JP4154078B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した記録方法に用いられる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで電気的潜像をトナーを用いて現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して定着画像を得るものである。この際、転写後に転写材に転写せずに感光体上に残余したトナーは種々の方法でクリーニングされる。
【0003】
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、非磁性一成分現像方法、加圧現像方法が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる磁性一成分現像方法も用いられている。
【0004】
一成分現像方式は、二成分方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるため好ましい。
【0005】
また、近年、半導電性の現像ローラーまたは、表面に誘電層を形成した現像ローラーを用いて感光体表面層に押し当てる構成にて現像を行う所謂接触一成分現像方法が提案されている。
【0006】
一成分現像方法において、感光体とトナー担持体が距離をもつと、感光体上の静電潜像のエッジ部に電気力線が集中し、電気力線に沿ってトナーが現像されるために画像のエッジ部にトナーが偏って現像されるエッジ効果によって画像の品位が低下し易い。
【0007】
感光体とトナー担持体を非常に近づけることにより、このエッジ効果を防止するが、感光体、トナー担持体間の隙間を機械的に設定する、つまり、トナー担持体上トナー層の厚みよりも隙間を小さく設定することは困難である。
【0008】
したがって、トナー担持体を感光体に押し当て現像を行なう接触一成分現像方法を用いて、エッジ効果を防止することになる。しかしながら、感光体表面移動速度に対し、トナー担持体表面移動速度が同じであると、感光体上潜像を可視化した場合、満足できる画像は得られない。よって、接触一成分現像方法においては、感光体表面移動速度に対する、トナー担持体表面移動速度に差を持たせることにより、感光体表面の潜像に対し、トナー担持体上の一部のトナーが現像され、別の一部のトナーが剥ぎ取られ、その結果、潜像に非常に忠実なエッジ効果のない現像画像が得られる。
【0009】
このような接触一成分現像方法においては、感光体表面をトナー及びトナー担持体により擦る構成が必須であり、このために長期間使用によりトナー劣化が生じ、トナーの流動性及び帯電均一性の低下が起こり、カブリの増加や転写効率の低下が生じ好ましくない。また、転写効率の低下により、微細なドットの再現性が低下し、画質の劣化を生じる。
【0010】
Japan Hardcopy’89論文集 25〜28頁に接触型一成分非磁性現像方式の検討がなされている。しかしながら、この耐久性については触れられていない。
【0011】
FUJITSU Sci.Tech.J.,28,4,pp.473−480(December l992)には、一成分接触現像方法を用いたプリンターの概要が報告されている。しかしながら、その耐久特性については十分ではなく、さらなる改善の余地がある。
【0012】
カブリの低減及び転写効率の向上には、特開平6−222609号公報及び特開平8−036316号公報には、外添剤量を規定したトナー、及び平均粒径の異なる2種類の外添剤を外添したトナーを用いた一成分接触現像方法に関する技術が開示されているが、耐久後の転写効率はいまだ充分ではない。
【0013】
また、特開平9−127720号公報及び特開平9−190006号公報には、金属塩化合物を外部添加する方法が開示されているが、これに関しても実際に画像評価を行うと、カブリや転写残において、まだ不十分なレベルである。
【0014】
特開平10−97095号公報(対応EP 822456A1)には、示差熱分析における吸熱ピークを120℃の温度領域に1つ以上有するトナーにおける粒径3μm以上の粒子における円形度分布を規定することにより、トナーの再転写を抑制することが開示されている。
【0015】
EP 886187A1には、特定の円形度分布及び特定の重量平均粒径を有するトナーが有する外添剤のトナー粒子上での平均粒径及び形状係数が特定の範囲であることにより微小ドットを忠実に再現させた高画質画像が得られ、現像器内における機械的ストレスが高く、トナー劣化が生じにくいことが記載されている。
【0016】
しかしながら、上記の2件の先行技術は、接触現像を行う場合に、より転写効率の向上及びカブリの抑制の点でより改良すべき点を有している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性に優れ、カブリが無く、転写効率が高く、高解像度で高精細な画像が得られる画像形成方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の画像形成方法により前述の課題を解決することができることを見出し、本発明に完成するに至った。
【0019】
すなわち、本発明は、静電荷像担持体を帯電する帯電工程、露光により該静電荷像担持体上に電気的静電潜像を形成する露光工程、該静電荷像担持体上の静電潜像とトナー担持体にコートされたトナーとを接触させながら現像する現像工程、該トナー像を転写材に転写する転写工程を少なくとも有する画像形成方法であって、
該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有しているトナー粒子を有し、且つ0.955以上の平均円形度を有しており、
該トナーは、ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物と該トナー粒子とを混合撹拌した後に、さらに微粒子を外部添加して得られたものであって、該トナー粒子表面において、該ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で存在しており、
該ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、X線回折において測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下のピークを有さない非晶性化合物であり、Al 2 (SO 4 3 水溶液にジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液を、Al 2 (SO 4 3 1モルに対し、ジアルキルサリチル酸を2.1乃至3.0モルの割合で、添加し、反応させて得られたものであることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該トナーの平均円形度を0.955以上にし、且つX線回折において測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物を、トナー粒子表面に存在させることによって、長期にわたり高い転写効率を維持でき、中抜けやカブリが低減できることを見出した。
【0021】
芳香族化合物の金属塩または金属錯化合物の如き金属化合物が低結晶性または非晶性であると、せん断力等の力を加えることにより、上記金属化合物自体を延伸することが可能であるため、上記金属化合物粒子とトナー粒子を後述の方法で混合することにより、トナー粒子表面に存在している上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に被覆した状態で存在することが可能となる。また、上記金属化合物は帯電制御作用を有しており、上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に存在(より好ましくは被覆)することによりトナーの帯電が速く、且つ、充分な帯電量を得ることができるために、耐久後でトナーの流動性が劣る様な状態でもトナーの帯電量分布が均一になる。更に、上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に被覆した状態で存在することにより外添剤が埋め込まれにくくなり、トナー劣化が起こり難くなる。よって、これら作用の相乗効果により、耐久後であっても転写効率が高く、且つカブリの無い画像が得られるものと考えられる。
【0022】
なお、本発明において「被覆」とは、拡大倍率1万〜3万倍のSEM観察において、トナー粒子表面に芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または、金属塩と金属錯化合物との混合物がトナー粒子に埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で存在していることが確認できる状態と定義する。
【0023】
一方、芳香族化合物の金属塩または金属錯化合物の如き金属化合物が結晶性物質である場合は、充分な帯電量が得られないか、あるいは、均一な帯電量分布が得られないために転写効率の低下が生じる。
【0024】
この理由は明らかではないが、以下の理由によるものと考えている。
【0025】
一般に結晶の活性は結晶格子の欠陥部分で高いとされており、上記金属化合物においても電荷の発生は結晶の角や縁のような活性の高い所で発生すると考えられる。しかし、上記金属化合物が結晶性物質である場合、平均円形度が0.955以上の表面がなめらかなトナーとの組み合わせにおいては、上記金属化合物は結晶であるために硬く、延伸することなくトナー粒子に埋め込まれてしまう。このため、上記金属化合物の活性の高い部位の露出が減少し、充分な帯電量を得ることができないと考えられる。
【0026】
また、結晶性物質である場合、添加量を増やしても上記金属化合物はトナー粒子に不均一に埋め込まれてしまい、トナー粒子表面に均一に存在することはできない。さらに結晶が大きい場合はトナー粒子に埋め込むことも不可能となってしまう。そのため、上記効果が得られなく、耐久後に転写効率の低下が起こる。
【0027】
本発明において「非晶性または低結晶性」とは、X線回折装置において図1に示す様に、測定強度が10000cps(count per second)以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない状態であり、結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物の回折パターン(図2)とは明らかに異なる。一般的にX線回折測定において、結晶性物質はブラッグの回折条件により結晶面間隔に応じて固有の回折ピークが表れ、回折強度は結晶の状態、結晶化度に依存していることから、X線回折の測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない物質は、非結晶または低結晶物質と考えることができる。実際の測定に際して測定角2θが6degree未満の範囲ではダイレクトビームの影響が大きく、また、測定角2θが大きくなると測定強度が小さくなることから、2θが40degreeを超える範囲では測定強度が小さく、これらの範囲では結晶又は非結晶の判断を行うことは好ましくない。なお、「半値半幅」とは、ピークトップの測定強度(cps)の1/2測定強度におけるピークの幅(半値全幅)の1/2の幅を意味する。
