていても良く、また、RとRは不飽和基を有していても良い。)
【0103】
ケトンワックスとして、下記式(VII)で表される化合物から形成されているものが良い。
【0104】
【化7】
Figure 2004117964
(式中、R、Rは炭素数1〜40の有機基を示す。)
【0105】
本発明で用いられる離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値はASTMD3418−82に準拠して測定される。本発明で用いられる離型剤の前記吸熱ピーク値は50〜100℃であることが好ましく、加えて、DSC曲線の接線離脱温度が40℃以上であることがより好ましい。
【0106】
吸熱ピーク値が50℃未満であると、離型剤の自己凝集力が弱い為に、着色粒子の製造時に着色粒子表面に離型剤が必要以上存在してしまい、離型剤の針入度が10を超えたときを凌ぐ弊害が出てしまう。一方、吸熱ピークが100℃を超えると、定着時に瞬時に離型剤が浸み出しにくく、低温時の定着性や、トナー現像量が多い二次色(レッド、グリーン、ブルー)の定着性を悪化させてしまう。更に、直接重合方法により着色粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への離型剤の溶解性が低下し、独立で存在するものが生じ、画像形成装置内の機能部材を汚染してしまう。
【0107】
離型剤の分子量としては、質量平均分子量(Mw)が300〜1,500のものが好ましい。質量平均分子量が300未満だと吸熱ピーク値が50℃未満の時と同様の傾向を示してしまう。1500を超えると低温定着性が低下しかつ、フルカラー画像を出力する際には、OHT透明性やヘイズを悪化させてしまう。質量平均分子量は、400〜1,250の範囲のものが特に好ましい。
【0108】
離型剤の分子量はGPCにより次の条件で測定される。
【0109】
(GPC測定条件)
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度 :135度
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0110】
離型剤は、溶融混練粉砕法により着色粒子を生成する場合は、結着樹脂100質量部に対して3〜30質量部使用することが好ましく、5〜20質量部使用することがより好ましい。重合性単量体組成物を使用して、水系媒体中で直接的に着色粒子を生成する場合には、重合性単量体100質量部に対して3〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部を配合し、結果として、重合性単量体から生成された結着樹脂100質量部当たり離型剤5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部着色粒子に含有されるのが良い。
【0111】
離型剤の含有量が結着樹脂100質量部に対して3質量部未満の場合には、トナーを前記凝集度に調整するための無機微粉末の添加量が多くなり、その結果、連続プリント時のキーパーツ汚染へつながってしまう。前記離型剤の添加量が30質量部を超える場合には、前記凝集度を有する本発明のトナーを得ることが困難となる。
【0112】
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ重合法によるトナー製法においては、着色粒子内部に極性樹脂により多量の離型剤を内包化させ易いため、一般に多量の離型剤を用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果には特に有効となる。
【0113】
本発明のトナーに含有される着色剤の一例を挙げるがこれら以外のものでも構わない。
【0114】
黒色着色剤としては、カーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0115】
イエロー着色剤としては、下記に示すような顔料および/または染料を好ましく用いることができる。顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3.7.10.12.13.14.15.17.23.24.60.62.74.75.83.93.94.95.99.100.101.104.108.109.110.111.117.123.128.129.138.139.147.148.150.166.168.169.177.179.180.181.183.185.191:1.191.192.193.199等が好適に用いられる。
【0116】
染料としては、例えば、C.I.Solvent Yellow33.56.79.82.93.112.162.163、C.I.Disperse Yellow42.64.201.211などが挙げられる。
【0117】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
【0118】
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。
【0119】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明で用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0120】
本発明のトナーは、荷電制御剤を併用しても構わない。トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。一例を挙げるがこれら以外のものでも構わない。
【0121】
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸並びにその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0122】
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
【0123】
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。一例を挙げられるがこれら以外のものでも構わない。
【0124】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩;これらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドのようなジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのようなジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0125】
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0126】
本発明のトナーが重合法トナーの場合に極性樹脂を添加しても良い。一例を挙げられるがこれら以外のものでも構わない。
【0127】
本発明で用いられる極性樹脂は例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。前記極性樹脂は結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0128】