【0028】
本発明のX線回折の測定には、例えば(株)マック・サイエンス製X線回折装置 MXP18を用い、CuKα線を用い次の条件により測定を行う。
【0029】
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
発散スリット:0.50deg.
散乱スリット:0.50deg.
受光スリット:0.3mm
【0030】
なお、芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または、金属塩と金属錯化合物との混合物は、ガラスプレート上に約12mg/cm2となるようにのせ、表面に凹凸がない状態にした後に測定を行う。
【0031】
芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物のトナー粒子表面の存在量としては、トナー粒子100重量部当たり0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部であることが好ましい。存在量が0.01重量部より少ないとトナー表面に均一に存在することが難しくなり耐久後に転写効率の低下が起こり、0.5重量部より多いとトナー粒子表面に存在せずに遊離しているものの割合が増えてしまい、帯電部材の汚染を引き起こし好ましくない。また、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物をトナーに内部添加することにより、トナーのより均一な帯電が行われ、耐久後の転写効率の低下が起こりにくい。内部添加量は結着樹脂100重量部当たり0.05〜5重量部であることが好ましく、内部添加量が0.05重量部より少ないとこのような効果が薄れる。また、5重量部より多いと定着性が劣るものとなり、特にカラートナーでは、OHTの透明性の低下、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物が有する色によるカラートナーの色のズレなどが生じ好ましくない。
【0032】
内部添加する芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩については、トナー表面に存在する化合物と異なっていても同一であってもよく、結晶性であっても非晶性であってもよい。
【0033】
なお、金属錯化合物としては、金属錯体又は金属錯塩が挙げられる。
【0034】
本発明において、添加する芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩としては公知のものが全て使用でき、例えば、オキシカルボン酸の如き芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸系の金属化合物、芳香族モノアゾ金属化合物等がある。この中でもオキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物であり、特に中心金属がアルミニウムまたはジルコニウム、より好ましくはアルミニウムであると転写効率の低下が起こりにくい。この理由は明らかではないが、オキシカルボン酸のアルミニウムあるいはジルコニウム化合物であると、トナーの帯電性が向上し、大きな帯電量が得られると共に、トナーの被覆性が良好であるためであると考えている。
【0035】
本発明に用いられる低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の製造例として、本発明に好適に用いられる非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物の製造方法を例示する。
【0036】
Al2(SO43水溶液にジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液を添加、撹拌し、反応物を濾別、洗浄、乾燥することにより、ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物を製造することが可能である。本発明においては、この製造されるジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、低結晶性または非晶性を有していることが必要であるので、製造時にAl2(SO43 1モルに対し、ジアルキルサリチル酸を好ましくは2.1乃至3.0モル、より好ましくは2.2乃至2.8モル反応させることにより、未反応物の残存量を抑制して低結晶性または非晶性を有する化合物を製造することができる。
【0037】
本発明に用いられる低結晶性または非結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.05乃至0.50μmであることが良い。
【0038】
この低結晶性または非結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の一次粒子の平均粒径の測定は、サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)にて、3万倍から7万倍の倍率で観察して写真を撮る。そして画像上の0.01μm以上の粒子を測定対象にして、一次粒子であると確認できるものについて、50個ランダムにサンプリングして、その各像の粒径を測定し、個数平均値を算出して一次粒子の平均粒径とする。
【0039】
芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または金属塩と金属錯化合物との混合物をトナー表面に被覆させる方法としては、機械的衝撃力を用い、該化合物と着色粒子(トナー)を混合・撹拌することにより行う。機械的衝撃力を与える方法としては、公知の方法が全て用いることができ、具体的には、乾式メカノケミカル法を応用した混合装置であるメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株))、加速管出口に衝突部材を設けた粉砕機であるI式ジェットミル、ローターとライナーを有する混合装置であるハイブリタイザー(奈良機械製作所製)、粉砕ローターを高速回転し、ローターと粒子の衝突、及び粒子同士の衝突を生じさせるターボミル(ターボ工業(株))、及び高速撹拌羽を有する混合機であるヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)等による処理が挙げられる。
【0040】
すなわち、低シェアまたは低速で上記金属化合物とトナー粒子を混合・撹拌を行っても上記金属化合物はトナー粒子から遊離してしまう。一方、高シェアまたは高速で上記金属化合物とトナー粒子を混合・撹拌を行うと上記金属化合物のトナー粒子への付着・被覆が急激に起こり、トナー粒子全体への均一な被覆が困難となる。このため、上記金属化合物をトナー粒子表面に均一に存在させるには、ヘンシェルミキサーを用い、撹拌羽根の周速を30〜80m/secとし、混合時間を1〜10分とすることが好ましい。また、粗粒の発生を防ぐために混合・撹拌時の温度は50℃以下とすることが好ましい。
【0041】
本発明に用いるトナーとしては、平均円形度が0.955以上であることが良く、好ましくは0.955乃至0.990、より好ましくは0.960乃至0.990、さらに好ましくは0.960乃至0.985であり、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましい。本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式(1)により求め、さらに下式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0042】
【数1】
Figure 0004154078
【0043】
【数2】
Figure 0004154078
【0044】
【数3】
Figure 0004154078
【0045】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0046】
測定方法としては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
【0047】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0048】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いてそれぞれの粒子の円形度を算出する。
【0049】
本発明における「平均円形度」とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、トナー形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0050】
一般にトナー形状が不定形であるものは、トナー凸部、または、凹部での帯電均一性が低く、さらに、不定形であるために静電潜像担持体とトナーとの接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くなり、結果として転写残トナーの増加を招く。
【0051】
平均円形度が0.955より小さいということは、トナーは凹凸を有した不定形であるものが多く含まれていることを示し、転写効率が低下する。さらに平均円形度が0.955より小さなトナーは表面に凹凸を有しているために、低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、トナー表面に均一に存在することができなくなる。一方、平均円形度が大きくなりすぎるとトナーは実質球形であり、トナーの表面積が小さくなり良好な帯電性が得られ難くなることから、平均円形度の上限は、0.990であることが特に好ましい。さらにトナーの円形度標準偏差が0.040より大きいということは、トナー形状にばらつきが多いことを示し、トナーの均一な帯電が困難となり、転写効率の低下が生じ易くなる。
【0052】
本発明に用いるトナーは高画質化のため、微少な潜像ドットを忠実に再現するために、トナーの重量平均径は4乃至9μmであることが好ましい。重量平均径が4乃至9μmのトナー粒子においては、文字やライン画像の飛び散りが生じにくく、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好になる。
【0053】
ここで粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンタを用いて測定を実施した。即ち測定装置としては、コールターカウンタTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径を求めた。
【0054】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
【0055】
本発明に用いるトナーのガラス転移点(Tg)は、定着性や保存性の点から好ましくは50℃〜75℃、より好ましくは52℃〜70℃であることが良い。ガラス転移点が45℃より低いとブロッキングを起こしやすくなり、保存性に問題が発生する。また、耐久時のストレスにも弱く、トナー劣化等を生じやすく好ましくない。また、ガラス転移点が70℃より高いと定着性が悪化し、多様なマテリアルに対応することが困難となり、好ましくない。