本発明のトナーが会合することを利用する重合法トナーの場合には、凝集剤が使用され金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価金属の塩等があげられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0129】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
【0130】
本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.5倍以上添加することがよい。
【0131】
本発明のトナーが会合することを利用する重合法トナーの場合には、水に対して無限溶解する溶媒を使用する。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類をあげることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
【0132】
本発明で用いられる無機微粉末は、酸化チタン(アナターゼ型、ルチン型、非結晶性)、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化合物及びその混合物;窒化ケイ素などの窒化物;炭化ケイ素などの炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩;フッ化カーボン、ケイ素化合物微粉末(シリカ微粉末、シリコーン樹脂微粉末)などが挙げられる。場合によっては、有機微粉末をさらに添加しても構わない。
【0133】
前記無機微粉末は疎水化されていてもいなくても構わない。より好ましくは、疎水化処理が良く、疎水化処理する場合には、湿式法または乾式法のいずれを用いても良い。
【0134】
疎水化剤としてはシランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコアルミニウム系カップリング剤、シリコーンオイルが挙げられる。
【0135】
酸化チタン(アナターゼ型、ルチン型、非結晶性)、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化合物;窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩;フッ化カーボンなどに関しては、シランカップリング剤が前記疎水化剤として特に好ましく用いられる。
【0136】
本発明において無機微粉末は、着色粒子100質量部に対し好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜2.5質量部、さらに好ましくは0.2〜1.8質量部を着色粒子と混合して使用することが良い。
【0137】
無機微粉末の添加量が0.01質量部未満の場合には、着色粒子に対する流動性付与能が充分ではなく、5質量部を超える場合には、着色粒子から遊離した無機微粉末が現像ブレード、現像ローラ及び感光体汚染を生じ、画像欠陥が生じ、本発明の効果を十分発揮できない。
【0138】
以下に本発明のトナー製造方法の一例を示す。
【0139】
本発明のトナーが粉砕法により製造されたトナーである場合には、少なくとも結着樹脂、着色剤を、加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いて混練、均一に分散させた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕化させ、更に分級工程を経た後、機械的手段を用いて所望の円形度を有する着色粒子とする。さらに、前記微粉砕化された着色粒子を湿式あるいは乾式の熱球形化処理しても構わない。このようにして得られた着色粒子は、公知の方法を用いて無機微粉末を混合・付着させ、本発明のトナーとする。
【0140】
本発明のトナーが重合法により製造されたトナーである場合には、特に制約を受けるものではないが、特開昭59−61842号公報等に述べられている懸濁重合法を用いて直接着色粒子を生成する方法;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させて着色粒子を生成するソープフリー重合法に代表される、乳化重合法による着色粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in−situ重合法、コアセルベーション法などによる製造も挙げられる。さらに、特開昭63−186253号公報や特開平9−114125号公報等に開示されている様な、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法なども挙げられる。
【0141】
前記各重合法の中でも、小粒径の着色粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
【0142】
懸濁重合方法においては、水系媒体中で主要単量体よりも離型剤の極性を小さく設定し、極性樹脂を添加せしめて重合性単量体を重合させることで、離型剤を極性樹脂及び結着樹脂で被覆したコアーシェル構造を有するトナー粒子を得る方法が挙げられる。
【0143】
離型剤をトナー粒子内に良好に内包化することにより、比較的多量の離型剤をトナー粒子が含有してもトナー表面への露出は少なく、連続プリントにおける転写性の低下を抑制することができる。
【0144】
懸濁重合をする場合には、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。用いる分散剤として例えば、無機系酸化物としてリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が使用されている。
【0145】
これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜5.0質量部を使用することが好ましい。これら分散剤の微細化のために0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0146】
重合法を用いる場合も粉砕法を用いた場合と同様に、得られた着色粒子に公知の方法を用いて無機微粉末を混合させ、本発明のトナーを得ることができる。
【0147】
以下、前記本発明のトナーを用いた本発明の画像形成方法について説明する。
【0148】
図1は本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の模式的断面図である。まず、この図1を用いて本発明の画像形成方法で用いられる中間転写ベルトについて説明する。
【0149】
本発明で用いる中間転写体としての中間転写ベルトは、図1に示すような無端のベルト形状を有している。中間転写ベルトは、表面の平滑性についても考慮する必要があり、表面の粗さRaが1μmを超えると転写性能に影響が出てハーフトーン画像のガサツキや細線の再現性が低下することがある。また、二次転写残トナーに与える電荷にムラができるため、転写残トナーが感光体に十分に戻らず、連続プリント時の次に印字された画像に前の画像が残る中間転写ベルトクリーニング不良も発生する。
【0150】
また、中間転写ベルトの肉厚は40〜300μmの範囲が好ましい。肉厚が40μm未満では中間転写ベルトの成形安定性に欠け、厚さムラを生じ易く、耐久強度も不十分で、ベルトの破断や割れが発生する場合がある。一方で肉厚が300μmを超えると材料が増えコストが高くなる上に、プリンター等の架張軸部位での内面と外面の周速差が大きくなり、外面の収縮による画像飛び散り等の問題が発生し易く、屈曲耐久性の低下やベルトの剛性が高くなりすぎて駆動トルクが増大し、本体の大型化やコスト増加を招くといった問題も生じる。
【0151】
本発明で用いられる中間転写ベルトは、樹脂を主体とする弾性層と、必要に応じて前記弾性層上に形成される被覆層とにより構成される。
【0152】
前記弾性層の材料としては合成ゴムや熱可塑性樹脂が挙げられる。合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム、エラストマー等が挙げられる。
【0153】
熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、メタクリル樹脂、脂肪族又は脂肪族以外のポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、脂肪族ポリケトン、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化エチレンプロピレン共重合体、4フッ化エチレン等)等から選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができ、またその他公知の熱可塑性樹脂(例えば、ポリマーアロイ)等、前記の材料に限定されるものではない。中間転写ベルトの硬度は、ベルト材質、架橋剤等の添加でコントロールする。
【0154】
また、本発明で用いられる中間転写ベルトは抵抗値の調整が必要である。良好な画像が得られる中間転写ベルトの体積抵抗率の範囲は1×10〜8×1013Ω・cmである。体積抵抗率が1×10Ω・cm未満では抵抗が低過ぎて十分な転写電界が得られず、画像の抜けやガサツキを生じ易い。一方で体積抵抗率が8×1013Ω・cmより高いと転写電圧も高くする必要があり、電源の大型化やコストの増大を招くため好ましくない。抵抗を制御するためには、本発明の顕著な効果を得ることができる範囲内で導電剤を適時添加することができる。
【0155】
導電剤としては、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂及び導電性粒子分散樹脂等が挙げられる。具体的には、導電性無機粒子として酸化チタン、酸化スズ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等の粒子に必要に応じて酸化スズ、酸化アンチモン及びカーボン等で表面処理を行ったものが挙げられる。これらの形状は、球状、繊維状、板状及び不定型等いかなる形状でもよい。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。また、導電性粒子分散樹脂としてはカーボン、アルミニウム及びニッケル等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体及びポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したものが挙げられる。
【0156】
また、前記イオン系導電剤として、以下のものを挙げることができる。例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウム塩の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第四級アンモニウム塩のような陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤;LiCFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi、Na、K等の周期律表第1族の金属塩、NH4+の塩等の電解質、またCa(ClO等のCa2+、Ba2+等の周期律表第2族の金属塩及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個の水酸基、カルボキシル基、一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更に、前記したもの等と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等との錯体、またはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体が挙げられ、これらの中から選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、その他公知のイオン導電剤等も用いることができ、前記の材料に限定されない。
【0157】
抵抗調整やベルト寿命を伸ばす目的で弾性層が合成ゴムの場合に被覆層を設けることが多い。用いられる材料は、例えば、熱可塑性樹脂がある。
【0158】
必要な構成材料を、前記弾性層を構成する樹脂材料中に混合、分散する方法も公知のものを適宜用いることができる。樹脂材料がエラストマーの場合には、ロールミル、ニーダー及びバンバリーミキサー等の装置が用いられ、液状の場合には、ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー及びナノマイザーもしくはそれに類する装置を使用して分散することができる。
【0159】
本発明で用いられる中間転写ベルトは、例えば以下の方法によって製造される。樹脂材料をチューブ状に押し出し成形し、単層のシームレスベルト中間転写体を得る方法;弾性層を押し出し成形し、加硫後にスプレー塗工または浸漬塗工等により被覆層を形成して2層構成のベルト状中間転写体を得る方法;または遠心成形により単層もしくは2層以上のベルト状中間転写体を成形する方法等を挙げることができる。
【0160】
本発明に用いられる感光ドラムとしては、例えば導電性支持体の上に有機感光層を設けたもので必要に応じて両者間にバリアー機能と接着機能を持つ下引層を設けたものがある。
【0161】
このような感光体の特徴として、安全性が高い、帯電性が良好、生産性が良い、安価であるなどの理由から第1の画像担持体として用いられることが多い。
【0162】
本発明に用いられる感光体用導電性支持体としては、例えば以下に示したものを使用することができる。
(1)アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、銅などの金属。
(2)ガラス、樹脂、紙などの非導電性支持体や前記(1)の導電性支持体の表面にアルミニウム、パラジウム、ロジウム、金、白金などの金属を蒸着もしくはラミネートすることにより薄膜を形成したもの。
(3)ガラス、樹脂、紙などの非導電性支持体や前記(1)の導電性支持体の表面に導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布することにより形成したもの。