【0056】
トナーのガラス転移点の測定には例えば、パーキンエルマー社製DSC−7の様な高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定を行う。測定方法は、ASTMD3418−8に準じて行う。本発明においては、試料を1回昇温させ前履歴をとった後、急冷し、再度昇温速度10℃/min、温度30〜200℃の範囲で昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0057】
本発明に使用されるトナーの結着樹脂は、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0058】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が挙げられる。これらは、単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0059】
結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げられる。これらは単独もしくは混合して使用される。架橋剤の添加量としては、重合性単量体100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましい。
【0060】
定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のような低軟化点物質をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体,マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体,フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体,ポリオレフィンワックス及びその誘導体,カルナバワックス及びその誘導体である。誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体,グラフト変性物が挙げられる。その他、長鎖アルコール,長鎖脂肪酸,酸アミド,エステルワックス,ケトン,硬化ヒマシ油及びその誘導体,植物系ワックス,動物系ワックス,鉱物系ワックス,ペトロラクタム等も場合により使用しても良い。
【0061】
低軟化点物質としては、ASTM D3418−8に準拠して測定されたDSC曲線における吸熱メインピーク値が55〜120℃、好ましくは60〜90℃、より好ましくは60〜85℃の値を示す低軟化点物質が好ましく、特に、DSC曲線の接線離脱温度が40℃以上の低軟化点物質がより好ましい。吸熱メインピークが55℃未満であると、低軟化点物質の自己凝集力が弱いために、トナー粒子の内部又は中心部を構成しづらく、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に低軟化点物質が析出し、現像特性に悪影響を与えやすい。更に接線離脱温度が40℃未満になると、トナー粒子の強度が低下し、耐久試験時の現像特性の低下を招きやすい。得られる定着画像も、低軟化点物質の融点が低いことに起因して、べた付いた感じの画像になりやすい。一方、吸熱メインピークが120℃を超えると、定着時に低軟化点物質がしみ出しにくく、低温定着性が低下する。更に、直接重合方法によりトナー粒子を生成する場合、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒径サイズヘの液滴の造粒中に低軟化点物質が析出し、造粒が困難となり好ましくない。
【0062】
低軟化点物質は、トナーの結着樹脂100重量部に対して2乃至40重量部、より好ましくは5乃至35重量部配合するのが良い。
【0063】
低軟化点物質の配合量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超えると、耐ブロッキング効果が低下し、耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、ドラム融着、スリーブ融着を起こしやすく、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にあり好ましくない。
【0064】
本発明に用いられる着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアンの各着色剤が好適に用いられる。
【0065】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0066】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0067】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0068】
これらの着色剤は、単独または混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHPフィルム上の透明性,トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り2〜20重量部が一般に用いられる。
【0069】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部当り40〜150重量部が一般に用いられる。
【0070】
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
【0071】
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものであれば、どんなものでも良く、このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。
【0072】
本発明の画像形成方法に関わるトナーにおいては、現像性、流動性及び耐久性の向上のために、上記金属化合物が表面に存在しているトナー粒子に微粒子を添加することが好ましく、粒径の異なる2種類以上の微粒子を添加することがより好ましい。これは粒径の小さな微粒子(以後「小粒径微粒子」と略す)が流動性を付与し、粒径の大きな微粒子(以後「大粒径微粒子」と略す)は所謂スペーサー粒子として働き、耐久によるトナー劣化を防ぐためである。そのため、大粒径微粒子の一次粒径が0.03μm未満であると、大粒径微粒子がトナーに埋め込まれてしまい、スペーサー粒子としての役割を果たしにくく、また、0.8μmを超えると大粒径微粒子はトナーに付着せずに遊離しやすくなり、上記効果が薄れ好ましくない。従って、大粒径微粒子の一次粒径は、0.03μm乃至0.8μmであることが好ましく、小粒径微粒子の一次粒径は、5nm(0.005μm)乃至20nm(0.02μm)であることが好ましい。小粒径微粒子の一次粒径が20nmを超える場合には、トナーの流動性が充分に高くなり難く、5nm未満の場合には、トナー粒子表面の微細な凹凸に埋もれてしまい、帯電性及び流動性の調整が充分に行われ難い。
【0073】
これら微粒子としては、シリカ微粉体、酸化チタン、アルミナ微粉体、樹脂微粒子等が挙げられ、トナー粒子100重量部に対して小粒径微粒子と大粒径微粒子との合計量で0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが良い。
【0074】
小粒径微粒子の添加量(S)と大粒径微粒子の添加量(L)との比が、好ましくはS:L=1:0.1〜3.5であり、より好ましくはS:L=1:0.1〜3.0である。
【0075】
本発明で用いられる微粒子は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されていることも好ましい。
【0076】
なお、本発明に用いる微粒子の平均粒径の求め方は、まず、微粒子を電子顕微鏡、あるいは、透過電子顕微鏡にて、1万倍から10万倍の倍率で観察し、写真を撮る。そして画像上の1nm以上の微粒子を対象にして、一次粒径であると確認できるものについて、100個無作為にサンプリングし、その像から粒径を求め、平均する。
【0077】
他の添加剤としては、テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい);ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤等が挙げられる。
【0078】
このような微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサーの如き混合機により、混合・撹拌することにより行うが、上記金属化合物とトナー粒子とを混合・撹拌した後で、これら微粒子を添加混合することが好ましい。これは、上記金属化合物と上記微粒子とを同時にトナー粒子と添加混合する場合、及び上記微粒子をトナー粒子と混合後に、上記金属化合物を添加混合する場合には、上記微粒子がトナー粒子表面に付着してしまうことから、上記金属化合物がトナー粒子表面に存在・被覆することが困難となるためである。さらにトナー粒子表層に存在できない該化合物は遊離してしまい、帯電部材を汚染し、カブリの増加、画質の低下を招き好ましくない。
【0079】
次に本発明に用いられるトナーを製造するための方法について説明する。本発明に用いられるトナーは、粉砕トナー製法及び重合トナー製法を用いて製造することが可能である。
【0080】
本発明において、粉砕トナーの製造方法は結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、その他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂を溶融せしめた中に顔料、染料又は磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なってトナーを得ることが出来る。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0081】
このような粉砕法により得られるトナーは平均円形度が0.955未満であり、この場合、粉砕法で得られたトナー粒子を、水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法などによりトナーの表面改質を行い、平均円形度を上げることが好ましい。表面改質の装置としては公知のもの全てを用いることが出来るが、具体的にはメカノフュージョン、I式ミル、ハイブリタイザー、及び特開平10−94734号公報に記載の装置等が挙げられる。
【0082】
本発明において、重合トナーの製造方法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53856号公報,特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法や、予め一次極性乳化粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加えて会合させるヘテロ凝集法等を用いてトナー粒子を製造することが可能である。特には懸濁重合方法によるトナー粒子の生成が好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法によるトナー粒子も本発明に好適に利用することができる。