【0163】
下引層形成材料としては、通常、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、ニカワ、ゼラチンなどが用いられる。
【0164】
有機感光層は、電荷発生層と電荷輸送層からなり、たとえば電荷注入制御のために感光層の上に保護層を設けてもよい。
【0165】
電荷発生層は、電荷発生物質を適当な結着剤に分散し、これを導電性支持体上に塗工することにより形成することができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッタ、CVDなどの乾式法で薄膜を形成することもできる。電荷発生物質としては、たとえば以下のような物質が挙げられる。これらの電荷発生物質は単独で用いても良く、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
(1)モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ系顔料
(2)インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系顔料
(3)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料
(4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料
(5)アンスラキノン、ヒドロキノンなどの多環キノン系顔料
(6)スクワリリウム色素
(7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
【0166】
また結着剤としては広範囲な結着樹脂から選択でき、たとえばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは、単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
【0167】
電荷発生層中に含有する樹脂は、80質量%以下、好ましくは40質量%以下が好ましい。また、電荷発生層の膜厚は5μm以下、特に0.01μm〜2μmの薄膜層とすることが好ましい。電荷発生層にはさらに種々の増感剤を添加してもよい。
【0168】
電荷発生層は主として電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工・乾燥して成形する。電荷輸送物質としては各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物などが挙げられる。また、結着樹脂としては上述したものを用いることができる。これらの有機感光層の塗布には、従来知られたディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、ロールコーティング法などいずれの方法も用いることができる。
【0169】
次に、本発明の画像形成方法について一例を説明する。
【0170】
本発明の画像形成方法は、前記本発明の非磁性一成分トナーを用いて画像形成を行う方法であり、
(i)感光体上に形成された静電潜像を色の異なる2以上の非磁性一成分トナーによって可視化して各色のトナー像を形成する手段であって、それぞれの色に対応した静電潜像を各色の非磁性一成分トナーによって順次可視化する現像手段と、
(ii)前記現像手段において可視化された前記各色のトナー像を、前記感光体に当接する中間転写ベルト上に順次重ねて転写することにより前記中間転写体上にカラートナー像を形成する中間転写手段と、
(iii)前記中間転写体上のカラートナー像を転写材上に転写する転写手段と、を少なくとも有する。
【0171】
図1は電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。図1において、中間転写ベルトと感光体とは当接して一体に支持された転写ユニット(中間転写ベルト−感光体一体カートリッジ)を構成している。1は第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体(以下感光体と記す)であり、矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0172】
感光体1は、回転過程で一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される(帯電手段)。一次帯電器の電源32は、直流電圧に交流電圧を重畳して印加しているが、直流電圧のみでもよい。次いで、不図示の露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される(潜像形成手段)。
【0173】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロートナーYにより現像される(現像手段)。このとき用いられる現像方法は、接触一成分現像方法であることが好ましい。この時、第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック色現像器44)の各現像器は作動状態がオフになっていて感光体1には作用せず、前記第1色のイエロートナー画像は前記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0174】
中間転写ベルト5は、図中時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。感光体1上に形成担持された前記第1色のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写ベルト5とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ6から中間転写ベルト5に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト5の外周面に順次一次転写されていく(中間転写手段)。
【0175】
中間転写ベルト5に対応する第一色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置13により清掃される(クリーニング手段)。
【0176】
以下、一次帯電器により再度感光体1表面が帯電処理され、第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像に対応する静電潜像が感光体1に形成され、各色のトナーによって順次現像が行われる。現像手段において感光体1上に形成されたトナー像は順次中間転写ベルト5上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が中間転写ベルト5上に形成される。
【0177】
7は二次転写ローラで、二次転写対向ローラ8に対応し平行に軸受けされ、中間転写ベルト5の外面に離間可能な状態に配設されている。すなわち、感光体1から中間転写ベルト5への第1〜第4色のトナー画像の一次転写手段において、二次転写ローラ7は中間転写ベルト5から離間させることが可能である。
【0178】
感光体1から中間転写ベルト5への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源30から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜2kVの範囲である。
【0179】
中間転写ベルト5上に転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写(転写手段)は以下のように行われる。二次転写ローラ7が中間転写ベルト5に当接されると共に、転写材Pが給紙ローラ11から転写材ガイド10を通って、中間転写ベルト5と二次転写ローラ7との当接ニップに所定のタイミングで給送され、二次転写バイアスが電源31から二次転写ローラ7に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト5から第2の画像担持体である転写材Pへ合成カラートナー像が二次転写される。トナー像の転写を受けた転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される(定着手段)。
【0180】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト5には離接自在に配置されたクリーニングローラ機構としてのクリーニング用帯電部材9が当接され、感光体1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト5上に残留している転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷が付与される。バイアス電源33は、直流電圧に交流電圧を重畳して印加している。一次転写時と逆極性に帯電された前記転写残トナーは、中間転写ベルト5と感光体1のニップ部及びその近傍において感光体1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルトがクリーニングされる。この手段は一次転写と同時に行うことができるため、スループットの低下を生じない。
【0181】
図2は、本発明で用いられる中間転写ベルト−感光体一体カートリッジの模式的断面図である。以下、前記カートリッジについて説明する。図2に示すように、本発明で用いられるカートリッジは中間転写ベルト5と感光体1、中間転写ベルトクリーニング機構9及び感光体のクリーニング装置13が一体のユニットとして構成され、電子写真装置本体に容易に着脱可能である。中間転写ベルト5のクリーニング機構は、前述のように転写残トナーを一次転写と逆の極性に帯電させ、一次転写部で感光体に戻すために必要な機構であり、本図では中抵抗の弾性体からなるクリーニングローラ9を装備している。感光体のクリーニングは、ブレードクリーニングである。
【0182】
本カートリッジには非図示の廃トナー容器も一体となっており、中間転写ベルト−感光体双方の転写残トナーもカートリッジ交換時に同時に廃棄されるため、メンテナンス性の向上に貢献している。また、中間転写ベルトは8と12の2本のローラで張架され部品点数の削減と小型化を図っている。ここで、8は駆動ローラであると同時にクリーニングローラの対向ローラとなっている。中間転写ベルトに従動して回転するテンションローラ12は、スライドする機構を有しており、圧縮ばねにより矢印の方向に圧接され、中間転写ベルトに張力を与えている。そのスライド幅は1〜5mm程度で、ばねの圧力合計は5〜100N程度である。また、感光体1と駆動ローラ8は非図示のカップリングを有し、本体から回転駆動力が伝達される構成となっている。
【0183】
【実施例】
本発明を以下に実施例を示すことでより具体的に説明するが、これは本発明になんら限定をするものではない。
【0184】
〈実施例1〉ブラックトナーNo.1の製造
本発明に用いるブラックトナーは次のように調製した。
【0185】
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた3リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水900質量部と市販のリン酸三カルシウム3質量部を添加し回転数を10000回転/分に調整し、60℃に加温して分散媒系とした。
【0186】
一方、分散質系は、
・スチレン単量体                       60質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体            40質量部
・カーボンブラック                      10質量部
・ホウ素化合物                       1.5質量部
・ジビニルベンゼン                     0.2質量部
・飽和ポリエステル樹脂                    10質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物)
前記混合物をメディア式分散機を用い3時間分散させた後、離型剤(エステルワックス 針入度2)20質量部を添加し、内温を65℃にして30分間保温した。
【0187】
その後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加した分散物を、前記分散媒中に投入し15000回転/分を維持しつつ5分間造粒した。その後高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え150回転で重合を10時間行った。重合終了後スラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、乾燥をしてブラック着色粒子を得た。図4に示すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されていることが認識できた。
【0188】
得られたブラック着色粒子を10kg秤量し、着色粒子100質量部に対し、無機微粉末を表2の外添No.1処方で一括添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)にて2000回転/分で10分外添混合する。このとき、前記ミキサーの回転数が最高回転数に達するまでの時間を3分間とし、前記無機微粉末が均一に固着するようにしてブラックトナーNo.1を得た。ブラックトナーNo.1の物性を表3に示す。
【0189】
〈実施例2〜5〉ブラックトナーNo.2〜5の製造
実施例1において、無機微粉末を表2の外添No.2〜5処方に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてブラックトナーNo.2〜5を得た。ブラックトナーNo.2〜5の物性を表3に示す。
【0190】
〈実施例6〉ブラックトナーNo.6の製造
実施例1において、離型剤を針入度5のパラフィンワックスに変更し、ジビニルベンゼン量を0.10質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてブラックトナーNo.6を得た。ブラックトナーNo.6の物性を表3に示す。
【0191】