【0083】
本発明のトナー粒子の製造に重合方法を用いる場合においては、以下の如き方法によってトナー粒子を製造することが可能である。重合性単量体中に低軟化物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機,ホモミキサー又はホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは重合性単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、反応後半に昇温しても良く、さらに、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去する為に反応後半、または反応終了時に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後生成したトナー粒子を洗浄、ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散剤として使用することが好ましい。
【0084】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
【0085】
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類が挙げられる。
【0086】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0087】
本発明において、前記単官能性重合性単量体を単独あるいは2種以上組み合わせて、また、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用することができる。また、前記多官能性重合性単量体を架橋剤として使用することも可能である。
【0088】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0089】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0090】
重合開始剤は重合性単量体100重量部に対して0.5〜20重量部の添加量が好ましく、単独又は併用しても良い。
【0091】
本発明において、重合法トナーを製造する際に用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用されてる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。
【0092】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒体中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることも出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることが出来る。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0093】
本発明の画像形成方法においては、種々の帯電方法を用いることができるが、帯電部材を感光体に当接させる接触帯電法も好適に使用される。その場合、一般のトナーを使った場合、クリーニングの後の残トナーが後工程である接触帯電部材に付着すると、帯電不良を引き起こし、画像上に帯電ムラが発生する。従って、帯電手段が感光体に接することのないコロナ放電等に比べて、カブリおよび残トナーの量は、より少なく、付着し難くする必要がある。従って、接触帯電法において用いられるトナーには、現像性が高く且つカブリの少ないという良好な帯電特性が求められる。さらには、高転写性を有していることが求められる。すなわち、接触帯電法においては、低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または、金属塩と金属錯化合物の混合物がトナー粒子表面に存在していることが重要であり、さらには円形度を厳密に規定したトナーを用いる必要がある。
【0094】
本発明の画像形成方法における現像工程の条件としては、トナー担持体と感光体表面が接触していることが必須であり、より好ましくは反転現像方法を用いるということである。
【0095】
トナー担持体としては、弾性ローラを用い、弾性ローラ表面等にトナーをコーティングし、これを感光体表面と接触させる方法も用いられる。この場合、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラ間に働く電界によって現像されるので、弾性ローラ表面あるいは、表面近傍が電位をもち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラ上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブあるいは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としての現像ローラの抵抗としては102〜109Ω・cmの範囲が好ましい。
【0096】
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。表面粗度Raはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。トナー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
【0097】
トナー担持体上にコートされるトナー量は、0.2〜3.0mg/cm2であることが好ましい。
【0098】
本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる値をミクロメートル(μm)で表したものを言う。
【0099】
【数4】
Figure 0004154078
【0100】
本発明の画像形成方法においては、トナー担持体は感光体の周速同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
【0101】
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積にわたって多くのトナー量を必要とする画像を現像する場合、静電潜像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄くなる。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部分は回収され必要な部分には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。但し、逆に周速比が3.0を超える場合には、上記の如きトナーの過剰な帯電によって引き起こされる種々の問題(トナーの過度なチャージアップによる画像濃度低下等)の他に、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
【0102】
感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトが好適に使用される。
【0103】
OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に転写性やクリーニング性がよく、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着及び外添剤のフィルミングが起こりにくく、好ましい。
【0104】
次に本発明の画像形成方法を図3及び図4を参照しながら以下に説明する。
【0105】
図3において、140は現像装置、100は感光体、127は紙などの被転写体(転写材)、114は転写部材、126は定着用加圧ローラー、128は定着用加熱ローラー、117は感光体100に接触して直接帯電を行う一次帯電部材を示す。一次帯電部材117には、感光体100表面を一様に帯電するようにバイアス電源131が接続されている。
【0106】
現像装置140はトナー142を収容しており、感光体100と接触して矢印方向に回転するトナー担持体104を具備する。さらに、トナー量規制及び帯電付与のための現像ブレード143,トナー142をトナー担持体104に付着させ、かつトナー担持体104との摩擦でトナーヘの帯電付与を行うため矢印方向に回転する塗布ローラ141も備えている。トナー担持体104には現像バイアス電源133が接続されている。塗布ローラ141にもバイアス電源132が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも負側に、正帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
【0107】
転写部材114には感光体100と反対極性の転写バイアス電源134が接続されている。
【0108】
ここで、感光体100とトナー担持体104の接触部分における回転方向の長さ、いわゆる現像ニップ幅は0.2mm以上8.0mm以下が好ましい。0.2mm未満では現像量が不足して満足な画像濃度が得られず、転写残トナーの回収も不十分となる。8.0mmを超えてしまうと、トナーの供給量が過剰となり、カブリ抑制が悪化しやすく、また、感光体100の摩耗にも悪影響を及ぼす。
【0109】
トナー担持体104としては、表面に弾性層を有する、いわゆる弾性ローラが好ましく用いられる。
【0110】
使用される弾性層の材料の硬度としては、20〜65度(アスカC)のものが好適に使用される。
【0111】
また、トナー担持体104の抵抗としては、体積抵抗値で102〜109Ω・cm程度の範囲が好ましい。102Ω・cmよりも低い場合、例えば感光体100の表面にピンホール等がある場合、過電流が流れる恐れがある。反対に109Ω・cmよりも高い場合は、摩擦帯電によるトナーのチャージアップが起こりやすく、画像濃度の低下を招きやすい。
【0112】
トナー担持体104上のトナーコート量は、0.lmg/cm2以上2.0mg/cm2以下が好ましい。0.lmg/cm2よりも少ないと十分な画像濃度が得にくく、2.0mg/cm2よりも多くなると個々のトナー粒子全てを均一に摩擦帯電することが難しくなり、カブリ抑制の悪化の要因となる。さらに、0.2mg/cm2以上1.2mg/cm2以下がより好ましい。
【0113】
トナーコート量は現像ブレード143により制御されるが、この現像ブレード143はトナー層を介してトナー担持体104に接触している。この時の接触圧は、5g/cm以上50g/cm以下が好ましい範囲である。5g/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリ抑制の悪化等の原因となる。一方、50g/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形や現像ブレード143あるいはトナー担持体104へのトナーの融着等が発生しやすくなり、好ましくない。
【0114】
トナーコート量の規制部材としては、トナーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、金属ブレードあるいはローラ等を用いても良い。
【0115】
弾性の規制部材には、所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステンレス、銅、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
【0116】
また、弾性の規制部材とトナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当たるように貼り合わせたり、コーティング塗布したものが好ましい。
【0117】
更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0118】
またさらに、規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーヘのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
【0119】
図3において、一次帯電部材117は矢印方向に回転する感光体100を一様に帯電する。
【0120】
ここで用いている一次帯電部材は、中心の芯金117bとその外周を形成した導電性弾性層117aとを基本構成とする帯電ローラである。帯電ローラ117は、静電潜像担持体一面に押圧力を持って当接され、感光体100の回転に伴い従動回転する。
【0121】
帯電ローラ117を用いたときの好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmであり、印加電圧としては直流電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳したもの等が用いられ、特に限定されないが、本発明においては直流電圧のみの印加電圧が好適に用いられ、この場合の電圧値としては±0.2〜±5kVの範囲で使用される。
【0122】
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラおよび帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
【0123】
一次帯電工程に次いで、発光素子121からの露光123によって感光体100上に情報信号に応じた静電潜像を形成し、トナー担持体104と当接する位置においてトナーにより静電潜像を現像し可視像化する。さらに、本発明の画像形成方法において、特に感光体上にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。次に、該可視像を転写部材114により被転写体127上に転写する。転写を感光体100の表面は、クリーニング装置113により清掃される。なお、クリーニング装置113はトナーの転写効率が高い場合は無くてもよく、この場合は、現像時あるいは現像後の空白時に、直流あるいは交流成分のバイアスを印加し、現像と感光体上の残余トナーを回収できるように制御を行う。次に、転写トナー129は被転写体127と共に定着用加圧ローラー126と定着用加圧ローラー128の間を通過して定着され、永久画像を得る。なお、加熱加圧定着手段としては、ここに示したハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式以外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式も用いられる。
【0124】
一方、転写されずに感光体100上に残った転写残トナーは、感光体100と一次帯電部材117の間を通過して、再び現像ニップ部に到達し、トナー担持体104によって現像器140内に回収される。
【0125】
次に、中間転写ベルトを用いた画像形成方法について図5を用いて説明する。
【0126】
図5は、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)の概略的説明図である。
【0127】
1は第1の画像担持体としてのドラム状の電子写真感光体であり、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0128】
感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3による露光を受ける。このようにして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0129】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分像に現像される。この時第2〜第4の現像器、即ちマゼンタ現像器42、シアン色現像器43、およびブラック色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0130】
中間転写ベルト20は矢印の方向に回転駆動される。
【0131】
感光体1上に形成された上記第1色のイエロー成分像が、感光体1と中間転写ベルト20とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ62を介してバイアス電源29から中間転写ベルト20に印加される一次転写バイアスによって形成される電界により、中間転写ベルト20の外周面に順次転写(一次転写)されていく。
【0132】
中間転写ベルト20に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。
【0133】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0134】
63は二次転写ローラで、二次転写対向ローラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0135】
トナー画像を感光ドラム1から中間転写ベルト20へ転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性でバイアス電源29から印加される。その印加電圧は例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0136】
感光ドラム1から中間転写ベルト20への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ63及び転写残トナー帯電部材52は中間転写ベルト20から離間することも可能である。
【0137】
中間転写ベルト20上に転写されたフルカラー画像は、二次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当接され、給紙ローラ11から中間転写ベルト20と二次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで第2の画像担持体である転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源28から二次転写ローラ63に印加されることにより転写材Pに二次転写される。トナー画像が転写された転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0138】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト20には転写残トナークリーニング装置50が当接され、中間転写ベルト20の表面が清掃される。
【0139】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト20には転写残トナー帯電部材52が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。
【0140】
前記転写残トナーは、感光ドラム1との当接部およびその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルト20がクリーニングされる。
【0141】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。
【0142】
トナーの製造例1
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910重量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒系を調製した。
・スチレン単量体 160重量部
・n−ブチルアクリレート単量体 40重量部
・カーボンブラック 4重量部
・離型剤 8重量部
・スチレン−ブタジエン共重合体樹脂 10重量部
・結晶性のアゾ系鉄錯化合物A 4重量部
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部を添加した分散物(重合性単量体組成物)を、前記分散媒中に投入し回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、200rpm,60℃で5時間重合を行い、その後内温を80℃に昇温させ5時間重合を継続した。
【0143】
重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0144】
更に洗浄し乾燥を行うことで重量平均粒径が7.3μmであり、平均円形度が0.981であり、円形度標準偏差が0.026の黒色粒子(トナー粒子)1を得た。
【0145】
得られたトナー粒子1 100重量部に対して、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂(ポリメチルメタクリレート)微粒子0.5重量部を外添しトナーAを得た。得られたトナーAは、重量平均粒径が7.3μmであり、平均円形度が0.981であり、円形度標準偏差が0.026であった。
【0146】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0147】
上記のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、Al2(SO43水溶液に、ジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液をAl2(SO43 1モルに対してジアルキルサリチル酸が2.6モルとなるように添加し、撹拌して反応させ、反応物を濾別、温水、洗浄、乾燥することにより得られたものである。
【0148】
このジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0149】
また、アゾ系鉄錯化合物Aは、X線回折測定において、測定強度が最大のピークとして、2θ=13.6degreeに測定強度が15000cpsであり、半値半幅=0.13のピークを有しており、結晶性物質であることを確認した。
【0150】
トナーの製造例2
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910重量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒系を調製した。
・スチレン単量体 160重量部
・n−ブチルアクリレート単量体 40重量部
・カーボンブラック 4重量部
・離型剤 8重量部
・ポリエステル樹脂 4重量部
・結晶性のアゾ系クロム錯化合物C 4重量部