〈実施例7〉ブラックトナーNo.7の製造
実施例1において、分散安定剤を水酸化マグネシウムに変更し、離型剤を針入度11のパラフィンワックスに変更し、ジビニルベンゼン量を0.03質量部に変更し、さらに水洗浄量をスラリーの5倍に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてブラックトナーNo.7を得た。ブラックトナーNo.7の物性を表3に示す。
【0192】
〈トナーの比較製造例1〉ブラックトナーNo.8の製造
実施例1において、離型剤を針入度11のパラフィンワックスに変更し、ジビニルベンゼン量を未添加にし、さらに無機微粉末を表2の外添No.5処方に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてブラックトナーNo.8を得た。ブラックトナーNo.8の物性を表3に示す。
【0193】
〈トナーの比較製造例2〉ブラックトナーNo.9の製造
・アルミニウムカップリング剤カーボンブラック         11質量部
・ドデシル硫酸ナトリウム                  5.0質量部
・水                          0.12リットル
の混合物を撹拌しつつ超音波を付与することによりカーボンブラックの水分散液を調製した。
【0194】
また、針入度11のパラフィンワックスを加熱しながら水中に界面活性剤により乳化させた固形分濃度20質量%の乳化分散液を調製した。
【0195】
前記カーボンブラックの分散液にパラフィンワックス乳化分散液43質量部を混合し、さらに、
・スチレン単量体                      100質量部
・n−ブチルアクリレート単量体                19質量部
・メタクリル酸単量体                      6質量部
・t−ドデシルメルカプタン                 3.5質量部
・イオン交換水                     0.85リットル
を添加した後に、窒素気流下撹拌を行いながら80℃まで昇温した。
【0196】
ついで、過硫酸カリウム4質量部を加え、80℃にて6時間反応させカーボンブラック含有着色粒子分散液を得た。この分散液に対して3.0モル%の塩化カリウム水溶液を添加し、さらにイソプロピルアルコール0.1リットル及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル5質量部を溶解した純水を添加した。その後、80℃まで昇温し6時間反応させた。ついで反応終了後、反応液を濾過、水洗を行った。さらに5NのNaOH水を滴下し、pH値を13に調整した。重合終了後スラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、乾燥をしてブラック着色粒子を得た。さらに無機微粉末を表1の外添No.4処方に変更する。
【0197】
それ以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてブラックトナーNo.9を得た。ブラックトナーNo.9の物性を表3に示す。
【0198】
〈実施例8〉イエロートナーNo.1の製造
実施例1において、カーボンブラックの代わりに縮合アゾ顔料を用いた以外は、前記実施例1と同様の方法を用いてイエロートナーNo.1を得た。イエロートナーNo.1の物性を表3に示す。
【0199】
〈実施例9〉イエロートナーNo.2の製造
実施例2において、カーボンブラックの代わりに縮合アゾ顔料を用いた以外は、前記実施例2と同様の方法を用いてイエロートナーNo.2を得た。イエロートナーNo.2の物性を表3に示す。
【0200】
〈トナーの比較製造例3〉イエロートナーNo.3の製造
比較製造例1において、カーボンブラックの代わりに縮合アゾ顔料を用いた以外は、前記比較製造例1と同様の方法を用いてイエロートナーNo.3を得た。イエロートナーNo.3の物性を表3に示す。
【0201】
〈トナーの比較製造例4〉イエロートナーNo.4の製造
比較製造例2において、カーボンブラックの代わりに縮合アゾ顔料を用いた以外は、前記比較製造例2と同様の方法を用いてイエロートナーNo.4を得た。イエロートナーNo.4の物性を表3に示す。
【0202】
〈実施例10〉マゼンタトナーNo.1の製造
実施例1において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン顔料を用いた以外は前記実施例1と同様の方法を用いて、マゼンタトナーNo.1を得た。マゼンタトナーNo.1の物性を表3に示す。
【0203】
〈実施例11〉マゼンタトナーNo.2の製造
実施例2において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン顔料を用いた以外は前記実施例2と同様の方法を用いて、マゼンタトナーNo.2を得た。マゼンタトナーNo.2の物性を表3に示す。
【0204】
〈トナーの比較製造例5〉マゼンタトナーNo.3の製造
比較製造例1において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン顔料を用いた以外は、前記比較製造例1と同様の方法を用いてマゼンタトナーNo.3を得た。マゼンタトナーNo.3の物性を表3に示す。
【0205】
〈トナーの比較製造例6〉マゼンタトナーNo.4の製造
比較製造例2において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン顔料を用いた以外は、前記比較製造例2と同様の方法を用いてマゼンタトナーNo.4を得た。マゼンタトナーNo.4の物性を表3に示す。
【0206】
〈実施例12〉シアントナーNo.1の製造
実施例1において、カーボンブラックの代わりに銅フタロシアニン顔料を用いた以外は前記実施例1と同様の方法を用いてシアントナーNo.1を得た。シアントナーNo.1の物性を表3に示す。
【0207】
〈実施例13〉シアントナーNo.2の製造
実施例2において、カーボンブラックの代わりに銅フタロシアニン顔料を用いた以外は前記実施例2と同様の方法を用いてシアントナーNo.2を得た。シアントナーNo.2の物性を表3に示す。
【0208】
〈トナーの比較製造例7〉シアントナ―No.3製造
比較製造例1において、カーボンブラックの代わりに銅フタロシアニン顔料を用いた以外は、前記比較製造例2と同様の方法を用いてシアントナーNo.3を得た。シアントナーNo.3の物性を表3に示す。
【0209】
〈トナーの比較製造例8〉シアントナ―No.4製造
比較製造例2において、カーボンブラックの代わりに銅フタロシアニン顔料を用いた以外は、前記比較製造例2と同様の方法を用いて、シアントナーNo.4を得た。シアントナーNo.4の物性を表3に示す。
【0210】
【表2】
Figure 2004117964
【0211】
【表3】
Figure 2004117964
【0212】
<感光体の製造例1>