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部を添加した分散物(重合性単量体組成物)を、前記分散媒中に投入し回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、200rpm,60℃で5時間重合を行ない、その後内温を80℃に昇温させ5時間重合を継続した。
【0151】
重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0152】
更に洗浄し乾燥を行うことで重量平均粒径が7.6μmであり、平均円形度が0.982であり、円形度標準偏差が0.025の黒色粒子(トナー粒子)2を得た。
【0153】
得られたトナー粒子2 100重量部に対して、非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を35m/secとし、温度45℃未満で9分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.5重量部を外添しトナーBを得た。得られたトナーBの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0154】
非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて9分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0155】
このジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dは、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0156】
また、アゾ系クロム錯化合物Cは、図2に示すように、X線回折測定において、測定強度が最大のピークとして、2θ=8.72degreeに測定強度が41000cpsであり、半値半幅=0.14のピークを有しており、結晶性物質であることを確認した。
【0157】
トナーの製造例3
トナーの製造例1において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bに代えて、非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを用いたことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーCを得た。得られたトナーCの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0158】
非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0159】
トナーの製造例4
トナーの製造例1において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bの添加量を0.01重量部に変えたことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーDを得た。得られたトナーDの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0160】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.01重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0161】
トナーの製造例5
トナーの製造例1において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bの添加量を0.005重量部に変えたことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーEを得た。得られたトナーEの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0162】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.005重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0163】
トナーの製造例6
トナーの製造例1において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bの添加量を0.5重量部に変えたことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーFを得た。得られたトナーFの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0164】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.5重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0165】
トナーの製造例7
トナーの製造例1において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bの添加量を0.7重量部に変えたことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーGを得た。得られたトナーGの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0166】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.7重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0167】
トナーの製造例8
・ポリエステル樹脂 100重量部
・カーボンブラック 4重量部
・離型剤 4重量部
・非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物D 6重量部
上記物質をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出混練機により約140℃の温度で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、重量平均径が8.4μm、平均円形度が0.952、円形度標準偏差が0.045の黒色粒子3を得た。
【0168】
得られた黒色粒子3をハイブリタイザーを用い、4000rpmで3分間表面処理を行い、平均円形度が0.963であり、円形度標準偏差が0.036の黒色粒子(トナー粒子)4を得た。
【0169】
得られたトナー粒子4 100重量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、平均粒径が12nmの疎水化処理シリカ1.0重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.3重量部を外添しトナーHを得た。得られたトナーHの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0170】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0171】
トナーの製造例9
トナーの製造例1において、外部添加した樹脂微粒子の平均粒径を1.0μmに変更したことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーIを得た。得られたトナーIの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0172】
トナーの製造例10
トナーの製造例1において、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子を外添しないことを除いては全てトナーの製造例1と同様にしてトナーJを得た。得られたトナーJの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0173】
トナーの製造例11
トナーの製造例2において、トナー粒子2の製造時に、結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cを添加しなかったことを除いては全てトナーの製造例2と同様にしてトナー粒子5を製造し、同様にしてトナーKを得た。得られたトナーKの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0174】
非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて9分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0175】
トナーの製造例12
トナーの製造例2において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eに変更したことを除いては全てトナーの製造例2と同様としてトナーLを得た。得られたトナーLの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0176】
非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて9分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eは、粒状態ではなく、トナー粒子表面を被覆しているものの、非被覆部が点在していることが確認された。
【0177】
このジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eは、図1に示すように、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、2θ=14.32degreeに測定強度4300cpsのピークが測定され、このピークは、半値半幅が約4であり、よって、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0178】
トナーの製造例13
トナーの製造例2で得られたトナー粒子2 100重量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eを0.3重量部、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカを1.5重量部、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子を0.5重量部それぞれ同時にヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を35m/secとし、温度45℃未満で9分間混合することにより外添し、トナーMを得た。得られたトナーMの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0179】
外添後のトナーを1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物Eの一部はトナー粒子表面を被覆しており、一部は遊離していた。