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50質量部、フェノール樹脂25質量部、メチルセロソルブ20質量部、メタノール5質量部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、数平均分子量3000)0.002質量部とをφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で、2時間分散して導電用塗料を調製した。アルミシリンダー(φ46.7mm×300)上に、前記塗料をディッピング塗工し、150℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0213】
次にメトキシメチル化ナイロン樹脂(数平均分子量30000)30質量部とアルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(数平均分子量30000)10質量部をメタノール260質量部、ブタノール40質量部の混合溶媒中に溶解した液を前記導電層上にディッピング塗工機で塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引層を設けた。
【0214】
ジスアゾ顔料を4質量部、ベンザール樹脂2質量部、及びテトラヒドロフラン40質量部とをφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で60時間分散した後、シクロヘキサノン/テトラヒドロフラン混合溶媒で希釈し電荷発生層用塗料を調製した。
【0215】
この塗工液を前記、下引き層上に、ディッピング塗工機で塗布し、乾燥後の膜厚が0.1μmの電荷発生層を設けた。
【0216】
次に電荷輸送材料10質量部及びポリアリレート樹脂(数平均分子量100000)10質量部をジクロルメタン20質量部、モノクロルベンゼン40質量部の混合溶媒中に溶解し、この液を前記電荷発生層上にディッピング塗工し130℃で60分間乾燥させ、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し感光ドラム1を作製した。この感光ドラム1のユニバーサル硬度は280であった。
【0217】
<感光体の製造例2>
電荷輸送層のポリアリレートをポリカーボネート(数平均分子量20000)にした以外はは実施例1に同じ。この感光ドラムを感光ドラム2とする。この感光ドラム2のユニバーサル硬度は170であった。
【0218】
〈中間転写ベルトの製造例1〉
PVDF                         100質量部
ポリエーテル含有帯電防止樹脂                10質量部
前記の配合で帯電防止樹脂はPVDFより伸びが大きく、かつ2種の材料が完全に相溶しないものを選択した。この材料を2軸の押し出し機にて210℃で溶融混練して各材料を混合し、直径2mm程度のストランドで押し出してカットし、ペレットとした。これを成型用原料1とする。次に成形装置において、成形用ダイは単層用環状ダイとし、ダイスリットの直径が100mmのものを用いた。ダイスリットは0.8mmとした。この成形装置の材料ホッパーへ十分に加熱乾燥させた前記成形用原料1を投入し、加熱溶融してダイから210℃で円筒状に押し出した。ダイの周囲には外部冷却リングが設置されており、押し出されたフィルムに周囲から空気を吹き付け、冷却を行う。
【0219】
また、押し出された筒状フィルムの内部には空気導入路より空気を吹き込み、直径140mmまで拡大膨張した後、引き取り装置で一定の速度で連続的に引き取った。尚、空気の導入は直径が所望の値になった時点で停止している。さらにピンチローラーにつづくカット装置で筒状フィルムをカットする。厚さが安定した後、長さ310mmで切断して筒状フィルム1を成形した。
【0220】
この筒状フィルム1を熱膨張率の異なる金属からなる一組の円筒型を用いてサイズと表面平滑性の調整と折り目除去を行った。熱膨張率の高い内型に筒状フィルム1を被せて、その内型を内面平滑に加工した外型に挿入し、170℃で20分間加熱する。冷却後シリンダーから外して端部をカットし、直径140mmの中間転写ベルト1を作製した。
【0221】
この中間転写ベルトのユニバーサル硬度は85であった。
【0222】
〈中間転写ベルトの製造例2〉
ポリカーボネート樹脂                   100質量部
導電性カーボン                        8質量部
カオリンクレー                       17質量部
前記の材料を280℃で2軸押し出し機にて溶融混練すること、同温度でダイから円筒状に押し出すこと以外は中間転写ベルトの製造例1と同様にして、中間転写ベルト2を作製した。
【0223】
この中間転写ベルト2のユニバーサル硬度はポリカーボネートにカオリンクレーを入れたので185であった。
【0224】
前記感光体と前記中間転写ベルトの組み合わせたプロセスを表4に示す。
【0225】
【表4】
Figure 2004117964
【0226】
〈実施例14〉
図1に示す接触一成分現像システムの画像形成装置に、感光体の製造例1で得られた感光体1と、中間転写ベルトの製造例1で得られた中間転写ベルト1を装着し、現像器44内にブラックトナーNo.1を100g充填した後セットし、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)でモノカラーモード、印字比率2%で連続プリントを行い、画像均一性とトナー消費量を評価した。
【0227】
サンプリングのタイミングは、100枚目、2000枚目、4000枚目で行い、サンプリング画像は、ハーフトーン全面出力画像(トナー乗り量0.70〜0.90mg/cm)とした。
【0228】
評価方法を以下に示す。
【0229】
(1)ハーフトーン画像の転写性
転写性のレベルは、前記高温高湿環境下における連続プリント後に得られたハーフトーン画像から下記基準に従い評価した。
A:前記高温高湿環境下に30分間放置させた平滑紙(キヤノンカラーレーザー80g/m)及びラフ紙(ゼロックス4024、75g/m)においても良好な均一性の高い画像が得られる。
B:前記高温高湿環境下に30分間放置させた平滑紙(キヤノンカラーレーザー80g/m)は、良好な均一性の高い画像が得られる。ラフ紙(ゼロックス4024、75g/m)において、均一性が若干低下し、濃淡ムラ画像が見受けられる。実用上問題ないレベル。
C:前記高温高湿環境下に30分間放置させた平滑紙(キヤノンカラーレーザー80g/m)及びラフ紙(ゼロックス4024、75g/m)のどちらにおいても均一性が低下し、濃淡ムラ画像が見受けられる。実用上問題ないレベル
D:前記高温高湿環境下に30分間放置させた平滑紙(キヤノンカラーレーザー80g/m)及びラフ紙(ゼロックス4024、75g/m)のどちらにおいても均一性が著しく低下し、濃淡ムラ画像が明確に見受けられる。実用上問題あるレベル。
【0230】
(2)トナー消費量
トナー消費量は、前記高温高湿環境下における連続プリント後に前記サンプリングをした後下記基準に従い評価した。
A:1枚あたり7mg以上9mg未満のトナー消費量である。
B:1枚あたり9mg以上11mg未満のトナー消費量である。
C:1枚あたり11mg以上13mg未満のトナー消費量である。
D:1枚あたり13mg以上のトナー消費量である。
【0231】
〈実施例15〜26〉