【0180】
トナーの製造例14
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水910重量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を添加し、回転数を12000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒系を調製した。
・スチレン単量体 160重量部
・n−ブチルアクリレート単量体 40重量部
・イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー17) 20重量部
・離型剤 30重量部
・ポリエステル樹脂 20重量部
・非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物B 2重量部
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部を添加した分散物(重合性単量体組成物)を、前記分散媒中に投入し回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、200rpm,60℃で5時間重合を行い、その後内温を80℃に昇温させ5時間重合を継続した。
【0181】
重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0182】
更に洗浄し乾燥を行うことで重量平均粒径が7.2μmであり、平均円形度が0.979であり、円形度標準偏差が0.030のイエローの着色粒子(トナー粒子)6を得た。
【0183】
得られたイエローのトナー粒子6 100重量部に対して、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.05重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.04μmの疎水化処理シリカ0.5重量部を外添しトナーNを得た。得られたトナーNの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0184】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.05重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bは、粒状態ではなく、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0185】
トナーの比較製造例1
トナーの製造例2において、外部添加の非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dを添加しなかったことを除いては全てトナーの製造例2と同様にしてトナーOを得た。得られたトナーOの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0186】
トナーの比較製造例2
トナーの製造例2で得られたトナー粒子2 100重量部に対し、結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fを0.3重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を35m/secとし、温度45℃未満で9分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.5重量部を外添しトナーPを得た。得られたトナーPの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0187】
結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて9分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、トナー粒子表面に結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fが不均一に埋め込められており、結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fがトナー表面を被覆していないことが確認された。
【0188】
なお、アルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fは、X線回折測定において、測定強度が最大のピークとして、2θ=6.58degreeに測定強度が80000cpsであり、半値半幅=0.21のピークを有しており、結晶性物質であることを確認した。
【0189】
トナーの比較製造例3
トナーの製造例2で得られたトナー粒子2 100重量部に対し、結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cを0.3重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を35m/secとし、温度45℃未満で9分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.5重量部を外添しトナーQを得た。得られたトナーQの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0190】
結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、トナー粒子表面に結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cが不均一に埋め込められており、結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cがトナー粒子表面を被覆していないことが確認された。
【0191】
トナーの比較製造例4
トナーの製造例11において、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Dの代わりに結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cを0.3重量部添加したこと以外は全てトナーの製造例11と同様にしてトナーRを得た。得られたトナーRの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0192】
結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cを0.3重量部加え、ヘンシェルミキサーにて9分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、トナー粒子表面に結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cが不均一に埋め込められており、結晶性のアゾ系クロム錯化合物Cがトナー粒子表面を被覆していないことが確認された。
【0193】
トナーの比較製造例5
トナー粒子として、トナーの製造例8で得られた黒色粒子3 100重量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、平均粒径が12nmの疎水化処理シリカ1.0重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.3重量部を外添しトナーSを得た。得られたトナーSの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0194】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bを0.1重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Bがトナー粒子の凹部を被覆していないことが確認された。
【0195】
トナーの比較製造例6
トナーの製造例14で得られたイエローのトナー粒子6 100重量部に対し、結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fを0.05重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、平均粒径が10nmの疎水化処理シリカ1.5重量部と、平均粒径が0.5μmの樹脂微粒子0.5重量部を外添しトナーTを得た。得られたトナーTの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0196】
結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fを0.05重量部加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、トナー粒子表面に結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fが不均一に埋め込められており、結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯化合物Fがトナー粒子表面を被覆していないことが確認された。
【0197】
【表1】
Figure 0004154078
【0198】
[実施例1〜8、参考例1〜5及び比較例1〜5]
図3および4のような構成を有する電子写真装置として600dpiレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−860)を用意した。プロセススピードは、60mm/sに改造してある。
【0199】
この装置の帯電方式をゴムローラを当接して行う直接帯電とし、印加電圧を直流成分(−1200V)とした。
【0200】
次に、プロセスカートリッジにおける現像部分を改造した。トナー供給体であるステンレススリーブの代わりに、カーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラ(16φ、硬度ASKER C45度、抵抗105Ω・cm)をトナー担持体とし、感光体に当接した。この時の現像ニップ幅は約3mmとなるようにした。該トナー担持体の回転周速は、感光体との接触部分において同方向であり、該感光体回転周速に対し140%となるように駆動する。
【0201】
ここで用いる感光体としては、30φ,254mmのAlシリンダーを基体としたもので、これに、以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体を作製した。
(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
(2)下引き層:変性ナイロン、及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
(3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタロシアニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
(4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法による分子量2万)に8:10の重量比で溶解したものを主体とする。膜厚20μm。