実施例14においてトナーおよび画像形成プロセスを表5に示すように変えた以外は、前記実施例14と同様の方法により評価を行った。
【0232】
〈比較例1〜9〉
実施例14においてトナーおよび画像形成プロセスを表5に示すように変えた以外は、前記実施例14と同様の方法により評価を行った。
【0233】
実施例14〜26および比較例1〜9の評価結果を表5に示す。
【0234】
【表5】
Figure 2004117964
【0235】
〈実施例27〉
図1に示す接触一成分現像システムの画像形成装置に、感光体の製造例1で得られた感光体1と、中間転写ベルトの製造例1で得られた中間転写ベルト1を装着し、各現像器41〜44内にイエロートナーNo.1、マゼンタトナーNo.1、シアントナーNo.1、ブラックトナーNo.1を各色100g充填した後セットし、プロセス1の条件で、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)でフルカラーモード、印字比率2%で連続プリントを行った。サンプリングのタイミングは、100枚目、2000枚目、4000枚目、4000枚連続プリントした後2日間放置させてからの4001枚目とし、単色、二次色の混在したグラフィック画像の転写性を評価した。
【0236】
転写性の評価は実施例14と同様の方法で行った。
【0237】
〈比較例10〉
実施例27においてトナーおよび画像形成プロセスを表6に示すように変えた以外は、前記実施例14と同様の方法により評価を行った。
【0238】
実施例27および比較例10の評価結果を表6に示す。
【0239】
【表6】
Figure 2004117964
【0240】
【発明の効果】
本発明によれば、中間転写体を用いた画像形成方法を用いたトナー及び画像形成装置において、多数枚連続プリントを行っても、転写性が良好で、トナー消費量が良好なトナー及び画像を提供することができる。特に、高温高湿環境下において、良好な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非磁性一成分トナーおよび画像形成方法を好適に用いることができる画像形成装置の一例を示す画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明の非磁性一成分トナーおよび画像形成方法を好適に用いることができる中間転写ベルト−感光体一体カートリッジの概略図である。
【図3】従来技術の画像形成方法を用いた画像形成装置の概略図である。
【図4】着色粒子の断面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 一次帯電器
3 画像露光
5 中間転写ベルト
6 一次転写対向ローラ
7 二次転写ローラ
8 二次転写対向ローラ
9 クリーニングローラ
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
12 テンションローラ
13 クリーニング装置
15 定着器
30,31,32,33 電源
41 イエロートナー現像器
42 マゼンタトナー現像器
43 シアントナー現像器
44 ブラックトナー現像器

Claims (11)

  1. 少なくとも、(i)感光体上に形成された静電潜像をトナーによって可視化する現像工程と、(ii)前記現像工程において可視化されたトナー像を、前記感光体に中間転写体上に転写することにより前記中間転写体上にトナー像を形成する中間転写工程と、(iii)前記中間転写体上のトナー像を転写材上に転写する転写工程と、(iv)前記転写材上に残トナーをクリーニングする工程とを有する画像形成方法に用いられるトナーであって、
    前記中間転写体に中間転写ベルトを用い、前記感光体のユニバーサル硬度が150〜350N/mm、前記中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
    感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
    であることを特徴とし、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナーのBET比表面積は、1.0〜2.8m/gであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーのメルトインデックス値が0.5〜50g/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記離型剤の針入度が10以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記無機微粉末は少なくとも酸化チタン、酸化アルミニウム及びケイ素化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記転写体は熱可塑性樹脂を主体とする成分から構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記現像方法は、非磁性一成分接触現像であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 少なくとも、(i)感光体上に形成された静電潜像をトナーによって可視化する現像手段と、(ii)前記現像工程において可視化されたトナー像を、前記感光体に中間転写体上に転写することにより前記中間転写体上にトナー像を形成する中間転写手段と、(iii)前記中間転写体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段と、(iv)前記転写材上に残トナーをクリーニングする手段とを有する画像形成装置において、
    前記中間転写体に中間転写ベルトを用い、前記感光体のユニバーサル硬度が150〜350N/mm、前記中間転写ベルトのユニバーサル硬度が10〜200N/mmであり、前記感光体のユニバーサル硬度と前記中間転写ベルトの硬度との関係が、
    感光体の硬度>中間転写ベルトの硬度
    であることを特徴とし、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有する着色粒子と、前記着色粒子表面に存在する、平均粒径が5〜50nmである無機微粉末とを含むことを特徴とし、さらに前記トナーのBET比表面積維持率55〜100%であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記感光体と前記中間転写ベルトは一体的にユニット化されており、画像形成装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記クリーニング機構は、残トナーを一次転写トナーと逆の極性に帯電させ、中間転写ベルト上から一次転写と同時に感光体に戻す機構を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記トナーが請求項2乃至7のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
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