【0202】
トナー担持体にトナーを塗布する手段として、現像器内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラを設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラには、約−550Vの電圧を印加する。さらに、該トナー担持体上トナーのコート層制御のために樹脂をコートしたステンレス製ブレードを、トナー担持体との接触圧が線圧約20g/cmとなるように取付けた。概略を図4に示す。また、現像時の印加電圧をDC成分(−450V)のみとした。
【0203】
これらのプロセスカートリッジの改造に適合するよう電子写真装置に以下のように改造及びプロセス条件設定を行った。
【0204】
改造された装置はローラ帯電器(直流のみを印加)を用い像担持体を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナーにより可視画像とした後に、電圧を+700V印加したローラによりトナー像を転写材に転写するプロセスを持つ。概略を図3に示した。
【0205】
また、感光体帯電電位は、暗部電位を−580Vとし、明部電位を−150Vとした。転写材としては、75g/m2の紙を用いた。
【0206】
トナーA〜M及びトナーO〜Sを用いて、上記画像形成装置により常温常湿環境下(23℃,65%RH)において7000枚の画出し試験を行った。なお、耐久性評価は以下のように評価した。
【0207】
<転写効率>
転写効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値をC、転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をD、未使用の紙上に貼ったマイラーテープのマクベス濃度をEとしたとき、近似的に以下の式で計算した。
【0208】
【数5】
Figure 0004154078
【0209】
転写効率は、以下の基準で評価を行った。
◎:転写効率が96%以上
○:転写効率が92%から95%
△:転写効率が88%から91%
×:転写効率が87%以下
【0210】
<画質>
画質の判断基準は以下の通りである。
◎:非常に良好。
○:わずかにがさついているものの、良好な画像。
△:がさついているものの、実用上問題の無いレベル。
×:がさつきがひどい。
【0211】
<カブリ>
紙上カブリの測定は、反射濃度計(東京電色社製のREFLECTOMETER MODEL TC−6DS)を使用して測定し、黒トナー画像では、Greenフィルターを使用し、後述する実施例15におけるイエロートナー画像ではblueフィルターを使用し、下記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。
【0212】
カブリ(反射率)(%)=〔標準紙の反射率(%)〕−〔サンプルの白地部の反射率(%)〕
【0213】
なお、カブリの評価は、ベタ白画像を初期から7000枚の連続画出し試験時に1000枚ごとに画像を形成した紙をサンプリングし、サンプリングした画像についてカブリの測定を行う。カブリの測定は、画像の4隅と中央部の5ケ所について測定を行い、5点の平均値を紙上カブリとする。
【0214】
画出し初期のカブリの評価基準は、以下の通りである。
◎:カブリの平均が3%以下
○:カブリの平均が5%以下
△:カブリの平均が5%を超える
×:測定点全てにおいてカブリが5%を超える
【0215】
画出し耐久後のカブリの評価基準は、以下の通りである。
◎:耐久全般でカブリが3%以下
○:耐久全般でカブリが5%以下
△:耐久中に一時的にカブリが5%を超えることがある
×:耐久の半分以上でカブリが5%を超える
【0216】
評価結果を表2に示す。
【0217】
【表2】
Figure 0004154078
【0218】
[実施例
上記の実施例1〜8及び参考例1〜5の評価方法で用いた画像形成装置のプロセスカートリッジのクリーニングブレードを取り外して、トナーAを用いて画出し試験を行った。評価結果を下記表3に示す。
【0219】
【表3】
Figure 0004154078
【0220】
[実施例10及び比較例6]
図5に示す構成を有する、フルカラー画像形成装置であるLBP−2040を接触現像を行うよう改造を行い、トナーN及びTを用いて常温常湿環境下(23℃,65%RH)において3000枚の画出し試験を行った。評価結果を下記表4に示す。
【0221】
評価項目は実施例1〜8及び参考例1〜5と同様であるが、転写効率については、感光体から中間転写体への転写を一次転写、中間転写体から紙上への転写を二次転写とし、ベタ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ取ったもののマクベス濃度の値をF、二次転写前の中間転写体上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をG、中間転写体上の二次転写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ取ったもののマクベス濃度の値をH、二次転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をI、未使用の紙上に貼ったもののマクベス濃度をEとしたとき、近似的に以下の式で計算した。
【0222】
【数6】
Figure 0004154078
【0223】
【表4】
Figure 0004154078
【0224】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の如き低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属塩、金属錯体、または、金属塩と金属錯体の混合物がトナー粒子表面に存在していることを特徴とするトナーを用いることにより、接触現像方法において耐久後でも転写効率が高く、カブリの少ない高品位な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶性の芳香族化合物の金属錯体のX線回折チャートである。
【図2】結晶性の芳香族化合物の金属錯体のX線回折チャートである。
【図3】本発明が適用されうる画像形成装置の概略説明図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の現像装置の概略説明図である。
【図5】本発明が適用されうる中間転写体を用いたフルカラー画像形成装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電器
3 像露光手段
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
13 感光ドラムのクリーニング装置
15 定着器
20 中間転写ベルト
26 バイアス電源
28 バイアス電源
29 バイアス電源
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
50 中間転写体のクリーニング装置
52 転写残トナー帯電部材
62 一次転写ローラ
63 二次転写ローラ
64 二次転写対向ローラ
65 中間転写ベルト支持ローラ
66 中間転写ベルト支持ローラ
100 感光体
104 トナー担持体
113 クリーニング装置
114 転写手段
117 帯電器
123 レーザー光又はアナログ光
126 加圧定着手段
128 加熱定着手段
131、132、133、134 バイアス印加手段
140 現像装置
141 塗布ローラ
142 トナー
143 弾性ブレード

Claims (11)

  1. 静電荷像担持体を帯電する帯電工程、露光により該静電荷像担持体上に電気的静電潜像を形成する露光工程、該静電荷像担持体上の静電潜像とトナー担持体にコートされたトナーとを接触させながら現像する現像工程、該トナー像を転写材に転写する転写工程を少なくとも有する画像形成方法であって、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有しているトナー粒子を有し、且つ0.955以上の平均円形度を有しており、
    該トナーは、ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物と該トナー粒子とを混合撹拌した後に、さらに微粒子を外部添加して得られたものであって、該トナー粒子表面において、該ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で存在しており、
    該ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、X線回折において測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下のピークを有さない非晶性化合物であり、Al 2 (SO 4 3 水溶液にジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液を、Al 2 (SO 4 3 1モルに対し、ジアルキルサリチル酸を2.1乃至3.0モルの割合で、添加し、反応させて得られたものであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.3重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 該トナー粒子は、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、結着樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部トナー粒子に含有されており、該非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  6. 該トナーの平均円形度が0.955〜0.990であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該トナーの平均円形度が0.960〜0.985であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 該トナーの円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 該微粒子は、平均粒径の異なる2種類以上の微粒子を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 該微粒子のうち少なくとも一種類の微粒子の平均粒径が0.03乃至0.8μmであることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  11. 該帯電工程が、帯電部材を静電荷像担持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電荷像担持体を帯電することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。
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